(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374963
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】生産機械
(51)【国際特許分類】
H05K 13/00 20060101AFI20180806BHJP
【FI】
H05K13/00 Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-528766(P2016-528766)
(86)(22)【出願日】2014年6月23日
(86)【国際出願番号】JP2014066535
(87)【国際公開番号】WO2015198372
(87)【国際公開日】20151230
【審査請求日】2017年5月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】100098420
【弁理士】
【氏名又は名称】加古 宗男
(72)【発明者】
【氏名】藤田 政利
【審査官】
小金井 匠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2006−075958(JP,A)
【文献】
特開2013−202708(JP,A)
【文献】
特開2006−255844(JP,A)
【文献】
特開2002−217590(JP,A)
【文献】
特開2011−146578(JP,A)
【文献】
特開2005−064222(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/00−13/08
B23Q 1/00− 1/76
B23P 19/00−21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台上に生産機械本体を載置すると共に、前記生産機械本体の稼働時の反力に応じて前記生産機械本体が前記基台上を滑動する滑り機構を設けた生産機械において、
前記滑り機構は、前記基台上に該基台よりも摩擦係数の小さい滑り易い材料で形成した滑り部材を設けると共に、前記生産機械本体の底部に設けた脚部を前記滑り部材の上面に載置して滑動させるように構成され、
前記滑り部材は、前記基台上に前記生産機械本体の出し入れ方向である前後方向に延びるように設けられ、
前記滑り部材の上面は、最も低い部分が前記生産機械本体の出し入れ方向に延びる凹曲面状に形成され、前記生産機械本体の出し入れ時に前記生産機械本体の脚部が前記滑り部材の上面の最も低い部分に沿って前記生産機械本体の出し入れ方向にスライドするように構成されていることを特徴とする生産機械。
【請求項2】
前記基台上を滑動した前記生産機械本体を所定位置に戻すように前記生産機械本体を前記所定位置の方向へ付勢する戻し付勢機構を設けたことを特徴とする請求項1に記載の生産機械。
【請求項3】
前記戻し付勢機構は、前記基台上に弾性部材を設けると共に、前記弾性部材を前記生産機械本体の底部に連結機構により切り離し可能に連結し、前記弾性部材の弾性力により前記生産機械本体を前記所定位置の方向へ付勢するように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の生産機械。
【請求項4】
前記基台上にワークの搬送方向に沿って複数の生産機械本体を載置し、各生産機械本体から搬出するワークを隣の生産機械本体の搬入口に向かって案内する搬送案内部材を設けたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の生産機械。
【請求項5】
前記生産機械本体は、回路基板に部品を実装又は組み立てる部品実装機本体又は部品組立機本体であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の生産機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基台上に生産機械本体を載置した生産機械に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば、複数の部品実装機を配列した部品実装ラインにおいては、生産する品種の多様化に対応して部品実装機の入れ替えを容易にするために