特許第6375030号(P6375030)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6375030
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】車載用容器保持具
(51)【国際特許分類】
   B60N 3/10 20060101AFI20180806BHJP
【FI】
   B60N3/10 A
   B60N3/10 B
【請求項の数】1
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-157663(P2017-157663)
(22)【出願日】2017年8月17日
【審査請求日】2017年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】505090654
【氏名又は名称】竹原 照光
(74)【代理人】
【識別番号】100075557
【弁理士】
【氏名又は名称】西教 圭一郎
(72)【発明者】
【氏名】竹原 照光
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−264711(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3022981(JP,U)
【文献】 特開平9−109763(JP,A)
【文献】 国際公開第2004/039679(WO,A2)
【文献】 国際公開第2003/033297(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 3/00− 3/16
B06R 7/00− 7/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両のインストルメントパネル本体に設けられた空調用吹出し部に固定され、飲料容器を保持する車載用容器保持具であって、
回動軸線を有する取付け部であって、前記回動軸線が前記空調用吹出し部の幅方向と平行になるように、前記空調用吹出し部に取付けられる取付け部と、
一端部が前記回動軸線まわりに回動可能な状態で、前記取付け部に連結される腕部と、
前記腕部の他端部に連設される、前記飲料容器を収容する容器保持体と、
一端部が前記取付け部に回動可能に接続され、前記腕部を押圧する押圧体であって、
前記腕部を挟み込むように前記腕部と交差し、前記腕部の両側を押圧する押圧部と、
前記押圧部を操作する操作レバーと、を有する押圧体と、を備える車載用容器保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車のインストルメントパネルの空調用吹出し部に配設され、飲料容器を保持するための車載用容器保持具に関する。
【背景技術】
【0002】
典型的な従来技術の車載用容器保持具は、たとえば特許文献1に、カップホルダーとして記載されている。このカップホルダーは、ペットボトルなどの飲料容器が収容される凹部を有しており、ヒンジを介してダッシュボードに開閉可能に配設されている。凹部の底面は、カップホルダーが開いた状態で、略水平面上に位置しており、容易に飲料容器を載置して保持することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−109763号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のカップホルダーでは、車両室内の温度よりも低い温度に冷やされた飲料容器内の飲料が車両室内で熱を吸収し、あるいは、車両室内の温度よりも高い温度に温められた飲料容器内の飲料が車両室内で熱を放出して、飲料容器の飲料が生温くなることがある。
【0005】
他の従来技術では、カップホルダーに収容された飲料容器の飲料が車両室内で熱を吸収し、あるいは、カップホルダーに収容された飲料容器の飲料が車両室内で熱を放出して、飲料が生温くなることを軽減するために、インストルメントパネル本体に設けられた空調用吹出し部にカップホルダーを取り付けるものがある。
【0006】
