(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記銅層の上部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層の酸化亜鉛含有量は、10重量%以上35重量%未満であることを特徴とする請求項8に記載の表示基板の製造方法。
前記銅層の下部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層の酸化亜鉛含有量は、10重量%以上35重量%未満であることを特徴とする請求項10に記載の表示基板の製造方法。
前記データ金属層は、前記銅層の上部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層並びに前記銅層の下部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層を含むことを特徴とする請求項7に記載の表示基板の製造方法。
前記銅層の上部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層並びに前記銅層の下部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層の酸化亜鉛含有量は、10重量%以上35重量%未満であることを特徴とする請求項12に記載の表示基板の製造方法。
前記ゲート金属層は、銅層を含み、リン酸40重量%〜60重量%、硝酸1重量%〜10重量%、酢酸3重量%〜15重量%、銅イオン化合物0.01重量%〜0.1重量%、硝酸塩1重量%〜10重量%、酢酸塩1重量%〜10重量%、及び余分の水を含むエッチング組成物を用いてパターニングされることを特徴とする請求項17に記載の表示基板の製造方法。
前記ゲート金属層で前記銅層の上部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層の酸化亜鉛含有量は10重量%以上35重量%未満であることを特徴とする請求項19に記載の表示基板の製造方法。
前記ゲート金属層で前記銅層の下部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層の酸化亜鉛含有量は10重量%以上35重量%未満であることを特徴とする請求項21に記載の表示基板の製造方法。
前記ゲート金属層は、前記銅層の上部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層並びに前記銅層の下部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層を含むことを特徴とする請求項18に記載の表示基板の製造方法。
前記ゲート金属層で前記銅層の上部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層並びに前記銅層の下部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層の酸化亜鉛含有量は10重量%以上35重量%未満であることを特徴とする請求項23に記載の表示基板の製造方法。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本発明に係る金属配線を実施するための形態の具体例を図面を参照しながら説明する。
以下、本発明の一実施形態に係るエッチング組成物を先ず説明し、その後、当該エッチング組成物を適用した金属配線の形成方法及び表示基板の製造方法を図面を参照しながらより詳細に説明する。
【0013】
〔エッチング組成物〕
本発明の一実施形態に係るエッチング組成物は、リン酸(H
3PO
4)、硝酸(HNO
3)、酢酸(CH
3COOH)、銅イオン化合物、硝酸塩、酢酸塩及び残りの水を含む。
エッチング組成物は、フルオロ金属酸をさらに含むことができる。
以下において、各成分に対して具体的に説明する。
【0014】
〔リン酸〕
エッチング組成物に含まれたリン酸は、銅と反応して銅層をエッチングできる。
例えば、下記のような反応式(1)によって、銅を酸化させることができる。
(化1)
3Cu+2H
3PO
4 → Cu
3(PO
4)
2+3H
2
【0015】
リン酸は、エッチング組成物の全体重量に対して、約40重量%未満の場合、銅層のエッチング速度が著しく低下するか、または、銅層を均一にエッチングできない。
また、リン酸の含有量が約60重量%超過する場合、エッチング組成物は銅層を過度にエッチングして銅層のエッチング量を制御することが非常に難しく、銅層を含む多層構造の金属膜をエッチングする時、アンダーカットが発生する可能性がある。