、特許文献1(特許第4746148号公報)に示すように、基台上に回路基板の搬送方向に沿って複数のモジュール型の部品実装機本体を入れ替え可能に載置するようにしたものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4746148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、部品実装機本体は、その天井部に設けたXYスライド機構に装着ヘッドを吊り下げて支持し、XYスライド機構により装着ヘッドをX方向やY方向に移動させて、部品供給装置から供給される部品を装着ヘッドで吸着して回路基板に実装するようにしているため、装着ヘッドの加減速時や停止時の反力が部品実装機本体の天井部に作用して部品実装機本体の筐体が歪み、装着ヘッドの位置とコンベアで搬入された回路基板の位置との間に相対的な位置ずれが生じて、部品装着精度が低下するという問題があった。この問題は、生産性向上のために装着ヘッドの移動速度を高速化するほど、装着ヘッドの加減速時や停止時の反力が大きくなるため、大きな問題となる。
【0005】
従来、このような問題を解決する手段として、部品実装機本体の筐体の剛性を高める対策を施して、装着ヘッドの加減速時や停止時の反力による部品実装機本体の筐体の歪みを小さくするようにしていた。その結果、部品実装機本体の大型化・幅広化や、補強部品によるコスト高を招いていた。
【0006】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、生産機械本体(部品実装機本体等)の小型化・幅狭化や低コスト化を実現できる生産機械を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、基台上に生産機械本体を載置
すると共に、前記生産機械内部の移動体が移動した時の反力に応じて前記生産機械本体が前記基台上を滑動する滑り機構を設けた
生産機械において、前記滑り機構は、前記基台上に該基台よりも摩擦係数の小さい滑り易い材料で形成した滑り部材を設けると共に、前記生産機械本体の底部に設けた脚部を前記滑り部材の上面に載置して滑動させるように構成され、前記滑り部材は、前記基台上に前記生産機械本体の出し入れ方向である前後方向に延びるように設けられ、前記滑り部材の上面は、最も低い部分が前記生産機械本体の出し入れ方向に延びる凹曲面状に形成され、前記生産機械本体の出し入れ時に前記生産機械本体の脚部が前記滑り部材の上面の最も低い部分に沿って前記生産機械本体の出し入れ方向にスライドするように構成されている。この構成では、生産機械内部の移動体が移動した時の反力に応じて生産機械本体が基台上を滑り機構により滑動するため、移動体の移動によって生じる反力を、生産機械本体が基台上を滑動する運動エネルギに変換することができ、生産機械本体の筐体に蓄積される弾性エネルギ(歪みエネルギ)を大幅に低減できる。これにより、生産機械本体の筐体の歪み量を大幅に低減できて、生産機械本体内の移動体(装着ヘッド等)の位置とワークの位置との間の相対的な位置ずれを小さくすることができ、生産精度を向上できる。その結果、生産機械本体の筐体を従来のように補強する必要がなくなり、生産機械本体の小型化・幅狭化や低コスト化を実現できる。
【0008】
この場合、滑り機構は、基台上に該基台よりも摩擦係数の小さい滑り易い材料で形成した滑り部材を設けると共に、生産機械本体の底部に設けた脚部を前記滑り部材の上面に載置して滑動させるように構成して
いるため、滑り機構を極めて簡単な構成で且つ安価に構成できる。
【0009】
また、滑り部材を、基台上に生産機械本体の出し入れ方向である前後方向に延びるように設けると共に、該滑り部材の上面を、最も低い部分が生産機械本体の出し入れ方向に延びる凹曲面状に形成し、前記生産機械本体の出し入れ時に前記生産機械本体の脚部が前記滑り部材の上面の最も低い部分に沿って前記生産機械本体の出し入れ方向にスライドするように構成して
いるため、滑り部材を、生産機械本体の出し入れを案内する案内部材としても利用することができる。
【0010】
また、本発明は、基台上を滑動した生産機械本体を所定位置に戻すように生産機械本体を前記所定位置の方向へ付勢する戻し付勢機構を設けるようにすると良い。このようにすれば、基台上の生産機械本体の滑動範囲が広がり過ぎるのを戻し付勢機構により防止することができ、基台上の生産機械本体の滑動範囲を適正範囲内に制限することができる。
