(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6374974
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】クッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケース
(51)【国際特許分類】
A45D 34/04 20060101AFI20180806BHJP
A45D 33/24 20060101ALI20180806BHJP
A45D 34/00 20060101ALI20180806BHJP
A45D 33/00 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
A45D34/04 560
A45D34/04 555
A45D33/24
A45D34/00 510
A45D33/00 650
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-550265(P2016-550265)
(86)(22)【出願日】2015年6月10日
(65)【公表番号】特表2017-519528(P2017-519528A)
(43)【公表日】2017年7月20日
(86)【国際出願番号】KR2015005835
(87)【国際公開番号】WO2016195149
(87)【国際公開日】20161208
【審査請求日】2016年8月29日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0076076
(32)【優先日】2015年5月29日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516233147
【氏名又は名称】ワールド スポンジ マニュファクチャリング カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】World Sponge Manufacturing Co.,Ltd
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ホ ソク
【審査官】
遠藤 邦喜
(56)【参考文献】
【文献】
特表2017−512538(JP,A)
【文献】
実開平01−072818(JP,U)
【文献】
特開2001−327329(JP,A)
【文献】
特表2015−513987(JP,A)
【文献】
特開平11−000223(JP,A)
【文献】
実開平01−135016(JP,U)
【文献】
特開2003−205961(JP,A)
【文献】
特開平10−016109(JP,A)
【文献】
特開2013−048868(JP,A)
【文献】
特表平06−509251(JP,A)
【文献】
特開平09−140441(JP,A)
【文献】
特開2002−306236(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0231304(US,A1)
【文献】
韓国登録特許第10−1112477(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
A45D 33/00
A45D 33/24
A45D 34/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心に液状化粧品が充填される収納空間が形成され、上部が開放された本体ケース;前記液状化粧品収納空間上段に装着し、前記液状化粧品を密閉させる多孔質弾性材料のクッションシートカバー部;及び、前記本体ケース一側にヒンジで連結され、回動によって前記本体ケース上面の開閉が可能な本体蓋を含み、パフで前記クッションシートカバー部上段を加圧すると、前記液状化粧品が前記パフににじみ出て、
前記クッションシートは、少なくとも2つの多孔質弾性材料のシートが隔離されて付着され、前記パフで加圧されないと、前記弾性材料のシートに形成された孔の大きさが収縮した状態であり、
前記パフで加圧すると、前記弾性材料のシートが下降するとともに孔の大きさが拡張されると共に、前記各シートとの間に吸収された液状化粧品の膜が形成されること
を特徴とするクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケース。
【請求項2】
請求項1において、前記本体ケースは、上部が開放された外部円筒ケースと、前記外部円筒ケース内部に挿入装着されて前記収納空間を形成する内部円筒ケースを含むことを特徴とするクッションシートを具備することを特徴とする液状化粧品コンパクトケース。
【請求項3】
