特許第6374940号(P6374940)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6374940ガスタービンエンジン構成要素の音響洗浄
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374940
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】ガスタービンエンジン構成要素の音響洗浄
(51)【国際特許分類】
   F01D 25/00 20060101AFI20180806BHJP
   F02C 7/00 20060101ALI20180806BHJP
   B08B 5/02 20060101ALI20180806BHJP
   B64F 5/30 20170101ALI20180806BHJP
   B64D 27/10 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   F01D25/00 R
   F01D25/00 V
   F02C7/00 A
   F02C7/00 F
   B08B5/02 A
   B64F5/30
   B64D27/10
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2016-234616(P2016-234616)
(22)【出願日】2016年12月2日
(65)【公開番号】特開2017-115865(P2017-115865A)
(43)【公開日】2017年6月29日
【審査請求日】2017年2月13日
(31)【優先権主張番号】14/970,688
(32)【優先日】2015年12月16日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390041542
【氏名又は名称】ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ
(74)【代理人】
【識別番号】100137545
【弁理士】
【氏名又は名称】荒川 聡志
(74)【代理人】
【識別番号】100105588
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 博
(74)【代理人】
【識別番号】100129779
【弁理士】
【氏名又は名称】黒川 俊久
(74)【代理人】
【識別番号】100113974
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 拓人
(72)【発明者】
【氏名】ピーター・アンドリュー・フリン
(72)【発明者】
【氏名】ブレント・ナウロース
【審査官】 高吉 統久
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−189735(JP,A)
【文献】 英国特許出願公開第02498618(GB,A)
【文献】 特開平05−149903(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/116403(WO,A1)
【文献】 米国特許第6766813(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 5/02
B08B 7/02
B64D 27/10
B64F 5/30
F01D 25/00
F02C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスタービンエンジン(10)の構成要素を洗浄する方法であって、
ガスタービンエンジン(10)の構成要素の洗浄場所(89)であって、汚染物質が蓄積されていることを特徴とする洗浄場所(89)に音響エミッタ(84)を配置することと、
センサ(98、99)によって、洗浄場所(89)の放射率を測定し、放射率を、汚染物質を消散させるように構成された周波数と関連づけることにより、所定の周波数を決定すること、
汚染物質を消散させるために、音響エミッタ(84)を介して、所定の周波数の1以上の音響波(88)を構成要素の洗浄場所(89)に向けて放射することと、
を含み、
測定された放射率が高くなると、所定の周波数が低くなる、
方法。
【請求項2】
ガスタービンエンジン(10)の入口(20、52、64)、ポート(82)、又は構成要素の冷却通路のうち、少なくとも1つ内に音響エミッタ(84)を挿入することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
音響波(88)を照射した後、音響エミッタ(84)によって、洗浄場所(89)をすすぐことをさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
所定の周波数の1以上の音響波(88)を構成要素の洗浄場所(89)に向けて放射することが、構成要素の洗浄場所(89)に向けて音響波(88)を移動させるために、放射中にガスタービンエンジン(10)内に空気流を提供することを含む、請求項1から3のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
所定の周波数が、約2ヘルツ(Hz)〜約1500ヘルツ(Hz)の範囲である、請求項1から4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
