(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
内側ボンドコート(304)が、5%以下の気孔率を有し、外側ボンドコート(306)が5%超の気孔率を有し、内側ボンドコート(304)が、外側ボンドコート(306)の硫黄拡散速度よりも少なくとも10倍遅い硫黄拡散速度を有する、請求項1又は請求項2に記載の方法。
内側ボンドコート(304)がCoNiCrAlYを含み、外側ボンドコート(306)がNiCrAlYを含み、内側ボンドコート(304)が、200μm〜350μmの平均厚さを有し、外側ボンドコート(306)が、100μm〜400μmの平均厚さを有する、請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本明細書及び図面において参照符号を繰り返して用いることは、本発明の同じ又は類似の特徴又は要素を表すことを意図している。
【0016】
次に、その1つ又はそれ以上の実施例を図面に示している本発明の実施形態について詳細に説明する。各実施例は、本発明の限定ではなく、例証として提供される。実際には、当業者であれば、本発明の範囲又は技術的思想から逸脱することなく、種々の修正及び変形を本発明において実施できる点は理解されるであろう。例えば、一実施形態の一部として例示され又は説明される特徴は、別の実施形態と共に使用して更に別の実施形態を得ることができる。従って、本発明は、そのような修正及び変形を特許請求の範囲及びその均等物の技術的範囲内に属するものとして保護することを意図している。
【0017】
本開示において、層が別の層又は基材「の上」又は「を覆って」と記載される場合、これらの層は、そうではないことが記載されていない場合を除き、互いに直接的に接触しているか、層の間に別の層又は特徴要素を有することができる点を理解されたい。従って、これらの用語は、互いに対する層の相対的位置を単に記載するものであり、上方又は下方の相対位置は、見る人に対するデバイスの向きによって決まるので、必ずしも「その上部」を意味するものではない。
【0018】
本明細書で使用される用語「第1」、「第2」、及び「第3」は、ある部品を別の部品と区別するために同義的に用いることができ、個々の部品の位置又は重要性を意味することを意図したものではない。
【0019】
用語「上流」及び「下流」は、流体通路における流体流れに対する相対的方向を指す。例えば、「上流」は、流体がそこから流れる方向を指し、「下流」は流体がそこに向けて流れ込む方向を指す。
【0020】
一般的には、基材上に遮熱コーティング(TBC)を形成する2層(又はそれ以上)ボンドコート系を含むタービンエンジン部品が設けられる。従って、本開示は、一般に、遮熱コーティング(TBC)系によって熱的に過酷な環境から保護される金属部品に適用することができる。このような部品の顕著な実施例として、高圧及び低圧タービンノズル(ベーン)、シュラウド、燃焼器ライナ、燃焼器ドーム及びヒートシールド、トランジションピース、タービンフレーム、並びにガスタービンエンジンのオーグメンターハードウェアが挙げられる。本開示は特にタービンエンジン部品に適用可能であるが、本開示の教示は、一般に、部品をその環境から熱的に絶縁するのに遮熱を用いることができる部品に適用することができる。
【0021】
詳細には、2層ボンドコート系は、一般に、耐腐食性、耐亀裂性及び耐酸化性に特に好適な化学的性質を有する内側ボンドコートを備えるが、外側ボンドコートは、TBC接着性に適合する化学的性質及び構造を有する。すなわち、内側ボンドコートは、耐酸化性、耐腐食性及び耐亀裂性に適合する稠密なミクロ組織及び化学的性質を提供し、外側ボンドコートは、TBC接着性に適合する所要の表面粗さを提供する。従って、ここで提供されるボンドコート系は、単一の層から形成されるベースラインボンドコートと比べて、より高い温度性能を提供する。
【0022】
次に、図面を参照すると、
図1は、本開示の例示的な実施形態によるガスタービンエンジンの概略断面図である。より詳細には、
図1の実施形態では、ガスタービンエンジンは、高バイパスターボファンジェットエンジン10であり、本明細書では「ターボファンエンジン10」と呼ばれる。
図1に示すように、ターボファンエンジン10は、軸方向A(基準として提供される長手方向中心線12に平行に延びる)と、半径方向Rとを画成する。一般に、ターボファン10は、ファンセクション14と、該ファンセクション14から下流側に配置されるコアタービンエンジン16とを含む。
【0023】
図示の例示的なコアタービンエンジン16は、一般に、環状入口20を画成する実質的に管状の外側ケーシング18を含む。外側ケーシング18は、直列流れ関係で、ブースタ又は低圧(LP)圧縮機22及び高圧(HP)圧縮機24、燃焼セクション26、高圧(HP)タービン28及び低圧(LP)タービン30を含むタービンセクション、並びにジェット排気ノズルセクション32を収容する。高圧(HP)シャフト又はスプール34は、HPタービン28をHP圧縮機24に駆動可能に接続する。低圧(LP)シャフト又はスプール36は、LPタービン30をLP圧縮機22に駆動可能に接続する。
【0024】
