(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6375057
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】家庭用製麺機
(51)【国際特許分類】
A21C 1/02 20060101AFI20180806BHJP
A21C 11/20 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
A21C1/02 B
A21C11/20 B
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2017-516517(P2017-516517)
(86)(22)【出願日】2015年9月28日
(65)【公表番号】特表2017-528152(P2017-528152A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】CN2015090865
(87)【国際公開番号】WO2016045634
(87)【国際公開日】20160331
【審査請求日】2017年6月5日
(31)【優先権主張番号】201410508014.4
(32)【優先日】2014年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410508187.6
(32)【優先日】2014年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410507982.3
(32)【優先日】2014年9月28日
(33)【優先権主張国】CN
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】516034898
【氏名又は名称】九▲陽▼股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】王旭▲寧▼
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇栄▼清
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼健
(72)【発明者】
【氏名】▲蘆▼孟林
【審査官】
豊島 ひろみ
(56)【参考文献】
【文献】
実公平02−029919(JP,Y2)
【文献】
中国実用新案第203492675(CN,U)
【文献】
実公昭25−008348(JP,Y1)
【文献】
特開2004−313165(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3205421(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A21C 1/00 − 15/04
A47J 42/00 − 44/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
モータを有するベースと、ベースに接続された攪拌カップと、縦方向に沿って攪拌カップ内に設けられ、棒体と当該棒体に設けられた攪拌羽根とを含む攪拌棒と、攪拌カップの下方一方側に横置きに配置された押出筒と、押出筒内に設けられたスクリューと、成形ダイスと、制御手段とを備え、
攪拌棒及びスクリューは前記モータに回転駆動され、
前記攪拌カップの底部には、前記押出筒と連通する生地投入口が設けられている家庭用縦型製麺機であって、
前記攪拌カップの内壁には、切断ロッドが設けられており、
前記切断ロッドは前記生地投入口の上方側、かつ前記生地投入口の押出し工程における前記撹拌棒の回転方向の上流側に設けられていて、
前記切断ロッドの中心線と前記撹拌棒の回転中心線とが異なる平面に位置づけられ、且つ互いに直交していて、
前記切断ロッドと前記撹拌カップとが一体に形成されていて、
攪拌羽根がモータの駆動により切断ロッドまで回転されるとき、前記切断ロッドと攪拌羽根との水平方向の投影は少なくとも一部が重なっていて、
前記切断ロッドが押出成形工程において前記攪拌羽根と協働して、生地を前記生地投入口よりも小さいサイズに切断する
ことを特徴とする家庭用縦型製麺機。
【請求項2】
前記攪拌カップは円筒状であり、
前記攪拌カップの直径をDとし、前記切断ロッドと攪拌羽根とが重なった部分の長さをLとしたときに、D/5≦L<D/2の関係を満たす、
請求項1に記載の製麺機。
【請求項3】
前記攪拌羽根は、上部攪拌羽根と下部攪拌羽根とを備え、
前記切断ロッドは上部攪拌羽根と下部攪拌羽根との間に設けられている、
請求項1に記載の製麺機。
【請求項4】
前記上部攪拌羽根と下部攪拌羽根は棒体に対して対称位置に1つずつ設けられており、
前記切断ロッドの長さをL1とし、前記上部攪拌羽根の長さをL2としたときに、D/10≦L1<L2<D/2の関係を満たし、前記下部攪拌羽根の長さをL3としたときに、D/10≦L1<L3<D/2の関係を満たす、
請求項3に記載の製麺機。
【請求項5】
前記押出筒は、材料押込部と、押出し部とを備え、
前記材料押込部は上方に延びて攪拌カップの底部と交差して、攪拌カップの底部に沿って押出筒に向かって水平に延びるとともに、前記攪拌カップの側壁まで延びる生地投入口を形成し、
前記スクリューの押込み螺旋は生地投入口の下方側にある材料押込部に配置されており、
前記スクリューは攪拌段階と押し出し段階での回転方向が逆である、
請求項1に記載の製麺機。
【請求項6】
前記生地投入口の面積と、前記攪拌カップの底部の面積との比をSとしたときに、1/8≦S<1/2の関係を満たす、
請求項1に記載の製麺機。
【請求項7】
前記生地投入口と前記攪拌カップの側壁との接続部には、押出筒の内部に向かって傾斜するとともに、下方に向かって材料押込部まで延びる斜面が設けられている、
請求項5に記載の製麺機。
【請求項8】
前記スクリューの押込み螺旋の最高点から攪拌カップの底部までの高さをh1としたときに、前記h1≦10mmとする、
請求項5に記載の製麺機。
【請求項9】
前記切断ロッドは一字状かつ板状に形成されるとともに、水平方向に沿って攪拌カップの内部に突出し、あるいは、
前記切断ロッドは弧状かつ板状に形成されるとともに、水平方向に沿って攪拌カップの内部に突出するように構成されている、
請求項1に記載の製麺機。
【発明の詳細な説明】
【0001】
〔技術分野〕
本出願は、2014年9月28日に中国特許庁へ提出した、出願番号が201410508187.6であり、発明の名称が「家庭用製麺機の高効率的な製麺方法」である中国特許出願、2014年9月28日に中国特許庁へ提出した、出願番号が201410508014.4であり、発明の名称が「家庭用縦型製麺機」である中国特許出願、及び2014年9月28日に中国特許庁へ提出した、出願番号が201410507982.3、発明の名称が「無残留縦型家庭用製麺機」である中国特許出願に基づき優先権を主張し、その全ての内容は引用によって本明細書中に援用される。
【0002】
本出願は、食品加工機の分野に関し、特に生地の捏ね効果に優れた家庭用製麺機に関する。