請求項1において、前記クッションシートカバー部は、一定の厚さを有して円形開口部が形成されたリング状フレームと、多孔質弾性材料で、前記リング状フレーム内側面に取り付けられ、前記開放された部分を覆う円形のクッションシートとして具備されることを特徴とするクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケース。
【請求項4】
請求項1において、前記多孔質弾性材料の少なくとも1つは、合成繊維製で、ポリウレタン、ナイロン及びポリエステルのうち少なくとも一つを含む撥水性材料であることを特徴とするクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケース。
【請求項5】
請求項1又は4において、前記クッションシートは、下面で前記収納空間内側方向に延長されるもので、所定の長さを有する多数の前記液状化粧品吸収用突起を形成することを特徴とするクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケース。
【請求項6】
請求項1において、前記液状化粧品吸収用突起は、液状吸水性材質の繊維であることを特徴とするクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケース。
【請求項7】
請求項1において、前記本体蓋は、内側面に鏡が取り付けられているか、又は鏡の材質がコーティングされていることを特徴とするクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケース。
【請求項8】
中心に液状化粧品が充填される収納空間が形成され、上部が開放された本体ケース;前記液状化粧品収納空間上段に装着し、前記液状化粧品を密閉させる多孔質弾性材料のクッションシートカバー部;前記本体ケース一側にヒンジで連結され、パフを収納して回動によって前記クッションシートカバー上段を開閉するトレイ型中間カバー;及び前記本体ケース一側にヒンジで連結され、回動によって前記本体ケース上面の開閉が可能な本体蓋を含み、前記パフで前記クッションシートカバー部上段を加圧すると、前記液状化粧品が前記パフににじみ出て、 前記クッションシートは、少なくとも2つの多孔質弾性材料のシートが隔離されて付着され、 前記パフで加圧されないと、前記弾性材料のシートに形成された孔の大きさが収縮した状態であり、前記パフで加圧すると、前記弾性材料のシートが下降するとともに孔の大きさが拡張されると共に、前記各シートとの間に吸収された液状化粧品の膜が形成されること を特徴とするクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケース。
【請求項9】
請求項8において、前記トレイ型中間カバーは、前記本体ケース周囲内側面にヒンジで連結されて回動されるパフ収納用トレイと、前記トレイ内側面に取り付けられ、前記クッションシートカバー部上段を密閉するディスク型パッキン部として具備されることを特徴とするクッションシート型化粧品コンパクトケース。
【請求項10】
請求項9において、前記ディスク型パッキン部は、ゴム材質であることを特徴とするクッションシート型化粧品コンパクトケース。
【請求項11】
請求項8において、前記クッションシートカバー部は、一定の厚さを有して円形開口部が形成されたリング状フレームと、多孔質弾性材料で、前記リング状フレーム内側面に取り付けられ、前記開放された部分を覆う円形のクッションシートとして具備されることを特徴とするクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケース。
【請求項12】
請求項8において、前記多孔質弾性材料の少なくとも1つは、合成繊維製で、ポリウレタン、ナイロン及びポリエステルのうち少なくとも一つを含む撥水性材料であることを特徴とするクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケース。
【請求項13】
請求項8において、前記クッションシートは、下面で前記収納空間内側方向に延長されるもので、所定の長さを有する多数の前記液状化粧品吸収用突起を形成することを特徴とするクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケース。
【請求項14】
