(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374938
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】ガルバノスキャナ
(51)【国際特許分類】
G02B 26/10 20060101AFI20180806BHJP
G02B 26/08 20060101ALI20180806BHJP
B23K 26/082 20140101ALN20180806BHJP
【FI】
G02B26/10 104Z
G02B26/08 E
!B23K26/082
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-223619(P2016-223619)
(22)【出願日】2016年11月16日
(65)【公開番号】特開2018-81211(P2018-81211A)
(43)【公開日】2018年5月24日
【審査請求日】2017年7月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132725
【氏名又は名称】株式会社ソディック
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】新家 一朗
(72)【発明者】
【氏名】村井 満
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 太郎
【審査官】
鈴木 俊光
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2012/0133249(US,A1)
【文献】
国際公開第2016/017019(WO,A1)
【文献】
特開平05−061547(JP,A)
【文献】
特表2007−532090(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 26/10
G02B 26/08
B23K 26/082
H02K 33/00 − 33/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転軸を備えた動作部と、
前記回転軸を回転可能に支持する内側摺動部材と、
前記内側摺動部材を介して前記回転軸の外側に設けられ前記動作部との間に働く力を角加速度に置き換える反力吸収部と、
前記反力吸収部を回転可能に支持する外側摺動部材と、
前記外側摺動部材を介して前記反力吸収部の外側に設けられる固定部と、
を備える、ガルバノスキャナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガルバノスキャナに関する。
【背景技術】
【0002】
レーザ等の光を所望の位置に照射するための照射位置制御手段として、ガルバノスキャナ(特許文献1等)が使用されている。一般的なガルバノスキャナは、その先端に光を反射させることができるスキャンミラーを備えた動作部(ロータ)と、この動作部における回転軸を回転可能に支持する固定部(ステータ)とで構成される。このようなガルバノスキャナは、積層造形装置(特許文献2)、レーザ加工装置(特許文献3)、光画像計測装置(特許文献4)、画像表示装置(特許文献5)、画像撮像システム(特許文献6)等、実に様々な分野で応用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許5705390号公報
【特許文献2】特開2016−186129号公報
【特許文献3】特開2012−121038号公報
【特許文献4】特許5275880号公報
【特許文献5】特開2009−244796号公報
【特許文献6】特許5729622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ガルバノスキャナにおいてスキャンミラーを所望の角度に変位させるために動作部を高速で駆動させると、当該動作部と、これを軸受けしている固定部との間に力が発生し、振動が発生してしまうという問題がある。例えば、積層造形装置においては一般に数十Hzから数百Hzの周波数で動作させるため、ガルバノスキャナ及びガルバノスキャナを搭載している機械構造体の振動が引き起こされる。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、振動を抑制可能に構成されるガルバノスキャナを提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、回転軸を備えた動作部と、前記回転軸を回転可能に支持する内側摺動部材と、前記内側摺動部材を介して前記回転軸の外側に設けられ前記動作部との間に働く力を角加速度に置き換える反力吸収部と、前記反力吸収部を回転可能に支持する外側摺動部材と、前記外側摺動部材を介して前記反力吸収部の外側に設けられる固定部とを備える、ガルバノスキャナが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明に係るガルバノスキャナは、動作部の回転軸と固定部との間にそれぞれ内側摺動部材、外側摺動部材によって軸受された反力吸収部を設け、動作部と反力吸収部との間に働く力を角加速度に置き換える、という構造を有するため、振動を抑制することができる。
【0008】
以下、本発明の種々の実施形態を例示する。以下に示す実施形態は互いに組み合わせ可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係るガルバノスキャナ100の概略を示す断面図(ただし、動作部200については端面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態に係るガルバノスキャナを説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
図1に示されるように、ガルバノスキャナ100は、動作部200(ロータ)、反力吸収部300及び固定部400(ステータ)で構成される。
