特許第6374607号(P6374607)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6374607ノボラック系ビニルエステルを有する嫌気硬化性組成物
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374607
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】ノボラック系ビニルエステルを有する嫌気硬化性組成物
(51)【国際特許分類】
   C08F 290/14 20060101AFI20180806BHJP
   C08G 59/16 20060101ALI20180806BHJP
   C09J 4/02 20060101ALI20180806BHJP
   C09J 11/06 20060101ALI20180806BHJP
   C09J 163/10 20060101ALI20180806BHJP
   C09J 5/00 20060101ALI20180806BHJP
   C08J 5/12 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   C08F290/14
   C08G59/16
   C09J4/02
   C09J11/06
   C09J163/10
   C09J5/00
   C08J5/12CEY
【請求項の数】19
【全頁数】27
(21)【出願番号】特願2017-522020(P2017-522020)
(86)(22)【出願日】2015年10月16日
(65)【公表番号】特表2018-500399(P2018-500399A)
(43)【公表日】2018年1月11日
(86)【国際出願番号】IB2015002151
(87)【国際公開番号】WO2016063128
(87)【国際公開日】20160428
【審査請求日】2017年12月5日
(31)【優先権主張番号】1418997.1
(32)【優先日】2014年10月24日
(33)【優先権主張国】GB
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514056229
【氏名又は名称】ヘンケル アイピー アンド ホールディング ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】100106297
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 克博
(72)【発明者】
【氏名】オカーン、 ルアイリ
(72)【発明者】
【氏名】バージン、 ニーアム
(72)【発明者】
【氏名】ニーフセイ、 ブレンダン
(72)【発明者】
【氏名】バーケット、 デイヴィッド ピー.
【審査官】 内田 靖恵
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭52−124058(JP,A)
【文献】 特開2014−139662(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/022068(WO,A1)
【文献】 特開平09−255741(JP,A)
【文献】 特表2012−525481(JP,A)
【文献】 特開平08−295853(JP,A)
【文献】 特開昭57−119970(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/125354(WO,A1)
【文献】 特公昭47−026659(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08F 290/14
C08G 59/16
C09J 4/02
C09J 5/00
C09J 11/06
C09J 163/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)(メタ)アクリレート成分、
(b)嫌気硬化系、および
(c)ノボラック型エポキシ樹脂と以下の構造に包含される酸との反応生成物(但し、この反応生成物はノボラック型エポキシ樹脂由来のエポキシ基を含まない)
を含む、嫌気硬化性組成物。
【化1】
(式中、RはHまたはCHであり、XはH、CCOOH、または
【化2】
であり、但し、YはCCOOHまたはCCOOHである。)
【請求項2】
ノボラック型エポキシ樹脂が、フェノールまたはクレゾールホルムアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ノボラック型エポキシ樹脂が以下の構造に包含される、請求項1に記載の組成物。
【化3】
(式中、R’はアルキルであり、nは0.5〜10である。)
【請求項4】
R’がCHである、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