請求項8において、前記液状化粧品吸収用突起は、液状吸水性材質の繊維であることを特徴とするクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケース。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化粧品コンパクトケースに関するもので、より詳細には、化粧品の使用効率を高め、製造時間を短縮し、製造工程を容易にして、生産性を向上させることができるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースに関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、コンパクトは携帯用化粧道具として、ケース内部に主に粉末又は固形状のパウダー(Powder)のような化粧品が収納され、持ち歩きながら蓋の内周面に具備された鏡を見ながらパフ(puff)を利用して簡単に化粧するように構成されている。このようなコンパクトは、比較的容量が少なく、携帯し易いという利点があり、また円形又は四角形の形をはじめ、多様な形のデザインで製作され、その機能も多様に開発されているのが実情である。
【0003】
しかし、従来提示されているコンパクトは、その効用性にかかわらず、その用途が非常に制限的である。すなわち、パウダー状の化粧品を主に収納使用する用途にのみ制限されているのが実情であり、その利用価値が拡大される必要がある。
【0004】
このような点を勘案して、最近ではコンパクトケース内部に別途の詰め替えケースを収納するようにしており、前記詰め替えケースとしては、従来のパウダー状の化粧品をはじめ、担体、例えばスポンジやウレタンフォームのような多孔質パッドに液状化粧料が含浸されたタイプの化粧品、別名エアクッションタイプの化粧品を収納して使用するようにしたコンパクトタイプの化粧品容器が一部提案されている。
【0005】
しかし、従来提示されているコンパクトタイプの化粧品容器は、エアクッションタイプの化粧品を収納使用するためには、何よりも詰め替えケースを別途に製作しなければならず、その構成をみると、エアクッション化粧品の収納のための本体、前記本体に対してヒンジで連結組み立てされて開閉操作される蓋及び前記本体内に収納されたエアクッションタイプの化粧品が離脱することを防止するためのカバーリングをはじめ、前記本体内に収納されるエアクッション化粧品を支える収納皿等、少なくとも3ピース以上の構造を備えているという点で、その構造が複雑であるという問題点があった。
【0006】
また、従来のエアクッション型コンパクトタイプケースとして、スポンジやウレタンフォームのような多孔質パッドに液状化粧料を含浸させる含浸部材の使用は、第一に、含浸させる過程が複雑で時間が多くかかって全体の製造工程の時間が長くなり、これによって製造コストが高くなる問題点があり、第二に、含浸部材をもはや使用できない時期でも含浸部材に残留化粧品原料が多く残っており、化粧品の損失が大きく使用効率が低下する問題点があり、第三に、スポンジ等に含浸された化粧品をパフ等の加圧で化粧品使用量又は濃度を制御するのが非常に難しいという問題点があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】引用発明1:韓国公開特許第2014−0067401号明細書
【特許文献2】引用発明2:韓国登録特許第1466854号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースは、次のような解決課題を有する。
【0009】
第一に、本発明は化粧品残留損失を減らして使用効率を高めることができる化粧品コンパクトケースを提供しようとしている。
【0010】
第二に、本発明は化粧品収納時間及び全体の製造工程の時間を短縮し、製造コストを下げることができるだけではなく、ブラシ使用が便利で、これによる化粧品使用量を選択的に制御し易い化粧品コンパクトケースを提供しようとしている。
【0011】
本発明の解決課題は、以上で言及したことに限定されず、言及されていない他の解決課題は、以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上述した課題を解決するための本発明の第1の特徴は、中心に液状化粧品が充填される収納空間が形成され、上部が開放された本体ケース;前記液状化粧品収納空間上段に装着し、前記液状化粧品を密閉させる多孔質弾性材料のクッションシートカバー部;及び、記本体ケース一側にヒンジで連結され、回動によって前記本体ケース上面の開閉が可能な本体蓋を含み、パフで前記クッションシートカバー部上段を加圧すると、前記液状化粧品が前記パフににじみ出ることを特徴とする。
【0013】
ここで、前記本体ケースは、上部が開放された外部円筒ケースと、前記外部円筒ケース内部に挿入装着されて前記収納空間を形成する内部円筒ケースを含むことが好ましく、前記クッションシートカバー部は、一定の厚さを有して円形開口部が形成されたリング状フレームと、多孔質弾性材料で、前記リング状フレーム内側面に取り付けられ、前記開放部を覆う円形のクッションシートとして具備されることが好ましい。
【0014】
また、好ましくは、前記多孔質弾性材料は、合成繊維製で、ポリウレタン、ナイロン及びポリエステルのうち少なくとも一つを含む撥水性材料であることができ、前記クッションシートは、少なくとも2つの多孔質弾性材料のシートが隔離されて付着されるものであることができる。