【0016】
上記により、エッチング組成物は、エッチング組成物の全体重量に対して、約40重量%以上約60重量%以下のリン酸を含むことが望ましく、約45重量%以上約55重量%以下のリン酸を含むことがより望ましい。
【0017】
〔硝酸〕
エッチング組成物に含まれた硝酸
が銅と反応して銅層をエッチングできる。
例えば、下記のような反応式(2)によって銅を酸化させることができる。
(化2)
Cu+4HNO
3 → Cu(NO
3)
2+2H
2O+2NO
2
【0018】
硝酸の含有量がエッチング組成物の全体重量に対して約1重量%未満の場合、エッチング組成物の銅層のエッチング速度を低下させ、銅層を不均一にエッチングしてしまう問題がある。
銅層が不均一にエッチングされる場合、外部でムラとして視認されることができる。反対に、硝酸の含有量が約10重量%超過する場合、エッチング速度が過度に増加して、エッチング工程の調節が難しい。
従って、硝酸
はエッチング組成物の全体重量に対して約1重量%以上約10重量%以下を含むことが望ましい。
【0019】
〔酢酸〕
エッチング組成物に含まれた酢酸は、エッチング組成物でバッファ役割をすることによって、銅層に対する反応速度を調節できる。
酢酸の含有量がエッチング組成物の全体重量に対して約3重量%未満の場合、エッチング速度が過度に増加して、エッチング工程の調節が難しい。
酢酸の含有量が約15重量%超過する場合、エッチング速度が低下し、スキューが増加することがある。
上記により、酢酸はエッチング組成物の全体重量に対して約3重量%以上約15重量%以下を含むことが望ましい。
【0020】
〔銅イオン化合物〕
エッチング組成物に含まれた銅イオン化合物は、エッチング工程初期にオーバーエッチングされることを防ぐことができる。
銅イオン化合物の含有量がエッチング組成物の全体重量に対して約0.01重量%未満の場合、エッチング工程の初期にオーバーエッチングが発生することがある。
銅イオン化合物の含有量が約0.1重量%超過する場合、エッチング速度が低下することがある。
上記により、銅イオン化合物はエッチング組成物の全体重量に対して約0.01重量%以上約0.1重量%以下を含むことが望ましい。
【0021】
例えば、銅イオン化合物として、CuSO
4・5H
2O、CuSO
4・3H
2O、Cu(NO
3)
2・3H
2O、Cu
2P
2O
7・3H
2Oなどを使ってもよく、これらはそれぞれ単独又は混合して使ってもよい。
【0022】
〔硝酸塩〕
エッチング工程が進行されるにつれてエッチング組成物内の銅イオン濃度が増加する。
硝酸塩は銅イオンによって硝酸が分解されることを抑制することによって、エッチング組成物のエッチング速度を維持することができる。
硝酸塩の含有量がエッチング組成物の全体重量に対して約1重量%未満の場合、エッチング速度が低下することがあり、硝酸塩の含有量が約10重量%超過する場合、硝酸塩が析出されて工程信頼性が低下することがある。
上記により、硝酸塩は、エッチング組成物の全体重量に対して約1重量%以上約10重量%以下を含むことが望ましく、約5重量%〜約10重量%を含むことがより望ましい。
【0023】
例えば、硝酸塩として、NH
4NO
3、NaNO
3、KNO
3、LiNO
3、Mg(NO
3)
2、Al(NO
3)
3、Zn(NO
3)
2、Fe(NO
3)
3、Ni(NO
3)
2、Ca(NO
3)
2などを使ってもよく、これらはそれぞれ単独又は混合して使ってもよい。
【0024】
〔酢酸塩〕
エッチング組成物に含まれた酢酸塩は、銅層に対するエッチング速度を調節できる。
酢酸塩の含有量がエッチング組成物の全体重量に対して約1重量%未満の場合、エッチング速度の調節が難しく、酢酸塩の含有量が約10重量%超過する場合、銅層の均一なエッチングは難しい。
上記により、酢酸塩は、エッチング組成物の全体重量に対して約1重量%以上約10重量%以下を含むことが望ましく、約3重量%以上約5重量%以下を含むことがより望ましい。
【0025】
例えば、酢酸塩としては、CH
3CO
2NH
4、CH
3CO
2Na、CH
3CO
2K、Mg(CH
3CO
2)
2、Ca(CH
3CO
2)
2、Al(CH
3CO
2)
3、CH
3CO
2Liなどを使ってもよく、これらはそれぞれ単独又は混合して使ってもよい。
酢酸塩は半導体工程用の純度を有するものを使うことが望ましい。
【0026】
〔フルオロ金属酸〕
エッチング組成物に含まれたフルオロ金属酸は、エッチングされる銅層のテーパ角を増加させることができる。