カップホルダーが取付けられる空調用吹出し部は、水平方向に開口したものだけでなく、水平方向に対して上方に傾いた方向に開口したものもあり、車両によって様々である。カップホルダーを、上方に傾いた方向に開口した空調用吹出し部に沿わせて取り付けた場合には、カップホルダーの開口部は、運転者あるいは助手席側とは逆方向である車両の前方に傾き、カップホルダーに飲料容器を収容しにくいという問題がある。
【0007】
さらに、運転者等が、飲料容器の飲料を飲むときに、カップホルダーの開口部を運転席寄り、あるいは助手席寄りに傾けることができないので、飲料容器を取り出しにくく、利便性が悪いという問題がある。
【0008】
本発明の目的は、飲料容器を保持するカップホルダーである容器保持体を、インストルメントパネル本体に設けられた空調用吹出し部に沿わせて位置させることができ、さらに容器保持体を車両の前後方向に移動させて、容器保持体を運転席寄り、あるいは助手席寄りに位置させることができる利便性が向上された車載用容器保持具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、車両のインストルメントパネル本体に設けられた空調用吹出し部に固定され、飲料容器を保持する車載用容器保持具であって、
回動軸線を有する取付け部であって、前記回動軸線が前記空調用吹出し部の幅方向と平行になるように、前記空調用吹出し部に取付けられる取付け部と、
一端部が前記回動軸線まわりに回動可能な状態で、前記取付け部に連結される腕部と、
前記腕部の他端部に連設される、前記飲料容器を収容する容器保持体と、
一端部が前記取付け部に回動可能に接続され、前記腕部を押圧する押圧体であって、
前記腕部を挟み込むように前記腕部と交差し、前記腕部の両側を押圧する押圧部と、
前記押圧部を操作する操作レバーと、を有する押圧体と、を備える車載用容器保持具である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、車載用容器保持具は、インストルメントパネル本体の空調用吹出し部に配設することができる。運転者および助手席に座っている同乗者は、容器保持体が、空調用吹出し部に沿った位置で、腕部の両側を押圧部で押圧して、空調用吹出し部の開口する方向にかかわらず、容器保持体を、空調用吹出し部の開口に沿った位置に保持することができる。これによって、容器保持体に収容された飲料容器に、空調用吹出し部から吹き出す冷風あるいは温風を効果的に送ることができる。運転者および助手席に座っている同乗者は、飲料容器の飲料を飲むときに、容器保持体を車両の前後方向に移動させて、運転席寄り、あるいは助手席寄りに容器保持体を位置させることができる。
【0011】
また本発明によれば、運転者および助手席に座っている同乗者は、操作レバーを操作して、押圧部を簡単に変位させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の一実施形態の空調用吹出し部3に配設された車載用容器保持具1の断面図である。
図2】車載用容器保持具1の平面図である。
図3】挟持部16の部品構成を示す斜視図である。
図4】車載用容器保持具1の部品構成を示す分解斜視図である。
図5】取付け部5の基部15の斜視図である。
図6】容器保持体9に飲料容器4が収容された状態を示す模式図である。
図7】容器保持体9に飲料容器4が収容された状態を示す模式図である。
図8】容器保持体9に飲料容器4が収容された状態を示す模式図である。
図9】押圧体11の斜視図である。
図10】縦枠17に接続された押圧体11を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は本発明の一実施形態の空調用吹出し部3に配設された車載用容器保持具1の断面図である。図2は車載用容器保持具1の平面図である。図3は取付け部5の挟持部16の部品構成を示す斜視図である。図4は、車載用容器保持具1の部品構成を示す分解斜視図である。図5は取付け部5の基部15の斜視図である。図6図8は、容器保持体9に飲料容器4が収容された状態を示す模式図である。図9は、押圧体11の斜視図である。図10は、押圧体11が縦枠17に接続された状態を示す斜視図である。
【0014】
