特許第6374885号(P6374885)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6374885ウェハーをプラテンにクランプしプラテンからデクランプする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374885
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】ウェハーをプラテンにクランプしプラテンからデクランプする方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20180806BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   H01L21/68 R
   H02N13/00 D
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-560210(P2015-560210)
(86)(22)【出願日】2014年2月19日
(65)【公表番号】特表2016-515301(P2016-515301A)
(43)【公表日】2016年5月26日
(86)【国際出願番号】US2014017080
(87)【国際公開番号】WO2014133840
(87)【国際公開日】20140904
【審査請求日】2017年1月27日
(31)【優先権主張番号】61/770,642
(32)【優先日】2013年2月28日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/872,417
(32)【優先日】2013年4月29日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500239188
【氏名又は名称】ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100147692
【弁理士】
【氏名又は名称】下地 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(72)【発明者】
【氏名】イルウン クー
(72)【発明者】
【氏名】スン−ファン ヒュン
【審査官】 小山 満
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−047511(JP,A)
【文献】 特開2007−048986(JP,A)
【文献】 特開2011−198838(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0254063(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0035908(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0228439(US,A1)
【文献】 国際公開第2011/115299(WO,A1)
【文献】 特開2010−135834(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H02N 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウェハーをプラテンにクランプしプラテンからデクランプする方法であって、
前記プラテンが、前記ウェハーを当該プラテン上にクランプするための電極を具え、前記電極に初期電圧のバイアスをかける間に、前記ウェハーを前記プラテン上に配置するステップと;
前記初期電圧より大きい第1電圧を前記プラテンの前記電極に印加して、前記ウェハーを前記プラテンに静電クランプするステップと;
前記第1電圧より小さく、かつ前記初期電圧より大きい第2電圧を、前記電極に印加するステップと;
前記第2電圧の印加後に、第3電圧を印加するステップであって、前記第3電圧は、前記第2電圧より小さく、かつ前記初期電圧より大きいステップと;
前記第3電圧の印加後に、第4電圧を印加するステップであって、前記第4電圧は、前記第3電圧より大きく、かつ前記第1電圧より小さいステップと;
前記第4電圧の印加後に、第5電圧を印加するステップであって、前記第5電圧は、前記第4電圧より小さく、かつ前記初期電圧より大きく、前記第5電圧の印加後に、前記ウェハーを除去するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記初期電圧より大きい電圧の印加中に、前記ウェハーを除去することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記初期電圧が0ボルトであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第1電圧を前記プラテンの前記電極に印加する間に、前記ウェハーにイオンを注入することを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ウェハーをプラテンにクランプしプラテンからデクランプする方法であって、