フルオロ金属酸の含有量がエッチング組成物の全体重量に対して約1重量%超過する場合、銅層の均一なエッチングは難しい。
上記により、フルオロ金属酸は、エッチング組成物の全体重量に対して約1重量%以下を含むことが望ましい。
【0027】
例えば、フルオロ金属酸としては、H
2SiF
6、HBF
4、H
2TiF
6、H
2ZrF
6などを使ってもよく、これらはそれぞれ単独又は混合して使ってもよい。
【0028】
〔水〕
使用する水は、脱イオン水(deionized water)を含む。
例えば、水は半導体工程用として、約18MΩ/cm以上の比抵抗を有してもよい。
水はエッチング組成物から、リン酸、硝酸、酢酸、銅イオン化合物、硝酸塩、酢酸塩、及びフルオロ金属酸の含有量を除いた残りを占めて、例えば、エッチング組成物の全体重量に対して約20重量%〜約50重量%であり得る。
【0029】
エッチング組成物は、銅、モリブデン、ニッケル、コバルト、インジウム−亜鉛酸化物、ガリウム−亜鉛酸化物、亜鉛−アルミニウム酸化物、インジウム−錫酸化物、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物、非晶質インジウム−錫酸化物、銅合金、モリブデン−ニッケル合金、モリブデン−コバルト合金の単一膜、又はこれらの積層膜をエッチングできる。
【0030】
エッチング組成物は、常温で保管安定性が高く、基板の処理枚数を増加させることができる。
また、エッチング組成物は、銅及び酸化物を含む多層金属膜を一括にエッチングでき、エッチングで得られたパターンのテーパ角を増加させて表示基板で配線の厚さを増加させることができる。
また、エッチング組成物は、ガラス、シリコン酸化物、シリコン窒化物を含むベース基板への損傷を防ぐことができる。
【0031】
〔金属配線及び表示基板の製造方法〕
以下において図面を参照して、本発明の一実施形態に係る金属配線及び表示基板の製造方法を具体的に説明する。
【0032】
図1〜
図10は、表示基板の製造方法を説明するための断面図である。
表示基板は、表示装置に使われるアレイ基板である。
本発明の一実施形態に係る金属配線は、表示装置のデータライン又はゲートラインとして使用される。
【0033】
図1を参照すると、ベース基板110上にデータ金属層を形成する。
ベース基板110としては、ガラス基板、石英基板、シリコン基板、プラスチック基板などを使ってもよい。
【0034】
データ金属層は、上部バリア層272、銅層274、及び下部バリア層276を含む。
例えば、上部バリア層272及び下部バリア層276は酸化物を含み、銅層274は銅又は銅合金を含む。
酸化物は、インジウム−亜鉛酸化物、ガリウム−亜鉛酸化物、亜鉛−アルミニウム酸化物、インジウム−錫酸化物、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物などを含むことができ、インジウム−亜鉛酸化物、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物などのようなインジウム及び亜鉛を含む酸化物を含むことが望ましい。
【0035】
銅層274の厚さは、約1000Å〜約3μmであってもよく、望ましくは、約1μm〜約3μmである。
銅層274の厚さが約1μm以上の場合、低抵抗配線を具現して、表示基板の応答速度を増加させることができる。特に、本発明の一実施形態に係るエッチング組成物は、従来のエッチング組成物に比べて厚さが約1μm以上の銅層のエッチングに有利である。
具体的には、厚さが約1μm以上の銅層をエッチングして得られたパターンのプロファイル(断面形状)のテーパ角を増加させることができ、スキューを減少させることができる。
【0036】
上部バリア層272及び下部バリア層276の厚さは、それぞれ約100Å〜約500Åであってもよい。
上部バリア層272及び下部バリア層276は、銅層274より大きい硬度、望ましくは、約4.0以上のモース硬度を有する。
【0037】
上部バリア層272及び下部バリア層276がインジウム及び亜鉛を含む酸化物を含む場合、配線のプロファイル改善のために酸化亜鉛の含有量は適切に調節される。
例えば、酸化亜鉛の含有量が約35重量%以上である場合、上部バリア層272又は下部バリア層276の側面エッチングが不均一になるか、或いはベース基板110が損傷される恐れがある。
また、酸化亜鉛の含有量が約10重量%未満の場合、エッチング率が過度に低くて工程を進めることが容易ではない。
従って、インジウム−亜鉛酸化物層の酸化亜鉛の含有量は、約10重量%以上約35重量%未満であることが望ましい。
