(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
イオン注入プロセスは、電気及び光デバイスを製造するに当たり用いられる。このプロセスは、ドーパントまたは不純物をターゲット内に導入して、ターゲットの機械的、電気的、及び/または光学的性質を変化させるプロセスである。集積回路(IC:integrated circuit)デバイス製造では、ターゲットは、シリコンまたは他の半導体ウェハー、あるいは当該ウェハー上の1つ以上の特徴物または膜とすることができる。一般に、ドーパントまたは不純物は、ターゲットの性質とは異なる1つ以上の性質を有することができる。ドーパントまたは不純物は、一旦、ターゲットのある領域内に注入されると、この領域の性質を変化させる。
【0004】
イオン注入プロセス中に、ターゲットまたはウェハー102はプラテン112上に支持することができる。
図1に例示するように、プラテン112は、電源116に電気接続された1つ以上の電極114を具えることができる。一部の具体例では、複数の同心電極114を設け、これらの電極の1つを内側電極114a、他の電極を外側電極114bとすることができる。他の具体例では、複数の電極を、プラテン112の互いに逆の側に設ける。ウェハー102をプラテン
112上に静電クランプするために、バイアス電圧を電極114に印加することができる。一部の具体例では、互いに逆の電圧を異なる電極に印加することができる。例えば、電極114の1つに正電圧を印加するのに対し、他の電極114には負電圧を印加することができる。このクランプ電圧の大きさは、同じにすることも異ならせることもできる。
【0005】
図2を参照し、
図2は、電源116からプラテン112内の1つ以上の電極114に供給されるクランプ電圧のタイミングを示す。ウェハー102をプラテン上に装荷した後に、クランプ電圧(V
1)を時刻T
1に電極114に印加し、ウェハー102はプラテン112上に静電クランプされる。図示していないが、2つ以上の電極を設ける場合、これらの電極の一方に+V
1を印加し、他方の電極には−V
1を印加することは、当業者が認識する所である。イオン注入プロセス中に、電極114に印加する電圧を維持して、ウェハー102をプラテン112上にクランプしたままにすることができる。イオン注入を完了した後には(即ち、時刻T
2)、もうクランプ電圧V
1を電極114に印加せずに、ウェハー102をプラテン112から除去する。一部の具体例では、ウェハー102の除去プロセスが、ウェハー102をリフトピン(図示せず)でプラテンから持ち上げて引き離し、ウェハー102をプラテンから除去することを含むことができる。現在技術では既知であるように、電極114に印加する電圧は、ウェハー102を処理するためにウェハー102に直接印加する電圧とは異なる。例えば、あるプロセスでは、ウェハー102に負電圧を印加して、正荷電(正に帯電した)イオンを誘引する。ウェハー102をクランプするために、プラテン112内の電極114に電圧を印加して、ウェハー102をプラテン112上に静電クランプする。これも現在技術では既知であるように、誘電体層を電極114とウェハー102との間に配置して、ウェハー102を電極114から電気絶縁する。
【0006】
ウェハー102内に指向させて注入されるイオン10は、正荷電イオン10とすることができる。注入される荷電イオンに起因するウェハー102内の残留電荷が、ウェハー102の一部分に生じて、プラテン112の表面に張り付くことができる。こうしたウェハー102を取り外すことは困難なことがある。また、誘電体膜の層がウェハー102の下面上にコーティングされている場合、荷電イオンと電子との中和が遅れ、このため、クランプ電圧が除去されていても、ウェハー102がプラテン112の表面に付着したままにされることがある。過度の力を用いてウェハー102をプラテン112の表面から分離しようとすると、ウェハーの破損が生じることがある。誘電体膜の層(図示せず)がウェハー102の下面上にコーティングされている場合、ウェハーの破損がより頻繁になり得る。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、添付した図面に示す特定実施形態を参照しながら、より詳細に説明する。以下では、特定実施形態を参照しながら本発明を説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことは明らかである。
【0015】
図3を参照し、
図3は、本発明の一実施形態による、ウェハーをクランプしデクランプする好適な方法を示す。この図では、上記方法を、電源116からプラテン112内の1つ以上の電極114に供給されるクランプ電圧のタイミングに関して説明する。簡単明瞭にするために、本実施形態の方法は、
図1に示す構成要素に関して説明する。このため、本実施形態の方法は
図1に関して理解すべきである。
【0016】
本実施形態では、ウェハー102をプラテン112上に装荷する。その後の時刻T
1に、プラテン112内の電極114に第1電圧V