本実施形態の車載用容器保持具1は、車両のインストルメントパネル本体2に設けられた空調用吹出し部3に固定され、飲料容器4を保持するために用いられる。車載用容器保持具1は、水平な回動軸線Lを有し、回動軸線Lが空調用吹出し部3の幅方向と平行になるように、空調用吹出し部3に取付けられる取付け部5と、一端部が回動軸線Lまわりに回動可能に連結される一対の腕部8と、一対の腕部8の他端部に連設される、飲料容器4を収容する容器保持体9と、一端部が取付け部5に回動可能に接続され、一方の腕部8を挟み込み、腕部8と交差し、腕部8の両側を押圧する押圧体11と、を備えている。なお、「運転席」とは、シートクッションおよびシートバックで構成される運転者用のシートをいい、「助手席」とは、シートクッションおよびシートバックで構成される同乗者用のシートをいう。
【0015】
空調用吹出し部3は額縁状の固定枠12を有しており、固定枠12の内側には、固定枠12と一体に成形された横フィン6が設けられている。横フィン6は、たとえば4つの横フィン6a,6b,6c,6dで構成されており、この順番で固定枠12内に上から下に並んでいる。
【0016】
取付け部5は、基部15と、基部15に配設される挟持部16とを有している。基部15は、断面がコの字状のアルミニウム合金からなる押出し形材を切断して形成される一対の縦枠17と、一対の縦枠17の上部を連結する連結板13と、一対の縦枠17の下部を連結する連結板19とを有している。連結板13と連結板19とは、一対の縦枠17に、ねじ止めされてもよく、あるいは接着剤を用いて接着されてもよい。
【0017】
図3に示すように、挟持部16は、たとえば弾性変形可能な樹脂を用いて断面がコの字状に形成されており、2つの対向する壁部22と、壁部22を接続する壁部23とを有している。壁部23の背面44には、背面44から突出する2本の雄ねじ部24が設けられている。
【0018】
挟持部16は、たとえば、空調用吹出し部3の最上部に位置する横フィン6aに固定される。挟持部16は、横フィン6aが、挟持部16の凹部20に嵌まり、横フィン6aの開口側端部26が壁部23に当接し、一対の壁部22で横フィン6aを上下方向に挟持した状態で、結束バンド21によって横フィン6aに結束される。
【0019】
挟持部16は、横フィン6aに結束された後、連結板13の貫通孔43に挿通された雄ねじ部24に蝶ナット25が螺合されて、連結板13に固定される。さらに結束バンド21を用いて、連結板19が、横フィン6dに結束される。連結板19は、連結板19が横フィン6dの開口側端部26に当接した状態で、横フィン6dに結束される。
【0020】
結束バンド21は樹脂製であり、人の手で折り曲げ可能である。結束バンド21を予めU字状に折り曲げて、空調用吹出し部3に挿入することによって、挟持部16を容易に横フィン6aに結束することができ、連結板19を容易に横フィン6dに結束することができる。
【0021】
図2に示すように、挟持部16は、挟持部16の長手方向中央部が結束バンド21で横フィン6aに結束されており、結束バンド21が挟持部16と連結板13との間に挟まれた状態で、連結板13にねじ止めされるので、挟持部16を結束する結束バンド21が不用意に移動することを防止することができる。
【0022】
このように、車載用容器保持具1を空調用吹出し部3の横フィン6aおよび6dに簡単に装着することができる。車載用容器保持具1は、4つの横フィン6a,6b,6c,6dのうち、最も離れた位置にある、横フィン6aと横フィン6dとに取り付けられており、車載用容器保持具1の揺れやばたつきの発生を抑えて、車載用容器保持具1を確実に空調用吹出し部3に固定することができる。なお、挟持部16の材料は、弾性変形可能な樹脂に限定されるものではなく、アルミニウム合金などの金属であっても良い。
【0023】
挟持部16は、横フィン6を挟み込む構成のものに限定されない。図示しないが、たとえば、隣接する2つの横フィン6間の隙間に、圧縮された状態で嵌め込まれる嵌合部を有する構成とすることもできる。この場合には、嵌合部が、隣接する2つの横フィン6に結束バンド21で結束される。また、挟持部16や嵌合部を配設せず、基部15を直接横フィン6に結束することもできる。
【0024】
挟持部16が挟持するフィンは、空調用吹出し部3の固定枠12と一体成形された横フィン6に限定されるものではない。空調用吹出し部3が固定枠12と一体成形された縦方向のフィンを備えている場合には、挟持部16が縦方向のフィンを挟持する構成であっても良い。
【0025】