【0038】
銅層274は、スパッタ法などによって形成してもよく、上部バリア層272及び下部バリア層276は、化学気相成長(chemical vapor deposition:CVD)法、プラズマ化学気相成長(plasma enhanced chemical vapor deposition:PECVD)法などによって形成してもよい。
【0039】
他の実施形態において、上部バリア層又は下部バリア層は省略してもよい。
例えば、データ金属層は、銅層及び銅層の下部に配置されたチタン層の二重構造、銅層及び銅層の上部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層の二重構造、或いは銅層及び銅層の下部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層の二重構造を有しもよい。
【0040】
他の実施形態において、データ金属層は、インジウム及び亜鉛を含む酸化物層、インジウム及び亜鉛を含む酸化物層の下部に配置された銅層、並びに銅層の下部に配置されたチタン層を含む三重構造、或いは、インジウム及び亜鉛を含む酸化物層、インジウム及び亜鉛を含む酸化物層の下部に配置された銅層、銅層の下部に配置されたチタン層、並びにチタン層の下部に配置されたインジウム及び亜鉛を含む酸化物層を含む四重構造を有することができる。
【0041】
図2を参照すると、データ金属層をパターニングしてデータラインDLを形成する。
例えば、上部バリア層272上にフォトレジスト組成物を塗布した後、データラインの形状に対応するフォトレジストパターンを形成し、フォトレジストパターンによってカバーされなかった上部バリア層272、銅層274及び下部バリア層276を順次にエッチングして、データラインDLを形成する。
【0042】
上部バリア層272、銅層274、及び下部バリア層276は、同一エッチング組成物によって同一工程でエッチングされる。
これによって、データラインDLは大きいテーパ角(θ)を有することができ、従って、表示基板の開口率を向上させることができる。テーパ角(θ)は、パターンの底面と側面によって形成される角として定義されることができ、例えば、銅層又はデータラインDLのテーパ角(θ)は、約50°以上、望ましくは約60°〜約85°以下である。
【0043】
エッチング組成物は、噴射法、浸漬法などによって提供され得る。
エッチング組成物は、リン酸、硝酸、酢酸、銅塩、硝酸塩、酢酸塩、及び水を含み得る。データ金属層がチタン層を含む場合、エッチング組成物はフルオロ金属酸をさらに含んでもよく、チタン層は別途のエッチング組成物によってエッチングされてもよい。チタン層をエッチングするためのエッチング組成物はフッ化物及び水を含んでもよく、例えば、フッ化物は、HF、NH
4F、NH
4HF
2などを含んでもよい。
【0044】
エッチング組成物は、上述した本発明の一実施形態に係るエッチング組成物と実質的に同一であるので具体的な説明は省略する。
【0045】
データラインDLは、上部バリアパターン172、下部バリアパターン176、及び上部バリアパターン172と下部バリアパターン176との間に配置された金属(銅)パターン174を含む。
データ金属層を形成した後又はデータ金属層をエッチングした後に、データラインDL又はデータ金属層が形成されたベース基板110はブラシによって洗浄されてもよい。
【0046】
図3を参照すると、データラインDLをカバーするデータ絶縁層113、データ絶縁層113上に配置される第1平坦化膜115、第1平坦化膜115の上に配置される遮光層240、遮光層240上に配置されるバッファ層250、及びバッファ層250上に配置される酸化物半導体層220をベース基板110の上に順次に形成する。
データ絶縁層113は、シリコン窒化物、シリコン酸化物、酸化アルミニウムなどを含んでもよく、厚さは約500Å〜約2000Åであってもよい。
【0047】
次に、バインダ樹脂を含む組成物をデータ絶縁層113上に塗布する。
例えば、バインダ樹脂は高耐熱性のアクリル樹脂、フェノール樹脂などを含んでもよく、組成物はスピンコート法によって塗布してもよい。
組成物は、加熱又は紫外線の走査で硬化して第1平坦化膜115を形成する。
第1平坦化膜115は、基板の上面を平坦化できるように十分な厚さを有することが望ましい。
【0048】
遮光層240は、金属、合金、絶縁性無機物質、有機物質などを含んでもよい。
遮光層240は、シリコン酸化物、シリコン−ゲルマニウム合金、ゲルマニウム、酸化チタンなどを含むことが望ましく、シリコン−ゲルマニウム合金を含むことがより望ましい。