【0015】
また、前記クッションシートは、下面で前記収納空間内側方向に延長されるもので、所定の長さを有する多数の前記液状化粧品吸収用突起を形成することが好ましく、前記液状化粧品吸収用突起は、液状吸水性材質の繊維であることが好ましい。
【0016】
加えて、前記本体蓋は、内側面に内側面に鏡が取り付けられているか、または鏡の材質がコーティングされているものが好ましく、前記本体蓋の一側面に形成されたロックリングと、前記本体ケース一側面に形成された溝と、前記溝で外側面に突出されて設置されるもので、前記本体蓋が閉まって前記リングが前記溝に嵌る結着構造を形成し、前記結着構造が加圧されて解除されるプッシュボタンを含む開閉装置が具備されることが好ましい。
【0017】
また、本発明の第2の特徴は、中心に液状化粧品が充填される収納空間が形成され、上部が開放された本体ケース;前記液状化粧品収納空間上段に装着し、前記液状化粧品を密閉させる多孔質弾性材料のクッションシートカバー部;前記本体ケース一側にヒンジで連結され、パフを収納して回動によって前記クッションシートカバー上段を開閉するトレイ型中間カバー;及び前記本体ケース一側にヒンジで連結され、回動によって前記本体ケース上面の開閉が可能な本体蓋を含み、前記パフで前記クッションシートカバー部上段を加圧すると、前記液状化粧品が前記パフににじみ出ることを特徴とする。
【0018】
ここで、前記トレイ型中間カバーは、前記本体ケース周囲内側面にヒンジで連結されて回動されるパフ収納用トレイと、前記トレイ内側面に取り付けられ、前記クッションシートカバー部上段を密閉するディスク型パッキン部として具備されることが好ましく、前記ディスク型パッキン部はゴム材質であることが好ましい。
【0019】
また、前記クッションシートカバー部は、一定の厚さを有して円形開口部が形成されたリング状フレームと、多孔質弾性材料で、前記リング状フレーム内側面に取り付けられ、前記開放部を覆う円形のクッションシートに具備されることを特徴とするクッションシートを具備したものが好ましい。
【0020】
また、前記多孔質弾性材料は、合成繊維製で、ポリウレタン、ナイロン及びポリエステルのうち少なくとも一つを含む撥水性材料であることが好ましく、前記クッションシートは、少なくとも2つの多孔質弾性材料のシートが隔離されて付着されることが好ましい。
【0021】
加えて、前記クッションシートは、下面で前記収納空間内側方向に延長されるもので、所定の長さを有する多数の前記液状化粧品吸収用突起を形成することが好ましく、前記液状化粧品吸収用突起は、液状吸水性材質の繊維であることが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースは、次のような効果を有する。
【0023】
第一に、本発明は液状の化粧品をそのまま使用し、残留化粧品を最小限に抑えて化粧品の使用効率を大幅に高めることができるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースを提供しようとしている。
【0024】
第二に、本発明は液状化粧品収納又は交換時間を縮め、製造工程の時間を短縮して製造コストを下げることができる簡単な構造のクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースを提供しようとしている。
【0025】
第三に、パフ使用が便利で、これによる化粧品使用量を選択的に容易に制御することができるだけではなく、保管時にも液状化粧品の流出又は漏れを最小限に抑えることができるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースを提供しようとしている。
【0026】
本発明の効果は、以上で言及したものに限定されず、言及されていない他の効果は、以下の記載から当業者に明確に理解されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の実施例によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースの構成を示す斜視図である。
【
図2】本発明の実施例によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースでパフが収納された使用模式図である。
【
図3】本発明の実施例によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースの本体蓋が閉じられている構造を示す図である。
【
図4】本発明の実施例によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースで使用される多孔質弾性材料のクッションシートカバー部を示した斜視図である。
