(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、接続端子の配置間隔、接続端子の大きさ(面積)、接続端子周辺の配線の密度等に違いがある場合に、ソルダーレジスト層の厚み差が生じることが考慮されていない。このため、ソルダーレジスト層に複数の開口部が形成された場合に、開口部から接続端子が露出しない不具合や、逆に、露出し過ぎる不具合が生じ、電子部品等の他の部品との接続信頼性が低下する虞がある。
【0007】
本発明は、上記の事情に対処してなされたものであり、電子部品等の他の部品との接続信頼性が向上し
た配線基板の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく、本発明は、絶縁層及び導体層が積層された積層体を有
し、前記積層体上に形成された複数の接続端子と、前記積層体上に積層され、少なくとも1つ以上の前記接続端子の上端と側面とを各々露出させる第1,第2の開口部が形成されたレジスト層とを備え、
前記接続端子よりも外周側の前記第1,第2の開口部の底面が、前記接続端子の高さ以下の厚みを有する前記レジスト層の一部により構成され、 前記第2の開口部の最上端部から前記積層体の表面までの長さよりも前記第1の開口部の最上端部から前記積層体の表面までの長さの方が長く、前記第2の開口部の最上端部から底面までの深さよりも前記第1の開口部の最上端部から底面までの深さの方が深い、
配線基板の製造方法であって、 前記積層体上に前記複数の接続端子を形成する工程と、 前記積層体上に感光性を有する前記レジスト層を形成する工程と、 前記レジスト層の露光現像により少なくとも1つ以上の前記接続端子の上端と側面とを各々露出させる前記第1,第2の開口部を前記レジスト層に形成する工程とを同順に有し、前記第1,第2の開口部を形成する工程では、前記第1,第2の開口部となる領域をマスクした状態で前記レジスト層を露光現像する工程と、前記第1の開口部となる領域をマスクした状態で前記レジスト層を露光現像する工程とを同順に有することで、前記第2の開口部よりも前記第1の開口部の方が、多くの現像回数により形成されることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、接続端子よりも外周側の第1,第2の開口部の底面が、接続端子の高さ以下の厚みを有するレジスト層の一部により構成され、第2の開口部の最上端部から積層体の表面までの長さよりも第1の開口部の最上端部から積層体の表面までの長さの方が長く、第2の開口部の最上端部から底面までの深さよりも第1の開口部の最上端部から底面までの深さの方が深い
、配線基板を、レジスト層の露光現像により複数の開口部を形成する場合であっても、レジスト層に形成される開口部から接続端子が露出しない不具合や、逆に、露出し過ぎる不具合を低減することができる。その結果、電子部品等の他の部品との接続信頼性が向上する。また、レジスト層の現像回数を変更するだけで開口部の深さを制御することができる。
【0010】
本発明の一態様においては、前記複数の接続端子は、前記レジスト層の一部により構成される前記第1,第2の開口部の底面から突出し、前記複数の接続端子間における前記第1,第2の開口部の底面から前記接続端子の上端までの突出量の差が、10μm未満であることを特徴とする。
【0011】
本発明の一態様によれば、複数の接続端子間における第1,第2の開口部の底面から接続端子の上端までの突出量の差が、10μm未満である。このため、レジスト層に形成した複数の開口部から露出する接続端子の突出量にばらつきが生じるのを低減することができ、電子部品等の他の部品との接続信頼性がさらに向上する、
配線基板を、レジスト層の露光現像により複数の開口部を形成する場合であっても、レジスト層に形成される開口部から接続端子が露出しない不具合や、逆に、露出し過ぎる不具合を低減することができる。その結果、電子部品等の他の部品との接続信頼性が向上する。また、レジスト層の現像回数を変更するだけで開口部の深さを制御することができる。
前記複数の接続端子は、前記レジスト層の一部により構成される前記第1,第2の開口部の底面から突出し、前記複数の接続端子間における前記積層体の表面から前記接続端子の上端までの高さは同じ