ガスタービンエンジン(10)が、航空機の航空機エンジンであることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
航空機エンジンが、航空機の翼上に設置されている、請求項に記載の方法。
【請求項8】
ガスタービンエンジン(10)の1以上の構成要素が、ガスタービンエンジン(10)の圧縮機(24)、高圧タービン(28)、低圧タービン(32)、燃焼器(26)、燃焼室(62)、燃料ノズル(80)、1以上のタービンブレード、1以上の圧縮機ブレード(25)、燃焼器ライナ、流路壁、タービンノズル又はベーン、圧縮機ベーン、ブースタ(22)、タービンシュラウド、又はケーシングのうち、少なくとも1つを含む、請求項1から7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
ガスタービンエンジン(10)の1以上の構成要素を洗浄するシステムであって、
ガスタービンエンジン(10)の、汚染物質が表面に蓄積されている1以上の構成要素を洗浄するための1以上の音響波(88)を発生させる音響エミッタ(84)と、
音響エミッタ(84)に接続され、音響エミッタ(84)の周波数を制御するように構成されたコントローラ(93)と、
コントローラ(93)に通信可能に接続された1以上の放射率センサであって、1以上の構成要素の表面の放射率を検出するように構成された放射率センサと、
を備え、
音響エミッタ(84)が、汚染物質を消散させるために、所定の周波数の1以上の音響波(88)を1以上の構成要素に堆積された汚染物質に向けて導くように構成されており、
放射率が、表面に汚染物質が存在することを示し、コントローラ(93)が、放射率を、汚染物質を消散させるように構成された周波数と関連づけるように構成されており、
検出された放射率が高くなると、所定の周波数が低くなる、
システム(83)。
【請求項10】
音響エミッタ(84)が、ガスタービンエンジン(10)の入口(20、52、64)
、ガスタービンエンジン(10)のポート(82)、又はガスタービンエンジン(10)の構成要素の冷却通路のうち、少なくとも1つ内に適合するように構成されている、請求項に記載のシステム(83)。
【請求項11】
ガスタービンエンジン(10)の1以上の構成要素を洗浄する携帯型装置であって、
所定の周波数の1以上の音響波(88)を、ガスタービンエンジン(10)の1以上の構成要素の洗浄場所(89)であって、汚染物質が蓄積されていることを特徴とする洗浄場所(89)に向けて導くように構成された音響エミッタ(84)管と、
1以上の構成要素の表面の放射率を検出するように構成された放射率センサと、
音響エミッタ(84)管の遠位端部に配置され、洗浄場所(89)の近くに、音響エミッタ(84)管を位置づけるように構成された関節接合ガイドと、
関節接合ガイドを制御する制御部と、
ユーザが、音響エミッタ(84)管を位置づけるのを補助するように構成されたハンドルと、
を備え、
検出された放射率が高くなると、所定の周波数が低くなる、
携帯型装置。
【請求項12】
音響エミッタ(84)管が、洗浄場所(89)に洗浄液を送達するように、さらに構成されている、請求項11に記載の携帯型装置。
【請求項13】
制御部が、洗浄場所(89)をユーザに表示するように構成されたユーザインタフェースを備える、請求項11または12に記載の携帯型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願の主題は、一般にガスタービンエンジンに関し、より詳細には、機体搭載状態のガスタービンエンジンの音響洗浄に関する。
【背景技術】
【0002】
ガスタービンエンジンは、一般的に、直列の流れの順に、圧縮機部分、燃焼器部分、タービン部分、及び排気部分を含む。運転中は、空気が圧縮機部分の入口に入り、圧縮機部分では、空気が燃焼器部分に達するまで、1以上の軸流圧縮機又は遠心圧縮機が空気を進行的に圧縮する。燃料は、圧縮空気と混合され、燃焼部分内で燃焼され、燃焼ガスを提供する。燃焼ガスは、タービン部分内に画成された高温ガス流路を通って燃焼部分から送られ、その後、タービン部分から排気部分を介して排出される。
【0003】
具体的構成では、タービン部分は、直列の流れの順に、高圧(HP)タービン及び低圧(LP)タービンを含む。HPタービン及びLPタービンの各々は、タービンロータブレード、ロータディスク、及びリテーナ等の様々な回転タービン構成要素、並びにステータベーン又はノズル、タービンシュラウド、及びエンジンフレーム等の様々な固定タービン構成要素を含んでいる。回転及び固定タービン構成要素は、少なくとも部分的に、タービン部分を通る高温ガス通路を画成する。高温ガス通路を通る燃焼ガス流として、熱エネルギーが、燃焼ガスから回転及び固定タービン構成要素に移送される。
【0004】
運転中、環境粒子がエンジン構成要素上に堆積する。このような堆積は、構成要素の冷却効果の低下、及び/又は金属との腐食反応、及び/又はエンジン構成要素コーティング、並びに航空機エンジン構成要素の汚損や劣化につながる可能性がある。したがって、粒子又は汚染物質の蓄積は、早期の損傷及び/又はエンジン寿命の低減につながる可能性がある。また、かなり堆積すると、エンジンを航空機の翼から除去しなければならなくなる場合があり、これは時間がかかり、高価なものとなり得る。