ノボラック型エポキシ樹脂が、ビスフェノールまたはビフェニルホルムアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂である、請求項1に記載の組成物。
【請求項6】
ノボラック型エポキシ樹脂が、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールM、またはビスフェノールEホルムアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂である、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
ノボラック型エポキシ樹脂が以下の構造に包含される、請求項1に記載の組成物。
【化4】
(式中、R”は、直接結合、CH、C(CH、SO、(CHC−C−C(CH、またはOであり、R’”はアルキルであり、nは2〜10である。)
【請求項8】
R’”がCHである、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
(c)の反応生成物がノボラック系ビニルエステルである、請求項1に記載の組成物。
【請求項10】
(メタ)アクリレート成分が、HC=CGCO(式中、Gは、H、ハロゲン、および1〜4個の炭素原子を有するアルキルから成る群より選択される基であり、Rは、6〜16個の炭素原子を有する、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルカリール、およびアリール基(これらは、シラン、シリコン、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、ウレア、ウレタン、カーバメート、アミン、アミド、硫黄、スルホネート、およびスルホンから成る群より選択される基により置換または介在されてもよい。)から成る群より選択される基である。)により表される、請求項1に記載の組成物。
【請求項11】
(メタ)アクリレート成分が、シリコーン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラン(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジグリコールジ(メタ)アクリレート、ジグリセロールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチレンジ(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノール−A−(メタ)アクリレート、ビスフェノール−F−(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノール−F−(メタ)アクリレート、ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−F−ジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノール−F−ジ(メタ)アクリレートから成る群より選択される1種である、請求項1に記載の組成物。
【請求項12】
嫌気硬化系が組成物の総重量の1〜10重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【請求項13】
嫌気硬化系が、サッカリン、トルイジン、アセチルフェニルヒドラジン、およびマレイン酸の少なくとも1種を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項14】
(メタ)アクリレート成分、嫌気硬化系、およびノボラック型エポキシ樹脂と以下の構造に包含される酸との反応生成物(但し、この反応生成物はノボラック型エポキシ樹脂由来のエポキシ基を含まない)を混合する工程を含む、嫌気硬化性組成物の調製方法。
【化5】
(式中、RはHまたはCHであり、XはH、CCOOH、または
【化6】
であり、但し、YはCCOOHまたはCCOOHである。)
【請求項15】
(a)2個以上の基材を用意する工程、
(b)2個以上の基材の少なくとも1個の表面に、請求項1に記載の嫌気硬化性組成物を分注する工程、
(c)嫌気硬化性組成物を有する2個以上の基材の表面を接触させる工程、および
(d)嫌気硬化性組成物を嫌気硬化条件に曝す工程
を含む、2個以上の基材の接着方法。
【請求項16】
請求項1に記載の組成物の硬化物
【請求項17】
反応生成物が以下の構造に包含される、請求項1に記載の組成物。
【化7】
(式中、R’はアルキルであり、nは0.5〜10であり、X’はO、COOまたは
【化8】
であり、但し、Y’はCCOOまたはCCOOである。)
【請求項18】
反応生成物が以下の構造に包含される、請求項1に記載の組成物。
【化9】
(式中、R”は、直接結合、CH、C(CH、SO、(CHC−C−C(CH、またはOであり、R’”はアルキルであり、nは2〜10であり、X’は、O、COO、または
【化10】
であり、但し、Y’はCCOOまたはCCOOである。)
【請求項19】