であっても良い。このため、レジスト層に形成した複数の開口部から露出する接続端子の突出量にばらつきが生じるのをさらに低減することができ、電子部品等の他の部品との接続信頼性がさらに向上する。
【0013】
本発明の他の態様においては、前記配線基板の製造方法であって、前記積層体上に前記複数の接続端子を形成する工程と、前記積層体上に感光性を有する前記レジスト層を形成する工程と、前記レジスト層の露光現像により少なくとも1つ以上の前記接続端子の上端と側面とを各々露出させる前記第1,第2に開口部を前記レジスト層に形成する工程とを同順に有し、前記複数の接続端子は電解めっきで作製される。本発明の他の態様によれば、積層体上に複数の接続端子を形成する工程と、積層体上に感光性を有するレジスト層を形成する工程と、レジスト層の露光現像により少なくとも1つ以上の接続端子の上端と側面とを各々露出させる第1,第2に開口部をレジスト層に形成する工程とを同順に有し、複数の接続端子は電解めっきで作製される。このため、複数の接続端子間における積層体の表面から接続端子の上端までの高さを略同じ高さに形成でき、レジスト層に形成した複数の開口部から露出するそれぞれの接続端子間の突出量にばらつきが生じるのをさらに低減することができ、電子部品等の他の部品との接続信頼性がさらに向上する。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によれば、電子部品等の他の部品との接続信頼性が向上した配線基板
の製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、実施形態に係る配線基板はあくまでも一例であり、導体層と絶縁層とを積層した積層体上に接続端子が形成された配線基板であれば特に限定されるものではない。例えば、以下の実施形態では、コア基板を有する配線基板を例に本発明を説明している。しかしながら、本発明は、コア基板を有しない、いわゆるコアレス配線基板についても適用可能である。なお、以下の説明では、半導体チップ等の電子部品が接続される側を表面側とし、マザーボードやソケット等(以下、マザーボード等と称する)が接続される側を裏面側として説明する。
【0017】
(配線基板)
初めに本実施形態に係る配線基板100の構成について説明する。
図1は、配線基板100の
図1一部を拡大した断面図である。
【0018】
図1に示す配線基板100は、コア基板2と、コア基板2上に積層された絶縁層41〜44及び導体層31〜36と、導体層35及び絶縁層43上に形成されたソルダーレジスト層(レジスト層)61と、導体層36及び絶縁層44上に形成されたソルダーレジスト層(レジスト層)62とを備える。なお、絶縁層41〜44及び導体層31〜34は積層体を構成する。
【0019】
コア基板2は、耐熱性樹脂板(たとえばビスマレイミド−トリアジン樹脂板)や、繊維強化樹脂板(たとえばガラス繊維強化エポキシ樹脂)等で構成された板状の樹脂製基板である。コア基板2には、ドリル等により穿設されたスルーホール21が形成され、その内壁面には導体層31及び導体層32を電気的に接続するスルーホール導体22が形成されている。さらに、スルーホール導体22内は、エポキシ樹脂等の樹脂製穴埋め材23により充填されている。
【0020】
コア基板2の表面側には、導体層31,33,35及び絶縁層41,43が交互に積層されている。また、コア基板2の裏面側には、導体層32,34,36及び絶縁層42,44が交互に積層されている。
【0021】
絶縁層41〜44は、熱硬化性(例えば、エポキシ系)の樹脂フィルムで構成されている。絶縁層41〜44には、厚さ方向に貫通するビアホール41A〜44Aがそれぞれ形成されている。ビアホール41A〜44A内には、ビアホール41A〜44Aを埋設するようにしてビア導体51〜54がそれぞれ充填されている。ビア導体51は導体層31及び導体層33を、ビア導体52は導体層32及び導体層34を、ビア導体53は導体層33及び導体層35を、ビア導体54は導体層34及び導体層36をそれぞれ電気的に接続する。
【0022】
導体層31〜34は、ビア導体51〜54と電気的に接触するビアランド31A〜34Aと、ビア導体51〜54と接触していない配線31B〜34Bとをそれぞれ備える。導体層31〜34のビアランド31A〜34A及び配線31B〜34Bは、電気的良導体である銅(Cu)等で構成される。
