【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、本発明にあっては次のような解決手法を採択してある。すなわち、請求項1に記載のように、
多数本のエナメル被覆導線を束ねた導線束の先端部を、少なくとも先端部側が円筒形とされた接続端子内に挿入する第1ステップと、
前記第1ステップの後に、第1成形型によって、前記接続端子の周方向の一部に、該接続端子の軸線方向に延びる共に該接続端子の先端に開口された溝部を加圧成形する第2ステップと、
前記第2ステップ後に、第2成形型によって前記接続端子を加圧と加熱して、前記エナメル被覆導線の被覆を溶融させて該接続端子の外部に排出させる第3ステップと、
を備え、
前記第3ステップでは、前記第2成形型による加圧によって、前記溝部を前記接続端子の周方向において潰すように変形させて、該接続端子のうち少なくとも先端部側を縮径された円筒形とする成形が行われる、
ようにしてある。
【0008】
上記解決手法によれば、第3ステップでは、接続端子がその周方向全長に渡って径方向中心側に向かうように押圧されて、多数本のエナメル被覆導線をほぼ均一に加圧されて、エナメル被覆をほぼ等しく除去することができる。また、接続完了後の接続端子は、少なくともその先端部側の部位が円筒形とされているので、他の機器類や別の接続部品を接続するに際して汎用性の高いものとなる。
【0009】
上記解決手法を前提とした好ましい態様は、次のとおりである。すなわち、
前記第3ステップでは、前記第2成形型による加圧と共に該第2成形型を介して前記接続端子に加熱用電流を流すヒュージングが行われる、ようにしてある(請求項2対応)。この場合、一般的に行われているヒュージングによって、エナメル被覆を接続端子の外部へ排出することができる。
【0010】
前記第1ステップにおいて使用される前記接続端子が、その軸線方向全長に渡って同一外径とされた円筒形とされ、
前記第2ステップにおいて、前記溝部が前記接続端子の軸線方向全長に渡って延びるように形成され、
前記第3ステップの後の状態において、前記接続端子の外周形状が、該接続端子の軸線方向全長に渡って同一外径の円筒形とされる、
ようにしてある(請求項3対応)。この場合、接続端子として、もっとも単純で汎用性の高い円筒形のものを用いつつ、接続完了後に得られる接続端子もその全長に渡って縮径された円筒形とすることができる。
【0011】
前記第1ステップにおいて使用される前記接続端子が、少なくともその一端部の内径が開口端面に向けて徐々に拡径されたものとされ、
前記第1ステップでは、前記導線束が、前記接続端子のうち内径が拡径された前記一端部側から行われる、
ようにしてある(請求項4対応)。この場合、導線束をスムーズに接続端子内に挿入させることができる。また、接続完了後において、導線束の屈曲耐性を向上させることができる。
【0012】
前記第2ステップにおいて、前記溝部が、その断面に沿った形状が円弧状となるように形成される、ようにしてある(請求項5対応)。この場合、第3ステップでの加圧の際に、接続端子に対して局所的に大きな押圧力が作用しないようにしつつ、接続端子の周方向全長からほぼ均一に導線束をその中心に向けて押圧する上で好ましいものとなる。
【0013】
前記第2ステップにおいて、前記溝部が1つのみ形成される、ようにしてある(請求項6対応)。この場合、溝部の形成を極力簡単に行う上で好ましいものとなる。
【0014】
前記第2ステップにおいて、前記溝部が、前記接続端子の周方向略等間隔に複数形成される、ようにしてある(請求項7対応)。この場合、より十分に縮径させる上で好ましいものとなる。
【0015】
前記第2ステップにおいて、前記溝部が、1つのみまたは前記接続端子の周方向略180度間隔で2つ形成され、
前記第3ステップにおいて、前記接続端子が、前記溝部のへこみ方向と略直交する方向から加圧される、
ようにしてある(請求項8対応)。この場合、第1成形型による加圧方向を、溝部が潰れやすい方向として、第1成形型として簡単なものを用いつつ溝部を容易かつ確実に所望方向に潰し変形させる上で好ましいものとなる。
【0016】
前記第3ステップの後に、前記接続端子の外周に、別の接続部品の嵌合部を嵌合させる第4ステップと、
前記第4ステップの後に、前記嵌合部を、かしめによって前記接続端子に固定する第5ステップと、
をさらに有している、
ようにしてある(請求項9対応)。この場合、別の接続部品を利用して、他の機器類への接続を容易に行う上で好ましいものとなる。また、接続端子に対する別の接続部品の接続を、かしめによって簡単に行うことができる。
【0017】
前記第1ステップでは、使用される前記接続端子が、先端部側が円筒形の円筒部とされると共にその基端部がラッパ状に広がるラッパ部とされた形状とされて、前記導線束が該接続端子の基端部側から挿入され、
前記第2ステップにおいて、前記溝部が前記円筒部に形成され、
前記第3ステップでは、前記円筒部に対して加圧が行われて、該第3ステップの後の状態において、該円筒部が縮径された円筒形とされる、
ようにしてある(請求項10対応)。この場合、導線束を接続端子内に極めてスムーズに挿入することができる。また、接続完了後は、接続端子の先端部側が円筒形とされているので、汎用性も確保される。さらに、接続完了後において、導線束の屈曲耐性を向上させることができる。
【0018】
前記第1ステップにおいて使用される接続端子が、その周方向に切れ目を有しないで周方向全長に渡って連続した形状とされている、ようにしてある(請求項11対応)。この場合、接続端子が周方向に切れ目を有する場合に比して、第2成形型による加圧の際に、加圧力を導線束をその中心に向けてほぼ均一に押圧する力として有効に利用することができる。また、縮径成形後の品質のばらつきが少なく、縮径後の拡径方向への戻りを小さくすることができ、さらに切れ目から導線の一部がはみ出す等のことも防止できる。
【0019】
前記第1成形型が、第1下型と上下方向に往復駆動される第1上型とからなり、
前記第1下型に、断面に沿った形状が半円弧状の凹部とされて前記接続端子を受ける受け面が形成され、
前記第1上型に、前記溝部に対応した形状の凸部が形成されている、
ようにしてある(請求項12対応)。この場合、上下動される簡素なプレス機を用いて、溝部を形成することができる。
【0020】
前記第2成形型が、第2下型と上下方向に往復駆動される第2上型とからなり、
前記第2下型と前記第2上型とにそれぞれ、断面に沿った形状が半円弧状の凹部とされた成形面が形成されている、
ようにしてある(請求項13対応)。この場合、上下動される簡素なプレス機を用いて、接続端子を縮径された円筒形に成形することができる。