(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2の区域が、前記カラーフィルタ層の開口、または、前記切換不可能なカラーフィルタによって吸収される光の少なくとも1つの波長を透過する材料のうちの1つまたは複数を備える、
請求項1に記載のディスプレイデバイス。
前記ディスプレイ領域の第1の部分が、前記ディスプレイ領域の前記平面に平行な平面にある前記第1の区域の広がりによって重ねられ、前記ディスプレイ領域の第2の部分が、前記ディスプレイ領域の前記平面に平行な平面にある前記第2の区域の広がりによって重ねられ、前記第1の流体が、前記第2の部分には隣接せず前記第1の部分に部分的に隣接する前記第1の流体による第1の配置と、前記第1の部分には部分的に隣接せず前記第2の部分に少なくとも部分的に隣接する前記第1の流体による第2の配置との間で切換可能である、
請求項1に記載のディスプレイデバイス。
多数がディスプレイ効果を提供するための画素を定義する複数の前記エレクトロウェッティング素子を備え、前記多数の各エレクトロウェッティング素子が、サブ画素ディスプレイ効果を提供するための前記画素のサブ画素である、
請求項1に記載のディスプレイデバイス。
一列に隣接して配置される複数の前記エレクトロウェッティング素子を備え、前記多数の各エレクトロウェッティング素子の前記第2の区域が互いに実質的に整列している、
請求項1に記載のディスプレイデバイス。
第1の支持板と第2の支持板とを備え、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記第1の支持板と前記第2の支持板との間に位置づけられ、前記ディスプレイ領域を有する前記表面が前記第2の支持板に面する前記第1の支持板の表面であり、前記第2の支持板が前記切換不可能なカラーフィルタを備える、
請求項1に記載のディスプレイデバイス。
前記ディスプレイ領域の第1の部分が、前記ディスプレイ領域の前記平面に平行な平面にある前記第1の区域の広がりによって重ねられ、前記ディスプレイ領域の第2の部分が、前記ディスプレイ領域の前記平面に平行な平面にある前記第2の区域の広がりによって重ねられ、前記第1の流体が、前記第2の部分には隣接せず前記第1の部分に部分的に隣接する前記第1の流体による第1の配置と、前記第1の部分には部分的に隣接せず前記第2の部分に少なくとも部分的に隣接する前記第1の流体による第2の配置との間で切換可能であり、
提供するディスプレイ効果の所定の色のために、前記エレクトロウェッティング素子を、前記第1の配置と比較してより高い彩度のディスプレイ効果を提供する前記第2の配置、または、前記第2の配置と比較してより高い明るさのディスプレイ効果を提供する前記第1の配置に選択的に切り換えること
をさらに含む、
請求項12に記載の方法。
前記エレクトロウェッティング素子が、前記ディスプレイ領域の前記第1の部分によって少なくとも部分的に重ねられる第1の電極と、前記ディスプレイ領域の前記第2の部分によって少なくとも部分的に重ねられる第2の電極とを含み、前記第1の電極と前記第2の電極とが前記ディスプレイ領域を有する前記表面を提供する支持板に位置づけられ、
前記第1の配置に前記エレクトロウェッティング素子を切り換えることが、前記第2の電極に前記第1の電極より大きい電位を印加することを含む、
請求項13に記載の方法。
前記ディスプレイデバイスが複数の前記エレクトロウェッティング素子を含み、前記多数がディスプレイ効果を提供するための画素を定義し、前記多数の各エレクトロウェッティング素子が、サブ画素ディスプレイ効果を提供するための前記画素のサブ画素であり、前記多数の各エレクトロウェッティング素子の前記第1の流体が、前記それぞれのエレクトロウェッティング素子の前記第2の区域を通過する光のために、前記それぞれのエレクトロウェッティング素子の少なくとも1つの経路から切換可能であって、前記画素の白色ディスプレイ効果を提供し、
前記多数の各エレクトロウェッティング素子の前記第1の流体を切り換え、前記それぞれのエレクトロウェッティング素子の前記少なくとも1つの経路から、前記それぞれのエレクトロウェッティング素子の前記第1の流体を少なくとも部分的に移動させ、前記白色ディスプレイ効果を提供することをさらに含む、
請求項12に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図1は、エレクトロウェッティングデバイスの例の一部の断面図を示す。この例において、デバイスは、複数のエレクトロウェッティング素子を含むエレクトロウェッティングディスプレイデバイス1であり、その素子は画素2である、そのうちの1つが図に示される。例において、複数のエレクトロウェッティング素子は、ディスプレイ効果を提供するための画素を定義してもよく、複数のうちの各エレクトロウェッティング素子は、サブ画素ディスプレイ効果を提供するためのサブ画素である。画素の横方向寸法は、2本の点線3、4によって図に示される。画素は、第1の支持板5と、第2の支持板6とを備える。支持板は、各画素の独立した部分でもよいが、支持板は、複数の画素で共有されてもよい。支持板は、ガラスまたはポリマー基板6、7を含んでもよく、固くても柔らかくてもよい。
【0007】
記載される例において、エレクトロウェッティング素子は、切換不可能なカラーフィルタを含み、それは以下でカラーフィルタとも呼ばれる。換言すれば、カラーフィルタは一定の形状を有し、したがって、切換不可能なカラーフィルタの空間配置は、変更可能、すなわち切換可能ではない。したがって、切換不可能なカラーフィルタは、非流体カラーフィルタでもよい。これは、たとえば下記の第1の流体と対比されてもよく、それは染料または顔料を含んでもよく、したがって、異なる第1の流体配置の間で切換可能であるカラーフィルタの働きをする。以下で説明されるように、カラーフィルタは、第1及び第2の流体の配置に加えて、エレクトロウェッティング素子によって提供されるディスプレイ効果をさらに決定する。
図1の例において、カラーフィルタ層、換言すれば、カラーフィルタを含む層があり、この例においては、第2の支持板6の表面上にあり、表面は下記の空間に向く。さらなる例において、カラーフィルタ層が、ディスプレイ効果を提供する素子を通過する光がカラーフィルタ層を通過するように位置づけられる場合、カラーフィルタ層は、エレクトロウェッティング素子の異なる位置に、たとえば、空間から外方を向く第2の支持板の表面上、または、第1の支持板の一部として、位置づけられてもよいことが理解されるべきである。
【0008】