前記プラテンが、前記ウェハーを当該プラテン上にクランプするための電極を具え、前記電極に0ボルトのバイアスをかける間に、前記ウェハーを前記プラテン上に配置するステップと;
100V〜1000Vの第1電圧を前記プラテンの前記電極に印加して、前記ウェハーを前記プラテンに静電クランプするステップと;
前記第1電圧より小さく、かつ5V〜600Vの第2電圧を、前記電極に印加するステップと;
前記第2電圧の印加後に、前記第2電圧より小さく、かつ5V〜600Vの第3電圧を、前記電極に印加するステップと;
前記第3電圧の印加後に、前記第3電圧より大きく、かつ前記第1電圧より小さく、かつ5V〜600Vの第4電圧を、前記電極に印加するステップと;
前記第4電圧の印加後に、前記第4電圧より小さく、かつ5V〜600Vの第5電圧を、前記電極に印加し、前記第5電圧の印加後に前記ウェハーを除去するステップと
を含むことを特徴とする方法。
【請求項6】
前記第1電圧が500Vであり、前記第2電圧が250Vであり、前記第3電圧が15Vであり、前記第4電圧が250Vであり、前記第5電圧が15Vであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記第1電圧が500Vであり、前記第2電圧が350Vであり、前記第3電圧が15Vであり、前記第4電圧が350Vであり、前記第5電圧が15Vであることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、米国特許仮出願第61/770642号、2013年2月28日出願に基づいて優先権を主張し、その開示全体を参照する形で本明細書に含める。
【0002】
本発明は、静電クランプに関するものであり、特に、ターゲット(目標物)を静電クランプ上にクランプしデクランプ(クランプ外し)する方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
イオン注入プロセスは、電気及び光デバイスを製造するに当たり用いられる。このプロセスは、ドーパントまたは不純物をターゲット内に導入して、ターゲットの機械的、電気的、及び/または光学的性質を変化させるプロセスである。集積回路(IC:integrated circuit)デバイス製造では、ターゲットは、シリコンまたは他の半導体ウェハー、あるいは当該ウェハー上の1つ以上の特徴物または膜とすることができる。一般に、ドーパントまたは不純物は、ターゲットの性質とは異なる1つ以上の性質を有することができる。ドーパントまたは不純物は、一旦、ターゲットのある領域内に注入されると、この領域の性質を変化させる。
【0004】
イオン注入プロセス中に、ターゲットまたはウェハー102はプラテン112上に支持することができる。図1に例示するように、プラテン112は、電源116に電気接続された1つ以上の電極114を具えることができる。一部の具体例では、複数の同心電極114を設け、これらの電極の1つを内側電極114a、他の電極を外側電極114bとすることができる。他の具体例では、複数の電極を、プラテン112の互いに逆の側に設ける。ウェハー102をプラテン112上に静電クランプするために、バイアス電圧を電極114に印加することができる。一部の具体例では、互いに逆の電圧を異なる電極に印加することができる。例えば、電極114の1つに正電圧を印加するのに対し、他の電極114には負電圧を印加することができる。このクランプ電圧の大きさは、同じにすることも異ならせることもできる。
【0005】
図2を参照し、図2は、電源116からプラテン112内の1つ以上の電極114に供給されるクランプ電圧のタイミングを示す。ウェハー102をプラテン上に装荷した後に、クランプ電圧(V1)を時刻T1に電極114に印加し、ウェハー102はプラテン112上に静電クランプされる。図示していないが、2つ以上の電極を設ける場合、これらの電極の一方に+V1を印加し、他方の電極には−V1を印加することは、当業者が認識する所である。イオン注入プロセス中に、電極114に印加する電圧を維持して、ウェハー102をプラテン112上にクランプしたままにすることができる。イオン注入を完了した後には(即ち、時刻T2)、もうクランプ電圧V1を電極114に印加せずに、ウェハー102をプラテン112から除去する。一部の具体例では、ウェハー102の除去プロセスが、ウェハー102をリフトピン(図示せず)でプラテンから持ち上げて引き離し、ウェハー102をプラテンから除去することを含むことができる。現在技術では既知であるように、電極114に印加する電圧は、ウェハー102を処理するためにウェハー102に直接印加する電圧とは異なる。例えば、あるプロセスでは、ウェハー102に負電圧を印加して、正荷電(正に帯電した)イオンを誘引する。ウェハー102をクランプするために、プラテン112内の電極114に電圧を印加して、ウェハー102をプラテン112上に静電クランプする。これも現在技術では既知であるように、誘電体層を電極114とウェハー102との間に配置して、ウェハー102を電極114から電気絶縁する。