図示の実施形態では、離間した関係でディスク42に結合された複数のファンブレード40を有する可変ピッチファン38を含む。図示のように、ファンブレード40は、半径方向Rにほぼ沿ってディスク42から外向きに延びる。各ファンブレード40は、ファンブレード40のピッチを一体となって全体で変化させるよう構成された好適な作動部材44にファンブレード40が動作可能に結合されていることに基づいて、ピッチ軸Pの周りでディスク42に対して回転可能である。ファンブレード40、ディスク42、及び作動部材44は、任意選択の出力ギアボックス46にわたってLPシャフト36により長手方向軸線12の周りを共に回転可能である。出力ギアボックス46は、LPシャフト36の回転速度をより効率的な回転ファン速度に漸減させる複数のギアを含む。
【0025】
図1の例示的な実施形態を更に参照すると、ディスク42は、複数のファンブレード40を通る空気流を増進させるよう空力的に構成された回転可能な前方ナセル48によって覆われる。加えて、例示的なファンセクション14は、ファン38及び/又はコアタービンエンジン16の少なくとも一部を円周方向に囲む環状ファンケーシング又は外側ナセル50を含む。ナセル50は、複数の円周方向に離間した出口ガイドベーン52によってコアタービンエンジン16に対して支持するよう構成することができることは理解されたい。その上、ナセル50の下流側セクション54は、コアタービンエンジン16の外側部分にわたって延びて、この間にバイパス空気流通路56を画成するようにすることができる。
【0026】
ターボファンエンジン10の作動中、所定容積の空気58が、ナセル5及び/又はファンセクション140の関連する入口60を通ってターボファン10に流入する。所定容積の空気58が、ファンブレード40を通過すると、空気58の矢印62で示される第1の部分は、バイパス空気流通路56に配向又は送られ、空気58の矢印64で示される第2の部分は、LP圧縮機22に配向又は送られる。空気の第1の部分62と空気の第2の部分64との比率は、一般にバイパス比として知られる。空気の第2の部分64の圧力は、高圧(HP)圧縮機24に送られるときに増大し、ここで燃料と混合されて燃焼し、燃焼ガス66を提供する。
【0027】
燃焼ガス66は、HPタービン28を通って送られ、ここで燃焼ガス66から熱及び/又は運動エネルギーの一部が、外側ケーシング18に結合されたHPタービンステータベーン68と、HPシャフト又はスプール34に結合されたHPタービンロータブレード70との連続する段を介して取り出され、従って、HPシャフト又はスプール34が回転を生じ、これによりHP圧縮機24の作動を維持する。次いで、燃焼ガス66は、LPタービン30を通って送られ、ここで熱及び運動エネルギーの第2の部分が、外側ケーシング18に結合されたLPタービンステータベーン72と、LPシャフト又はスプール36に結合されたLPタービンロータブレード74との連続する段を介して燃焼ガスから取り出され、従って、LPシャフト又はスプール36が回転を生じ、これによりLP圧縮機22の作動及び/又はファン38の回転を維持する。
【0028】
その後、燃焼ガス66は、コアタービンエンジン16のジェット排気ノズルセクション32を通って送られて、推進力をもたらす。同時に、空気の第1の部分62は、バイパス空気流通路56を通って送られるときにその圧力が実質的に増大し、その後、ターボファン10のファンノズル排気セクション76から排出されて、同様に推進力をもたらす。HPタービン28、LPタービン30、及びジェット排気ノズルセクション32は、コアタービンエンジン16を通じて燃焼ガス66を送るための高温ガス経路78を少なくとも部分的に画成する。
【0029】
ここで
図2を参照すると、
図1の例示的なターボファンエンジン10の燃焼セクション26の拡大断面図が提示される。より詳細には、
図2は、本開示の例示的な実施形態による、
図1の例示的なターボファンエンジン10の燃焼セクション26に位置付けることができる燃焼器組立体100の斜視断面図を示す。
図2は、明確にするために外側燃焼器ケーシングが取り外された燃焼器組立体100の斜視断面図を示している点に留意されたい。
【0030】
図示のように、燃焼器組立体100は、一般に、後端104と前端106の間で軸方向Aにほぼ沿って延びる内側ライナ102と、後端110と前端112の間で軸方向Aにほぼ沿って同様に延びる外側ライナ108とを含む。内側及び外側ライナ102,108は共に、これらの間に燃焼室114を少なくとも部分的に画成する。内側及び外側ライナ102,108は各々、環状ドームに取り付けられる。より詳細には、燃焼器組立体100は、内側ライナ102の前端106に取り付けられた内側環状ドーム116と、外側ライナ108の前端112に取り付けられた外側環状ドーム118とを含む。内側及び外側環状ドーム116,118は各々、内側及び外側ライナ102,108それぞれの前端106,112を受けるためのスロット122を画成する密閉面を含むように図示されているが、ライナをそれぞれのドームに取り付けるために好適な取り付け方式を利用することができる。また、例示的な燃焼器組立体100は、内側及び外側環状ドームを含めて図示されているが、本開示のコーティング及びコーティング系はまた、単一のドーム構成及び複数ドーム構成(例えば、3つのドーム、その他)にも適用されることは理解されたい。
【0031】
燃焼器組立体100は更に、外側ドーム118内で円周方向に沿って離間して配置された複数の燃料空気ミキサ124を含む。より詳細には、複数の燃料空気ミキサ124は、半径方向Rに沿って外側ドーム118と内側ドーム116との間に配置される。ターボファンエンジン10の圧縮機セクションからの圧縮空気は、燃料空気ミキサ124内に又は燃料空気ミキサ124を通って流れ、ここで圧縮空気が燃料と混合されて点火され、燃焼室114内で燃焼ガス66を生成する。内側及び外側ドーム116,118は、燃料空気ミキサ124内に又は燃料空気ミキサ124を通る圧縮機セクションからの圧縮空気のこのような流れを提供するのを助けるように構成される。例えば、外側ドーム118は、前端128において外側カウル126を含み、内側ドーム116は同様に、前端132において内側カウル130を含む。外側カウル126及び内側カウル130は、燃料空気ミキサのうちの1又はそれ以上内に又は燃料空気ミキサのうちの1又はそれ以上を通る圧縮機セクション26からの圧縮空気の流れを配向するのを助けることができる。
