特許第6374945号(P6374945)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6374945限定されたHARQプロセスを伴う分散型ネットワークトポロジにおけるより多くの伝送機会を使用するための方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374945
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】限定されたHARQプロセスを伴う分散型ネットワークトポロジにおけるより多くの伝送機会を使用するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04L 1/16 20060101AFI20180806BHJP
   H04L 29/08 20060101ALI20180806BHJP
   H04W 28/04 20090101ALI20180806BHJP
   H04W 72/12 20090101ALI20180806BHJP
   H04W 16/32 20090101ALI20180806BHJP
   H04W 92/20 20090101ALI20180806BHJP
【FI】
   H04L1/16
   H04L13/00 307Z
   H04W28/04 110
   H04W72/12
   H04W16/32
   H04W92/20
【請求項の数】18
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-503006(P2016-503006)
(86)(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公表番号】特表2016-518749(P2016-518749A)
(43)【公表日】2016年6月23日
(86)【国際出願番号】US2014029188
(87)【国際公開番号】WO2014153125
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年11月9日
(31)【優先権主張番号】61/784,682
(32)【優先日】2013年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515247897
【氏名又は名称】ゼットティーイー ウィストロン テレコム エービー
(73)【特許権者】
【識別番号】515158906
【氏名又は名称】ゼットティーイー (ティーエックス) インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】スヴェドマン, パトリック
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン, ヤン
(72)【発明者】
【氏名】シーア, トールステン
(72)【発明者】
【氏名】ハジスキー, ボジダール
(72)【発明者】
【氏名】カオ, アイジュン
(72)【発明者】
【氏名】ガオ, ヨンホン
【審査官】 谷岡 佳彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−016067(JP,A)
【文献】 特表2005−536160(JP,A)
【文献】 国際公開第2010/049970(WO,A1)
【文献】 特表2013−502794(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/022751(WO,A1)
【文献】 Qualcomm Europe,Email discussion outcome for [67b#19] UMTS: DC-HSUPA in 25.321[online], 3GPP TSG-RAN WG2♯68 R2-096840,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_68/Docs/R2-096840.zip>,2009年11月,p.159-165
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 1/16
H04L 29/08
H04W 16/32
H04W 28/04
H04W 72/12
H04W 92/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データをユーザ機器(UE)に伝送するシステムであって、前記システムは、
前記UEに割り当てられた複数の伝送プロセスから選択される第1の伝送プロセスを使用して、第1のデータユニットを前記UEに伝送するように構成されているダウンリンク伝送機と、
前記UEによる前記第1のデータユニットの受信成功または受信失敗のいずれかを示すステータス信号を受信するように構成されているアップリンク受信機と、
前記ダウンリンク伝送機および前記アップリンク受信機に通信可能に結合されているダウンリンクスケジューラと
を備え、
前記ダウンリンクスケジューラは、前記アップリンク受信機から前記ステータス信号を受信するように構成されており、前記ダウンリンクスケジューラは、前記UEへの第2のデータユニットの伝送をスケジューリングし、前記ステータス信号を受信する前に、対応するスケジューリング決定を前記ダウンリンク伝送機に伝送するようにさらに構成されており、前記第2のデータユニットは、前記第1のデータユニットに含まれているデータとは異なるデータを含み、前記ダウンリンク伝送機は、前記スケジューリング決定を受信すると、前記UEに割り当てられた前記複数の伝送プロセスから選択される第2の伝送プロセスを使用して、前記第2のデータユニットを前記UEに伝送し、前記第2の伝送プロセスは、利用可能な他の伝送プロセスがない場合、データユニットを伝送するために既に使用されたが前記UEによる前記データユニットの受信成功を示すステータス信号が前記ダウンリンクスケジューラによってまだ受信されていない伝送プロセスであるように選択され、前記選択された伝送プロセスを使用して前記データユニットを再伝送する最大数は、まだ到達されておらず、
前記UEに割り当てられた前記複数の伝送プロセスから利用可能な他のHARQプロセスがない場合、前記第2の伝送プロセスは、各データユニットの前記UEへの送達が成功することを要求しないより高い層のデータトラフィックを伝送するために以前に使用されたハイブリッド自動反復要求(HARQ)プロセスであるように選択される、システム。
【請求項2】
前記第1の伝送プロセスは、第1のハイブリッド自動反復要求(HARQ)プロセスを含み、前記第2の伝送プロセスは、第2のHARQプロセスを含み、前記第2のHARQプロセスは、前記UEが前記第2のデータユニットを受信する場合、前記第1のデータユニットのデコーディングと干渉することを回避するように選択される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ダウンリンクスケジューラは、