図1に示される例において、カラーフィルタ層は、第1の区域と、第1の区域と異なる第2の区域とを有する。第1の区域は、切換不可能なカラーフィルタCFを備える。カラーフィルタは、光の少なくとも1つの波長、たとえば、可視スペクトルにおける波長を吸収し、したがって、カラーフィルタを通過する光をフィルタリングする。カラーフィルタは、カラーフィルタリング特性を有する材料から形成されてもよく、または、光の実質的にすべての波長、たとえば可視スペクトルにおける波長を透過する、カラーフィルタの働きをするコーティングを有する材料の層を備えてもよい。第2の区域は、たとえば、カラーフィルタによって吸収される光の少なくとも1つの波長に関して透過である透過区域Tであり、たとえば、第2の区域上に入射する実質的にすべての光、たとえば可視光のスペクトルにおける光の実質的にすべての波長に関して透過である。本明細書で使用される用語「実質的に」は、第2の区域によって透過される光の量にある程度の許容値があることを意味する。それゆえに、透過区域がすべての光を透過しないこともあるが、エレクトロウェッティング素子の性能が阻害されないだけ十分な光を透過することができる。たとえば、第2の区域は、第2の区域上に入射する光の90%、95%、またはそれ以上を透過させることができる。第2の区域はたとえば、第1の区域より3倍多い光、またはそれ以上の光を透過してもよい。第2の区域はたとえば、好適な材料から形成されてもよく、または、カラーフィルタ層における、光が貫通する開口、換言すれば、アパーチャまたはホールまたはスペースでもよい。カラーフィルタを形成するための材料の例は、JSR OPTMER TM CRシリーズなどのレジスト材料を含む。これらは、顔料分散フォトレジストである。第2の区域が材料から形成される場合、第2の区域を形成するための例示的な材料は、JSR OPTMER SSシリーズから選択される。これらは、カラーフィルタ区域のための保護上塗として使用できる熱硬化性材料であるが、第2の区域を形成するためにも使用することができる。それらは、主にアクリルポリマーからなる。カラーフィルタ及び透過区域は、境界Bで互いに接合する。カラーフィルタ及び透過区域は、ディスプレイ領域と平行な平面に沿って、互いに隣接する。
【0009】
ディスプレイデバイスは、ディスプレイデバイスで形成される画像またはディスプレイを閲覧できる視認側8と、後側9とを有する。図において、第1の支持板5は後側9を定義し、第2の支持板6は視認側を定義する。あるいは、第1の支持板が視認側を定義してもよい。ディスプレイデバイスは、反射、透過、または半透過タイプでもよい。ディスプレイデバイスは、画像がセグメントから組み立てられ、各セグメントがいくつかの画素を含む、セグメント化ディスプレイタイプでもよい。ディスプレイデバイスは、アクティブマトリクス駆動ディスプレイデバイス、ダイレクト駆動ディスプレイデバイス、またはパッシブ駆動ディスプレイデバイスでもよい。複数の画素が白黒でもよい。カラーディスプレイデバイスに関して、画素は、グループに分けられ、各グループ異なる色を有してもよい。あるいは、個々の画素が、異なる色を示すことができてもよい。
【0010】
支持板間のスペース10は、2つの流体、第1の流体11及び第2の流体12で満たされ、そのうちの少なくとも1つは液体でもよい。第2の流体は、第1の流体と不混和性である。第2の流体は、電気伝導性または極性があり、水または、水に塩化カリウムが入った溶液などの塩溶液でもよい。第2の流体は、透過的でもよいが、その代わりに、有色、白色、吸収性、または反射性でもよい。第1の流体は、電気的に非伝導性であり、たとえばヘキサデカンのようなアルカンでもよく、または、シリコンオイルなどのオイルでもよい。
【0011】
第1の流体は、光スペクトルの少なくとも一部を吸収する。第1の流体は、光スペクトルの一部について透過で、カラーフィルタを形成してもよい。この目的のために、第1の流体は、顔料粒子または染料の添加によって色をつけられてもよい。あるいは、第1の流体は、黒色、すなわち光スペクトルの実質的にすべて部分を吸収、または反射してもよい。反射性の第1の流体は、すべての可視スペクトルを反射し、層が白色に見えるようにしてもよく、または、その一部を吸収し、層が色を有するようにしてもよい。下で説明される例において、第1の流体は黒色であり、したがって、たとえば可視光のスペクトルにおいて、光スペクトルの実質的にすべての部分を吸収する。「実質的に吸収」という用語は、ある程度の変形例を含み、したがって、第1の流体が、素子の第1の流体の機能を実行するように、すべての波長ではなく、可視スペクトルなどの所定のスペクトル内の波長の大部分を吸収してもよい。それゆえに、第1の流体は、第1の流体に入射する実質的にすべての光を吸収するように構成される。たとえば、第1の流体は、可視スペクトルにおける、及び第1の流体に入射する光の90%以上を吸収してもよい。
【0012】
支持板5は、絶縁層13を含む。絶縁層は、透過型または反射型でもよい。絶縁層13は、画素の壁の間で延在してもよい。第2の流体12と絶縁層の下に配置される電極との間の短絡を避けるために、絶縁層の層は、図に示されるように、複数の画素2上に連続的に延在してもよい。絶縁層は、画素2のスペース10に面する表面14を有する。この例において、表面14は疎水性である。絶縁層の厚さは、2マイクロメートルより小さくてもよく、1マイクロメートルより小さくてもよい。
【0013】
絶縁層は、疎水性層でもよい。あるいは、疎水性層15と、所定の誘電性を有するバリア層16とを含んでもよく、疎水性層15、図に示されるように、スペース10に面する。疎水性層は、
図1に概略的に示され、テフロン(登録商標)AF1600から形成されてもよい。バリア層16は、基板の平面に垂直な方向にとられる、50ナノメートル〜500ナノメートルの間の厚さを有してもよく、酸化シリコン若しくは窒化シリコン若しくはこれらのスタック(たとえば、酸化シリコン−窒化シリコン−酸化シリコン)などの無機材料、または、ポリイミド若しくはパリレンなどの有機物質から作製されてもよい。バリア層は、異なる誘電率を有する複数の層を備えてもよい。
【0014】
第1の流体は、絶縁層13の表面に対して、第2の流体12より高い湿潤性を有するため、表面14の疎水特性は、第1の流体11を絶縁層13に優先して付着させる。湿潤性は、固体の表面に対する流体の相対的親和性に関するものである。湿潤性は、流体と固体の表面との間の接触角によって計測されてもよい。接触角は、流体固体境界での流体と固体との間の表面張力で差によって決定される。たとえば、表面張力の大きい差は、疎水性を示す可能性がある。
【0015】
各素子2は、支持板5の一部として電極17を含む。示される例においては、そのような電極17が素子ごとに1つ存在する。電極17は、絶縁層13によって流体から切り離される。隣接する画素の電極は、非導電層によって切り離される。
【0016】
いくつかの例において、絶縁層13と電極17との間に、さらなる層が配置されてもよい。電極17は、任意の所望の形状または形態とすることができる。画素の電極17には、図に概略的に示される信号線18によって、電圧信号が供給される。第2の信号線19は、導電性の第2の流体12と接触する電極に接続される。この電極は、流体的に相互接続され、壁によってさえぎられない第2の流体を共用するとき、すべての素子に共通でもよい。画素2は、信号線18と19との間に印加される電圧Vによって制御することができる。基板7上の電極17は、ディスプレイ制御装置に結合される。マトリクス状に配置される画素を有するディスプレイデバイスにおいて、電極は、基板7上の制御線のマトリクスに結合することができる。
【0017】
第1の流体11はこの例において、画素の断面に従う少なくとも1枚の壁、この例においては壁20によって1つの画素に制限される。画素の断面は、任意の形状を有してもよい。画素がマトリクス状に配置されるとき、断面は通常、正方形または長方形である。壁は、絶縁層13から突出する構造として示されているが、その代わりに、親水性層またはより小さい疎水性層などの、第1の流体を押し戻す支持板の表面層でもよい。壁は、第1の支持板から第2の支持板まで延在してもよいが、その代わりに
図1に示されるように、第1の支持板から第2の支持板まで部分的に延在してもよい。点線3及び4によって示される画素の寸法は、壁20の中心で定義される。点線21及び22によって示される画素の壁の間の表面14の領域は、ディスプレイ効果が発生するディスプレイ領域23と呼ばれている。ディスプレイ効果は、第1及び第2の流体がディスプレイ領域によって定義される表面に隣接する領域のサイズに基づき、上記の印加される電圧Vの大きさに従う。それゆえに、印加される電圧Vの大きさは、エレクトロウェッティング素子内の第1及び第2の流体の配置を決定する。エレクトロウェッティング素子を1つの流体配置から異なる流体配置に切り換えるとき、ディスプレイ領域表面に隣接する第2の流体の領域のサイズは、ディスプレイ領域表面に隣接する第1の流体の領域のサイズの増減により、それぞれ増減してもよい。したがって、複数の流体配置に関して、第1の流体及び第2の流体がディスプレイ領域に隣接する領域のサイズは、複数の配置の違いによって異なってもよい。