【0032】
更に、内側及び外側ドーム116,118は各々、ターボファンエンジン10内に燃焼器組立体100を装着するのを助けるように構成された取付部分を含む。例えば、外側ドーム118は、外側燃焼器ケーシング(図示せず)に装着するように構成された取付延伸部134を含み、内側ドーム116は、ターボファンエンジン10内で環状支持部材(図示せず)に取り付けるように構成された同様の取付延伸部138を含む。特定の例示的な実施形態では、内側ドーム116は、単一の環状部品として一体的に形成することができ、同様に、外側ドーム118もまた、単一の環状部品として一体的に形成することができる。しかしながら、他の例示的な実施形態では、内側ドーム116及び/又は外側ドーム118は、代替として、好適な方式で接合された1又はそれ以上の部品によって形成されてもよいことは理解されたい。例えば、外側ドーム118に関して、特定の例示的な実施形態では、外側カウル126は、外側ドーム118とは別個に形成されて、例えば、溶接工程を用いて外側ドーム118の前端128に取り付けることができる。同様に、取付延伸部134もまた、外側ドーム118とは別個に形成されて、例えば、溶接工程を用いて外側ドーム118の前端128に取り付けることができる。これに加えて又は代替として、内側ドーム116は、同様の構成を有することができる。
【0033】
図2を更に参照すると、例示的な燃焼器組立体100は更に、各燃料空気ミキサ124の周りに円周方向に配列された複数の熱シールド142を含む。熱シールド142は、図示の実施形態では、外側ドーム118と内側ドーム116との間に延びて取り付けられる。熱シールド142は、燃焼室114の比較的過酷な温度からターボファンエンジン10の特定の部品を保護するよう構成される。
【0034】
特定の実施形態では、内側ライナ102及び外側ライナ108は各々、ニッケル基超合金又はコバルト基超合金などの金属から構成される。代替の実施形態では、内側ライナ102及び外側ライナ108は各々、高い温度性能を有する非金属材料であるセラミックマトリックス複合材(CMC)材料から構成される。このようなライナ102,108に利用される例示的なCMC材料は、炭化ケイ素、ケイ素、シリカ、又はアルミナマトリックス材料及びこれらの組合せを含むことができる。サファイア及び炭化ケイ素などのモノフィラメントを含む酸化安定性強化繊維(例えば、TextronのSCS−6)、並びに炭化ケイ素を含むロービング及びヤーン(例えば、日本カーボンのNICALON(登録商標)、宇部興産のTYRANNO(登録商標)、及びDow CorningのSYLRAMIC(登録商標))、アルミナシリケイト(例えば、Nextelの440及び480)、及びチョップドウィスカー及び繊維(例えば、Nextelの440及びSAFFIL(登録商標))、及び任意選択的にセラミック粒子(例えば、Si、Al、Zr、Y及びその組合せの酸化物)及び有機繊維(例えば、パイロフィライト、珪灰石、マイカ、タルク、カイアナイト、及びモンモリロナイト)のようなセラミック繊維をマトリックス内に埋め込むことができる。
【0035】
内側カウル130及び外側カウル126をそれぞれ含む内側ドーム116及び外側ドーム118、並びに熱シールド142は、ニッケル基超合金又はコバルト基超合金などの金属から形成することができる。
【0036】
上述のように、これらの部品の各々は、比較的高い温度及び/又は圧力の厳しい条件に晒される。従って、遮熱コーティングは、何れかの金属部品の少なくとも露出面上に存在する。
【0037】
図3は、基材302上にTBCコーティング系310を有する例示的なタービンエンジン部品300の断面図を示す。一般に、基材302は、エンジン内の燃焼ガスに晒される部品300の表面であることから「高温」側と呼ばれるコーティング表面303(すなわち、コーティングを有する第1の表面303)を画成する。また、部品は、部品300の「低温」側には、コーティング表面303の反対側に位置する第2の表面301を有する。一実施形態では、基材302は、何れかの実施可能材料から形成される。例えば、基材302は、ニッケル又はコバルト及び/又は鉄合金又は超合金のものを含む、様々な金属又は金属合金の何れかから形成することができる。一実施形態では、基材302は、ニッケル基合金から作られ、別の実施形態では、基材302は、ニッケル基超合金から作られる。ニッケル基超合金は、ガンマプライム又は関連相の析出によって強化することができる。一例では、重量%単位で、約4〜約20%のコバルト、約1〜約10%のクロム、約5〜約7%のアルミニウム、約0〜約2%のモリブデン、約3〜約8%のタングステン、約4〜約12%のタンタル、約0〜約2%のチタン、約0〜約8%のレニウム、約0〜約6%のルテニウム、約0〜約1%のニオブ、約0〜約0.1%の炭素、約0〜約0.01%のホウ素、約0〜約0.1%のイットリウム、約0〜約1.5%のハフニウム、残部のニッケル及び不可避不純物からなる組成を有する。例えば、好適なニッケル基超合金は、商標Rene N5により入手可能であり、その公称組成は、重量基準で、7.5%コバルト、7%クロム、1.5%モリブデン、6.5%タンタル、6.2%アルミニウム、5%タングステン、3%レニウム、0.15%ハフニウム、0.004%ホウ素、及び0.05%炭素、並びに残部のニッケル及び微量不純物である。