基部15を構成する一対の縦枠17の下部には、空調用吹出し部3の幅方向と平行な回動軸線L上に、貫通孔27が形成されている。この貫通孔27にピン28が挿通されて、後述の一対の腕部8が回動可能に連結される。
【0026】
腕部8は、金属または樹脂などを用いて形成することができる。腕部8は、たとえば図4に示すように、断面がコの字状のアルミニウム合金からなる押出し形材を所望の長さに切断して形成することができる。腕部8の一端部には、貫通孔29が形成されており、腕部8は、縦枠17の対向する2つの壁部31の間に嵌め込まれた状態で、ピン28が貫通孔27および貫通孔29に挿通されて、取付け部5の回動軸線Lまわりに回動可能に連結されている。一対の腕部8の他端部には、飲料容器4を収容する容器保持体9が配設されている。
【0027】
容器保持体9は、一対の腕部8の他端部に、腕部8と一体成形されてもよく、あるいは、腕部8とは別構造として、腕部8の他端部に取り付けることもできる。ここで、容器保持体9を腕部8とは別製作とした場合の一例について説明する。容器保持体9は、略円板状の底壁34と、底壁34の周縁部から底壁34の上方に立ち上がる逆円錐台状の外周壁35と、外周壁35の上部周縁に設けられるリング状の上部開口部37と、上部開口部37を腕部8に固定する連結部材38とを有している。底壁34、外周壁35および上部開口部37は、たとえば樹脂を用いて一体成形することができ、連結部材38は、たとえばアルミニウム合金からなる押出し形材を用いて製作することができる。容器保持体9の高さHは、たとえば100mmとすることができ、上部開口部37の内径D1は、たとえば72mmとすることができ、底面36の直径D2は、たとえば60mmとすることができる。
【0028】
外周壁35を構成する樹脂は、板厚がたとえば1mm以下であり、弾性変形可能である。外周壁35には、車載用容器保持具1が空調用吹出し部3に取り付けられた状態で、空調用吹出し部3に対向する開口部41が形成されている。開口部41は、たとえば底壁34の底面36から10mm立ち上がった位置A1から上部開口部37の下端の位置A2までの高さ範囲H1に設けられる。高さ範囲H1は、たとえば80mmである。位置A1における開口幅W1は、たとえば50mmであり、位置A2における開口幅W2は、たとえば65mmである。
【0029】
開口部41が設けられているので、空調用吹出し部3から吹出す空気を、開口部41から容器保持体9の内側に取り込んで、容器保持体9に収容された飲料容器4に送ることができる。飲料容器4に、飲料容器4の飲料より低い温度の空気を送って飲料容器4の飲料を冷やし、あるいは、飲料容器4に、飲料容器4の飲料よりも高い温度の空気を送って飲料容器4の飲料を温めることができる。
【0030】
開口部41の両側に、空調用吹出し部3に向かって延びる一対の誘導板40を設けることができる。誘導板40として、たとえば樹脂製の平板を用いることができる。誘導板40の一端部は、外周壁35に接着され、あるいは外周壁35にねじ止めされて、開口部41の側部に固定される。誘導板40を設けることによって、空調用吹出し部3から吹き出した空気を、効果的に飲料容器4に導くことができる。
【0031】
一対の誘導板40は、平行であってもよく、あるいは開口部41から空調用吹出し部3に向かって、一対の誘導板40間の距離が大きくなるように配設して、空調用吹出し部3から吹出す広い範囲の空気を飲料容器4に送るようにしても良い。
【0032】
誘導板40が蝶ナットを用いて外周壁35にねじ止めされている場合には、簡単に蝶ナット54を外して、他のねじ止め部55を中心に、誘導板40を回動させることができる。誘導板40を、取付け部5から遠ざけた位置に移動して、取付け部5の周辺に広い作業空間を確保した状態で、取付け部5を横フィン6に固定する作業を行なうことができる。
【0033】
連結部材38は、たとえば金属または樹脂を用いて形成することができる。連結部材38は、上部開口部37に取付けられる平板状のベース板46と、腕部8の他端部をベース板46に固定するための、断面がコの字状の部材47とを含んでいる。たとえば、腕部8の他端部が、リベット49によって部材47に固定され、ベース板46がリベット50によって上部開口部37に固定される。
【0034】