【0018】
図2は、第1の支持板の疎水性層の平面図における、長方形の画素のマトリクスを示す。
図2の中央画素の寸法は、
図1の点線3及び4に対応し、点線25によって示される。線26は壁の内側縁を示し、ディスプレイ領域23の端部、すなわち周辺でもある。
【0019】
以下でさらに記載されるように、本明細書に記載される例において、ディスプレイ領域の平面に平行な平面におけるカラーフィルタCFの広がりは、ディスプレイ領域より小さい、すなわち少ない。カラーフィルタの広がりは、ディスプレイ領域と重なる、すなわち覆う、そして、光がディスプレイ効果を提供するために通過するカラーフィルタの広がり、たとえば領域である。たとえば、広がりは、スペースに面するカラーフィルタの表面の領域でもよい。既知の素子において、カラーフィルタは、ディスプレイ領域と同じまたはそれより大きい広がりを有する。それゆえに、ディスプレイ領域を通過するすべての光はまた、カラーフィルタを(素子の構造に応じて)通過する、かつ/または、通過した。現在の例においては、ディスプレイ領域より小さいカラーフィルタの広がりにより、ディスプレイ領域を通過するまたは通過した一部は、カラーフィルタを通過していなくもまたは通過しなくてもよい。以下で説明されるように、これは、たとえば、より明るい有色ディスプレイ効果または白色ディスプレイ効果が提供されてもよいことを意味する。切換不可能なカラーフィルタは、たとえば、少なくとも1枚の壁に部分的に重なってもよいことに留意されたい。
【0020】
電圧が電極間に印加されていないとき、すなわち、エレクトロウェッティング素子がオフ状態であるとき、
図1に示されるように、第1の流体11は壁20の間に層を形成する。電圧印加は、
図1の点線形状24で示されるように、第1の流体をたとえば壁に対して収縮させる。第1の流体の制御可能な形状は、印加される電圧の大きさに基づいて、画素を光弁として作動させるために使用され、ディスプレイ領域23上にディスプレイ効果を提供する。たとえば、流体を切り換えて、第2の流体のディスプレイ領域との接合を増加させることによって、素子によって提供されるディスプレイ効果の明るさを増加させてもよい。
【0021】
図1及び2に示されるように、ディスプレイ領域は、2つの部分、第1の区域すなわちカラーフィルタの広がりによって重ねられるディスプレイ領域の第1の部分P1と、第2の区域すなわち透過区域の広がりによって重ねられるディスプレイ領域の第2の部分P2とに分けられてもよい。第1及び第2の部分P1、P2は、カラーフィルタ層の第1の区域と第2の区域との間の境界と対応する、点線Bで
図2に示される境界Bによって分割される。第1の部分に関して、ディスプレイ領域の第1の部分の周辺は、ディスプレイ領域の平面に垂直な軸に沿って照射される場合、実質的に整列する、または、カラーフィルタの広がりの周辺によって重ねられる。第2の部分に関して、ディスプレイ領域の第2の部分の周辺は、ディスプレイ領域の平面に垂直な軸に沿って照射される場合、実質的に整列する、または、透過区域の広がりの周辺によって重ねられる。「実質的に整列」という用語は、ディスプレイ領域の平面に垂直な軸に沿った厳密な位置合わせからのある程度の変形を含む。換言すれば、エレクトロウェッティング素子の機能を阻害しないように、第1の部分は第1の区域の広がりと十分に整列されてもよく、第2の部分は第2の区域の広がりと十分に整列されてもよい。
図2から分かるように、カラーフィルタの広がりと透過区域の広がりとの合計は、ディスプレイ領域に平行な平面に含まれ、ディスプレイ領域に等しい。たとえば、カラーフィルタの広がりは、ディスプレイ領域の60%と対応してもよく、透過区域の広がりは、ディスプレイ領域の40%と対応してもよい。
【0022】
第1及び第2の部分が、それぞれ、第1及び第2の区域の広がりと実質的に整列されることによって、ディスプレイ領域及びカラーフィルタCFは、この例において、ディスプレイ効果を提供するための光の第1の部分が、ディスプレイ領域(すなわち、第1の部分)及びカラーフィルタを通過し、その一方で、光の第2の部分が、カラーフィルタ領域ではなくディスプレイ領域(すなわち、第2の部分)を通過するように配置される。その代わりに、光の第2の部分は、透過区域Tを通過する。
【0023】
透過型のディスプレイにおいては、バックライトの光は、たとえば、後側9から視認側8に進むことに留意されたい。反射型のディスプレイにおいては、光は、視認側8を通って素子2に入り、ディスプレイ領域を通過し、反射器(示されない)によって視認側の方へ反射される。透過型ディスプレイ及び反射型ディスプレイの両方において、カラーフィルタ層は、ディスプレイ効果を提供するための光の経路に、適切に位置づけられる。
【0024】
記載される例は、白色光を発するバックライトを使用する透過型ディスプレイに関するものであるが、記載される原理は、異なる色のバックライトからの光を使用する反射型及び/または透過型のディスプレイに適用可能であることが理解されるべきである。
【0025】
視認側で提供されるディスプレイ効果は、流体の配置に基づいて決定される。ディスプレイ領域に隣接する第1の流体の領域のサイズ、及び第1の流体がディスプレイ領域に隣接する位置に応じて、後側に入る光は、カラーフィルタ及び透過区域の両方の少なくとも一部を通過するように、または、その代わりに、カラーフィルタ及び透過区域のうちの一方を通過し、他方を通過しないように、修正することができる。ここで、例が
図3A〜3Dを参照して記載される。
【0026】
図3A〜3Dは、
図2と同じ図を示すが、3つの一列に隣接するエレクトロウェッティング素子2R、2G、2Bが示される。この例において、素子2Rのカラーフィルタは、赤色光を提供するための赤色カラーフィルタであり、素子2Gのカラーフィルタは、緑色光を提供するための緑色カラーフィルタであり、素子2Bのカラーフィルタは、青色光を提供するための青色カラーフィルタである。したがって、素子2R、2G、2Bのそれぞれが、フルカラー画素を一緒に形成するサブ画素と考えることができ、ディスプレイ効果の色は、各素子によって提供される赤色、緑色、及び青色の光の量に依存する。さらなる例において、カラーフィルタの異なる色が、異なる組合せで使用されてもよいことが理解されるべきである。たとえば、3つの隣接するサブ画素のカラーフィルタは、それぞれ、シアンカラーフィルタ、マゼンタカラーフィルタ、及び黄色カラーフィルタでもよい。この例において、
図3A〜3Dは、各エレクトロウェッティング素子の第1及び第2の部分が、エレクトロウェッティング素子の機能を阻害しないために必要な位置合わせの程度に、実質的に互いに整列されていることを示す。
【0027】
ここで、現在の例の例示的なディスプレイ効果が、
図3A〜3Dを参照して記載される。これらの例は、後側から視認側に進む光は、点線3、4に平行な方向、すなわちディスプレイ領域平面に垂直な方向に進むと仮定している。さらなる例において、光が異なる方向に進んでもよいことが理解される。それゆえ、さらなる例において、第1の流体によるディスプレイ領域と隣接する領域のサイズは、光の異なる進行方向を考慮する所望のディスプレイ効果を提供するために選択されることが想定される。
【0028】