【0012】
動作部200は、スキャンミラー210、回転軸220及び磁石230を備える。動作部200は、回転軸220が回転の中心軸となって回転可能とされている。スキャンミラー210は、入射した光を偏向させるミラーである。スキャンミラー210は、回転軸220の前側の一端に連結されている。ここでは、
図1中の右側を前側と定義し、同左側を後側と定義している。ミラーマウント240は、回転軸220にスキャンミラー210を連結する。マウント押さえ具250は、留め具260が挿入された状態で、回転軸220にミラーマウント240を固定する。磁石230は、回転軸220に固定されており、内側摺動部材350,360の間に位置する。
【0013】
反力吸収部300は、内側筐体310及びコイル320を備える。加えて、鉄芯330を備えてもよい。コイル320は、磁石230の周囲に設けられている。鉄芯330は、コイル320の周囲に設けられている。不図示の電源から不図示のリード線を介してコイル320へ電流が流れることで、コイル320は、電磁力又はローレンツ力を発生させる。磁石230の磁界の周囲にて電磁力又はローレンツ力を作用させることで、磁石230を回転させる回転トルクが発生する。動作部200は、磁石230に作用する回転トルクによって回転する。
【0014】
内側筐体310は、磁石230、コイル320及び鉄芯330を内部に収納する。内側筐体310は、動作部200の磁石230を回転させる内部スペース311を備える。内側摺動部材350及び内側摺動部材360は、例えば、回転軸22を回転可能に支持するベアリング(軸受)である。内側摺動部材350は、内側筐体310の内部スペース311のうち前側の端部に設けられている。内側摺動部材360は、内側筐体310の内部スペース311のうち後側の端部に設けられている。このような構成により回転軸220は回転することができる。
【0015】
固定部400は、外側筐体410を備える。外側筐体410は、その内部スペース411において反力吸収部300を回転可能に支持する外側摺動部材450,460を備える。外側摺動部材450,460は、例えばベアリング(軸受)である。外側摺動部材450は、内部スペース411の前側の端部に設けられている。外側摺動部材460は、内部スペース411の後側の端部に設けられている。このような構成により反力吸収部300は回転することができる。
【0016】
ガルバノスキャナ100は、回転軸220の回転角度を検出するための角度検出器500(エンコーダ)が取り付けられた状態で使用される。角度検出器500は、回転軸220の後側の端部に固定された円盤510と、外側筐体410の後端に固定された検出器520とで構成されている。角度検出器500には、光学式や磁気式等種々の方式のものを適用可能である。すなわち、角度検出器500を光学式とする場合には、円盤510に複数のスリットを設けるとともに、検出器520には発光素子及び受光素子を設け、発光素子から出射したのちに円盤510のスリットを通過した光を受光素子で検出することによって固定部400に対する回転軸220の回転角度を検出する。また、角度検出器500を磁気式とする場合には、円盤510の外周面をS極とN極とに交互に着磁させるとともに、検出器520に磁界検出素子を設け、磁界の変化を磁界検出素子で検出することによって固定部400に対する回転軸220の回転角度を検出する。
【0017】
上述の通り、実施形態に係るガルバノスキャナ100は、外側摺動部材450,460を含む固定部400により反力吸収部300が回転可能に支持される構成を有する。かかる構成によれば、動作部200における回転軸220と反力吸収部300との間に働く力は、固定部400に影響せずに回転軸220とこれを軸受けしている反力吸収部300の角加速度に置き換わるため、固定部400の振動を抑制することができる。更に、ガルバノスキャナ100を含む装置にあっては、固定部400が装置の機械構造体に固定されることとなるが、固定部400の振動が防止されることでこの機械構造体への振動伝達も効果的に抑制することができる。
【0018】
また、上述の通り、実施形態に係るガルバノスキャナ100は、回転軸220の回転角度を、これを軸受けしている反力吸収部300ではなく固定部400に対して検出するように構成されるため、2度の軸受を介する構成であってもスキャンミラー210を所望の角度に制御することができるという効果を奏する。
【0019】
そして、ガルバノスキャナ100を含む装置の一例として、レーザ光を所望の位置に照射しこれにより材料粉体を焼結させて複数の焼結層を成すことにより所望の造形物を造形する積層造形装置を実施することができる。
【0020】
また、上述の積層造形装置を実施するにあたり、ガルバノスキャナ100に代えて回転軸とこれを回転可能に支持する固定部とから成る一般的なガルバノスキャナを用いてもよい。ただし、ガルバノスキャナを設置する積層造形装置の機械構造体が、当該ガルバノスキャナの固定部を回転可能に支持する構成を要する。また、機械構造体に対する回転軸の回転角度を検出可能に構成されることに留意されたい。もちろん積層造形装置に限るものではなく、例えばレーザ加工装置、レーザ計測装置、画像表示装置、画像撮像システム等を実施する場合にも同様である。
【0021】
本発明の実施形態やその変形例を説明したが、これらは、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0022】
100 :ガルバノスキャナ
200 :動作部
210 :スキャンミラー
220 :回転軸
230 :磁石
240 :ミラーマウント
250 :マウント押さえ具
260 :留め具
300 :反力吸収部
310 :内側筐体
311 :内部スペース
320 :コイル
330 :鉄芯
350 :内側摺動部材
360 :内側摺動部材
400 :固定部
410 :外側筐体
411 :内部スペース
450 :外側摺動部材
460 :外側摺動部材
500 :角度検出器
510 :円盤
520 :検出器