(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記コントローラは、印刷の指示が入力されたとき、前記開放部が閉じていることを確認したときは前記開放部を自動的に開き、その後印刷を開始するようにしたことを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
前記コントローラは、印刷媒体がインクを通す材料であるか、インクを通さない材料であるかを入力信号に基づいて判断し、前記コントローラは、印刷媒体がインクを通す材料であると判断すると、前記開放部が開いているか閉じているか確認し、開放部が閉じている状態のとき印刷を拒否し、警告を発信するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
前記コントローラは、印刷媒体がインクを通す材料であるか、インクを通さない材料であるかを入力信号に基づいて判断し、前記コントローラは、印刷媒体がインクを通さない材料であると判断すると、前記開放部が開いているか閉じているか確認し、開放部が開いている状態のとき印刷を拒否し、警告を発信するようにしたことを特徴とする請求項2に記載のインクジェットプリンタ。
前記コントローラは、印刷媒体がインクを通す材料であるか、インクを通さない材料であるかを入力信号に基づいて判断し、前記コントローラは、印刷媒体がインクを通す材料であると判断すると、前記開放部が開いているか閉じているか確認し、開放部が閉じている状態のとき、自動的に開放部を開くようにしたことを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
前記コントローラは、印刷媒体がインクを通す材料であるか、インクを通さない材料であるかを入力信号に基づいて判断し、前記コントローラは、印刷媒体がインクを通さない材料であると判断すると、前記開放部が開いているか閉じているか確認し、開放部が開いている状態のとき、自動的に開放部を閉じるようにしたことを特徴とする請求項3に記載のインクジェットプリンタ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
インクジェットプリンタにおいては、ヘッドの下にヘッドから吐出
したインクを受けるガターや溝やフェルトなどのインク吸収部材を設けた構造がある。その場合、その部分はインクが貯まる構造であるため、インクにより汚れてしまっている場合がある。そのため、通常の装置においては、ローラとローラの間に用紙や布などの媒体を緊張状態にて供給し、その部分には接触しないように配慮して印刷がされているため、印刷状態においては、ガターや溝のインクに布などの媒体が接触することはなく、問題となることは無い。しかし、布をセットするときは、布を装置の後方から前方に向かって挿入することになるが、布の先端は、下方に垂れ下がる傾向があるため、布を装置内に通した後に布の先端がガターや溝に落ち込んでしまい、意図せずに布を汚してしまい、また、その状態で装置内にて、布を移動させると、その汚れが装置の別の場所にも移ってしまい、さらにそこから布を広範囲に汚してしまうという問題点がある。また、布を外すという場合にもローラとローラの間にあった緊張状態が無くなるため、ガターや溝に布が落ち込んで汚れてしまうという問題点があった。特に幅広の媒体をロールで扱う際に、この問題は顕著であり、幅1mを超えるような媒体の場合には細心の注意が必要であった。
本発明は、上記問題点を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するため、本発明は、印刷ヘッドからインクを吐出して印刷媒体にコントローラの制御により印刷を行うインクジェットプリンタにおいて、印刷ヘッドのインク吐出位置の印刷媒体を挟んだ下方の機体側にインク受けとインク受けの開放部を遮蔽する遮蔽部材を設け、前記インク受けの開放部を前記遮蔽部材の移動により遮蔽するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記遮蔽部材はインク受けの開放部を遮蔽するカバーであり、インク受けの開放部を遮蔽するカバーは、開放位置と閉鎖位置とに移動が可能に配置されることを特徴とする。