前記UEへの新しい伝送をスケジューリングする時間において、いずれかの伝送プロセスが、前記第2のデータユニットを伝送するために利用可能であるかどうかを判定することと、
伝送プロセスがスケジューリングのために利用可能である場合、前記利用可能な伝送プロセスを前記第2の伝送プロセスとして選択することと、
前記第2のデータユニットを伝送するために利用可能な伝送プロセスがない場合、データユニットを伝送するために既に使用されたが前記UEによる前記データユニットの受信成功を示すステータス信号が前記ダウンリンクスケジューラによってまだ受信されていない伝送プロセスを前記第2の伝送プロセスとして選択することであって、前記選択された伝送プロセスを使用して前記データユニットを再伝送する最大数は、まだ到達されていない、ことと、
前記選択された第2の伝送プロセスを使用して前記第2のデータユニットの伝送をスケジューリングすることと
を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記ダウンリンクスケジューラは、
前記ステータス信号を受信すると、前記UEによる前記第1のデータユニットの受信が成功したかどうかを判定することと、
前記第1のデータユニットの受信が成功した場合、前記第1のデータユニットの伝送以降にいずれかの他のデータユニットが前記第1の伝送プロセスを使用して伝送されたかどうかを判定することであって、
前記第1のデータユニットの伝送以降に前記第1の伝送プロセスを使用して伝送された他のデータユニットがない場合、前記第1の伝送プロセスを利用可能であるとしてマークし、
前記第1のデータユニットの伝送以降に別のデータユニットが前記第1の伝送プロセスを使用して伝送された場合、前記第1の伝送プロセスを利用できないとしてマークする、ことと、
前記第1のデータユニットの受信が失敗した場合、前記第1のデータユニットの伝送以降にいずれかの他のデータユニットが前記第1の伝送プロセスを使用して伝送されたかどうかを判定することであって、
前記第1のデータユニットの伝送以降に前記第1の伝送プロセスを使用して伝送された他のデータユニットがない場合、前記第1の伝送プロセスを使用して前記第1のデータユニットを再伝送し、それによって、前記UEによる前記第1のデータユニットの前の伝送に関連して前に記憶されたデータビットとの前記再伝送された第1のデータユニットのソフトコンバイニングを可能にし、
前記第1のデータユニットの伝送以降に別のデータユニットが前記第1の伝送プロセスを使用して伝送された場合、第3の伝送プロセスを使用して前記第1のデータユニットを再伝送する、ことと
を行うようにさらに構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記第1の伝送プロセスおよび前記第3の伝送プロセスのそれぞれは、開放型システム間相互接続(OSI)媒体アクセス制御(MAC)層データトラフィックを伝送するために以前に使用されたハイブリッド自動反復要求(HARQ)プロセスを含み、前記第2の伝送プロセスは、各データユニットの前記UEへの送達が成功することを要求しないより高い層のデータトラフィックを伝送するために以前に使用されたHARQプロセスを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ダウンリンク伝送機は、第1の通信ノードに位置し、前記ダウンリンクスケジューラは、前記第1の通信ノードから遠隔的に位置する第2の通信ノードに位置する、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記アップリンク受信機は、前記第1の通信ノードおよび前記第2の通信ノードから遠隔的に位置する第3の通信ノードに位置する、請求項6に記載のシステム。
【請求項8】
データをユーザ機器(UE)に伝送する方法であって、前記方法は、
前記UEに割り当てられた複数の伝送プロセスから選択される第1の伝送プロセスを使用して、第1のデータユニットを前記UEに伝送することと、
前記UEによる前記第1のデータユニットの受信成功または受信失敗のいずれかを示すステータス信号の受信を待つことと、
前記ステータス信号を受信する前に、前記UEへの第2のデータユニットの伝送をスケジューリングすることであって、前記第2のデータユニットは、前記第1のデータユニットに含まれているデータとは異なるデータを含む、ことと、
前記UEに割り当てられた前記複数の伝送プロセスから選択される第2の伝送プロセスを使用して、前記第2のデータユニットを前記UEに伝送することと
を含み、
前記第2の伝送プロセスは、利用可能な他の伝送プロセスがない場合、データユニットを伝送するために既に使用されたが前記UEによる前記データユニットの受信成功を示すステータス信号がまだ受信されていない伝送プロセスであるように選択され、前記選択された伝送プロセスを使用して前記データユニットを再伝送する最大数は、まだ到達されておらず、
前記UEに割り当てられた前記複数の伝送プロセスから利用可能な他のHARQプロセスがない場合、前記第2の伝送プロセスは、各データユニットの送達が成功することを要求しないより高い層のデータトラフィックを伝送するために以前に使用されたHARQプロセスであるように選択される、方法。
【請求項9】
前記第1の伝送プロセスは、第1のハイブリッド自動反復要求(HARQ)プロセスを含み、前記第2の伝送プロセスは、第2のHARQプロセスを含み、前記第2のHARQプロセスは、前記UEが前記第2のデータユニットを受信する場合、前記第1のデータユニットのデコーディングと干渉することを回避するように選択される、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
新しい伝送をスケジューリングする時間において、いずれかの伝送プロセスが、前記第2のデータユニットを伝送するために利用可能であるかどうかを判定することと、
伝送プロセスがスケジューリングのために利用可能である場合、前記利用可能な伝送プロセスを前記第2の伝送プロセスとして選択することと、
前記第2のデータユニットを伝送するために利用可能な伝送プロセスがない場合、データユニットを伝送するために既に使用されたが前記UEによる前記データユニットの受信成功を示すステータス信号がまだ受信されていない伝送プロセスを前記第2の伝送プロセスとして選択することであって、前記選択された伝送プロセスを使用して前記データユニットを再伝送する最大数は、まだ到達されていない、ことと、
前記選択された第2の伝送プロセスを使用して前記第2のデータユニットの伝送をスケジューリングすることと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記ステータス信号を受信すると、前記UEによる前記第1のデータユニットの受信が成功したかどうかを判定することと、
前記第1のデータユニットの受信が成功した場合、前記第1のデータユニットの伝送以降にいずれかの他のデータユニットが前記第1の伝送プロセスを使用して伝送されたかどうかを判定することであって、