遮光層240の厚さは、約100Å〜約2000Åであり得、約600Å〜約2000Åであることがより望ましい。
遮光層240の厚さが600Å以上である場合、高い吸光度(optical density)を有することができる。
【0049】
バッファ層250は、シリコン酸化物、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化イットリウムなどの絶縁性酸化物などを含んでもよく、厚さは約500Å〜約1μmであってもよい。
【0050】
酸化物半導体層220は、バッファ層250上に形成される。
酸化物半導体層220は、金属酸化物半導体を含むことができる。
例えば、金属酸化物半導体は、亜鉛、インジウム、ガリウム、錫、チタン、リン酸化物又は、これらの組み合わせを含んでもよく、具体的には、酸化亜鉛(ZnO)、亜鉛錫酸化物(ZTO)、亜鉛インジウム酸化物(ZIO)、インジウム酸化物(InO)、チタン酸化物(TiO)、インジウムガリウム亜鉛酸化物(IGZO)、インジウム亜鉛錫酸化物(IZTO)などを含んでもよい。
酸化物半導体層220は、化学気相成長法、プラズマ化学気相成長法、溶液コーティング法などによって形成してもよい。
【0051】
図4を参照すると、酸化物半導体層220をパターニングして、酸化物半導体パターン222を形成する。
具体的には、酸化物半導体層220上にフォトレジストパターンPRを形成し、フォトレジストパターンPRをマスクとして利用して、酸化物半導体層220の露出した部分をエッチングする。これによって、バッファ層250の上面が部分的に露出する。
【0052】
引き続き、フォトレジスターパターンPRをマスクとして利用して、バッファ層250及び遮光層240を順次にエッチングして、バッファパターン150及び遮光パターン140を形成し、フォトレジストパターンPRを除去する。
従って、酸化物半導体パターン222、バッファパターン150及び遮光パターン140は実質的に同じ形状及び大きさを有する。
【0053】
図5を参照すると、酸化物半導体パターン222及び第1平坦化膜115上にゲート絶縁層及びゲート金属層を形成する。
ゲート絶縁層は上部ゲート絶縁層262及び下部ゲート絶縁層264を含む。
【0054】
下部ゲート絶縁層264は、酸化物半導体パターン222と接触し、従って、水素量が相対的に少ない物質を含むことが望ましい。例えば、下部ゲート絶縁層264は、シリコン酸化物、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化イットリウムなどの絶縁性酸化物などを含んでもよく、厚さは約500Å〜約30000Åであり得る。
上部ゲート絶縁層262は、下部ゲート絶縁層264上に形成される。
上部ゲート絶縁層262はシリコン窒化物などを含んでもよく、約500Å〜約2000Åであり得る。
【0055】
本実施形態において、ゲート絶縁層は多層構造を有するが、これに限定されるのではなく、例えば、シリコン酸化物のような絶縁性酸化物を含む単一層構造のゲート絶縁層が使われてもよい。
【0056】
ゲート金属層は、上部バリア層282、銅層284、及び下部バリア層286を含む。
例えば、上部バリア層282及び下部バリア層286はインジウム亜鉛酸化物のような酸化物を含み、銅層284は銅などの金属を含む。
ゲート金属層の具体的な構成は、データ金属層と実質的に同一であることのできるので、重複される具体的な説明は省略する。
他の実施形態において、ゲート金属層はデータ金属層とは異なる構造を有してもよく、例えば、ゲート金属層は、銅層及び銅層の下部に配置されるチタン層の二重構造を有してもよい。
【0057】
図6を参照すると、ゲート金属層をパターニングしてゲート電極GE及びゲートラインGLを形成する。
例えば、上部バリア層282上にフォトレジスト組成物を塗布した後、ゲート電極GE及びゲートラインGLの形状に対応するフォトレジストパターンを形成し、フォトレジストパターンによってカバーされなかった上部バリア層282、銅層284及び下部バリア層286を順次にエッチングして、上部バリアパターン182、銅パターン184及び下部バリアパターン186によるゲート電極GE及びゲートラインGLを形成する。
【0058】
上部バリア層282、銅層284、及び下部バリア層286は、同じエッチング組成物によって同一工程でエッチングすることが望ましい。
これにより、ゲートラインGLは大きいテーパ角を有することができ、従って、表示基板の開口率を向上させることができる。
【0059】