【0006】
ウェハー102内に指向させて注入されるイオン10は、正荷電イオン10とすることができる。注入される荷電イオンに起因するウェハー102内の残留電荷が、ウェハー102の一部分に生じて、プラテン112の表面に張り付くことができる。こうしたウェハー102を取り外すことは困難なことがある。また、誘電体膜の層がウェハー102の下面上にコーティングされている場合、荷電イオンと電子との中和が遅れ、このため、クランプ電圧が除去されていても、ウェハー102がプラテン112の表面に付着したままにされることがある。過度の力を用いてウェハー102をプラテン112の表面から分離しようとすると、ウェハーの破損が生じることがある。誘電体膜の層(図示せず)がウェハー102の下面上にコーティングされている場合、ウェハーの破損がより頻繁になり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
このため、新たなクランプ及びデクランプ方法が必要になる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ウェハーをプラテンにクランプしプラテンからデクランプする新たな方法を開示する。このプラテンは1つ以上の電極を具え、これらの電極に電気バイアスをかけて、ウェハーをプラテンに静電クランプする。電極に第1電圧のバイアスをかけ、この電圧でウェハーを処理することができる。その後に、1つ以上の電圧を後続して電極に印加する。一部の好適例では、後続する各電圧が、前に印加した電圧よりも小さい。他の好適例では、後続する電圧のうち1つ以上を、前に印加した電圧よりも大きくすることができる。こうした電圧の連続により、ウェハーが除去プロセス中にプラテンに付着または粘着する可能性を低減することができる。
【0009】
1つの好適例では、ウェハーをプラテンにクランプしプラテンからデクランプする方法が:プラテンがウェハーを当該プラテン上にクランプするための電極を具え、これらの電極に初期電圧のバイアスをかける間にウェハーをプラテン上に配置するステップと;初期電圧より大きい第1電圧をプラテンの電極に印加して、ウェハーをプラテンに静電クランプするステップと;第1電圧より小さく、かつ初期電圧より大きい第2電圧を、上記電極に印加するステップと;第2電圧を上記電極に印加した後に、ウェハーをプラテンから除去するステップとを含む。
【0010】
他の好適例では、ウェハーをプラテンにクランプしプラテンからデクランプする方法が:プラテンがウェハーを当該プラテン上にクランプするための電極を具え、これらの電極に初期電圧のバイアスをかける間にウェハーをプラテン上に配置するステップと;初期電圧より大きい第1電圧をプラテンの電極に印加して、ウェハーをプラテンに静電クランプするステップと;第1電圧より低く、かつ初期電圧より大きい第2電圧を、上記電極に印加するステップと;第2電圧より高く、かつ第1電圧より低い第3電圧を、上記電極に印加するステップと;第3電圧を上記電極に印加した後に、ウェハーを除去するステップとを含む。
【0011】
他の好適例では、ウェハーをプラテンにクランプしプラテンからデクランプする方法が:プラテンがウェハーをクランプするための電極を具え、これらの電極に0Vのバイアスをかける間にウェハーをプラテン上に配置するステップと;100V〜1000Vの第1電圧を上記電極に印加して、ウェハーをプラテンに静電クランプするステップと;第1電圧より小さく、かつ5V〜600Vの第2電圧を上記電極に印加するステップと;第2電圧の印加後に、第2電圧より小さく、かつ5V〜600Vの第3電圧を上記電極に印加するステップと;第3電圧を上記電極に印加した後に、ウェハーをプラテンから除去するステップとを含む。
【0012】
本発明をより良く理解するために、添付した図面を参照し、これらの図面は参照する形で本明細書に含める。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】従来技術による、ウェハーをプラテンにクランプしプラテンからデクランプするための例示的システムを示す図である。
図2】従来技術による図1のシステムで用いることができるタイミング図である。
図3】一実施形態による、図1のシステムに適用することができるタイミング図である。
図4】第2実施形態による、図1のシステムに適用することができるタイミング図である。
図5】第3実施形態による、図1のシステムに適用することができるタイミング図である。
図6】第4実施形態による、図1のシステムに適用することができるタイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を、添付した図面に示す特定実施形態を参照しながら、より詳細に説明する。以下では、特定実施形態を参照しながら本発明を説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されないことは明らかである。