また本発明は、前記インク受け開放部が開いているか閉じているかを確認するセンサを設け、コントローラが前記カバーの前記開放部に対する開閉状態を認識するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記コントローラは、前記開放部が閉じている状態のとき、印刷を拒否し、警告を発信するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記カバーによる開放部の開閉動作を手動で行うようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記カバーによる開放部の開閉動作をコントローラの制御部により自動で行うようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記コントローラは、印刷の指示が入力されたとき、前記開放部が閉じていることを確認したときは前記開放部を自動的に開き、その後印刷を開始するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記コントローラは、印刷媒体がインクを通す材料であるか、インクを通さない材料であるかを入力信号に基づいて判断し、前記コントローラは、印刷媒体がインクを通す材料であると判断すると、前記開放部が開いているか閉じているか確認し、開放部が閉じている状態のとき印刷を拒否し、警告を発信するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記コントローラは、印刷媒体がインクを通す材料であるか、インクを通さない材料であるかを入力信号に基づいて判断し、前記コントローラは、印刷媒体がインクを通さない材料であると判断すると、前記開放部が開いているか閉じているか確認し、開放部が開いている状態のとき印刷を拒否し、警告を発信するようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記コントローラは、印刷媒体がインクを通す材料であるか、インクを通さない材料であるかを入力信号に基づいて判断し、前記コントローラは、印刷媒体がインクを通す材料であると判断すると、前記開放部が開いているか閉じているか確認し、開放部が閉じている状態のとき、自動的に開放部を開くようにしたことを特徴とする。
また本発明は、前記コントローラは、印刷媒体がインクを通す材料であるか、インクを通さない材料であるかを入力信号に基づいて判断し、前記コントローラは、印刷媒体がインクを通さない材料であると判断すると、前記開放部が開いているか閉じているか確認し、開放部が開いている状態のとき、自動的に開放部を閉じるようにしたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0006】
布などの媒体をセッティングするときに、印刷媒体の先端がガターや溝の上面を通過する場合でも、ガターや溝やフェルトなどの汚れた面を通過する場合でもその汚れた部分の上部を塞ぐカバーを塞ぐカバーがあるので媒体の先端等を汚すのを防ぐことができ、また、装置内を汚れた媒体の先端で汚すことも防止できる。また、媒体を取り外したときは、カバーにより、後で使用する媒体を汚してしまうことも防止できる。さらに、カバーの開閉状態を監視しているため、間違って閉じられたカバーの上にインクを吐出してカバーを汚してしまうのを防ぐことができるため、カバーの上に乗る布などが汚れることも防ぐことができる。また布などをセッティングした後もカバーを自由に開閉することができるため、布などを外す事なくカバーを開くことができる。そして印刷媒体の種類を指示している場合は、必要に応じてカバーを閉じて使用することも可能であり、その場合にはカバーをガイド面として印刷時にも使用できる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下に本発明の構成を添付した図面を参照して詳細に説明する。
図2は、プリンタ装置の要部の外観説明図である。プリンタ装置の印刷部は、装置の機体に支持された、装置のY軸方向に延びるヘッド案内レール2を備え、該ヘッド案内レール2にキャリッジを介してインクジェット型の印刷ヘッド4が、該ヘッド案内レール2に沿って移動可能に取り付けられている。印刷時、キャリッジは、コントローラに接続するY軸駆動部62により、ヘッド案内レール2に沿って移動制御される。なおここでY軸とは、ヘッドの摺動方向を指し、X軸とは媒体が搬送される方向を指す。
【0009】
ヘッド案内レール2の下方には、おもに布などの印刷媒体6の搬送経路に沿って、装置の後方から前方にわたって基板8が
図7に示す搬送ローラ44と排出側案内ローラ54の上方を結んだ接線(媒体等の搬送面)に接触しない下方に配置され、該基板8の中間部(ヘッドユニット下のインクの吐出範囲)には、印刷媒体6に向けて噴射されたインクの中、印刷媒体6の種類によっては布の織り目を通過し下方に落下するインクもあるため、そのインクを受ける開放部8aを有するインク受け10がY軸方向にインクジェットからのインクの吐出範囲全体に亘って設けられている。
【0010】