図7を参照すると、ゲート電極GE及びゲートラインGLをマスクとして利用して、上部ゲート絶縁層262及び下部ゲート絶縁層264をパターニングして、上部ゲート絶縁パターン162と下部ゲート絶縁パターン164とによるゲート絶縁パターン160を形成する。
従って、ゲート絶縁パターン160は、ゲートラインGL及びゲート電極GEと実質的に同じ形状及び大きさを有する。
【0060】
ゲート絶縁層をパターニングする過程において、酸化物半導体パターン222が露出されるが、ゲート絶縁層は酸化物半導体パターン222と他の物質を含み、これによって、エッチング選択性を有するので、酸化物半導体パターン222はエッチングされない。
【0061】
次に、酸化物半導体パターン222からチャネル122、ソース電極124、及びドレイン電極126を形成し、アクティブパターン120とする。
具体的には、ゲート電極GE及びゲート絶縁パターン160によってカバーされないで露出された酸化物半導体パターン222をソース電極124及びドレイン電極126に変換する。
【0062】
例えば、ソース電極124及びドレイン電極126を形成するために、露出した酸化物半導体パターン222をプラズマ処理する。
例えば、水素(H
2)、ヘリウム(He)、ホスフィン(PH
3)、アンモニア(NH
3)、シラン(SiH
4)、メタン(CH
4)、アセチレン(C
2H
2)、ジボラン(B
2H
6)、二酸化炭素(CO
2)、ゲルマン(GeH
4)、セレン化水素(H
2Se)、硫化水素(H
2S)、アルゴン(Ar)、窒素(N
2)、酸化窒素(N
2O)、フルオロホルム(CHF
3)などの気体プラズマ(PT)を露出した酸化物半導体パターン222に加えることができる。
【0063】
プラズマ処理された酸化物半導体パターン222を構成する半導体物質の少なくとも一部は還元されて金属性の導体に転換される。
従って、還元処理された酸化物半導体パターン222は、ソース電極124及びドレイン電極126を形成し、ゲート電極GE及びゲート絶縁パターン160によってカバーされた部分は残留してチャネル122を形成する。
【0064】
他の方法において、ソース電極124及びドレイン電極126を形成するために、還元性気体の雰囲気中で酸化物半導体パターン222を熱処理するか、又はイオン注入工程を行ってもよい。
【0065】
図8を参照すると、ゲート電極GE、ゲートラインGL、ソース電極124、ドレイン電極126、及び第1平坦化膜115をカバーするパッシベーション層117を形成し、パッシベーション層117上に第2平坦化膜119を形成する。
【0066】
パッシベーション層117は、シリコン窒化物、シリコン酸化物、酸化アルミニウムなどを含んでもよい。
第2平坦化膜119は、表示基板の表面を平坦化し、フォトレジスト組成物をパッシベーション層117上にスピンコートして形成できる。
【0067】
図9を参照すると、データ絶縁層113、第1平坦化膜115、パッシベーション層117、及び第2平坦化膜119をパターニングしてコンタクトホールを形成する。
【0068】
具体的には、データ絶縁層113、第1平坦化膜115、パッシベーション層117、及び第2平坦化膜119をパターニングしてデータラインDLを露出する第1コンタクトホールCH1を形成し、パッシベーション層117及び第2平坦化膜119をパターニングしてソース電極124の一部を露出する第2コンタクトホールCH2、及びドレイン電極126の一部を露出する第3コンタクトホールCH3を形成する。
【0069】
具体的には、第2平坦化膜119を露光した後、第2平坦化膜119に現像液を加えて、非露光領域又は露光領域を除去することによって第2平坦化膜119をパターニングすることができ、前記パターニングされた第2平坦化膜119をマスクとして利用して、露出されたパッシベーション層117、第1平坦化膜115及びデータ絶縁層113をエッチングして前記第1〜第3コンタクトホールCH1、CH2、CH3を形成することができる。
【0070】
図10を参照すると、第2平坦化膜119上に透明導電層を形成する。
透明導電層は、インジウム亜鉛酸化物、インジウム錫酸化物などを含んでもよい。
透明導電層をパターニングして、接続電極130及び画素電極PEを形成する。
接続電極130は、第1コンタクトホールCH1を通じてデータラインDLと接触し、第2コンタクトホールCH2を通じてソース電極124に接触する。
画素電極PEは、第3コンタクトホールCH3を通じてドレイン電極124に接触する。
【0071】
本発明の一実施形態によると、多層構造の信号配線を同一エッチング液で一括エッチングできるので、生産性を改善することができる。