【0015】
図3を参照し、図3は、本発明の一実施形態による、ウェハーをクランプしデクランプする好適な方法を示す。この図では、上記方法を、電源116からプラテン112内の1つ以上の電極114に供給されるクランプ電圧のタイミングに関して説明する。簡単明瞭にするために、本実施形態の方法は、図1に示す構成要素に関して説明する。このため、本実施形態の方法は図1に関して理解すべきである。
【0016】
本実施形態では、ウェハー102をプラテン112上に装荷する。その後の時刻T1に、プラテン112内の電極114に第1電圧V1を印加して、ウェハー102をプラテン112上に静電クランプすることができる。第1電圧V1を印加する前に、電極114にV0を印加することができる。本発明では、V0は0の電圧、あるいはV1より小さい他の電圧とすることができる。本発明では、第1電圧V1をクランプ電圧とすることができ、この電圧は約100V〜約1kVの範囲内にすることができる。一実施形態では、第1電圧を約150Vにすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約250Vにすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約500Vにすることができる。さらに他の実施形態では、第1電圧を約750Vにすることができる。プラテンが内側及び外側電極114a及び114bを具えている場合、電極114a及び114bの一方には正の第1電圧V1を印加し、電極114a及び114bの他方には負の第1電圧1を印加することができる。図に示すように、第1電圧V1は、第2電圧V2を電極114に印加する時刻T2まで維持することができる。T1とT2の間に、イオン注入プロセスを実行する。
【0017】
図3に示すように、電極114に印加する第2電圧V2は第1電圧V1より小さくすることができる。例えば、第2電圧V2は、約5Vから約100Vまでの範囲にすることができる。一実施形態では、第2電圧V2を約5Vにすることができる。他の実施形態では、第2電圧V2を約15Vにすることができる。他の実施形態では、第2電圧V2を約25Vにすることができる。さらに他の実施形態では、第2電圧V2を約35Vにすることができる。
【0018】
時刻T2の後に、ウェハー102をプラテン112からデチャック(チャック外し)/除去するプロセスを実行することができる。例えば、時刻T2に、あるいは時刻T2またはそれ以後に、ウェハー102をプラテン112からデチャックし、ウェハー102をプラテン112から除去することができる。例えば、ウェハー102をプラテン112からデチャック/除去するプロセスは、電極114に第2電圧V2を印加する時刻T2以後に実行することができ、第2電圧V2は、第1電圧V1よりは小さいが、時刻T1より前に電極に印加するV0より大きい。一実施形態では、上記プロセスを、電極114にV0を印加する時刻Tfまたはそれ以後に実行することができる。
【0019】
図4を参照し、図4に、本発明の他の実施形態による、ウェハーをクランプしデクランプする他の好適な方法を示す。この図では、上記方法を、電源116からプラテン112内の1つ以上の電極114に供給するクランプ電圧のタイミングに関して説明する。簡単明瞭にするために、本実施形態の方法は、図1に示す構成要素に関して説明する。このため、本実施形態の方法は図1に関して理解すべきである。
【0020】
本実施形態では、ウェハー102をプラテン112上に装荷する。その後の時刻T1に、プラテン112内の電極114に第1電圧V1を印加して、ウェハー102をプラテン112上に静電クランプすることができる。第1電圧V1を印加する前に、電極114にV0を印加する。本発明では、V0は0の電圧、あるいはV1より小さい他の電圧とすることができる。本発明では、第1電圧V1をクランプ電圧とすることができ、この電圧は約100V〜約1kVの範囲内にすることができる。一実施形態では、第1電圧を約150Vにすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約250Vにすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約500Vにすることができる。さらに他の実施形態では、第1電圧を約750Vにすることができる。プラテンが内側及び外側電極114a及び114bを具えている場合、電極114a及び114bの一方に正の第1電圧V1を印加し、電極114a及び114bの他方に負の第1電圧V1を印加することができる。図に示すように、第1電圧V1は、第2電圧V2を電極114に印加する時刻T2まで維持することができる。時刻T1とT2の間に、イオン注入プロセスを実行する。
【0021】