図3A〜3Dは、第1の流体配置が各素子で同じである例を示す。第1の流体がディスプレイ領域に隣接する領域のサイズは、各素子によって異なる可能性があり、第1の流体は、各素子によって独立して切換可能でもよいことが理解されるべきである。したがって、画素ディスプレイ効果は、異なるサブ画素でディスプレイ領域に隣接する第1の流体の領域の異なるサイズからのサブ画素ディスプレイ効果の組合せによって形成されてもよい。さらなる流体配置は、以下の記載内容と比較して想定される。
【0029】
図3Aは、第1の部分P1内のディスプレイ領域の領域に隣接し、第1の部分P1の領域より小さい第1の流体11の配置を示す。それゆえ、第1の流体は第2の部分に隣接しない。したがって、後側から視認側に進む光は、第1の流体がその一部を通過する光の経路でないカラーフィルタCFの一部を通過する。さらに、後側から視認側に進む光は、透過区域Tを通過する。したがって、視認側で提供されるディスプレイ効果は、カラーフィルタの部分によって色づけされる光と透過区域によって透過される光との組合せである。
【0030】
図3Bは、第1の部分P1内のディスプレイ領域の領域に隣接し、第1の部分P1の領域に等しい第1の流体11の配置を示す。それゆえ、第1の流体は第2の部分の一部に隣接しない。したがって、後側から視認側に進む光は、第1の流体が光の経路にあるため、カラーフィルタCFを通過しない。さらに、後側から視認側に進む光は、透過区域Tを通過する。したがって、視認側で提供されるディスプレイ効果は、透過区域によって透過される光であり、カラーフィルタを通過する光を含まない。バックライトが発する白色光による、ディスプレイ効果は、白色ディスプレイ効果である。それゆえ、複数のエレクトロウェッティング素子を備えるエレクトロウェッティングディスプレイデバイスの画素は、光がそれぞれの素子の第2の区域を通過することを可能にするそれぞれのエレクトロウェッティング素子の少なくとも1つの光路から各エレクトロウェッティング素子の第1の流体を切り換えることによって、白色ディスプレイモードに切り換えられてもよい。
【0031】
既知のエレクトロウェッティングディスプレイデバイスは、それぞれが赤色(R)、緑色(G)、青色(B)、及び白色(W)のディスプレイ効果をそれぞれ提供するためのサブ画素である4つのエレクトロウェッティング素子を備える画素を含む。そのような画素は、RGBW画素と呼ばれることがある。本明細書に記載される例のエレクトロウェッティング素子を使用する場合、白色ディスプレイ効果を提供するための独立したエレクトロウェッティング素子が、必要ないことがある。その代わりに、
図3Bを使用して説明されるように、白色ディスプレイ効果は、カラーフィルタではなく透過区域を通過する光を使用して提供されてもよい。3つの素子2R、2G、2Bの第2の区域を互いに整列させることによって、連続的な区域が、全体に白色ディスプレイ効果を提供するために、第2の区域から形成される3つの素子にわたって定義されてもよい。したがって、RGBW画素は、白色ディスプレイ効果のための独立したエレクトロウェッティング素子を必要とすることなく設けられる。RGBW画素のために4つではなく3つのサブ画素を使用する場合、そのようなRGBW画素を含むディスプレイデバイスは、既知のRGBWディスプレイデバイスより高い解像度の画像を有することができる。実質的に、白色のサブ画素は、RGB画素のアーキテクチャ内で提供される。その上、RGB画素アーキテクチャは一般的なアーキテクチャであるため、本明細書の例は、RGBアーキテクチャをRGBW画素アーキテクチャに簡単に修正することを可能にする。
【0032】
図3Cは、ディスプレイ領域の全域に隣接する第1の流体11の配置を示す。換言すれば、第1の流体は、ディスプレイ領域の第1の部分及び第2の部分、P1及びP2に隣接する。したがって、第1の流体は、後側から進む光を実質的にすべて吸収する。それゆえ、ディスプレイ効果は、黒色ディスプレイ状態を考慮することができる。
【0033】
ここまで
図3A〜3Cで順番に記載された例は、第1の部分に収縮され、ディスプレイ領域のさらに全体に第1の部分から第2の部分への方向で広がる第1の流体を有する。印加される電圧の大きさに応じて、
図3A〜3Cに示される以外の、さらなる流体配置が想定される。
図3A〜3Cの配置を含むそのような例において、
図1に示されるように、左手側の壁に隣接する位置で、第1の流体は動かないようにされる、すなわち固定または設置され、流体配置を変えるときに、その位置から、第1の流体が広がるまたは収縮される。
【0034】
図3A〜3Cを使用して示される以外の代替の例において、第1の流体は代わりに、たとえば、第2の部分の収縮された配置から、第2の部分から第1の部分への方向でディスプレイ領域全体へ広がるような、異なる動きをしてもよい。このような例においては、第1の流体は、代わりに、
図1に示されるような右手側の壁に隣接する位置で動かないようにされてもよく、第1の流体は第2の部分から第1の部分の方向へ、すなわちその位置から広がる、または、第1の部分から第2の部分の方向へ、すなわち、第1の流体が動かないようにされる位置の方へ収縮される。たとえば、
図3Dは、第1の流体が第2の部分P2の領域に隣接するが、第1の部分には隣接しないような例を示す。したがって、視認側で提供されるディスプレイ効果は、各素子のカラーフィルタCFによって色づけされる光からなり、透過区域Tを通過した光を含まない。それゆえに、赤色、緑色、及び青色カラーフィルタによる画素のディスプレイ効果は、白色ディスプレイ効果である。さらなる例は、
図3Dを使用して示される以外で想定され、第1の流体は示されるような右手側の壁で動かないようにされている。たとえば、電圧は、第1の流体は、第2の部分の領域及び第1の部分の領域の一部に隣接するように印加されてもよい。これは、
図3Dのものと同様のディスプレイ効果を提供するが、カラーフィルタCFを通過する光がより少ないため、強度は低い。別の例において、電圧は、第1の流体が第2の部分の領域の一部に隣接する、すなわち、第1の流体が
図3Dより小さい第2の部分の合計領域に隣接するように印加されてもよい。この例は、光が透過区域の一部も通過するため、
図3Dよりも明るいディスプレイ効果を提供する。このような例において、
図3Dに示される各素子の第1の流体は、第2の部分の領域の一部、すなわち、第2の部分の合計領域より少ない部分に隣接するように構成されてもよい。このような例において、白色ディスプレイ効果は、赤色、緑色、及び青色カラーフィルタ、さらに各素子の透過区域の一部を通過する光の組合せによって提供される。したがって、3つの素子が、RGBW画素として機能してもよい。本例の白色ディスプレイ効果は、第1の流体が第1の部分に隣接しないため、
図3Bによって示される白色ディスプレイ効果と比較して、より大きい色純度であり、それは、
図3Bの例よりも多い光がカラーフィルタを通過することを意味することに留意されたい。
【0035】
さらなる例において、ディスプレイデバイスは、
図3A〜3Cによって示される流体配置及び/または(たとえば
図1に示される左手側の壁に隣接する)第1の位置で動かないようにされる第1の流体による別の流体配置が、
図3Dの流体配置及び/または(たとえば
図1に示される右手側の壁に隣接する)第2の異なる位置で動かないようにされる第1の流体による別の流体配置に加えて得られてもよいように構成されてもよい。したがって、汎用的なエレクトロウェッティングディスプレイデバイスが設けられてもよく。流体配置は、ディスプレイ効果を提供するための光が、たとえば、カラーフィルタの少なくとも一部のみ、透過区域の少なくとも一部のみ、または、カラーフィルタ及び透過区域のそれぞれの少なくとも一部を通過してもよいように、切換可能である。