1を印加して、ウェハー102をプラテン112上に静電クランプすることができる。第1電圧V
1を印加する前に、電極114にV
0を印加することができる。本発明では、V
0は0の電圧、あるいはV
1より小さい他の電圧とすることができる。本発明では、第1電圧V
1をクランプ電圧とすることができ、この電圧は約100V〜約1kVの範囲内にすることができる。一実施形態では、第1電圧を約150Vにすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約250Vにすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約500Vにすることができる。さらに他の実施形態では、第1電圧を約750Vにすることができる。プラテンが内側及び外側電極114a及び114bを具えている場合、電極114a及び114bの一方には正の第1電圧V
1を印加し、電極114a及び114bの他方には負の第1電圧
V1を印加することができる。図に示すように、第1電圧V
1は、第2電圧V
2を電極114に印加する時刻T
2まで維持することができる。T
1とT
2の間に、イオン注入プロセスを実行する。
【0017】
図3に示すように、電極114に印加する第2電圧V
2は第1電圧V
1より小さくすることができる。例えば、第2電圧V
2は、約5Vから約100Vまでの範囲にすることができる。一実施形態では、第2電圧V
2を約5Vにすることができる。他の実施形態では、第2電圧V
2を約15Vにすることができる。他の実施形態では、第2電圧V
2を約25Vにすることができる。さらに他の実施形態では、第2電圧V
2を約35Vにすることができる。
【0018】
時刻T
2の後に、ウェハー102をプラテン112からデチャック(チャック外し)/除去するプロセスを実行することができる。例えば、時刻T
2に、あるいは時刻T
2またはそれ以後に、ウェハー102をプラテン112からデチャックし、ウェハー102をプラテン112から除去することができる。例えば、ウェハー102をプラテン
112からデチャック/除去するプロセスは、電極114に第2電圧V
2を印加する時刻T
2以後に実行することができ、第2電圧V
2は、第1電圧V
1よりは小さいが、時刻T
1より前に電極に印加するV
0より大きい。一実施形態では、上記プロセスを、電極114にV
0を印加する時刻T
fまたはそれ以後に実行することができる。
【0019】
図4を参照し、
図4に、本発明の他の実施形態による、ウェハーをクランプしデクランプする他の好適な方法を示す。この図では、上記方法を、電源116からプラテン112内の1つ以上の電極114に供給するクランプ電圧のタイミングに関して説明する。簡単明瞭にするために、本実施形態の方法は、
図1に示す構成要素に関して説明する。このため、本実施形態の方法は
図1に関して理解すべきである。
【0020】
本実施形態では、ウェハー102をプラテン112上に装荷する。その後の時刻T
1に、プラテン112内の電極114に第1電圧V
1を印加して、ウェハー102をプラテン112上に静電クランプすることができる。第1電圧V
1を印加する前に、電極114にV
0を印加する。本発明では、V
0は0の電圧、あるいはV
1より小さい他の電圧とすることができる。本発明では、第1電圧V
1をクランプ電圧とすることができ、この電圧は約100V〜約1kVの範囲内にすることができる。一実施形態では、第1電圧を約150Vにすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約250Vにすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約500Vにすることができる。さらに他の実施形態では、第1電圧を約750Vにすることができる。プラテンが内側及び外側電極114a及び114bを具えている場合、電極114a及び114bの一方に正の第1電圧V
1を印加し、電極114a及び114bの他方に負の第1電圧V
1を印加することができる。図に示すように、第1電圧V
1は、第2電圧V
2を電極114に印加する時刻T
2まで維持することができる。時刻T
1とT
2の間に、イオン注入プロセスを実行する。
【0021】
図4に示すように、電極に印加する第2電圧V
2は、第1電圧V
1よりは小さいがV
0より大きくすることができる。本実施形態では、第2電圧V
2を、約75Vから約800Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第2電圧を約100Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約150Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約300Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約400Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約500Vにすることができる。さらに他の例では、第2電圧を約600Vにすることができる。