〔背景技術〕
生活水準が高まるにつれて、食品加工機は消費者の注目を集めるようになり、その一つとして、製麺機はますます消費者に好まれるようになってきた。
【0003】
従来の製麺機は、一般的に、横型製麺機と縦型製麺機とに分けられており、両方ともベースと、攪拌部材と、押出部材とを備える。なお、攪拌部材は攪拌カップと、攪拌棒とを備え、押出部材はスクリューと、押出筒と、成形ダイスとを備える。
【0004】
例えば、公開番号CN103518792Aに開示された横型製麺機において、攪拌棒とスクリューは同軸に回動し、かつ攪拌棒の回動半径はスクリューの回動半径よりも大きく設定されている。従って、捏ねる際に、攪拌棒が正転することにより、小麦粉と水を混合・攪拌して、そぼろ状の生地又はブロック状の生地とした。押出し時には、攪拌棒が逆転すると同時に、混ぜ合わせたそぼろ状の生地又はブロック状の生地は攪拌棒の先端に設けられた攪拌羽根により掻き取られ、その後、押出筒の上方に設けられた生地投入口から押出筒内に投入され、そしてスクリューで押出成形された。しかしながら、この方式では、押出しの初期段階に、そぼろ状の生地又はブロック状の生地が多量存在しているから、攪拌羽根はそぼろ状の生地又はブロック状の生地を掻き取って押出筒まで押し込むことが容易であるが、押出しの後期になったら、そぼろ状の生地又はブロック状の生地が少なくなるから、攪拌羽根はそぼろ状の生地又はブロック状の生地を掻き取れず、或いは生地投入口に掻き落としたとたんに再び攪拌カップに落ちたので、攪拌カップ内にそぼろ状の生地又はブロック状の生地が残されてしまうという問題がある。
【0005】
また、例えば公開番号CN202476367Uに開示された縦型製麺機において、攪拌棒とスクリューは同軸に回動するものではなく、かつ押出筒は攪拌カップの下方側に設けられているため、生地の残留問題を解決することができる。しかしながら、従来の縦型製麺機では、捏ねる際に、攪拌棒は小麦粉と水を混合・攪拌してそぼろ状の生地又はブロック状の生地としているが、押出し時には、練り上がったそぼろ状の生地又はブロック状の生地が大きすぎるから、生地投入口から押出筒まで押し込まれることが困難になるので、押出効率が低下し、さらに加工効率が低下するようになった。
〔発明の概要〕
本発明は、生地の捏ね効果に優れ、コシが強く、生地の投入が簡単でかつ残留物のない家庭用縦型製麺機に関する。本発明に係る家庭用製麺機は、モータを有するベースと、ベースに接続された攪拌カップと、縦方向に沿って攪拌カップ内に設けられ、棒体と当該棒体に設けられた攪拌羽根とを含む攪拌棒と、攪拌カップの下方一方側に横置きに配置された押出筒と、押出筒内に設けられたスクリューと、成形ダイスと、制御手段とを備え、前記攪拌棒及びスクリューは前記モータに回転駆動され、前記攪拌カップの底部には前記押出筒と連通する生地投入口が設けられている家庭用縦型製麺機であって、前記攪拌カップの内壁には、切断ロッドが設けられており、攪拌羽根がモータの駆動により切断ロッドまで回転されるとき、前記切断ロッドと攪拌羽根との水平方向の投影は少なくとも一部が重なっている。
【0006】
前記攪拌カップは円筒状であってもよい。前記攪拌カップの直径をDとし、前記切断ロッドと攪拌羽根とが重なった部分の長さをLとしたときに、D/5≦L<D/2の関係を満たす。
【0007】
前記攪拌羽根は、上部攪拌羽根と、下部攪拌羽根とを備え、前記切断ロッドは上部攪拌羽根と下部攪拌羽根との間に設けられている。
【0008】
前記上部攪拌羽根と下部攪拌羽根は棒体に対して対称位置に1つずつ設けられている。前記切断ロッドの長さをL1とし、前記上部攪拌羽根の長さをL2としたときに、D/10≦L1<L2<D/2の関係を満たし、前記下部攪拌羽根の長さをL3としたときに、D/10≦L1<L3<D/2の関係を満たす。
【0009】
前記切断ロッドは生地投入口の上方側かつ生地投入口の上流側に設けられている。
【0010】
前記切断ロッドは一字状かつ板状に形成されるとともに、水平方向に沿って攪拌カップ内部に突出し、あるいは、前記切断ロッドは弧状かつ板状に形成されるとともに、水平方向に沿って攪拌カップ内部に突出するように構成されている。
【0011】
前記押出筒は、材料押込部と、押出し部とを備え、前記材料押込部は上方に延びて攪拌カップの底部と交差して、攪拌カップの底部に沿って押出筒に向かって水平に延びるとともに、前記攪拌カップの側壁まで延びる生地投入口を形成し、前記スクリューの押込み螺旋は生地投入口の下方側にある材料押込部に配置されており、前記スクリューは攪拌段階と押し出し段階での回転方向が逆になるように構成されている。
【0012】
前記生地投入口の面積と、前記攪拌カップの底部の面積との比をSとしたときに、1/8≦S<1/2の関係を満たす。前記生地投入口と前記攪拌カップの側壁との接続部には、押出筒の内部に向かって傾斜するとともに、下方に向かって材料押込部まで延びる斜面が設けられている。
【0013】
前記スクリューの押込み螺旋の最高点から攪拌カップの底部までの高さをh1としたときに、前記h1≦10mmとする。
【0014】
本発明では、前記「攪拌棒が正転する」とは、反時計回りに回転することをいい、逆に、「攪拌棒が逆転する」ことになる。ここで、「反時計回り」又は「時計回り」は、いずれもモータ軸端側から観察したものである。前記「スクリューが逆転する」とは、螺旋方向に沿って材料を成形ダイスに向かって押し付けるように回転させることをいい、逆に、「スクリューが正転する」ことになる。前記「上流側」とは、押出し工程において、攪拌棒が先に生地投入口を通過する側をいう。なお、前記「上」、「下」、「左」、「右」、「前」、「後」などで示される方位又は位置関係は、図面に示される方位又は位置関係に基づくものであり、本発明を便利に記述し表現を簡略にするものに過ぎない。上述の装置又は部材は必ずしも特定の方位を有し、特定の方位で構成及び操作されることを意図するものではなく、つまり、本発明の範囲を限定するように解析されるべきではない。
【0016】
第一に、攪拌カップの内壁に切断ロッドが設けられているので、捏ねる工程において、切断ロッドと攪拌羽根が協働して小麦粉と水を混合・攪拌し続けて生地とするとともに、一部の生地を生地投入口よりも小さいサイズに切断又は引き裂いた後、これらの生地を再び混ぜて、そして、混ぜ合わせた一部の生地を再び生地投入口よりも小さいサイズに切断又は引き裂く。上述手順を繰り返すことによって、小麦粉と水を十分かつムラなく混ぜ合わせて、所望の混合状態とすることができる。また、捏ねる速度が速められるため、捏ねる効率が向上され、かつより一層コシの強い麺線を作り出すことができる。一方、押出し工程において、切断ロッドと攪拌羽根が協働して生地をさらに引き裂いて練りかけ、そして混合して再び引き裂くようにすることで、生地が十分に混練され、強いコシが出てくる。また、練り上がった生地が生地投入口よりも小さいサイズに切断又は引き裂かれるから、生地投入口から投入されやすく、これで、生地の投入がより簡単になり、生地の残留などは発生しない。
【0017】
