特許第6374786号(P6374786)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374786
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】液晶表示装置
(51)【国際特許分類】
   G02F 1/1333 20060101AFI20180806BHJP
【FI】
   G02F1/1333
【請求項の数】6
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-262587(P2014-262587)
(22)【出願日】2014年12月25日
(65)【公開番号】特開2016-122130(P2016-122130A)
(43)【公開日】2016年7月7日
【審査請求日】2017年10月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000103747
【氏名又は名称】京セラディスプレイ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 元康
【審査官】 磯崎 忠昭
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−6345(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/140463(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0281158(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1333
G09F 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開口端とされている凹状の容器と、その容器の底面に載置されたバックライト装置と、平面視で前記容器の内側に伸びるとともに前記容器の開口端を覆うつば部を有して前記容器の側壁の係止部に側壁部が係止された枠体と、前記容器の底面の端部に位置する内部枠体と、前記バックライト装置側の面の中央部が液晶表示パネルに接合されている透明保護板と、を有する液晶表示装置であって、前記液晶表示パネルは、前記バックライト装置との間に第1の隙間を有しており、前記枠体は、平面視で前記つば部によって構成された開口が前記液晶表示パネルの外形の外側にあるとともに前記つば部と前記透明保護板との間に第2の隙間を有しており、前記内部枠体は、前記バックライト装置の側面との間に第3の隙間を有しているとともに前記第1の隙間に入り込む延出部を有しており、前記延出部と前記液晶表示パネルの周縁部とが接合材によって接合されている液晶表示装置。
【請求項2】
前記つば部は、前記透明保護板と対向する面に突部を有している請求項1に記載の液晶表示装置。
【請求項3】
前記内部枠体は、前記つば部との間に第4の隙間を有している請求項1または請求項2に記載の液晶表示装置。
【請求項4】
前記内部枠体は、前記容器の底面の端部に接する面及び前記つば部側の面の少なくとも一方に、接触面積を小さくするための凹部を有している請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項5】
前記透明保護板は、前記バックライト装置側の面の周縁部に、前記液晶表示パネルの周縁部から前記つば部にかけて遮光層を有している請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の液晶表示装置。
【請求項6】
前記液晶表示パネルと前記透明保護板とを接合する接合材の厚みが0.3mm以下である請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の液晶表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バックライト装置と液晶表示パネルとカバーガラス等の透明保護板とを有する液晶表示装置(Liquid Crystal Display :LCD)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のLCDの1例について基本構成の断面図を図5に示す。図5に示すように、上側が外部に開放された開口端となっている、アルミニウム(Al),亜鉛(Zn)メッキ鋼材等から成る凹状の容器21の底面に導光板22が載置され、両面接着テープ等によって容器21の底面に接合されている。