【0005】
したがって、ガスタービンエンジンの機体搭載状態の洗浄は、整備工場レベルの洗浄と比較して重要な価値命題となっている。したがって、本開示は、上述の問題に対処する音響洗浄を対象とする。より具体的には、本開示は、ガスタービン構成要素の機体搭載状態の洗浄に特に有用な、ガスタービン構成要素を音響洗浄するシステム及び方法を対象とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許出願2015/0083169号明細書
【発明の概要】
【0007】
本発明の態様及び利点は、以下の説明において部分的に述べられ、又は当該説明から明らかであり、又は本発明の実施により学ぶことができる。
【0008】
一態様において、本開示は、ガスタービンエンジンの構成要素を洗浄する方法を対象とする。この方法は、ガスタービンエンジンの構成要素の洗浄場所に音響エミッタを配置することを含む。例えば、洗浄場所は、汚染物質が蓄積されていることを特徴とする。したがって、この方法は、汚染物質を消散させるために、音響エミッタを介して、所定の周波数の1以上の音響波を構成要素の洗浄場所に向けて放射することを含む。
【0009】
別の態様では、本開示は、ガスタービンエンジンの1以上の構成要素を洗浄するためのシステムを対象とする。このシステムは、1以上の音響波を、ガスタービンエンジンの、1以上の構成要素に向けて発生させる音響エミッタと、音響エミッタに通信可能に接続されたコントローラとを備える。より具体的には、構成要素は、通常、その1以上の表面に堆積された汚染物質の蓄積を有している。したがって、音響エミッタは、汚染物質を消散させるために、所定の周波数の1以上の音響波を、1以上の構成要素に蓄積された汚染物質に向けて導くように構成されている。システムは、本明細書に記載されている、任意の追加の特徴を含むことができることも理解されたい。
【0010】
さらに別の態様において、本開示は、ガスタービンエンジンの1以上の構成要素を洗浄する携帯型音響エミッタ装置を対象とする。この携帯型音響エミッタ装置は、1以上の音響波を、ガスタービンエンジンの1以上の構成要素の洗浄場所に向けて導くように構成された音響エミッタ管を備えている。上述のように、洗浄場所は、通常、汚染物質が蓄積されていることを特徴とする。この携帯型音響エミッタ装置は、音響エミッタ管の遠位端部に配置され、洗浄場所の近くに音響エミッタ管を位置づけるように構成された関節接合ガイドをさらに備えている。また、携帯型音響エミッタ装置は、関節接合ガイドを制御する制御部を備えている。この携帯型音響エミッタ装置は、ユーザが音響エミッタ管を位置づけるのを補助するように構成されたハンドルをさらに備えていてもよい。この装置は、本明細書で説明するような、付加的な特徴の内、任意のものを備えることができることも理解されたい。
【0011】
本発明の、これら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び添付の特許請求の範囲を参照することによってより良く理解されるであろう。添付の図面は、本明細書に組み込まれて、本明細書の一部を構成し、本発明の実施形態を例示し、説明と共に本発明の原理を説明するのに役立つ。
【0012】
最良の態様を含み、当業者に向けられる、本発明の、完全で、本発明を実行可能にする開示は、本明細書に記載されているが、本明細書は、以下の添付の図面を参照している。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本開示に係るガスタービンエンジンの一実施形態の概略断面図である。
図2】本開示に係る1以上のガスタービンエンジン構成要素の音響洗浄用に構成されたシステムの一実施形態の概略図である。
図3】本開示に係るガスタービンエンジンの1以上の構成要素を音響洗浄する方法の一実施形態のフロー図である。
図4】本開示に係る音響エミッタのガスタービンエンジンコントローラ又は制御部に備えることができる適切な構成要素の一実施形態のブロック図である。
図5】ガスタービンエンジンの圧縮機の一実施形態の部分断面図であり、本開示に係る圧縮機のポートに挿入されている音響エミッタの音響エミッタ管を特に示す図である。
図6図5の一部の詳細図であり、本開示に係るガスタービンエンジン構成要素の洗浄場所に向けて音響波を放射する音響エミッタ管の遠位端部にある関節接合ガイドを特に示す。
図7図5の一部の詳細図であり、特に本開示に係るガスタービンエンジン構成要素の洗浄場所に向けて洗浄液を放射する音響エミッタ管の遠位端部にある関節接合ガイドを特に示す。
図8】本開示に係る、周波数(x軸)対放射率(y軸)の一実施形態のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
ここで、本発明の実施形態を詳細に参照するが、実施形態の1以上の例が図示されている。各例は、本発明を限定するものではなく、例示として提供される。実際には、本発明の範囲又は趣旨から逸脱することなく、本発明に様々な修正及び変更が可能であることは、当業者には明らかであろう。例えば、一実施形態の一部分として図示又は説明される特徴を別の実施形態と共に用いると、さらに別の実施形態を得ることができる。本発明は、添付の特許請求の範囲及びその均等物の範囲内に入るような修正形態及び変更形態を含むことが意図されている。
【0015】