第二に、攪拌カップを円筒状とすることにより、攪拌カップの内壁が滑らかになり、捏ねる際に、攪拌カップの内壁にデッドスペースはないから、攪拌カップの内壁に生地が残されて無駄遣いになるのを回避できる。次に、切断ロッドと攪拌羽根とが重なった部分の長さをLとしたときに、D/5≦L<D/2の関係を満たすから、切断ロッドと攪拌羽根とはある程度の重複長さをもっているから、切断ロッドと攪拌羽根による切断が確保されるので、小麦粉と水を十分かつムラなく混合することができ、また、生地を容易に切断又は引き裂くことができるから、生地の投入が容易になる。ここで、LがD/5未満であれば、切断ロッドは攪拌羽根と協働して有効な切断作用を発揮できず、即ち切断力が小さすぎるから、生地の捏ね効果が劣化する。一方、LがD/2以上であれば、切断ロッドと攪拌羽根による切断力が大きすぎるから、モータの負荷が増えつつ、モータの使用寿命が低減され、一方、モータの使用寿命を延長するようにモータの性能を向上すれば、コストが増えるようになる。
【0018】
第三に、切断ロッドが上、下部攪拌羽根の間に設けられることにより、攪拌棒の一回転において、2回の切断を行うから、切断ロッドの作業効率が向上され、さらに捏ねる工程と押出し工程での効率が向上される。また、切断ロッドと、上部及び/または下部攪拌羽根とは水平方向での投影が少なくとも部分的に重なるように構成されることにより、捏ねる工程において、切断ロッドと、上部及び/または下部攪拌羽根の重複面は対向切断領域を形成するから、生地に対する切断作用と効率が確保され、切断及び切断後の再度混練により、何度も手で捏ねる効果に達し、生地のコシがもっと強くなる。また、押出し工程において、切断ロッドと攪拌棒との間の切断力が更に大きくなり、生地はより小さいサイズに切り出さられるから、生地投入口から投入されやすくなり、これで、生地の投入がより簡単になり、残留などは発生しない。
【0019】
第四に、上、下部攪拌羽根は棒体に対して対称的かつ1つずつ設けられることにより、攪拌棒の製造が簡単になり、構造がシンプルになるほか、生地が落ちて次回の攪拌混合に参与することにも寄与し、さらに攪拌棒の洗浄も便利になる。そして、上、下部攪拌羽根は棒体に対して対称的に配置されることにより、攪拌棒の作動安定性を確保しつつ、攪拌棒の作動時の騒音を低減させることができる。また、攪拌カップの直径をDとし、前記切断ロッドの長さをL1とし、前記上部攪拌羽根の長さをL2としたときに、D/10≦L1<L2<D/2の関係を満たし、前記下部攪拌羽根の長さをL3としたときに、D/10≦L1<L3<D/2の関係を満たす。これによって、上、下部攪拌羽根と切断ロッドは有効な重複領域を形成でき、大きな切断力を生成できるから、攪拌棒が回転する際に大量の小麦粉を回動させることができ、小麦粉を急激に転げ回すことができるから、十分かつムラなく攪拌することができ、捏ねる効果が向上され、さらに十分な切断力が確保され、生地の投入が容易になる。なお、L2又はL3をL1より大きくすることにより、切断ロッドは上、下部攪拌羽根と有効な重複領域を形成できるから、十分な切断力が確保されると同時に、切断ロッドの強度が確保される。ここで、L1はD/10未満であれば、切断ロッドは上、下部攪拌羽根と協働して有効な切断を行うことができず、即ち切断力が小さすぎるから、捏ねる効果が劣化し、さらに生地の投入にも影響を及ぼす。一方、L2又はL3はD/2以上であれば、上、下部攪拌羽根は攪拌カップの内壁と干渉してしまう。L1はL2を超えると、切断ロッドが長すぎるから折れやすくなり、強度が低下し、また、上、下部攪拌羽根が短すぎるから、捏ねる効果が劣化する原因となる。
【0020】
第五に、前記切断ロッドは生地投入口の上方側かつ生地投入口の上流側に設けられている。切断ロッドが生地投入口の上流側に設けられることにより、押出し工程において、切断ロッドは上、下部攪拌羽根と協働して材料を切断したら、材料は直接に生地投入口に落ち込み、さらに押出筒に送り込むので、生地の投入速度が速くなり、押出し作業の効率向上が図れる。一方、攪拌工程において、攪拌棒が逆転することにより、切断ロッドは生地投入口の下流側に配置されるようになる。このとき、切断ロッドは上、下部攪拌羽根と協働して材料を切断したら、材料はそのまま生地投入口へと落ち込むことはなく、上、下部攪拌羽根とともに回動させられるため、攪拌時に、まだ混合できなかった一部の材料、例えば小麦粉が押出筒へ送り込まれるのを避けることができ、最初に押出された麺線に小麦粉が付いたり、ムラが出たり、コシが弱かったり、食感が悪くなったりするのを回避することができる。
【0021】
第六に、切断ロッドは水平方向に沿って攪拌カップ内に延びるように構成されることにより、捏ねる際に攪拌にて混ぜ合わせることを確保できるとともに、押出し工程に攪拌棒と切断ロッドが協働して生地を切断することができるので、生地が十分に混練られ、麺線のコシが更に強くなり、また、生地が十分に小さく切り出されるから、生地投入口に次から次へと送り込まれるので、効果的に押出成形され、かつ残留物が無い。なお、切断ロッドが攪拌カップと一体的に成形されることにより、二次製造プロセスを省き、加工効率を向上させることが可能となり、また、切断ロッドの強度が高くて折れにくい。
【0022】
第七に、生地投入口が攪拌カップの底部に中心から離間して設けられることにより、攪拌済みの生地は遠心力の作用によって攪拌カップの外周へ移動させられながら、重力によって生地投入口に落ち込むから、生地の投入が便利になりながら、生地が十分に投入されて残されにくい。また、生地投入口が攪拌カップの側壁まで延在することにより、生地投入口を最大化することができるため、単位時間当たりの投入量が多いので、投入効率が高められる。なお、生地の投入時に、押込み螺旋は生地投入口の下方に設けられることにより、生地が直接に押込み螺旋内に落ち込むと共に、押込み螺旋の作用で押出し部まで送り込まれることができるので、生地をスムーズに投入することが可能となる。また、前記スクリューは攪拌工程と押出し工程での回転方向が逆になるように構成されることにより、押込み螺旋も小麦粉の攪拌工程に参与するので、小麦粉が押込み螺旋によって攪拌カップまで搬送されて再び攪拌されるため、小麦粉は押出し部で積み重ねることがないので、小麦粉の積み重ねによる回転停止は発生しない。従って、押出工程において、生地の押出しに参与することができる。
【0023】
最後に、斜面を設置することにより、攪拌済みの生地が生地投入口に投入された後、斜面を沿って材料押込部の押込み螺旋まで送り込まれて押出され、重力によって押出筒に向かうので、生地の投入がよりスムーズに行える。これによって、生地の成形効率が向上されると同時に、材料押込部にはデッドスペースは存在せず、生地が残される可能性が低減され、生地が残されることによる無駄遣いを避け、洗浄も便利になる。
〔図面の簡単な説明〕
〔
図1〕本発明に記載される製麺機の実施例1の構造模式図である。
【0024】
〔
図2〕本発明に記載される製麺機の実施例1における攪拌カップと攪拌棒との協働を示す模式図である。
【0025】
〔
図3〕本発明に記載される製麺機の実施例1における攪拌カップと攪拌棒との協働を示す平面図である。