前記第1のデータユニットの伝送以降に前記第1の伝送プロセスを使用して伝送された他のデータユニットがない場合、前記第1の伝送プロセスを利用可能であるとしてマークし、
前記第1のデータユニットの伝送以降に別のデータユニットが前記第1の伝送プロセスを使用して伝送された場合、前記第1の伝送プロセスを利用できないとしてマークする、ことと、
前記第1のデータユニットの受信が失敗した場合、前記第1のデータユニットの伝送以降にいずれかの他のデータユニットが前記第1の伝送プロセスを使用して伝送されたかどうかを判定することであって、
前記第1のデータユニットの伝送以降に前記第1の伝送プロセスを使用して伝送された他のデータユニットがない場合、前記第1の伝送プロセスを使用して前記第1のデータユニットを再伝送し、それによって、前記UEによる前記第1のデータユニットの前の伝送に関連して前に記憶されたデータビットとの前記再伝送された第1のデータユニットのソフトコンバイニングを可能にし、
前記第1のデータユニットの伝送以降に別のデータユニットが前記第1の伝送プロセスを使用して伝送された場合、第3の伝送プロセスを使用して前記第1のデータユニットを再伝送する、ことと
をさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の伝送プロセスおよび前記第3の伝送プロセスのそれぞれは、開放型システム間相互接続(OSI)媒体アクセス制御(MAC)層データトラフィックを伝送するために以前に使用されたハイブリッド自動反復要求(HARQ)プロセスを含み、前記第2の伝送プロセスは、各データユニットの前記UEへの送達が成功することを要求しないより高い層のデータトラフィックを伝送するために以前に使用されたHARQプロセスを含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ステータス信号の受信を待つことは、第1の通信ノードに位置するアップリンク受信機によって、前記ステータス信号の受信を待つことと、その後、前記第1の通信ノードから遠隔的に位置する第2の通信ノードに位置するダウンリンクスケジューラによって、前記ステータス信号の受信を待つこととを含む、請求項8に記載の方法。
【請求項14】
前記第2のデータユニットの伝送をスケジューリングすることは、前記ステータス信号が前記ダウンリンクスケジューラによって受信される前に生じる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
コンピュータプログラムコードを記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体であって、前記コンピュータプログラムコードは、実行されると、データをユーザ機器(UE)に伝送する方法を行い、前記方法は、
前記UEに割り当てられた複数の伝送プロセスから選択される第1の伝送プロセスを使用して、第1のデータユニットを前記UEに伝送することと、
前記UEによる前記第1のデータユニットの受信成功または受信失敗のいずれかを示すステータス信号の受信を待つことと、
前記ステータス信号を受信する前に、前記UEへの第2のデータユニットの伝送をスケジューリングすることであって、前記第2のデータユニットは、前記第1のデータユニットに含まれているデータとは異なるデータを含む、ことと、
前記UEに割り当てられた前記複数の伝送プロセスから選択される第2の伝送プロセスを使用して、前記第2のデータユニットを前記UEに伝送することと
を含み、
前記第2の伝送プロセスは、利用可能な他の伝送プロセスがない場合、データユニットを伝送するために既に使用されたが前記UEによる前記データユニットの受信成功または受信失敗のいずれかを示すステータス信号がまだ受信されていない伝送プロセスであるように選択され、前記選択された伝送プロセスを使用して前記データユニットを再伝送する最大数は、まだ到達されておらず、
前記UEに割り当てられた前記複数の伝送プロセスから利用可能な他のHARQプロセスがない場合、前記第2の伝送プロセスは、各データユニットの送達が成功することを要求しないより高い層のデータトラフィックを伝送するために以前に使用されたHARQプロセスであるように選択される、コンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項16】
前記方法は、
新しい伝送をスケジューリングする時間において、いずれかの伝送プロセスが、前記第2のデータユニットを伝送するために利用可能であるかどうかを判定することと、
伝送プロセスがスケジューリングのために利用可能である場合、前記利用可能な伝送プロセスを前記第2の伝送プロセスとして選択することと、
前記第2のデータユニットを伝送するために利用可能な伝送プロセスがない場合、利用できない伝送プロセスを前記第2の伝送プロセスとして選択することと、
前記選択された第2の伝送プロセスを使用して前記第2のデータユニットの伝送をスケジューリングすることと
をさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項17】
前記方法は、
前記ステータス信号を受信すると、前記UEによる前記第1のデータユニットの受信が成功したかどうかを判定することと、
前記第1のデータユニットの受信が成功した場合、前記第1のデータユニットの伝送以降にいずれかの他のデータユニットが前記第1の伝送プロセスを使用して伝送されたかどうかを判定することであって、
前記第1のデータユニットの伝送以降に前記第1の伝送プロセスを使用して伝送された他のデータユニットがない場合、前記第1の伝送プロセスを利用可能であるとしてマークし、
前記第1のデータユニットの伝送以降に別のデータユニットが前記第1の伝送プロセスを使用して伝送された場合、前記第1の伝送プロセスを利用できないとしてマークする、ことと、
前記第1のデータユニットの受信が失敗した場合、前記第1のデータユニットの伝送以降にいずれかの他のデータユニットが前記第1の伝送プロセスを使用して伝送されたかどうかを判定することであって、
前記第1のデータユニットの伝送以降に前記第1の伝送プロセスを使用して伝送された他のデータユニットがない場合、前記第1の伝送プロセスを使用して前記第1のデータユニットを再伝送し、それによって、前記UEによる前記第1のデータユニットの前の伝送に関連して前に記憶されたデータビットとの前記再伝送された第1のデータユニットのソフトコンバイニングを可能にし、
前記第1のデータユニットの伝送以降に別のデータユニットが前記第1の伝送プロセスを使用して伝送された場合、第3の伝送プロセスを使用して前記第1のデータユニットを再伝送する、ことと
をさらに含む、請求項15に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【請求項18】
