【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
血管内腔内の障害物を回収および確保するための介入医療デバイスであって、該デバイスは、
蛇行性生体構造を通って進行するための可撓性を有するシャフトであって、該シャフトは、遠位部分および近位部分を有する、シャフトと、
複数のストラットを備える、該シャフトの遠位部分に位置する捕捉構造であって、該捕捉構造は、該障害物の中にまたはそれに隣接して配置するための縮小プロファイルと、該障害物の中へと拡張されると、該ストラットが少なくとも部分的に該障害物と噛合し、それにより、該捕捉構造のその後の移動によって、該内腔からの該障害物の少なくとも一部の転置を可能にするような拡張プロファイルとを有する、捕捉構造と、
該捕捉構造の近位端に対して添着される固定区画と、該固定区画から近位方向に延在する自由区画と、該固定区画から該自由区画まで延在するカバー壁とを有する外転可能カバーであって、該外転可能カバーは、拡張可能であり、該外転可能カバーは、軸方向に柔軟であることにより、該シャフトが該内腔内で近位に移動させられると、該外転可能カバーが、該捕捉構造を覆って外転し、該カバーの自由区画が該捕捉部分の固定端の遠位にあることを可能にする、外転可能カバーと
を備える、デバイス。
(項目2)
前記外転可能カバーと、捕捉構造と、シャフトとは、一体型構造である、項目1に記載の医療デバイス。
(項目3)
前記自由区画の端部に位置する各ワイヤは、前記カバーまでループを作って戻り、該カバーは、該自由区画の端部におけるワイヤを連続した状態にさせる、項目1に記載の医療デバイス。
(項目4)
前記遠位端に隣接する前記カバー壁の少なくとも一部は、拡張時に外転される設定形状を有する、項目1に記載の医療デバイス。
(項目5)
カテーテル本体をさらに備え、送達構成において、前記シャフト、捕捉構造、および外転可能カバーは、該カテーテル本体内に位置し、該捕捉構造は、該カテーテル本体の遠位端の中において、およびそれから外に前進可能である、項目1に記載の医療デバイス。
(項目6)
前記外転可能カバーは、前記カバー壁を形成する複数の層を備える、項目1に記載の医療デバイス。
(項目7)
前記外転可能カバーの自由区画は、前記シャフトに取着されることなく、前記シャフトの周りに部分的に拘束される、項目1に記載の医療デバイス。
(項目8)
前記カバー壁の一部は、前記外転可能カバーが拡張されると、前記固定区画を越えて遠位に延在する、項目1に記載の医療デバイス。
(項目9)
前記外転可能カバーの固定区画は、事前に設定された形状を備えることにより、該外転可能カバーを外転させるために要求される力を低減させる、項目1に記載の医療デバイス。
(項目10)
前記カバー壁は、配備時に、波状パターンに層化される、項目1に記載の医療デバイス。
(項目11)
前記捕捉構造は、細長ステント構造を備える、項目1に記載の医療デバイス。
(項目12)
前記捕捉構造は、フィルタ、動脈切除術用デバイス、回転カッタ、吸引デバイス、ステントベースの回収用機器、および回収バスケットから構成される群から選択されるデバイスを備える、項目1に記載の医療デバイス。
(項目13)
前記カバーは、自己拡張式である、項目1に記載の医療デバイス。
(項目14)
前記遠位開口部にあるか、またはそれに隣接する前記カバーの一部は、球根状形状を備える、項目1に記載の医療デバイス。
(項目15)
前記カバーは、第1の多孔率を有する第1の多孔性区画と、少なくとも第2の多孔率を有する第2の多孔性区画とを備え、該第1の多孔率と第2の多孔率とは、第1の多孔性区画と第2の多孔性区画とを通って流動する流体の能力が異なるように、異なる、項目1に記載の医療デバイス。
(項目16)
前記第1の多孔性区画は、第1の編組密度を備え、前記第2の多孔性区画は、第2の編組密度を備える、項目15に記載の医療デバイス。
(項目17)