【0026】
〔
図4〕本発明に記載される製麺機の実施例1における攪拌カップと攪拌棒との協働を示す断面図である。
【0027】
〔
図5〕本発明に記載される製麺機の実施例1における攪拌棒の構造模式図である。
【0028】
〔
図6〕本発明に記載される製麺機の実施例1における上部攪拌羽根の縦断面模式図である。
【0029】
〔
図7〕本発明に記載される製麺機の実施例1における下部攪拌羽根の縦断面模式図である。
【0030】
〔
図8〕本発明に記載される製麺機の実施例2における生地投入口の構造模式図である。
【0031】
〔
図9〕本発明に記載される製麺機の実施例2におけるスクリューの構造模式図である。
【0032】
〔
図10〕本発明に記載される製麺機の実施例4における攪拌棒の構造模式図である。
〔発明を実施するための形態〕
以下、図面及び具体的な実施例を参照しながら、本発明について更に詳しく説明する。
【0033】
図1〜4に示すように、本発明の実施例1による縦型製麺機は、ベース1と、ベース1に接続された攪拌カップ2と、攪拌棒3と、押出筒6と、スクリュー4と、成形ダイス5とを備える。前記ベース1内には、モータ(図示せず)と、モータと電気的に接続された制御手段(図示せず)とが設けられており、前記制御手段は、制御回路モジュールと、回路検出モジュールとを備える。
【0034】
図3に示すように、前記攪拌カップ2は円形をなし、前記攪拌カップの直径をDとする。これにより、攪拌カップの内壁が滑らかになり、捏ねる際に攪拌カップの内壁にデッドスペースは形成されないから、攪拌カップ内に生地が残されるのを避けることができる。
【0035】
図1〜5に示すように、前記攪拌棒3が縦方向に沿って攪拌カップ2内に設けられている。本実施例では、前記攪拌棒3は、棒体31と、棒体31に設けられた上部攪拌羽根32及び下部攪拌羽根33を備え、前記上部攪拌羽根32と下部攪拌羽根33は棒体31に対して対称位置に1つずつ設けられており、前記上部攪拌羽根32と下部攪拌羽根33の切刃は弧状である。このように構成することによって、攪拌棒の作業安定性を確保しつつ作業時の騒音を低減させることができる。また、上、下部攪拌羽根は弧状になるので、小麦粉が攪拌棒につれて回転させる経路を長くことができ、つまり、同じ攪拌時間内に、小麦粉が攪拌される時間を長くすることができるため、捏ねる効果が向上される。また、上、下部攪拌羽根が1つずつ配置されるので、攪拌棒の製造が簡単になり、構造がシンプルになり、また、生地が落ちて次回の攪拌混合に参与することにも寄与し、さらに、攪拌棒の洗浄も便利になる。
【0036】
図4に示すように、前記スクリュー4が横方向に沿って押出筒6内に配置されており、前記スクリュー4の表面に押込み螺旋41と押出し螺旋42が設けられており、前記押込み螺旋41のピッチが押出し螺旋42のピッチよりも大きい。前記押出筒6が攪拌カップ2の下方一方側に横置きに配置されており、前記スクリュー4が押出筒6内に設けられている。攪拌棒3とスクリュー4は前記モータに回動駆動され、前記攪拌カップ2と押出筒6との連通部に生地投入口7が開設されており、前記生地投入口7が攪拌カップ2の底部に設けられており、前記生地投入口7は、押出筒6と攪拌カップ2の底部とが交差して形成される攪拌カップ2の中心寄りの縦辺を含み、前記縦辺は底部に沿って攪拌カップ2の側壁へと延在するとともに、前記攪拌カップ2の側壁と底部との接続部まで延びるように構成されている。前記押出筒6と前記攪拌カップ2とは一体的に射出成形される。
【0037】
図1に示すように、前記モータは、攪拌棒3と伝動接続される第1の出力軸と、スクリュー4と伝動接続される第2の出力軸とを備える。前記第1の出力軸と第2の出力軸は伝動構造を介して伝動接続されている。ここで、伝動構造として、ギヤ伝動構造、プーリ伝動構造、チェーン伝動構造であってもよい。1つのモータで多軸伝動が実現できるので、機器全体のコスト削減が図れる。
【0038】
前記攪拌棒3の回転中心線とスクリュー4の回転中心線とが異なる平面に位置付けられ、且つ互いに直交している。従って、生地が生地投入口に容易に送り込まれるので、生地が残されるのを避けることができる。また、押出筒と攪拌カップとが一体的に成形されることにより、攪拌カップの製造が簡単になり、製造プロセスや組み付け上の誤差が低減され、かつ構造の簡素化が図れ、強度も確保される。
【0039】
図4に示すように、前記攪拌カップ2の内壁に切断ロッド8が設けられており、前記切断ロッド8が上部攪拌羽根32と下部攪拌羽根33との間に配置されており、前記攪拌棒3がモータに回転駆動されることによって、上部攪拌羽根32と下部攪拌羽根33が回転して小麦粉と水とを混ぜ合わせて生地とする。前記切断ロッド8は上部攪拌羽根32と下部攪拌羽根33と協働して生地を生地投入口よりも小さいサイズに切断するように構成されている。これによって、捏ねる際に、上部、下部攪拌羽根は小麦粉と水を混ぜ合わせるとともに切断ロッドの近傍まで搬送して、切断ロッドは上部、下部攪拌羽根と協働して生地を切断することで生地を生地投入口よりも小さいサイズに切断し又は引き裂き、そして、上部、下部攪拌羽根は生地投入口よりも小さいサイズに切断された生地を他の生地と混ぜて生地とし、更に、再び上部、下部攪拌羽根及び切断ロッドによって生地投入口よりも小さいサイズに切断し又は引き裂く。上述手順を繰り返すことで、小麦粉と水を十分かつムラなく混合し、所望の混合状態とする。また、捏ねる速度が速められるため、捏ねる効率が向上され、かつより一層コシの強い麺線を作り出すことができる。攪拌カップの内壁に切断ロッドが設けられることにより、押出成形工程において、練り上がった生地が上部、下部攪拌羽根及び切断ロッドによって生地投入口よりも小さいサイズに切断又は引き裂かれ、続いて攪拌棒によって生地投入口から押出筒まで押し込まれるから、生地投入口からの送入がやすくなり、攪拌カップ内に生地の残留などは発生しない。
【0040】
図3、4に示すように、前記切断ロッド8は一字状かつ板状に形成され、縦断面が台形をなすとともに、水平方向に沿って攪拌カップ2内部に突出するように構成されており、前記切断ロッド8は攪拌カップ2と一体的に射出成形され、その長さをL1とする。このように構成することによって、上部、下部攪拌羽根は切断ロッドと協働して切断作用を発揮するため、捏ねる効果がより一層高められ、また、一体的に射出成形されるため、構造が簡単になり、製造されやすくなる。次に、切断ロッドは水平方向に沿って攪拌カップ内を延びるように構成されることにより、捏ねる際に攪拌にて混ぜ合わせることを確保できるとともに、押出し工程において攪拌棒と切断ロッドが協働して生地を切断することができるので、生地が十分に混練され、麺線のコシが更に強くなる。また、生地が十分に小さく切り出されるから、生地投入口に次から次へと送り込まれることができるので、効果的に押出成形でき、かつ残留物が無い。そして、切断ロッドは攪拌カップと一体的に成形されることにより、二次製造プロセスを省き、加工効率を向上させることが可能となり、切断ロッドの強度が高くて折れにくい。
【0041】