【0022】
第2電圧V
2は、プラテン112内の電極114に第3電圧V
3を印加する時刻T
3まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極
114に印加する第3電圧V
3を、第2電圧V
2よりは小さいがV
0より大きくすることができる。本実施形態では、第3電圧V
3を、約50Vから約600Vまでの範囲内の任意電圧にすることができる。一例では、第3電圧V
3を約80Vにすることができる。他の例では、第3電圧V
3を約150Vにすることができる。他の例では、第3電圧V
3を約300Vにすることができる。他の例では、第3電圧V
3を約450Vにすることができる。他の例では、第3電圧V
3を約500Vにすることができる。さらに他の例では、第3電圧V
3を約550Vにすることができる。
【0023】
第3電圧V
3は、プラテン112内の電極114に第4電圧V
4を印加する時刻T
4まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極
114に印加する第4電圧V
4を、第3電圧V
3よりは小さいがV
0より大きくすることができる。本実施形態では、第4電圧V
4を、約25Vから約500Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第4電圧V
4を約25Vにすることができる。他の例では、第4電圧V
4を約75Vにすることができる。他の例では、第4電圧V
4を約100Vにすることができる。他の例では、第4電圧V
4を約200Vにすることができる。他の例では、第4電圧V
4を約300Vにすることができる。さらに他の例では、第4電圧V
4を約400Vにすることができる。
【0024】
第4電圧V
4は、プラテン112内の電極114に第5電圧V
5を印加する時刻T
5まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極に印加する第5電圧V
5を、第4電圧V
4よりは小さいがV
0より大きくすることができる。本実施形態では、第5電圧V
5を、約5Vから約50Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第5電圧V
5を約10Vにすることができる。他の例では、第5電圧V
5を約15Vにすることができる。他の例では、第5電圧V
5を約30Vにすることができる。他の例では、第5電圧V
5を約30Vにすることができる。他の例では、第5電圧V
5を約50Vにすることができる。他の例では、第5電圧V
5を約75Vにすることができる。さらに他の例では、第5電圧V
5を約100Vにすることができる。第5電圧V
5は、V
0を電極114に印加する時刻T
fまで印加することができる。
【0025】
時刻T
2後に、ウェハー102をプラテン112からデチャック/除去するプロセスを実行することができる。例えば、時刻T
2またはそれ以後に、ウェハー102をプラテン112からデチャックして、ウェハー102をプラテン112から除去することができる。特に、ウェハー102をプラテン
112からデチャック/除去するプロセスは、時刻T
2、T
3、T
4、T
5またはT
fに実行することができる。
【0026】
図5を参照し、
図5に、本発明の他の実施形態による、ウェハーをクランプしデクランプする他の好適な方法を示す。この図では、上記方法を、電源116からプラテン112内の1つ以上の電極114に供給されるクランプ電圧のタイミングに関して説明する。簡単明瞭にするために、本実施形態の方法は、
図1の構成要素に関して説明する。このため、本実施形態の方法は
図1に関して理解すべきである。
【0027】
本実施形態では、ウェハー102をプラテン112上に装荷することができる。その後の時刻T
1に、プラテン112内の電極114に第1電圧V
1を印加して、ウェハー102をプラテン112上に静電クランプすることができる。第1電圧V
1を印加する前に、電極114にV
0を印加することができる。本発明では、V
0は0の電圧、あるいはV
1より小さい他の電圧とすることができる。本発明では、第1電圧V
1をクランプ電圧とすることができ、この電圧は約100V〜約1kVの範囲内にすることができる。一実施形態では、第1電圧を約150Vとすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約250Vにすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約500Vにすることができる。さらに他の実施形態では、第1電圧を約750Vにすることができる。プラテンが内側及び外側電極114a及び114bを具えている場合、電極114a及び114bの一方に正の第1電圧V
1を印加し、電極114a及び114bの他方に負の第1電圧V
1を印加することができる。図に示すように、第1電圧V
