(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図を参照しながら説明する。なお、これはあくまでも一例であって、本発明の技術的範囲はこれに限られるものではない。
【0014】
[手描き対象特定システム1の概要]
本発明の好適な実施形態の概要について、
図1に基づいて説明する。
図1は、本発明の好適な実施形態である手描き対象特定システム1の概要を説明するための図である。手描き対象特定システム1は、情報端末100から構成される。
【0015】
なお、
図1において、情報端末100は、1つに限らず複数であってもよい。また、情報端末100は、実在する装置に限らず仮想的な装置であってもよい。また、手描き対象特定システム1は、図示していないコンピュータや端末装置等の外部装置を有し、これらと通信端末100とがデータ通信可能に接続される構成であってもよい。
【0016】
情報端末100は、手描きで描かれた対象を特定することが可能な端末装置である。情報端末100は、例えば、携帯電話、携帯情報端末、タブレット端末、パーソナルコンピュータに加え、ネットブック端末、スレート端末、電子書籍端末、携帯型音楽プレーヤ等の電化製品や、スマートグラス、ヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブル端末や、その他の物品である。
【0017】
情報端末100は、予め複数の異なる対象データを記憶する(ステップS01)。情報端末100は、対象データとして、例えば、様々な対象(人工物や自然物等)の一部又は全部を撮影した撮影画像データや他のユーザや過去にユーザが手描き入力を行った他の手描きデータを記憶する。情報端末100は、この撮影画像データや他の手描きデータに含まれる対象の名称、カテゴリ、説明、所在地等のテキストを属性情報として対象データに対応付けて記憶する。この対象データ及び属性情報は、予めユーザが入力するものであってもよいし、外部装置から取得するものであってもよい。
【0018】
情報端末100は、手描きデータの入力を受け付ける(ステップS02)。情報端末100は、例えば、タッチパネル等の入力装置により、ユーザが手描きし、特定しようとする対象を描いた手描き画を手描きデータとして入力を受け付ける。また、情報端末100は、例えば、自身に接続されたスキャナ等の読取装置により、手描き画を読み取り、手描きデータとして入力を受け付ける。手描きデータとは、例えば、ユーザが特定を所望する対象の一部又は全部が手描きされたデータである。
【0019】
情報端末100は、入力を受け付けた手描きデータの特徴点を画像解析で抽出する(ステップS03)。情報端末100は、手描きデータのデータ上の特徴的な点を抽出する。なお、情報端末100は、特徴点に加え、特徴量を抽出する構成であってもよいし、特徴点の代わりに特徴量を抽出する構成であってもよい。
【0020】
情報端末100は、抽出した特徴点を、記憶した対象データと照合する(ステップS04)。情報端末100は、抽出した特徴点と、記憶した対象データの特徴点とを照合する。なお、情報端末100は、抽出した特徴点と照合するデータが、撮影画像データであるか、他の手描きデータであるかに応じて、照合手順を変更する構成であってもよい。例えば、情報端末100は、照合するデータが、撮影画像データである場合、撮影画像データの全体の特徴点を照合し、その後に各部位の特徴点を照合する。また、情報端末100は、照合するデータが、他の手描きデータである場合、各部位の特徴点を照合する。情報端末100が実行する照合手順の変更は、上述した構成に限らず、適宜変更可能である。
【0021】
なお、情報端末100は、特徴点と、対象データとを照合する際、予め検索用のカテゴリのテキスト入力を受け付けておき、このカテゴリと、対象データに対応付けられたカテゴリとから対象データをさらに照合してもよい。
【0022】
情報端末100は、照合した結果から、手描きデータに描かれた対象を特定する(ステップS05)。情報端末100は、照合した結果、特定した対象に対して、その特定度に応じた確率を算出する。例えば、情報端末100は、複数部位の各々の一致度を特定度として求め、この特定度に応じて、手描きデータに描かれた対象と特定した対象とが、どの程度一致するかの確率を算出する。
【0023】