前記上部攪拌羽根32の長さをL2としたときに、D/10≦L1<L2<D/2の関係を満たし、前記下部攪拌羽根の長さをL3としたときに、D/10≦L1<L2<D/2の関係を満たし、ここで、L2=L3とする。これにより、上部攪拌羽根と下部攪拌羽根の長さが等しくなるから、上部、下部攪拌羽根と切断ロッドの切断距離が等しく、さらに2回の切断時における切断力が等しくなるので、攪拌ロッドの作業安定性を確保できる。また、D/10≦L1<L2(L3)<D/2とすることにより、上部、下部攪拌羽根と切断ロッドは有効な重複領域を形成でき、大きな切断力を生成できるから、攪拌棒が回転する際に大量の小麦粉を回動させることができ、小麦粉を急激に転げ回すことができるから、十分かつムラなく攪拌することができ、捏ねる効果が向上され、また、十分な切断力が確保され、生地の投入が容易になる。次に、L2又はL3をL1より大きく設定することにより、切断ロッドは上、下部攪拌羽根と有効な重複領域を形成することができるから、十分な切断力が確保されると同時に、切断ロッドの強度が確保される。ここで、L1はD/10未満であれば、切断ロッドは上、下部攪拌羽根と協働して有効な切断作用を発揮することができず、つまり、切断力が小さすぎるから、捏ねる効果が劣化し、さらに生地投入口への投入にも影響を及ぼす。一方、L2又はL3はD/2以上であれば、上、下部攪拌羽根は攪拌カップの内壁と干渉してしまう。L1はL2を超えると、切断ロッドが長すぎるから折れやすくなり、強度が低下し、また、上、下部攪拌羽根が短すぎるから、捏ねる効果が劣化する。
【0042】
前記切断ロッド8は生地投入口7の上方側かつ生地投入口7の上流側に設けられることにより、押出し工程において、切断ロッドは上部、下部攪拌羽根と協働して材料を切断したら、材料は直接に生地投入口に落ち込み、さらに押出筒に送り込まれるので、生地の投入速度が速くなり、押出し作業の効率の向上が図れる。一方、攪拌工程において、攪拌棒が逆転するので、切断ロッドは生地投入口の下流側に配置されるようになる。このように構成することによって、切断ロッドは上部、下部攪拌羽根と協働して材料を切断しても、材料はそのまま生地投入口へと落ち込むことはなく、上部、下部攪拌羽根とともに回動させられるため、攪拌時に、まだ十分に混合されなかった一部の材料、例えば小麦粉が押出筒へ送り込まれるのを避けることができ、また、最初に圧延された麺線に小麦粉が付いたり、ムラが出たり、コシが弱かったり、食感が悪くなったりするのを回避することができる。
【0043】
図3〜4に示すように、前記切断ロッド8の中心線と前記攪拌棒3の回転中心線とが異なる平面に位置付けられ、かつ互いに直交している。従って、切断ロッドは攪拌カップと一体的に成形されることができる。切断ロッドの中心線と攪拌棒の回転中心線が交差する場合、切断ロッドを成形するとき、金型同士が干渉し合うから、切断ロッドの成形に悪影響を及ぼす。
【0044】
図3に示すように、前記上部攪拌羽根32及び下部攪拌羽根33が切断ロッド8まで回転されるとき、前記切断ロッド8と、上部攪拌羽根32及び下部攪拌羽根33との水平方向での投影が少なくとも部分的に重なり、かつ切断ロッド8と上部攪拌羽根及び/又は下部攪拌羽根とが重なった部分の長さをLとしたときに、D/5≦L<D/2の関係を満たすように構成される。これにより、捏ねる工程において、切断ロッドと、上部及び/または下部攪拌羽根との重複面は対向切断領域を形成するから、生地に対する切断作用と効率が確保され、切断及び切断後の再度混練により、何度も手で捏ねる効果に達し、生地のコシが強くなる。また、押出し工程において、切断ロッドと攪拌棒との間の切断力がより大きくなり、生地をより小さいサイズに切り出すことができるから、生地投入口から投入されやすくなり、これで、生地の投入がより簡単になり、残留などは発生しない。また、D/5≦L<D/2の関係を満たすことにより、切断ロッドと上部攪拌羽根及び/または下部攪拌羽根とはある程度の重複長さをもっているから、切断ロッドと攪拌羽根による切断が確保されるので、小麦粉と水を十分かつムラなく混合することを確保でき、また、生地を容易に切断又は引き裂くことができるから、生地の投入が容易になる。ここで、LがD/5未満であれば、切断ロッドは攪拌羽根と協働して有効な切断作用を発揮できず、即ち切断力が小さすぎるから、生地の捏ね効果が劣化する。一方、LがD/2以上であれば、切断ロッドと攪拌羽根による切断力が大きすぎるから、モータの負荷が増えつつ、モータの使用寿命が低減され、一方、モータの使用寿命を延長するようにモータの性能を向上すれば、コストが増えるようになる。
【0045】
図4に示すように、前記切断ロッドの上面から上部攪拌羽根の下面までの高さをH1とし、前記切断ロッドの下面から下部攪拌羽根の上面までの高さをH2とする場合、H1=H2。前記下部攪拌羽根33の最低部から攪拌カップ2の底部までの距離をH3としたときに、前記H3を3mm〜10mmとする。本実施例では、前記H3を5mmとする。もちろん、前記H3を3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、8.5mm、9mm、9.5mm、10mmとすることもできる。前記切断ロッド8から上部攪拌羽根32の最低部までの距離は、切断ロッド8から下部攪拌羽根33の最高点までの距離と等しい。このように構成することにより、攪拌時に、攪拌カップの底部にある小麦粉やブロック状の生地又はそぼろ状の生地は全部攪拌棒によって掻き取られることができるので、生地の残留は発生せず、無駄遣いが避けられる。ここで、H3は3mm未満であれば、攪拌棒の回転が不安定になるので、下部攪拌羽根は攪拌カップの底部と摩擦しやすいから、攪拌棒の使用寿命を低下させてしまう。一方、H3は10mmを超えると、下部攪拌羽根から攪拌カップの底部までの距離が大きすぎるから、攪拌カップの底部にある小麦粉やブロック状の生地やそぼろ状の生地は攪拌棒に掻き取られないので、小麦粉やブロック状の生地やそぼろ状の生地などの残留が発生し、無駄遣いとなってしまう。なお、切断ロッドから上部、下部攪拌羽根までの距離が等しいから、切断ロッドと上部、下部攪拌羽根の間の切断力が等しくなり、攪拌棒の作業安定性を確保することができる。
【0046】
図6に示すように、前記上部攪拌羽根32の縦断面が菱形又は平行四辺形をなし、前記上部攪拌羽根32の下面には、攪拌工程において材料を押すための第1の斜面321と、押出し工程において材料を押すための第2の斜面322が設けられており、前記第1の斜面321と第2の斜面322が過渡的に接続されている。このように構成することにより、攪拌段階において、第1の斜面は下方に向かって材料を押すから、材料が上方に転がる高さを低くし、つまり、材料が落下する時間を少なくすることができ、攪拌時間の短縮と攪拌効率の向上が両立できる。一方、押出し工程において、第2の斜面が下方に向かって材料を押すから、材料を押出筒まで便利に押し込むことができ、これで、押出し効率を向上させ、加工時間を省き、加工効率をアップすることができる。
【0047】