【0038】
図示の実施形態では、TBCコーティング系310は、基材302の第1の表面303上に内側ボンドコート304と、内側ボンドコート304の表面305上に外側ボンドコート306と、外側ボンドコート306の粗面307上にセラミックコート308とを含む。従って、セラミックコート308は、露出される外面309を画成する。
【0039】
上述のように、内側ボンドコート304は、耐酸化性、耐腐食性、及び耐亀裂性に特に好適な稠密ミクロ組織及び化学的性質を有する。他方、外側ボンドコート306は、TBC接着に適合する化学的性質及び構造を有すると共に、TBC接着に適合する表面粗さを提供する。従って、内側ボンドコート304は、一般に、外側ボンドコート306に比べて稠密な層である。すなわち、内側ボンドコート304は、外側ボンドコート306よりも低い気孔率を有する。例えば、内側ボンドコート304は、約5%以下(例えば、約0.5%〜約5%)の気孔率を有し、外側ボンドコート306は、約5%超の気孔率(例えば、約5%〜約25%)を有する。
【0040】
内側ボンドコート304は、ある特定の実施形態では、コバルト含有材料(例えば、CoNiCrAlY)を含む。特定の理論によって制限することを意図するものではないが、内側ボンドコート304中にコバルトが存在すると、特に比較的稠密な構成(例えば、5%未満の気孔率)と併用された場合には、内側ボンドコート304を通る硫黄拡散に対する耐性を向上させることができる。一実施形態では、内側ボンドコート304は、重量基準で、約31.0%〜約33.5%ニッケル、約21.0%〜約23.0%クロム、約9.5%〜約10.5%アルミニウム、0.05%〜約0.50%イットリウム、0%〜約0.01%リン、0%〜約0.01%窒素、0%〜約0.040%酸素、及び残部のコバルトからなる組成を有するCoNiCrAlY合金のようなCoNiCrAlYを含む。
【0041】
一実施形態では、内側ボンドコート304は、基材302の表面303上に複数の粒子を高速酸素燃料コーティング溶射して内側ボンドコート304を形成することによって形成される。粒子は、比較的稠密な(すなわち、比較的気孔率が低い)層をもたらすように、比較的微細な平均粒径を有する。例えば、複数の粒子は、最初に、約325〜約400のメッシュレーティングを有するメッシュを通して選別して、90%を上回る(例えば、約99%を上回る)粒子が、約45μmよりも小さい平均直径を有することができる。例えば、90%を上回る(例えば、約99%を上回る)粒子が、約44μm未満(325メッシュサイズに対して)又は約37μm未満(400メッシュサイズに対して)の平均直径を有することができる。
【0042】
図示の実施形態では、内側ボンドコート304と外側ボンドコート306(又は、存在する場合には、中間ボンドコート)との間の接合が化学結合(例えば、拡散接合)であるので、内側ボンドコート304は、実質的に滑らかな表面305を画成する。例えば、表面305は、約1.5μmRa〜約7.5μmRa(例えば、約1.75μmRa〜約5.25μmRa)の表面粗さを有することができ、ここでRaは、得られる粗度を定量的に表すために計算される変位値の算術平均である。
【0043】
内側ボンドコート304の厚さは、部品及び作動環境に応じて変わることができる。内側ボンドコート304は、一実施形態では、内側ボンドコート304にわたる複数点において内側ボンドコート304のベース(
図3の実施形態では基材302の表面303として示される)から内側ボンドコート304の表面305までの最短距離の平均をとって測定したときに、約200μm〜約350μmである平均厚さ(T
IBC)を有する。
【0044】
外側ボンドコート306は、一実施形態では、コバルトを実質的に含んでいない。本明細書で使用される場合、用語「実質的に含んでいない」とは、微量を超えない程存在することを意味し、及び完全に含まれないことを含む(例えば、0重量%〜最大で0.5重量%)。
【0045】
一実施形態では、外側ボンドコート306は、金属、金属を含む、金属間化合物、金属合金、複合材及びこれらの組合せとすることができる。一実施形態では、外側ボンドコート306はNiAlである。一実施形態では、外側ボンドコート306は、主成分としてβ−NiAl層などの合金化添加が限定的なNiAlである。NiAlコーティングは、約9〜約12重量%のアルミニウム含有量を有し、残部は本質的にニッケルとすることができ、別の実施形態では、約18〜約21重量%のアルミニウム含有量を有し、残部は本質的にニッケルとすることができる。しかしながら、外側ボンドコート306の組成は、NiAlボンドコートに限定されず、適切な接合及び温度性能を有する金属コーティングであってもよい。例えば、外側ボンドコート306は、(重量で)約21.0%〜約23.0%クロム、約9%〜約11%アルミニウム、0.05%〜約1.20%イットリウム、0%〜約0.01%リン、0%〜約0.01%窒素、0%〜約0.040%酸素及び残部のニッケルからなる組成を有する。特定の実施形態では、他の反応性元素は、イットリウムの追加として又は代替として含めることができる。例えば、外側ボンドコート306は、NiCrAlY化合物と組合せて、NiCrAlZr、NiCrAlHfSi、NiCrAlYZr、NiCrAlReY、又はこれらの組合せの材料を含む化合物を含むことができる。このような材料の含有は、ボンドコートへのスケール付着を助け、従って、TBC寿命を向上させることができる。