【0011】
この場合、戻し付勢機構は、基台上に弾性部材を設けると共に、前記弾性部材を生産機械本体の底部に連結機構により切り離し可能に連結し、前記弾性部材の弾性力により前記生産機械本体を前記所定位置の方向へ付勢するように構成しても良い。このようにすれば、基台上を生産機械本体が所定位置からどの様な方向へ滑動しても、弾性部材の弾性力により生産機械本体を滑動前の所定位置の方向へ戻すことができる。
【0012】
また、本発明は、基台上にワークの搬送方向に沿って複数の生産機械本体を載置し、各生産機械本体から搬出するワークを隣の生産機械本体の搬入口に向かって案内する搬送案内部材を設けた構成としても良い。このようにすれば、複数の生産機械本体が稼働時の反力により互いに異なる方向に滑動しても、各生産機械本体間のワークの受け渡しを搬送案内部材によりスムーズに行うことができる。
【0013】
本発明は、様々な生産機械に適用可能であり、例えば、回路基板に部品を実装又は組み立てる部品実装機や部品組立機に本発明を適用しても良い。前述したように、部品実装機や部品組立機は、筐体の天井部に設けたXYスライド機構に装着ヘッドを吊り下げるようにしているため、従来構造のままで装着ヘッドの移動速度を高速化すると、装着ヘッドの加減速時や停止時に筐体に作用する反力が大きくなって筐体の歪み量が大きくなり、装着ヘッドの位置と回路基板の位置との間の相対的な位置ずれが大きくなって、部品装着精度が低下する。本発明を部品実装機や部品組立機に適用して、部品装着精度低下の原因となる筐体の歪み量を大幅に減少させれば、部品装着精度を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】
図1は本発明の一実施例を示す部品実装機の斜視図である。
【
図3】
図3は戻し付勢機構の構成を説明する斜視図である。
【
図4】
図4は戻し付勢機構のクランプ完了後の状態を示す斜視図である。
【
図5】
図5は
図4と同じ状態を弾性部材を取り除いて示す斜視図である。
【
図6】
図6は
図4と同じ状態を斜め下方から見た斜視図である。
【
図7】
図7は搬送案内機構の一例を示す平面図である。
【
図8】
図8は搬送案内機構の他の例を示す平面図である。
【
図9】
図9は
本発明に関連する参考例の滑り機
構を示す縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明を実施するための形態を部品実装システムに適用して具体化した一実施例を説明する。
【0016】
まず、
図1に基づいて部品実装システム全体の構成を説明する。
部品実装システムは、基台11上に、回路基板13(ワーク:
図7参照)の搬送方向に沿って複数の部品実装機本体12(生産機械本体)が出し入れ可能に載置される構成となっている。各部品実装機本体12は、回路基板13を搬送するコンベア14(
図7参照)と、実装する部品を供給する部品供給装置(図示せず)等を備え、各部品実装機本体12の天井部に設けたXYスライド機構(図示せず)に装着ヘッド(図示せず)を吊り下げて支持させ、XYスライド機構により装着ヘッドをX方向やY方向に移動させて、部品供給装置から供給される部品を装着ヘッドで吸着して回路基板13に実装するようにしている。
【0017】
各部品実装機本体12は基台11上に滑り機構16を介して載置され、各部品実装機本体12の稼働時(具体的には装着ヘッドの加減速時や停止時)に発生する反力に応じて各部品実装機本体12が基台11上を滑り機構16により滑動するようになっている。滑り機構16は、
図1、
図2、
図5、