図7に示すように、前記下部攪拌羽根33は、攪拌面331と押面332とを備え、前記攪拌面331と押面332は斜面である。ここで、前記攪拌面331とは、前記下部攪拌羽根33が小麦粉を攪拌する時に主として小麦粉と接触する表面をいい、前記押面332とは、前記下部攪拌羽根33が小麦粉を押す時に主として小麦粉と接触する表面をいう。このように構成することにより、下部攪拌羽根は攪拌工程でも押出し工程でも材料を下方に押圧する力を付勢するから、攪拌工程と押出し工程での効率を向上させることが可能となる。
【0048】
本発明に記載の縦型製麺機の製麺方法は、具体的に以下の工程を有する。
【0049】
工程(1):ユーザーは製麺機の攪拌カップ内に小麦粉と水とを入れて、「普通麺線」ボタンを押すと、製麺機が作動し始まる。
【0050】
工程(2)捏ねる工程:第1の出力軸は攪拌棒3を正転させ、前記第2の出力軸はスクリュー4を逆転させ、攪拌棒3の上部、下部攪拌羽根(32、33)を用いて小麦粉と水を攪拌し、小麦粉と水の混合物が上部、下部攪拌羽根(32、33)によって切断ロッド8の近傍まで搬送され、切断ロッド8の作用で反転して上部、下部攪拌羽根(32、33)の近傍まで搬送され、続いて攪拌混合される。小麦粉と水が上部、下部攪拌羽根(32、33)によってブロック状の生地に成形された後、生地が上部、下部攪拌羽根(32、33)によって切断ロッド8の近傍まで搬送され、切断ロッド8と上部、下部攪拌羽根(32、33)が協働して切断することにより、生地が生地投入口よりも小さいサイズに切断又は引き裂かれ、そして、上部、下部攪拌羽根(32、33)により、生地投入口よりも小さいサイズにカットされた生地を他の生地と混合し、その後、混ぜ合わせた生地が再び上部、下部攪拌羽根(32、33)及び切断ロッド8によって生地投入口よりも小さいサイズに切断又は引き裂かれる。
【0051】
前記捏ねる工程において、前記モータの作動方式は具体的に以下の通りである。つまり、第1の出力軸と第2の出力軸を時間t1正転させ続けることで、生地の捏ねが完了する。
【0052】
工程(3)押出成形工程:攪拌棒3とスクリュー4を同時に逆転させることで、生地投入口より小さいサイズの生地が上部、下部攪拌羽根(32、33)によって生地投入口7まで押し込まれて生地投入口7内部の押込み螺旋41まで送り込まれ、そして押込み螺旋41によって押出筒の内部まで搬送される。一方、生地投入口よりも大きいサイズの生地が上部、下部攪拌羽根(32、33)によって切断ロッド8の近傍まで搬送され、切断ロッド8が上部、下部攪拌羽根(32、33)と協働して切断することで、生地投入口よりも大きいサイズの生地が生地投入口よりも小さいサイズに切断又は引き裂かれ、そして、生地投入口よりも小さいサイズの生地が上部、下部攪拌羽根(32、33)によって生地投入口7まで押し込まれて生地投入口7内部の押込み螺旋41まで送り込まれ、押込み螺旋41によって押出筒6の内部まで搬送され、また、スクリュー4の逆転に伴い、押出筒6の内部まで搬送されてきた生地が押出し成形ダイス5により押出成形される。
【0053】
前記押出成形工程において、前記モータの作動方式は具体的に以下の通りである。つまり、第1の出力軸と第2の出力軸を時間t2逆転させ続けることで、生地の押出しが完了する。
【0054】
前記製麺方法において、捏ねる工程の途中、上部、下部攪拌羽根を用いて小麦粉と水を混ぜて攪拌し、小麦粉と水の混合物が上部、下部攪拌羽根によって切断ロッドの近傍まで搬送され、切断ロッドの作用で反転して上部、下部攪拌羽根の近傍まで搬送され、生地投入口よりも小さいサイズの生地とするまで、攪拌・切断・混合されるという手順を追加することにより、生地の攪拌がより十分になり、捏ねる効果が更に良くなるので、圧延された麺線はコシが強くなる。次に、前記捏ねる工程の途中、生地が上部、下部攪拌羽根によって切断ロッドの近傍まで搬送され、切断ロッドが上部、下部攪拌羽根と協働して生地を切断することで、一部の生地を切断又は引き裂き、そして、上部、下部攪拌羽根を用いて切断又は引き裂かれた生地を他の生地と混ぜて別の生地とし、その後、上部、下部攪拌羽根と切断ロッドによって再び切断又は引き裂くという手順を追加することにより、生地のこねがより十分になり、コシが強くなると同時に、生地が切断または引き裂かれて小さく又は細くなり、生地の投入がより簡単になり、残留は発生せず、さらに加工効率の向上も図れる。なお、捏ねる工程において、スクリューが同時に正転することにより、押出筒内に落ち込んだ小麦粉を攪拌カップ内に押し戻すとともに、攪拌カップ内の小麦粉又は生地を攪拌混合し続けることができるので、捏ねる効果がより一層良くなり、また、最初に圧延された麺線に小麦粉が付いたり、ムラが出たり、コシが弱かったり、食感が悪くなったりするのを避けることができ、かつモータの回転停止や短絡などを防止することができる。
【0055】
なお、前記攪拌カップに位置決め穴が設けられ、前記切断ロッドが二次成形により前記位置決め穴に固定され、或いは、前記攪拌カップに位置決め穴が設けられ、前記切断ロッドが前記位置決め穴に挿通され前記攪拌カップに固定されてもよいことが理解されるべきである。
【0056】
なお、前記攪拌カップが方形又は多角形などに形成され、前記方形または多角形に形成された攪拌カップの内壁辺が弧状とされてもよいことが理解されるべきである。
【0057】
なお、前記切断ロッドの縦断面が三角形又は方形又は楕円形になってもよいことが理解されるべきである。
【0058】
なお、前記切断ロッドが二次射出又は係合又は介挿にて攪拌カップ内に固定されてもよいことが理解されるべきである。
【0059】
なお、前記上部、下部攪拌羽根の刃が屈曲状をなってもよいことが理解されるべきである。
【0060】
なお、前記押出筒が二次射出又は係合又は介挿又は螺合にて攪拌カップと接続されてもよいことが理解されるべきである。
【0061】
なお、前記攪拌羽根が1つのZ字状またはL次状をなすものであってもよい、或いは、攪拌羽根が2つであり、かつ同一平面に対称的に設けられてもよい、或いは、攪拌羽根が複数個であり、回転軸に沿って対称に配置されてもよい。いずれかの態様であっても、切断ロッドと協働して前記切断作用を実現することができることが理解されるべきである。
【0062】
なお、前記切断ロッドも複数個であってもよく、攪拌カップの内壁の異なる位置に設けられており、ここで同一平面に配置されていてもよいし、異なる平面に上下に配置されていてもよく、例えば2つ設けられ、かつ生地投入口の上流側と下流側にそれぞれに配置されていてもよいし、或いは、攪拌カップ内壁に対称的に配置されてもよいことが理解されるべきである。
【0063】
なお、前記製麺機は単独でミキサーとして使用されてもよく、つまり、捏ねる機能のみ実現してもよい。捏ねる工程は以下の通りである。
【0064】
