特許第6374923号(P6374923)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6374923トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するための方法
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  • 特許6374923-トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するための方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374923
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを製造するための方法
(51)【国際特許分類】
   C07C 17/358 20060101AFI20180806BHJP
   C07C 21/18 20060101ALI20180806BHJP
   C07B 61/00 20060101ALN20180806BHJP
【FI】
   C07C17/358
   C07C21/18
   !C07B61/00 300
【請求項の数】16
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-164357(P2016-164357)
(22)【出願日】2016年8月25日
(62)【分割の表示】特願2014-193702(P2014-193702)の分割
【原出願日】2008年5月22日
(65)【公開番号】特開2017-36283(P2017-36283A)
(43)【公開日】2017年2月16日
【審査請求日】2016年8月25日
(31)【優先権主張番号】60/939,582
(32)【優先日】2007年5月22日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】12/125,045
(32)【優先日】2008年5月21日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500575824
【氏名又は名称】ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド
【氏名又は名称原語表記】Honeywell International Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100140109
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 新次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100075270
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 泰
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【弁理士】
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100120754
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 豊治
(72)【発明者】
【氏名】コットレル,スティーヴン・エイ
(72)【発明者】
【氏名】トゥン,シュースン
(72)【発明者】
【氏名】ウォン,ハイユー
【審査官】 三原 健治
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−140002(JP,A)
【文献】 BURTON D J,JOURNAL OF FLOURINE CHEMISTRY,NL,ELSEVIER,1989年 7月 1日,V44 N1,P167-174
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07C
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む組成物を製造するための方法であって:
(a)第1の反応器において、苛性材料と1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)を接触させることによって、HFC−245faをシス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(シス−HFO−1234ze)及びトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(トランス−HFO−1234ze)を含む反応生成物へと転化し;そして、
(b)第2の反応器において、前記転化工程(a)からの前記反応生成物の少なくとも一部を、前記反応生成物中の前記シス−HFO−1234zeをトランス−HFO−1234zeへと転化するのに有効な触媒反応条件へと導入することを含み、前記条件が、前記シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを金属を基材とする触媒に曝露することを含み、前記金属がCr、Al、Co、Fe及びこれらの組合せからなる群から選択される、前記製造方法。