バックライト装置32は、導光板22と、導光板22上に載置された、レンズ状突起あるいはビーズ状突起を多数有するレンズ(ビーズ)拡散シート、及び反射型偏光性フィルム(Dual Brightness Enhancement Film)等から成る光再利用シートとしての光学シート23と、を含んで成る。バックライト装置32上に間隔をあけて液晶表示パネル25が設置されている。容器21の側壁21aの外側面に枠体31の側壁部31aの内側面が接着、ネジ止め等の手段によって取り付けられており、枠体31の上端に平面視で容器21の内側に伸びるようにつば部31cが形成されている。容器21の底面の端部にあって、枠体31のつば部31cの根元部を支持するための樹脂等から成る支持部材34が、容器21の内部に設置されている。
【0003】
液晶表示パネル25の透明保護板27側の面(表示側の面)は、UV硬化樹脂あるいは両面テープから成る第1接着層26によって、透明保護板27の液晶表示パネル25側の面の中央部に接着されている。また、透明保護板27の液晶表示パネル25側の面の周縁部は、粘着シート35によって、枠体31のつば部31cに接着されている。さらに、液晶表示パネル25のバックライト装置32側の面の周縁部は、第1接着層26と同様の両面テープ等から成る第2接着層29によって、バックライト装置32の周縁部及び支持部材34の延出部34aに接着されている。
【0004】
また、鉤状の係止部21bが、側壁部31aに形成された貫通孔31bに挿入され係止されることによって、枠体31が容器21に取り付けられている。また、バックライト装置32と液晶表示パネル25との間には隙間Gがある(例えば、特許文献1を参照)。
【0005】
なお、バックライト装置32は、位相差板、直線偏光板等を備えていている場合があり、液晶表示パネル25は位相差板、直線偏光板、タッチパネル等を備えていている場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2014−115588号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図5に示す上記従来のLCDにおいては、液晶表示パネル25は、その反表示側の面の周縁部が第2接着層29によって、バックライト装置32の周縁部及び支持部材34の延出部34aの2種類の部材に接着されているために、反表示側の面の周縁部に応力が加わり、その周縁部においてコントラスト低下、白抜け等の表示品質の劣化が生じやすいという問題点があった。また、バックライト装置32の側面と支持部材との延出部34aの側面とが接した状態にあるために、バックライト装置32が駆動時に発熱して膨張した際に、その膨張変形による応力が支持体34、つば部31c及び粘着シート35を介して透明保護板27の周縁部に加わり、さらに液晶表示パネル25の表示側の面の周縁部に影響を与えて、表示品質を劣化させる原因となるという問題点があった。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、液晶表示パネルの周縁部に加わる応力を低減、解消してその表示品質が劣化することを抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の液晶表示装置は、一端が開口端とされている凹状の容器と、その容器の底面に載置されたバックライト装置と、平面視で前記容器の内側に伸びるとともに前記容器の開口端を覆うつば部を有して前記容器の側壁の係止部に側壁部が係止された枠体と、前記容器の底面の端部に位置する内部枠体と、前記バックライト装置側の面の中央部が液晶表示パネルに接合されている透明保護板と、を有しており、前記液晶表示パネルは、前記バックライト装置との間に第1の隙間を有しており、前記枠体は、平面視で前記つば部によって構成された開口が前記液晶表示パネルの外形の外側にあるとともに前記つば部と前記透明保護板との間に第2の隙間を有しており、前記内部枠体は、前記バックライト装置の側面との間に第3の隙間を有しているとともに前記第1の隙間に入り込む延出部を有しており、前記延出部と前記液晶表示パネルの周縁部とが接合材によって接合されている構成である。
【0010】
本発明の液晶表示装置は、好ましくは、前記つば部は、前記透明保護板と対向する面に突部を有している。
【0011】
また本発明の液晶表示装置は、好ましくは、前記内部枠体は、前記つば部との間に第4の隙間を有している。
【0012】
また本発明の液晶表示装置は、好ましくは、前記内部枠体は、前記容器の底面の端部に接する面及び前記つば部側の面の少なくとも一方に、接触面積を小さくするための凹部を有している。