反応生成物が10〜60重量%の範囲内の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、嫌気硬化性組成物の耐熱性付与成分として有用なノボラック系ビニルエステル、およびこのようなノボラック系ビニルエステルを有する嫌気性硬化性組成物に関する。この組成物は、接着剤およびシーラントとして特に有用である。
【背景技術】
【0002】
嫌気性接着剤組成物は、一般的に周知である。例えば、R.D.Rich,Anaerobic Adhesives,Handbook of Adhesive Technology,29,467−79、A.Pizzi,K.L.Mittal, eds.,Marcel Dekker,Inc., New York(1994)および本明細書の引用文献を参考にされたい。これらの用途は多数あり、新たな用途が開発され続けている。
【0003】
従来の嫌気性接着剤組成物は、通常、フリーラジカル重合性アクリレートエステルモノマーと、過酸化物開始剤および阻害剤成分とを含む。しばしば、このような嫌気性接着剤組成物はまた、組成物が硬化する速度を増加させる促進剤成分も含む。
【0004】
従来の嫌気性接着剤組成物にも改良された熱特性が付与されている。例えば、米国特許第3,988,299号(Malofsky)は、特定のアクリレートモノマーおよびマレイミド化合物を含む改良された熱特性を有する熱硬化性組成物を記載している。
【0005】
L.J.Baccei,B.M.Malofsky,Anaerobic Adhesives Containing Maleimides Having Improved Thermal Resistance,Adhesive Chemicals,589−601,L−H Lee,ed.,Plenum Publishing Corp.(1984)は、少なくとも150℃の温度で完全に硬化する嫌気性接着剤の耐熱性を増加するために、マレイミド、特にはN−フェニルマレイミド、m−フェニレンジマレイミドおよびメチレンジアニリンとメチレンジアニリンビスマレイミドの反応生成物の使用について報告している。
【0006】
米国特許第6,043,327号(Attarwala)は、環境温度条件下で硬化することができ、その反応生成物が高温での熱劣化に対する耐性を示す一液型嫌気性接着剤組成物を開示している。これらの組成物は、(a)アクリレート成分;(b)特定の構造の共反応成分、例えば、トリアリルシアヌレート、トリアリルトリメセートおよびトリアリルイソシアヌレート等;(c)マレイミド成分;および(d)嫌気硬化誘導組成物を含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
技術段階にかかわらず、高温環境での使用のための嫌気硬化性組成物に関して、エンドユーザーに更なる選択肢を提供することが望ましいであろう。本発明は、そのような更なる選択肢の一例を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
そのような目的のために、(a)(メタ)アクリレート成分、(b)嫌気硬化系、および(c)ノボラック型エポキシ樹脂と特定構造の酸との反応生成物を含む嫌気硬化性組成物を提供する。
【0009】
酸は、以下の構造に包含され得る。
【0010】
【化1】
(式中、RはHまたはCHであり、XはH、CCOOH、または
【0011】
【化2】
であり、但し、YはCCOOHまたはCCOOHである。)
【0012】
ノボラック型エポキシ樹脂は、フェノールまたはクレゾールホルムアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂であってよい。ノボラック型エポキシ樹脂は、以下の構造に包含され得る。
【0013】
【化3】
(式中、Rはアルキルであり、nは0.1〜10、例えば0.5〜5である。)
【0014】
他の例では、ノボラック型エポキシ樹脂は、以下の構造に包含され得る。
【0015】
【化4】
(式中、R”は直接結合、CH、C(CH、SO、(CHC−C−C(CH、またはOであり、R’”はアルキルであり、nは2〜10である。)
【0016】
本明細書では、嫌気硬化性組成物を調製する方法も提供される。この方法は、本明細書に記載されているメタ(アクリレート)成分、嫌気硬化系、およびノボラック系ビニルエステルを混合する工程を含む。
【0017】
本明細書では、2個以上の基材を接着する方法も提供される。この方法は、2個以上の基材を用意する工程;嫌気硬化性組成物を2個以上の基材の少なくとも1個の表面上に分注する工程;嫌気硬化性組成物を有する2個以上の基材の表面を接触させる工程;および嫌気硬化性組成物を嫌気硬化条件に曝す工程を含む。
【0018】