本明細書では、「第1」、「第2」、「第3」の用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別するために、交換可能に使用することができ、個々の構成要素の位置又は重要性を意味するものではない。
【0016】
「上流」や「下流」の用語は、流体通路内の流体の流れに対する相対的な方向を示している。例えば、「上流」は、流体が流れる源となる方向を指し、「下流」は、流体が流れる先となる方向を指す。
【0017】
「近位」及び「遠位」という位置に関する用語は、音響エミッタの様々な構成要素を互いに対して、またガスタービンエンジンに対して方向付けるために本明細書で使用されている。「遠位」とは、ガスタービンエンジンに最も近い方向を指すのに対し、「近位」は、反対の方向を指す。
【0018】
一般に、本開示は、音響技術を用いてガスタービンエンジン構成要素を洗浄するシステム及び方法を対象とする。より具体的には、一実施形態では、方法は、ガスタービンエンジンの構成要素の洗浄場所の近くに音響エミッタを配置することを含んでもよい。例えば、構成要素の洗浄場所は、構成要素の表面に汚染物質が蓄積されていることを特徴とする。したがって、方法は、汚染物質を消散させるために、音響エミッタによって、所定の周波数の音響波を構成要素の洗浄場所に向けて放射することを含む。本明細書において用いられる場合、用語「汚染物質」は、一般に、構成要素の機能性を低下させるように表面に、汚損や異物の付着を引き起こし得る任意の材料又は粒子を包含する。例示的な汚染物質は、ごみ、ほこり、泥、粒子等を含んでもよいが、これらに限定されるものではない。
【0019】
本開示は、従来技術に存在しない様々な利点を提供する。例えば、本開示によるガスタービンエンジンは、機体搭載状態で、本来の場所で、及び/又はオフサイトで洗浄することができる。さらに、本開示の音響洗浄方法は、冷却通路及び/又はガスタービンエンジン構成要素の外面における粒子状堆積物の機械的除去及び化学的除去を同時に提供する。さらに、本開示の方法は、洗浄効果を向上させ、エンジン時間飛行耐久性に重大な影響を及ぼす。
【0020】
図面を参照すると、図1が、本開示に係るガスタービンエンジン10(高バイパス式)の一実施形態の概略断面図を示す。より具体的には、ガスタービンエンジン10は、例として航空機エンジンを含んでいてもよい。図示されているように、ガスタービンエンジン10は、参考のために、ガスタービンエンジン10を貫通する軸方向長手方向中心軸線12を有している。さらに、図示されるように、ガスタービンエンジン10は、符号14で特定されるコアガスタービンエンジン、及びコアガスタービンエンジン14の上流に配置されたファン部分16を備えることが好ましい。コアエンジン14は、通常、環状入口20を画成する略管状の外側ケーシング18を備える。外側ケーシング18は、また、コアエンジン14に流入する空気の圧力を第1圧力レベルまで上昇させるブースタ22を収容し、支持する。高圧多段軸流圧縮機24は、ブースタ22から加圧空気を受け、さらに空気の圧力を上昇させる。圧縮機24は、タービンエンジン10内の空気を導き、圧縮する機能を有する、回転ブレード25、及び固定ベーン27(図5及び図7)を備える。加圧空気は燃焼器26に流れ、燃焼器26において、燃料が加圧空気ストリーム内に噴射され、着火されて、加圧空気の温度及びエネルギーレベルを上昇させる。高圧圧縮機24を駆動するために、高エネルギー燃焼生成物は、第1(高圧)駆動シャフト30を介して、燃焼器26から第1(高圧)タービン28に流れ、その後、ブースタ22及びファン部分16を駆動するために、第1駆動シャフト30と同軸の第2(低圧)駆動シャフト34を介して、第2(低圧)タービン32に流れる。タービン28、32の各々を駆動した後に、燃焼生成物は、排気ノズル36を介してコアエンジン14から出て、エンジン10のジェット推進スラストの少なくとも一部を提供する。
【0021】
ファン部分16は、環状のファンケーシング40によって囲まれた回転可能な軸流ファンロータ38を備える。ファンケーシング40は、複数の、実質的に半径方向に延在し、円周方向に間隔を置いて設けられた出口案内ベーン42によって、コアエンジン14から支持されていることが理解されよう。このようにして、ファンケーシング40は、ファンロータ38及びファンロータブレード44を収容している。ファンケーシング40の下流側部分46は、コアエンジン14の外側部分上に延在して、二次的な、すなわちバイパス用の空気流導管48を形成する。空気流導管48は、付加的なジェット推進スラストをもたらす。
【0022】
流れの観点からは、矢印50によって表された初期空気流は、入口52を通ってガスタービンエンジン10に入り、ファンケーシング40に到ることが理解されるであろう。気流は、ファンロータブレード44を通り、空気流導管48を通って移動する第1空気流(矢印54で表す)と、ブースタ22に入る第2空気流(矢印56で表す)とに分離する。
【0023】
第2圧縮空気流56の圧力が上昇し、矢印58によって表されるように高圧圧縮機24に入る。燃料と混合され、燃焼器26で燃焼した後、燃焼生成物60は、燃焼器26を出て、第1タービン28を通って流れる。その後、燃焼生成物60は、第2タービン32を通って流れ、排気ノズル36を出て、ガスタービンエンジン10の推力の少なくとも一部分を提供する。
【0024】