インク受け10内にはインク吸収材が内置されている。なおインク吸収材は無くてもよく、インク受け(ガター)のみの構造やインク受けに吸引機構やインク回収機構などを設けても良い。またフェルトなどのインク吸収部材をインク受けとして単独で設けても良い。基板8の、印刷媒体6の搬送方向に対して下流側の上面には、インク吸収部材の表面の上の領域にある開放部8aを隠すための開閉可能なカバー12が、Y軸に対して直角の方向に(すなわちX軸方向に)スライド自在に支持されている。プリンタ装置の機体の左右に設けられたY軸に対して直角なX軸方向に延びる側壁14,16には、
図3乃至
図6に示すように、ガイド板18,20が側壁14,16に沿ってスライド自在に取り付けられ、各ガイド板18,20に、板状部材から成るカバー12のY軸方向の両端部が連結している。
【0011】
両側壁14,16間には、Y軸に対して平行な左右連結軸22が回転自在に掛架されている。左右連結軸22の両端近傍には、アーム24,26の各一方が連結し、該アーム24,26の各他方に係合軸28,30の各一方が取り付けられている。側壁14,16に固設された板部材には、弓状のガイド溝32,34が形成され、該ガイド溝32,34に、係合軸28,30の他方がガイド板18,20の側板部に形成された縦溝36,38を介して嵌合している。前記ガイド板18,20のうち、一方のガイド板18の上板部には、レバー40が形成されている。
【0012】
側壁14の内側面には、カバー検出用のフォトセンサ42が配設され、該フォトセンサ42の検出口にガイド板18に取り付けられた遮蔽プレート43が対向している。なお本実施形態ではカバー検出用のフォトセンサ42を側壁14の内側面に設けたが、製品の構造に合わせてカバーの状態を検出できる場所に設ければ良い。印刷ヘッド4のヘッド案内レール2に沿った移動経路の近傍には搬送ローラ44と加圧ローラ46が配置され、搬送ローラ44はプリント装置のコントローラ48によって制御されるX軸駆動部50に連結し、装置の機体側に回転自在に支持されている。
プリント装置を制御するコントローラ48には、
図8,10に示すように1/0インターフェイス66、X駆動部50、Y軸駆動部62、ヘッド駆動部64、フォトセンサ42、操作パネル60、印刷媒体供給駆動部68、印刷媒体巻取駆動部58、モータ駆動部70、メモリ59が接続している。メモリ59には、プリント装置を制御するためのプログラムが格納されている。
【0013】
加圧ローラ46は、ヘッド案内レール2側に搬送ローラ44に対して昇降可能に支持され、スプリング又は自重などによる加圧機構によって搬送ローラ44に水平に弾接可能に構成されている。
図7に示すように、加圧ローラ46は装置の後方側に少しずれた位置に配置され、搬送ローラ44の周面と布などの媒体との接触面積を大きくすることで搬送力をあげ、すべりをなくし確実に搬送するようにしている。また装置の後方には、トルクリミッター付きの供給側案内ローラ52が配置され、装置の前方には、排出側案内ローラ54が配置され、排出側案内ローラ54は、ローラベルト56により搬送ローラ44と連結している。
【0014】
上記メモリ59には、プリント装置を、インクが裏抜けする印刷媒体の印刷に用いる場合の制御プログラムが格納されている。
ここでインクが裏抜けするとは、材料の表面に付着させた液状のインクが材料の中にしみ込んで材料の裏面に出てしまうことをいう。インクが裏抜ける印刷媒体即ちインクを通す印刷媒体としては布などがあり、インクが裏抜けしない即ちインクを通さない印刷媒体としては、紙、剥離紙などがある。
メモリ59には、インクが裏抜けする媒体に印刷する場合に使用される制御プログラムの他に、インクが裏抜けする媒体と裏抜けしない媒体の両方に印刷を行う場合に使用される制御プログラムが格納されている。
次に、インクが裏抜けする媒体の印刷専用としてプリント装置を使用する場合の本発明の実施形態の動作について
図9に示すフローチャートを参照して説明する。
作業を開始すると、まず操作者は、レバー40を操作して、カバー12でインク受け10の開放部8aを閉じる(ステップ1)。カバー12が、インク受け10の開放部8aから外れたインク受け10が開いた状態において、レバー40を搬送ローラ44の方向に押動すると、これと連動してカバー12がインク受け10に設けられたY軸方向に複数設けられた線状の部材から成るガイド78に案内されてインク受け10の上方に移動し、インク受け10の開放部8aを閉じる。今回の装置においては搬送する媒体の幅が広いため(1mを超える)カバー12がY軸方向に撓んでしまう事がないように、ガイド78を複数設けてスムーズにカバーの開閉ができるようにしている。ガイド78にインクが貯まっているときには、カバー12の先端でインクが掻き落とされる。