【請求項2】
前記工程(b)における前記反応条件が、少なくとも5%のシス−形態を転化し、かつ少なくとも70%のトランス−形態への選択率を達成するのに有効である、請求項1記載の製造方法。
【請求項3】
工程(b)にしたがって導入された前記組成物が、少なくとも5重量%のシス−形態を含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項4】
工程(b)にしたがって導入された前記組成物が、少なくとも10重量%のシス−形態を含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項5】
工程(b)にしたがって導入された前記組成物が、少なくとも15重量%のシス−形態を含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項6】
工程(b)にしたがって導入された前記組成物が、未反応のハロゲン化プロパン及びフッ素化プロペンのシス−形態を含む、請求項記載の製造方法。
【請求項7】
前記転化工程(a)が、少なくとも70%のHFC−245を転化するのに有効な条件下で実施され、前記導入工程(b)が、少なくとも70%のシス−HFO−1234zeをトランス−HFO−1234zeへと転化するのに有効な条件下で実施される、請求項1記載の製造方法。
【請求項8】
工程(b)における前記反応条件が、少なくとも90%のシス−形態を転化し、かつ少なくとも80%のトランス−形態への選択率を達成するのに有効である、請求項記載の製造方法。
【請求項9】
工程(b)における前記反応条件が、少なくとも95%のシス−形態を転化し、かつ少なくとも98%のトランス−形態への選択率を達成するのに有効である、請求項記載の製造方法。
【請求項10】
前記転化工程(a)が液相反応を含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項11】
前記転化工程(a)が、前記HFC−245faを、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、Ca(OH)、CaO、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも一種の苛性材料と反応させることを含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項12】
前記転化工程(a)が、前記HFC−245faを、水酸化カリウム(KOH)と反応させることを含む、請求項1記載の製造方法。
【請求項13】
前記水酸化カリウム(KOH)が水溶液の形態で存在する、請求項12記載の製造方法。
【請求項14】
前記転化工程(a)が、20℃〜100℃の温度で実施される、請求項1記載の製造方法。
【請求項15】
前記転化工程(a)が、30℃〜90℃の温度で実施される、請求項1記載の製造方法。
【請求項16】
前記工程(b)における前記反応条件が、少なくとも5%のシス−形態を転化し、かつ少なくとも70%のトランス−形態への選択率を達成するのに有効である、請求項15記載の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年5月22日付けで出願された仮出願60939582の優先権の利益に関し、これを請求する。本出願は、また、一部継続出願であり、以下の係属する通常の米国出願:2006年11月6日付けで出願された11/592,442;2006年10月27日付けで出願された11/588,466;2003年10月27日付けで出願された10/694,272;及び2003年7月25日付けで出願された10・629,997の優先権の利益を請求する。上記の通常の出願及び仮出願は各々、参照により本明細書中に援用する。また、米国特許第5,986,151を参照によりその全体として本明細書中に援用する。
【0002】
本発明は、フッ素化された有機化合物を調製するための新規な方法に関し、より特定的には、フッ素化されたオレフィンを製造するための方法にする。
【背景技術】
【0003】
ハイドロフルオロカーボン類(HFC類)、特に、特定的に1,3,3,3−テトラフルオロ−1−プロペン(HFO−1234ze)をはじめとするテトラフルオロプロペンなどのヒドロフルオロアルケン類は、有効な冷媒、消火剤、熱移動媒体、推進剤、起泡剤、発泡剤、気体誘電体、殺菌剤担体、重合媒体、粒子除去流体、担体流体、バフ研磨剤、排気乾燥剤(displacement drying agent)、及び動力サイクル作動流体であると開示さ
れてきた。どちらも地球のオゾン層に損害を与える可能性のあるクロロフルオロカーボン(CFC)及びハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)と異なり、HFCは塩素を含有しないので、オゾン層に対する何のおそれももたらさない。
【0004】