前記第1の多孔性区画は、付加的な編組層を備える、項目15に記載の医療デバイス。
(項目18)
前記第1の多孔性区画は、それを通って流体が流動することを防止する、項目15に記載の医療デバイス。
(項目19)
前記第1の多孔性区画は、前記第2の多孔性区画の遠位にあり、前記第1の多孔率は、前記第2の多孔率を上回る、項目15に記載の医療デバイス。
(項目20)
前記第1の多孔性区画は、前記カバーの周辺領域を備える、項目15に記載の医療デバイス。
(項目21)
前記カバーの領域に、またはそれに隣接して、少なくとも1つのポリマー層をさらに備える、項目1に記載の医療デバイス。
(項目22)
前記ポリマー層の上に、またはその中に少なくとも1つの薬剤をさらに備える、項目21に記載の医療デバイス。
(項目23)
前記シャフトの遠位端に少なくとも1つの放射線不透過性マーカーをさらに備える、項目1に記載の医療デバイス。
(項目24)
前記カバーは、メッシュ材料を備える、項目1に記載の医療デバイス。
(項目25)
前記メッシュ材料は、単一の連続ワイヤを備える、項目24に記載の医療デバイス。
(項目26)
前記メッシュ材料の少なくとも一部は、延伸充填管材料から加工される、項目24に記載の医療デバイス。
(項目27)
前記メッシュ材料の少なくとも一部は、放射線不透過性材料から加工される、項目24に記載の医療デバイス。
(項目28)
前記外転可能カバーは、少なくとも1つのワイヤを備え、該少なくとも1つのワイヤは、コイルの巻線が前記カバー壁を形成するようにコイル状にされている、項目1に記載の医療デバイス。
(項目29)
前記カバーは、前記コイルに隣接する編組をさらに備える、項目28に記載の医療デバイス。
(項目30)
前記カバーは、前記コイルに連結されたフィルムをさらに備える、項目28に記載の医療デバイス。
(項目31)
前記外転可能カバーは、前記カバー壁の外部表面に少なくとも1つのバーブまたはナックルを備える、項目1に記載の医療デバイス。
(項目32)
前記外転可能カバーは、内側編組層および外側編組層を備え、該外側編組層は、該内側編組層よりも比較的柔軟である、項目1に記載の医療デバイス。
(項目33)
血管内の障害物を確保する方法であって、該方法は、
カテーテルを血管内に配置することと、
回収デバイスが添着されているシャフトを該カテーテルから外に前進させることと、
外転可能カバーを該カテーテルから外に前進させることであって、該前進させることにより、該外転可能カバーの固定端が該回収デバイスの近位端に隣接し、該外転可能カバーの自由端が該シャフトおよび回収デバイスに対して移動可能である、ことと、
該外転可能カバーの少なくとも一部を該血管の壁の一部に対して拡張させることと、
該回収デバイスを少なくとも部分的に該障害物と噛合された状態になるように操作することと、
該シャフトおよび回収デバイスをそこに添着された該障害物の少なくとも一部とともに近位に並進させることであって、該並進させることにより、該血管に対する該外転可能カバーの抵抗は、該外転可能カバーの移動に抵抗し、該外転可能カバーの自由区画を、近位に並進された回収デバイスを覆って外転させる、ことと
を含む、方法。
(項目34)
前記シャフトを前記血管からさらに引抜することをさらに含み、該引抜することにより、引抜の間、前記外転可能カバーは、前記障害物を覆う保護障壁を形成し、該血管によって生じさせられる剪断力を減少させ、前記回収デバイスから該障害物が外れることを低減させる、項目33に記載の方法。
(項目35)
回収デバイスを準備する方法であって、該方法は、
患者の身体から以前に除去された回収デバイスを提供することであって、該回収デバイスは、保護カバーを含み、該保護カバーの固定端は、該回収デバイスの近位端に隣接して添着され、自由端は、該回収デバイスを被覆する該固定端の遠位に位置し、第2の端部に対して移動可能である、ことと、
該固定端が該回収デバイスの近位端に隣接して添着された状態のままである間、該自由端を該固定端の近位に移動させることによって、該保護カバーを反転させることと、