【0046】
一実施形態では、外側ボンドコート306は、拡散コーティング308の接合を助けるため複数の山部及び谷部を含む粗面307(外側ボンドコート306の)をセラミックコート308が機械的に接合する酸化物表面層(スケール)307を画成する。例えば、表面307は、約8.5μmRa〜約20μmRa(例えば、約9μmRa〜約15μmRa)の表面粗さを有することができる。
【0047】
外側ボンドコート306の厚さは、部品及び作動環境に応じて変わることができる。外側ボンドコート306は、一実施形態では、外側ボンドコート306にわたる複数点において外側ボンドコート306のベース(
図3の実施形態では内側ボンドコート304の表面305として示される)から外側ボンドコート306の表面307までの最短距離の平均をとって測定したときに、約100μm〜約400μmである平均厚さ(T
OBC)を有する。
【0048】
外側ボンドコート306は、空気プラズマ溶射(APS)、高速酸素燃料コーティング溶射(HVOF)、高速空気燃料プロセス(HVAF)、ワイヤーアーク溶射、減圧プラズマ溶射(LPPS)プロセス、その他を含む、好適な堆積プロセスにより形成することができる。一実施形態では、外側ボンドコート306は、内側ボンドコート304の表面305上に複数の粒子を高速酸素燃料コーティング溶射して外側ボンドコート306を形成することによって形成される。粒子は、比較的高い気孔率を有する層をもたらすように、比較的粗い平均粒径を有する。例えば、複数の粒子は、最初に、約100〜約270のメッシュレーティングを有するメッシュを通して選別して、90%を上回る(例えば、約99%を上回る)粒子が、約50μm〜約150μmの平均直径を有することができる。例えば、90%を上回る(例えば、約99%を上回る)粒子が、約53μm(270メッシュサイズに対して)〜約149μm(100メッシュサイズに対して)の平均直径を有することができる。
【0049】
内側ボンドコート304及び外側ボンドコート306はまた、それぞれの硫黄拡散速度に関して異なっている。内側ボンドコート304は、外側ボンドコート306よりも低い硫黄拡散速度を有する。一実施形態では、内側ボンドコート304は、外側ボンドコート306の硫黄拡散速度よりも少なくとも10倍低い(例えば、約100倍又はそれ以上低いなど、約50倍又はそれ以上低い)硫黄拡散速度を有する。
【0050】
セラミックコート308は、一実施形態では、低熱伝導率のセラミックを含むことができる。例えば、低熱伝導率のセラミックは、約0.1〜1.0BTU/ft・hr・°F、好ましくは、0.3〜0.6BTU/ft・hr・°Fの範囲の熱伝導率を有することができる。一実施形態では、セラミックコート308は、ジルコニウム酸化物、イットリウム酸化物、イッテルビウム酸化物及びネオジム酸化物の混合物を含むことができる。別の実施形態では、セラミックコート308は、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)を含むことができる。一実施形態では、セラミックコート308は、約3〜約10重量%イットリアの組成を有するYSZとすることができる。別の実施形態では、セラミックコート308は、イットリア、非安定化ジルコニア、又はマグネシア(MgO)、セリア(CeO
2)、酸化スカンジウム(Sc
2O
3)又はアルミナ(Al
2O
3)などの酸化物によって安定化されたジルコニアのような別のセラミック材料とすることができる。更に他の実施形態では、セラミックコート308は、限定ではないが、イッテルビア、酸化スカンジウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、エルビア、及びこれらの組合せなどの1又はそれ以上の希土類酸化物を含むことができる。これらの更に他の実施形態では、希土類酸化物は、安定化ジルコニア系においてイットリアの一部又は全部を置き換えることができる。セラミックコート308は、下にある基材302の所要の熱保護を提供するのに十分な厚さ、一般的には約75μm〜約350μm程度を堆積される。
【0051】
限定ではないが、物理蒸着(PVD)法、化学蒸着法、減圧プラズマ溶射(LPPS)法、空気プラズマ溶射(APS)、その他を含む、セラミックコート308を形成するのに好適な堆積法を用いることができる。
【0052】
隣接する層上に直接的に(すなわち、間に中間層が存在せずに)示されているが、特定の実施形態では、TBC系310内に別の1以上の層が存在してもよい。例えば、TBC系310に追加のボンドコートが存在することができる。
【0053】
図4は、内側ボンドコート304と外側ボンドコート306との間に位置する中間ボンドコート312を含むTBC系310を示している。中間ボンドコート312は、内側ボンドコート304の気孔率よりも高い気孔率を有する(すなわち、内側ボンドコート304は、中間ボンドコート312よりも稠密である)。また、中間ボンドコート312は、外側ボンドコート306の気孔率よりも低い気孔率を有する(すなわち、中間ボンドコート312は、外側ボンドコート306よりも稠密である)。
【0054】