図4に示すように、電極に印加する第2電圧V2は、第1電圧V1よりは小さいがV0より大きくすることができる。本実施形態では、第2電圧V2を、約75Vから約800Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第2電圧を約100Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約150Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約300Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約400Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約500Vにすることができる。さらに他の例では、第2電圧を約600Vにすることができる。
【0022】
第2電圧V2は、プラテン112内の電極114に第3電圧V3を印加する時刻T3まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極114に印加する第3電圧V3を、第2電圧V2よりは小さいがV0より大きくすることができる。本実施形態では、第3電圧V3を、約50Vから約600Vまでの範囲内の任意電圧にすることができる。一例では、第3電圧V3を約80Vにすることができる。他の例では、第3電圧V3を約150Vにすることができる。他の例では、第3電圧V3を約300Vにすることができる。他の例では、第3電圧V3を約450Vにすることができる。他の例では、第3電圧V3を約500Vにすることができる。さらに他の例では、第3電圧V3を約550Vにすることができる。
【0023】
第3電圧V3は、プラテン112内の電極114に第4電圧V4を印加する時刻T4まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極114に印加する第4電圧V4を、第3電圧V3よりは小さいがV0より大きくすることができる。本実施形態では、第4電圧V4を、約25Vから約500Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第4電圧V4を約25Vにすることができる。他の例では、第4電圧V4を約75Vにすることができる。他の例では、第4電圧V4を約100Vにすることができる。他の例では、第4電圧V4を約200Vにすることができる。他の例では、第4電圧V4を約300Vにすることができる。さらに他の例では、第4電圧V4を約400Vにすることができる。
【0024】
第4電圧V4は、プラテン112内の電極114に第5電圧V5を印加する時刻T5まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極に印加する第5電圧V5を、第4電圧V4よりは小さいがV0より大きくすることができる。本実施形態では、第5電圧V5を、約5Vから約50Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第5電圧V5を約10Vにすることができる。他の例では、第5電圧V5を約15Vにすることができる。他の例では、第5電圧V5を約30Vにすることができる。他の例では、第5電圧V5を約30Vにすることができる。他の例では、第5電圧V5を約50Vにすることができる。他の例では、第5電圧V5を約75Vにすることができる。さらに他の例では、第5電圧V5を約100Vにすることができる。第5電圧V5は、V0を電極114に印加する時刻Tfまで印加することができる。
【0025】
時刻T2後に、ウェハー102をプラテン112からデチャック/除去するプロセスを実行することができる。例えば、時刻T2またはそれ以後に、ウェハー102をプラテン112からデチャックして、ウェハー102をプラテン112から除去することができる。特に、ウェハー102をプラテン112からデチャック/除去するプロセスは、時刻T2、T3、T4、T5またはTfに実行することができる。
【0026】
図5を参照し、図5に、本発明の他の実施形態による、ウェハーをクランプしデクランプする他の好適な方法を示す。この図では、上記方法を、電源116からプラテン112内の1つ以上の電極114に供給されるクランプ電圧のタイミングに関して説明する。簡単明瞭にするために、本実施形態の方法は、図1の構成要素に関して説明する。このため、本実施形態の方法は図1に関して理解すべきである。
【0027】
本実施形態では、ウェハー102をプラテン112上に装荷することができる。その後の時刻T1に、プラテン112内の電極114に第1電圧V1を印加して、ウェハー102をプラテン112上に静電クランプすることができる。第1電圧V1を印加する前に、電極114にV0を印加することができる。本発明では、V0は0の電圧、あるいはV1より小さい他の電圧とすることができる。本発明では、第1電圧V1をクランプ電圧とすることができ、この電圧は約100V〜約1kVの範囲内にすることができる。一実施形態では、第1電圧を約150Vとすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約250Vにすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約500Vにすることができる。さらに他の実施形態では、第1電圧を約750Vにすることができる。プラテンが内側及び外側電極114a及び114bを具えている場合、電極114a及び114bの一方に正の第1電圧V1を印加し、電極114a及び114bの他方に負の第1電圧V1を印加することができる。図に示すように、第1電圧V1は、第2電圧V2を電極114に印加する時刻T2まで維持することができる。時刻T1とT2の間に、イオン注入プロセスを実行する。