HFO−1234zeを調製するための方法は幾つか知られている。例えば、米国特許第6,124,510号は、HFO−1234zeを含有する生成物流れを調製するための方法を開示している。記載されている方法は、強塩基のアルカリ性溶液(水酸化カリウムの水溶液又はアルコール溶液など)又はクロムを基材とする触媒のいずれかを用いて、好ましくは気相において、HFC−245faを脱フッ化水素化する工程を含む。開示された方法の実施例により製造される組成物は、比較的高い濃度のHFC−1234zeのcis異性体を含有する。より具体的には、この特許に開示された三つの実施例により、トランス−HFO−1234ze及びシス−HFO−1234zeの両方を含有する組成物が製造されており、組成物中のシス異性体の量は17.7%〜23.9%である。結果として、米国特許第6,124,510号に開示された方法により、その実施例に記載されるように、比較的低い濃度、すなわち、74%〜80.5%の濃度のトランス−HFO−1234zeを有する生成物組成物が製造される。
【0005】
出願人らは、好ましくは効率的でコスト効果のあるやり方で、比較的高い濃度のトランス異性体を有するHFO−1234zeを含有する組成物を製造するための方法に対する必要性を認識するに至り、その方法を開発した。一の側面において、出願人らは、既知の方法は、特に、そのような既知の方法の生成物流れにおいて不所望なシス異性体が有意な量で形成されるために、それらの生成物収率に関して一般的に経済的でないことを確認した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6,124,510号
【発明の概要】
【0007】
出願人らは、特にHFO−1234zeを含み、トランス−HFO−1234zeの割合が比較的高く、組成物中のHFO−1234zeの全重量に基いて、より好ましくは少なくとも約85%、更に好ましくは少なくとも約90%、更により好ましくは少なくとも約95%である、フッ素化された有機化合物を含む組成物を調製するための方法を開発した。
【0008】
本発明の別の側面は、トランス−HFO−1234zeを形成するための方法であって、商業的なスケールで経済的であり、好ましくは従来の方法より経済的であり、及び/又は、好ましくはトランス−HFO−1234zeを比較的高い収率で、好ましくはこれまでに知られたタイプの商業的な方法の収率よりも高い収率で製造する方法に関する。
【0009】
好ましい態様において、本発明は、(a)ペンタフルオロプロパン(HFC−245)、好ましくは1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)を、好ましくは苛性溶液との接触により、好ましくは脱フッ化水素することにより、シス−HFO−1234ze及びトランス−HFO−1234zeを含む反応生成物へと転化し、そして、(b)前記反応生成物のうち少なくとも一部、好ましくは実質的な部分、一定の態様においては実質的にすべてを、少なくとも一つの異性化触媒と接触させて、前記反応生成物中のシス−HFO−1234zeの少なくとも一部、好ましくは少なくとも実質的な部分をトランス−HF−1234zeへと転化させることにより、HFO−1234zeを形成するための、かつHFO−1234zeを含む組成物を形成するための方法を提供する。好ましい態様において、前記接触工程(b)は、気相の形態である工程(a)からの前記反応生成物を提供し、前記気相の反応生成物を、金属を基材とする触媒、好ましくは固体の形態である金属を基材とする触媒、更により好ましくはフッ素を含む金属を基材とする触媒と接触させることを含む。一定の好ましい態様において、金属を基材とする触媒は、クロム(そのすべてのイオン化状態を含む)を含む。一定の好ましい態様において、金属を基材とする触媒は、アルミニウム(そのすべてのイオン化状態を含む)を含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、HFO−1234zeを生成するためのプロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の一つの有益な側面は、所望なフルオロオレフィン、好ましくはCフルオロオレフィンを、比較的高い転化率と高い選択率の反応を用いて製造することを可能とすることである。更に、一定の好ましい態様において本発明の方法は、比較的魅力的な出発材料から所望なフルオロオレフィンの製造を可能とする。例えば、ペンタフルオロプロペン、特に1,1,3,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)は、一定の好ましい態様において、有利な出発材料であることができる。この化合物は、一般的には、比較的取扱いが簡単だと考えられており、また、一般的には商業的な量で容易に入手可能であるか、又は他の容易に入手可能な材料から簡単に製造することができる。
【0012】
好ましくは、HFC−245faを第一の反応条件において、シス−及びトランス−HFO−1234zeの両方を含有する反応生成物を生成するのに有効な反応条件に暴露する。本発明の一つの好ましい側面において、転化工程(a)は、必ずしも限定するものではないが、本明細書中において便宜のため脱ハロゲン化水素化反応、又は一定の態様においてより特定的には脱フッ化水素化反応と呼ぶ、反応条件にHFC−245faを暴露することを含む。好ましい態様においては、第一の転化工程(a)からの反応生成物のうち少なくとも一部を第二の転化工程(b)において、シス−HFO−1234zeをトラン