前記第1の伝送プロセスおよび前記第3の伝送プロセスのそれぞれは、開放型システム間相互接続(OSI)媒体アクセス制御(MAC)層データトラフィックを伝送するために以前に使用されたハイブリッド自動反復要求(HARQ)プロセスを含み、前記選択されたHARQプロセスは、各データユニットの前記UEへの送達が成功することを要求しないより高い層のデータトラフィックを伝送するために以前に使用されたHARQプロセスである、請求項17に記載のコンピュータ読み取り可能な媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願への相互参照)
本出願は、米国特許法§119(e)の下で、2013年3月14日に出願された「Method and Apparatus to Use More Transmission Opportunities in a Distributed Network Topology with HARQ Processes」という題名の仮出願第61/784,682号に対する優先権の利益を主張する。上記文献は、その全体として本明細書において参照することによって援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、セルラー通信の分野に関し、より具体的には、ネットワークコンポーネントとハイブリッド自動反復要求(HARQ)プロセスとの間にバックホール遅延を伴う、分散型ネットワークトポロジにおいてより多くの伝送機会を使用するための方法および装置に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
デジタル通信システムの性能を改善するために、再伝送プロトコルが、多くの場合、使用される。デジタル情報は、多くの場合、ブロックまたはパケットにグループ化される。データのブロックの受信の成功は、例えば、巡回冗長検査(CRC)を使用することによって、受信機によって検出されることができる。ブロックの受信の失敗は、いくつかの状況またはシステムでは、受信機によって無視されることができる。他の状況またはシステムでは、受信機は、例えば、ACK/NACKを使用して、伝送機にブロックの受信の結果を知らせ得、ACK(肯定応答)は、ブロックが正常に受信されたことを示し、NACK(否定応答)は、ブロックが正常に受信されなかったことを示す。例えば、LTE RLC(無線リンク制御)が、3つの異なるデータ伝送モード、すなわち、透過モード(TM)、非応答モード(UM)、および応答モード(AM)を提供する。AMで伝送されたRLCブロックのみが、受信RLCによって応答され、伝送RLCによって再伝送されることができ。他の2つのモードに対して、不正確に受信されたRLCブロックは、単に破棄される。
【0004】
多くのデジタル通信システムが、階層モデル(例えば、OSIモデルまたはTCP/IPモデル)に従う。階層システムでは、複数の層において、再伝送プロトコルが存在し得る。データは、「伝送機」から「受信機」に伝送されることになる。また、「受信機」と「伝送機」との間の逆方向リンクも、例えば、ACK/NACKをフィードバックするために、必要とされることに留意されたい。階層システムは、例えば、層1(L1)、層2(L2)、および層3(L3)を含む。L2とL3との両方は、再伝送プロトコルを使用する。L2受信機は、L2ブロックの受信成功/失敗時、ACK/NACKでL2伝送機に応答する。同様に、L3受信機は、L3ブロックの受信成功/失敗時、ACK/NACKでL3伝送機に応答する。必ずしも、L2ブロックとL3ブロックとの間の直接対応が存在しない、すなわち、L2ブロックが、複数のL3ブロックまたは1つのL3ブロックの一部のみを搬送することができることに留意されたい。
【0005】
本開示は、最低レベル再伝送プロトコル(例えば、L2再伝送プロトコル)が、ソフトコンバイニングを伴うハイブリッド自動反復要求(HARQ)を使用する例、ならびに他の実施例に適用される。単純性のために、かつ一般性の損失を伴わずに、本開示は、L2がソフトコンバイニングを伴うHARQプロトコルを使用する例とともに説明される。単純性のために、かつ一般性の損失を伴わずに、本開示は、再伝送プロトコルを使用するL2の上方にある次の層がL3である例とともに説明される。この選択は、LTE再伝送プロトコルに合致し、L2(MAC)は、ソフトコンバイニングを伴うHARQを使用し、L3(RLC)は、AMのデータのための再伝送を使用する。
【0006】
ソフトコンバイニングを伴うL2 HARQの実施例が、下記に説明される。
受信機L2は、L2ブロックの伝送の後、ACK/NACKで、既知の時間遅延で応答する。
a.LTE FDDダウンリンクでは、例えば、UEは、対応するトランスポートブロックの伝送の後、ACK/NACKで、4つのサブフレームで応答するはずである(PUCCHまたはPUSCH上で)。
b.LTE FDDアップリンクでは、例えば、eNodeBは、対応するL2トランスポートブロックの伝送の後、ACK/NACKで、4つのサブフレームで応答するはずである(明示的にPHICH上で、または暗示的にPDCCH上で)。
c.LTE TDDでは、例えば、対応トランスポートブロックの伝送の後のACK/NACKの時間遅延は、TDDアップリンク/ダウンリンク構成に依存する。その構成は、既知であるため、時間遅延はまた、推測されることができる。
受信機L2が、NACKで応答する(すなわち、L2ブロックが不正確に受信された)場合、受信機は、そのソフトビットメモリ内に不正確に受信されたブロックのソフトビットを維持する。
d.記憶されたソフトビットは、受信の成功の確率を改善するために、後続の再伝送と柔軟に組み合わせられることができる。
e.L2ブロックが、正確に受信される場合、メモリ内に対応するソフトビットを維持する必要性は存在しない。
複数の並行HARQプロセスが、使用される。
f.L2ブロックの伝送が、1つのHARQプロセスに接続される。
g.L2ブロックの再伝送が、ブロックの最初の伝送と同一のHARQプロセスを使用して、行われる必要がある。
h.受信機は、各HARQプロセスに対してソフトビットメモリバッファを維持する。
i.HARQプロセスでの再伝送が、受信機において、同一のHARQプロセスに対するメモリバッファ内のソフトビットと柔軟に組み合わせられる。
j.異なるHARQプロセスは、異なるHARQプロセス指数を通して、区別されることができる。
L2伝送機は、
k.それが、同一のHARQプロセスの前のL2ブロックが正確に受信されたことを把握/認識した場合、
l.再伝送の最大数が、同一のHARQプロセスの前のL2ブロックで到達した場合、
新しいL2ブロックをHARQプロセスで伝送し得る。
L2受信機は、新しいL2ブロックのソフトビットに同一のHARQプロセスの前のL2ブロックのソフトビットを上書きさせ得る。
【0007】