【
図5】本発明の実施例によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースに使用される多様な実施例のクッションシートカバー部使用模式図を示した図である。
【
図6】本発明の実施例によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースに使用される多様な実施例のクッションシートカバー部使用模式図を示した図である。
【
図7】本発明の実施例によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースに使用される多様な実施例のクッションシートカバー部使用模式図を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付した図面を参照して、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように、本発明の実施例を説明する。本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に理解することができるように、後述する実施例は本発明の概念と範囲を逸脱しない範囲内で、多様な形態に変形することができる。可能な限り、同一又は類似の部分は図面で同一の図面符号を使用して示した。
【0029】
本明細書で使用される専門用語は、単に特定の実施例に言及するためのものであり、本発明を限定することを意図していない。ここで使用される単数形は、文句がこれと明らかに反対の意味を示していない限り複数形も含む。
【0030】
本明細書で使用される「含む」の意味は、特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素及び/又は成分を具体化し、他の特定の特性、領域、整数、段階、動作、要素、成分及び/又は群の存在や付加を除外するものではない。
【0031】
本明細書で使用される技術用語及び科学用語を含むすべての用語は、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が一般的に理解する意味と同一の意味を有する。事前に定義された用語は、関連技術文献と現在開示された内容に符合する意味を有するものと追加解釈され、定義されていない限り、理想的な意味や非常に公式的な意味として解釈されない。
【0032】
以下で、本発明の好ましい実施例を、図面を参照して詳細に説明する。
【0033】
図1は、本発明の実施例によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースの構成を示す斜視図で、
図2は本発明の実施例によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースでパフ(350)が収納された使用模式図を示し、
図3は本発明の実施例によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースの本体蓋(400)が閉じられている構造を示し、
図4は本発明の実施例によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースで使用される多孔質弾性材料のクッションシートカバー部(200)を示した斜視図である。
【0034】
図1で示したとおり、本発明の第1実施例による液状化粧品コンパクトケースは、中心に液状化粧品が充填される収納空間が形成され、上部が開放された本体ケース(100);前記液状化粧品収納空間上段に装着し、前記液状化粧品を密閉させる多孔質弾性材料のクッションシートカバー部(200);及び前記本体ケース(100)一側にヒンジで連結され、回動によって前記本体ケース上面の開閉が可能な本体蓋(400)を含み、パフ(350)で前記クッションシートカバー部(200)上段を加圧すると、前記液状化粧品が前記パフ(350)ににじみ出ることを特徴とする。
【0035】
このように本発明は、従来のスポンジ等を利用して化粧品を吸収させて使用される含浸部材を介して使用されるエアクッション構造のコンパクト化粧品ケースとは異なり、液状の化粧品を収納し、その上部に多孔質弾性材料を有するクッションシートカバー部(200)を覆ってパフ(350)で加圧して化粧品がにじみ出るようにして使用することができる新しい構造の化粧品コンパクトケースを提案する。
【0036】
このような本発明の実施例によるクッションシート(250)を具備した液状化粧品コンパクトケースは、多孔質弾性材料のクッションシート(250)が液状化粧品上部に位置する構造によって、パフ(350)等で加圧すると、前記クッションシート(250)が弾性力によって加圧地点で下降拡張され、拡張によってクッションシート(250)の孔の大きさが同時に拡張され、内部に収納された液状化粧品と接触してパフ(350)を介して容易に吸収することができる構造を提供する。