【0013】
また本発明の液晶表示装置は、好ましくは、前記透明保護板は、前記バックライト装置側の面の周縁部に、前記液晶表示パネルの周縁部から前記つば部にかけて遮光層を有している。
【0014】
また本発明の液晶表示装置は、好ましくは、前記液晶表示パネルと前記透明保護板とを接合する接合材の厚みが0.3mm以下である。
【発明の効果】
【0015】
本発明の液晶表示装置は、一端が開口端とされている凹状の容器と、その容器の底面に載置されたバックライト装置と、平面視で容器の内側に伸びるとともに容器の開口端を覆うつば部を有して容器の側壁の係止部に側壁部が係止された枠体と、容器の底面の端部に位置する内部枠体と、バックライト装置側の面の中央部が液晶表示パネルに接合されている透明保護板と、を有する液晶表示装置であって、液晶表示パネルは、バックライト装置との間に第1の隙間を有しており、枠体は、平面視でつば部によって構成された開口が液晶表示パネルの外形の外側にあるとともにつば部と透明保護板との間に第2の隙間を有しており、内部枠体は、バックライト装置の側面との間に第3の隙間を有しているとともに第1の隙間に入り込む延出部を有しており、延出部と液晶表示パネルの周縁部とが接合材によって接合されていることから、以下のような効果を奏する。即ち、液晶表示パネルとバックライト装置との間に第1の隙間があるので、バックライト装置の発熱による熱膨張の影響を液晶表示パネルが直接受けないこととなる。また、枠体は、平面視でつば部によって構成された開口が液晶表示パネルの外形の外側にあることから、液晶表示パネルの周縁部につば部に起因する応力が発生しにくいものとなる。枠体は、つば部と透明保護板との間に第2の隙間を有していることから、内部枠体及びつば部の変形による応力が透明保護板に伝わらないために、液晶表示パネルの表示側の面の周縁部に応力の影響を与えて表示品質を劣化させることを抑えることができる。内部枠体は、バックライト装置の側面との間に第3の隙間を有していることから、バックライト装置の駆動時の発熱による熱膨張の影響を直接受けないこととなる。また、内部枠体は、第1の隙間に入り込む延出部を有しており、延出部と液晶表示パネルの周縁部とが接合材によって接合されていることから、単一の部材によって液晶表示パネルの周縁部を支持することができるので、液晶表示パネルの周縁部に応力が発生しにくいものとなる。また、枠体は、側壁部が容器の側壁の係止部に係止されているので、枠体が容器に強固に固着されておらず、バックライト装置等の構成部品に熱膨張等が発生した際にそれを若干吸収して、容器及び枠体に発生する応力を緩和することができる。以上より、液晶表示パネルの周縁部に加わる応力を低減してその表示品質が劣化することを抑えることができる。
【0016】
本発明の液晶表示装置は、好ましくは、つば部は、透明保護板と対向する面に突部を有していることから、透明保護板の周縁部につば部と反対側から外力が加わった際に、突部が透明保護板の周縁部の高さの変位を規制する高さ規制部として機能する。その結果、液晶表示パネルの周縁部に加わる応力を低減してその表示品質が劣化することを抑える効果が高まる。
【0017】
本発明の液晶表示装置は、好ましくは、内部枠体は、つば部との間に第4の隙間を有していることから、内部枠体の変形による応力が透明保護板にさらに伝わりにくくなる。
【0018】
また本発明の液晶表示装置は、好ましくは、内部枠体は、容器の底面の端部に接する面及びつば部側の面の少なくとも一方に、接触面積を小さくするための凹部を有していることから、内部枠体からつば部に加わる応力を低減することができる。特に、小型化のためにつば部の幅を小さくした場合に有利である。
【0019】
また本発明の液晶表示装置は、好ましくは、透明保護板は、バックライト装置側の面の周縁部に、液晶表示パネルの周縁部からつば部にかけて遮光層を有していることから、つば部を遮光部として用いる必要がなくなる。
【0020】
また本発明の液晶表示装置は、好ましくは、液晶表示パネルと透明保護板とを接合する接合材の厚みが0.3mm以下であることから、薄い接合材によって液晶表示パネルと透明保護板を接合することが可能となる。また、薄型化された液晶表示装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1(a),(b)は、それぞれ本発明の液晶表示装置について実施の形態の1例を示す図であり、液晶表示装置の基本構成の断面図である。
図2図2(a),(b)は、それぞれ本発明の液晶表示装置について実施の形態の他例を示す図であり、液晶表示装置の基本構成の断面図である。