ユーザーは製麺機の攪拌カップ内に小麦粉と水を入れて、「ミキシング」ボタンを押すと、製麺機が作動し始まる。第1の出力軸は攪拌棒3を正転させ、前記第2の出力軸はスクリュー4を正転させ、攪拌棒3の上部、下部攪拌羽根(32、33)を用いて小麦粉と水を攪拌し、小麦粉と水の混合物が上部、下部攪拌羽根(32、33)によって切断ロッド8の近傍まで搬送され、切断ロッド8の作用で、反転して上部、下部攪拌羽根(32、33)の近傍まで搬送され、続いて攪拌混合される。小麦粉と水が上部、下部攪拌羽根(32、33)によって攪拌されてブロック状の生地に成形された後に、生地が上部、下部攪拌羽根(32、33)によって切断ロッド8の近傍まで搬送され、切断ロッド8と上部、下部攪拌羽根(32、33)が協働して切断することにより、生地が生地投入口よりも小さいサイズに切断又は引き裂かれ、そして、上部、下部攪拌羽根(32、33)により、生地投入口よりも小さいサイズにカットされた生地を他の生地と混ぜて、その後、混ぜ合わせた生地が再び上部、下部攪拌羽根(32、33)及び切断ロッド8によって生地投入口よりも小さいサイズに切断又は引き裂かれる。
【0065】
捏ねる工程において、切断ロッドの作用により、生地が捏ねる工程の途中で何度も切断又は引き裂かれるため、捏ねる効果がより一層良くなる。
【0066】
なお、前記製麺機は単独で麺線押出機として使用されてもよく、つまり、押出し機能のみ実現してもよい。押出し工程は以下の通りである。
【0067】
ユーザーは攪拌カップ内に生地を投入し、「押出し」ボタンを押すと、製麺機が作動し始まる。攪拌棒3とスクリュー4を同時に逆転させることで、生地投入口より小さいサイズの生地が上部、下部攪拌羽根(32、33)によって生地投入口7まで押し込まれて生地投入口7内部の押込み螺旋41まで送り込まれ、そして押込み螺旋41によって押出筒の内部まで搬送される。一方、生地投入口よりも大きいサイズの生地が上部、下部攪拌羽根(32、33)によって切断ロッド8の近傍まで搬送され、切断ロッド8が上部、下部攪拌羽根(32、33)と協働して切断することで、生地投入口よりも大きいサイズの生地が生地投入口よりも小さいサイズに切断又は引き裂かれ、そして、生地投入口よりも小さいサイズの生地が上部、下部攪拌羽根(32、33)によって生地投入口7まで押し込まれて生地投入口7内部の押込み螺旋41まで送り込まれ、そして押込み螺旋41によって押出筒6の内部まで搬送され、また、スクリュー4の逆転に伴い、押出筒6の内部まで搬送されてきた生地が押出し成形ダイス5により押出成形される。
【0068】
押出し工程において、切断ロッドの作用により、切断ロッドと攪拌羽根が協働して生地をさらに引き裂くことで練り、その後、混合して再び引き裂くことで、生地のこねがより十分になり、コシが出てくる。
【0069】
以下、実施例2について説明する。
図8、9に示すように、前記押出筒6は、材料押込部60と、押出し部61とを備え、前記材料押込部60と押出し部61が互いに連通し、前記スクリューの攪拌工程と混練工程での回転方向が逆であり、前記攪拌カップ2の底部に、前記押出筒6と連通する生地投入口7が中心から離間して配置されており、前記材料押込部60は上方に延びて攪拌カップ2の底部と交差して、攪拌カップの底部に沿って押出筒に向かって水平に延びるとともに、前記攪拌カップ2の側壁まで延びる生地投入口7を形成し、前記攪拌カップと前記押出し部とは一体であり、前記スクリュー4の押込み螺旋41は生地投入口7の下方に形成される材料押込部60に配置されている。このように構成することにより、生地投入口7を攪拌カップに底部に中心から離間して配置されるので、攪拌された生地は遠心力の作用によって攪拌カップの外周へ移動させられながら、重力によって直接に生地投入口に落ち込むから、生地の投入が便利になり、生地が十分に投入されて残されにくい。また、生地投入口は攪拌カップの内壁まで延在することにより、生地投入口の最大化が図れ、単位時間当たりの投入量が多いので、投入効率が高められる。また、生地の投入時に、押込み螺旋は生地投入口の下方に設けられることにより、生地が直接に押込み螺旋内に落ち込むと共に、押込み螺旋の作用によって、押込み螺旋内に落ち込んだ生地は押出し部まで押し込まれるため、生地をスムーズに投入することが可能となる。なお、前記スクリューは攪拌工程と押出し工程での回転方向が逆となるように構成されることにより、押込み螺旋も小麦粉の攪拌工程に参与するので、小麦粉が押込み螺旋によって攪拌カップまで搬送されて再び攪拌されるため、小麦粉は押出し部で積み重ねることがないので、小麦粉の積み重ねによる回転停止は発生しない。従って、押出し工程において、生地の押出しに参与することができる。
【0070】
前記生地投入口7の面積をA2とし、前記攪拌カップ2の底面積をA1としたときに、1/8A1≦A2<1/2A1の関係を満たし、ここでA2/A1=S。A2≦1/8A1である場合、生地投入口の面積が狭いから、投入効率が低下し、麺線の成形に影響を及ぼす一方、A2≧1/2A1である場合、生地投入口の面積が広すぎて、単位時間あたりに材料押込部まで送り込んできた生地が多くなるので、押出し負荷が増え、つまり出力パワーへの要求が高まり、モータへの要求も高まるから、その分コストが増えるようになる。
【0071】
前記生地投入口と前記攪拌カップの側壁との接続部には、押出筒の内部に向かって傾斜するとともに、下方に向かって材料押込部まで延びる斜面9が設けられている。前記斜面9は前記押出筒と一体的に成形される。本実施例において、攪拌カップの断面が円形であるので、前記攪拌カップの側壁が弧状とされ、前記斜面9の始端も弧状とされる。このように斜面を設置することにより、攪拌済みの生地が生地投入口に投入された後、斜面を沿って材料押込部の押込み螺旋まで搬送されて押出され、重力によって押出筒に向かうので、生地の投入がよりスムーズに行える。これで、麺線の成形効率が向上されると同時に、材料の押込み部にはデッドスペースが存在せず、生地が残される可能性が低減され、しかも、生地が残されることによる無駄遣いを避け、洗浄も便利になる。
【0072】
前記スクリュー4の螺旋の最高点が前記攪拌カップの底部より低く設定され、攪拌カップの底部より低く設定されている場合に、前記スクリューの最高点から前記攪拌カップの底部までの高さをh1とすると、h1≦10mm。本実施例では、h1を5mmとする。h1>10mmの場合、スクリューと攪拌カップの底部との間には大きな隙間が空いているから、攪拌中に隙間にある小麦粉は攪拌工程に参与できず、攪拌が不十分になる。一方、h1≦10mmの場合、攪拌中にスクリューが回転するのに伴い小麦粉が攪拌カップまで送り込まれて攪拌に参与できるから、攪拌がより効果的かつ十分になる。
【0073】
以下、実施例3について説明する。本実施例は実施例1と比べて、前記モータは2つ、即ち第1のモータと第2のモータが備えられ、第1のモータが攪拌棒と伝動接続され、第2のモータがスクリューと伝動接続されている点だけで相違している。
【0074】
前記モータ(図示せず)は第1のモータ(図示せず)と第2のモータ(図示せず)を備え、前記第1のモータが攪拌棒3と伝動接続され、前記第2のモータがスクリュー4と伝動接続されている。攪拌棒3とスクリュー4はそれぞれ前記第1のモータ及び第2のモータによって回動させられて制御手段によって単独で制御される。
【0075】
本実施例において、2つのモータが用いられ、スクリューと攪拌棒がそれぞれモータによって制御されるため、制御が便利になり、精度よくかつ確実に制御することができる。