【0036】
上で説明されたように、1つの素子の第1の流体の配置は、別の素子と独立して変えてもよい。したがって、たとえば
図3Aを参照すると、第1の赤色ディスプレイ効果は、示されるような素子2Rの第1の流体配置で提供されてもよく、それは部分的に第1の部分に隣接するが、第2の部分には隣接しない第1の流体による配置である。第1の赤色ディスプレイ効果に関して、素子2G、2Bの第1の流体は、
図3Cに示されるように構成されてもよい。同様に、
図3Dを参照すると、第2の赤色ディスプレイ効果は、示されるような素子2Rの第2の流体配置を使用して提供されてもよく、それは、少なくとも部分的に第2の部分に隣接するが、第1の部分に隣接しないまたは部分的に隣接する第1の流体による配置である。第2の赤色ディスプレイ効果に関して、素子2G、2Bは、
図3Cに示されるように構成されてもよい。これらの2つの赤色ディスプレイ効果は対比することができる。第1の赤色ディスプレイ効果においては、第1の流体が透過区域を通る経路に沿って通過する光を吸収するように構成されないため、光は透過区域を通過し、第2の赤色ディスプレイ効果より高い明るさ、すなわち輝度を有する赤色ディスプレイ効果の提供に寄与する。しかし、透過区域を通過する光がこの例では白色であるため、第1の赤色ディスプレイ効果の彩度は弱められる、すなわち、第1の赤色ディスプレイ効果は、第2の赤色ディスプレイ効果より色が薄い。対照的に、第2の赤色ディスプレイ効果においては、第1の流体は、透過区域を通過する経路の光を実質的にすべて吸収するように構成される。したがって、この例において、第2の赤色ディスプレイ効果は、カラーフィルタを通過し、透過区域を通過していない光から形成される。したがって、第2の赤色ディスプレイ効果は、透過区域を通過し彩度を弱める光がないため、第1の赤色ディスプレイ効果より高い彩度を有する。結果として、第2の赤色ディスプレイ効果は、第1の赤色ディスプレイ効果より低い明るさを有する。より高い彩度のディスプレイ効果はたとえば、ディスプレイが明るいすなわち強く照らされた環境で見られるときに望ましく、その一方で、より高い明るさディスプレイ効果はたとえば、ディスプレイが薄暗いすなわちより低い照度の環境で見られるときに望ましい。
【0037】
いくつかの例において、ディスプレイデバイスは、第2の赤色ディスプレイ効果などのより高い彩度を有するディスプレイ効果ではなく、第1の赤色ディスプレイ効果などのより高い明るさを有する有色ディスプレイ効果のみを提供するように構成されてもよい。他の例において、ディスプレイデバイスは、第1の赤色ディスプレイ効果などのより高い明るさを有するディスプレイ効果ではなく、第2の赤色ディスプレイ効果などのより高い彩度を有する有色ディスプレイ効果のみを提供するように構成されてもよい。さらなる例において、ディスプレイデバイスは、第1の赤色ディスプレイ効果などのより高い明るさを有するディスプレイ効果、及び、第2の赤色ディスプレイ効果などのより高い彩度を有するさらなるディスプレイ効果を提供するように構成されてもよい。そのようなデバイスの例は、
図4を使用して以下に記載される。
【0038】
説明されるように、第1の流体は、例において異なるように切り換えて、より高い彩度またはより高い明るさを有する所望の色のディスプレイ効果を提供してもよい。第1及び第2の赤色ディスプレイ効果のための上記以外にさらなる第1の流体配置が想定され、ここで、第1の流体はたとえば、より大きいまたはより小さいディスプレイ領域の領域に隣接する。さらに、赤色ディスプレイ効果に関してここで記載される原理は、緑色及び青色の素子に適用してもよく、さらなる例において、異なる色のディスプレイ効果を提供するための素子に適用してもよい。
【0039】
第1及び第2の流体の切換を制御して、所望のディスプレイ効果を得るために、さまざまな技術を使用することができる。たとえば、
図3A、3B、及び3Cの第1の流体配置は、たとえば
図1の素子を使用して得られてもよく、ここで、第1の流体は、図の左手側の壁に隣接する位置から収縮し、かつ広がる。しかし、さらなる例において、たとえば、
図3Dの第1の流体配置も提供されるべきである場合、したがって、ディスプレイ領域の1つより多い位置で流体の動きを開始する必要がある場合、複数の電極が使用されてもよい。そのような素子の例が、
図4に示される。
図4の素子の特徴は、
図1の素子の特徴と同じであり、同じ参照番号で示される。この例において、2つの電極、すなわち、第1の電極17A及び第2の電極17Bが、第1の支持板5の電極層にある。電極17A、17Bは非導電素子Iによって切り離される。第1の電極17Aは本例において、ディスプレイ領域の電極に隣接して、それに平行な平面で同様または同一の寸法で、ディスプレイ領域の第1の部分として位置づけられる。第1の電極は、ディスプレイ領域の第1の部分によって、少なくとも部分的に重ねられる。第2の電極17Bは本例において、ディスプレイ領域の電極に隣接して、それに平行な平面で同様または同一の寸法で、ディスプレイ領域の第2の部分として位置づけられる。第2の電極は、ディスプレイ領域の第2の部分によって、少なくとも部分的に重ねられる。電位は、第1及び第2の信号線18A、18Bを介して、それぞれ第1及び第2の電極に印加されてもよい。素子を駆動させ、
図3A、3B、及び3Cの流体配置を得るために、第1及び第2の電極17A、17Bが一緒に単一の電極として働くように、同一の電位が、第1及び第2の電極17A、17Bに印加されてもよい。または、別の例において、第2の電極17Bに第1の電極17Aより大きい電位を印加し、第2の電極17B上での第1の流体の動きを開始させ、第1の流体を第1の電極17Aの方向に移動させてもよい。素子を駆動させ、
図3Dの流体配置を得るために、第1の電極17Aに第2の電極17Bより大きい電位を印加し、代わりに、第1の電極17Aでの第1の流体の動きを開始させ、第1の流体を第2の電極17Bの方向に移動させてもよい。このように、第1の流体配置は、所望のディスプレイ効果に応じて、異なるように切り換えることができる。ことが理解されるであろう。第1及び/または第2の電極17A、17Bへの適切な電位の印加は、ディスプレイ領域に対する第1の流体の隣接の領域のサイズ及びその位置を制御することを可能にする。
【0040】
再び
図1を参照すると、第1の流体の動きが発生する場所、及びそれゆえに第1の流体の配置を制御するために使用されてもよい別の技術は、たとえば、電圧が信号線18、19の間で印加される率である。たとえば、
図3A、3B、及び3Cを使用して示されるディスプレイ効果を得るために、段階的な電圧印加が、第1の流体を
図1に示されるような素子の右手側で開始させてもよい。対照的に、迅速かつ即時に、そして所望のディスプレイ効果に必要とされるよりもできる限り大きく、電圧を信号線18、19に印加することによって、第1の流体を、異なる位置、たとえば、
図1に示されるような素子の左手側へ移動させ始めてもよい。したがって、たとえば、
図3Dによる第1の流体配置を得ることができる。そのような技術が、流体動きを制御するための他の技術と組み合わせて使用されてもよい。
【0041】
流体動きを制御するための他の既知の技術は、カットアウトによって
図1の電極17を形づくることを含み、信号線18、19の間に電圧を印加するとき、電圧はディスプレイ領域の一部では印加されない。これは、第1の流体をその部分に集中させることを促進する。ディスプレイ領域表面ではなく第1の流体に対する異なる湿潤性を有する表面、たとえば親水性の表面を使用し、電圧を印加するときに第1の流体の動きを開始するところを決定することも可能である。