図6に示すように、容器保持体9に収容される飲料容器4aが、缶コーヒーの容器などであれば、飲料容器4aの底部42が、容器保持体9の底面36に当接し、飲料容器4aの底部42周縁が、容器保持体9の底面36の周縁部45に当接した状態で保持される。
【0035】
図7に示すように、容器保持体9に収容される飲料容器4bが、絞り加工されたアルミ缶の容器などで、飲料容器4bの外径が、容器保持体9の底面36の内径よりも大きい場合には、飲料容器4の底部42周縁部が、逆円錐台状の外周壁35を押圧して、外周壁35が外側に凸となるように弾性変形する。飲料容器4の底部42周縁部は、外周壁35の弾性力によって、飲料容器4の底部42と、容器保持体9の底面36との間に隙間を有した状態で保持される。
【0036】
図8に示すように、容器保持体9に収容される飲料容器4cがペットボトルなどで、飲料容器4bよりもさらに外径が大きい飲料容器4cである場合には、飲料容器4の底部42周縁部が、逆円錐台状の外周壁35を押圧するとともに、一部の底部42周縁部が開口部41から空調用吹出し部3側に突出する。飲料容器4cは、底部42周縁部が空調用吹出し部3側に突出し、飲料容器4cの上部開口部が運転席または助手席寄りに傾いた状態で、外周壁35の弾性力によって、飲料容器4の底部42と、容器保持体9の底面36との間に隙間を有した状態で保持される。
【0037】
このように、容器保持体9は、底面36の内径よりも大きい外径の飲料容器4b,4cを収容することができる。また、容器保持体9の上部開口部37によって、容器保持体9の高さH方向と垂直な径方向への飲料容器4の移動が規制されており、これによって飲料容器4が容器保持体9から抜け出ることを抑制することができる。
【0038】
容器保持体9は、底壁34が円形であり、外周壁35が逆円錐台であるが、これに限定されるものではなく、容器保持体9の形状は、飲料容器の形状に合わせて変更することができる。
【0039】
図9および図10に示すように、押圧体11は、たとえば断面がコの字状のアルミニウム合金からなる押出し形材を加工して作製することができる。押圧体11は、一端部側に、細長い平板状に形成され、縦枠17の対向する壁部31の外側に貫通孔53を介して回動可能に支持される一対の案内部10を有しており、他端部側には、他端部側に向かって幅が狭くなるように形成され、腕部8の対向する壁部51を挟み込んで押圧する一対の押圧部14を有している。
【0040】
一対の案内部10の内面間の隙間W5は、腕部8の幅W4よりも広く形成されており、腕部8は、一対の案内部10間を回動可能である。押圧部14間の他端部側の幅W6は腕部8の幅W4よりも狭くなるように形成されており、腕部8は、腕部8の対向する壁部51が押圧部14に押圧されて保持される。
【0041】
運転者および助手席に座っている同乗者は、容器保持体9を把持し、空調用吹出し部3に沿った位置に容器保持体9を移動させた後、押圧体11を回動させて、腕部8を押圧部14で押圧する。腕部8の対向する壁部51が押圧部14の押圧力によって、回動が阻止された状態で固定される。容器保持体9を空調用吹出し部3に沿った位置に保持して、容器保持体9に収容された飲料容器4に、空調用吹出し部3からの冷風あるいは温風を効果的に送ることができる。運転者および助手席に座っている者が、飲料容器4の飲料を飲むときには、容器保持体9を把持して、運転席側あるいは助手席側の任意の位置に容器保持体9を移動させた後、押圧体11を回動させて、腕部8を押圧部14で押圧することによって、容器保持体9を運転席側あるいは助手席側の任意の位置に固定することができる。
【0042】
押圧部14が腕部8を押圧することによって、腕部8を所望の角度位置で保持し、容器保持体9を、所望の角度位置とすることができる。これによって、多様な空調用吹出し部3の吹き出し方向に沿った位置に容器保持体9を保持することができる。
【0043】
運転席に座っている運転者あるいは助手席に座っている同乗者が、飲料容器4の飲料を飲むときに、容器保持体9を任意の角度位置で保持することができる。
【0044】
押圧体11は、他端部に、押圧体11を回動するための操作レバー61を有している。図2に示すように、操作レバー61は、取付け座63を介して、押圧体11の幅方向内側に取付けられているので、操作レバー61を押圧体11に容易に取り付けることができる。また、運転者が操作レバー61を操作するときに、操作レバー61が誘導板40に接触することを防止することができ、操作レバー61を正確に確実に操作することができる。