ス−HFO−1234zeへと選択的に転化するのに有効な反応条件に暴露する。本発明の一定の好ましい側面にしたがえば、この第二転化工程(b)は、必ずしも限定するものではないが、本明細書中において便宜のため異性化反応と呼ぶ、反応条件に転化工程(a)からの反応生成物のうち少なくとも一部を暴露することを含む。必ずしも限定するものではないが見出しを用いながら、本発明の一定の好ましい態様を以下に説明する。
【0013】
1.脱フッ化水素化
一定の好ましい態様において、転化工程(a)は、HFC−245faを、そして好ましくは少なくとも約40%、より好ましくは少なくとも約55%、更により好ましくは少なくとも約70%のHFC−245fa転化率を提供するのに有効な条件下で実施する。一定の好ましい態様において、転化率は、少なくとも約90%、より好ましくは約100%である。更に一定の好ましい態様において、HFC−245(及び好ましくはHFC−245fa)を、転化工程(a)において、少なくとも約85%、より好ましくは少なくとも約90%、より好ましくは少なくとも約95%、更により好ましくは約100%のHFO−1234zeへの選択率を提供するのに有効な条件下で転化する。
【0014】
好ましい転化工程(a)は液相反応を含むが、一定の好ましい態様において、気相反応、又は気相反応と液相反応の組合せを含むことができ、反応はバッチ式、連続式、又はこれらの組合せで実施することができることが企図されている。転化工程(a)のために使用することができる他の反応機構の例は、US2007/0129580として公開されている米国出願11/592,442に記載されている。
【0015】
一つの好ましい転化工程は、HFC−245faを、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、Ca(OH)、CaO、及びこれらの組合せなどの脱ハロゲン化水素化剤、及び/又は他の触媒と接触させて、シス−及びトランス−HFO−1234zeの両方を含む反応生成物を形成する反応を伴う。必ずしも限定するものではないが例示として、この反応は次の反応式により説明することができる:
CFCHCHF+KOH→CFCH=CHF+KCl+H
かかる態様の好ましい側面において、脱ハロゲン化水素化剤は、KOHなどの苛性材料を含み、一定の態様においては本質的にKOHなどの苛性材料からなり、好ましくは、苛性材料の重量基準で、約2%〜約100%、より好ましくは約5%〜約90%、更により好ましくは約10%〜約80%のKOHを含む水溶液として、好ましくはKOHを含むか又は本質的にKOHからなる水溶液として提供される。
【0016】
一定の好ましい態様において、苛性溶液、好ましくはKOH溶液を、約20℃〜約100℃、より好ましくは約30℃〜約90℃、最も好ましくは約40℃〜約80℃の温度にする。かかる態様における反応圧力は、それぞれの用途の特定の処理パラメータに依存して変動してもよい。一定の態様において、反応圧力は、大気圧、大気圧を超える圧力、又は減圧の範囲である。減圧とは、これを使用する場合、好ましくは一定の態様において、約5トル(0.667kPa)〜約760トル(101kPa)の範囲である。
【0017】
B.異性化
工程(a)からの反応生成物は、異性化反応に導入する前に中間処理に供してもよいが、かかる中間処理は排除してもよいと企図されている。一つの好ましい態様において、転化工程(a)からの反応生成物をまず、例えばモレキュラーシーブ又は硫酸などの乾燥材により乾燥し、フッ素化されたオレフィンのシス形態を同じオレフィンのトランス形態へと選択的に転化するための条件下で運転される異性化反応器中に供給する。好ましい態様において、反応は触媒の存在下で実施する。好ましい態様において、適する異性化触媒としては、フッ素化されたクロミア、フッ化クロム、フッ素化されたアルミナ、フッ化アルミニウム等が挙げられ、反応は、シス形態、好ましくはシスHFO−1234zeの一部
、好ましくは実質的な部分、最も好ましくは実質的にすべてをトランスHFO−1234zeへと転化するのに有効な条件下で実施する。一定の態様において、反応は、少なくとも約50%、更により好ましくは少なくとも約70%のシス形態の化合物をトランス形態の化合物へと転化するのに有効な条件下で実施する。かかる好ましい態様の一つの重要な要素は、一定の触媒は、本明細書中に含まれる教示にしたがって使用した場合に、かかる反応についてそのような高い転化率と選択率のレベルを効果的に達成することができるという本発明者らによる発見に由来する。
【0018】
異性化反応に供給されるプロセス流れ中には幅広いシス濃度で存在することができると企図されている。例えば、本発明の一定の態様において、転化すべきシス形態を含有する異性化供給流れは、この化合物を比較的低い濃度、例えば約50重量%未満で含有していてもよく、又はおそらくは1重量%ほどの少量である。しかし、一般的には、多くの態様においては、本発明にしたがって転化すべきシス形態の化合物を含有する供給流れは比較的高い濃度のシス分子を含有することがより好ましい。したがって、好ましい態様において、本発明の好ましい側面にしたがった供給流れは、少なくとも約5重量%、より好ましくは少なくとも約7重量%、更により好ましくは少なくとも約10重量%のシス形態の分子を含む。そのような高い濃度のシス分子は、一定の態様において、例えば、シス形態の分子(及びおそらくは未反応のHFC−245)が比較的濃縮された流れをつくるために転化工程(a)からの反応粗生成物流れを分留(又は分離プロセス)へと暴露することにより達成することができる。