また、信号配線のテーパ角を増加させることによって、厚い厚さを有する低抵抗配線を具現できる。
【0072】
以下では、具体的な実施例及び比較例に対する実験結果を参照して、本発明の実施形態に係るエッチング組成物の効果を説明する。
【0073】
〔エッチング組成物の準備〕
下記の表1に従って、リン酸、硝酸、酢酸、銅イオン化合物として、Cu(NO
3)
2・3H
2O、フルオロ金属酸としてH
2TiF
6、硝酸塩としてKNO
3、酢酸塩としてCH
3CO
2NH
4及び残りの水を含むエッチング組成物を準備する。
【表1】
【0074】
〔エッチング組成物のエッチング特性を評価する実験1〕
ガラス基板上に順次に積層された約300Åのチタン膜、約30000Åの銅層及びフォトレジストパターンを含むサンプルを準備する。
各サンプルに実施例1〜実施例8のエッチング組成物を噴射して、EPD(end point detection)まで必要とされる時間を基準として銅層を60%オーバーエッチングし、フッ酸溶液を利用してチタン層を60%オーバーエッチングした。
各サンプルに対するエッチング速度を測定し、CDスキュー及びテーパ角を走査電子顕微鏡写真を利用して測定した後、その結果を下記の表2に示す。
【0075】
以下で、CDスキューはフォトレジストパターンの末端と銅層の末端との間の距離と定義される。
下記の表2において、「◎」は約0.7μm〜約1.3μmのCDスキューと、約450Å/秒〜約550Å/秒のエッチング速度を示し、「○」は約0.4μm〜約0.7μm又は約1.3μm〜約1.6μmのCDスキューと約400Å/秒〜約450Å/秒又は約550Å/秒〜約600Å/秒のエッチング速度を示し、「△」は約0.4μm以下又は約1.6μm以上のCDスキューと約400Å/秒以下又は約600Å/秒以上のエッチング速度を示す。
【0077】
表2を参照すると、約59重量%のリン酸を含む実施例1のエッチング組成物を利用して得られたサンプル、約4重量%の硝酸塩を含む実施例2のエッチング組成物を利用して得られたサンプル、約4重量%の硝酸を含む実施例4のエッチング組成物を利用して得られたサンプル、及び約7重量%の酢酸塩を含む実施例6のエッチング組成物を利用して得られたサンプルに比較して、約50重量%のリン酸、約7重量%の硝酸塩、約5重量%の硝酸、及び約4重量%の酢酸塩を含む実施例5のエッチング組成物を利用して得られたサンプルが目的した結果により近いことが確認できる。
【0078】
〔エッチング組成物のエッチング特性を評価する実験2〕
実施例5のエッチング組成物を約25℃で一定期間保管した後、エッチング組成物をガラス基板上に順次に積層した約300Åのチタン膜、約30000Åの銅層、及びフォトレジストパターンを含むサンプルに噴射して、エッチングEPDまで必要とされる時間を基準として銅層を60%オーバーエッチングし、フッ酸溶液を利用してチタン層を60%オーバーエッチングした。
各サンプルに対するエッチングEPDまで必要とされる時間を測定し、CDスキュー及びテーパ角を走査電子顕微鏡写真を利用して測定した後、その結果を下記の表3に示す。
【0080】
表3を参照すると、エッチング組成物の保管期間が増加しても、エッチング速度、CDスキュー及びテーパ角の変化が大きくないので、エッチング組成物は優秀な保管安定性を有することがわかった。
【0081】
〔エッチング組成物のエッチング特性を評価する実験3〕
実施例5のエッチング組成物の銅イオン濃度を変化させながら、エッチング組成物をガラス基板上に順次に積層した約300Åのチタン膜、約30000Åの銅層、及びフォトレジストパターンを含むサンプルに噴射して、エッチングEPDまで必要とされる時間を基準として銅層を30%オーバーエッチングし、フッ酸溶液を利用してチタン層を30%オーバーエッチングした。
各サンプルに対するエッチングEPDまで必要とされる時間を測定し、CDスキュー及びテーパ角を走査電子顕微鏡写真を利用して測定した後、その結果を下記の表4に示す。
【0083】
表4を参照すると、エッチング組成物内で銅イオン濃度が増加しても、エッチング速度、CDスキュー及びテーパ角の変化が大きくないことが確認でき、従って、エッチング組成物は再使用に対する信頼性を有することがわかった。
【0084】
〔エッチング組成物のエッチング特性を評価する実験4〕