【0023】
導体層35は、ビア導体53と電気的に接触するビアランド35Aと、ビア導体53と接触していない配線35Bと、接続端子35Cとを備える。ビアランド35A、配線35B及び接続端子35Cは、電気的良導体である銅(Cu)等で構成される。
【0024】
ここで、接続端子35Cは、半導体チップ(不図示)をフリップチップ接続するためのパッド(FCパッド)であり図示しない半導体素子搭載領域内に複数設けられている。半導体素子搭載領域は、配線基板100表面の中心部に設けられた矩形状の領域である。
【0025】
導体層36は、ビア導体54と電気的に接触するビアランド36Aと、ビア導体54と接触していない配線36Bと、接続端子36Cとを備える。ビアランド36A、配線35B及び接続端子36Cは、電気的良導体である銅(Cu)等で構成される。接続端子36Cは、配線基板100をマザーボードに接続するためのランド(LGAパッド)であり、配線基板100の裏面にアレイ状に配列されている。
【0026】
なお、接続端子35C,36Cの表面上に金属めっき層を形成してもよい。金属めっき層は、例えば、Ni層、Sn層、Ag層、Pd層、Au層等の金属層から選択される単一又は複数の層で構成される。また、金属めっき層の代わりに、半田をコートしてもよい。さらに、金属めっき層の代わりに、防錆用のOSP(Organic Solderability Preservative)処理を施してもよい。
【0027】
ソルダーレジスト層61,62は、例えば、液状又はフィルム状の感光性樹脂組成物を塗布して形成されている。ソルダーレジスト層61には、厚み方向に窪んだ開口部61Aが形成され、ソルダーレジスト層62には、厚み方向に貫通した開口部62Aが形成されている。各開口部61A,62Aからは、接続端子35C,36Cがそれぞれ露出している。
【0028】
図2は、絶縁層43上に形成された接続端子35Cの拡大断面図である。
図2(a)は実施形態に係る配線基板100の絶縁層43及びソルダーレジスト層61を含む接続端子35Cの拡大断面図、
図2(b)は比較例に係る配線基板の絶縁層43及びソルダーレジスト層61を含む接続端子35Cの拡大断面図である。
【0029】
図2(a)に示すように、実施形態に係る配線基板100では、積層体を構成する絶縁層43上に複数の接続端子35Cが形成されている。また、積層体を構成する絶縁層43上には、少なくとも1つ以上の接続端子35Cの上端Uを各々露出させる開口部61A(第1,第2の開口部)が形成されたソルダーレジスト層61が積層され、接続端子35Cよりも外周側の開口部61Aの底面Bが、接続端子35Cの高さT以下の厚みを有するソルダーレジスト層61の一部により構成されている。
【0030】
また、
図2(a)に示すように、領域B,Cでソルダーレジスト層61の厚みが異なっている。これは、ソルダーレジスト層61の厚みが接続端子35Cの配置間隔、接続端子35Cの大きさ(面積)、接続端子35C周辺の配線35Bの密度等が異なるためである。具体的には、接続端子35Cの配置間隔が狭い、接続端子35Cの大きさ(面積)が大きい、又は接続端子35C周辺の配線密度が高い方が積層されるソルダーレジスト層61が厚くなる。反対に、接続端子35Cの配置間隔が広い、接続端子35Cの大きさ(面積)が小さい、又は接続端子35C周辺の配線密度が小さい方が積層されるソルダーレジスト層61が薄くなる。なお、
図2(a)は、領域Cよりも領域Bの方が、接続端子35Cの配置間隔が狭い場合を示している。このため、領域Cよりも領域Bの方が、ソルダーレジスト層61が薄くなっている。
【0031】
そこで、実施形態に係る配線基板100では、領域Cの開口部61A(第2の開口部)の最上端部T2から積層体を構成する絶縁層43の表面S1までの長さよりも、領域Bの開口部61A(第1の開口部)の最上端部T1から積層体を構成する絶縁層43の表面S1までの長さの方が長くなっている。さらに、実施形態に係る配線基板100では、領域Cの開口部61A(第2の開口部)の最上端部T2から開口部61Aの底面Bまでの深さD2よりも、領域Bの開口部61A(第1の開口部)の最上端部T1から底面Bまでの深さD1の方が深くなっている。
【0032】