さらに、本明細書では、本発明の嫌気硬化性組成物の反応生成物も提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1図1は、プレトルク(5N・m)されたM10リン酸亜鉛ナット・ボルトで測定された場合における、LOCTITE 620、および代表的なビスマレイミド樹脂として50%のN、N’−1,3−フェニレンビスマレイミドを使用した嫌気硬化性組成物と比較した、モデル嫌気硬化性組成物の3種のノボラック系ビニルエステルの耐熱性能を示す。いずれの場合にも、嫌気硬化性組成物を環境温度で1週間硬化させた。ノボラック系ビニルエステル含有嫌気硬化性組成物は、2種の対照と比較して高温(ここでは最高300℃)で優れた耐熱性能を示した。
図2図2は、プレトルクされたM10リン酸亜鉛ナット・ボルトで測定された場合における、ノボラック系ビニルエステル含有嫌気硬化性組成物(試料3)の熱エージング性能を示す。嫌気硬化性組成物を環境温度で1週間硬化させ、接着されたナット・ボルトアセンブリを、記載の時間および温度でエージングし、環境温度まで冷却させ、破壊トルクを測定した。ノボラック系ビニルエステル含有嫌気硬化性組成物は、180℃から300℃の間の高温でエージングした場合、その温度で8週間のエージングであっても優れた性能を示した。
【発明を実施するための形態】
【0020】
上記の通り、(a)(メタ)アクリレート成分、(b)嫌気硬化系、および(c)ノボラック型エポキシ樹脂と特定構造の酸との反応生成物を含む嫌気硬化性組成物が提供される。
【0021】
酸は、以下の構造に包含され得る。
【0022】
【化5】
(式中、RはHまたはCHであり、XはH、CCOOH、または
【0023】
【化6】
であり、但し、YはCCOOHまたはCCOOHである。)
【0024】
酸の具体例としては、以下のものが挙げられる。
【0025】
【化7】
【0026】
ノボラック型エポキシ樹脂は、フェノールまたはクレゾールホルムアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂であってよい。ノボラック型エポキシ樹脂は以下の構造に包含され得る。
【0027】
【化8】
(式中、R’はアルキルであり、nは0.1〜10、例えば約0.5〜5である。)
【0028】
ある場合には、ノボラック型エポキシ樹脂は、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、ビスフェノールMまたはビスフェノールEホルムアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂などのビスフェノールまたはビフェニルホルムアルデヒドノボラック型エポキシ樹脂であってよい。
【0029】
他の場合では、ノボラック型エポキシ樹脂は、以下の構造に包含され得る。
【0030】
【化9】
(式中、R”は、直接結合、CH、C(CH、SO、(CHC−C−C(CH、またはOであり、R’”はアルキルであり、nは2〜10である。)
【0031】
ノボラック型エポキシ樹脂と酸との反応生成物は、組成物中に約10〜約60重量%、例えば約25〜約50重量%の範囲内の量で存在すべきである。
【0032】
(メタ)アクリレート成分は、HC=CGCO(式中、Gは、H、ハロゲン、および1〜約4個の炭素原子を有するアルキルから選択され、Rは、6〜約16個の炭素原子を有する、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アルカリール、およびアリール基(これらは、シラン、シリコン、酸素、ハロゲン、カルボニル、ヒドロキシル、エステル、カルボン酸、ウレア、ウレタン、カーバメート、アミン、アミド、硫黄、スルホネート、およびスルホンにより置換または介在されてもよい。)から選択される。)により表され得る。
【0033】
(メタ)アクリレート成分は、より具体的には、シリコーン(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラヒドロフラン(メタ)アクリレートおよびジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、イソボルニルアクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジグリコールジ(メタ)アクリレート、ジグリセロールテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチレンジ(メタ)アクリレート、エチレンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−A−(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノール−A−(メタ)アクリレート、ビスフェノール−F−(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノール−F−(メタ)アクリレート、ビスフェノール−Aジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノール−A−ジ(メタ)アクリレート、ビスフェノール−F−ジ(メタ)アクリレート、エトキシル化ビスフェノール−F−ジ(メタ)アクリレートから選択され得る。
【0034】