該回収デバイスおよびカバーをカテーテルの中へ挿入することであって、該カバーの自由端は、該カバーの固定端および回収デバイスの近位にあることにより、該カテーテルからの配備時に、該カバーの自由端が該カバーの固定端の近位に配備される、ことと
を含む、方法。
(項目36)
血管内の障害物を確保する方法であって、該方法は、
回収デバイスが添着されたシャフトを該障害物まで前進させることと、
保護デバイスを該シャフトにわたって前進させることであって、該保護デバイスは、外転可能カバーを有するシースを備え、該外転可能カバーの固定端は、該シースの遠位部分に添着され、該外転可能カバーの自由端は、該固定端の近位に位置する、ことと、
該外転可能カバーの固定端を該回収デバイスに隣接して配置し、該外転可能カバーの少なくとも一部を該血管の壁の一部に対して拡張させることと、
該シャフトおよび回収デバイスを、そこに添着された障害物の少なくとも一部とともに近位に並進させることであって、該並進させることにより、該血管に対する該外転可能カバーの抵抗が、該外転可能カバーの移動に抵抗し、該外転可能カバーの自由区画を、近位に並進された回収デバイスを覆って外転させる、ことと
を含む、方法。
(項目37)
血管内腔内の障害物を確保し、血管系を通って進行させられるように構成されているカテーテルと併用するための医療デバイス回収システムであって、該デバイスは、
複数のストラットを備える細長ステントであって、該ステントは、送達の間、該カテーテルの中に配置するために圧潰可能であり、拡張プロファイルを有することにより、拡張されると、該ストラットが該障害物に係合するように構成されている、ステントと、
該細長ステントに固定して取着され、蛇行性生体構造を通って進行するための可撓性を有するシャフトと、
該細長ステントの近位端に連結される遠位端と、空洞を画定し、該シャフトに沿って延在するカバー壁と、該シャフトに対して移動可能である近位端とを有する流体浸透性カバーであって、該流体浸透性カバーは、送達の間、該カテーテルの中に配置するために圧潰可能であり、該カテーテルからの配備時に拡張可能であることにより、該流体浸透性カバーの一部は拡張可能である、流体浸透性カバーと
を備え、
該流体浸透性カバーは、軸方向に柔軟性であることにより、該デバイスが、該血管の中に配備され、摩擦力が該流体浸透性カバーに対して印加されると、該シャフトおよび細長ステントの近位移動は、流体浸透性カバー壁の内転を生じさせることにより、該流体浸透性カバー壁が該細長ステントを覆って外転する、システム。
(項目38)
血管系を通した送達のために、および血管内腔内の障害物を確保するために構成されている、カテーテルと併用するための介入医療デバイスであって、該デバイスは、
蛇行性生体構造を通って進行するための可撓性を有するシャフトであって、該シャフトは、遠位部分および近位部分を有する、シャフトと、
側壁を備える捕捉デバイスであって、該捕捉デバイスは、該シャフトの遠位部分に固定して位置し、該カテーテルの中に配置するための縮小プロファイルと、拡張プロファイルとを有し、該カテーテルからの配備時に該捕捉デバイスが拡張して、該側壁の一部を該障害物の中へと付勢することにより、少なくとも部分的に該障害物に取着する、捕捉デバイスと、
該捕捉構造の近位端に隣接して連結される遠位端と、近位端と、その間に延在するカバー壁とを有するカバーであって、該カバーの近位端は、該遠位端に対して摺動可能であり、該カバーは、拡張可能であることにより、該カテーテルの中に位置するとき、該カバーが縮小送達状態にあり、該カテーテルからの前進時に、該カバーが該遠位端の近位に位置する該近位端とともに拡張し、該カバー壁は、柔軟であることにより、該カテーテルから配備され、該シャフトが近位方向に引張されるとき、該血管と該カバー壁または近位端との間の摩擦力は、該カバー壁が該捕捉デバイスを覆って内転して、該捕捉デバイスを包囲するとき、該カバーを内転させる、カバーと