【0042】
図5は、
図1のようなエレクトロウェッティング素子を制御するための、たとえば、エレクトロウェッティングディスプレイデバイスのマトリクスとして配置される複数のエレクトロウェッティング素子を制御するための制御装置の例を概略的に示す。この例における制御装置は、エレクトロウェッティング素子(単数または複数)のいわゆる直接駆動のためのものであり、支持板6に付着する集積回路の形態でもよい。既知のアクティブマトリクス型ディスプレイも、そのような制御装置を使用してもよい。制御装置28は、制御ロジック及び切換ロジックを含む。装置は、信号線30及び一般的な信号線32によって、各エレクトロウェッティング素子に接続される。各電極信号線30は、制御装置28からの出力をそれぞれ異なる電極17に接続する。一般的な信号線は、電極を介して第2の流体12に接続される。1つまたは複数の入力データ線34も含まれ、それによって、制御装置は、エレクトロウェッティング素子のそれぞれに所望のディスプレイ効果を示すデータで指示することができる。たとえば、この入力データはビデオデータでもよい。
【0043】
制御装置の例は、表示される画像に関する入力データ線34からの入力データを受信する、示されるディスプレイ制御部36などの制御部、たとえばマイクロコントローラを含む。
【0044】
ディスプレイ制御部は、信号線30、32を介して、電極17と第2の流体との間に印加される電圧を制御するために配置され、それによって、エレクトロウェッティング素子に第1及び第2の流体の配置を決定する電界を提供し、それによって、エレクトロウェッティング素子によって提供されるディスプレイ効果を決定する。ディスプレイ制御部は、画素ごとの、少なくとも1つの信号レベルのタイミング及び/または信号レベルを制御する。
【0045】
ディスプレイ制御部の出力38は、信号分配器及びデータ出力ラッチ40のデータ入力に接続される。信号分配器は、たとえばドライバを介して、ディスプレイデバイスに接続される複数の出力上に、受信データを分布させる。信号分配器は、特定の画素が固有のディスプレイ効果を提供することを示すデータ入力をこの素子に接続される出力に送信する。分配器は、シフトレジスタでもよい。入力データはシフトレジスタにクロックインされ、ラッチパルスの受信時に、シフトレジスタの内容が出力ラッチへコピーされる。出力ラッチは、ドライバアセンブリ42に接続される、1つまたは複数の出力を有する。そして、ラッチの出力は、制御装置内の1つまたは複数のドライバステージ44の入力に接続される。各ドライバステージの出力は、信号線30及び32を通して対応する画素に接続される。入力データ34に応じて、ドライバステージは、ディスプレイ制御部によって設定される信号レベルの電圧を出力し、画素の1つを設定して対応するディスプレイ効果を提供する。
【0046】
制御装置は、本明細書に記載される例によるエレクトロウェッティング素子を駆動するように構成される。例において、たとえば、
図6によると、制御装置は、ディスプレイ効果を提供するために、カラーフィルタ(たとえば第1の区域)を通過する光の比率及びカラーフィルタを通過しない光の比率、たとえば第2の区域を通過する比率を制御するために、所定の配置に第1及び第2の流体を切り換えるために印加される電圧の大きさを設定することによって、エレクトロウェッティング素子を駆動する。この設定は、異なる所定の流体配置に対応する電圧振幅値のルックアップテーブルを示す、メモリに保存されたデータにアクセスすることによって実行されてもよく、それによって、素子に印加するために設定される印加される電圧の大きさを決定する。必要な流体配置のための印加される電圧が決定されると、制御装置は素子を駆動し、第1及び第2の流体を第1及び第2の流体の所定の配置に構成して、ディスプレイ効果を提供する。
【0047】
上で説明されたように、素子によって提供される、たとえば特定のグレースケール値すなわち強度レベルを有する所定のディスプレイ効果に関して、特定の色のために、利用可能な2つの選択肢、より高い明るさのディスプレイ効果またはより高い彩度のディスプレイ効果があってもよい。それゆえに、ディスプレイ制御部は、エレクトロウェッティング素子を駆動する方法を実行し、提供するディスプレイ効果を選択してもよい。視認環境に応じて、たとえば視認側の照度の尺度を示す入力データを使用してこの選択を行い、どのディスプレイ効果を提供するか決定してもよい。たとえば、上で説明されたように、明るい環境において、より高い彩度のディスプレイ効果が提供されてもよく、その一方で、暗く、より薄暗い環境において、より高い輝度のディスプレイ効果が提供されてもよい。したがって、ディスプレイ制御部は、提供するディスプレイ効果の所定の色のために、エレクトロウェッティング素子をより高い彩度ディスプレイ効果のための流体配置に切り換えるかどうか、または、エレクトロウェッティング素子をより高い明るさディスプレイ効果のための流体配置に切り換えるかどうかを決定することを含む、エレクトロウェッティング素子を駆動する方法を実行してもよい。次いで、ディスプレイ制御部は、その決定に応じて、エレクトロウェッティング素子を適切な流体配置に切り換えてもよい。したがって、ディスプレイ制御部は、エレクトロウェッティング素子を、第1の配置または第2の配置に選択的に切り換える。先に説明されたように、ディスプレイ制御部は、所望のディスプレイ効果を得るためにエレクトロウェッティング素子に印加する電圧振幅を調べるために、記憶データにアクセスしてもよい。そのようなデータはまた、電圧を印加する率、及び/または、たとえば
図4に従って素子を駆動するための、前に記載された第1及び第2の電極17A、17Bなどの素子の複数の電極に印加する電圧の大きさを示してもよい。
【0048】
上で説明された例において、ディスプレイ制御部は、少なくとも1つのプロセッサを含む。このプロセッサは、汎用プロセッサ、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向けIC(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブルロジックデバイス、離散ゲートまたはトランジスターロジック、離散ハードウェアコンポーネント、または、本明細書に記載される機能を実行するために設計されたそれらの任意の好適な組合せでもよい。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは、任意の他のそのような配置として実装されてもよい。プロセッサは、1つまたは複数のメモリから情報を読み取るため、あるいは1つまたは複数のメモリに上方を書き出すために、1つまたは複数のバスを介して、結合されてもよい。プロセッサは、追加的にまたは択一的に、プロセッサレジスタなどのメモリを含有してもよい。これらのメモリはいずれも、上記のようなディスプレイ効果データを記憶してもよい。そのようなメモリはまた、コンピュータ可読命令を有する非一時的コンピュータ可読記憶媒体、すなわちコンピュータソフトウェアでもよく、それは、実行されると、少なくとも1つのプロセッサに本明細書に記載される例による方法を実行させる。それゆえに、そのようなコンピュータソフトウェアは、本明細書の例の方法を実行するように適合される。1つまたは複数のメモリは、それぞれのレベルがそれぞれの能力及びアクセス速度を有するマルチレベル階層キャッシュを含む、プロセッサキャッシュを含んでもよい。メモリは、ランダムアクセスメモリ(RAM)及び他の揮発性記憶装置をさらに含んでもよい。
【0049】