図3図3(a),(b)は、それぞれ本発明の液晶表示装置について実施の形態の他例を示す図であり、液晶表示装置の基本構成の断面図である。
図4図4は、本発明の液晶表示装置について実施の形態の他例を示す図であり、液晶表示装置の透明保護板の周縁部及びその周囲の拡大断面図である。
図5図5は、従来の液晶表示装置の1例を示す図であり、液晶表示装置の基本構成の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明のLCDの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。但し、以下で参照する各図は、本発明のLCDの実施の形態における構成部材のうち、本発明のLCDを説明するための主要部を示している。従って、本発明に係るLCDは、図に示されていない回路基板、配線導体、制御IC,LSI等の周知の構成部材を備えていてもよい。
【0023】
図1(a),(b)は、それぞれ本発明のLCDについて実施の形態の1例を示す図であり、LCDの基本構成の断面図である。図1に示すように、LCDは、一端が開口端とされている凹状の容器1と、その容器1の底面に載置され固定されたバックライト装置12と、平面視で容器1の内側に伸びるとともに容器1の開口端を覆うつば部11cを有して容器1の側壁1aの係止部1bに側壁部11aが取り付けられた枠体11と、容器1の底面の端部に位置する内部枠体4と、バックライト装置12側の面の中央部が液晶表示パネル5に接合されている透明保護板7と、を有するLCDであって、液晶表示パネル5は、バックライト装置12との間に第1の隙間G1を有しており、枠体11は、平面視でつば部11cによって構成された開口が液晶表示パネル5の外形の外側にあるとともにつば部11cと透明保護板7との間に第2の隙間G2を有しており、内部枠体4は、バックライト装置12の側面との間に第3の隙間G3を有しているとともに第1の隙間G1に入り込む延出部4aを有しており、延出部4aと液晶表示パネル5の周縁部とが接合材9によって接合されている構成である。
【0024】
上記の構成により、以下のような効果を奏する。即ち、液晶表示パネル5とバックライト装置12との間に第1の隙間G1があるので、バックライト装置12の発熱による熱膨張の影響を液晶表示パネル5が直接受けないこととなる。また、枠体11は、平面視でつば部11cによって構成された開口が液晶表示パネル5の外形の外側にあることから、液晶表示パネル5の周縁部につば部11cに起因する応力が発生しにくいものとなる。枠体11は、つば部11cと透明保護板7との間に第2の隙間G2を有していることから、内部枠体4及びつば部11cの変形による応力が透明保護板7に伝わらないために、液晶表示パネル5の表示側の面の周縁部に応力の影響を与えて表示品質を劣化させることを抑えることができる。内部枠体4は、バックライト装置12の側面との間に第3の隙間G3を有していることから、バックライト装置12の駆動時の発熱による熱膨張の影響を直接受けないこととなる。また、内部枠体4は、第1の隙間G1に入り込む延出部4aを有しており、延出部4aと液晶表示パネル5の周縁部とが接合材9によって接合されていることから、単一の部材によって液晶表示パネル5の周縁部を支持することができるので、液晶表示パネル5の周縁部に応力が発生しにくいものとなる。また、枠体11は、側壁部11aが容器1の側壁1aの係止部1bに係止されているので、枠体11が容器1に強固に固着されておらず、バックライト装置12等の構成部品に熱膨張等が発生した際にそれを若干吸収して、容器1及び枠体11に発生する応力を緩和することができる。以上より、液晶表示パネル5の周縁部に加わる応力を低減してその表示品質が劣化することを抑えることができる。
【0025】
本発明のLCDにおいて、図4に示すように、つば部11cは、透明保護板7と対向する面に突部11dを有していることが好ましい。この場合、透明保護板7の周縁部につば部11cと反対側から外力が加わった際に、突部11dが透明保護板7の周縁部の高さの変位を規制する高さ規制部として機能する。その結果、液晶表示パネル5の周縁部に加わる応力を低減してその表示品質が劣化することを抑える効果が高まる。突部11dは、第2の隙間G2よりも低い高さを有しているが、第2の隙間G2の高さが0.2mm〜0.5mm程度であり、突部11dの高さが0.1mm〜0.15mm程度であることがよい。従って、突部11dの頂部と透明保護板7の周縁部との間の距離は0.05mm〜0.4mm程度であることが好ましい。