その他の好適な(メタ)アクリレートモノマーとしては、以下式により表されるポリアクリレートエステルが挙げられる。
【0035】
【化10】
(式中、Rは、水素、ハロゲン、および炭素数1〜約4のアルキルから選択される基であり、qは、少なくとも1、好ましくは1〜約4の整数であり、Xは、少なくとも2個の炭素原子を含み、q+1の結合能を有する有機基である。Xにおける炭素原子数の上限に関し、使用可能なモノマーは、本質的に任意の値である。しかしながら、実用的な問題として、一般的な上限は炭素数約50、好ましくは30、最も好ましくは約20である。)
【0036】
例えば、Xは、以下式により表される有機基であり得る。
【0037】
【化11】
(式中、YおよびYは、それぞれ、少なくとも2個の炭素原子、好ましくは2〜約10個の炭素原子を含有する有機基、好ましくは炭化水素基であり、Zは、少なくとも1個の炭素原子、好ましくは2〜約10個の炭素原子を含有する有機基、好ましくは炭化水素基である。)
【0038】
その他の有用な(メタ)アクリレートモノマーは、ジ−またはトリ−アルキロールアミン(例えば、エタノールアミン、またはプロパノールアミン)とアクリル酸(例えばフランス特許第1,581,361号に記載されるもの)との反応生成物である。
【0039】
有用な(メタ)アクリルエステルオリゴマーの例としては、以下の一般式を有するものが挙げられる。
【0040】
【化12】
(式中、Rは、水素、ハロゲン、炭素数1〜約4の低級アルキル、炭素数1〜約4のヒドロキシアルキル、および
【0041】
【化13】
から選択される基を表し、Rは、水素、ハロゲン、および炭素数1〜約4の低級アルキルから選択される基であり、Rは、水素、ヒドロキシル、および
【0042】
【化14】
から選択される基であり、mは少なくとも1、例えば1〜約15またはそれ以上、好ましくは1〜約8の整数であり、nは、少なくとも1、例えば1〜約40またはそれ以上、好ましくは約2〜約10の整数であり、pは、0または1である。)
【0043】
そのような(メタ)アクリルエステルオリゴマーの例としては、ジ−、トリ−およびテトラエチレングリコールジメタクリレート;ジ(ペンタメチレングリコール)ジメタクリレート;テトラエチレングリコールジアクリレート;テトラエチレングリコールジ(クロロアクリレート);ジグリセロールジアクリレート;ジグリセロールテトラメタクリレート;ブチレングリコールジメタクリレート;ネオペンチルグリコールジアクリレート;トリメチロールプロパントリアクリレートが挙げられる。
【0044】
例えば、極性基を有するものなど、単官能性(メタ)アクリレートエステルも使用してよい。この場合において、極性基は、活性水素、複素環、ヒドロキシ、アミノ、シアノ、およびハロ基から選択されてよい。この種の化合物の例としては、シクロヘキシルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、HEMA、ヒドロキシプロピルメタクリレート(HPMA)、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、シアノエチルアクリレート、アミノエチルメタクリレート、アミノプロピルメタクリレート、ヒドロキシへキシルアクリレート、t−ブチルアミノエチルメタクリレート、ヒドロキシオクチルメタクリレート、およびクロロエチルメタクリレートが挙げられる。
【0045】
他の有用な種類の(メタ)アクリレートモノマーは、官能性基上に活性水素原子を含有する単官能性置換アルキルまたはアリール(メタ)アクリレートエステルの反応によって調製される。この単官能性(メタ)アクリレート末端材料は、全てのイソシアネート基をウレタンまたはウレイド基に転換するように、好適な割合で有機ポリイソシアネートと反応する。単官能性アルキルおよびアリール(メタ)アクリレートエステルは、好ましくは、非アクリレート部分にヒドロキシまたはアミノ官能基を含むアクリレートおよびメタクリレートである。使用するのに好適な(メタ)アクリレートエステルは、以下式を有する。
【0046】
【化15】
(式中、Xは、−O−および
【0047】
【化16】
から選択され、但し、Rは、水素および炭素数1〜7の低級アルキルから選択され、Rは、水素、ハロゲン(例えば塩素)、ならびにメチルおよびエチル基から選択され、Rは、炭素数1〜8の低級アルキレン、フェニレン、またはナフチレンから選択される2価の有機基である。)
【0048】
ポリイソシアネートとの適切な反応において、これらの基は以下の生成物を与える。
【0049】
【化17】
(式中、nは、2〜約6の整数であり、Bは、置換されても無置換であってもよい、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アリール、アラルキル、アルカリール、またはヘテロ環基から選択される多価有機基であり、R、RおよびXは上で与えられた意味を有する。)
【0050】
(メタ)アクリレート成分は、約15〜約65%、例えば約25〜約50%の範囲内の量で組成物中に存在すべきである。