【0015】
このとき、レバー40の移動と連動してガイド板18がX軸方向に移動し、縦溝36に嵌合する係合軸28が、弓状のガイド溝32に沿って連結軸22を中心として移動する。係合軸28の移動は、これに連結するアーム24の揺動運動に変換され、アーム24の揺動は、連結軸22の回転に変換される。連結軸22が回転すると、連結軸22の他方のアーム26が、一方のアーム24の揺動と連動して同期運動し、係合軸30が弓状のガイド溝34に沿って移動する。
【0016】
係合軸30の移動によりガイド板20が、側壁16に沿ってX軸方向にスライドし、ガイド板20に連結するカバー12の他方側にレバー40の駆動力が伝達されて、カバー12には、両端部に同一の大きさの駆動力が同一方向に伝達される。この左右均等の移動力によりカバー12はスムーズに側壁14,16に沿ってインク受け10の上方に移動する。このとき、遮蔽プレート43が、フォトセンサ42の検出部に進入し、フォトセンサ42は、遮蔽プレート43を検出し、検出信号をコントローラ48に出力する。
【0017】
次に、操作者は、加圧ローラ46を上昇させ(ステップ2)、装置の機体の後方に配置した印刷媒体ロール(図示省略)から引き出した印刷媒体6を、搬送ローラ44と加圧ローラ46の間に導く。搬送ローラ44と加圧ローラ46の間を通過させた印刷媒体6の先端はカバー12の上面に接触し、さらにそのまま押し込み後方に印刷媒体6が抜けてこない場所まで通過させた後に操作者は装置前方に移動し、排出側案内ローラ54に印刷媒体を掛けた後に、印刷媒体6の先端を印刷媒体巻取駆動部58に連係する巻き取り軸(図示省略)に巻き付けて、布(印刷媒体)を装置にセットする(ステップ3)。
【0018】
次に加圧ローラ46を下降させ、搬送ローラ44と加圧ローラ46とで印刷媒体6を挟持する(ステップ4)。次に、操作者はカバー12を開く(ステップ5)。なおこの作業は操作者が行うため、カバー12を開くことを忘れてしまう場合や開閉が不充分である場合もありえる。次に操作者は、操作パネル60からコントローラ48に印刷を指示する(ステップ6)。上記布のセッティング時、インク受け10の開口部が
図1(A)に示すように、開いていると、布6の先端が開放部8aのインクが付着したガイド78やインク受け10内に設けられた吸収材に付着したインク等に接触し、布が汚れてしまう。これを防止するため、操作者は、ステップ1で予めインク受け10の開放部8aをカバー12で閉じておく。布のセッティングが完了したらステップ5でインク受け10の開放部8aを覆ったカバー12を開く。
【0019】
コントローラ48の制御部は、操作パネル60から印刷スタートの命令を受け取ると、フォトセンサ42の信号に基づいてカバー12の状態を確認し、カバー12が開放部8aを開いているか閉じているか判断する(ステップ7)。コントローラ48の制御部が、カバー12がインク受け10を閉じていると判断すると、コントローラ48の制御部は、印刷指示を拒否し、且つ操作パネル60の表示部に「カバーを開けて下さい。」という警告文を表示する(ステップ8)。操作者が、カバー12を移動させて、インク受け10を開くと(ステップ9)、作業はステップ6に戻る。
【0020】
コントローラの制御部は、判断ステップ6で、インク受け10の開放部8aが開いていると判断すると、X軸駆動部50、Y軸駆動部62及びヘッド駆動部64を駆動し、印刷を開始する(ステップ10)。印刷が開始されると、コントローラ48は、I/0インターフェイス66を介して外部コンピュータ装置から入力される画像データに基づいて、印刷ヘッド4と印刷媒体6との相対的位置関係を変化させながら、印刷ヘッド4の作動を制御して、インク受け10上の印刷媒体6に向けてインクの液滴を吐出し印刷する。この印刷媒体6に対する画像の印刷過程においては、印刷媒体6は、装置の機体の後方側から前方側に向かって搬送される。
【0021】
コントローラ48は、X軸駆動部50のモータの作動を制御することにより搬送ローラ44を駆動し、印刷媒体6を機体の後方側から前方側に向かって印刷ヘッド4の下方で副走査方向(X軸方向)に断続的に搬送する。またコントローラ48は、印刷媒体供給駆動部68の供給モータや印刷媒体巻取駆動部58の巻き取りモータの作動を制御して印刷媒体6をロール部からくり出して、画像が印刷された印刷媒体6を巻き取り軸に巻き取る。印刷が終了(ステップ11)すると、作業が終了する。
【0022】
上記実施形態では、インク受け10の開閉のカバー操作を手操作で行っているが、装置にインク受け10の開放部8aを覆うカバー12を自動的に開閉するためのモータ(図示省略)を設置し、自動的にカバー12を開閉するようにしても良い。このモータを駆動する駆動部70は、