このため、ソルダーレジスト層61に形成される開口部61Aから接続端子35Cが露出しない不具合や、逆に、露出し過ぎる不具合を低減することができる。その結果、電子部品等の他の部品との接続信頼性が向上する。
【0033】
また、実施形態に係る配線基板100では、接続端子35C間における開口部61Aの底面Bから接続端子35Cの上端Uまでの突出量の差が、10μm未満となっている。このため、ソルダーレジスト層61に形成した開口部61Aから露出する接続端子35Cの突出量にばらつきが生じるのを低減することができ、電子部品等の他の部品との接続信頼性がさらに向上する。さらに、ソルダーレジスト層61を、感光性樹脂組成物を塗布して形成しているので、ソルダーレジスト層61の現像回数を変更するだけで開口部61Aの深さを容易に制御することができる。
【0034】
なお、上記深さD1,D2を算出する開口部61Aの底面Bの位置は、ソルダーレジスト層61の一部から構成される開口部61Aの底面Bのうち最も接続端子35C側に近接した位置である。また、接続端子35Cの突出量を算出するための開口部61Aの底面Bの位置は、ソルダーレジスト層61の一部から構成される開口部61Aの底面Bのうち最も接続端子35C側に近接した位置である。
【0035】
一方、
図2(b)に示すように、領域Cの開口部61A(第2の開口部)の最上端部T2から開口部61Aの底面Bまでの深さD2と、領域Bの開口部61A(第1の開口部)の最上端部T1から底面Bまでの深さD1がほぼ同じである場合、ソルダーレジスト層61に形成した開口部61Aから露出する接続端子35Cの突出量にばらつきが生じる。
【0036】
具体的には、領域Bに合わせて開口部61Aを形成した場合、領域Cにおいて、ソルダーレジスト層61に形成された開口部61Aから接続端子35Cが露出し過ぎる虞がある。この場合、接続端子35Cの側面とソルダーレジスト層61との隙間にアンダーフィル等の充填剤が十分に充填されずボイドが発生する虞がある。また、領域Cに合わせて開口部61Aを形成した場合、領域Bにおいて、ソルダーレジスト層61に形成された開口部61Aから接続端子35Cの上端Uが露出しない虞がある(
図2(b)参照)。この結果、電子部品等の他の部品との接続信頼性が低下する虞がある。
【0037】
(配線基板の製造方法)
次に、
図1及び
図3〜
図9を参照して、本実施形態における配線基板100の製造方法について説明する。なお、
図3〜
図8に示す断面図は、
図3に示す配線基板100の断面図に対応している。また、
図9に示す断面図は、
図2に示す配線基板100の断面図に対応している。
【0038】
板状の樹脂製基板の表面及び裏面に銅箔が貼付された銅張積層板を準備する。また、銅張積層板に対してドリルを用いて孔あけ加工を行い、スルーホール21となる貫通孔を所定位置にあらかじめ形成しておく。なお、スルーホール21形成工程の後、加工部分のスミアを除去するデスミア処理を行うことが望ましい。
【0039】
次に、従来公知の手法に従って無電解銅めっき及び電解銅めっきを行うことでスルーホール21の内壁にスルーホール導体22を形成し、銅張積層板の両面に銅めっき層を形成する。 その後、スルーホール導体22内をエポキシ樹脂等の樹脂穴埋め材23で充填し、さらに、銅張積層板の両面の銅箔上に形成された銅めっき層を所望の形状にエッチングして銅張積層板の表面及び裏面に導体層31,32を構成するビアランド31A,32A及び配線31B,32Bをそれぞれ形成する(
図3参照)。
【0040】
なお、導体層31,32を構成するビアランド31A,32A及び配線31B,32Bの表面は、銅表面粗化剤(例えば、メックエッチンボンドCZ:メック社製)により粗化しておくことが好ましい。
【0041】
次に、コア基板2の表面側及び裏面側に熱硬化性の樹脂フィルムを積層し、真空下において加圧加熱することにより硬化させて絶縁層41,42を形成する。次に、絶縁層41,42に対して、例えばCO
2ガスレーザやYAGレーザから所定強度のレーザ光を照射し、ビアホール41A,42Aをそれぞれ形成する(
図4参照)。
【0042】
その後、ビアホール41A,42Aを含む絶縁層41,42に対して粗化処理を実施する。なお、絶縁層41,42がフィラーを含む場合、粗化処理を実施するとフィラーが遊離して絶縁層41,42上に残存するため適宜水洗を行う。