【0019】
本発明の一つの好ましい態様には、転化工程(b)の反応生成物流れから(例えば、分離により)処理された流れ、及び/又は他の同様な流れ中のフッ素化されたオレフィンのシス形態を、好ましくは、少なくとも約1%、より好ましくは少なくともおよそ70%、更により好ましくは少なくとも約90%の転化率でトランス形態へと転化し、少なくとも80%、更により好ましくは少なくとも約95%、一定の高度に好ましい態様においては少なくとも約98%であるトランス形態の化合物への選択率を同時に達成することが含まれる。
【0020】
異性化工程は、本明細書中に含まれる全体の教示を考慮して、多種多様なプロセスパラメータとプロセス条件を用いて行ってもよいと企図されており、例えば、異性化反応は、一定の非好適な態様において、液相反応を含んでもよいと企図されている。しかし、本発明の多くの態様において、この反応工程は、好ましくは触媒の存在下、好ましくは金属触媒の存在下の気相反応を含むことが好ましい。
【0021】
出願人は、必ずしも限定するものではないが、触媒タイプ、反応温度、及び反応滞留時間をはじめとする操作パラメータを適切に選択することにより、特定的かつ好ましくは本明細中に記載した供給物流れからの、かかる非常に望ましいレベルのシスからトランスへの転化率及び選択率が得られることを見出した。
【0022】
出願人は、前述の高いレベルの転化率及び選択率を達成するためには、三つの一般的なタイプの触媒が、本明細書中の教示にしたがって使用した場合に、非常に望ましく有効であることを見出した。より具体的には、本方法の好ましい態様は、一般的には、シス形態の化合物を、ハロゲン化された金属酸化物、ルイス酸金属のハロゲン化物、及びこれらの組合せからなる群から選択される金属をベースとする触媒に暴露することを含む。
【0023】
ハロゲン化された金属酸化物及び/又はルイス酸金属のハロゲン化物を含む触媒に関して、金属成分は、遷移金属、ホウ素族金属、希土類金属、第VA族金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属、及びこれらの組合せから選択される金属のうち一種又はそれより多くを含むことが好ましく、本質的にこれらからなることが好ましい。
【0024】
本発明の触媒における金属成分として使用するために多くの遷移金属を適合可能であると企図しているが、一般的には、一定の態様において、触媒には、原子番号が約21〜約57の遷移金属、及び原子番号が77(イリジウム)又は78(白金)である遷移金属からなる群から選択される遷移金属成分が含まれることが好ましい。ホウ素族から選択される金属成分を有する触媒については、原子番号が約13〜約81であるそのような金属が好ましく、これらのなかではTl及びAlが好ましい。アルカリ土類金属から選択される金属成分を有する触媒については、Mgが好ましい。第VA族金属から選択される金属成分を有する触媒については、Sbが好ましい。(本明細書中で使用するように、周期律表の言及は、別の方法で具体的に示さない限り、CASバージョンの元素周期律表への言及である。)アルカリ金属の中から選択される金属成分を有する触媒については、原子番号が約3〜約37のものが好ましく、原子番号が約3〜約19のものがより好ましい。希土類金属から選択される金属成分を有する触媒については、セリウムが好ましい。もちろん、これまでに説明した金属成分とここでは言及していない他の金属成分との任意かつすべての組合せを本発明にしたがった組合せにおいて使用してもよいことを企図している。
【0025】
ハロゲン化された金属酸化物触媒(本明細書中においては、便宜のため、HMO触媒と呼ぶ場合がある)及びルイス酸触媒(本明細書中においては、便宜のため、LA触媒と呼ぶ場合がある)である触媒については、一般的には、触媒には、遷移金属又はAlが含まれることが好ましく、遷移金属が存在する場合は、原子番号が約21〜約57である遷移金属とこれらの組み合わせからなる群から選択されるのが好ましい。HMO触媒及びLA触媒において使用するための遷移金属については、一定の態様においては第VIB族の金属が好ましく、この族の中ではCrが好ましい。一般に、遷移金属成分が含まれるHMO触媒及びLA触媒については、金属は、好ましくは、Cr、Mo、V、Nb、Fe、La、Ni、Zn、及びこれらの組合せからなる群から選択される。一般に、希土類金属成分が含まれるHMO触媒及びLA触媒については、金属は、好ましくは、Ceである。一般に、ホウ素金属成分が含まれるHMO触媒及びLA触媒については、金属は、好ましくは、Al、Tl、及びこれらの組合せから選択される。一般に、アルカリ土類金属成分が含まれるHMO触媒及びLA触媒については、金属は、好ましくは、Mgである。一般に、アルカリ金属成分が含まれるHMO触媒及びLA触媒については、金属は、好ましくは、Li、Na、K、及びこれらの組合せから選択される。
【0026】
