(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、計測対象の最高到達温度が300℃以上になる場合には、特許文献1に記載のアルミニウム箔テープで光ファイバを計測対象に固定しても、アルミニウム箔テープの接着性能はそのような高温状態では維持できないので、光ファイバの取付け状態を維持することができない。
【0007】
300℃以上の高温になる計測対象に光ファイバを取り付けるためには、例えば、光ファイバがその内部に挿通された金属製の保護管(さや管)を、計測対象に金属箔で押え付けて、金属箔をスポット溶接により接合することが考えられる。
【0008】
しかしながら、この取付け方法では、光ファイバの保護管を固定するための時間と手間がかかり、著しく生産性が低い。特に、ボイラのメンブレンパネル全体の温度分布を計測するような場合には、光ファイバの敷設距離が長くなるので、金属箔のスポット溶接による取付け方法で対応するのは極めて困難である。
【0009】
このように従来は、ボイラ炉壁のような高温状態になる計測対象に広範囲にわたって光ファイバを適切に取り付けるための手段がなく、高温となる計測対象の温度計測に光ファイバを広範囲にわたって使用することが極めて困難若しくは不可能であった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、ボイラ炉壁など運転時の最高到達温度が極めて高くなる計測対象に、高温の状態を計測するための光ファイバを容易に取り付けることができる光ファイバ取付け構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明は、高温の計測対象の状態を計測するための光ファイバを計測対象に取り付けるための光ファイバ取付け構造であって、機械的な締結力を利用して前記光ファイバを前記計測対象に取り付けるための機械的取付け手段を備えたことを特徴とする。
【0012】
また、好ましくは、前記機械的取付け手段は、前記計測対象に装着された固定金具を含み、前記固定金具と前記計測対象とで、前記光ファイバが挿通された保護管を挟み込んで固定する。
【0013】
また、好ましくは、前記固定金具は、前記計測対象に装着された板バネで構成されている。
【0014】
また、好ましくは、前記機械的取付け手段は、前記計測対象に装着されたスタッドボルトと、前記スタッドボルトに螺着されたナットと、をさらに有し、前記固定金具は、前記スタッドボルトに螺着された前記ナットによって前記計測対象に固定される。
【0015】
また、好ましくは、前記機械的取付け手段は、前記光ファイバの敷設位置に沿って前記計測対象に形成された、前記光ファイバを受入れるための受入れ溝を有し、前記光ファイバが挿入された保護管を前記受入れ溝の中に入れた状態で前記受入れ溝の縁部を変形させることにより、前記光ファイバの前記保護管が前記受入れ溝に固定される。
【0016】
また、好ましくは、前記受入れ溝の前記縁部は、前記計測対象に突設された突出部で形成されている。
【0017】
また、好ましくは、前記機械的取付け手段は、前記光ファイバの敷設位置に沿って前記計測対象に形成された、前記光ファイバを受入れるための受入れ溝を有し、前記光ファイバが挿入された保護管が前記受入れ溝に圧嵌めされて固定される。
【0018】
また、好ましくは、前記機械的取付け手段は、前記光ファイバの敷設位置に沿って前記計測対象に形成された、前記光ファイバを受入れるための受入れ溝を有し、前記光ファイバが挿入された保護管が前記受入れ溝の内部で塑性変形されて固定される。
【0019】
上記課題を解決するために、本発明は、高温の計測対象の状態を計測するための光ファイバを計測対象に取り付けるための光ファイバ取付け構造であって、前記光ファイバの敷設位置に沿って前記計測対象に形成された、前記光ファイバを受入れるための受入れ溝と、前記光ファイバを前記受入れ溝の中に入れた状態で前記受入れ溝の上面開口を封止する封止部材と、を備えたことを特徴とする。
【0020】
また、好ましくは、前記封止部材は、前記高温の計測対象に敷設される断熱材の一部である。
【0021】
また、好ましくは、前記封止部材は、前記高温の計測対象に固着されるプレート部材である。
【0022】
また、好ましくは、前記プレート部材は弾性を有し、前記弾性を利用して前記プレート部材を前記受入れ溝の内部に取り付ける。