【0051】
嫌気硬化系は、マレイン酸とともに、サッカリン、N,N−ジエチル−p−トルイジン(DE−p−T)やN,N−ジメチル−o−トルイジン(DM−o−T)などのトルイジン、アセチルフェニルヒドラジン(APH)の少なくとも1種を含む。米国特許第3,218,305号(Krieble)、第4,180,640号(Melody)、第4,287,330号(Rich)、および第4,321,349号(Rich)を参照されたい。
【0052】
嫌気硬化性組成物のための他の硬化剤の例としては、チオカプロラクタム(例えば、米国特許第5,411,988号)およびチオウレア[例えば、米国特許第3,970,505号(Hauser)(テトラメチルチオウレア)、ドイツ特許第DE1 817 989号(アルキルチオウレアおよびN,N’−ジシクロヘキシルチオウレア)および第2 806 701号(エチレンチオウレア)、および日本特許公報JP07−308,757号(アシル、アルキル、アルキリデン、アルキレン、およびアルキルチオウレア)]が挙げられ、後者のうちの幾つかは、約20年前まで商業的に使用されていた。
【0053】
米国特許第6,897,277号(Klemarczyk)は、サッカリンを実質的に不含である嫌気硬化導入組成物を有する(メタ)アクリレート成分に基づく嫌気硬化性組成物と、以下の構造の範囲内の嫌気促進化合物とを提供し、この例としては、フェニルグリシンおよびN−メチルフェニルグリシンである。
【0054】
【化18】
(式中、Rは、水素、ハロゲン、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、カルボキシル、およびスルホナトから選択され、Rは、水素、アルキル、アルケニル、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシアルケニル、およびアルカリールから選択される。)
【0055】
米国特許第6,958,368号(Messana)は、嫌気硬化性組成物を提供する。この組成物は、サッカリンを実質的に不含であり、以下の構造の範囲内である嫌気硬化導入組成物および(メタ)アクリレート成分に基づく。
【0056】
【化19】
(式中、Yは、最大5か所までC1〜6アルキルまたはアルコキシ、またはハロゲン基により置換されていてもよい芳香環であり、Aは、C=O、S=O、またはO=S=Oであり、Xは、NH、OまたはSであり、Zは、最大5か所までC1〜6アルキルまたはアルコキシ、またはハロゲン基により置換されていてもよい芳香環であり、またはYおよびZがともに、同一の芳香環または芳香環系に結合してもよく、但し、XがNHであるときには、o−安息香酸スルフィミドはこの構造から除外される。)
【0057】
上記構造に包含される嫌気硬化促進剤化合物の例としては、環状2−スルホ安息香酸無水物、および3H−1,2−ベンゾジチオール−3−オン−1,1−ジオキシドが挙げられる。
【0058】
嫌気硬化性組成物において有用なその他の硬化成分は、テトラヒドロキノリン(THQ)である。最近、ヘンケルコーポレーションは、新たな硬化促進剤の効能を実証した。第1の種類は、下記構造の範囲内である。
【0059】
【化20】
(式中、Xは、H、C1〜20のアルキル、C2〜20のアルケニル、またはC7〜20のアルカリールであり、後者の3つはいずれも1つ以上のヘテロ原子によって割り込まれていてよく、または−OH、−NHもしくは−SHから選択される1つ以上の基によって官能基化されていてよく、またはXおよびYは、一緒になって5〜7個の環原子を有する炭素環状環を形成してもよく;Zは、O、S、またはNX’であり、ここでX’は、H、C1〜20のアルキル、C2〜20のアルケニル、またはC7〜20のアルカリールであり、後者の3つはいずれも1つ以上のヘテロ原子によって割り込まれていてよく、または−OH、−NHもしくは−SHから選択される1つ以上の基によって官能化されていてよく、Rは、任意であるが、存在する場合、芳香環上に3回まで存在してよく、および存在する場合、C1〜20のアルキル、C2〜20のアルケニル、またはC7〜20のアルカリールであり、後者の3つはいずれも1つ以上のヘテロ原子によって割り込まれていてよく、または−OH、−NHもしくは−SHから選択される1つ以上の基によって官能化されていてよく;nは、0または1であり;zは、1〜3であるが、ただし、XがHである場合、zは2ではなく、好ましくは1である。)
【0060】
より具体的には、THQ系またはインドリン系付加物が、これに包含され得る(米国特許第8,481,659号を参照されたい)。
【0061】
第2の種類は、以下の構造の範囲内である。
【0062】
【化21】
(式中、Xは、C1〜20のアルキル、C2〜20のアルケニル、またはC7〜20のアルカリールであり、いずれも1つ以上のヘテロ原子によって割り込まれていてよく、または−OH、−NHもしくは−SHから選択される少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つの基によって官能化されていてよく、zは、1〜3である(米国特許第8,362,112号を参照されたい)。)
