特許第6375082号(P6375082)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6375082
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】情報案内システム、方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04M 3/50 20060101AFI20180806BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
   H04M3/50 A
   H04M3/50 Z
   H04M1/00 R
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-513021(P2018-513021)
(86)(22)【出願日】2017年3月30日
(86)【国際出願番号】JP2017013262
【審査請求日】2018年3月9日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】500521522
【氏名又は名称】株式会社オプティム
(74)【代理人】
【識別番号】100177220
【弁理士】
【氏名又は名称】小木 智彦
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 俊二
【審査官】 石井 則之
(56)【参考文献】
【文献】 特表2015−531199(JP,A)
【文献】 特開2013−66128(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M 1/00
1/24−3/00
3/16−3/20
3/38−3/58
7/00−7/16
11/00−11/10
99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
音声及び表示による情報案内システムであって、
自動音声応答システムの電話番号に発信したことに応じて、前記自動音声応答システムの表示プログラムを起動する起動手段と、
前記表示プログラムが起動された場合に、前記自動音声応答システムが提供する音声の内容を表示する音声内容表示手段と、
前記自動応答システムから前記自動応答システムを識別するためのID音を受信した場合、前記ID音に基づいて、前記音声内容表示手段での表示内容と前記自動応答システムの自動音声応答の音声内容とが一致するか否かを判断する判断手段と、
を備える情報案内システム。
【請求項2】
前記音声内容表示手段は、ユーザからの入力に応じて、前記音声内容を表示する応答プロンプトを変更する、請求項1に記載の情報案内システム。
【請求項3】
音声及び表示による情報案内システムが実行する情報案内方法であって、
自動音声応答システムの電話番号に発信したことに応じて、前記自動音声応答システムの表示プログラムを起動するステップと、
前記表示プログラムが起動された場合に、前記自動音声応答システムが提供する音声の内容を表示するステップと、
前記自動応答システムから前記自動応答システムを識別するためのID音を受信した場合、前記ID音に基づいて、前記表示内容と前記自動応答システムの自動音声応答の音声内容とが一致するか否かを判断するステップと、
を備える情報案内方法。
【請求項4】
音声及び表示による情報案内システムに、
自動音声応答システムの電話番号に発信したことに応じて、前記自動音声応答システムの表示プログラムを起動するステップ、
前記表示プログラムが起動された場合に、前記自動音声応答システムが提供する音声の内容を表示するステップ、
前記自動応答システムから前記自動応答システムを識別するためのID音を受信した場合、前記ID音に基づいて、前記表示内容と前記自動応答システムの自動音声応答の音声内容とが一致するか否かを判断するステップ、
を実行させるためのコンピュータ読み取り可能なプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報案内システム、方法及びプログラム
【背景技術】
【0002】
銀行や、問い合わせのカスタマーサポート等、一般の人から広く電話を受ける場合に、機械の音声が応答してガイダンスを行う、IVR(自動音声応答システム)が知られている。
【0003】
しかしながら、電話による音声での通知になるため、顧客である聞き手は、ガイダンスを音声で聞き続けなくてはならない。例えば、製品が故障した際に電話をすると、「製品の購入の問合わせであれば『1』を、製品の説明を受ける場合は『2』を、製品の故障相談であれば『3』を押してください。」等の音声ガイダンスを聞き続けなければならない。また、例えば、留守番電話システムに電話をかけ、留守番電話システムに記憶されている留守番電話の内容を聞くと、「メッセージをもう一度再生する場合は、『1』を、メッセージを保存する場合は、『2』を、メッセージを消去する場合は、『3』を押してください。」等の音声ガイダンスを聞き続けなければならない。しかしながら、そもそも、ガイダンスの内容を画面に表示させれば、ガイダンスを聞く時間を短縮できるし、聞き手が最後まで、ガイダンスを聞いている必要がない。
【0004】