【0028】
時刻T2に、第2電圧V2を電極114に印加する。本実施形態では、第2電圧V2を、第1電圧V1よりは小さいがV0より大きくすることができる。本実施形態では、第2電圧V2を、約5Vから約600Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第2電圧を約15Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約50Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約75Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約100Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約150Vにすることができる。さらに他の例では、第2電圧を約300Vにすることができる。
【0029】
第2電圧V2は、プラテン112内の電極114に第3電圧V3を印加する時刻T3まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極に印加する第3電圧V3を、第2電圧V2よりは大きいが第1電圧V1より小さくすることができる。本実施形態では、第3電圧V3を、約50Vから約400Vまでの範囲内の任意電圧にすることができる。一例では、第3電圧V3を約75Vにすることができる。他の例では、第3電圧V3を約150Vにすることができる。他の例では、第3電圧V3を約250Vにすることができる。他の例では、第3電圧V3を約350Vにすることができる。他の例では、第3電圧V3を約400Vにすることができる。さらに他の例では、第3電圧V3を約450Vにすることができる。
【0030】
第3電圧V3は、プラテン112内の電極114に第4電圧V4を印加する時刻T4まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極に印加する第4電圧V4を、第3電圧V3よりは小さいがV0より大きくすることができる。本実施形態では、第4電圧V4を第2電圧V2に等しくすることができる。しかし、本発明は、第4電圧4が第2電圧V2より大きいことも小さいことも排除しない。本実施形態では、第4電圧V4を、約25Vから約600Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第4電圧V4を約15Vにすることができる。他の例では、第4電圧V4を約50Vにすることができる。他の例では、第4電圧V4を約75Vにすることができる。他の例では、第4電圧V4を約100Vにすることができる。他の例では、第4電圧V4を約150Vにすることができる。さらに他の例では、第4電圧V4を約300Vにすることができる。
【0031】
本実施形態では、第4電圧V4を、プラテン112内の電極114にV0を印加する時刻Tfまで、電極114に印加することができる。
【0032】
時刻T2後に、ウェハー102をプラテン112からデチャック/除去するプロセスを実行することができる。ウェハー102をデチャック/除去するプロセスは、時刻T2後の任意時刻に実行することができるが、このプロセスは、時刻T4後に、あるいは第2電圧V2より高い第3電圧V3を印加した後の任意時刻に実行することが好ましい。
【0033】
図6を参照し、図6に、本発明の他の実施形態による、ウェハーをクランプしデクランプする他の好適な方法を示す。この図では、上記方法を、電源116からプラテン112内の1つ以上の電極114に供給されるクランプ電圧のタイミングに関して説明する。簡単明瞭にするために、本実施形態の方法は、図1の構成要素に関して説明する。このため、本実施形態の方法は図1に関して理解すべきである。
【0034】
本実施形態では、ウェハー102をプラテン112上に装荷することができる。その後の時刻T1に、プラテン112内の電極114に第1電圧V1を印加して、ウェハー102をプラテン112上に静電クランプすることができる。第1電圧V1を印加する前に、電極114にV0を印加することができる。本発明では、V0は0の電圧、あるいはV1より小さい他の電圧とすることができる。本発明では、第1電圧V1をクランプ電圧とすることができ、この電圧は約100V〜約1kVの範囲内にすることができる。一実施形態では、第1電圧を約150Vとすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約250Vにすることができる。他の実施形態では、第1電圧を約500Vにすることができる。さらに他の実施形態では、第1電圧を約750Vにすることができる。プラテンが内側及び外側電極114a及び114bを具えている場合、電極114a及び114bの一方に正の第1電圧V1を印加し、電極114a及び114bの他方に負の第1電圧V1を印加することができる。図に示すように、第1電圧V1は、第2電圧V2を電極114に印加する時刻T2まで維持することができる。時刻T1とT2の間に、イオン注入プロセスを実行する。