【0076】
以下、実施例4について説明する。本実施例は実施例1と比べて、前記攪拌棒が異なる点で相違している。
【0077】
図10に示すように、前記上部攪拌羽根32が2つ設けられていて且つ同一平面に設けられており、前記2つの上部攪拌羽根32が棒体31に対して対称に配置されている。前記下部攪拌羽根33も2つ設けられていて且つ同一平面に設けられており、前記2つの下部攪拌羽根33も棒体31に対して対称に配置されている。前記2つの上部攪拌羽根32と2つの下部攪拌羽根33は前記棒体31と一体的に成形される。もちろん、二次射出又は係合又は螺合又は粘着により固定されていてもよい。
【0078】
本実施例において、攪拌棒が1回転だけで切断ロッドと4回も協働して切断できるため、捏ねる効果がより一層向上され、効率もアップされる。また、生地がより小さくカットされるため、生地の投入がより簡単になり、投入効率が向上され、加工効率がアップされ、しかも、攪拌カップ内に生地が残されないようにすることができる。
【0079】
なお、前記製麺機は2つのモータを用いてもよいことが理解されるべきである。
【0080】
なお、前記上部攪拌羽根が1つ設けられ、前記下部攪拌羽根が2つ設けられ、或いは、前記上部攪拌羽根が2つ設けられ、前記下部攪拌羽根が1つ設けられていてもよいことが理解されるべきである。
【0081】
以下、実施例5について説明する。本実施例では、前記攪拌カップが円筒状になる。
図8に示すように、前記押出筒の始端が前記攪拌カップの底部領域に設けられるとともに、前記攪拌カップの底部と交差して生地投入口の短辺23が形成され、前記押込み螺旋の始端が前記短辺23の近くに設けられている。このように、攪拌カップを円筒状とすることにより、攪拌棒による攪拌中に、攪拌棒と攪拌カップの側壁との間隔が一定になり、攪拌がより十分かつ均一になり、攪拌中の圧力差による不安定を避けることができる。また、攪拌カップを円筒状とすることにより、洗浄デッドスペースの存在が避けられ、生地が粘着し残されにくいため、洗浄が一層便利になる。なお、円筒状の攪拌カップの成形も容易になり、且つ簡単に組み付けることができる。押出筒の始端が攪拌カップの底部領域に設けられているため、スクリューの取り付けが便利になる一方、スクリューの伝動軸が攪拌カップの下方に設けられているため、ベース内のモータ駆動軸と伝動接続されることが容易になり、スクリューの組み付けと取り外しが一層便利になり、スクリューの洗浄も簡単になる。一方、押込み螺旋の始端が短辺の近くに設けられているため、生地が押込み螺旋による攪拌・押し込むに参与し、押込み螺旋の上に封止空間は存在せず、押込み螺旋の始端の上部は生地投入口と直接に連通されるため、小麦粉が押込み螺旋の始端で攪拌に参与できなかったという不備を解消することができ、しかも、生地が押込み螺旋の始端と押出筒の始端の内壁に粘着されるのを避けることもできるため、前記2箇所の洗浄が一層便利になり、且つ洗浄デッドスペースの存在を防止することができる。
【0082】
図8に示すように、前記押出筒の側壁は前記攪拌カップの底部と交差して生地投入口の長辺24を形成し、前記長辺24が前記短辺23と直交し、前記生地投入口と前記攪拌カップの側壁との接続部に生地投入口の円弧辺が形成され、前記円弧辺の一端は前記長辺24の一端と接続され、他端は前記短辺23の一端と接続されている。これにより、前記生地投入口の形状の制限によって、麺線の押出成形工程において、スクリューの着脱が便利になるとともに、生地投入口の面積も最適化されるため、生地が投入口へ投入されやすく、製麺効率が著しく向上される。また、押出し工程において、攪拌棒の回転に伴い、攪拌された生地が攪拌棒の遠心力によって攪拌カップの側壁近傍まで搬送され、側壁、攪拌棒及び重力の作用によって、生地投入口内の押込み螺旋まで容易に落ち込み、押込み螺旋の作用で前記材料押込部までスムーズ且つ速やかに押し込まれるため、生地が押出し部までスムーズに押し込まれ、押出し成形ダイスにより押し出し成形され、生地が攪拌チャンバー内に残されるのを避けることができる。そして、生地投入口が大きいから攪拌チャンバーと攪拌棒の洗浄が便利になり、また、生地投入口を攪拌チャンバーの底部に設けることにより、押出筒の構造も簡単になり、加工されやすくなる。
【0083】
本実施例に記述される製麺機の作業工程は実施例1と比べて、押出成形工程に先立って、生地を練る工程をさらに設けている点で相違している。つまり、第1の出力軸は上部、下部攪拌羽根(32、33)を正転させ続けて、前記第2の出力軸はスクリュー4を正転させ続けて、前記上部、下部攪拌羽根(32、33)は生地を正方向に攪拌し続けるとともに、攪拌済みの生地を切断ロッド8まで搬送し、その後、切断ロッド8と上部、下部攪拌羽根(32、33)の協働作動で切断し又は引き裂かれる。本実施例では、第1の出力軸と第2の出力軸を時間t4正転させ続けることで、練る工程が完了する。練る工程を追加することにより、生地がより効果的に混練られるため、作製された麺線はコシが強くて食感が良い。
【0084】
本実施例では、記述されない他の部品の構造及び有利な効果は実施例1と同じであるため、ここで一々に贅言を費やすまでもない。
【0085】
もちろん、この製麺機の作業プロセスに熟成工程を追加してもよいことが理解されるべきである。前記熟成工程を押出成形工程より先に行い、熟成後に、饅頭を作るための成形ダイスを用いて饅頭を押し出すことができる。熟成工程の追加により、饅頭を作る前の発酵を促進することが可能となる。従って、この製麺機は麺線を作製するだけではなく、成形ダイスを交換したら、饅頭や中国風蒸しパン(中国語で花巻という)などを作ることもできる。
【0086】
上述したものは、本発明の好適な実施例に過ぎず、本発明の実施範囲を限定するものではなく、つまり、本発明に従い加える同様な変更や修飾などは、いずれも本発明の技術的範囲に含まれるので、ここでは一々に例示しない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【
図1】本発明に記載される製麺機の実施例1の構造模式図である。
【
図2】本発明に記載される製麺機の実施例1における攪拌カップと攪拌棒との協働を示す模式図である。
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図3】本発明に記載される製麺機の実施例1における攪拌カップと攪拌棒との協働を示す平面図である。
【
図4】本発明に記載される製麺機の実施例1における攪拌カップと攪拌棒との協働を示す断面図である。
【
図5】本発明に記載される製麺機の実施例1における攪拌棒の構造模式図である。
【
図6】本発明に記載される製麺機の実施例1における上部攪拌羽根の縦断面模式図である。
【
図7】本発明に記載される製麺機の実施例1における下部攪拌羽根の縦断面模式図である。
【
図8】本発明に記載される製麺機の実施例2における生地投入口の構造模式図である。
【
図9】本発明に記載される製麺機の実施例2におけるスクリューの構造模式図である。
【
図10】本発明に記載される製麺機の実施例4における攪拌棒の構造模式図である。