【0023】
また、好ましくは、前記受入れ溝は、前記計測対象に突設した突出部で形成されており、前記プレート部材は弾性を有し、前記プレート部材の側縁部は折り曲げられており、前記弾性を利用して前記プレート部材の前記側縁部を前記突出部の外面に係合して取り付ける。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、ボイラ炉壁など運転時の最高到達温度が極めて高くなる計測対象に、高温の状態を計測するための光ファイバを容易に取り付けることができる
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の一実施形態による光ファイバ取付け構造について、
図1を参照して説明する。
【0027】
本実施形態による光ファイバ取付け構造10は、計測対象1にレーザー溶接などで固定された、板バネで構成された固定金具(機械的取付け手段)11を含む。
【0028】
図1(a)、(b)、および(c)に示したように、固定金具10と計測対象1とで、光ファイバが挿通された保護管(さや管)2を挟み込んで、固定金具10のバネ力による機械的締結力を利用して保護管2を計測対象1に固定する。
【0029】
なお、計測対象1は、例えばボイラ炉壁の壁面であり、運転時の最高到達温度が300℃以上になる。光ファイバによって、高温の計測対象の温度分布および歪み分布を、光ファイバの長手方向に沿って連続的に計測することができる。
【0030】
光ファイバは、典型的には石英ガラスによって形成されており、通常、その外周面に被覆が設けられている。光ファイバが挿通された保護管2は、金属材料または非金属材料である耐熱性材料によって形成されている。
【0031】
本実施形態による光ファイバ取付け構造10によれば、固定金具11による機械的締結力を利用して光ファイバの保護管2を計測対象1に固定するようにしたので、ボイラ炉壁のような高温の計測対象においても、光ファイバの取付け状態を確実に維持することができる。
【0032】
また、
図1(a)、(b)、および(c)に示したように、作業者が指で固定金具11を持ち上げて、そこに光ファイバの保護管2を差し入れるだけで、光ファイバの保護管2を計測対象1に簡単に固定することができる。
【0033】
簡便な取付け方法なので、ボイラのような大型構造物への施工が容易となる。また、板バネの可逆性により、光ファイバの取り外しが可能となるため、施工のやり直しや、光ファイバの交換が可能である。
【0034】
図2は、本発明の他の実施形態による光ファイバ取付け構造20を示している。
【0035】
本実施形態による光ファイバ取付け構造20は、機械的取付け手段として、計測対象1に装着されたスタッドボルト21と、スタッドボルト21に螺着されたナット22と、をさらに有している。
【0036】
そして、本実施形態による光ファイバ取付け構造20においては、
図2(a)、(b)、および(c)に示したように、固定金具11が、スタッドボルト21に螺着されたナット22によって計測対象1に固定される。
【0037】
本実施形態による光ファイバ取付け構造20においても、固定金具11、スタットボルト21、およびナット22による機械的締結力を利用して光ファイバの保護管2を計測対象1に固定するようにしたので、ボイラ炉壁のような高温の計測対象においても、光ファイバの取付け状態を確実に維持することができる。
【0038】
また、本実施形態による光ファイバ取付け構造20においても、
図2(a)、(b)、および(c)に示したように、スタッドボルト21に螺着されたナット22を締め込むことにより、光ファイバの保護管2を計測対象1に簡単に固定することができる。簡便な取付け方法なので、ボイラのような大型構造物への施工が容易となる。
【0039】
図3は、本発明の他の実施形態による光ファイバ取付け構造30を示している。
【0040】
本実施形態による光ファイバ取付け構造30は、機械的取付け手段として、光ファイバの敷設位置に沿って計測対象1に形成された、光ファイバの保護管2を受入れるための受入れ溝31を有する。
【0041】
そして、
図3(a)、(b)、および(c)に示したように、光ファイバの保護管2を受入れ溝31の中に入れた状態で、ハンマー32等により受入れ溝31の縁部を変形させることにより、光ファイバの保護管2が受入れ溝31に固定される。