を備える、デバイス。
(項目39)
回収デバイスを確保するための介入医療デバイスであって、該回収デバイスは、身体からの除去のために、その中に位置する1つ以上の障害物を有し、該医療デバイスは、
蛇行性生体構造を通って進行するための可撓性を有するシースであって、該シースは、遠位部分と、近位部分と、それを通して延在する内腔とを有する、シースと、
該シースの遠位部分に添着される固定区画と、該固定区画から近位方向に延在する自由区画と、該固定区画から該自由区画まで延在するカバー壁とを有する外転可能カバーであって、該外転可能カバーは、拡張可能であり、該外転可能カバーは、軸方向に柔軟であることにより、該回収デバイスが、該シース内腔を通して配置され、該外転可能カバーに対して近位方向に移動させられるとき、該外転可能カバーは該回収デバイスを覆って外転して、該カバーの自由区画が該回収デバイスの遠位にあることを可能にする、外転可能カバーと
を備える、医療デバイス。
(項目40)
血管系内の1つ以上の閉塞体に対して拡張するためのステント回収デバイスであって、該ステント回収デバイスは、
蛇行性生体構造を通って進行するための可撓性を有する細長シャフトであって、該細長シャフトは、遠位部分および近位部分を有する、細長シャフトと、
該細長シャフトの遠位部分から分化して、開放遠位端と、流体浸透性閉鎖近位端と、その間の空洞とを有する拡張可能細長ステント本体を形成する複数のフィラメントであって、該細長シャフトの遠位部分における該フィラメントの分化は、該流体浸透性閉鎖近位端を形成し、
該シャフトに沿って延在する該複数のフィラメントは、該遠位部分の中にいかなる接続継目もないことにより、それが蛇行性生体構造を通って進行するとき、該遠位部分の可撓性の増加をもたらす、複数のフィラメントと、
該遠位部分の近位の1つ以上の接続継目であって、該接続継目は、該複数のフィラメントを該シャフトに固着させる、接続継目と
を備える、ステント回収デバイス。
(項目41)
前記複数のフィラメントのうちの少なくとも1つは、一緒に捻転された少なくとも2つのワイヤを備え、該細長ステント本体は、フィラメントの少なくとも1つの交差点をさらに備え、各フィラメントのワイヤは、該細長ステント本体の外向き半径方向強度の増加を提供し、該ワイヤは、該細長ステント本体の直径が拡張または圧縮するとき、相互に対して摺動し、該細長ステント本体を線形化するために要求される力を低減させるように編み込まれる、項目40に記載のステント回収デバイス。
(項目42)
前記細長ステント本体の外部表面は、フィラメントの交差点によって形成される不規則表面を備える、項目40に記載のステント回収デバイス。
(項目43)
前記フィラメントの交差点は、1つのバーブまたはナックルを備え、複数のバーブまたはナックルが、前記細長ステント本体の周りで半径方向に離間される、項目42に記載のステント回収デバイス。
(項目44)
前記フィラメントの交差点は、1つのバーブまたはナックルを備え、複数のバーブまたはナックルが、前記細長ステント本体の軸と整列させられる、項目42に記載のステント回収デバイス。
(項目45)
前記細長ステント本体は、該細長ステント本体の周りで半径方向に離間される複数のバーブまたはナックルを備え、該複数のバーブまたはナックルは、該細長ステント本体の軸と軸方向に整列させられる、項目42に記載のステント回収デバイス。
(項目46)
少なくとも1つのフィラメントは、延伸充填管材料を備える、項目40に記載のステント回収デバイス。
(項目47)
少なくとも1つのフィラメントは、第1の材料から構成される少なくとも1つのワイヤと、少なくとも該第1の材料とは異なる少なくとも第2の材料から構成される少なくとも第2のワイヤとを備える、項目40に記載のステント回収デバイス。
(項目48)