さらに図1を参照すると、燃焼器26は、長手方向中心軸線12と同軸である環状燃焼室62、並びに入口64及び出口66を備える。上述のように、燃焼器26は、高圧圧縮機排出口69から加圧空気の環状ストリームを受ける。この圧縮機吐出空気の一部は、ミキサ(不図示)に流入する。燃料は、燃料ノズル80から噴射されて空気と混合され、燃焼のために燃焼室62に供給される燃料空気混合気を形成する。燃料空気混合気の点火は適切な点火器によって行われ、結果として生じる燃焼ガス60は、環状の第1段タービンノズル72に向かって軸方向に流れ、第1段タービンノズル72に流れ込む。ノズル72は、環状流路によって画成される。環状流路は、複数の、半径方向に延在し、円周方向に間隔を置いて設けられたノズルベーン74を備える。ノズルベーン74は、ガスが角ばって流れ、第1タービン28の第1段タービンブレードに衝突するようにガスを回す。図1に示すように、第1タービン28は、第1駆動シャフト30を介して高圧圧縮機24を回転させることが好ましく、低圧タービン32は、第2駆動シャフト34を介してブースタ22及びファンロータ38を駆動することが好ましい。
【0025】
燃焼室62は、エンジンの外側ケーシング18内に収容され、燃料は1以上の燃料ノズル80によって燃焼室62内に供給される。より具体的には、液体燃料は、燃料ノズル80のステム内の1以上の通路又は導管を通って移送される。
【0026】
ガスタービンエンジン10の運転中、汚染物質はエンジン構成要素上に堆積される。このような堆積は、構成要素の冷却効率の低下、及び/又は金属との腐食反応、及び/又はエンジン構成要素コーティング、並びに航空機エンジン構成要素の汚損や劣化につながる可能性がある。したがって、本開示は、例えば図1で説明した構成要素等の、ガスタービンエンジン構成要素の音響洗浄のためのシステム83(図2)及び方法100(図3)を対象とする。例えば、特定の実施形態では、ガスタービンエンジン10の構成要素は、本明細書で説明するようなエンジン10の任意の構成要素を備えてもよい。任意の構成要素は、例えば、圧縮機24、高圧タービン28、低圧タービン32、燃焼器26、燃焼室62、第1以上のノズル72、80、1以上のタービンブレード又はベーン43、1以上の圧縮機ブレード25又は圧縮機ベーン27、流路壁、ブースタ22、タービンシュラウド、ガスタービンエンジン10の外側ケーシング18等を含むがこれらに限られない。より具体的には、本システム83(図2)により洗浄されるタービン構成要素は、一般に、その1以上の表面上に蓄積された汚染物質の蓄積を有し、そのうちの一部は、アクセスが困難であり得る。このように、本開示の洗浄システム及び洗浄方法は、航空機の翼上に設置された航空機エンジンを洗浄するために特に有用である。
【0027】
特に図2を参照すると、本開示による、ガスタービンエンジン10の1以上の構成要素を洗浄するためのシステム83の一実施形態の概略図が示されている。図示されているように、システム83は、1以上の音響波88(図6)を発生させる携帯型音響エミッタ84と、音響エミッタ84に通信可能に接続されたコントローラ93とを備える。より具体的には、一実施形態では、音響エミッタ84は、ガスタービンコントローラ93に通信可能に接続された別のローカル制御部87を備えてもよい。或いは、制御部87は、エンジンコントローラ93と一体であってもよい。さらなる実施形態では、音響エミッタ84は、エンジンコントローラ93によって直接制御されてもよい。さらに、図示したように、音響エミッタ84は、音響波88をガスタービンエンジン10の構成要素の洗浄場所89(図6及び図7)に向けるように構成された音響エミッタ管85を備える。例えば、音響エミッタ管85は、エンジン10の入口(例えば、環状入口20、52、又は64)、エンジン10の1以上のポート82(図5)、及び/又は、エンジン10の構成要素の1以上の冷却通路に、音響エミッタ管85を容易に挿入できるような直径及び/又は長さを有している。より具体的には、図5に示すように、音響エミッタ管85は、エンジン10のポートに挿入されるものとして例示される。
【0028】
さらに、ローカル制御部87は、エミッタ84の様々な特徴及び/又は動作モードを制御するように構成されている。例えば、図2に示すように、音響エミッタ84は、音響エミッタ管85をエンジン構成要素の洗浄場所89の近くに位置づけるために、音響エミッタ管85の遠位端部に配置された関節接合ガイド86を有していてもよい。より具体的には、制御部87は、目標とする洗浄場所89の近傍に選択的にガイド86を位置づけることができるように、関節接合ガイド86を制御するように構成されていてもよい。したがって、ガイド86は、汚染物質を消散させるために、所定周波数の音響波88を洗浄場所89に向けるように構成されている。さらなる実施形態では、例えば図2に示すように、音響エミッタ84は、複数の関節接合ガイド86を備えてもよい。
【0029】
特定の実施形態では、制御部87は、洗浄場所89の表示をユーザに提供する、ユーザインタフェース91及びオプションのキーパッドを備えてもよい。ユーザは、洗浄の現場で音響波88を放射する際の音響エミッタ管85を見ることができる。したがって、ユーザは、必要に応じて洗浄場所89を変更又は調節するために、関節接合ガイド86を調節する(図6の点線で示すように)ためにキーパッドを使用することができる。さらなる実施形態では、音響エミッタ84は、ユーザが音響エミッタ管85をエンジン構成要素の近傍に位置づけるのを補助するように構成されたハンドルをさらに備えてもよい。