【0042】
本実施形態による光ファイバ取付け構造30においても、塑性変形した計測対象1による機械的締結力を利用して光ファイバの保護管2を計測対象1に固定するようにしたので、ボイラ炉壁のような高温の計測対象においても、光ファイバの取付け状態を確実に維持することができる。
【0043】
保護管2の線膨張係数が計測対象1の線膨張係数よりも大きくなるように選択すれば、高温になればなるほど強固に締め付けるようになり、伝熱性能および固定性能を向上できる。
【0044】
また、本実施形態による光ファイバ取付け構造30においても、
図3(a)、(b)、および(c)に示したように、受入れ溝31の縁部を変形させることにより、光ファイバの保護管2を計測対象1に簡単に固定することができる。簡便な取付け方法なので、ボイラのような大型構造物への施工が容易となる。
【0045】
図4は、本発明の他の実施形態による光ファイバ取付け構造40を示している。
【0046】
本実施形態による光ファイバ取付け構造40においては、受入れ溝41の縁部が、計測対象1に突設された突出部42で形成されている。
【0047】
そして、
図4(a)、(b)、および(c)に示したように、光ファイバの保護管2を受入れ溝41の中に入れた状態で、ハンマー32等により受入れ溝41の縁部を形成する突出部42を変形させることにより、光ファイバの保護管2が受入れ溝41に固定される。
【0048】
本実施形態による光ファイバ取付け構造40においても、塑性変形した突出部42による機械的締結力を利用して光ファイバの保護管2を計測対象1に固定するようにしたので、ボイラ炉壁のような高温の計測対象においても、光ファイバの取付け状態を確実に維持することができる。
【0049】
また、本実施形態による光ファイバ取付け構造40においても、
図4(a)、(b)、および(c)に示したように、受入れ溝41の縁部を形成する突出部42を変形させることにより、光ファイバの保護管2を計測対象1に簡単に固定することができる。簡便な取付け方法なので、ボイラのような大型構造物への施工が容易となる。
【0050】
また、本実施形態による光ファイバ取付け構造40においても、保護管2の線膨張係数が計測対象1の線膨張係数よりも大きくなるように選択すれば、高温になればなるほど強固に締め付けるようになり、伝熱性能および固定性能を向上できる。
【0051】
なお、本実施形態による光ファイバ取付け構造40の一変形例としては、
図4Aに示したように、突出部42を片側のみに形成しても良い。この場合、突出部42の高さを、
図4に示した両側に設ける場合よりも高めに設定しても良い。
【0052】
図5は、本発明の他の実施形態による光ファイバ取付け構造50を示している。
【0053】
本実施形態による光ファイバ取付け構造50においては、受入れ溝51が、計測対象1に突設された突出部52で形成されている。受入れ溝51の入口部は、光ファイバの保護管2の直径よりも僅かに小さな幅寸法を有している。受入れ溝51の内壁面の形状は、保護管2の外周面の形状に略一致している。
【0054】
そして、
図5(a)、(b)、および(c)に示したように、ハンマー32等により、光ファイバの保護管2を受入れ溝51に押し込むことにより、保護管2が受入れ溝51に圧嵌めされて固定される。ハンマー32に代えてローラで保護管2を連続的に押し込むこともできる。
【0055】
本実施形態による光ファイバ取付け構造50においても、圧嵌めによる機械的締結力を利用して光ファイバの保護管2を計測対象1に固定するようにしたので、ボイラ炉壁のような高温の計測対象においても、光ファイバの取付け状態を確実に維持することができる。
【0056】
また、本実施形態による光ファイバ取付け構造50においても、
図5(a)、(b)、および(c)に示したように、光ファイバの保護管2を受入れ溝51に圧嵌めすることにより、光ファイバの保護管2を計測対象1に簡単に固定することができる。簡便な取付け方法なので、ボイラのような大型構造物への施工が容易となる。
【0057】
また、本実施形態による光ファイバ取付け構造50は、光ファイバの保護管2の外周面と受入れ溝51の内壁面との接触面積が大きいので、温度計測の応答性を高めることができる。
【0058】