このような実施形態では、内側ボンドコート304は、Co(例えば、CoNiCrAlY)を含有することができ、中間ボンドコート312及び外側ボンドコート306は、コバルトを実質的に含んでいない。中間ボンドコート312及び外側ボンドコート306は、同じ組成から、又は異なる組成から作ることができる。例えば、中間ボンドコート312は、金属、金属を含む、金属間化合物、金属合金、複合材及びこれらの組合せとすることができる。一実施形態では、中間ボンドコート312は、外側ボンドコート306に関して上述しように、合金化添加が限定的な主成分としてβ−NiAl層のようなNiAlとすることができる。しかしながら、中間ボンドコート312の組成は、NiAlボンドコートに限定されず、適切な接合及び温度性能を有する金属コーティングであってもよい。例えば、中間ボンドコート312は、NiCrAlYコーティングとすることができる。一実施形態では、中間ボンドコート312は、NiCrAlYを含むことができ、外側ボンドコート306は、NiCrAlを含むことができる。
【0055】
一実施形態では、内側ボンドコート304、中間ボンドコート312、及び外側ボンドコート306の気孔率は異なり、これらのコーティングは、基材302に近くなるほどより稠密である。従って、内側ボンドコート304は、一般に、中間ボンドコート312及び外側ボンドコート306と比べて稠密な層である。すなわち、内側ボンドコート304は、中間ボンドコート312の気孔率及び外側ボンドコート306の気孔率よりも低い気孔率を有する。反対に、外側ボンドコート306は、一般に、中間ボンドコート312及び内側ボンドコート304に比べて多孔性の層である。すなわち、外側ボンドコート306は、中間ボンドコート312の気孔率及び内側ボンドコート304の気孔率よりも高い気孔率を有する。従って、中間ボンドコート312は、一実施形態では、内側ボンドコート304の気孔率よりも高い気孔率を有し、外側ボンドコート306の気孔率よりも低い気孔率を有する。例えば、内側ボンドコート304は、約5%以下(例えば、約0.5%〜約5%)の気孔率を有することができ、中間ボンドコート312は、約4%〜約6%の気孔率を有することができ、外側ボンドコート306は、約5%超(例えば、約5%〜約25%)の気孔率を有することができる。
【0056】
中間ボンドコート312は、一実施形態では、中間ボンドコート312にわたる複数点において中間ボンドコート312のベース(
図4の実施形態では内側ボンドコート304の表面313として示される)から中間ボンドコート312の表面313までの最短距離の平均をとって測定したときに、約100μm〜約400μmである平均厚さ(T
INT)を有する。
【0057】
図4の実施形態では、中間ボンドコート312と外側ボンドコート306との間の接合が化学結合(例えば、拡散接合)であるので、中間ボンドコート312は、実質的に滑らかな表面3135を画成する。例えば、表面313は、約1.5μmRa〜約7.5μmRa(例えば、約1.75μmRa〜約5.25μmRa)の表面粗さを有することができる。
【0058】
中間ボンドコート312は、空気プラズマ溶射(APS)、高速酸素燃料コーティング溶射(HVOF)、ワイヤーアーク溶射、減圧プラズマ溶射(LPPS)プロセス、その他を含む、好適な堆積プロセスにより形成することができる。粒子は、内側ボンドコート304を形成するのに利用される粒子よりも大きく、外側ボンドコート306を形成するのに利用される粒子よりも小さい平均粒径を有する。従って、中間ボンドコート312は、比較的稠密な内側ボンドコート304と比較的多孔性の外側ボンドコート306との間の相対気孔率を有する。
【0059】
上述のTBC系310は、内側カウル130及び外側カウル126をそれぞれ含む内側ドーム116及び外側ドーム118、熱シールド142、その他のような、
図2の燃焼器組立体100内の金属製エンジン部品上で使用するのに特に好適である。しかしながら、TBC系310は、ガスタービンエンジン10内の好適な部品上に利用することができる。
【0060】
また、基材上の既存のTBCを補修する方法も提供される。使用期間を経て、エンジン部品は、エンジンの作動中に高温燃焼ガスに晒されている。従って、部品の表面上のTBCは、過酷な環境からの厳しい作用を受けており、酸化、腐食、浸食、亀裂、摩擦事象、その他を通じて損傷を受ける可能性がある。
【0061】
本方法は、特に、ボンドコート(例えば、本出願において記載された単一層ボンドコート又は二重層ボンドコート)及びセラミックコートを有するTBCを含む、基材の表面上に堆積される何れかのTBCで利用することができる。本方法は、基材の表面全体上のTBC又は基材の表面上のTBCの局所的部分を補修するのに利用することができる。
【0062】
本方法によれば、既存のセラミックコーティングが、基材の表面上の補修すべき区域から除去される。上述のように、補修される区域は、基材の表面全体又は表面の局所的部分とすることができる。何れかの既存のセラミックコーティングを表面から除去するのに様々な技法を用いることができるが、1以上の既存層を除去する1つの特に好適な方法は、ペンシルグリットブラストとして知られる技法によるような、露出面をグリッドブラストするものである。
【0063】
図5は、基材302の表面303にわたって損傷を受けたTBC500を有した基材302を示している。損傷を受けたTBC500は、結合層502と、TBC500の露出面506を画成するセラミック層504とを含む。図示のように、結合層502は、基材302の高温表面303上にあり、基材302とセラミック層504との間に位置する。
【0064】
図6Aは、損傷を受けたTBC500の全てを除去した後に表面全体303が露出した