いくつかの例示的システムでは、複数のブロック(例えば、L2ブロック)は、同時に、伝送機から受信機に伝送されることができ、受信機は、複数の対応するACK/NACKまたはそれらの組み合わせで応答する。一実施例では、これらの複数のブロックおよび対応する複数のACK/NACK(または、それらの組み合わせ)は、同一のHARQプロセスに接続され、個々のブロックは、HARQプロセスのサブプロセスに接続されると見なされ得る。別の実施例では、これらの複数のブロックおよび対応する複数のACK/NACK(または、それらの組み合わせ)は、異なるHARQプロセスに接続される。これらの場合の両方は、本開示によって対象とされる。しかしながら、単純性および読み取りやすさのために、HARQプロセスおよび時間あたりの単一のブロックを伴う場合が、本明細書において説明される。
【0008】
バンドリングを伴ういくつかのTD−LTEダウンリンク構成等のいくつかの例示的システムでは、複数のHARQプロセスのACK/NACKが、単一のACK/NACKにバンドリングされる。これらの場合もまた、バンドリングされたACK/NACKの受信機が、個々のHARQプロセスのACK/NACKのいくつかの結論をバンドリングされたACK/NACKから引き出し、それによって、再伝送を要求または選定することも、そうしないこともできるので、本開示によって対象とされる。
【0009】
連続的な伝送ACK/NACK伝送または再伝送サイクル間に、有限量の時間が要求される。この時間の間、HARQプロセスは、これが、HARQプロセスメモリバッファ内のソフトビットを上書きする危険を招くであろうため、別の伝送のために使用されない。したがって、データブロックの連続的な伝送を可能にするために、並行して実行し得る、複数のHARQプロセスが、必要とされる。FDD LTEでは、例えば、ダウンリンクとアップリンクとの両方は、UEあたり8つのHARQプロセスを提供する。
【0010】
ベースステーションおよびUEの各々は、少なくとも1つの伝送機および少なくとも1つの受信機を含む。加えて、ベースステーションは、ダウンリンク伝送をスケジューリングするためのスケジューラを含む。現在、ダウンリンク伝送機、アップリンク受信機、およびダウンリンクスケジューラは全て、ベースステーション内に位置する。ダウンリンク受信機およびアップリンク伝送機は、UE内に位置する。現在のベースステーションアーキテクチャでは、ダウンリンク伝送機、アップリンク受信機、およびダウンリンクスケジューラは全て、1つの場所の同一場所に位置する。しかしながら、分散型ネットワークトポロジ等の新しいネットワークトポロジを対象とする傾向が存在し、そこでは、ダウンリンク伝送機は、1つの物理的な場所のノード内に位置し得、アップリンク(ACK/NACK)受信機は、別の物理的な場所の別のノード内に位置し得、スケジューラは、第3の物理的な場所の第3のノード内に位置し得、これらのノードは、非理想的バックホールと接続される。ノードが同一場所に位置しないため、アップリンク受信機のACK/NACKの受信とACK/NACKがダウンリンクスケジューリングに使用されることができる時間との間に有意なバックホール遅延がある可能性がある。同様に、ダウンリンクスケジューリングとスケジューリングに基づく実際のダウンリンク伝送との間に有意なバックホール遅延がある可能性がある。したがって、ダウンリンク伝送機は、プロセスに配分された伝送間隔にあるとき、すぐに、次のブロックを伝送するための、または前のブロックを再伝送するための準備ができていないこともある。代わりに、ダウンリンク伝送機は、伝送または再伝送を実施する前に、後続の伝送間隔まで待つ必要があり、それは、ダウンリンク伝送機からユーザ機器までのデータレートの低下をもたらすであろう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
(発明の要約)
本発明は、UEへの前の伝送のステータスが把握されていなくてもUEにデータを伝送する方法およびシステムを提供することによって、上述した問題および他のニーズに対処し、それによって、UEへの伝送のデータレートを向上させる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の一実施形態において、データをユーザ機器(UE)に伝送するシステムは、UEに割り当てられた第1の伝送プロセスを使用して、第1のデータユニットをUEに伝送するように構成されているダウンリンク伝送機と、UEによる第1のデータユニットの受信成功または受信失敗のいずれかを示すステータス信号を受信するように構成されているアップリンク受信機と、ダウンリンク伝送機およびアップリンク受信機に通信して連結されているダウンリンクスケジューラとを備え、ダウンリンクスケジューラは、アップリンク受信機からステータス信号を受信するように構成され、ダウンリンクスケジューラは、UEへの第2のデータユニットの伝送をスケジューリングし、ステータス信号を受信する前にダウンリンク伝送機に対応するスケジューリング決定を伝送するようにさらに構成され、スケジューリング決定を受信すると、ダウンリンク伝送機は、UEに割り当てられた第2の伝送プロセスを使用して、第2のデータユニットをUEに伝送する。さらなる実施形態において、データをユーザ機器(UE)に伝送する方法は、UEに割り当てられた第1の伝送プロセスを使用して、第1のデータユニットをUEに伝送することと、UEによる第1のデータユニットの受信成功または受信失敗のいずれかを示すステータス信号の受信を待つことと、ステータス信号を受信する前に、UEへの第2のデータユニットの伝送をスケジューリングすることと、UEに割り当てられた第2の伝送プロセスを使用して、第2のデータユニットをUEに伝送することとを含む。
なおさらなる実施形態において、本発明は、コンピュータプログラムコードを記憶するコンピュータ読み取り可能な媒体を提供し、コンピュータプログラムコードは、実行されると、データをユーザ機器(UE)に伝送する方法を行い、方法は、UEに割り当てられた第1の伝送プロセスを使用して、第1のデータユニットをUEに伝送することと、UEによる第1のデータユニットの受信成功または受信失敗のいずれかを示すステータス信号の受信を待つことと、ステータス信号を受信する前に、UEへの第2のデータユニットの伝送をスケジューリングすることと、UEに割り当てられた第2の伝送プロセスを使用して、第2のデータユニットをUEに伝送することとを含む。
本願明細書は、例えば、以下の項目も提供する。
(項目1)
システムであって、前記システムは、
ダウンリンク伝送機ユニットと、
ダウンリンクスケジューラユニットと、
アップリンク受信機ユニットと
を備え、
前記ユニットのうちの少なくとも1つは、前記ユニットのうちの他のユニットから物理的に別個の場所に位置し、前記ユニットのうちの少なくとも1つは、実質的遅延を伴うバックホールを経由して前記ユニットのうちの他のユニットと通信し、
前記アップリンク受信機ユニットは、肯定応答(ACK)または否定応答(NACK)の形態における、前記UEのダウンリンクハイブリッド自動反復要求(HARQ)プロセスに対応する、ユーザ機器(UE)への前のダウンリンク伝送の結果を受信し、