また、本実施形態による光ファイバ取付け構造50においても、保護管2の線膨張係数が計測対象1の線膨張係数よりも大きくなるように選択すれば、高温になればなるほど強固に締め付けるようになり、伝熱性能および固定性能を向上できる。
【0059】
なお、本実施形態による光ファイバ取付け構造50の一変形例としては、
図5Aに示したように、受入れ溝51の形状をU字型として、その溝幅を光ファイバの保護管2の外径よりもやや狭く設定するようにしても良い。
【0060】
また、
図5Bに示したように、受入れ溝51をΩ(オーム)型として、その入口部の溝幅を光ファイバの保護管2の外径よりもやや狭く設定するようにしても良い。
【0061】
図6は、本発明の他の実施形態による光ファイバ取付け構造60を示している。
【0062】
本実施形態による光ファイバ取付け構造60においては、受入れ溝61が、計測対象1に形成されている。受入れ溝61は、光ファイバの保護管2を嵌め入れたときに、保護管2の一部が外方に突出するような深さ寸法を有している。
【0063】
そして、
図6(a)、(b)、および(c)に示したように、受入れ溝61から突出した部分の保護管2をハンマー32等で叩いて保護管2を塑性変形させることにより、保護管2が受入れ溝61に固定される。
【0064】
本実施形態による光ファイバ取付け構造60においても、塑性変形した保護管2による機械的締結力を利用して光ファイバの保護管2を計測対象1に固定するようにしたので、ボイラ炉壁のような高温の計測対象においても、光ファイバの取付け状態を確実に維持することができる。
【0065】
また、本実施形態による光ファイバ取付け構造60においても、
図6(a)、(b)、および(c)に示したように、光ファイバの保護管2を受入れ溝61内で変形させることにより、光ファイバの保護管2を計測対象1に簡単に固定することができる。簡便な取付け方法なので、ボイラのような大型構造物への施工が容易となる。
【0066】
また、本実施形態による光ファイバ取付け構造60は、計測対象1から突出した部分が存在しないという利点がある。
【0067】
また、本実施形態による光ファイバ取付け構造60においても、保護管2の線膨張係数が計測対象1の線膨張係数よりも大きくなるように選択すれば、高温になればなるほど強固に締め付けるようになり、伝熱性能および固定性能を向上できる。
【0068】
図7は、本発明の他の実施形態による光ファイバ取付け構造70を示している。
【0069】
本実施形態による光ファイバ取付け構造70は、機械的取付け手段として、光ファイバ3の敷設位置に沿って計測対象1に形成された、光ファイバ3またはその保護管2を受入れるための受入れ溝71を有する。
【0070】
そして、
図7(a)または
図7(b)に示したように、光ファイバ3またはその保護管2を受入れ溝71の中に入れた状態で、受入れ溝71の上面開口を断熱材(封止部材)72で封止する。この断熱材72は、ボイラ等の計測対象1に敷設される断熱材の一部である。
【0071】
本実施形態による光ファイバ取付け構造70によれば、計測対象1に形成した受入れ溝71に光ファイバ3またはその保護管2を入れて、断熱材72で受入れ溝71の上面開口を封止するようにしたので、ボイラ炉壁のような高温の計測対象においても、光ファイバ3の取付け状態を確実に維持することができる。
【0072】
また、
図7(a)または
図7(b)に示したように、断熱材72で受入れ溝71の上面開口を封止するだけで、光ファイバ3またはその保護管2を計測対象1に簡単に取り付けることができる。簡便な取付け方法なので、ボイラのような大型構造物への施工が容易となる。
【0073】
また、
図7(a)に示したように光ファイバ3をそのまま受入れ溝71に入れることにより、温度計測の応答性を高めることができる。
【0074】
図8は、本発明の他の実施形態による光ファイバ取付け構造80を示している。
【0075】
本実施形態による光ファイバ取付け構造80においては、、
図8(a)または
図8(b)に示したように、受入れ溝81の上面開口が、溶接等により計測対象1に固定されたプレート部材(封止部材)81によって封止されている。
【0076】