0.05mm未満では、LCDが熱膨張等によってわずかに変形した際に突部11dが透明保護板7の周縁部に接触することが発生する傾向がある。0.4mmを超えると、高さ規制部として機能しにくくなり、液晶表示パネル5の周縁部に加わる応力を低減する効果が発現しにくくなる傾向がある。また、突部11dは、つば部11cの透明保護板7と対向する面の外側の端に近い部位、特につば部11cの中心よりも外側にあることがよい。この場合、透明保護板7の周縁部につば部11cと反対側から外力が加わった際に、突部11dが透明保護板7の周縁部に接触しやすくなり、高さ規制部として機能しやすくなり、液晶表示パネル5の周縁部に加わる応力を低減する効果が発現しやすくなる傾向がある。また、突部11dは、その頂部が平坦面であるか突状の曲面であることがよい。この場合、透明保護板7の周縁部につば部11cと反対側から外力が加わった際に、突部11dがその応力を緩和しやすくなる。突部11dは、その平面視形状が円形、楕円形、三角形、四角形、五角形以上の多角形、帯状等の種々の形状であるようにすることができる。また、突部11dは複数設けることもでき、あるいはつば部11cの全周にわたって連続的または断続的に帯状、堤状に設けることもできる。また、突部11dは、つば部11cと一体的に設けられたものであってよいが、つば部11cの透明保護板7と対向する面に別体のものとして形成された樹脂製、金属製、セラミック製等のものであってもよい。
【0026】
なお、液晶表示パネル5の表示側の面は、高透明性接着剤転写テープ(Optically Clear Adhesive Tape :OCA)等の透明な接合材6によって、ガラス板,アクリル板等から成る透明保護板7に接合されている。また、液晶表示パネル5の反表示側の面の周縁部は、必ずしも透明性を必要としない白色等の色合いの両面接着テープ等から成る接合材9によって、内部枠体4の延出部4aに接合されている。この接合材9は、全周にわたって設けられていてもよいが、複数の接合材9が互いに間隔をあけて間欠的に設けられていてもよい。さらには、液晶表示パネル5の平面視形状が四角形状である場合、液晶表示パネル5の対向する2辺の中央部または各辺の中央部に、それぞれ接合材9が設けられていてもよい。この場合、液晶表示パネル5の周縁部に応力が加わることをより抑えることができる。
【0027】
また接合材9は、シリコーン樹脂,ポリウレタン,発泡性ポリウレタン(ウレタンフォーム),マイクロセルポリマーシート等の低反発性樹脂、衝撃吸収性樹脂等から成る緩衝部材を基材とし、その基材の上面及び下面に接着層、粘着層を有するものであることが好ましい。この場合、液晶表示パネル5の周縁部に応力が加わることをさらに抑えることができる。
【0028】
また好ましくは、透明保護板7のバックライト装置12側の面の周縁部からつば部11cにかけて、黒色、黒褐色、紺色等の暗色系の色合いの遮光性樹脂等から成る遮光層8が形成されていることが良い。この場合、つば部11cを遮光部として用いる必要がなくなり、応力緩和に有利である。
【0029】
液晶表示パネル5と透明保護板7とを接合する接合材6の厚みは、0.3mm以下であることが好ましい。この場合、薄い接合材6によって液晶表示パネル5と透明保護板7を接合することが可能となる。また、薄型化されたLCDとなる。なお、接合材6の厚みは0.1mm以上とすることがよい。0.1mm未満では、液晶表示パネル5が透明保護板7の変形の影響を受けやすくなる傾向がある。
【0030】
突起から成る係止部1bが、側壁部11aに形成された貫通孔11bに挿入され係止されることによって、枠体11が容器1に取り付けられる。この場合、係止部1bが側壁部11aにあり、貫通孔11bが側壁1aにあってもよい。また、側壁1aの内側面の側に側壁部11aがあってもよい。そして、容器1を側壁部11aの内側に下方から挿入して、係止部1bを貫通孔11bに係止させることによって、容器1と枠体11が組み付けられる。
【0031】
内部枠体4は、アクリル樹脂,ポリイミド,ポリアミド,ポリイミドアミド,シリコーン樹脂,ポリウレタン等の樹脂材料から成る。この内部枠体4は、稠密体であってもよいが、つば部11cに加わる応力の緩和、及び軽量化のために、内部に空洞を有する中空構造、表面に切欠部、凹部を有する切欠構造を有していることがよい。特に、図1(b)に示すように、内部枠体44は、容器1の底面の端部に接する面及びつば部11c側の面の少なくとも一方に、接触面積を小さくするための凹部を有していることが好ましい。なお、内部枠体44がつば部11cに接する面を有している場合、その面に凹部を形成する。そして、上記の構成の場合、内部枠体44からつば部11cに加わる応力を低減することができる。特に、小型化のためにつば部11cの幅を小さくした場合に有利である。また、内部枠体44が樹脂から成る場合であって、加熱後に冷却、硬化させて作製する樹脂製のものである場合、内部枠体44が凹部のない稠密構造体であれば、表面に凹みが発生し、接触面にがたつきが生じやすい。内部枠体44が接触面積を小さくするための凹部を有している構成である場合、容器1の底面の端部に接する面、つば部11c側の面に凹みが発生せず、接触面にがたつきが生じることが解消される。また、内部枠体4は、枠状に形成された単一の部材であってもよく、あるいは複数の部材から成っていてもよい。