【0030】
特に図4を参照すると、本開示によるコントローラ93及び/又は制御部87に備えてもよい好適な構成要素の一実施形態のブロック図が示されている。図示されているように、コントローラ93は、様々なコンピュータ実装された機能(例えば、本明細書に開示したような方法、ステップ、計算等の実行、及び関連するデータの格納)を実行するように構成された1以上のプロセッサ94及び関連づけられた記憶装置95を備えてもよい。また、コントローラ93は、コントローラ93と、ガスタービンエンジン10の様々な構成要素、又は制御部87との間の通信を容易にするための通信モジュール96を、さらに備えることができる。さらに、通信モジュール96は、1以上のセンサ98、99から送信された信号を、プロセッサ94が理解及び処理することができる信号に変換することを可能にするセンサインタフェース97(例えば、1以上のアナログ/デジタル変換器)を備えることができる。センサ98、99は、任意の適切な手段を用いて通信モジュール96に通信接続することができることを理解されたい。例えば、図4に示すように、センサ98、99は、有線接続を介してセンサインタフェース97に接続される。しかし、他の実施形態では、センサ98、99は、当技術分野で知られている任意の適切な無線通信プロトコルを用いること等によって、無線接続を介してセンサインタフェース97に接続することができる。したがって、プロセッサ94は、センサ98、99から1以上の信号を受信するように構成することができる。
【0031】
センサ98、99は、任意の適切なセンサを含むことができることを理解されたい。例えば、一実施形態では、システム83は、コントローラ93及び/又は制御部87に通信可能に接続された1以上の放射率センサを備えてもよい。より具体的には、放射率センサ(例えば、センサ98、99)は、1以上の構成要素の表面の放射率を検出するように構成することができる。測定された放射率は、表面にある汚染物質の量の指標を与えるように構成されている。したがって、制御部87(又はコントローラ93)は、放射率を、汚染物質を消散させるように構成された周波数と関連づけるように構成されていてもよい。これは、図8を参照してより詳細に説明される。
【0032】
本明細書で用いる場合、「プロセッサ」という用語は、当技術分野においては、コンピュータに含まれていると言われる集積回路だけでなく、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロコンピュータ、プログラマブル論理コントローラ(PLC)、特定用途向け集積回路、及びその他のプログラム可能な回路を指す。また、記憶装置95は、一般にメモリ素子を備え、メモリ素子は、コンピュータ可読媒体(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))、コンピュータ可読不揮発性媒体(例えば、フラッシュメモリ)、クラウドストレージ、フロッピーディスク、コンパクトディスク読み出し専用メモリ(CD−ROM)、光磁気ディスク(MOD)、DVD(Digital Versatile Disc)及び/又は他の適切なメモリ素子からなるメモリ素子を含むことができるが、これらに限定されない。このような記憶装置95は、一般に、適切なコンピュータ可読命令を記憶するように構成されており、コンピュータ可読命令は、プロセッサ94によって実行されると、エンジン及び/又は音協エミッタ84を制御することを含む様々な機能を実行するコントローラ93(又は制御部87)を構成する。
【0033】
ここで図3を参照すると、ガスタービンエンジン(例えば図1に示すガスタービンエンジン10のような)の1以上の構成要素を、機体搭載状態で洗浄する方法100の一実施形態のフロー図が示されている。102で示すように、方102で示すように、方法100は、ガスタービンエンジン10の構成要素の洗浄場所89に(図5〜7)、又はガスタービンエンジン10の構成要素の表面の近くに、音響エミッタ84(図3)を配置することを含む。洗浄場所89は、任意の適切な表面、通路、又は類似する任意のガスタービン構成要素のであってもよく、通常、構成要素に汚染物質が蓄積されていることを特徴とする。例えば図5〜7に示すように、構成要素は、圧縮機24、及び洗浄場所89を含み、洗浄場所89は、回転圧縮機ブレード25と固定ベーン27との間の領域に対応している。こうして、図示するように、エンジン10の構成要素の洗浄場所89に音響エミッタ84を配置するステップは、音響エミッタ84の音響エミッタ管85をエンジン10の入口(例えば環状入口20、52、64)エンジン10の1以上のポート82、及び/又はエンジン10の構成要素の1以上の冷却通路内に挿入することを含んでもよい。したがって、方法100は、アクセスが困難な内部エンジン構成要素を洗浄するのに特に有用である。
【0034】