情報端末100は、特定した結果と、特定度に応じた確率とを一緒に表示する(ステップS06)。情報端末100は、複数の対象を特定した場合、各対象に、特定度に応じた確率を表示する。情報端末100は、一の対象を特定した場合、この対象に、特定度に応じた確率を表示する。なお、情報端末100は、特定した対象の各部位毎に、特定度に応じた確率を表示する構成であってもよい。また、情報端末100は、この対象を特定した根拠を、対象とともに表示する構成であってもよい。また、情報端末100は、特定した対象の名称、カテゴリ、説明、所在地等の属性情報を表示する構成であってもよい。
【0024】
なお、上述した処理において、対象データの記憶、特徴点の抽出、特徴点の照合、対象の特定のいずれか又は複数の組合せは、必ずしも情報端末100が実行する構成でなくともよい。例えば、情報端末100は、図示していないコンピュータや他の端末装置等の外部装置に、手描きデータを送信し、外部装置が上述した処理のいずれか又は複数の組合わせを情報端末100の代わりに実行し、外部装置が、特定した結果を情報端末100に送信する構成であってもよい。
【0025】
以上が、手描き対象特定システム1の概要である。
【0026】
[手描き対象特定システム1のシステム構成]
図2に基づいて、本発明の好適な実施形態である手描き対象特定システム1のシステム構成について説明する。
図2は、本発明の好適な実施形態である手描き対象特定システム1のシステム構成を示す図である。手描き対象特定システム1は、情報端末100から構成されるコンピュータシステムである。なお、情報端末100は、1つに限らず、複数であってもよい。また、情報端末100は、実在する装置に限らず、仮想的な装置であってもよい。また、公衆回線網等により図示していないコンピュータや端末装置等の外部装置と通信可能に接続されていてもよい。
【0027】
情報端末100は、後述の機能を備えた上述した端末装置である。
【0028】
[各機能の説明]
図3に基づいて、本発明の好適な実施形態である手描き対象特定システム1の機能について説明する。
図3は、情報端末100の機能ブロック図を示す図である。
【0029】
情報端末100は、制御部110として、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)等を備え、図示していない通信部として、他の機器と通信可能にするためのデバイス、例えば、IEEE802.11に準拠したWiFi(Wireless Fidelity)対応デバイスを備える。また、情報端末100は、記憶部130として、ハードディスクや半導体メモリ、記録媒体、メモリカード等によるデータのストレージ部を備える。情報端末100は、記憶部130に後述する他の手描きデータや撮影画像データ等の対象データ及びこの対象データに対応付けられた属性情報(名称、カテゴリ、説明、所在地等)を記憶する。また、情報端末100は、入出力部140として、制御部110で制御したデータや画像等を出力表示する表示部や、ユーザからの入力を受け付けるタッチパネルやキーボード、マウス等の入力部や、各種画像解析を実行する解析デバイスや、手描きデータの特徴点や特徴量等を抽出する抽出デバイスや、データ中に含まれる対象を特定する特定デバイス等の各種デバイスを備える。
【0030】
情報端末100において、制御部110が所定のプログラムを読み込むことにより、記憶部130と協働して、記憶モジュール160を実現する。また、情報端末100において、制御部110が所定のプログラムを読み込むことにより、入出力部140と協働して、入力受付モジュール170、抽出モジュール171、照合モジュール172、特定モジュール173、表示モジュール174を実現する。
【0031】
[手描き対象特定処理]
図4に基づいて、手描き対象特定システム1が実行する手描き対象特定処理について説明する。
図4は、情報端末100が実行する手描き対象特定処理のフローチャートを示す図である。上述した各モジュールが実行する処理について、本処理に併せて説明する。
【0032】
記憶モジュール160は、予め複数の異なる対象データを記憶する(ステップS10)。ステップS10において、記憶モジュール160は、対象データとして、様々な対象(人工物や自然物)の一部又は全部を撮影した撮影画像データや、他のユーザや過去にユーザが手描き入力を行った他の手描きデータを記憶する。このとき、記憶モジュール160は、この撮影画像データや他の手描きデータの属性情報(対象の名称、カテゴリ、説明、所在地等のテキスト)を、対象データに対応付けて記憶する。他の手描きデータは、対象の一部又は全部を描いた手描き画のデータである。また、撮影画像データは、対象の一部又は全部を撮影した撮影画像のデータである。記憶モジュール160は、例えば、外部装置から受信した対象データ及びこの対象データの属性情報や、入力受付モジュール170が入力を受け付けた対象データ及びこの対象データの属性情報を記憶する。