少なくとも1つのフィラメントは、第1の材料から構成される少なくとも1つのワイヤを備え、少なくとも第2のフィラメントは、該第1の材料とは異なる少なくとも第2の材料から構成される少なくとも1つのワイヤを有する、項目40に記載のステント回収デバイス。
本明細書で論じられる実施例は、血管系内の障害物または血塊を回収するために好適な形態における本発明のデバイスを示す。障害物という用語は、血塊、プラーク、コレステロール、血栓、自然発生異物(すなわち、内腔内に引っ掛かった身体の一部)、非自然発生異物(すなわち、内腔内に引っ掛かった医療デバイスまたは他の非自然発生物質の一部)を含んでもよい。しかしながら、デバイスは、そのような用途に限定されず、接続点の排除またはその数の減少が所望される、任意の数の医療用途に適用することができる。
【0010】
本明細書で論じられるデバイスは、血管内腔内の障害物を回収および確保するための介入医療デバイスを含む。一実施例では、このデバイスは、蛇行性生体構造を通って進行するための可撓性を有するシャフトであって、遠位部分および近位部分を有するシャフトと、複数のストラットを備える、シャフトの遠位部分に位置する捕捉構造であって、障害物内またはそれに隣接して配置するための縮小プロファイルと、障害物の中へと拡張されると、ストラットが、少なくとも部分的に障害物と噛合し、捕捉構造のその後の移動によって、内腔からの障害物の少なくとも一部の転置を可能にするような拡張プロファイルとを有する捕捉構造と捕捉構造の近位端に対して添着される固定区画と、遠位区画から近位方向に延在する自由区画と、固定区画から自由区画に延在するカバー壁とを有する、外転可能カバーであって、外転可能カバーが、外転可能カバーの少なくとも一部が、捕捉構造以上の直径を有するように、拡張可能であって、外転可能カバーが、シャフトが、内腔内で近位に移動させられると、ある場合には、カバー壁と内腔との間の摩擦が、カバー壁の近位移動に抵抗し、外転可能カバーを捕捉構造を覆って外転させ、カバーの自由区画を捕捉部分の固定端の遠位にもってくるように、軸方向に柔軟性である、カバーとを備える。外転または外転可能とは、概して、回収デバイスを保護および被覆するように、カバーを裏バーブにさせる、カバー内のデバイスの移動を含む。本明細書に開示されるカバーは、自己拡張式構成を通して、または作動式拡張(例えば、形状記憶合金、バネ拡張、または他の作動)を介して、拡張可能であることができる。
【0011】
一実施例では、このデバイスは、外転可能カバーと、捕捉構造と、シャフトとが一体型構造である構成を含む。このデバイスはまた、自由区画の端部に位置する各ワイヤが、カバーまでループを作って戻り、自由区画の端部におけるワイヤを連続させるように構成されることができる。
【0012】
別の変形例では、遠位端に隣接するカバー壁の少なくとも一部は、拡張時に外転される、設定形状を有する。このデバイスはまた、随意に、カテーテル本体を含むことができ、送達構成では、シャフト、捕捉構造、および外転可能カバーは、カテーテル本体内に位置し、捕捉構造は、カテーテル本体の遠位端の内外を前進可能である。
【0013】
このデバイスはまた、外転可能カバーの固定区画が、事前に設定された形状を備え、外転可能カバーを外転させるために要求される力を低減させるように構成されることができる。
【0014】
この回収デバイスは、フィルタ、動脈切除術用デバイス、回転カッタ、吸引デバイス、ステントベースの回収用機器および回収バスケット等、任意の数の捕捉または回収デバイスを備えることができる。
【0015】