【0043】
次に、ビアホール41A,42Aに対してデスミア処理及びアウトラインエッチングを施し、ビアホール41A,42A内を洗浄する。なお、上記水洗とデスミア処理との間にエアーブロー処理を行ってもよい。水洗により遊離したフィラーが完全に除去されていない場合でも、エアーブロー処理によりフィラーの残存をより確実に抑制することができる。
【0044】
次に、絶縁層41,42に対して、電解めっきのためのシード層(第1の導体層)を形成する。なお、シード層は、従来公知の手法、例えば、無電解銅めっき、スパッタ(PVD)や真空蒸着等により形成することができる。
【0045】
その後、絶縁層41,42上のシード層上に所望のパターンの開口を有する感光性樹脂からなるドライフィルムを形成し、ドライフィルムの非形成部分に電解銅めっきを行うことにより、第2の導体層を形成する。その結果、ビア導体51,52がそれぞれ形成されるとともに、導体層33,34を構成するビアランド33A,34A及び配線33B,34Bがそれぞれ形成される。ビア導体51,52、ビアランド33A,34A及び配線33B,34Bをそれぞれ形成した後、ドライフィルム及びドライフィルムの下のシード層を除去する(
図5参照)。
【0046】
なお、導体層33,34を構成するビアランド33A,34A及び配線33B,34Bの表面は、銅表面粗化剤(例えば、メックエッチンボンドCZ:メック社製)により粗化しておくことが好ましい。
【0047】
次に、導体層33,34を覆うようにして、絶縁層41,42上に熱硬化性の樹脂フィルムを積層し、真空下において加圧加熱することにより硬化させて絶縁層43,44をそれぞれ形成する。
【0048】
次に、
図4を参照して説明した場合と同様にして、絶縁層43,44に対して、例えばCO
2ガスレーザやYAGレーザから所定強度のレーザ光を照射し、ビアホール43A,44Aをそれぞれ形成する(
図6参照)。
【0049】
その後、ビアホール43A,44Aを含む絶縁層43,44に対して粗化処理を実施する。なお、絶縁層43,44がフィラーを含む場合、粗化処理を実施するとフィラーが遊離して絶縁層43,44上に残存するため適宜水洗を行う。
【0050】
次に、ビアホール43A,44Aに対してデスミア処理及びアウトラインエッチングを施し、ビアホール43A,44A内を洗浄する。次に、絶縁層43,44に対して、電解めっきのためのシード層(第1の導体層)を形成する。なお、シード層は、従来公知の手法、例えば、無電解銅めっき、スパッタ(PVD)や真空蒸着等により形成することができる。
【0051】
その後、絶縁層43,44上のシード層上に所望のパターンの開口を有する感光性樹脂からなるドライフィルムを形成し、ドライフィルムの非形成部分に電解銅めっきを行うことにより、第2の導体層を形成する。その結果、ビア導体53,54がそれぞれ形成されるとともに、導体層35,36を構成するビアランド35A,36A,配線35B,36B及び接続端子35C,36Cがそれぞれ形成される。ビア導体53,54、ビアランド35A,36A,配線35B,36B及び接続端子35C,36Cをそれぞれ形成した後、ドライフィルム及びドライフィルムの下のシード層を除去する(
図7参照)。
【0052】
なお、導体層35,36を構成するビアランド35A,36A及び配線35B,36Bの表面は、銅表面粗化剤(例えば、メックエッチンボンドCZ:メック社製)により粗化しておくことが好ましい。
【0053】
次に、感光性樹脂からなるソルダーレジスト材を、導体層35,36及び絶縁層43,44上にそれぞれ塗布し、ソルダーレジスト層61,62を形成する(
図8参照)。次に、接続端子35C,36Cを露出させる開口部61A,62Aを、露光及び現像によりソルダーレジスト層61,62に形成し、本実施形態の配線基板100を得る(
図1参照)。
【0054】
図9は、ソルダーレジスト層61に、接続端子35Cを露出させる開口部61Aを形成する製造工程図である。
図8で説明したように、感光性樹脂からなるソルダーレジスト材を、導体層35及び絶縁層43上に塗布し、ソルダーレジスト層61を形成した後、ソルダーレジスト層の開口部61Aとなるべき領域の内側領域をマスクした状態で感光性樹脂を露光して開口部61Aの外側領域となるべき感光性樹脂を光硬化させる(