本実施形態による光ファイバ取付け構造80においても、計測対象1に形成した受入れ溝81に光ファイバ3またはその保護管2を入れて、プレート部材81で受入れ溝81の上面開口を封止するようにしたので、ボイラ炉壁のような高温の計測対象においても、光ファイバ3の取付け状態を確実に維持することができる。
【0077】
また、本実施形態による光ファイバ取付け構造80においても、
図8(a)または
図8(b)に示したように、プレート部材82で受入れ溝81の上面開口を封止するだけで、光ファイバ3またはその保護管2を計測対象1に簡単に取り付けることができる。簡便な取付け方法なので、ボイラのような大型構造物への施工が容易となる。
【0078】
図9は、本発明の他の実施形態による光ファイバ取付け構造90を示している。
【0079】
本実施形態による光ファイバ取付け構造90は、機械的取付け手段として、光ファイバ3の敷設位置に沿って計測対象1に形成された、光ファイバ3を受入れるための受入れ溝91を有する。受入れ溝91は、計測対象1に突設された突出部92で形成されている。
【0080】
図9(a)、(b)、および(c)に示したように、受入れ溝91に光ファイバ3を入れた状態で、受入れ溝91の上面開口をプレート部材93で封止する。プレート部材93は弾性を有し、この弾性を利用してプレート部材93を受入れ溝91の内部に取り付ける。
【0081】
本実施形態による光ファイバ取付け構造90においても、計測対象1に形成した受入れ溝91に光ファイバ3を入れて、プレート部材90で受入れ溝91を封止するようにしたので、ボイラ炉壁のような高温の計測対象においても、光ファイバ3の取付け状態を確実に維持することができる。
【0082】
また、本実施形態による光ファイバ取り付け構造90においても、受入れ溝91にプレート部材93を嵌め込むだけで、光ファイバ3を計測対象1に簡単に取り付けることができる。
【0083】
簡便な取付け方法なので、ボイラのような大型構造物への施工が容易となる。また、板バネの可逆性により、光ファイバの取り外しが可能となるため、施工のやり直しや、光ファイバの交換が可能である。
【0084】
図10は、本発明の他の実施形態による光ファイバ取付け構造100を示している。
【0085】
本実施形態による光ファイバ取付け構造100は、機械的取付け手段として、光ファイバ3の敷設位置に沿って計測対象1に形成された、光ファイバ3を受入れるための受入れ溝101を有する。受入れ溝101は、計測対象1に突設された突出部102で形成されている。突出部102は、突出方向において外方に傾斜する傾斜側面102Aを有している。
【0086】
図10(a)、(b)、および(c)に示したように、受入れ溝101に光ファイバ3を入れた状態で、受入れ溝101の上面開口を、弾性を有するプレート部材103で封止する。
【0087】
プレート部材103の側縁部103Aは折り曲げられており、プレート部材103の弾性を利用して、側縁部103Aを突出部102の傾斜側面102Aに係合して取り付ける。
【0088】
本実施形態による光ファイバ取付け構造100においても、計測対象1に形成した受入れ溝101に光ファイバ3を入れて、プレート部材100で受入れ溝101を封止するようにしたので、ボイラ炉壁のような高温の計測対象においても、光ファイバ3の取付け状態を確実に維持することができる。
【0089】
また、本実施形態による光ファイバ取り付け構造100においても、突出部102の傾斜側面102Aにプレート部材103の側縁部103Aを係合させるだけで、光ファイバ3を計測対象1に簡単に取り付けることができる。
【0090】
簡便な取付け方法なので、ボイラのような大型構造物への施工が容易となる。また、板バネの可逆性により、光ファイバの取り外しが可能となるため、施工のやり直しや、光ファイバの交換が可能である。
【0091】
図11および
図12は、上述した各種の光ファイバ取付け構造を、ボイラ炉壁を構成するメンブレンパネル4の外面に設けた場合を示している。
【0092】
メンブレンパネル4は、その内部を水が流れる蒸発管部5と、蒸発管部5同士を連結するフィン部6とを備えている。光ファイバ取付け構造は、メンブレンパネル4のフィン部6の外面に設けられている。
【0093】
上述した各種の光ファイバ取付け構造は、実際に光ファイバを取り付ける前に、メンブレンパネル4等の計測対象に予め設けておくことができる。これにより、現場での光ファイバの取付け作業を簡素化することができる。