そこで、スマートフォンを利用したビジュアルIVRと呼ばれるシステムが提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−029334号広報
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】トランスコスモス株式会社,トランスコスモス、スマートフォン向けビジュアルIVRサービス「Contact−Link for V−IVR」を提供開始,http://www.trans−cosmos.co.jp/company/news/160920_0001.html
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このシステムは、あくまで、スマートフォンの表示部を使用した情報入力に過ぎず、IVRとの連動に改良の余地がある。
【0008】
本発明は、このような要望に鑑みてなされたものであり、その目的は、既存の通話によるIVRシステムと連動して、IVRの音声内容をテキスト表示可能なシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明では、以下のような解決手段を提供する。
【0010】
第1の特徴に係る発明は、音声及び表示による情報案内システムであって、
自動音声応答システムの電話番号に発信したことに応じて、前記自動音声応答システムの表示プログラムを起動する起動手段と、
前記表示プログラムが起動された場合に、前記自動音声応答システムが提供する音声の内容を表示する音声内容表示手段と、
を備える情報案内システムを提供する。
【0011】
第1の特徴に係る発明によれば、音声内容表示手段には、自動音声応答システムが提供する音声の内容が表示される。これにより、既存の通話によるIVRシステムと連動して、IVRの音声内容をテキスト表示可能なシステムを提供することができる。
【0012】
第2の特徴に係る発明は、第1の特徴に係る発明であって、
前記音声内容表示手段は、ユーザからの入力に応じて、前記音声内容を表示する応答プロンプトを変更する、情報案内システムを提供する。
【0013】
第2の特徴に係る発明によれば、自動音声応答システムが提供する音声の内容と、音声内容表示手段で表示される内容との間で違いが生じるのを抑えることができる。
【0014】
第3の特徴に係る発明は、第1又は第2の特徴に係る発明であって、
前記自動応答システムから前記自動応答システムを識別するためのID音を受信した場合、前記ID音に基づいて、前記音声内容表示手段での表示内容と前記自動応答システムの自動音声応答の音声内容とが一致するか否かを判断する判断手段をさらに備える、検索システムを提供する。
【0015】
第3の特徴に係る発明によれば、自動音声応答システムが提供する音声の内容と、音声内容表示手段で表示される内容との間で違いが生じるのを抑えることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、既存の通話によるIVRシステムと連動して、IVRの音声内容をテキスト表示可能なシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1は、本実施形態における情報案内システム1のハードウェア構成とソフトウェア機能を示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態における情報案内方法を示すフローチャートである。
図3図3は、自動音声応答システム80がカメラ・オーディオ機器メーカーのシステムである場合における応答音声プロンプトデータベース111の概略構成を示す。
図4図4は、本実施形態におけるID音データベース112の一例を示す図である。
図5図5は、本実施形態における内線番号データベース113の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための形態について図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0019】
<情報案内システム1の構成>
図1は、本実施形態における情報案内システム1のハードウェア構成とソフトウェア機能を説明するためのブロック図である。
【0020】
情報案内システム1は、検索エンジンの提供者が管理し、多数のWebサイトから、ユーザが使用し、通話機能を有する端末10と、端末10と電気的に接続され、事前に録音された音声、又は動的に生成された音声を使用して応答し、ユーザに続行方法を指示する自動音声応答システム(IVRシステム)90とを備える。
【0021】
〔端末10〕
端末10は、データを制御する制御部20と、他の機器と通信を行う通信部30と、データを記憶する記憶部40と、ユーザの操作を受け付ける入力部50と、自動音声応答システムから送信された音声を出音する出音部60と、制御部20で制御したデータや画像を出力表示する画像表示部70とを少なくとも備える。
【0022】
端末10の種類は、自動音声応答システム90との通話機能を有していれば、特に限定されない。端末10として、例えば、スマートフォン等の携帯電話端末装置が挙げられる。
【0023】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備える。
【0024】