本発明のHMO触媒及びLA触媒において使用される金属は、任意の入手可能な参加状態で使用できると企図されている。一定の態様においては、金属は、以下の酸化状態:
Cr3+及びCr6+
Mo6+
5+
Nb5+
Sb5+
Ti4+
Zr4+
Ce4+
Al3+
Fe3+
La3+
Mg2+
Ni2+
Zn2+
Li
Na

にしたがって使用することが好ましい。
【0027】
一般的には、任意のハロゲンを、本発明のHMO中に含まれる成分として使用することができる。しかし、本発明のHMO触媒は、フッ素化された金属酸化物、より好ましくはフッ素化された遷移金属酸化物、更により好ましくはフッ素化された遷移金属酸化物であって、金属が、Cr、Mo、V、Nb、Fe、La、Ni、Zn、及びこれらの組合せからなる群から選択されるものを含むことが好ましく、一定の態様においてはフッ素化された酸化クロムが非常に好ましい。金属酸化物を処理してHMO触媒を形成するために使用する薬剤と条件は、本発明の範囲内で広く変動することができる。一定の態様においては、金属酸化物を以下のハロゲン化剤:HF、F、HCl、Cl、HBr、Br、HI、I、及びこれらの組合せのうち一種又はそれより多い種により処理することが好ましい。一定の非常に好ましい態様においては、ハロゲン化剤は、HF、F、HCl、Cl、HBr、Br、及びこれらの組合せのうち一種又はそれより多い種を含み、更により好ましくは、HF、F、HCl、Cl、及びこれらの組合せ、更により好ましくはHF、F、及びこれらの組合せのうち一種又はそれより多い種を含む。
【0028】
一般的には、任意の配位成分を、本発明のLA中に含まれる成分として使用することができる。しかし、好ましくは、本発明のLA触媒は、ルイス酸のハロゲン化物、より好ましくはルイス酸のハロゲン化物であって、ハロゲン成分が、F、Cl、Br、I、及びこれらの組合せから選択されるもの、更により好ましくは、F、Cl、Br、及びこれらの組合せから選択されるもの、更により好ましくは、F、Cl、及びこれらの組合せから選択されるもの、そして最も好ましくはFであるものを含むことが好ましい。一定の非常に好ましい態様においては、ルイス酸触媒は、遷移金属から形成されたルイス酸のハロゲン化物、好ましくはフッ化物、更により好ましくは、Cr、Mo、V、Nb、Fe、La、Ni、Zn、及びこれらの組合せからなる群から選択される遷移金属から形成されるルイス酸ハロゲン化物であり、一定の態様においては、Cr及びFeが好ましい。LA触媒を形成するために使用される薬剤と条件は、本発明の範囲内で広く変動することができる。一定の態様においては、LA触媒は、例えば、水を含むハロゲン塩中に溶解し、その後に蒸発及び焼成することにより形成することが好ましい。一つの特定の非限定的な例において、触媒を形成する処理は、1)金属の水酸化物、酸化物、及び/又は炭酸塩の一定量を、テフロン(登録商標)容器中で混合しながら、好ましくはHF水溶液中に(好ましくは、別々に49%HF水溶液中に)溶解し;2)この溶液を蒸発して乾燥し;3)乾燥させた試料を、好ましくはNなどの不活性ガスの存在下で、充分に長い間、高温で焼成し;そして4)場合により、しかし好ましくは、そのようにして生成した材料の粒子を、好ましくは粉砕により、微粉末へと、次いで好ましくは所望の形状へとペレット化することにより、形成することを含む。
【0029】
中性の金属触媒(本明細書中において、便宜のためNM触媒と呼ぶ場合がある)に関して、一般に、触媒には、第VIII族及び第IB族から選択される一種又はそれより多い遷移金属が含まれることが好ましく、一定の態様においてはCo及びPdが好ましい。
【0030】
触媒の特定の形態も広く変動することができる。例えば、本発明の触媒は、他の成分を含有してもよく、その一部は、触媒組成物の活性及び/又は寿命を改良すると考えられる。好ましい触媒は、一定の態様において、モリブデン、バナジウム、タングステン、銀、鉄、カリウム、セリウム、ルビジウム、バリウムの化合物、又はこれらの組合せにより促進することができる。触媒は、触媒を所望の形態へと造粒又は成形する間に触媒の物理的完全性を確保するのに役立たせるために、結合剤及び滑剤などの他の添加剤を含有してもよい。結合剤及び/又は滑剤を触媒に添加する場合、通常、触媒の重量の約0.1〜5重量%である。更に、触媒は、担持されていないか又は支持体上に担持されている形態で、
あるいは、ある場合にはこれらの形態で使用してもよい。当業者に既知であるすべてのタイプの担体が本発明にしたがった有用である。例として、本明細書中で述べた任意の触媒は、必ずしも限定しないが、以下のもの:炭素;活性炭;グラファイト;シリカ;アルミナ;フッ素化されたグラファイト;フッ素化されたアルミナ;及びこれらのうち任意の二種又はそれより多くの組合せをはじめとする、一種又はそれより多くの材料上に担持されていてもよい。
【0031】
触媒は、使用する前に、HMO触媒及びLA触媒についてHF処理か、又はNM触媒についてH処理により、高温で活性化させることができる。本発明の方法において一定時間使用した後、触媒の活性は減少し得る。この場合は、触媒を再活性化することができる。触媒の再活性化は、当技術分野において既知の任意の手段により、例えば、約100℃〜約400℃、好ましくは約200℃〜約375℃の温度で、約0.5時間〜約3日間、空気又は窒素で希釈した酸素を触媒上に通過させ、その後に、HMO触媒及びLA触媒について約25℃〜約400℃、好ましくは約200℃〜約350℃の温度でHF処理を行うか、又はNM触媒について約100℃〜約400℃、好ましくは約200℃〜約350℃の温度でH処理を行うことにより、達成することができる。