本明細書に説明される方法は、血管内の障害物を確保する方法を含むことができる。一実施例では、本方法は、カテーテルを血管内に配置するステップと、カテーテルから、そこに添着された回収デバイスを有するシャフトを前進させるステップと、外転可能カバーの固定端が、回収デバイスの近位端に隣接して添着され、外転可能カバーの自由端が、シャフトおよび回収デバイスに対して移動可能であるように、外転可能カバーをカテーテルから前進させるステップと、外転可能カバーの少なくとも一部を血管の壁の一部に対して拡張させるステップと、少なくとも部分的に、障害物と噛合された状態になるように、回収デバイスを操作するステップと、血管に対する外転可能カバーの抵抗が、外転可能カバーの移動に抵抗し、外転可能カバーの自由区画を近位に並進された回収デバイスを覆って外転させるように、そこに添着された障害物の少なくとも一部と一緒に、シャフトおよび回収デバイスを近位に並進させるステップとを含むことができる。
【0016】
別の変形例では、本方法は、引抜の間、外転可能カバーが、障害物を覆って、保護障壁を形成し、血管によって生じる剪断力を減少させ、回収デバイスからの障害物の外れる部分を低減させるように、血管からシャフトをさらに引抜するステップを含むことができる。
【0017】
方法の別の変形例は、回収デバイスを準備する方法であって、患者の身体から以前に除去された回収デバイスを提供するステップであって、回収デバイスが、保護カバーを含み、保護カバーの固定端が、回収デバイスの近位端に隣接して添着され、自由端が、回収デバイスを被覆する固定端の遠位に位置し、第2の端部に対して移動可能である、ステップと、固定端が、回収デバイスの近位端に隣接して添着されたままにしながら、自由端を固定端の近位に移動させることによって、保護カバーを反転させるステップと、回収デバイスおよびカバーをカテーテル内に挿入するステップであって、カバーの自由端が、カテーテルからの配備時に、カバーの自由端がカバーの固定端の近位に配備するように、カバーの固定端および回収デバイスの近位にある、ステップとを含む、方法を含む。
【0018】
別の実施例では、本明細書に説明されるデバイスは、血管内腔内の障害物を確保するため、かつ血管系を通って進行されるように構成されるカテーテルと併用するための医療デバイス回収システムを含むことができる。一変形例では、本デバイスは、複数のストラットを備える細長ステントであって、送達の間、カテーテル内に配置するために圧潰可能であって、拡張されると、ストラットが、障害物に係合するように構成されるような拡張プロファイルを有する、ステントと、細長ステントに固定して取着され、蛇行性生体構造を通って進行するための可撓性を有する、シャフトと、細長ステントの近位端に連結される遠位端と、空洞を画定し、シャフトに沿って延在するカバー壁と、シャフトに対して移動可能である近位端とを有する、流体浸透性カバーであって、送達の間、カテーテル内に配置するために圧潰可能であって、配備時に、流体浸透性カバーの少なくとも一部が、拡張可能であるように、カテーテルから拡張可能である、流体浸透性カバーとを備え、流体浸透性カバーは、本デバイスが、血管内に配備されると、血管と流体浸透性カバーとの間の摩擦力によって、シャフトおよび細長ステントの近位移動をもたらし、流体浸透性カバー壁の内転を生じさせ、流体浸透性カバー壁を細長ステントを覆って外転させるように軸方向に柔軟である。
【0019】
デバイスの別の変形例は、血管内腔内の障害物を確保するために、血管系を通した送達のために構成されるカテーテルと併用するための介入医療デバイスを含む。例えば、本デバイスは、蛇行性生体構造を通って進行するための可撓性を有するシャフトであって、遠位部分および近位部分を有する、シャフトと、側壁を備える捕捉デバイスであって、シャフトの遠位部分に固定して位置し、カテーテル内に配置するための縮小プロファイルと、カテーテルからの配備時に、捕捉デバイスが拡張し、側壁の一部を障害物内に付勢し、少なくとも部分的に、障害物に取着するような拡張プロファイルとを有する、捕捉デバイスと、捕捉構造の近位端に隣接して連結される遠位端と、近位端と、その間に延在するカバー壁とを有するカバーであって、カバーの近位端が、遠位端に対して摺動可能であって、カバーが、カテーテル内に位置するとき、カバーが、縮小送達状態にあって、カテーテルからの前進時に、カバーが、遠位端の近位に位置する近位端と一緒に拡張するように、拡張可能であって、カバー壁が、カテーテルから配備され、シャフトが、近位方向に引張されると、血管とカバー壁または近位端との間の摩擦力によって、カバー壁が、捕捉デバイスを覆って内転し、捕捉デバイスを包囲するにつれて、カバーを内転させるように柔軟性であるカバーとを備えることができる。