【0035】
時刻T2に、第2電圧V2を電極114に印加する。本実施形態における第2電圧V2は、第1電圧V1よりは小さいがV0より大きくすることができる。本実施形態では、第2電圧V2を、約5Vから約600Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第2電圧を約15Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約50Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約150Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約250Vにすることができる。他の例では、第2電圧を約350Vにすることができる。さらに他の例では、第2電圧を約450Vにすることができる。
【0036】
第2電圧V2は、プラテン112内の電極114に第3電圧V3を印加する時刻T3まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極に印加する第3電圧V3を、第2電圧V2よりは小さいがV0より大きくすることができる。本実施形態では、第3電圧V3を、約5Vから約600Vまでの範囲内の任意電圧にすることができる。一例では、第3電圧V3を約15Vにすることができる。他の例では、第3電圧V3を約50Vにすることができる。他の例では、第3電圧V3を約75Vにすることができる。他の例では、第3電圧V3を約100Vにすることができる。他の例では、第3電圧V3を約150Vにすることができる。さらに他の例では、第3電圧V3を約300Vにすることができる。
【0037】
第3電圧V3は、プラテン112内の電極114に第4電圧V4を印加する時刻T4まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極114に印加する第4電圧V4を、第3電圧V3よりは大きいが第1電圧V1より小さくすることができる。本実施形態では、第4電圧V4を第2電圧V2に等しくすることができる。しかし、本発明は、第4電圧が第2電圧V2より大きいことも小さいことも排除しない。本実施形態では、第4電圧V4を、約5Vから約600Vまでの範囲内の任意電圧とすることができる。一例では、第4電圧V4を約15Vにすることができる。他の例では、第4電圧V4を約50Vにすることができる。他の例では、第4電圧V4を約150Vにすることができる。他の例では、第4電圧V4を約250Vにすることができる。他の例では、第4電圧V4を約350Vにすることができる。さらに他の例では、第4電圧V4を約450Vにすることができる。
【0038】
第4電圧V4は、プラテン112内の電極114に第5電圧V5を印加する時刻T5まで、電極114に印加することができる。本実施形態では、電極114に印加する第5電圧V5を、第4電圧V4よりは小さいがV0より大きくすることができる。本実施形態では、第5電圧V5を、第3電圧V3に等しくすることができる。しかし、本発明は、第5電圧が第3電圧V3より大きいことも小さいことも排除しない。
【0039】
時刻T2後に、ウェハー102をプラテン112からデチャック/除去するプロセスを実行することができる。ウェハー102をデチャック/除去するプロセスは、時刻T2後の任意時刻に実行することができるが、このプロセスは、時刻T3またはT5後に、あるいは第3電圧V3より高い第4電圧V3を印加した後の任意時刻に実行することが好ましい。
【0040】
本明細書では、ウェハー処理プロセス中にウェハーをチャックしデチャックする技術を開示している。本発明は、本明細書に記載された特定実施形態によって、その範囲を限定されない。実際に、本発明の他の種々の実施形態及び変形例は、本明細書に記載するものに加えて、以上の説明及び添付した図面より当業者にとって明らかである。従って、こうした他の実施形態及び変形例は、本発明の範囲内に入ることを意図している。さらに、本明細書では、本発明を、特定目的での特定環境における特定の実現に関連して説明してきたが、その有用性はこうした実現に限定されず、本発明は任意数の目的で任意数の環境において有益に実現することができることは、通常の当業者の認める所である。従って、以下に記載する特許請求の範囲は、本明細書に記載する本発明の範囲及び精神全体を考慮して解釈すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6