通信部30は、他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWi−Fi(Wireless Fidelity)対応デバイスを備える。
【0025】
制御部20は、記憶部40から所定のプログラムを読み込むことで、起動モジュール21と、音声応答モジュール22と、音声内容表示モジュール23と、判断モジュール24とを実現する。
【0026】
また、制御部20が所定のプログラムを読み込み、通信部30と協働することで、電話番号送信モジュール31と、応答音声受信モジュール32とを実現する。
【0027】
記憶部40は、データやファイルを記憶する装置であって、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等による、データのストレージ部を備える。記憶部40は、後に説明する表示プログラム41と、応答表示プロンプトデータベース42とを記憶する。
【0028】
入力部50の種類は、少なくとも「0」〜「9」の番号を入力可能であれば、特に限定されない。入力部50として、例えば、キーボード、タッチパネル等が挙げられる。
【0029】
出音部60の種類は、特に限定されない。出音部60として、例えば、スピーカ等が挙げられる。
【0030】
画像表示部70の種類は、特に限定されない。画像表示部70として、例えば、モニタ、タッチパネル等が挙げられる。
【0031】
〔自動音声応答システム80〕
自動音声応答システム80は、データを制御する制御部90と、他の機器と通信を行う通信部100と、データを記憶する記憶部110とを少なくとも備える。
【0032】
制御部90は、制御部20と同様、CPU、RAM、ROM等を備える。
【0033】
通信部100は、通信部30と同様、他の機器と通信可能にするためのデバイスを備える。
【0034】
制御部90は、記憶部110から所定のプログラムを読み込み、通信部100と協働することで、電話番号受信モジュール101と、応答音声送信モジュール102とを実現する。
【0035】
記憶部110は、記憶部40と同様、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等による、データのストレージ部を備える。記憶部110は、後に説明する応答音声プロンプトデータベース111と、ID音データベース112と、内線番号データベース113とを記憶する。
【0036】
<情報案内システム1を用いた情報案内方法を示すフローチャート>
図2は、情報案内システム1を用いた情報案内方法を示すフローチャートである。上述した各ハードウェアと、ソフトウェアモジュールが実行する処理について説明する。
【0037】
〔ステップS10:電話番号の送信〕
まず、端末10の制御部20は、ユーザによる端末10の入力部50の操作に応じて、記憶部40から所定のプログラムを読み込み、通信部30と協働することで、電話番号送信モジュール31を実行する(ステップS10)。
【0038】
〔ステップS11:表示プログラム41の起動〕
ステップS10で送信された電話番号が自動音声応答システム80に通じる電話番号であるか否かを判断する。そして、ステップS10で送信された電話番号が自動音声応答システム80に通じる電話番号であった場合、端末10の制御部20は、起動モジュール21を実行し、自動音声応答システム80が提供する音声の内容を画像表示部70に表示するための表示プログラム41を起動する(ステップS11)。
【0039】
〔ステップS12:音声応答〕
続いて、自動音声応答システム80の制御部90は、記憶部110から所定のプログラムを読み込み、通信部30と協働することで、電話番号受信モジュール101を実行する。
【0040】
そして、自動音声応答システム80の制御部90は、応答音声プロンプトデータベース111を参照し、端末10に送信するための応答音声を生成する。
【0041】
そして、自動音声応答システム80の制御部90は、記憶部110から所定のプログラムを読み込み、通信部30と協働することで、応答音声送信モジュール102を実行し、生成した応答音声を端末10に送信する。
【0042】
そして、端末10の制御部20は、記憶部40から所定のプログラムを読み込み、通信部30と協働することで、応答音声受信モジュール32を実行し、自動音声応答システム80から受信した応答音声を出音部60から出音する(ステップS12)。
【0043】
図3は、自動音声応答システム80がカメラ・オーディオ機器メーカーのシステムである場合における応答音声プロンプトデータベース111の概略構成を示す。
【0044】
まず、自動音声応答システム80の制御部90は、端末10への応答音声のデータとして、識別番号「1」の「製品の購入の問合わせであれば『1』を、 製品の説明を受ける場合は『2』を、製品の故障相談であれば『3』を押してください。」とのデータをセットする。
【0045】
その後、端末10から『1』のボタンが操作されたことを制御部90が検知した場合、制御部90は、端末10への応答音声のデータを、識別番号「1」から識別番号「11」の「デジタル一眼カメラであれば『1』を、コンパクトデジタルカメラであれば『2』を、 オーディオ製品であれば『3』を、その他の製品であれば『4』を押してください。」とのデータに切り換える。
【0046】