1は、第2電圧V
2を電極114に印加する時刻T
2まで維持することができる。時刻T
1とT
2の間に、イオン注入プロセスを実行する。
【0028】
時刻T
2に、第2電圧V
2を電極114に印加する。本実施形態では、第2電圧V
2を、第1電圧V
1よりは小さいがV
0より大きくすることができる。本実施形態では、第2電圧V
2を、約5Vから約600Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第2電圧を約15Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約50Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約75Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約100Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約150Vにすることができる。さらに他の例では、第2電圧を約300Vにすることができる。
【0029】
第2電圧V
2は、プラテン112内の電極114に第3電圧V
3を印加する時刻T
3まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極に印加する第3電圧V
3を、第2電圧V
2よりは大きいが第1電圧V
1より小さくすることができる。本実施形態では、第3電圧V
3を、約50Vから約400Vまでの範囲内の任意電圧にすることができる。一例では、第3電圧V
3を約75Vにすることができる。他の例では、第3電圧V
3を約150Vにすることができる。他の例では、第3電圧V
3を約250Vにすることができる。他の例では、第3電圧V
3を約350Vにすることができる。他の例では、第3電圧V
3を約400Vにすることができる。さらに他の例では、第3電圧V
3を約450Vにすることができる。
【0030】
第3電圧V
3は、プラテン112内の電極114に第4電圧V
4を印加する時刻T
4まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極に印加する第4電圧V
4を、第3電圧V
3よりは小さいがV
0より大きくすることができる。本実施形態では、第4電圧V
4を第2電圧V
2に等しくすることができる。しかし、本発明は、第4電圧
V4が第2電圧V
2より大きいことも小さいことも排除しない。本実施形態では、第4電圧V
4を、約25Vから約600Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第4電圧V
4を約15Vにすることができる。他の例では、第4電圧V
4を約50Vにすることができる。他の例では、第4電圧V
4を約75Vにすることができる。他の例では、第4電圧V
4を約100Vにすることができる。他の例では、第4電圧V
4を約150Vにすることができる。さらに他の例では、第4電圧V
4を約300Vにすることができる。
【0031】
本実施形態では、第4電圧V
4を、プラテン112内の電極114にV
0を印加する時刻T
fまで、電極114に印加することができる。
【0032】
時刻T
2後に、ウェハー102をプラテン112からデチャック/除去するプロセスを実行することができる。ウェハー102をデチャック/除去するプロセスは、時刻T
2後の任意時刻に実行することができるが、このプロセスは、時刻T
4後に、あるいは第2電圧V
2より高い第3電圧V
3を印加した後の任意時刻に実行することが好ましい。
【0033】
図6を参照し、
図6に、本発明の他の実施形態による、ウェハーをクランプしデクランプする他の好適な方法を示す。この図では、上記方法を、電源116からプラテン112内の1つ以上の電極114に供給されるクランプ電圧のタイミングに関して説明する。簡単明瞭にするために、本実施形態の方法は、
図1の構成要素に関して説明する。このため、本実施形態の方法は
図1に関して理解すべきである。
【0034】
本実施形態では、ウェハー102をプラテン112上に装荷することができる。その後の時刻T
1に、プラテン112内の電極114に第1電圧V
1を印加して、ウェハー102をプラテン112上に静電クランプすることができる。第1電圧V
1を印加する前に、電極114にV
0を印加することができる。本発明では、V
0は0の電圧、あるいはV
1より小さい他の電圧とすることができる。本発明では、第1電圧V
1をクランプ電圧とすることができ、この電圧は約100V〜約1kVの範囲内にすることができる。一実施形態では、第1電圧を約150Vとすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約250Vにすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約500Vにすることができる。さらに他の実施形態では、第1電圧を約750Vにすることができる。プラテンが内側及び外側電極114a及び114bを具えている場合、電極114a及び114bの一方に正の第1電圧V