【0045】
運転者が、操作レバー61の把持部62を把持して、操作レバ−61を上方に押し上げると、腕部8が押圧体11に当接し、腕部8は押圧体11とともに空調用吹出し部3に近付くように回動する。容器保持体9が、空調用吹出し部3に近付くように回動するので、容器保持体9に保持された飲料容器4を、空調用吹出し部3に沿った位置とすることができる。この状態で、操作レバ−61を押し上げて、腕部8の対向する壁部51を押圧部14で押圧して、腕部8を固定することができる。運転者は、操作レバー61を操作して、押圧体11を回動させ、腕部8の任意の回動位置で、腕部8を固定することができ、容器保持体9に収容された飲料容器4を任意の位置で固定することができる。
【0046】
このように、車載用容器保持具1は、車両のインストルメントパネル本体2に設けられた空調用吹出し部3に固定され、飲料容器4を保持する車載用容器保持具1であって、回動軸線Lを有する取付け部5であって、回動軸線Lが空調用吹出し部3の幅方向と平行になるように、空調用吹出し部3に取付けられる取付け部5と、一端部が回動軸線Lまわりに回動可能な状態で、取付け部5に連結される腕部8と、腕部8の他端部に連設される、飲料容器4を収容する容器保持体9と、一端部が取付け部5に回動可能に接続され、腕部8を押圧する押圧体11であって、腕部8を挟み込むように腕部8と交差し、腕部8の両側を押圧する押圧部14と、押圧部14を操作する操作レバー61と、を有する押圧体11と、を備える車載用容器保持具1である。
【0047】
これによって、車載用容器保持具1は、インストルメントパネル本体2の空調用吹出し部3に配設することができる。運転者および助手席に座っている者は、容器保持体9が、空調用吹出し部3に沿った位置で、腕部8の両側を押圧部14で押圧して、容器保持体9を、空調用吹出し部3に沿った位置に保持することができる。これによって、容器保持体9に収容された飲料容器4に、空調用吹出し部3から吹き出す冷風あるいは温風を送ることができる。運転者および助手席に座っている者は、飲料容器4の飲料を飲むときに、容器保持体9を車両の前後方向に移動して、運転席寄り、あるいは助手席寄りに位置させることもできる。
【符号の説明】
【0048】
1 車載用容器保持具
2 インストルメントパネル本体
3 空調用吹出し部
4 飲料容器
5 取付け部
6 横フィン
8 腕部
9 容器保持体
10 案内部
11 押圧体
12 固定枠
13,19 連結板
14 押圧部
15 基部
16 挟持部
17 縦枠
20 凹部
21 結束バンド
22,23,31,51 壁部
24 雄ねじ部
25,54 蝶ナット
26 開口側端部
27,29,52,53 貫通孔
28,30 ピン
34,39 底壁
35 外周壁
36 底面
37 上部開口部
38 連結部材
40 誘導板
41 開口部
42 底部
44 背面
45 周縁部
46 ベース板
47 部材
49,50 リベット
55 ねじ止め部
61 操作レバー
62 把持部
63 取付け座
L 回動軸線
【要約】      (修正有)
【課題】飲料容器を保持するカップホルダーである容器保持体を、インストルメントパネル本体に設けられた空調用吹出し部に沿わせて位置させることができ、容器保持体を車両の前後方向に移動させて、容器保持体を運転席寄り、あるいは助手席寄りに位置させることができる利便性が向上された車載用容器保持具を提供する。
【解決手段】車両のインストルメントパネル本体に設けられた空調用吹出し部に固定され、飲料容器を保持する車載用容器保持具であって、回動軸線を有する取付け部であって、回動軸線が空調用吹出し部の幅方向と平行になるように、空調用吹出し部に取付けられる取付け部と、一端部が回動軸線まわりに回動可能な状態で、取付け部に連結される腕部と、腕部の他端部に連設される、飲料容器を収容する容器保持体と、腕部を挟み込むように腕部と交差し、腕部の両側を押圧する押圧部を有し、一端部が前記取付け部に接続される押圧体と、を備える。
【選択図】図1
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