【0033】
入力受付モジュール170は、手描きデータの入力を受け付ける(ステップS11)。ステップS11において、入力受付モジュール170は、例えば、タッチパネル等の入力装置により、ユーザが手描きした手描き画を、特定しようとする手描きデータとして入力を受け付ける。また、入力受付モジュール170は、例えば、スキャナ等の読取装置により、手描き画を読み取り、読み取った手描き画を手描きデータとして入力を受け付ける。
【0034】
なお、入力受付モジュール170は、上述した構成に限らず、その他の構成により手描きデータの入力を受け付けてもよい。また、手描き画は、上述した構成に限らず、対象の全体又は一部が描かれたものであればよい。ただし、十分な確度をもって特定するためには、対象の全体又は特徴的な一部が描かれていることが望ましい。
【0035】
入力受付モジュール170は、入力を受け付けた手描きデータの属性情報の入力を受け付ける(ステップS12)。ステップS12において、入力受付モジュール170は、特定したい対象に関する属性情報として、カテゴリ、名称、所在地等の入力を受け付ける。
【0036】
図5に基づいて、入力受付モジュール170が手描きデータ及びこの手描きデータの属性情報の入力を受け付けた状態について説明する。
図5は、情報端末100が入力を受け付けた手描きデータの一例を示す図である。
図5において、入力受付モジュール170は、入力領域200内に、手描きデータ入力領域210、属性情報入力領域220を表示し、其々に入力を受け付ける。手描きデータ入力領域210は、ユーザからのタップ操作等に基づいて、手描き入力を受け付け、受け付けた手描き画を手描きデータとして表示する領域である。属性情報入力領域220は、ユーザからの仮想的なキーボード操作による入力等に基づいて、属性情報の入力を受け付け、受け付けた属性情報を表示する領域である。本実施形態において、手描きデータとして、タワー状の手描き画の入力を受け付け、属性情報のうち、カテゴリとして展望台をテキスト入力として受け付けた状態を示している。
【0037】
なお、手描き画の種類や内容等は、適宜変更可能であり、属性情報としてカテゴリ以外の入力を受け付けてもよい。また、入力受付モジュール170は、手描き画の代わりとして、撮影画像の入力を受け付けてもよい。
【0038】
抽出モジュール171は、入力を受け付けた手描きデータの特徴点を、画像解析により抽出する(ステップS13)。ステップS13において、抽出モジュール171は、手描きデータの特徴的な点を抽出することにより、特徴点を抽出する。抽出モジュール171は、例えば、手描きデータに存在する各角を抽出し、この角の位置や各角の位置関係を特徴点として抽出する。
【0039】
抽出モジュール171は、手描きデータの特徴量を抽出する(ステップS14)。ステップS14において、抽出モジュール171は、手描きデータの線の長さ、角の大きさ、各線分の比率等の各部位の特徴量を抽出する。抽出モジュール171は、例えば、手描きデータに存在する対象の各部位を抽出し、この各部位の大きさ、位置、角度等の特徴量を抽出する。
【0040】
なお、ステップS13又はステップS14の処理は、いずれか一方のみが行われてもよい。この場合、情報端末100は、ステップS13又はステップS14の何れかの処理を実行した後、後述する各処理を特徴点又は特徴量に基づいて実行する構成であればよい。
【0041】
照合モジュール172は、抽出した特徴点及び特徴量と照合する対象データの種類が、他の手描きデータであるか、撮影画像データであるかを判別する(ステップS15)。他の手描きデータとは、他のユーザや過去にユーザが手描き入力を行った手描き画のデータを意味する。ステップS15において、照合モジュール172は、照合する対象データの種類を、ユーザからいずれの対象データを照合するかの入力を受け付けることにより判別してもよいし、いずれか一方のみの対象データを記憶している場合、記憶している対象データを照合することを判別してもよいし、予め設定された条件に基づいて、対象データの種類を判別する構成であってもよい。なお、ステップS15において、照合モジュール172は、抽出した特徴点又は特徴量のいずれかを照合する構成であってもよい。
【0042】
ステップS15において、照合モジュール172は、対象データの種類が他の手描きデータである場合(ステップS15 YES)、後述するステップS16の処理を実行する。一方、ステップS15において、照合モジュール172は、対象データの種類が撮影画像データである場合(ステップS15 NO)、後述するステップS17の処理を実行する。すなわち、情報端末100は、抽出した特徴点及び特徴量と照合する対象データが、他の手描きデータであるか、撮影画像データであるかに応じて、異なる処理を実行することにより、照合手順を変更する。