図9(a)参照)。
【0055】
次に、現像を行い、ソルダーレジスト層61の厚みが薄い領域Cの接続端子35Cの上端Uが露出するように開口部61Aを形成する(
図9(b)参照)。具体的には、炭酸ナトリウム水溶液(濃度1重量%)に、製造途中の配線基板100を短時間(未感光部の感光性樹脂表面が若干膨潤する程度の時間)浸漬し、その後、水洗して膨潤した感光性樹脂を乳化させて、膨潤・乳化した感光性樹脂を製造途中の配線基板100から除去する。
【0056】
次に、ソルダーレジスト層61の厚みが厚い領域Bをマスクして露光し、ソルダーレジスト層61の厚みが薄い領域Cを光硬化させる(
図9(c)参照)。同様にして、現像を行い、ソルダーレジスト層61の厚みが厚い領域Bの接続端子35Cの上端Uが露出するように開口部61Aを深くする(
図9(d)参照)。具体的には、炭酸ナトリウム水溶液(濃度1重量%)に、製造途中の配線基板100を短時間(未感光部の感光性樹脂表面が若干膨潤する程度の時間)浸漬し、その後、水洗して膨潤した感光性樹脂を乳化させて、膨潤・乳化した感光性樹脂を製造途中の配線基板100から除去する。なお、領域Cに形成した開口部61Aを深くする際に、領域B及び領域Cにおいて、接続端子35C間における開口部61Aの底面Bから接続端子35Cの上端Uまでの突出量の差が10μm未満となるように留意する。
【0057】
領域B及び領域Cに、各々接続端子35Cの上端Uを露出させる開口部61Aを形成後、熱や紫外線等により感光性樹脂を完全に硬化させる。
【0058】
なお、本実施形態においては、必要に応じて、ソルダーレジスト層61,62の開口部61A,62Aから露出する接続端子35C,36Cを覆うようにして、金属めっき層を形成してもよい。金属めっき層は、例えば、Ni層、Sn層、Ag層、Pd層、Au層等の金属層から選択される単一又は複数の層で構成される。また、金属めっき層の代わりに、半田をコートしてもよい。さらに、金属めっき層の代わりに、防錆用のOSP処理を施してもよい。
【0059】
以上のように実施形態に係る配線基板100及び製造方法では、少なくとも1つ以上の接続端子35Cの上端Uを各々露出させる複数の開口部61Cが形成されたソルダーレジスト層61を備えており、接続端子35Cよりも外周側の開口部61Aの底面Bが、接続端子35Cの高さ以下の厚みを有するソルダーレジスト層の一部により構成され、領域Cの開口部61A(第2の開口部)の最上端部T2から積層体の表面S1までの長さよりも領域Bの開口部61A(第1の開口部)の最上端部T1から積層体の表面S1までの長さの方が長く、領域Cの開口部61A(第2の開口部)の最上端部T2から底面Bまでの深さD2よりも、領域Bの開口部61A(第1の開口部)の最上端部T1から底面Bまでの深さD1の方が深い。
【0060】
このため、ソルダーレジスト層61に形成される開口部61Aから接続端子35Cが露出しない不具合や、逆に、露出し過ぎる不具合を低減することができる。その結果、電子部品等の他の部品との接続信頼性が向上する。
【0061】
また、実施形態に係る配線基板100及び製造方法では、接続端子35C間における開口部61Aの底面Bから接続端子35Cの上端Uまでの突出量の差が、10μm未満となっている。このため、ソルダーレジスト層61に形成した開口部61Aから露出する接続端子35Cの突出量(開口部61Aの底面Bから接続端子35Cの上端Uまでの距離)にばらつきが生じるのを低減することができ、電子部品等の他の部品との接続信頼性がさらに向上する。
【0062】
さらに、ソルダーレジスト層61を、感光性樹脂組成物を塗布して形成しているので、ソルダーレジスト層61の現像回数を変更するだけで開口部の深さを容易に制御することができる。
【0063】
本実施形態に係る配線基板100は、領域Bの開口部61A(第1の開口部)から複数の接続端子35Cが露出し、領域Cの開口部61A(第2の開口部)から1つの接続端子35Cが露出していたが、開口部61Aから露出する接続端子35の数は限定されるものではなく、領域B及び領域Cの開口部61Aからそれぞれ1つの接続端子35Cが露出する形態で有っても良い。また、領域B及び領域Cの開口部61Aからそれぞれ複数の接続端子35Cが露出する形態で有っても良い。