図10に示すように、コントローラ48に接続して、コントローラ48により制御される。モータの出力軸は左右連結軸22にギアを介して連結し、モータの出力軸が正逆回転すると、連結軸22が正逆回転する。この連結軸22の正逆回転によって、アーム24,26が左右に揺動し、アーム24,26の左右の揺動によってガイド板18,20が前後に移動し、カバー12がインク受け10を開閉する方向に移動する。
【0023】
カバー12を自動的に制御する実施形態の動作を
図11を参照して説明する。 作業が開始されると、操作者は操作パネル60を操作し、モータ駆動部70を駆動し、カバー12を閉じる(ステップ1)。ステップ2,3,4の動作は、
図9に示すステップ2,3,4と同一である。コントローラ48は、判断ステップ6でカバー12の状態を確認し、カバー12がインク受け10を閉じていると判断すると、カバー12を自動的にインク受け10を開く方向に移動する(ステップ7)。判断ステップ6でカバー12がインク受け10を開いていると判断すると、印刷を開始する(ステップ8)。印刷が終了すると(ステップ9)、コントローラ48は、モータ駆動部70を駆動し、カバー12を自動的にインク受け10を閉じる方向に移動して、インク受け10を閉じる(ステップ10)。なおカバーを閉じる(ステップ1)、加圧ローラを上昇させる(ステップ2)などの作業はどちらが先でも問題はない。またカバー12の開閉を行う場合でも、パネルなどからの指示により開閉させる以外に手動でも開閉を行えるようにしておけば、電源が入っていない状態でセッティングする場合でも問題はない。
【0024】
上記実施形態では、カバー12をヘッド案内レール2の長手方向と平行なY軸方向に対して直角の方向に移動制御しているが、カバー12を掛ける方向は、Y軸方向と平行な方向にしても良い。また、
図12A,Bに示すように、螺旋状に巻いた巻尺型のシート状の部材からなるカバー72を引き出し且つ引き出し位置で解除可能に係止可能とし、且つ係止を解除するとばね力等により巻き戻し方向に復帰可能に構成して、インク受けの側部に配置し、カバー72を手操作で引き出し、且つ、巻き戻して開放部を開閉するようにしても良い。また、シート状カバー72の引き出し、巻き戻し方向は、Y軸方向に平行な、インク受け10の長手方向に限定されるものでなく、インク受け10の短手方向に設定しても良い。
【0025】
また、本発明は、インク受け10と別体に開放部8aを開閉するカバーを設ける構造に限定されるものではない。
図13A,Bに示すように、インク受け74に一体的にカバー76を設け、インク受け74を基板8の、インク吐出経路に設けた開放部8aに対して移動可能に構成し、インク受け74の
図13中、左右X軸方向の移動により、インクを受ける開放部8aを開閉するようにしても良い。この実施形態では、第13
図Aに示すようにインク受け74を開放部8aの直下に手動又は自動で移動可能とし、且つ、第13
図Bに示すように、インク受け74を開放部8aから外し、カバー76を開放部8aの直下に手動又は自動で移動可能とする構成とする。
この実施形態において開放部8aはインク吐出経路に対するインク受けの開放部を構成する。
【0026】
またインク受けは
図14に示すように、基材80にフェルトなどのインク吸収部材
82を載せることでも構成でき、このインク吸収部材
82の上方即ちインク吐出経路からのインクを受ける開放部に、移動自在にカバー
84を設け、カバー
84を移動してインク受けの開放部をインク吐出経路に対して遮蔽又は開放するようにしても良い。
本件の構成においては装置などの印刷媒体をセッティングした後もカバー12を自由に開閉できる構造であるため取り外し可能なカバーを設けた構造などでは印刷媒体をセッティングした後にその下にあるカバーを外すことはできないが、本装置では気づいた時点でカバーを開くことができるなど、使用時における操作性での利点も多い。
【0027】
以上、本発明なるインクジェットプリンタについて、
図1〜14を用いて順に説明してきた。本発明なるインクジェットプリンタは、図示した構成や構成部材に限らず、その趣旨を損なわない範囲での変更が可能である。
例えば、フォトセンター42は、説明を簡素化するために光学式センサーの1つであるフォトセンターとしたが、これに限るものではない。カバー12,76の相対位置が検出できるものであれば、光学式センサーでなくともよく、静電容量式センサーや、磁気式センサーであってもよい。基板8やカバー12,76の材質やこれらの設置位置によって、選択することができる。
また、