また、端末10から『2』のボタンが操作されたことを制御部90が検知した場合、制御部90は、端末10への応答音声のデータを、識別番号「1」から識別番号「12」の「担当のオペレータに繋ぎますので、お待ちください。」とのデータに切り換える。
【0047】
同様に、制御部90は、端末10から操作されたボタンの種類によって、端末10への応答音声のデータを順次切り換える。
【0048】
ステップS12の段階は、端末10から自動音声応答システム80に通話された初期の段階なので、制御部90は、端末10への応答音声のデータとして、識別番号「1」のデータをセットしている。
【0049】
図2に戻る。ステップS12の段階では、端末10への応答音声のデータとして、識別番号「1」のデータがセットされている。そのため、制御部90は、応答音声送信モジュール102を実行し、識別番号「1」の「製品の購入の問合わせであれば『1』を、 製品の説明を受ける場合は『2』を、製品の故障相談であれば『3』を押してください。」との応答音声を端末10に送信する。
【0050】
そして、端末10の制御部20は、記憶部40から所定のプログラムを読み込み、通信部30と協働することで、応答音声受信モジュール32を実行し、自動音声応答システム80から受信した応答音声を出音部60から出音する。
【0051】
なお、以下では、本実施形態に記載の発明の内容の理解を容易にするため、特に断りのない限り、自動音声応答システム80がカメラ・オーディオ機器メーカーのシステムであるものとして説明する。
【0052】
〔ステップS13:音声内容の表示〕
続いて、端末10の制御部20は、記憶部110から表示プログラム41を読み込み、音声内容表示モジュール23を実行する。音声内容表示モジュール23の実行により、制御部20は、記憶部40に記憶されている応答表示プロンプトデータベース42を参照し、画像表示部70に表示させる画像のデータをセットする。そして、制御部20は、セットした画像を画像表示部70に表示させる(ステップS13)。
【0053】
応答表示プロンプトデータベース42の構成は、応答音声プロンプトデータベース111(図3)の構成と同じである。識別番号の初期値は、「1」にセットされている。そのため、画像表示部70に表示させる画像のデータとして、識別番号「1」の「製品の購入の問合わせであれば『1』を、 製品の説明を受ける場合は『2』を、製品の故障相談であれば『3』を押してください。」に相当する画像のデータがセットされている。そして、制御部20は、セットした画像を画像表示部70に表示させる。
【0054】
本実施形態によると、画像表示部70には、自動音声応答システム80が提供する音声の内容が表示される。これにより、既存の通話による自動音声応答システム80と連動して、自動音声の内容をテキスト表示可能なシステムを提供することができる。
【0055】
〔ステップS14:ユーザの入力操作〕
続いて、端末10の制御部20は、ユーザによる端末10の入力部50の操作に応じて、記憶部40から所定のプログラムを読み込み、通信部30と協働することで、電話番号送信モジュール31を実行する(ステップS40)。
【0056】
そして、自動音声応答システム80の制御部90は、記憶部110から所定のプログラムを読み込み、通信部30と協働することで、電話番号受信モジュール101を実行する。
【0057】
〔ステップS15:音声応答の変更〕
続いて、自動音声応答システム80の制御部90は、ユーザによる端末10の入力部50の操作に応じて、記憶部110から所定のプログラムを読み込み、通信部100と協働することで、応答音声プロンプトデータベース111を参照し、端末10に送信するための応答音声のデータを切り換える(ステップS15)。
【0058】
例えば、端末10から『1』のボタンが操作されたことを制御部90が検知した場合、制御部90は、端末10への応答音声のデータを、識別番号「1」から識別番号「11」の「デジタル一眼カメラであれば『1』を、コンパクトデジタルカメラであれば『2』を、 オーディオ製品であれば『3』を、その他の製品であれば『4』を押してください。」とのデータに切り換える。
【0059】
また、端末10から『2』のボタンが操作されたことを制御部90が検知した場合、制御部90は、端末10への応答音声のデータを、識別番号「1」から識別番号「12」の「担当のオペレータに繋ぎますので、お待ちください。」とのデータに切り換える。
【0060】
同様に、制御部90は、端末10から操作されたボタンの種類によって、端末10への応答音声のデータを順次切り換える。
【0061】
なお、自動音声応答システム80の制御部90は、記憶部110に記憶されているID音データベース112を参照し、端末10が自動応答システム80の音声内容を識別するための通知音(ID音)を生成することが好ましい。この通知音(ID音)を生成することで、端末10が、画像表示部70での表示内容と自動応答システム80からの自動音声応答の音声内容とが一致するか否かを判断できる。
【0062】
図4は、ID音データベース112の一例である。ID音データベース112では、応答音声プロンプトデータベース111での識別番号と通知音(ID音)とが関連づけられている。
【0063】
そして、制御部90は、切り換えられた識別番号に相当する応答音声と、必要に応じてID音とを端末10に送信する。
【0064】