1を印加し、電極114a及び114bの他方に負の第1電圧V
1を印加することができる。図に示すように、第1電圧V
1は、第2電圧V
2を電極114に印加する時刻T
2まで維持することができる。時刻T
1とT
2の間に、イオン注入プロセスを実行する。
【0035】
時刻T
2に、第2電圧V
2を電極114に印加する。本実施形態における第2電圧V
2は、第1電圧V
1よりは小さいがV
0より大きくすることができる。本実施形態では、第2電圧V
2を、約5Vから約600Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第2電圧を約15Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約50Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約150Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約250Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約350Vにすることができる。さらに他の例では、第2電圧を約450Vにすることができる。
【0036】
第2電圧V
2は、プラテン112内の電極114に第3電圧V
3を印加する時刻T
3まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極に印加する第3電圧V
3を、第2電圧V
2よりは小さいがV
0より大きくすることができる。本実施形態では、第3電圧V
3を、約5Vから約600Vまでの範囲内の任意電圧にすることができる。一例では、第3電圧V
3を約15Vにすることができる。他の例では、第3電圧V
3を約50Vにすることができる。他の例では、第3電圧V
3を約75Vにすることができる。他の例では、第3電圧V
3を約100Vにすることができる。他の例では、第3電圧V
3を約150Vにすることができる。さらに他の例では、第3電圧V
3を約300Vにすることができる。
【0037】
第3電圧V
3は、プラテン112内の電極114に第4電圧V
4を印加する時刻T
4まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極114に印加する第4電圧V
4を、第3電圧V
3よりは大きいが第1電圧V
1より小さくすることができる。本実施形態では、第4電圧V
4を第2電圧V
2に等しくすることができる。しかし、本発明は、第4電圧が第2電圧V
2より大きいことも小さいことも排除しない。本実施形態では、第4電圧V
4を、約5Vから約600Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第4電圧V
4を約15Vにすることができる。他の例では、第4電圧V
4を約50Vにすることができる。他の例では、第4電圧V
4を約150Vにすることができる。他の例では、第4電圧V
4を約250Vにすることができる。他の例では、第4電圧V
4を約350Vにすることができる。さらに他の例では、第4電圧V
4を約450Vにすることができる。
【0038】
第4電圧V
4は、プラテン112内の電極114に第5電圧V
5を印加する時刻T
5まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極114に印加する第5電圧V
5を、第4電圧V
4よりは小さいがV
0より大きくすることができる。本実施形態では、第5電圧V
5を、第3電圧V
3に等しくすることができる。しかし、本発明は、第5電圧が第3電圧V
3より大きいことも小さいことも排除しない。
【0039】
時刻T
2後に、ウェハー102をプラテン112からデチャック/除去するプロセスを実行することができる。ウェハー102をデチャック/除去するプロセスは、時刻T
2後の任意時刻に実行することができるが、このプロセスは、時刻T
3またはT
5後に、あるいは第3電圧V
3より高い第4電圧V
3を印加した後の任意時刻に実行することが好ましい。
【0040】
本明細書では、ウェハー処理プロセス中にウェハーをチャックしデチャックする技術を開示している。本発明は、本明細書に記載された特定実施形態によって、その範囲を限定されない。実際に、本発明の他の種々の実施形態及び変形例は、本明細書に記載するものに加えて、以上の説明及び添付した図面より当業者にとって明らかである。従って、こうした他の実施形態及び変形例は、本発明の範囲内に入ることを意図している。さらに、本明細書では、本発明を、特定目的での特定環境における特定の実現に関連して説明してきたが、その有用性はこうした実現に限定されず、本発明は任意数の目的で任意数の環境において有益に実現することができることは、通常の当業者の認める所である。従って、以下に記載する特許請求の範囲は、本明細書に記載する本発明の範囲及び精神全体を考慮して解釈すべきである。