ガラス基板上に順次に積層された約300Åのインジウム−亜鉛酸化物層、約5000Åの銅層、約300Åのインジウム−亜鉛酸化物層、及びフォトレジストパターンを含むサンプル1、ガラス基板上に順次に積層された約300Åのインジウム−亜鉛酸化物層、約10000Åの銅層、約300Åのインジウム−亜鉛酸化物層、及びフォトレジストパターンを含むサンプル2、ガラス基板上に順次に積層された約300Åのインジウム−亜鉛酸化物層、約30000Åの銅層、約300Åのインジウム−亜鉛酸化物層、及びフォトレジストパターンを含むサンプル3を準備する。
【0085】
各サンプルに実施例8のエッチング組成物を噴射して、エッチングEPDまで必要とされる時間を基準としてインジウム−亜鉛酸化物層及び銅層を60%オーバーエッチングした。
各サンプルに対するエッチング速度を測定し、CDスキュー及びテーパ角を走査電子顕微鏡写真を利用して測定した後、その結果を下記の表5に示す。
【0087】
表5を参照すると、実施例8のエッチング組成物は銅層の厚さが変化しても実質的に同じエッチング速度を維持し、CDスキュー及びテーパ角の変化が大きくないことが確認できる。
従って、実施例8のエッチング組成物を利用して銅層及びインジウム−亜鉛酸化物層を一括的にエッチングでき、多様な厚さ、特に10000Å以上の厚さを有する低抵抗銅配線の形成のための信頼性を確保できることがわかる。
【0088】
〔エッチング組成物のエッチング特性を評価する実験5〕
ガラス基板上に順次に積層された約300Åのインジウム−亜鉛酸化物層及びフォトレジストパターンを含み、インジウム−亜鉛酸化物層の酸化亜鉛の含有量がそれぞれ異なる複数のサンプルを準備する。
【0089】
各サンプルに実施例8のエッチング組成物を噴射して、エッチングEPDまで必要とされる時間を基準としてインジウム−亜鉛酸化物層を60%オーバーエッチングした。
各サンプルに対するエッチング速度を測定し、エッチング状態を走査電子顕微鏡写真を利用して観察した後、その結果を下記の表6に示す。
下記の表6において、エッチング状態は、側面エッチング均一性、ベース基板の損傷などを考慮して、「○」は優秀、「△」は良好、「X」は不良を示す。
【0091】
表6を参照すると、酸化亜鉛の含有量が約60重量%以上である場合、エッチング率が過度に増加し、約35重量%以上である場合、エッチング状態が不良であった。
従って、エッチング組成物は酸化亜鉛の含有量が約35重量%未満のインジウム−亜鉛酸化物層のエッチングに有利であることがわかる。
【0092】
〔エッチング組成物のエッチング特性を評価する実験6〕
ガラス基板上に順次に積層された約300Åのインジウム−亜鉛酸化物層、約5000Åの銅層、約300Åのインジウム−亜鉛酸化物層、及びフォトレジストパターンを含むサンプルを準備し、インジウム−亜鉛酸化物層の酸化亜鉛の含有量及びエッチング時間の変化によるエッチング状態を観察する。
各サンプルのエッチングには実施例8のエッチング組成物を使う。
【0093】
図11は、インジウム−亜鉛酸化物層の酸化亜鉛の含有量が約5重量%であり、エッチングEPDまで必要とされる時間を基準として50%オーバーエッチングして得られたサンプルの走査電子顕微鏡写真であり、
図12はインジウム−亜鉛酸化物層の酸化亜鉛の含有量が約10重量%であり、エッチングEPDまで必要とされる時間を基準として50%オーバーエッチングして得られたサンプルの走査電子顕微鏡写真であり、
図13はインジウム−亜鉛酸化物層の酸化亜鉛の含有量が約25重量%であり、エッチングEPDまで必要とされる時間を基準として50%オーバーエッチングして得られたサンプルの走査電子顕微鏡写真であり、
図14はインジウム−亜鉛酸化物層の酸化亜鉛の含有量が約10重量%であり、エッチングEPDまで必要とされる時間を基準として100%オーバーエッチングして得られたサンプルの走査電子顕微鏡写真であり、
図15はインジウム−亜鉛酸化物層の酸化亜鉛の含有量が約25重量%であり、エッチングEPDまで必要とされる時間を基準として150%オーバーエッチングして得られたサンプルの走査電子顕微鏡写真である。
【0094】
図11〜
図15を参照すると、インジウム−亜鉛酸化物層の酸化亜鉛の含有量が増加するにつれて、上部インジウム−亜鉛酸化物層が側面に突出された長さが減少することが確認できる。
また、インジウム−亜鉛酸化物層の酸化亜鉛の含有量が増加しなくてもエッチング時間を増加させるにつれて上部インジウム−亜鉛酸化物層が側面に突出された長さが減少することが確認できる。
【0095】
上述した本発明の実施例において、インジウム−亜鉛酸化物層の酸化亜鉛の含有量又はエッチング時間を調節するにことによって配線のプロファイルを改善できることがわかった。
【0096】
尚、本発明は、上述の実施形態に限られるものではない。本発明の技術的範囲から逸脱しない範囲内で多様に変更実施することが可能である。