さらに、図2に示すように、方法100は、汚染物質を消散させるために、音響エミッタ84を介して、所定の周波数の1以上の音響波88を構成要素の洗浄場所89に向けて放射することをさらに含む。いくつかの実施形態では、所定の周波数は、約2ヘルツ(Hz)〜約1500Hz、より好ましくは約2Hz〜約800Hzの範囲とすることができる。より具体的には、いくつかの実施形態では、所定の周波数の1以上の音響波88を構成要素の洗浄場所89に向けて放射するステップは、構成要素の洗浄場所89に向けて音響波88を移動させるために、放射中にガスタービンエンジン10内に空気流を提供することを含んでもよい。より具体的には、方法100は、ガスタービンエンジン10の構成要素を通るように音響波88を移動させる空気流を提供するために、音響波88の放射中にエンジン10を動かすことを含んでいてもよい。代替的又は付加的に、所定の周波数の1以上の音響波88を構成要素の洗浄場所89に向けて放射するステップは、ガスタービンエンジン10の構成要素を通るように音響波88を移動させる空気流を提供するために1以上の外部圧力源を用いることを含んでもよい。例えば、いくつかの実施形態では、外部圧力源は、ファン、送風機等を含むことができる。
【0035】
汚染物質を消散させるのに十分な時間、音響波88を与えた後、方法100は、洗浄場所89をすすぐことを含んでもよい。例えば、図7に示すように、音響エミッタ管85は、洗浄液92を洗浄場所89に送達するように構成してもよい。したがって、洗浄液は、構成構成要素の表面から、消散した汚染物質をすすぐように構成されている。
【0036】
ここで図8を参照すると、方法100は、センサ(例えばセンサ98、99)によって洗浄場所89の放射率を測定し、この放射率を、汚染物質を消散させるように構成された周波数と関連づけることによって、所定の周波数を決定することをさらに含んでもよい。例えば、表1及び図8のグラフに示すように、放射率は、汚染物質を消散させるために理想的な周波数と関連づけることができる。より具体的には、表1に示すように、金属(例えば、アルミニウム、銅、銀等)は、通常、低い放射率を有するが、汚染物質と同様の組成の、石(例えばアスファルト、レンガ、石灰石、大理石、石膏等)は、高い放射率を有する。したがって、汚染物質が存在すると、エミッタ84に対して適切な周波数値に関連づけることができる、より高い放射率値を有するセンサ測定値が得られる。
【0037】
【表1】
したがって、放射率は、反射率の逆数(例えば、線106により示されるように)であるため、高い放射率値は、エンジン構成構成要素に存在する汚染物質の量が多いことを示す。したがって、汚染物質を消散させるためには、構成要素に低周波数の音響波が供給されてもよい。同様に、低い放射率値は、エンジン構成構成要素に存在する汚染物質の量が少ないことを示し、高周波音響波で処理することができる。
【0038】
本明細書は、最良の態様を含めて本発明を開示すると共に、任意の装置又はシステムを製造及び使用すること、並びに任意の組み込まれた方法を実行することを含む、本発明を実施することが、いかなる当業者にも可能となるように、例を用いている。本発明の特許可能な範囲は、特許請求の範囲によって定義され、当業者に想起される他の例を含み得る。このような他の例が、特許請求の範囲の文字通りの文言と異ならない構造要素を有する場合、又は、それらが特許請求の範囲の文字通りの文言と実質的な差異がなく、均等な構造要素を含む場合には、このような他の例は特許請求の範囲内であることを意図している。
[実施態様1]
ガスタービンエンジン(10)の構成要素を洗浄する方法であって、
ガスタービンエンジン(10)の構成要素の洗浄場所(89)であって、汚染物質が蓄積されていることを特徴とする洗浄場所(89)に音響エミッタ(84)を配置することと、
汚染物質を消散させるために、音響エミッタ(84)を介して、所定の周波数の1以上の音響波(88)を構成要素の洗浄場所(89)に向けて放射することとを含む方法。
[実施態様2]
ガスタービンエンジン(10)の入口(20、52、64)、ポート(82)、又は構成要素の冷却通路のうち、少なくとも1つ内に音響エミッタ(84)を挿入することをさらに含む実施態様1に記載の方法。
[実施態様3]
センサ(98、99)によって、洗浄場所(89)の放射率を測定し、放射率を、汚染物質を消散させるように構成された周波数と関連づけることにより、所定の周波数を決定することをさらに含む実施態様1に記載の方法。
[実施態様4]
音響波(88)を照射した後、音響エミッタ(84)によって、洗浄場所(89)をすすぐことをさらに含む実施態様1に記載の方法。
[実施態様5]
所定の周波数の1以上の音響波(88)を構成要素の洗浄場所(89)に向けて放射することが、構成要素の洗浄場所(89)に向けて音響波(88)を移動させるために、放射中にガスタービンエンジン(10)内に空気流を提供することを含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様6]
所定の周波数が、約2ヘルツ(Hz)〜約1500ヘルツ(Hz)の範囲である、実施態様1に記載の方法。
[実施態様7]
ガスタービンエンジン(10)が、航空機の航空機エンジンであることを特徴とする。実施態様1に記載の方法。
[実施態様8]
航空機エンジンが、航空機の翼上に設置されている、実施態様7に記載の方法。
[実施態様9]
ガスタービンエンジン(10)の1以上の構成要素が、ガスタービンエンジン(10)の圧縮機(24)、高圧タービン(28)、低圧タービン(32)、燃焼器(26)、燃焼室(62)、燃料ノズル(80)、1以上のタービンブレード、1以上の圧縮機ブレード(25)、燃焼器ライナ、流路壁、タービンノズル又はベーン、圧縮機ベーン、ブースタ(22)、タービンシュラウド、又はケーシングのうち、少なくとも1つを含む、実施態様1に記載の方法。