前記ダウンリンクスケジューラユニットは、前記バックホール遅延に起因して、前記UEのダウンリンクスケジューリングの時に、前記UEのダウンリンクHARQプロセスのそれぞれで前記前の伝送の結果(ACK/NACK)を受信せず、
前記ダウンリンクスケジューラは、HARQプロセスを使用して、前記UEへのデータのブロックの伝送をスケジューリングする、システム。
【0013】
本発明のさらなる特徴および利点ならびに本発明の種々の実施形態の構造および動作が、付随の図面を参照して下記に詳細に説明される。
【0014】
1つ以上の種々の実施形態による、本発明は、以下の図を参照して詳細に説明される。図面は、例証のみの目的のために提供され、単に、本発明の例示的実施形態を描写する。これらの図面は、本発明の読者の理解を促進するために提供され、本発明の範疇、範囲、または適用性の制限と見なされるべきではない。例証の明確および容易性のために、これらの図面は、必ずしも、縮尺通りではないことに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、分散型トポロジセルラー通信ネットワークの実施形態を例証する。
図2図2は、最小限のバックホール遅延を伴うセルラーネットワークにおける、HARQプロセスの実施形態の信号およびプロセス図である。
図3図3は、実質的バックホール遅延を伴う分散型ネットワークトポロジにおける、HARQプロセスの実施形態の信号およびプロセス図である。
図4図4は、本開示による、スケジューリングプロセスの実施形態のフローチャートである。
図5図5は、本開示による、応答プロセスの実施形態のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
(例示的な実施形態の詳細な説明)
本アプローチは、同一参照が類似要素を示す、付随の図面の図において、限定としてではなく、実施例として例証される。本開示における「ある(an)」または「一(one)」または「いくつかの(some)」実施形態という言及は、必ずしも、同一の実施形態ではなく、そのような言及は、少なくとも1つを意味することに留意されたい。
【0017】
例示的実施形態の以下の説明では、その一部を形成し、かつ本発明が実践され得る具体的実施形態の例証として示される付随の図面を参照する。他の実施形態が利用され得、構造上の変更が、本発明の好ましい実施形態の範囲から逸脱せずに行われ得ることを理解されたい。
【0018】
ここで、図面(最初に、図1)を参照すると、分散型トポロジセルラー通信ネットワークの実施形態が、数字100によって、概して、指定される。分散型トポロジネットワーク100は、大きなセル101と、少なくとも2つの小さなセル103および105とを備えている。大きなセル101は、大きなセルベースステーション107を含む。小さなセル103および105の各々は、それぞれ、小さなセルベースステーション109および111を含む。
【0019】
セル101、セル103、およびセル105は、分散型トポロジネットワーク100のノードを備えている。ベースステーション107−111は、バックホール115−119によって相互接続される。いくつかの実施形態では、ベースステーション107と109とは、バックホール115によって互に接続され、ベースステーション107とベースステーション111とは、バックホール117によって接続される。モバイル端末またはユーザ機器(UE)113が、セル101および103内に位置する。
【0020】
各ベースステーション107、109、および111は、ダウンリンク伝送機、ダウンリンクスケジューラ、およびアップリンク受信機(図1に図示せず)を含み得る。本開示の実施形態によると、UE113とのセッションのためのダウンリンク(DL)伝送機、DLスケジューラ、およびアップリンク(UL)受信機の機能は、分散型トポロジネットワーク100にわたって分散される。具体的には、ベースステーション107は、DL伝送機を提供し、ベースステーション109は、UL受信機を提供し、ベースステーション111は、DLスケジューラを提供する。ベースステーション109およびベースステーション111が同一場所に位置しないため、ベースステーション107におけるUL受信機のACK/NACKのUE113からの受信と、ACK/NACKがベースステーション111におけるDスケジューラに使用されることができる時間との間に有意なバックホール遅延がある可能性がある。同様に、ベースステーション111内のDLスケジューリングと、スケジューリングに基づくベースステーション107からの実際のDL伝送との間に有意なバックホール遅延がある可能性がある。
【0021】
いくつかの実施形態では、ダウンリンク伝送機は、例えば、共同伝送を伴う協調マルチポイント(CoMP)が使用される場合、複数の物理的な場所の複数のノード内に位置し得る。一実施形態では、これらのノードまたはそれらのサブセットが、非理想的バックホールと接続され得る。いくつかの実施形態では、アップリンク受信機は、例えば、共同受信を伴う協調マルチポイント(CoMP)が使用される場合、複数の物理的な場所の複数のノード内に位置し得る。一実施形態では、これらのノードまたはそれらのサブセットは、非理想的バックホールと接続され得る。いくつかの実施形態では、スケジューラは、複数の物理的な場所の複数のノード内に位置し得る。一実施形態では、これらのノードまたはそれらのサブセットは、非理想的バックホールと接続され得る。いくつかの実施形態では、異なるUEに対して、異なる機能は、異なるノード内に位置し得る。例えば、一方のUEへのダウンリンクは、別のUEへのダウンリンクと異なるノードから伝送され得る。
【0022】
バックホール遅延概念をより深く理解するために、図2は、DL伝送機、DLスケジューラ、およびUL受信機が全て、同一のベースステーション201内の同一場所に位置する、状況を例証する。ベースステーション201は、205に示されるように、UE203に新しいL2ブロックを伝送する。UE203は、プロセスブロック207に示されるように、ソフトビットをそのメモリバッファ内に記憶し、プロセスブロック209に示されるように、新しいL2ブロックをデコードする。デコーディングステップの結果に応じて、UE203は、211に示されるように、ベースステーション201にACK応答またはNACK応答のいずれかを返送する。ベースステーション201のDLスケジューラは、プロセスブロック213に示されるように、それがACKを受信したか、NACKを受信したかに基づいて、前のL2ブロックの再伝送または新しいL2ブロックのいずれかをスケジューリングする。ベースステーション201の伝送機は、次いで、215に示されるように、UE203にスケジューリング決定と、前のL2ブロックまたは新しいL2ブロックとを伝送する。205における新しいL2ブロックの伝送と215における前のまたは新しいL2ブロックの受信との間の時間経過は、正常往復時間を構成し、それは、LTEにおいて5〜8個のサブフレームである。UE203が新しいL2ブロックを受信する場合、UE203は、新しいL2ブロックをそのメモリバッファ内に記憶し、UE203が再伝送された前のL2ブロックを受信する場合、UE203は、全て、プロセスブロック217に示されるように、再伝送をそのメモリバッファ内に記憶されたソフトビットと柔軟に組み合わせる。