そして、端末10の制御部20は、記憶部40から所定のプログラムを読み込み、通信部30と協働することで、応答音声受信モジュール32を実行し、自動音声応答システム80から受信した応答音声を出音部60から出音する。
【0065】
なお、識別番号「12」のように、「担当のオペレータに繋ぎますので、お待ちください。」とのデータに切り換えられた場合、制御部90は、記憶部110に記憶されている内線データベース113を参照する。
【0066】
図5は、内線番号データベース113の一例である。内線番号データベース113では、応答音声プロンプトデータベース111での識別番号と、その識別番号に相当する担当部署の内線番号とが関連づけられている。そのため、制御部90は、担当部署の電話機に通話を転送することができる。
【0067】
〔ステップS16:応答表示プロンプト16の変更〕
続いて、端末10の制御部20は、記憶部110から表示プログラム41を読み込み、
音声内容表示モジュール23を実行する。音声内容表示モジュール23の実行により、制御部20は、記憶部40に記憶されている応答表示プロンプトデータベース42を参照し、画像表示部70に表示させる画像のデータを、自動音声応答システム80から送信された応答音声に相当する画像のデータに切り換える。そして、制御部20は、セットした画像を画像表示部70に表示させる(ステップS16)。
【0068】
ここで、自動応答システム80からID音を受信している場合、制御部20は、判断モジュール24を実行し、画像表示部70での表示内容と、自動応答システム80から送信される自動音声応答の音声内容とが一致するか否かを判断することが好ましい。判断モジュール24を実行することで、自動音声応答システム80が提供する音声の内容と、画像表示部70で表示される内容との間で違いが生じるのを抑えることができる。
【0069】
〔ステップS17:通話終了の判別〕
その後、端末10の制御部20は、通話が終了したか否かを判別する(ステップS17)。この判別がYESのとき、制御部20は、表示プログラム41の起動を終了する。この判別がNOのとき、制御部20は、処理をステップS14に移す。
【0070】
[発明の作用・効果]
本実施形態に記載の発明によると、端末10から自動音声応答システム80の電話番号に発信し、起動モジュール21が起動したことに応じて、表示プログラム41を起動し、その後、音声内容表示モジュール23の動作により、自動音声応答システム80から端末10に提供される音声の内容が画像表示部70に表示される。これにより、既存の通話による自動音声応答システム80と連動して、自動音声での音声内容をテキスト表示可能な情報案内システム1を提供することができる。
【0071】
また、制御部20は、ユーザによる入力部50の操作に応じて、応答表示プロンプトデータベース42を参照して、音声内容を画像表示部70で表示するための応答プロンプトを変更する。これにより、自動音声応答システム80が提供する音声の内容と、画像表示部70で表示される内容との間で違いが生じるのを抑えることができる。
【0072】
また、本実施形態に記載の発明では、自動応答システム80から自動応答システム80から送信される音声内容を識別するための通知音(ID音)を受信した場合、判別モジュール24を実行し、通知音(ID音)に基づいて、画像表示部70での表示内容と自動応答システム80から提供される音声の内容とが一致するか否かを判断する。これにより、自動音声応答システム80が提供する音声の内容と、画像表示部70で表示される内容との間で違いが生じるのを抑えることができる。
【0073】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置又は外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0074】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0075】
1 情報案内システム
10 端末
20 制御部
21 起動モジュール
22 音声応答モジュール
23 音声内容表示モジュール
24 判断モジュール
30 通信部
31 電話番号送信モジュール
32 応答音声受信モジュール
40 記憶部
41 表示プログラム
42 応答表示プロンプトデータベース
50 入力部
60 出音部
70 画像表示部
80 自動音声応答システム
90 制御部
100 通信部
101 電話番号受信モジュール
102 応答音声送信モジュール
103 ID送信モジュール
110 記憶部
111 応答音声プロンプトデータベース
112 ID音データベース
113 内線番号データベース

【要約】
【課題】既存の通話による自動音声応答システム(IVRシステム)と連動して、IVRの音声内容をテキスト表示可能なシステムを提供する。
【解決手段】本発明の情報案内システム1は、端末10と、自動音声応答システム80とを備える。端末10の制御部20は、自動音声応答システム80の電話番号に発信したことに応じて、起動モジュール21を実行し、自動音声応答システムの音声内容を画像表示するための表示プログラム41を起動する。その後、音声内容表示モジュール23の動作により、自動音声応答システム80から端末10に提供される音声の内容を画像表示部70に表示する。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5