[実施態様10]
ガスタービンエンジン(10)の1以上の構成要素を洗浄するシステムであって、
ガスタービンエンジン(10)の、汚染物質が表面に蓄積されている1以上の構成要素を洗浄するための1以上の音響波(88)を発生させる音響エミッタ(84)と、
音響エミッタ(84)に接続され、音響エミッタ(84)の周波数を制御するように構成されたコントローラ(93)とを備え、
音響エミッタ(84)が、汚染物質を消散させるために、所定の周波数の1以上の音響波(88)を1以上の構成要素に堆積された汚染物質に向けて導くように構成されている、システム(83)。
[実施態様11]
音響エミッタ(84)が、ガスタービンエンジン(10)の入口(20、52、64)、ガスタービンエンジン(10)のポート(82)、又はガスタービンエンジン(10)の構成要素の冷却通路のうち、少なくとも1つ内に適合するように構成されている、実施態様10に記載のシステム(83)。
[実施態様12]
ガスタービンエンジン(10)の1以上の構成要素を通るように、音響波(88)を移動させる空気流を提供するように構成された1以上の圧力源をさらに含む実施態様11に記載のシステム(83)。
[実施態様13]
コントローラ(93)が、約2ヘルツ(Hz)と約1500Hzとの間に、音響エミッタ(84)の所定の周波数を維持するように構成される、実施態様10に記載のシステム(83)。
[実施態様14]
コントローラ(93)に通信可能に接続された1以上の放射率センサであって、1以上野構成要素の表面の放射率を検出するように構成された放射率センサをさらに備え、放射率が、表面に汚染物質が存在することを示し、コントローラ(93)が、放射率を、汚染物質を消散させるように構成された周波数と関連づけるように構成されている、実施態様13に記載のシステム(83)。
[実施態様15]
ガスタービンエンジン(10)が、航空機の航空機エンジンであり、航空機エンジンが航空機の翼上に設置されている、実施態様10記載のシステム(83)。
[実施態様16]
ガスタービンエンジン(10)の1以上の構成要素が、ガスタービンエンジン(10)の圧縮機(24)、高圧タービン(28)、低圧タービン(32)、燃焼器(26)、燃焼室(62)、燃料ノズル(80)、1以上のタービンブレード、1以上の圧縮機ブレード(25)、燃焼器ライナ、流路壁、タービンノズル又はベーン、圧縮機ベーン、ブースタ(22)、タービンシュラウド、又はケーシングのうち、少なくとも1つを含む、実施態様10記載のシステム(83)。
[実施態様17]
ガスタービンエンジン(10)の1以上の構成要素を洗浄する携帯型装置であって、
1以上の音響波(88)を、ガスタービンエンジン(10)の1以上の構成要素の洗浄場所(89)であって、汚染物質が蓄積されていることを特徴とする洗浄場所(89)に向けて導くように構成された音響エミッタ(84)管と、
音響エミッタ(84)管の遠位端部に配置され、洗浄場所(89)の近くに、音響エミッタ(84)管を位置づけるように構成された関節接合ガイドと、
関節接合ガイドを制御する制御部と、
ユーザが、音響エミッタ(84)管を位置づけるのを補助するように構成されたハンドルとを備える携帯型装置。
[実施態様18]
携帯型装置の音響エミッタ(84)管が、ガスタービンエンジン(10)の入口(20、52、64)、ガスタービンエンジン(10)のポート(82)、又はガスタービンエンジン(10)の1以上の構成要素の冷却通路のうち、少なくとも1つを介して洗浄場所(89)にアクセスするように構成されている、実施態様17に記載の携帯型装置。
[実施態様19]
音響エミッタ(84)管が、洗浄場所(89)に洗浄液を送達するように、さらに構成されている、実施態様17に記載の携帯型装置。
[実施態様20]
制御部が、洗浄場所(89)をユーザに表示するように構成されたユーザインタフェースを備える、実施態様17に記載の携帯型装置。
【符号の説明】
【0039】
10 ガスタービンエンジン
12 中心軸線
14 コアエンジン
16 ファン部分
18 外側ケーシング
20 環状入口
22 ブースタ
24 圧縮機
25 圧縮機ブレード
26 燃焼器
27 圧縮機ベーン
28 第1タービン
30 第1駆動シャフト
32 第2タービン
34 第2駆動シャフト
36 排気ノズル
38 ファンロータ
40 ファンケーシング
42 案内ベーン
43 タービンブレード/ベーン
44 ロータブレード
46 下流側部分
48 空気流導管
50 矢印
52 入口
54 矢印
56 矢印
58 矢印
60 燃焼生成物
62 燃焼室
64 入口
66 出口
68 燃料ノズル先端組立体
69 排出口
70 燃料分配器先端部
72 第1段タービンノズル
74 ノズルベーン
80 燃料ノズル
82 ポート
83 システム
84 音響エミッタ
85 音響エミッタ管
86 関節接合ガイド
87 制御部
88 音響波
89 洗浄場所/面
90 ハンドル
91 ユーザインタフェース
92 洗浄液
93 コントローラ
94 プロセッサ
95 記憶装置
96 通信モジュール
97 センサインタフェース
98 センサ
99 センサ
100 方法
102 方法ステップ
104 方法ステップ
106 グラフ上の線
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8