【0023】
図3は、DL伝送機301が第1の物理的な場所(ノードA)に位置し、UL受信機303が第2の物理的な場所(ノードB)に位置し、DLスケジューラ305が第3の物理的な場所(ノードC)に位置する、状況を例証する。DL伝送機301は、309に示されるように、UE307に新しいL2ブロックを伝送する。UE307は、プロセスブロック311に示されるように、ソフトビットをそのメモリバッファ内に記憶し、プロセスブロック313に示されるように、新しいL2ブロックをデコードする。デコーディングステップの結果に応じて、UE307は、315に示されるように、UL受信機303にACK応答またはNACK応答のいずれかを伝送する。UL受信機303は、317に示されるように、低速度バックホールを経由して、ACKまたはNACKをDLスケジューラ305に伝送する。DLスケジューラ305は、プロセスブロック319に示されるように、ACKを受信したか、NACKを受信したかに基づいて、前のL2ブロックの再伝送または新しいL2ブロックのいずれかをスケジューリングする。DLスケジューラ305は、次いで、321に示されるように、低速度バックホールを経由して、DL伝送機301に、スケジューリング決定を伝送する。DL伝送機301は、次いで、323に示されるように、UE307に、スケジューリング決定と、前のまたは新しいL2ブロックとを伝送する。309における新しいL2ブロックの伝送と323における前のまたは新しいL2ブロックの受信との間の時間経過は、バックホール遅延に加えて、正常往復時間を構成する。バックホールの実際の量は、20のサブフレームと同じ量であり得る。UE307が新しいL2ブロックを受信する場合、UE307は、新しいL2ブロックをそのメモリバッファ内に記憶し、UE307が再伝送された前のL2ブロックを受信する場合、UE307は、全て、プロセスブロック325に示されるように、再伝送をそのメモリバッファ内に記憶されたソフトビットと柔軟に結合させる。
【0024】
分散型ネットワークトポロジが導入するバックホール遅延は、したがって、ネットワーク機能が有意な内部遅延を伴わず同一場所に位置したときと比較して、HARQプロセス往復時間を増加させる。HARQプロセス往復時間の増加は、HARQプロセスの数が固定かつ制限されるため、連続的に、すなわち、各連続伝送機会にも対して、単一のUEがスケジューリングされ得ない状況をもたらし得る。これは、UEの最大データレートを低下させる。例えば、LTEダウンリンクを考慮されたい。一実施形態では、分散型ネットワークトポロジは、HARQプロセスでの再伝送が分散型ネットワーク機能の一部の間のバックホール遅延に起因して、最初の伝送の後に、最初の20のサブフレームで生じ得るようなものである。次いで、通常のDL HARQ手順に続いて、UEは、LTEにおける8つのDL HARQプロセスが存在するため、20のサブフレームのうちの8つのみ(40%)でスケジューリングされることができる。検討中のUEが、連続的にスケジューリングされることができないが、HARQプロセスがUEあたりであるため、別のUEが、スケジューリングされてもよいことに留意されたい。故に、全ての時間周波数リソースは、いずれにしても使用され得る
【0025】
スケジューラが前の伝送の結果を把握する場合(すなわち、ACKまたはNACKをもたらす場合)、HARQプロセスは、スケジューリングのために利用可能であると考慮される。NACKである場合、再伝送が、スケジューリングされることができ、ACKである場合、データの新しいL2ブロックが、ソフトコンバイニングのために使用され得る前の伝送のソフトビットを上書きする危険を招かずに、伝送のためにスケジューリングされることができる。
【0026】
本開示の実施形態によると、スケジューリングのために利用可能であるHARQプロセスが存在しない場合、新しいL2ブロックが、いずれにしても、利用可能ではないHARQプロセスでの伝送のためにスケジューリングされることができる。可能なら、スケジューラは、前のブロックが各L3ブロックの送達を要求しないL3トラフィック(例えば、LTE RLCにおける否定応答モードトラフィックを)搬送した、利用できないHARQプロセスを選択する。スケジューリングされた新しいデータ伝送は、有利には、同一のHARQプロセスでの前のL2ブロックのデコーディングと干渉する任意の危険性を回避する。例えば、UEが、すでにACK/NACKを伝送することを開始した場合、前のL2ブロックのデコーディングが、すでに終了したことが明確である。
【0027】
最終的に、DL伝送機は、HARQプロセスで前のL2ブロックの結果を知るであろう。L2ブロックのデコーディング結果がACKであった場合、メモリバッファ内のソフトビットは、新しい伝送によって上書きされた(または、伝送がまだ生じていない場合、上書きされるであろう)ことは重要ではなかった。一方では、L2ブロックのデコーディング結果がNACKであった場合、受信が失敗したL2ブロックのソフトビットは、新しい伝送によって上書きされた(または、上書きされるであろう)。したがって、ソフトコンバイニングを伴う再伝送が、もはや可能ではない。受信が失敗したL2ブロックは、損失ブロックと呼ばれる。損失ブロックが、各ブロックの送達を要求するトラフィック(例えば、LTE RLCにおける肯定応答モードトラフィック)を搬送した場合、損失ブロックは、有利には、再伝送される。損失ブロックは、いくつかの実施形態では、L3再伝送を伴わずに、1つまたはいくつかの新しいL2ブロックとして、再度、伝送されてもよい。
【0028】
図4は、本開示による、スケジューリングプロセスの実施形態のフローチャートである。スケジューリングプロセスは、UEへの新しい伝送をスケジューリングするために、一定時間、決定ブロック401で待つ。UEへの新しい伝送をスケジューリングすべきとき、スケジューリングプロセスは、決定ブロック403において、いずれかのUEのHARQプロセスがスケジューリングのために利用可能であるかどうかを判定する。スケジューラが前の伝送の結果を把握する場合、すなわち、ACKまたはNACKがもたらされた場合、UE HARQプロセスは、スケジューリングのために利用可能であると考慮される。NACKである場合、再伝送が、スケジューリングされることができ、ACKである場合、データの新しいブロックは、ソフトコンバイニングのために使用され得る前の伝送のソフトビットを上書きする危険を招かずに、伝送のためにスケジューリングされることができる。決定ブロック403において、利用可能であるHARQプロセスが存在する場合、スケジューリングプロセスは、ブロック405において、利用可能であるHARQプロセスを選択し、ブロック409において、選択されたHARQプロセスを使用して、新しいブロック、損失ブロック、またはそれらの組み合わせを伝送する。スケジューリングプロセスは、次いで、ブロック411において、まだそのようにマークされていない場合、選択されたHARQプロセスを利用できないとマークし、決定ブロック401に戻り、一定時間、UEへの新しい伝送をスケジューリングする。