【0032】
本明細書中に含まれる全体の教示に照らして、本方法は、多種多様な反応温度条件にしたがって使用するために適合可能であると企図されている。例えば、好ましい態様における反応温度は、約10℃〜約600℃であると企図されている。本明細書中で使用するように、「反応温度」という用語は、本明細書中で別に示さない限り、触媒床における平均温度を言う。多くの態様において、異性化は、好ましくは、約20℃〜約500℃、より好ましくは約50℃〜約200℃の範囲の温度で行う。一定の好ましい態様において、反応温度は、約20℃〜約100℃、より好ましくは約30℃〜約90℃、更により好ましくは約40℃〜約80℃である。
【0033】
これらの好ましい範囲は、一般には、本発明にしたがった転化反応に適用できると企図されているが、かかる範囲により、一定の態様においては、例えば、1,1,1,3−テトラフルオロプロペンの異性化に関して、特に例外的な結果がもたらされる。多種多様な圧力を本発明の方法に関して使用してもよいことも企図されている。にもかかわらず、一定の好ましい態様において、反応は、約5トル(0.667kPa)〜約200psig(1380kPa)の減圧の範囲の圧力条件下で実施する。
【0034】
本発明の好ましい反応について多種多様な接触時間を使用してもよいことも企図されている。にもかかわらず、一定の好ましい態様において、滞留時間は、好ましくは約0.5秒〜約600秒である。
【0035】
本発明の好ましい側面において、転化すべきシス形態の化合物が供給物流れ中に含有され、転化工程には、一種又はそれより多い反応容器を提供し、その少なくとも一つは好ましくは本発明の触媒を含有し、そして、所望の転化率を達成するのに有効な条件下で供給物流れを容器中に導入することが含まれる。本明細書中で使用する「流れ」という用語は単数に限定されるものではないことは認識すべきであり、一定の態様において、別々の流れ(複数)を容器の外部で組み合わせて、次いで容器に一緒に導入するか、又は他の態様において、別々の流れ(複数)が反応器供給物を構成し、そのそれぞれを、異なる時間に及び/又は異なる位置で容器に導入することが企図されている。別に具体的に示さない限り、本明細書中の全体にわたって、「流れ」という用語のすべての使用に対してこの同じ約束事を使用し適用してきた。
【0036】
したがって、好ましい態様において、所望の高いレベルの転化率及び選択率を達成するのに有効な条件としては、好ましくはシス形態の化合物の少なくとも約5%を他の化合物
に転化しかつ少なくとも約70%のトランス形態の化合物への選択率を達成するのに有効な反応温度及び滞留時間を含む反応条件下で、供給物を、ハロゲン化された金属酸化物、ルイス酸金属ハロゲン化物、ゼロ価の金属、及びこれらの組合せからなる群から選択される金属を基材とする触媒に曝露することが挙げられる。
【0037】
反応圧力は変動してもよいが、一定の態様において、圧力は好ましくは、およそ減圧から約300psiである。一定の好ましい態様においては、大気圧を使用する。多くのそのような好ましい態様において、異性化反応器からの流出液を、好ましくは、蒸留トレインへ(distillation train)と供給し、そこで、トランスHFC−1234zeを製品の仕様へと精製し、未反応のHFC−245fa及びシスHFC−1234zeは分離して、反応工程(a)又は反応(b)、又はその両方に再循環してもよい。反応の副生物は分離して、適切に処分する。
【0038】
精製工程の順序は、HFC−1234ze(トランス)を工程(a)の後に蒸留により分離し、未反応のHFC−245fa及びHFC−1234(シス)を工程(b)の反応器へと供給するように、変更してもよいことは理解すべきである。次いで、工程(b)の反応器からの生成物であるHFC−1234ze(トランス)を蒸留により精製してもよい。
【実施例】
【0039】
本発明の追加の特徴を、特許請求の範囲をいかなるようにも限定すると解釈すべきではない以下の実施例において提供する。
実施例1− 苛性溶液を用いるHFC−245fa脱フッ化水素化
約1673ポンド(758.9kg)のHFC−245faを20%モル過剰の45%KOHを含有する反応容器中に導入した。少量の相転移触媒(phase transfer catalyst
)、Aliquat 336を添加して反応を助けた。反応は、60℃の温度で行い、圧力を150
psig(1030kPa)より高く上げて、生成物を採取した。生成物の分析により、95.1%のHFC−245fa転化率、86.9%のHFC−1234ze(トランス)への選択率、13.1%のHFC−1234ze(シス)への選択率を示した。
実施例2− 選択した触媒によるシス−1234zeの異性化