【0032】
内部枠体44は、容器1の底面の端部に接する面(接触面aとする)及びつば部11cに接する面(接触面bとする)の少なくとも一方に、接触面積を小さくするための凹部を有している場合、平面視で凹部の開口の面積が接触面aの面積(凹部がないとした場合の面積)の50%以上であることがよい。この場合、接触面aにがたつきが生じにくい傾向がある。また、平面視で凹部の開口の面積が接触面bの面積(凹部がないとした場合の面積)の50%以上であることがよい。この場合、接触面bにがたつきが生じにくい傾向があるとともに、内部枠体44からつば部11cに加わる応力を低減する効果が高まる。
【0033】
液晶表示パネル5とバックライト装置12との間の第1の隙間G1は0.25mm〜1mm程度であることがよい。0.25mm未満では、バックライト装置12の熱膨張による変形により、液晶表示パネル5とバックライト装置12が接触する事態が生じる傾向がある。1mmを超えると、LCDが大型化する傾向がある。
【0034】
またバックライト装置12は、位相差板、直線偏光板等を備えていてもよく、液晶表示パネル5は位相差板、直線偏光板、タッチパネル等を備えていてもよい。
【0035】
本発明のLCDは、図2(a),(b)に示すように、内部枠体54,64は延出部54a,64aの上側の幅よりも下側の幅が小さいことが好ましい。この場合、延出部54a,64aがバックライト装置12側に撓みやすくなり、液晶表示パネル5の周縁部に応力が強く加わることを抑えることができる。また、バックライト装置12の側面と内部枠体54,64との間の第3の隙間G3が拡がるので、バックライト装置12の熱膨張の影響を内部枠体54,64が受け難くなる効果が高まる。
【0036】
また本発明のLCDは、図3(a),(b)に示すように、内部枠体74,84は、つば部11cとの間に第4の隙間G4を有していることが好ましい。この場合、内部枠体74,84の変形による応力が透明保護板7にさらに伝わりにくくなる。また、第2の隙間G2は第4の隙間G4よりも小さいことが好ましい。この場合、第2の隙間G2を通じて埃等の粒子が外部からLCD内部に入り込むことを抑えることができる。なお、図3(a),(b)において、74a,84aは内部枠体74,84の延出部である。
【0037】
なお、本発明のLCDは、上記実施の形態に限定されるものではなく、適宜の設計的な変更、改良を含んでいてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明のLCDは各種の電子機器に適用できる。その電子機器としては、自動車経路誘導システム(カーナビゲーションシステム)、船舶経路誘導システム、航空機経路誘導システム、スマートフォン端末、携帯電話、タブレット端末、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ、電子手帳、電子書籍、電子辞書、パーソナルコンピュータ、複写機、ゲーム機器の端末装置、テレビジョン、商品表示タグ、価格表示タグ、産業用のプログラマブル表示装置、カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー、ファクシミリ、プリンター、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機、ヘッドアップディスプレイ装置、プロジェクタ装置、デジタル表示式腕時計などがある。
【符号の説明】
【0039】
1 容器
1a 側壁
1b 係止部
2 導光板
3 光学シート
4,44,54,64,74,84 内部枠体
4a,44a,54a,64a,74a,84a 延出部
5 液晶表示パネル
6 透明な接合材
7 透明保護板
8 遮光層
9 接合材
11 枠体
11a 側壁部
11b 貫通孔
11c つば部
11d 突部
G1 第1の隙間
G2 第2の隙間
G3 第3の隙間
G4 第4の隙間
図1
図2
図3
図4
図5