【0020】
本デバイスの別の変形例は、身体からの除去のために、その中に位置する1つ以上の障害物を有する回収デバイスを確保するための介入医療デバイスを含む。そのような実施例の1つでは、医療デバイスは、蛇行性生体構造を通って進行させるための可撓性を有するシースであって、遠位部分と、近位部分と、それを通して延在する内腔とを有する、シースと、シースの遠位部分に添着される固定区画と、固定区画から近位方向に延在する自由区画と、固定区画から自由区画に延在するカバー壁とを有する、外転可能カバーであって、外転可能カバーが、拡張可能であって、外転可能カバーが、回収デバイスが、シース内腔を通して配置されると、近位方向に、外転可能カバーに対して移動され、外転可能カバーを回収デバイスを覆って外転させ、カバーの自由区画を回収デバイスの遠位にもってくるように、軸方向に柔軟性であるカバーとを含む。
【0021】
本方法の別の変形例は、そこに添着された回収デバイスを有するシャフトを障害物まで前進させるステップと、保護デバイスをシャフトにわたって前進させるステップであって、保護デバイスが、外転可能カバーを有するシースを備え、外転可能カバーの固定端が、シースの遠位部分に添着され、外転可能カバーの自由端が、固定端の近位に位置する、ステップと、外転可能カバーの固定端を回収デバイスに隣接して位置付け、外転可能カバーの少なくとも一部を血管の壁の一部に対して拡張させるステップと、血管に対する外転可能カバーの抵抗が、外転可能カバーの移動に抵抗し、外転可能カバーの自由区画を近位に並進された回収デバイスを覆って外転させるように、そこに添着された障害物の少なくとも一部と一緒に、シャフトおよび回収デバイスを近位に並進させるステップとを含む。
【0022】
本明細書に説明される捕捉部分は、血管系内の1つ以上の閉塞体に対して拡張させるためのステント回収デバイスを含むことができる。一実施例では、ステント回収デバイスは、蛇行性生体構造を通って進行させるための可撓性を有する細長シャフトであって、遠位部分および近位部分を有する、細長シャフトと、細長シャフトの遠位部分から分化し、開放遠位端と、流体浸透性閉鎖近位端と、その間に空洞とを有する、拡張可能細長ステント本体を形成する、複数のフィラメントであって、細長シャフトの遠位部分におけるフィラメントの分化が、流体浸透性閉鎖近位端を形成し、シャフトに沿って延在し、遠位部分内にいかなる接続継目もなく、蛇行性生体構造を通って進行するにつれて、遠位部分の可撓性の増加をもたらす、複数のフィラメントと、遠位部分の近位の1つ以上の接続継目であって、複数のフィラメントをシャフトに固着させる、接続継目とを含む。
【0023】
このステント回収デバイスはまた、一緒に捻転された少なくとも2つのワイヤを備える、複数のフィラメントのうちの少なくとも1つを含むことができ、細長ステント本体は、フィラメントの少なくとも1つの交差点をさらに備え、各フィラメントのワイヤは、細長ステント本体の外向き半径方向強度の増加を提供し、ワイヤが、細長ステント本体の直径が、拡張または圧縮するにつれて、相互に対して摺動し、細長ステント本体を線形化するために要求される力を低減させるように、編み込まれる。
【0024】
このステント回収デバイスは、フィラメントの交差点によって形成される不規則表面を備える、細長ステント本体の外部表面を有することができる。
【0025】
このステント回収デバイスはまた、バーブまたはナックルを備える、フィラメントの交差点を有することができ、複数のバーブまたはナックルは、細長ステント本体を中心として半径方向に離間される。このステント回収デバイスはまた、バーブまたはナックルを備える、フィラメントの交差点を有することができ、複数のバーブまたはナックルは、細長ステント本体の軸と整列させられる。