上記の実施形態は、説明用の例示と理解すべきである。さらなる実施形態が想定される。たとえば、上で説明された例において、ディスプレイ領域の第1及び第2の部分は、それぞれ長方形で、ディスプレイ領域の両側に位置づけられる。したがって、両側の一方から他方への方向で第1の流体を収縮させるまたは広げることによって第1の流体がディスプレイ領域に隣接する領域のサイズを変えることは、ディスプレイ効果に寄与している光量の制御を可能にする。ディスプレイ領域の第1及び第2の部分の異なる形状及び/またはサイズ、したがってここで記載される以外の第2及び第1の区域の広がりを有する、さらなる例が想定される。このような例において、ディスプレイ効果を決定することが必要とされる第1の流体配置は、
図3A〜3Dに記載される第1の流体配置と異なってもよく、適切な流体動きの制御技術、たとえば上記の技術を使用して得られてもよい。さらなる例において、カラーフィルタ及び透過区域の広がり、したがって素子の第1及び第2の部分の領域は、異なる色のために異なってもよく、ディスプレイ効果を提供するための成分カラーの明るさは、異なる色の光に対する人の目の感度に従って調整されてもよい。同様の理由のために、たとえばカラーフィルタの顔料の濃度は、異なる色のカラーフィルタのために異なってもよい。さらに、また同様の理由のために、素子を通して視認側へ光を透過するためのバックライトの明るさは、カラーフィルタの異なる色のために異なってもよい。
【0050】
任意の1つの実施形態に関して説明されるあらゆる特徴は、単独で、または説明された他の特徴と組み合わせて用いてもよく、他の任意の実施形態の、または、他の任意の実施形態の任意の組合せの1つまたは複数の特徴と組み合わせて用いることもできることを理解されたい。さらに、上で説明されていない等価物及び変更形態もまた、添付の特許請求の範囲から逸脱することなく用いることができる。
【0052】
1.エレクトロウェッティング素子が、ディスプレイ領域を有する表面と、第1の流体及び前記第1の流体と不混和性の第2の流体であって、前記第1及び第2の流体の配置が切換可能であり、印加される電圧を使用して、前記第1及び第2の流体が前記ディスプレイ領域に隣接する領域のサイズを決定し、それによって、前記エレクトロウェッティング素子によって提供されるディスプレイ効果を決定する、第1の流体及び前記第1の流体と不混和性の第2の流体と、前記ディスプレイ効果をさらに決定するための切換不可能なカラーフィルタであって、前記ディスプレイ領域の平面に平行な平面における前記切換不可能なカラーフィルタの広がりが前記ディスプレイ領域よりも小さい、切換不可能なカラーフィルタとを備える、エレクトロウェッティング素子を備えるディスプレイデバイス。
【0053】
2.前記第1及び第2の流体が、複数の配置に構成可能であり、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記ディスプレイ領域に隣接する領域の前記サイズが、前記複数の配置の違いによって異なり、前記ディスプレイ効果を提供するための前記切換不可能なカラーフィルタを通過する光の比率及び前記切換不可能なカラーフィルタを通過しない光の比率を制御する、条項1に記載のディスプレイデバイス。
【0054】
3.前記エレクトロウェッティング素子が第1の区域及び第2の区域を有するカラーフィルタ層を備え、前記第1の区域が前記切換不可能なカラーフィルタを備え、前記第2の区域が前記切換不可能なカラーフィルタによって吸収される光の少なくとも1つの波長を透過する、条項1に記載のディスプレイデバイス。
【0055】
4.前記第2の区域が、前記カラーフィルタ層の開口、または、前記切換不可能なカラーフィルタによって吸収される光の少なくとも1つの波長を透過する材料のうちの1つまたは複数を備える、条項3に記載のディスプレイデバイス。
【0056】
5.前記第1及び第2の流体が、前記ディスプレイ効果を提供するための前記第1の区域を通過する光の比率及び前記ディスプレイ効果を提供するための前記第2の区域を通過する光の比率を制御するように構成可能である、条項3に記載のディスプレイデバイス。
【0057】
6.前記ディスプレイ領域の第1の部分が、前記ディスプレイ領域の前記平面に平行な平面にある前記第1の区域の広がりによって重ねられ、前記ディスプレイ領域の第2の部分が、前記ディスプレイ領域の前記平面に平行な平面にある前記第2の区域の広がりによって重ねられ、前記第1の流体が、前記第2の部分には隣接せず前記第1の部分に部分的に隣接する前記第1の流体による第1の配置と、前記第1の部分には部分的に隣接せず前記第2の部分に少なくとも部分的に隣接する前記第1の流体による第2の配置との間で切換可能である、条項3に記載のディスプレイデバイス。
【0058】
7.前記ディスプレイ領域の前記第1の部分によって少なくとも部分的に重ねられる第1の電極と、前記ディスプレイ領域の前記第2の部分によって少なくとも部分的に重ねられる第2の電極とを備え、前記第1及び第2の電極が前記ディスプレイ領域を有する前記表面を提供する支持板に位置づけられ、前記第1の流体が、前記第2の電極に前記第1の電極より大きい電位を印加することによって、前記第1の配置に切換可能である、条項6に記載のディスプレイデバイス。
【0059】
8.前記第1の流体が、前記可視光のスペクトルにおける、前記第1の流体に入射する90%以上の光を吸収するように構成される、条項1に記載のディスプレイデバイス。
【0060】
9.多数がディスプレイ効果を提供するための画素を定義する複数の前記エレクトロウェッティング素子を備え、前記多数の各エレクトロウェッティング素子が、サブ画素ディスプレイ効果を提供するための前記画素のサブ画素である、条項1に記載のディスプレイデバイス。
【0061】
10.一列に隣接して配置される複数の前記エレクトロウェッティング素子を備え、前記多数の各エレクトロウェッティング素子の前記第2の区域が互いに実質的に整列している、条項1に記載のディスプレイデバイス。
【0062】
11.前記多数の各エレクトロウェッティング素子の前記第1の流体が、前記それぞれのエレクトロウェッティング素子の前記第2の区域を通過する光のために、前記それぞれのエレクトロウェッティング素子の少なくとも1つの経路から切換可能であり、前記画素の白色ディスプレイ効果を提供する、条項9に記載のディスプレイデバイス。
【0063】
12.前記多数が第1、第2、及び第3の前記エレクトロウェッティング素子を含み、前記第1、第2、及び第3のエレクトロウェッティング素子の前記切換不可能なカラーフィルタが、それぞれ、赤色、緑色、及び青色カラーフィルタである、条項9に記載のディスプレイデバイス。
【0064】
13.第1の支持板と第2の支持板とを備え、前記第1の流体及び前記第2の流体が前記第1の支持板と前記第2の支持板との間に位置づけられ、前記ディスプレイ領域を有する前記表面が前記第2の支持板に面する前記第1の支持板の表面であり、前記第2の支持板が前記切換不可能なカラーフィルタを備える、条項1に記載のディスプレイデバイス。
【0065】
14.前記第1の流体が、前記エレクトロウェッティング素子の前記ディスプレイ領域の周辺を定義する少なくとも1枚の壁によって、前記エレクトロウェッティング素子内に制限され、前記エレクトロウェッティング素子の前記切換不可能なカラーフィルタが、前記少なくとも1枚の壁によって定義された前記ディスプレイ領域より小さい広がりによって前記ディスプレイ領域に重なる、条項13に記載のディスプレイデバイス。
【0066】
15.前記エレクトロウェッティング素子の前記切換不可能なカラーフィルタが、前記ディスプレイ領域に部分的に重なり、そして前記少なくとも1枚の壁に部分的に重なる、条項14に記載のディスプレイデバイス。
【0067】