【0063】
嫌気硬化系は、組成物の総重量の約1〜10重量%の量で存在すべきである。
【0064】
例えば、嫌気硬化系において有用な成分の例としては、
(i)以下式のアリールアミン:
【0065】
【化22】
(式中、R’は、置換されていてもよいアリール基であり、より特に、アルキル置換されていてもよいフェニル基であり、R’は、R’と同一の意味であり、または置換されていてもよい直鎖または分岐鎖アルキル基であり、R’は、置換されていてもよいが少なくとも1つの水素原子を窒素のα位に含む直鎖または分岐鎖アルキル基であり、R’〜R’のいずれか2つは、単環または多環構造を共に形成してよく、これは縮合環構造であってよく、同様に置換されていてもよい。)
(ii)以下の式を有する化合物:
【0066】
【化23】
(式中、R’はC〜Cアルキル基で置換されたフェニルであり、R’は、水素、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、シクロアルケニル、アリール、アルコキシ、アリールオキシ、カルボニル、アミノ、および以下の基から選択される。)
【0067】
【化24】
(式中、R’は、1〜約10の炭素原子を含有するアルキル基から選択される。)
(iii)スルホニルヒドラジン、または
(iv)ヒドロピリジン
が挙げられる。
【0068】
追加の有用な促進剤としては、米国特許第6,958,368号(Klemarczyk)に記載されるものなどのスルフィミドおよびその酸素および硫黄誘導体;米国特許第7,411,025号(Messana)に記載されるものなどフェニルグリシンおよびその誘導体、1,4−アミノベンゾイル化合物、およびフェニルピラゾリノン;米国特許第7,411,005号(Messana)に記載されるものなどスルホンイミド誘導体およびスルホンアミド誘導体;米国特許第6,583,289号(McArdle)に記載されるものなどトリチアジアザペンタレン;米国特許第6,835,782号(Morita)に従って調製できるコハク酸無水物およびフェニルヒドラジンの反応生成物(SPH);および米国特許第6,835,762号(Klemarczyk)に記載される、同じ分子上に有機酸官能基とともに−C(=O)−NH−NH−結合を含む化合物が挙げられる。
【0069】
嫌気硬化性組成物またはその反応生成物のいずれかの物理的特性を変化させるために、追加の成分が従来の嫌気硬化性組成物に含まれることが時々ある。
【0070】
例えば、高温条件下で反応する1つ以上の希釈剤成分、モノまたはポリヒドロキシアルカン、ポリマー可塑剤、およびキレート剤(米国特許第6,391,993号参照、その開示は引用によって本明細書中に明示的に組み込まれる)は、配合物の物理的特性および/または硬化プロファイル、および/または硬化した接着剤の強度または耐熱性を改変するために導入してよい。
【0071】
使用される場合、反応性希釈剤、可塑剤、および/またはモノまたはポリヒドロキシアルカンは、嫌気硬化性組成物の総重量の約1重量%〜約30重量%の範囲内の量で存在してよい。
【0072】
安定剤および阻害剤(ヒドロキノンおよびテトラヒドロキノンを含むフェノールおよびナフタキノンおよびアントラキノンなどのキノンなどのフェノールなど)もまた、早過ぎる、過酸化物の分解や本発明の組成物の重合を、制御および防止するために用いてよく、ならびにキレート剤(エチレンジアミン四酢酸(「EDTA」)の四ナトリウム塩およびベータケトエステルなど)を微量の金属混入物質を捕捉するために用いてもよい。使用される場合、キレート剤は、通常、嫌気硬化性組成物の総重量の約0.001重量%〜約0.1重量%の量で組成物中に存在してよい。
【0073】
金属触媒溶液またはそのプレミックスは約0.03〜約0.1重量%の量で使用される。当業者がそうすることが望ましいと考えられる場合には、増粘剤、非反応性可塑剤、充填剤、強化成分(エラストマーおよびゴムなど)、および他の周知の添加剤などの他の薬剤を組成物に組み込んでよい。
【0074】
本明細書において、嫌気硬化性組成物の調製方法も提供される。この方法は、本明細書に記載される(メタ)アクリレート成分、嫌気硬化系、および反応生成物または付加体を混合する工程を含む。
【0075】
本明細書において、2個以上の基材の接着方法も提供される。この方法は、2個以上の基材を用意する工程;2個以上の基材の少なくとも1個の表面に嫌気硬化性組成物を分注する工程;および嫌気硬化性組成物を嫌気硬化条件に曝す工程を含む。
【0076】
ノボラック型エポキシ樹脂と酸との反応生成物のより具体的な表記として、以下の2種の構造により表すことができるノボラック系ビニルエステルが挙げられる。
【0077】
【化25】
(式中、R’はアルキルであり、nは0.5〜10であり、X’はO、CCOO、または
【0078】
【化26】
であり、但し、Y’はCCOOまたはCCOOである。)
【0079】
【化27】