【0037】
また、加圧しない場合の通常の保管状態では、クッションシート(250)の孔の大きさは収縮した状態を維持して緻密な多孔質シートを形成し、内部の液状化粧品が流出することを防止して、安定的に保管することができる構造を提供する。
【0038】
また、従来のエアクッション型構造のコンパクトケースの含浸部材の使用が終了した場合、含浸部材に化粧品が多く付着して残っていたため、化粧品の損失が大きかったが、本発明の実施例による液状化粧品コンパクトケースは、液状化粧品を収納空間に液状の状態で収納し、前記多孔質弾性材料のクッションシート(250)の加圧を介して液状化粧品と接触して吸収させる方法を適用することにより、液状化粧品の使用後の残留物の相当部分を減らすことができ、化粧品の損失又は無駄を最大限減らすことができる効果を得ることができる。
【0039】
以下でより具体的に、本発明の実施例によるクッションシート(250)を具備した液状化粧品コンパクトケースの構成要素及びその作用効果を詳細に説明する。
【0040】
図1及び
図2で示したとおり、本体ケース(100)は、上部が開放された外部円筒ケース(110)と、前記外部円筒ケース内部に挿入装着されて前記収納空間を形成する内部円筒ケース(130)を含むことが好ましい。外部円筒ケース(110)と内部円筒ケース(130)が同軸構造で形成され、必要に応じて外部円筒ケース(110)に内部円筒ケース(130)が挿入装着される構造を形成することも好ましい。製造工程を容易にし、液状化粧品の効果的かつ安定的な収納空間を形成して、液状化粧品の交換や充填を便利にし、必要に応じて内部円筒ケース(130)全体の交換が容易になるようにするためである。
【0041】
また、
図1で示したとおり、本発明の実施例は内部円筒ケース(130)に液状化粧品を一定の高さまで充填し、上段では本発明の核心的特徴である多孔質弾性材料のクッションシートカバー部(200)で覆うか、付着固定する構造を提案する。
【0042】
ここで、多孔質弾性材料のクッションシートカバー部(200)は、
図4で示したとおり、一定の厚さを有して円形開口部が形成されたリング状フレーム(210)と、多孔質弾性材料で、前記リング状フレーム(210)内側面に取り付けられ、前記開放部を覆う円形のクッションシート(250)として具備されることを特徴とする。
【0043】
また、
図4で示したとおり、クッションシート(250)の多孔質弾性材料は、合成繊維製で、ポリウレタン、ナイロン及びポリエステルのうち少なくとも一つを含む撥水性材料であることが好ましい。上述したポリウレタン、ナイロン、ポリエステルは水泳帽、ラッシュガード等に多く使用される撥水性を有する合成繊維製で、スパンデックスのように弾性が高く収縮及び拡張の範囲が大きく、撥水性を有しているため、液状化粧品が付着したまま残らず排出させることで、使用しない場合の液状化粧品の蒸発による消失を最小限に抑えることができるという利点がある。
【0044】
また、多孔質弾性材料のクッションシート(250)を液状化粧品上段に一定の間隔で隔離させて、パフ(350)等を介して加圧して化粧品がにじみ出るようにするクッションシート(250)構造は、クッションシート(250)を加圧すると、弾性によってクッションシート(250)の下降とともに多数の孔が形成された多孔質シートが拡大され、孔の大きさが大きくなり、パフ(350)とクッションシート(250)が収納された液状化粧品と接触し、前記拡張された多孔質孔を介してパフ(350)に液状化粧品が吸収されてにじみ出るようにすることで、効果的な化粧品コンパクトケース構造を提供する。
【0045】
すなわち、本発明の実施例による液状化粧品コンパクトケースは、従来のエアクッション構造の含浸部材とは異なり、液状化粧品上段に多孔質弾性材料のクッションシート(250)を具備させて、パブ等を介して加圧して化粧品がにじみ出るようにする原理を適用することにより、液状化粧品がパフ(350)ににじみ出る濃度を加圧力に応じて容易に制御することができ、使用終了後、化粧品残留物を最大限減らすことができるだけではなく、液状化粧品の収納時間が速くなり、全体の工程時間を大幅に短縮することができる効果がある。
【0046】
図1乃至
図3で示したとおり、本体蓋(400)は、前記本体ケース(100)を覆うカバー構造として、前記本体ケース(100)の一側面とヒンジで連結されて回動することができる構造を提案する。
【0047】