図6に示すように、基台11上に複数の滑り部材17を設けると共に、部品実装機本体12の底部の例えば4箇所に設けた脚部18を2つの滑り部材17の上面に載置して滑動させるように構成されている。滑り部材17は、基台11上に載置する部品実装機本体12毎に2つずつ設けられ、基台11よりも摩擦係数の小さい滑り易い材料(摩擦係数が例えば0.1以下、より好ましくは0.03程度)で且つ耐摩耗性に優れた材料(例えばフッ素系樹脂)で形成されている。滑り部材17は、基台11上に部品実装機本体12の出し入れ方向である前後方向に延びるように設けられていると共に、該滑り部材17の上面は、最も低い部分が部品実装機本体12の出し入れ方向に延びる凹曲面状に形成され、部品実装機本体12の出し入れ時に部品実装機本体12の脚部18が滑り部材17の上面の最も低い部分に沿って部品実装機本体12の出し入れ方向にスライドするように構成されている。これにより、滑り部材17は、部品実装機本体12の出し入れを案内する案内部材としても機能するようになっている。また、部品実装機本体12の脚部18の下端面は、滑り部材17上を滑りやすいように鍋底状の丸みのある形状に形成されている。
【0018】
更に、
図3乃至
図6に示すように、基台11上を滑動した部品実装機本体12を所定位置(滑動前の位置)に戻す手段として、部品実装機本体12を前記所定位置の方向へ付勢する戻し付勢機構21が1箇所又は複数箇所(例えば前後2箇所)に設けられている。戻し付勢機構21は、基台11上に棒状の弾性部材22を上向きに固定すると共に、該弾性部材22の上部を部品実装機本体12の底部に連結機構23により切り離し可能に連結し、該弾性部材22の弾性力により部品実装機本体12を前記所定位置の方向へ付勢するように構成されている。弾性部材22は、耐久性と復元率(弾性率)が高い弾性材料(例えばシリコーン等を適切に配合したゴム系材料)で形成されている。
【0019】
連結機構23は、弾性部材22の上部に連結バー24を左右方向に貫通して固定すると共に、連結バー24の両端部を嵌合する一対の断面コ字形のガイドレール25を、部品実装機本体12の底面部に該部品実装機本体12の出し入れ方向である前後方向に延びるように固定し、更に、部品実装機本体12の底面部には、連結バー24の両端部を連結金具26で引っ掛けて該部品実装機本体12を前記所定位置まで引き込む引き込み装置27を設けた構成となっている。部品実装機本体12を出し入れするときには、引き込み装置27を動作させて連結金具26を連結バー24から外した位置へ移動させた後、部品実装機本体12の脚部18を滑り部材17上を前後方向に滑らせて部品実装機本体12を出し入れする。この際、連結バー24の両端部がガイドレール25に沿ってスライドするため、連結バー24の両端部にローラを回転可能に設けて、このローラをガイドレール25に嵌合して、連結バー24の両端部とガイドレール25との間の摩擦抵抗を低減するようにしても良い。
【0020】
図7に示すように、部品実装機本体12の搬出口28からコンベア14で搬出する回路基板13を隣の部品実装機本体12の搬入口29に向かって案内する搬送案内部材30が該部品実装機本体12の搬出口28の側縁部に回動可能に取り付けられ、該搬送案内部材30の先端部が隣の部品実装機本体12の搬入口29の側縁部に係合等により連結されている。これにより、各部品実装機本体12の滑動に応じて搬送案内部材30が回動変位して、各部品実装機本体12間の回路基板13の受け渡しが搬送案内部材30によって案内される。
【0021】
以上説明した本実施例によれば、基台11上に滑り機構16を介して部品実装機本体12を載置し、部品実装機本体12の稼働時の反力に応じて部品実装機本体12が基台11上を滑動するように構成したので、部品実装機本体12の装着ヘッド移動時の反力を、部品実装機本体12が基台11上を滑動する運動エネルギに変換することができ、部品実装機本体12の筐体に蓄積される弾性エネルギ(歪みエネルギ)を大幅に低減できる。これにより、部品実装機本体12の筐体の歪み量を大幅に低減できて、部品実装機本体12の装着ヘッドの位置とワークの位置との間の相対的な位置ずれを小さくすることができ、部品装着精度を向上できる。その結果、部品実装機本体12の筐体を従来のように補強する必要がなくなり、部品実装機本体12の小型化・幅狭化や低コスト化を実現できる。
【0022】
しかも、本実施例では、滑り機構16は、基台11上に摩擦係数の小さい滑り易い材料で形成した滑り部材17を設けると共に、部品実装機本体12の底部に設けた脚部18を滑り部材17の上面に載置して滑動させるように構成したので、滑り機構16を極めて簡単な構成で且つ安価に構成できる利点がある。
【0023】