(式中、R”は、直接結合、CH、C(CH、SO、(CHC−C−C(CH、またはOであり、R’”はアルキルであり、nは2〜10であり、X’は、O、CCOO、または
【0080】
【化28】
であり、但し、Y’はCCOOまたはCCOOである。)
【0081】
特に望ましい構造IIAのノボラック系ビニルエステルの構造は、R’”が存在せず、X’がOであり、R”がC(CHであり、nが6である。
【0082】
本発明の嫌気硬化性組成物の反応生成物もさらに提供される。
【0083】
本発明は、本嫌気硬化性組成物の調製方法および使用方法も提供する。
【0084】
嫌気硬化性組成物は、従来の当業者に公知の方法を使用して調製できる。例えば、成分が組成物において果たす役割や機能に合う好ましい順序で、本発明の組成物の成分をともに混合してよい。
【0085】
嫌気硬化性組成物は、様々な基材に塗布されてよく、本明細書に記載される所望の利益および利点を奏して機能する。例えば、好適な基材は、鋼、真鍮、銅、アルミニウム、亜鉛、ガラス、ならびに他の金属および合金、セラミックおよび熱硬化性樹脂から構成されてよい。好適なプライマーを硬化速度を向上させるために選択された基材の表面に塗布してよい。米国特許第5,811,473号(Ramos)を参照されたい。1つの特に望ましい本明細書に記載の組成物の利用は、例えば、ねじロック材(スレッドロッカー)、即ち、ナットをボルトに固定することにある。これは、ボルトのうねに組成物を塗布し、ナットと噛み合わせて硬化させることによって成される。
【0086】
硬化は、特定の組成物、塗布、および塗布面、並びに昇温したか否かによって、広い範囲の時間にわたり生じ得る。環境温度の嫌気組成物では、硬化速度は、数分(非常に早い)〜数日(非常に遅い)で変化する。
【0087】
加えて、本発明は、嫌気硬化性組成物の調製方法を提供し、この方法は、上述の(メタ)アクリレート成分および嫌気硬化系を共に混合する工程を含む。
【0088】
本発明は、本明細書に記載の嫌気硬化性組成物から得られる物品も提供する。
【0089】
本発明は、本発明の嫌気硬化性組成物を使用した2個以上の基材を接着する方法を提供し、この方法は、組成物を所望の基材表面に塗布する工程、および組成物を硬化するのに十分な時間、組成物を嫌気性環境に曝す工程を含む。
【実施例】
【0090】
<ノボラック系ビニルエステルの調製>
ここでは、メタクリル酸の1種であるHEMAスクシネート、HEMAマレエート、またはカルボキシエチルアクリレートと、ノボラック型エポキシ樹脂から、トリフェニルホスフィンなどの好適な触媒を約1重量%の量で使用して反応生成物を調製する。
【0091】
より具体的には、様々な市販の2〜8の範囲の官能性を有するノボラック型エポキシ(MomentiveおよびDow製)を等価重量のメタクリル酸と反応させた。反応は、(1)無溶媒、または(2)反応性希釈剤としての(メタ)アクリレートモノマー・・トリシクロデカンジメタクリレート(TCD DMA)、ジメチロールプロパントリアクリレート(SR355)、エトキシル化ビスフェノールAジメタクリレート(E2BADMA)中の何れかで行った。NVE1、NVE2、およびNVE3を上記の反応性希釈剤を使用してそれぞれ調製した。反応は、触媒としてトリフェニルホスフィンを使用して、約60〜90℃、通常約80℃の温度に加熱したときに進行した。
【0092】
反応後にFT−IRをし、エポキシ環に対応する915cm−1のピークが消失し、全てのエポキシ基の置換の完了を示したら、反応が完了したと確定した。
【0093】
<接着剤組成物>
ノボラック系ビニルエステル、(メタ)アクリレート成分、並びにサッカリン、アセチルフェニルヒドラジン、マレイン酸、金属キレート剤、およびラジカル開始剤(例えば、パーオキサイド、ヒドロパーオキサイド、またはパーエステル)の嫌気硬化系により嫌気硬化性組成物を調製した。
【0094】
上記の合成手順に従って作製したノボラック系ビニルエステル反応生成物を使用して調製した嫌気硬化性組成物を表1に示す。
【0095】
【表1】
【0096】
試料1をNVE1であるNVEにより調製した。試料2および3は、それぞれ、同量で、NVE2およびNVE3を含む。
【0097】
<熱性能>
このように調製された嫌気硬化性組成物を5N・mにプレトルクされたリン酸亜鉛ナット・ボルトで評価した。組成物を加熱し、最大300℃の温度で評価した。ノボラック系ビニルエステル反応生成物を含有する試料は、優れた性能を与えた。性能は、高温で測定したISO 10123(高温強度)による破壊トルク値によって評価した。そのデータを以下の表Aに記載し、図1に示す。
【0098】
【表2】
【0099】
加えて、高温でのエージングの後に、試料3で接着したナット・ボルトアセンブリを環境温度に冷却し、その温度での評価をした(熱エージング)。このデータを表Bに記載し、図2に示す。
【0100】
【表3】
【0101】
高温強度および熱エージング性能は、例えばLOCTITE620中で使用されるビスマレイミド化合物などの従来の嫌気硬化性組成物用高温添加剤により得られるものよりも優れていた。
図1
図2