16.エレクトロウェッティング素子が、ディスプレイ領域を有する表面と、第1の流体及び前記第1の流体と不混和性の第2の流体であって、前記第1及び第2の流体の配置が切換可能であり、印加される電圧を使用して、前記第1及び第2の流体が前記ディスプレイ領域に隣接する領域のサイズを決定し、それによって、前記エレクトロウェッティング素子によって提供されるディスプレイ効果を決定する、第1の流体及び前記第1の流体と不混和性の第2の流体と、前記ディスプレイ効果をさらに決定するための切換不可能なカラーフィルタであって、前記ディスプレイ領域の平面に平行な平面における前記切換不可能なカラーフィルタの広がりが前記ディスプレイ領域よりも小さい、切換不可能なカラーフィルタとを含み、前記ディスプレイ効果を提供するために、前記切換不可能なカラーフィルタを通過する光の比率及び前記切換不可能なカラーフィルタを通過しない前記光の比率を制御するために、所定の配置に前記第1及び第2の流体を切り換えるために前記印加される電圧の大きさを設定することと、前記印加される電圧を使用して前記エレクトロウェッティング素子を駆動し、前記第1及び第2の流体を前記第1及び第2の流体の前記所定の配置に構成して、ディスプレイ効果を提供することとを含む、エレクトロウェッティング素子を有するディスプレイデバイスの駆動方法。
【0068】
17.前記エレクトロウェッティング素子が第1の区域及び第2の区域を有するカラーフィルタ層を含み、前記切換不可能なカラーフィルタを含む前記第1の区域及び前記第2の区域が前記切換不可能なカラーフィルタによって吸収される光の少なくとも1つの波長を透過し、前記所定の配置が、前記ディスプレイ効果を提供するために、前記第1の区域を通過する光の比率及び前記第2の区域を通過する光の比率を制御するためのものである、条項16に記載の方法。
【0069】
18.前記ディスプレイ領域の第1の部分が、前記ディスプレイ領域の前記平面に平行な平面にある前記第1の区域の広がりによって重ねられ、前記ディスプレイ領域の第2の部分が、前記ディスプレイ領域の前記平面に平行な平面にある前記第2の区域の広がりによって重ねられ、前記第1の流体が、前記第2の部分には隣接せず前記第1の部分に部分的に隣接する前記第1の流体による第1の配置と、前記第1の部分には部分的に隣接せず前記第2の部分に少なくとも部分的に隣接する前記第1の流体による第2の配置との間で切換可能であり、提供するディスプレイ効果の所定の色のために、前記エレクトロウェッティング素子を、前記第1の配置と比較してより高い彩度のディスプレイ効果を提供する前記第2の配置、または、前記第2の配置と比較してより高い明るさのディスプレイ効果を提供する前記第1の配置に選択的に切り換えることをさらに含む、条項17に記載の方法。
【0070】
19.前記エレクトロウェッティング素子が、前記ディスプレイ領域の前記第1の部分によって少なくとも部分的に重ねられる第1の電極と、前記ディスプレイ領域の前記第2の部分によって少なくとも部分的に重ねられる第2の電極とを含み、前記第1及び第2の電極が前記ディスプレイ領域を有する前記表面を提供する支持板に位置づけられ、前記第1の配置に前記エレクトロウェッティング素子を切り換えることが、前記第2の電極に前記第1の電極より大きい電位を印加することを含む、条項18に記載の方法。
【0071】
20.前記ディスプレイデバイスが複数の前記エレクトロウェッティング素子を含み、前記多数がディスプレイ効果を提供するための画素を定義し、前記多数の各エレクトロウェッティング素子が、サブ画素ディスプレイ効果を提供するための前記画素のサブ画素であり、前記多数の各エレクトロウェッティング素子の前記第1の流体が、前記それぞれのエレクトロウェッティング素子の前記第2の区域を通過する光のために、前記それぞれのエレクトロウェッティング素子の少なくとも1つの経路から切換可能であって、前記画素の白色ディスプレイ効果を提供し、前記多数の各エレクトロウェッティング素子の前記第1の流体を切り換え、前記それぞれのエレクトロウェッティング素子の前記少なくとも1つの経路から、前記それぞれのエレクトロウェッティング素子の前記第1の流体を少なくとも部分的に移動させ、前記白色ディスプレイ効果を提供することを含む、条項16に記載の方法。
【0072】
21.所定の構成において、前記第1の流体が前記第2の部分の一部に隣接し、前記第1の部分に隣接しない、条項17に記載の方法。
【0073】
22.エレクトロウェッティング素子が、ディスプレイ領域を有する表面と、第1の流体及び前記第1の流体と不混和性の第2の流体であって、前記第1及び第2の流体の配置が切換可能であり、印加される電圧を使用して、前記第1及び第2の流体が前記ディスプレイ領域に隣接する領域のサイズを決定し、それによって、前記エレクトロウェッティング素子によって提供されるディスプレイ効果を決定する、第1の流体及び前記第1の流体と不混和性の第2の流体と、前記ディスプレイ効果をさらに決定するための切換不可能なカラーフィルタであって、前記ディスプレイ領域の平面に平行な平面における前記切換不可能なカラーフィルタの広がりが前記ディスプレイ領域よりも小さい、切換不可能なカラーフィルタとを含み、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータプログラム命令を含む少なくとも1枚のメモリとを備え、前記少なくとも1枚のメモリ及び前記コンピュータプログラム命令が、前記少なくとも1つのプロセッサで、前記装置に、前記ディスプレイ効果を提供するために、前記切換不可能なカラーフィルタを通過する光の比率及び前記切換不可能なカラーフィルタを通過しない前記光の比率を制御するために、所定の配置に前記第1及び第2の流体を切り換えるために前記印加される電圧の大きさを設定することと、前記印加される電圧を使用して前記エレクトロウェッティング素子を駆動し、前記第1及び第2の流体を前記第1及び第2の流体の前記所定の配置に構成して、前記ディスプレイ効果を提供することとを含む方法を実行させるように構成される、エレクトロウェッティング素子を有するディスプレイデバイスを制御するための装置。
【0074】
23.前記エレクトロウェッティング素子が第1の区域及び第2の区域を有するカラーフィルタ層を含み、前記切換不可能なカラーフィルタを含む前記第1の区域及び前記第2の区域が前記切換不可能なカラーフィルタによって吸収される光の少なくとも1つの波長を透過し、前記所定の配置が、前記ディスプレイ効果を提供するために、前記第1の区域を通過する光の比率及び前記第2の区域を通過する光の比率を制御するためのものである、条項22に記載の装置。
【0075】
24.前記ディスプレイ領域の第1の部分が、前記ディスプレイ領域の前記平面に平行な平面にある前記第1の区域の広がりによって重ねられ、前記ディスプレイ領域の第2の部分が、前記ディスプレイ領域の前記平面に平行な平面にある前記第2の区域の広がりによって重ねられ、前記第1の流体が、前記第2の部分には隣接せず前記第1の部分に部分的に隣接する前記第1の流体による第1の配置と、前記第1の部分には部分的に隣接せず前記第2の部分に少なくとも部分的に隣接する前記第1の流体による第2の配置との間で切換可能であり、前記方法が、提供するディスプレイ効果の所定の色のために、前記エレクトロウェッティング素子を、前記第1の配置と比較してより高い彩度のディスプレイ効果を提供する前記第2の配置、または、前記第2の配置と比較してより高い明るさのディスプレイ効果を提供する前記第1の配置に選択的に切り換えること
をさらに含む、条項23に記載の装置。
【0076】
25.所定の構成において、前記第1の流体が前記第2の部分の一部に隣接し、前記第1の部分に隣接しない、条項22に記載の装置。