三つの異なる種類の触媒、すなわち、フッ素化された金属酸化物、金属フッ化物、及び担持された金属を実施例2においてシス−1234ze異性化のために使用した。各々の場合において、20ccの触媒を使用した。85.3%シス−1234ze/14.7%245faの混合物を12g/hの速度で触媒上に流した。指定した触媒について、供給物中に含まれるHFC−245faへの脱フッ化水素化反応が殆ど起こらないように、適する反応温度を注意深く選択した。表2に示すように、表2に挙げた0.5重量%Co/ACを除くすべての触媒が、シスHFO−1234ze異性化の間に、高い活性(>80%シスHFO−1234ze転化率)とトランスHFO−1234zeへの高い選択率(>95%)を提供した。0.5重量%Co/AC触媒は、中程度の活性(45%のシス−1234ze転化率)とトランス−1234zeへの高い選択率(約98%)を示した。
【0040】
【表1】
[本発明の態様]
1.トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含む組成物を製造するための方法であって:
(a)1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)をシス−HFO−1234ze及びトランス−HFO−1234zeを含む反応生成物へと転化し;そして、
(b)前記転化工程(a)からの前記反応生成物の少なくとも一部を、前記反応生成物中の前記シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンをトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンへと転化するのに有効な触媒反応条件へと導入することを含み、前記条件が、前記シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(前記供給物、すなわち、前記転化工程(a)からの前記反応生成物の少なくとも一部)を、ハロゲン化された金属酸化物、ルイス酸金属のハロゲン化物、ゼロ価の金属、及びこれらの組合せからなる群から選択される、金属を基材とする触媒に曝露することを含む、前記製造方法。
2.前記ハロゲン化された金属酸化物の金属成分が、(1)約21〜約57の原子番号を有する遷移金属、(2)約13〜約81の原子番号を有する第IIIA族の金属、(3)約51〜約83の原子番号を有する第VA族の金属、(4)セリウムなどの希土類金属、(5)約3〜約37の原子番号を有する第IA族のアルカリ金属、(6)約12〜約56の原子番号を有する第IIA族のアルカリ土類金属、及び(7)これらの二種又はそれより多い組合せ、からなる群から選択される、1記載の製造方法。
3.前記ルイス酸金属のハロゲン化物の金属成分が、(1)約21〜約57の原子番号を有する遷移金属、(2)約13〜約81の原子番号を有する第IIIA族の金属、(3)約51〜約83の原子番号を有する第VA族の金属、(4)セリウムなどの希土類金属、(5)約3〜約37の原子番号を有する第IA族のアルカリ金属、(6)約12〜約56の原子番号を有する第IIA族のアルカリ土類金属、及び(7)これらの二種又はそれより多い組合せ、からなる群から選択される、1記載の製造方法。
4.前記触媒が第VIII族又は第IB族の金属を含み、前記金属がその酸化状態がゼロである形態である、1記載の製造方法。
5.前記工程(b)における前記反応条件が、少なくとも約5%のシス−形態を転化し、かつ少なくとも約70%のトランス−形態への選択率を達成するのに有効である、1記載の製造方法。
6.工程(b)にしたがって導入された前記組成物が、少なくとも5重量%のシス−形態を含む、1記載の製造方法。
7.前記転化工程(a)が、少なくとも約70%のHFC−245を転化するのに有効な条件下で実施され、前記導入工程(b)が、少なくとも約70%のシス−HFO−1234zeをトランス−HFO−1234zeへと転化するのに有効な条件下で実施される、1記載の製造方法。
8.工程(b)における前記反応条件が、少なくとも約95%のシス−形態を転化し、かつ少なくとも約98%のトランス−形態への選択率を達成するのに有効である、7記載の製造方法。
9.前記転化工程(a)が、前記HFC−245faを、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、Ca(OH)、CaO、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも一種の物質と、液相において反応させることを含む、1記載の製造方法。
10.前記転化工程(a)が、約20℃〜約100℃の温度で実施される、9記載の製造方法。
11.前記転化工程(a)が、約30℃〜約90℃の温度で実施される、9記載の製造方法。
12.前記ハロゲン化された金属酸化物の金属成分が、(1)約21〜約57の原子番号を有する遷移金属、(2)約13〜約81の原子番号を有する第IIIA族の金属、(3)約51〜約83の原子番号を有する第VA族の金属、(4)セリウムなどの希土類金属、(5)約3〜約37の原子番号を有する第IA族のアルカリ金属、(6)約12〜約56の原子番号を有する第IIA族のアルカリ土類金属、及び(7)これらの二種又はそれより多い組合せ、からなる群から選択される、11記載の製造方法。
13.前記触媒が第VIII族又は第IB族の金属を含み、前記金属がその酸化状態がゼロである形態である、11記載の製造方法。
図1