ここで、本体蓋(400)は内側面に鏡(410)が取り付けられているか、又は鏡(410)の材質がコーティングされているものが好ましく、これは一般的な化粧品コンパクトケースのようにパフ(350)等を使用して化粧品をつけて顔に塗るためには、これを確認することができる鏡(410)が必要であり、化粧品コンパクトケースを持って鏡(410)を確認しながら、同時に化粧品を便利に塗ることができるからである。
【0048】
また、
図1乃至
図3で示したとおり、本発明の実施例によるクッションシートを具備した液状化粧品コンパクトケースは、本体蓋(400)の一側面に形成されたロックリング(455)と、前記本体ケース(100)一側面に形成された溝(155)と、前記溝(155)で外側面に突出して設置されるもので、前記本体蓋(400)が閉まって前記リングが前記溝(155)に嵌る結着構造を形成し、前記結着構造が加圧されて解除されるプッシュボタン(157)を含む開閉装置(150)が具備されることが好ましい。
【0049】
このように、本発明の実施例によるクッションシート(250)を具備した液状化粧品コンパクトケースは、本体ケース(100)と蓋の一側面に突出したリング(455)と溝(155)構造を形成し、本体蓋(400)の回動による開閉を介して前記リングを溝に結着させる構造を形成し、加圧されると前記結着構造が解除されるプッシュボタンを具備する開閉装置(150)を形成することにより、使用者の利便性を高めて、液状化粧品の管理及びパフ(350)保管を便利に行うことができる。
【0050】
また、
図1乃至
図4で示したとおり、本発明の第2実施例によるクッションシート(250)を具備した液状化粧品コンパクトケースは、中心に液状化粧品が充填される収納空間が形成され、上部が開放された本体ケース(100);前記液状化粧品収納空間上段に装着し、前記液状化粧品を密閉させる多孔質弾性材料のクッションシートカバー部(200);前記本体ケース(100)一側にヒンジで連結され、パフ(350)を収納して回動によって前記クッションシートカバー部(200)上段を開閉するトレイ型中間カバー(300);及び前記本体ケース(100)一側にヒンジで連結され、回動によって前記本体ケース(100)上面の開閉が可能な本体蓋(400)を含み、前記パフ(350)で前記クッションシートカバー部(200)上段を加圧すると、前記液状化粧品が前記パフ(350)ににじみ出ることを特徴とする。
【0051】
本発明の第2実施例は、上述した第1実施例とは異なり、本体ケース(100)と本体蓋(400)との間にトレイ型中間カバー(300)をさらに具備する構造を例示している。以下で、他の構成要素の説明は、上述したとおりであるため省略する。
【0052】
本発明の実施例によるクッションシート(250)を具備した液状化粧品コンパクトケースに設置されたトレイ型中間カバー(300)は、前記本体ケース(100)一側にヒンジで連結され、パフ(350)を収納して回動によって前記クッションシートカバー部(200)上段を開閉する内部カバー構造として、収納された液状化粧品を密閉させるクッションシートカバー部(200)上部を覆って密閉させることができ、パフ(350)を収納して保管することができる収納構造を具備したトレイカバー構造を形成する。
【0053】
より具体的には、前記トレイ型中間カバー(300)は、前記本体ケース(100)周囲内側面にヒンジで連結されて回動されるパフ(350)収納用トレイ(310)と、前記トレイ内側面取り付けられ、前記クッションシートカバー部(200)上段を密閉するディスク型パッキン部(330)に具備されることが好ましく、これは本体ケース(100)及び本体蓋(400)との間で内部カバー構造を形成して2重に液状化粧品収納構造をカバーすることで、液状化粧品の流出又は蒸発を防ぐことができる効果を得ることができ、同時にトレイ型中間カバー(300)を覆った後、上段の収納用トレイ(310)にパフ(350)を収納して保管することにより、化粧に必要な物品をコンパクトかつ安全に保管することができる機能を提供するためである。
【0054】
すなわち、
図1で示したとおり、トレイ型中間カバー(300)内側に装着されたディスク型パッキン部(330)は、回動させてクッションシートカバー部(200)上段を密閉させる機能を遂行し、トレイ型中間カバー(300)外側の収納用トレイ(310)は、ディスク形状のパフ(350)を便利に収納することができる空間を形成することにより、密閉及び収納の2つの機能を同時に遂行することができる中間カバー(300)構造を提供する。
【0055】
ここで、前記ディスク型パッキン部(330)は、ゴム材質であることが好ましく、これはクッションシート(250)上段部を密閉させる密着性が高く液状化粧品の流出又は蒸発を防ぐことができるパッキン力が強いためである。このほかにも、合成樹脂等の防水性及び弾性材料を使用できるのはもちろんのことである。
【0056】
図5乃至
図7は、本発明の実施例によるクッションシート(250)を具備した液状化粧品コンパクトケースに使用される多様な実施例のクッションシートカバー部使用模式図を示した図である。