図9中のステップ8の警告文は、1例であってこれに限らない。また、フォトセンサーの出力値がデジタル2値ではなく、デジタル多値やアナログである場合には、その出力に応じて、カバー12,76の相対位置を多段階的に判断して、「カバーが半分閉じています」、「カバーを最後まで開けて下さい」など複数の警告文から選択して表示をしてもよい。また、時系列的判断も加えて、「カバーがまだ閉じています」と表示をしてもよい。また、上記の光学的なディスプレイデバイスによる表示に限らず、スピーカー等の音響デバイスを用いた音声による警告であってもよい。
【0028】
本発明に係るインクジェットプリンタは、インク裏抜け媒体に印刷する場合以外に、カバー12でインク受け10の開放部を閉じればインクが裏抜けしない紙などの媒体にも印刷することができる。この場合、カバー12は、印刷媒体を案内するガイド面を構成する。このインクジェットプリンタで、インクが裏抜けする媒体と裏抜けしない媒体の両方を印刷する場合における、媒体の種類とカバーの状態と印刷開始の関係は以下の表に示す通りである。
【0030】
次に、上記表1と
図15のフローチャートを参照して、本発明の他の実施形態の動作について説明する。
作業を開始すると、まず操作者は、レバー40を操作してカバー12を閉じる(ステップ1)。次に、操作者は、加圧ローラ46を上昇させ(ステップ2)、印刷媒体を装置にセットする(ステップ3)。次に加圧ローラ46を下降させる(ステップ4)。次に操作者は、操作パネル60から媒体の種類を示す信号をコントローラ18に入力する(ステップ5)。入力された種類が裏抜けする媒体(インクを通す媒体)の場合には、操作者は、カバー12を開く(ステップ6)。次に、操作者は、操作パネル60からコントローラ48に印刷を指示する(ステップ7)。次にコントローラ18は、カバー12の状態を確認し(ステップ8)、カバー12が閉じていると判断すると、コントローラ48の制御部は、印刷指示を拒否し、且つ操作パネル60の表示部に「カバーを開けて下さい」という警告文を表示する(ステップ9)。
【0031】
次に、操作者がカバー12を移動させて、インク受け10を開くと、即ちカバー12を開くと(ステップ10)、作業はステップ7に戻る。コントローラ18の制御部は、判断ステップ8でインク受け10の開放部8aが開いていると判断すると、印刷を開始する(ステップ11)。印刷が終了すると(ステップ12)、作業が終了する。
一方、ステップ5で、裏抜けしない媒体の種類を示す信号が入力された場合には、操作者は、操作パネル60からコントローラ48に印刷を指示する(ステップ13)。次にコントローラ18は、カバー12の状態を確認し(ステップ14)、カバー12が閉じていると判断すると、ステップ11に移行する。ステップ14でカバー12の状態を確認し、カバー12が開いていると確認した場合には、コントローラ18の制御部は、印刷指示を拒否し、操作パネル60の表示部に「カバーを閉めて下さい」という警告文を表示する(ステップ15)。次に操作者がカバー12を移動させて、インク受け10を閉じると、即ちカバー12を閉め(ステップ16)、作業者はステップ13に戻る。
【0032】
次に、上記表1と
図16のフローチャートを参照して本発明の他の実施形態の動作について説明する。
本実施形態において、カバー12は、コントローラ48の制御により自動的に開閉できる構成となっている。
作業を開始すると、まず操作者は、レバー40を操作してカバー12を閉じる(ステップ1)。次に操作者は、加圧ローラ46を上昇させ(ステップ2)、印刷媒体を装置にセットする(ステップ3)。次に加圧ローラ46を下降させる(ステップ4)。次に操作者は、操作パネル60から媒体の種類を示す信号をコントローラ18に入力する(ステップ5)。入力された媒体の種類が裏抜けする媒体の場合には、操作者は、操作パネル60を操作してカバー12を開く(ステップ6)。次に操作者は、操作パネル60からコントローラ48に印刷を指示する(ステップ7)。
【0033】
次にコントローラ18は、カバー12の状態を確認し(ステップ8)、カバー12が閉じていると判断すると、コントローラ48の制御部は、カバー12を自動的に開く(ステップ9)。コントローラ18の制御部は、判断ステップ8でインク受け10の開放部8aが開いていると判断すると、印刷を開始する(ステップ10)。印刷が終了すると(ステップ11)、作業が終了する。一方、ステップ5で、裏抜けしない媒体の種類を示す信号が入力された場合には、操作者は、操作パネル60からコントローラ48に印刷を指示する(ステップ12)。次にコントローラ18は、カバー12の状態を確認し(ステップ13)、カバー12が閉じていると判断すると、ステップ10に移行する。ステップ13でカバー12の状態が開いていると確認した場合には、コントローラ18の制御部は、カバー12を自動的に閉め(ステップ14)、印刷を開始する(ステップ10)。印刷が終了すると(ステップ11)、作業が終了する。