【0029】
再度、決定ブロック403を参照すると、スケジューリングのために利用可能であるUEのHARQプロセスがない場合、スケジューリングプロセスは、概して、ブロック407に示すように、利用可能ではないHARQプロセスを選択する。一実施形態では、スケジューリングプロセスは、前のブロックが各L3ブロックの送達を要求しないL3トラフィック(例えば、LTE RLCにおける否定応答モードトラフィック)を搬送した、利用できないHARQプロセスを選択する。これは、前の受信が成功しない(NACK)場合、利用できないHARQプロセスを使用して、伝送の否定的な影響を減少させ得る。一実施形態では、スケジューリングされた新しいデータ伝送は、有利には、同一のHARQプロセスでの前のL2ブロックのデコーディングと干渉する任意の危険性を回避する。例えば、UEが、すでにACK/NACKを伝送することを開始した場合、前のL2ブロックのデコーディングが、すでに、終了したことが明確である。スケジューリングプロセスが利用できないHARQプロセスを選択した後に、上記に説明されるように、スケジューリングプロセスは、ブロック409を継続する。
【0030】
図5は、本開示による、応答プロセスの実施形態のフローチャートである。プロセスは、ブロック501に示すように、利用できない状態である、UEのHARQプロセス(HP)Yに対応する、UEに伝送されるブロックXに関する応答(すなわち、ACKまたはNACK)を受信する。応答が受信されるとき、応答プロセスは、決定ブロック503において、応答がACKまたはNACKであるかどうかを判定する。応答が、ブロックXが正常に受信されたことを示す、ACKである場合、応答プロセスは、決定ブロック505において、HP Yを使用して、ブロックX以降の任意のブロックが伝送されたかどうかを判定する。HP Yを使用して伝送されたブロックX以降のブロックがないと判定される場合、応答プロセスは、ブロック507において、HP Yを利用可能であるとマークし、そして図5に従って、プロセスは終了する。ブロックX以降、HP Yを使用してブロックが伝送されたと判定される場合、プロセスは、終了し、HP Yは、利用できない状態のままである。
【0031】
再度、決定ブロック503を参照すると、応答が、ブロックXが正常に受信されなかったことを示す、NACKである場合、応答プロセスは、決定ブロック509において、HP Yを使用して、ブロックX以降の任意のブロックが伝送されたかどうかを判定する。HP Yを使用して伝送されたブロックX以降のブロックがないと判定される場合、ブロックXは、ブロックXに関するソフトビットがUEにおいて損傷がないため、ブロック511に示すように、ソフトコンバイニングを伴い、HP Yで再伝送されてもよく、そしてプロセスは終了する。ブロックがブロックX以降でHP Yを使用して伝送されたと判定される場合、これは、UE内のブロックXに関するソフトビットが新しいブロックによって上書きされた可能性が高いため、ブロックXが損失されたことを示す。この場合、ブロックXは、ブロック513に示すように、HP YでのブロックXの前の伝送とのソフトコンバイニングを伴わず、任意のHARQプロセスで再伝送されてもよく、そして図5に従って、プロセスは終了する。
【0032】
本発明の種々の実施形態が、上記に説明されているが、それらは、限定としてではなく、実施例として提示されていることを理解されたい。同様に、種々の図は、本発明に含まれることができる特徴および機能性を理解する際に、補助するために行われる、本発明に関する実施例アーキテクチャまたは他の構成を描写し得る。本発明は、例証される実施例アーキテクチャまたは構成に制限されず、様々な代替アーキテクチャおよび構成を使用して、実装されることができる。加えて、本発明は、種々の例示的実施形態および実装の観点から上記に説明されるが、そのような実施形態が説明されるかどうか、かつそのような特徴が説明される実施形態の一部として提示されるかどうかにかかわらず、1つ以上の個々の実施形態に説明される種々の特徴および機能性は、それらが説明される特定の実施形態へのその適用性に限定されず、代わりに、単独またはいくつかの組み合わせで、本発明の1つ以上の他の実施形態に適用されることができることを理解されたい。したがって、本発明の範疇および範囲は、上記に説明される例示的実施形態のいずれかによって限定されるべきではない。
【0033】
この文書に説明される1つ以上の機能は、1つ以上の適切に構成されるユニットによって行われ得る。本明細書に使用される用語「unitユニット)」は、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されるソフトウェアであって、本明細書に説明される関連付けられる機能を行うための1つ以上のプロセッサ、ファームウェア、ハードウェア、およびこれらの要素の任意の組み合わせによって実行されるソフトウェアを指す。加えて、議論の目的のために、種々のユニットは、離散ユニットであり得る。しかしながら、当業者に明白であろうように、2つ以上のユニットが、本発明の種々の実施形態に従って、関連付けられる機能を行う単一のユニットを形成するように結合され得る。
【0034】
加えて、この文書に説明される1つ以上の機能は、概して、メモリストレージデバイスまたはストレージユニット等の媒体を指すために本明細書で使用される、「コンピュータプログラム製品」、「コンピュータ読み取り可能な媒体」、および同等物内に記憶されるコンピュータプログラムコードを用いて行われ得る。コンピュータ読み取り可能な媒体のこれらおよび他の形態は、プロセッサに規定の動作を行なわせるために、プロセッサによる使用のための1つ以上の命令を記憶することに関わってもよい。そのような命令は、概して、実行されると、コンピューティングシステムが所望の動作を行うことを可能にする、「コンピュータプログラムコード」(コンピュータプログラムまたは他のグループ化の形態でグループ化され得る)と称される。
【0035】
明確性の目的のために、上記の説明は、異なる機能的ユニットおよびプロセッサを参照して、本発明の実施形態を説明していることが認識されるであろう。しかしながら、異なる機能的ユニット、プロセッサ、または領域の間での機能性の任意の好適な分配は、本発明から逸脱することなく、使用され得ることが明白であるであろう。例えば、別個のユニット、プロセッサ、またはコントローラによって行われるように例証される機能性は、同一のユニット、プロセッサ、またはコントローラによって行われ得る。故に、具体的な機能的ユニットの言及は、厳密な論理的または物理的な構造あるいは編成を示すのではなく、説明された機能性を提供するための好適な手段の言及のみと見なされる。
図1
図2
図3
図4
図5