図5の基材302を示している。すなわち、セラミック層504全体及び結合層502の実質的に全てが除去されて、部品全体にわたって基材の表面が露出している。次いで、
図3及び
図4に関して上記で検討したように、表面303上に、内側ボンドコート304、任意選択の中間ボンドコート312、及びセラミック層504を形成することができる。
【0065】
図6Bは、損傷を受けたセラミック層504のTBC500の全て及び結合層502の一部を除去した後に基材302の表面全体303にわたって接合面503を露出した
図5の基材302を示している。すなわち、セラミック層504全体及び結合層502の一部が除去され、基材302の表面全体303にわたって結合層502の一部を残している。結合層502上に形成される表面503は、実質的に粗い面として示され、結合層502と、その上に後で形成される層(例えば、内側ボンドコート304)との間の接着を助けるようにする。
図3及び4に関して上記で検討したように、残存する結合層502の表面503上に内側ボンドコート304、任意選択の中間ボンドコート312、外側ボンドコート306及びセラミック層312を形成することができる。例えば、
図7は、残存する結合層502の表面503上に内側ボンドコート304、任意選択の中間ボンドコート312、外側ボンドコート306及びセラミック層312を形成した後の
図6Bの基材302を示している。
【0066】
図8は、基材302の表面303上の第1の部分510にわたって損傷を受けたTBC500と、損傷を受けていないTBC500の第2の部分512とを有する基材302を示している。一実施形態によれば、セラミック層504は、TBCの損傷を受けた部分510から局所的に除去され、セラミック層504の損傷を受けていない部分512が残される。例えば、補修方法は、損傷を受けた部分510においてのみセラミック層504の酸化物及び残存破片並びに内側の結合層502の少なくとも一部を除去することができる。様々な技法を用いることができるが、好ましい方法は、ペンシルグリットブラストとして知られる技法によるような、損傷を受けた部分510におけるTBC500の露出面をグリッドブラストするものである。この方法は、損傷を受けた部分510におけるTBC500の選択的除去を可能にして、損傷を受けていない部分512における残存するセラミック層504が本処置を確実に受けないようにする。特定の実施形態では、例えば、グリッドブラスト工程中にテープマスキングにより損傷を受けていない部分512における周囲のセラミック層504をマスクすることが望ましいとすることができる。損傷を受けていない部分512におけるセラミック層504に対して所定レベルの保護を提供することに加えて、テープマスキングはまた、損傷を受けた部分510を直ちに囲む損傷を受けていない部分512におけるセラミック層504の保全性に対する証明試験としても機能を果たす。
【0067】
図9Aは、TBC500の損傷を受けた部分510の全てを除去した後に下にある表面303が露出され、TBC500の損傷を受けていない部分512を残した、
図8の基材302を示している。すなわち、セラミック層504及び結合層502の実質的に全てが除去されて、損傷を受けた部分510における表面303が露出されている。次いで、
図3及び4に関して上記で検討したように、表面303上に内側ボンドコート304、任意選択の中間ボンドコート312、及びセラミック層312を形成することができる。
図10Aは、表面303上に内側ボンドコート304、任意選択の中間ボンドコート312、外側ボンドコート306及びセラミック層312を形成して、
図8及び9Aの損傷を受けた区域510に対応する補修区域520を定めた後の
図9Aの基材302を示している。
【0068】
図9Bは、TBC500の損傷を受けた部分510の全て及び結合層502の一部を除去した後、TBC500の損傷を受けていない部分512が残った
図8の基材302を示している。すなわち、セラミック層504及び結合層502の一部が除去され、損傷を受けた部分510内の結合層502の一部を残している。結合層502上に形成される表面503は、実質的に粗い面として示され、結合層502と、その上に後で形成される層(例えば、内側ボンドコート304)との間の接着を助けるようにする。次いで、
図3及び4に関して上記で検討したように、残存する結合層502の表面503上に内側ボンドコート304、任意選択の中間ボンドコート312、外側ボンドコート306及びセラミック層312を形成することができる。
図10Bは、残存する結合層502上に内側ボンドコート304、外側ボンドコート306及びセラミック層312を形成して、
図8及び9Aの損傷を受けた区域510に対応する補修区域520を定めた後の
図10Aの基材302を示している。
【0069】
本明細書は、最良の形態を含む実施例を用いて本発明を開示し、また、当業者が、デバイス又はシステムを実施及び利用すること並びに組み込み方法を実施することを含む本発明を実施することを可能にする。本発明の特許保護される範囲は、請求項によって定義され、当業者であれば想起される他の実施例を含むことができる。このような他の実施例は、請求項の文言と差違のない構造要素を有する場合、或いは、請求項の文言と僅かな差違を有する均等な構造要素を含む場合には、本発明の範囲内にあるものとする。
【0070】
最後に、代表的な実施態様を以下に示す。
[実施態様1]
補修された遮熱コーティングを有するタービンエンジン部品であって、
表面を画成する基材と、