図5は、単一のクッションシートを有する使用模式図であり、
図6は二重のクッションシートを有する使用模式図であり、
図7はクッションシート(250)に吸収用突起(255)が形成された実施例の使用模式図である。
【0057】
図5で示したとおり、単一クッションシートカバー部(200)は、上述したとおり、一定の厚さを有して円形開口部が形成されたリング状フレーム(210)と、多孔質弾性材料で、前記リング状フレーム(210)内側面に取り付けられ、前記開放部を覆う円形のクッションシート(250)として具備される。
【0058】
ここで、クッションシートカバー部(200)は、液状化粧品の充填された内部円筒ケース(130)上段に取り付けることも可能で、内部円筒ケース(130)内部に挿入結合することも可能である。単一の多孔質弾性材料のクッションシート(250)を使用することで、製造工程が簡単でコストを下げることができるという利点がある。このような単一クッションシート(250)は、加圧されずにクッションシート(250)が収縮されている場合、液状化粧品の外部流出防止性能を高めるために、孔の大きさを小さくして緻密に形成することが好ましい。
【0059】
図6で示したクッションシートカバー部(200)は、少なくとも2つの多孔質弾性材料のシートが隔離されて付着される。このように一つの単一クッションシート(250)を形成するのではなく、少なくとも二つの多重クッションシート(250)結合構造を形成すれば、前記多重クッションシート(250)が加圧されて液状化粧品が吸収によるクッションシート(250)との間の水膜により、加圧が解除されて多重クッションシート(250)が収縮している場合でも前記水膜が維持され、この水膜が液状化粧品の外部漏出又は漏水を防ぐ効果を得ることができる。
【0060】
多孔質材質のクッションシート(250)は多数の孔を形成しており、パフ(350)の加圧又は解除でクッションシート(250)の縮小及び拡張に応じて、前記孔の大きさが変更され、これにより、液状化粧品が前記孔を流出入する過程で、表面張力によってクッションシート(250)との間に薄い水膜を形成する。このような水膜は、化粧品コンパクトケースが裏返った場合や揺れ動いた場合、液状化粧品の外部流出を遮断することができる防水膜として作用する効果を得ることができる大きな利点がある。
【0061】
また、本発明の実施例による多重クッションシート(250)は、クッションシート(250)の材質とこれに伴う孔の大きさ及び弾性等を考慮し、2重、3重、4重等のクッションシート(250)数を最適化設計することができ、それぞれのクッションシート(250)材質を変えて多様にクッションシート(250)の性能及び特性を改善することができる。
【0062】
図7は、本発明のまた別の実施例として、多数の吸収用突起(255)が形成されたクッションシートの使用模式図である。
図7で示したとおり、本発明の実施例に適用されるクッションシート(250)は、下面で前記収納空間内側方向に延長されるもので、所定の長さを有する多数の前記液状化粧品吸収用突起(255)を形成する構造を提案する。
【0063】
このように、クッションシートに多数の化粧品収容突起を形成することは、それぞれの突起が下部方向に延びて液状化粧品と接触すると、毛細管現象によりそれぞれの突起を介して液状化粧品が上部クッションシート(250)の面全体に拡散させて含浸させることができる効果を得ることができるためである。
【0064】
また、液状化粧品側に延長される吸収用突起(255)は、液状化粧品が多く使用されて収納空間の底水位にある場合でも、少ない加圧力でも容易に前記液状化粧品に接触することができ、パフ(350)の加圧がない保管中の状態でも一定の程度の液状化粧品含浸又は吸収効果を得ることができるという点で、パフ(350)によるブラッシング作業がはるかに容易になる効果を得ることができる。
【0065】
本明細書で説明される実施例と添付された図面は、本発明に含まれる技術的思想の一部を例示的に説明したものに過ぎない。したがって、本明細書に開示された実施例は、本発明の技術的思想を限定するためのものではなく、説明するためのものであるため、このような実施例によって本発明の技術思想の範囲が限定されるものではないことは自明である。本発明の明細書及び図面に含まれた技術的思想の範囲内で当業者が容易に類推することができる変形例と具体的な実施例は、すべて本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0066】
100 本体ケース
200 クッションシートカバー部
250 クッションシート
255 吸収用突起
300 トレイ型中間カバー
310 収納用トレイ
330 ディスク型パッキン部
350 パフ
400 本体蓋