また、本実施例では、滑り部材17を、基台11上に部品実装機本体12の出し入れ方向である前後方向に延びるように設けると共に、該滑り部材17の上面を、最も低い部分が部品実装機本体12の出し入れ方向に延びる凹曲面状に形成し、部品実装機本体12の出し入れ時に部品実装機本体12の脚部18が滑り部材17の上面の最も低い部分に沿って部品実装機本体12の出し入れ方向にスライドするように構成したので、滑り部材17を、部品実装機本体12の出し入れを案内する案内部材としても利用することができ、部品実装機本体12の出し入れ作業を容易に行うことができる。
【0024】
また、本実施例では、基台11上を滑動した部品実装機本体12を所定位置に戻す手段として、部品実装機本体12を所定位置(滑動前の位置)の方向へ付勢する戻し付勢機構21を設けるようにしたので、基台11上の部品実装機本体12の滑動範囲が広がり過ぎるのを戻し付勢機構21により防止することができ、基台11上の部品実装機本体12の滑動範囲を適正範囲内に制限することができる。
【0025】
しかも、戻し付勢機構21は、基台11上に弾性部材22を設けると共に、この弾性部材22を部品実装機本体12の底部に連結機構23により切り離し可能に連結し、前記弾性部材22の弾性力により部品実装機本体12を前記所定位置の方向へ付勢するように構成したので、基台11上を部品実装機本体12が所定位置からどの様な方向へ滑動しても、弾性部材22の弾性力により部品実装機本体12を滑動前の所定位置の方向へ戻すことができる。
【0026】
また、本実施例では、基台11上に回路基板13の搬送方向に沿って複数の部品実装機本体12を並べて載置し、部品実装機本体12の搬出口28からコンベア14で搬出する回路基板13を隣の部品実装機本体12の搬入口29に向かって案内する搬送案内部材30を設けた構成としたので、複数の部品実装機本体12が稼働時の反力により互いに異なる方向に滑動しても、各部品実装機本体12間の部品実装機本体12の受け渡しを搬送案内部材30によりスムーズに行うことができる。
【0027】
本実施例では、搬送案内部材30を該部品実装機本体12の搬出口28の側縁部に回動可能に取り付けるようにしたが、
図8に示すように、部品実装機本体12の滑動に応じて柔軟に湾曲変形するローラ式ガイド31を搬送案内部材として用い、部品実装機本体12の搬出口28とその隣の部品実装機本体12の搬入口29との間をローラ式ガイド31で接続し、部品実装機本体12の搬出口28からコンベア14で搬出する回路基板13をローラ式ガイド31によって隣の部品実装機本体12の搬入口29に向かって案内するようにしても良い。このようにしても、各部品実装機本体12間の部品実装機本体12の受け渡しをスムーズに行うことができる。
【0028】
また、本実施例の滑り機構16では、部品実装機本体12の脚部18の下端面を、滑り部材17上を滑りやすいように鍋底状の丸みのある形状に形成したが、
図9に示す
本発明に関連する参考例の滑り機構33のように、部品実装機本体12の脚部18の下端部にボール32を下方に突出させるように回転可能に設け、基台11上に部品実装機本体12を載置して該部品実装機本体12の荷重をボール32で受け支えさせることで、部品実装機本体12の稼働時の反力に応じて部品実装機本体12を基台11上をボール32の回転により滑動させるようにしても良い。この場合は、基台11上に滑り部材17を設けなくても良い。
【0029】
尚、本発明は、部品実装機に限定されず、回路基板にコネクタ等の部品を組み立てる部品組立機に適用しても良く、更には、生産機械本体の稼働時の反力により生産機械本体の筐体が歪んで生産精度が低下する可能性のある生産機械に広く適用して実施できる。
【0030】
その他、本発明は、基台11の上面のほぼ全面に滑り部材を設けたり、或は、部品実装機本体12の脚部18の本数を増加させても良い等、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0031】
11…基台、12…部品実装機本体(生産機械本体)、13…回路基板13(ワーク)、14…コンベア、16…滑り機構、17…滑り部材、18…脚部、21…戻し付勢機構、22…弾性部材、23…連結機構、24…連結バー、25…ガイドレール、26…連結金具、27…引き込み装置、28…搬出口、29…搬入口、30…搬送案内部材、31…ローラ式ガイド(搬送案内部材)、32…ボール、33…滑り機構