上記基材の表面の第1の部分上の遮熱コーティングと、
を備え、上記遮熱コーティングが、内側結合層と、第1のセラミック層とを含み、上記内側結合層が、上記基材と上記第1のセラミック層との間に位置し、
上記タービンエンジン部品が更に、
上記基材の表面の第2の部分上の補修された遮熱コーティングと
を備え、
上記補修された遮熱コーティングが、
上記基材の表面上の内側ボンドコートであってコバルト含有材料を含む内側ボンドコートと、
上記内側ボンドコート上の外側ボンドコートであってコバルトを実質的に含んでいない外側ボンドコートと、
上記外側ボンドコート上のセラミックコートと
を含む、タービンエンジン部品。
[実施態様2]
上記補修された遮熱コーティングが更に、
上記基材の表面と上記内側ボンドコートとの間に位置する内側結合層を含む、実施態様1に記載のタービンエンジン部品。
[実施態様3]
上記内側ボンドコートが、約5%以下の気孔率を有し、上記外側ボンドコートが約5%超の気孔率を有する、、実施態様1に記載のタービンエンジン部品。
[実施態様4]
上記内側ボンドコートが、上記外側ボンドコートの硫黄拡散速度よりも少なくとも10倍遅い硫黄拡散速度を有する、実施態様1に記載のタービンエンジン部品。
[実施態様5]
上記内側ボンドコートがCoNiCrAlYを含み、上記外側ボンドコートがNiCrAlYを含む、実施態様1に記載のタービンエンジン部品。
[実施態様6]
上記内側ボンドコートが、約200μm〜約350μmの平均厚さを有し、上記外側ボンドコートが、約100μm〜約400μmの平均厚さを有する、実施態様1に記載のタービンエンジン部品。
[実施態様7]
上記外側ボンドコートと上記セラミックコートとの間に位置する中間ボンドコートを更に備え、上記中間ボンドコートが、上記内側ボンドコートの気孔率よりも高い気孔率を有し、更に上記中間ボンドコートが、上記外側ボンドコートの気孔率よりも低い気孔率を有する、実施態様1に記載のタービンエンジン部品。
[実施態様8]
補修された遮熱コーティングを有するタービンエンジン部品であって、
表面を画成する基材と、
上記基材の表面上の内側結合層と、
上記内側結合層上の内側ボンドコートであってコバルト含有材料を含む内側ボンドコートと、
上記内側ボンドコート上の外側ボンドコートであってコバルトを実質的に含んでいない外側ボンドコートと、
上記外側ボンドコート上のセラミックコートと
を備える、タービンエンジン部品。
[実施態様9]
上記内側ボンドコートが、約5%以下の気孔率を有し、上記外側ボンドコートが約5%超の気孔率を有する、実施態様8に記載のタービンエンジン部品。
[実施態様10]
上記外側ボンドコートの硫黄拡散速度よりも少なくとも10倍遅い硫黄拡散速度を有する、実施態様8に記載のタービンエンジン部品。
[実施態様11]
上記内側ボンドコートがCoNiCrAlYを含み、上記外側ボンドコートがNiCrAlYを含む、実施態様8に記載のタービンエンジン部品。
[実施態様12]
上記内側ボンドコートが、約200μm〜約350μmの平均厚さを有し、上記外側ボンドコートが、約100μm〜約400μmの平均厚さを有する、実施態様8に記載のタービンエンジン部品。
[実施態様13]
上記外側ボンドコートと上記セラミックコートとの間に位置する中間ボンドコートを更に備え、上記中間ボンドコートが、上記内側ボンドコートの気孔率よりも高い気孔率を有し、更に上記中間ボンドコートが、上記外側ボンドコートの気孔率よりも低い気孔率を有する、実施態様8に記載のタービンエンジン部品。
[実施態様14]
タービンエンジン部品上の遮熱コーティングを補修する方法であって、
基材の表面の区域からセラミックコーティングを除去するステップと、
上記基材の表面の区域の上にコバルト含有材料を含む内側ボンドコートを形成するステップと、
上記内側ボンドコートの上にコバルトを実質的に含んでいない外側ボンドコートを形成するステップと、
上記外側ボンドコート上にセラミックコートを形成するステップと
を含む、方法。
[実施態様15]
上記内側ボンドコートを形成するステップが、上記基材の区域上に複数の第1の粒子を高速酸素燃料コーティング溶射して上記内側ボンドコートを形成するステップを含み、上記複数の第1の粒子が、コバルト含有材料を含み且つ約45μm未満の平均粒径を有する、実施態様14に記載の方法。
[実施態様16]
上記複数の第1の粒子が、CoNiCrAlYを含む、実施態様15に記載の方法。
[実施態様17]
上記外側ボンドコートが、約50μm〜約150μmの平均直径を有する複数の第2の粒子を高速酸素燃料コーティング溶射することにより形成され、該複数の第2の粒子がNiCrAlYを含む、実施態様15に記載の方法。
[実施態様18]
上記外側ボンドコートを形成するステップの前に、上記内側ボンドコート上に中間ボンドコートを形成するステップを更に含み、上記中間ボンドコートが実質的にコバルトが含まれておらず、上記中間ボンドコートが、上記内側ボンドコートの気孔率よりも高い気孔率を有し、更に上記中間ボンドコートが、上記外側ボンドコートの気孔率よりも低い気孔率を有する、実施態様14に記載の方法。
[実施態様19]
上記基材の表面から何れかのセラミックコーティング除去することが、上記基材の表面から全ての材料を除去して基材の表面を露出させることを含む、実施態様14に記載の方法。
[実施態様20]
上記基材の表面から何れかのセラミックコーティング除去することが、上記基材の表面の区域から全てのセラミックコーティング材料を除去して、基材の表面上に既存のボンドコートの一部を残すようにすることを含む、実施態様14に記載の方法。