【0026】
本明細書に説明されるデバイスの一変形例では、デバイスは、種々の形状を有するデバイスを形成するように分化するが、接続点または継目が殆どまたは全くない、ワイヤの主要束または群を備える(そのような構造の加工は、「無継目」と称される)。明らかに、本明細書に説明される本発明のデバイスは、そのような無継目構造に限定されない。付加的変形例は、以下に説明されるように、捕捉部分に取着される、1つ以上の引込ワイヤを含む。
【0027】
本発明のデバイスは、限定されないが、材料、形状、サイズおよび/または直径を含む、異なる特性の任意の数のワイヤを組み込むことができる。明らかに、デバイス構成の順列の数は、有意である。デバイスにそのような複合構造を具備することによって、デバイスの特性の操作が、意図された用途に好適となることを可能にする。
【0028】
本明細書に記載されるように、無継目構造は、継目、接続点、または他の取着点を排除することによって、デバイスの可撓性および強度を改善する。加えて、無継目構造は、小型のマイクロカテーテルを通して送達されることになるデバイスの能力を改善する。その結果、デバイスおよびマイクロカテーテルは、血管系の遠隔領域にアクセス可能となる。
【0029】
本デバイスは、カテーテルからの配備時に、自己拡張式であるように加工されてもよい。代替として、本デバイスは、所定の遷移温度に到達すると、自動的に配備するような形状記憶合金から構築されることもできる。
【0030】
本発明のいくつかの変形例では、デバイスの全部または一部が、障害物に付着するその能力を増加させるように設計されることができることに留意されたい。例えば、ワイヤは、エネルギー源(例えば、RF、超音波、または熱エネルギー)に連結され、障害物に「溶着」してもよい。デバイスへのエネルギーの印加は、周囲部分を障害物内に変形させ、障害物内に「埋入」させることができる。代替として、デバイスは、障害物に正の電荷を付与し、より容易な除去を可能にするために十分に、障害物を部分的に液化させることができる。別の変形例では、負の電荷が、印加され、より優れた引張力のために、血栓をさらに構築し、デバイスを入れ子にし得る。ワイヤは、親水性物質の使用によって、または障害物の表面への化学接合を生成するであろう化学物質によって、より粘性に作製されることができる。代替として、フィラメントは、障害物の温度を低下させ、障害物に凝結または付着してもよい。
【0031】
虚血性脳卒中を治療するための付加的デバイスおよび方法は、本発明の譲受人に譲渡された、2007年2月5日出願の米国特許出願第11/671,450号、2007年3月9日出願の第11/684,521号、2007年3月9日出願の第11/684,535号、2007年3月9日出願の第11/684,541号、2007年3月9日出願の第11/684,546号、2007年3月12日出願の第11/684,982号、2007年4月17日出願の第11/736,526号、2007年4月17日出願の第11/736,537号、2007年9月10日出願の第11/825,975号、2008年12月26日出願の第12/344,378号、2011年1月24日出願の第13/012,727号、および2011年9月6日出願の第13/226,222号に論じられ、そのそれぞれの全体が、参照することによって組み込まれる。本明細書に論じられるような本発明の原理は、前述の参照例に適用され、虚血性脳卒中を治療する際に有用なデバイスを生産し得る。言い換えると、本発明による、デバイスのワイヤ形状構造は、そのような組み合わせが、本明細書に説明される特徴と一貫しないとき、前述の参照例に開示される形状をとってもよい。
【0032】
以下の図はそれぞれ、本発明の側面を図式的に図示する。図に示される側面からの本発明の変形例も、想定される。