【0043】
ステップS15において、照合モジュール172は、対象データの種類が他の手描きデータである場合(ステップS15 YES)、照合モジュール172は、手描きデータから抽出した特徴点及び特徴量を、記憶した対象データである他の手描きデータと照合する(ステップS16)。ステップS16において、照合モジュール172は、他の手描きデータの全体の特徴点を照合し、その後に各部位の特徴点や特徴量を照合する。例えば、照合モジュール172は、他の手描きデータに含まれる対象全体の特徴点を照合し、さらに、対象の各部位の特徴点や特徴量を照合する。
【0044】
一方、ステップS15において、照合モジュール172は、対象データの種類が撮影画像データである場合(ステップS15 NO)、照合モジュール172は、手描きデータから抽出した特徴点や特徴量を、記憶した対象データである撮影画像データと照合する(ステップS17)。ステップS17において、照合モジュール172は、撮影画像データの各部位の特徴点や特徴量を照合する。例えば、照合モジュール172は、撮影画像データに含まれる対象を照合し、この対象の各部位の特徴点や特徴量を照合する。
【0045】
このように、ステップS16及びステップS17において、照合モジュール172は、異なる照合手順を実行する。
【0046】
なお、上述したステップS16及びステップS17の処理は、適宜変更可能である。例えば、情報端末100は、ステップS16及びステップS17の処理において、同様の処理手順を実行する構成であってもよい。また、ステップS16及びステップS17の処理において、異なる構成により、対象データと照合する構成であってもよい。例えば、ステップS16及びステップS17において、情報端末100は、特徴点又は特徴量の何れか一方のみに基づいて、照合する構成であってもよい。
【0047】
照合モジュール172は、ステップS12の処理により、入力を受け付けた属性情報に基づいて、対象データをさらに照合する(ステップS18)。ステップS18において、照合モジュール172は、対象データに対応付けられた属性情報と、手描きデータとして入力を受け付けた属性情報とを照合する。本実施形態において、属性情報としてカテゴリの入力を受け付けているため、入力を受け付けたカテゴリに対応するカテゴリが対応付けられた対象データを照合する。
【0048】
特定モジュール173は、照合した結果から、手描きデータに含まれる対象と、対象データに含まれる対象との特定度及び属性情報の類似度に応じた確率を算出する(ステップS19)。ステップS19において、特定度とは、手描きデータに含まれる対象と、対象データに含まれる対象とがどの程度一致するかを意味する。また、ステップS19において、特定モジュール173は、対象の全体的な特定度に応じた確率に加え、各部位毎の特定度に応じた確率を算出する。また、特定モジュール173は、入力を受け付けた属性情報に応じた類似度に基づいた確率を、対象データに対応付けられた属性情報に基づいて算出する。ステップS19において、例えば、特定モジュール173は、角度、線分の比率、部分形状等の各部位毎の特定度に応じた確率を算出する。特定モジュール173は、これら各部位の確率に基づいて、対象全体としての特定度に応じた確率を算出する。例えば、特定モジュール173は、線分の比率が90%、他の確率が80%であった場合、低い値の特定度を採用し、全体では80%の確率であると算出する。また、特定モジュール173は、入力を受け付けた属性情報を文字認識し、この属性情報と、対象データに対応付けられた属性情報との類似度に基づいて確率を算出する。特定モジュール173は、特定度に基づいた確率と、類似度に基づいた確率とに基づいて、確率を算出する。
【0049】
なお、ステップS19において、特定モジュール173が実行する特定度に応じた確率の算出は、上述した構成に限らず適宜変更可能である。すなわち、特定モジュール173は、一部位に基づいて、対象の確率を算出する構成であってもよいし、複数部位に基づいて、対象の確率を算出する構成であってもよいし、予め設定された特定部位に基づいて、対象の確率を算出する構成であってもよいし、それ以外の構成であってもよい。
【0050】
特定モジュール173は、照合した結果(特徴点や特徴量及び属性情報)と、算出した確率とに基づいて、手描き画に描かれた対象を特定する(ステップS20)。ステップS20において、特定モジュール173は、全体の確率が所定の値以上であるか、全体又は部位の確率や属性情報の確率がわずかでも存在するか、属性情報の確率が所定の値以上であるか等の判断基準に基づいて、手描き画に描かれた対象を特定する。例えば、特定モジュール173は、記憶する対象データのうち、手描きデータと照合した結果、全体又は一部位の確率や属性情報の確率がわずかでも存在する場合、この確率が存在する全ての対象データを、手描き画に描かれた対象として特定する。この時、特定モジュール173は、一の対象データ又は複数の対象データを、手描き画に描かれた対象として特定する。また、例えば、特定モジュール173は、記憶する対象データのうち、全体の確率が所定の値以上であるものを、手描き画に描かれた対象として特定する。また、特定モジュール173は、属性情報の確率が所定の値以上であるものを手描き画に描かれた対象として特定する。また、特定モジュール173は、特徴点や特徴量による確率と属性情報とによる確率の其々が所定の値以上であるものを手描き画に描かれた対象として特定する。
【0051】
表示モジュール174は、特定した結果を、特定度や類似度に応じた確率と一緒に表示する(ステップS21)。ステップS21において、表示モジュール174は、特定した対象と、この対象の確率とを表示する。表示モジュール174は、特定した結果、複数の対象が存在する場合、各対象と、各対象の確率とを表示する。表示モジュール174は、特定した対象の他の手描きデータ又は撮影画像データのいずれか又は双方を表示する。
【0052】
図6に基づいて、表示モジュール174が表示する特定した結果と特定度や類似度に応じた確率とを一緒に表示した状態について説明する。
図6は、表示モジュール174が表示する特定した結果と特定度や類似度に応じた確率とを一緒に表示した状態の一例を示す図である。
図6において、表示モジュール174は、データ表示領域300、対象データ表示領域310、確率表示領域320、属性情報表示領域330を表示する。表示モジュール174は、データ表示領域300内に、複数の対象データ表示領域310、複数の確率表示領域320、複数の属性情報表示領域330を表示する。表示モジュール174は、対象データ表示領域310に、特定した対象の対象データを表示する。この対象データは、記憶モジュール160に記憶した他の手描きデータ又は撮影画像データのいずれか又は双方である。また、表示モジュール174は、各対象データ表示領域310の下段に確率表示領域320を表示する。表示モジュール174は、各対象データ表示領域310に表示した対象データの特定度や類似度に応じた確率を確立表示領域320に表示する。表示モジュール174は、対象データを、確率が高い順に並べて表示する。表示モジュール174は、各対象データ表示領域310の下段に属性情報表示領域330を表示する。表示モジュール174は、属性情報表示領域330に、対象データに対応付けられた属性情報を表示する。このとき、表示モジュール174が表示する属性情報は、上述したステップS12の処理により入力を受け付けた属性情報に関連するものを表示する。
【0053】
図6において、表示モジュール174は、対象データ表示領域310に、対象データAを表示し、確率表示領域320に、この対象データAの特定度や類似度に応じた確率である80%を表示し、属性情報表示領域330に、この対象データAの名称である展望台Xを表示する。表示モジュール174は、対象データ表示領域310に、対象データBを表示し、確率表示領域320に、この対象データBの特定度や類似度に応じた確率である10%を表示し、属性情報表示領域330に、この対象データBの名称である送電線を表示する。表示モジュール174は、対象データ表示領域310に、対象データCを表示し、確率表示領域320に、この対象データCの特定度や類似度に応じた確率である5%を表示し、属性情報表示領域330に、この対象データCの名称であるタワーXを表示する。表示モジュール174は、対象データ表示領域310に、その他を表示し、確率表示領域320に、このその他の特定度や類似度に応じた確率である5%を表示する。その他とは、該当する対象データが存在しなかった場合、該当する対象データが所定の数を超えて存在する場合に表示する。上述した対象データA〜Cは、其々撮影画像データが表示される。
【0054】
なお、表示モジュール174が表示する対象データ表示領域310、確率表示領域320及び属性情報表示領域330の数、位置、形状及びその内容は適宜変更可能である。また、対象データA〜Cは、撮影画像データに限らず、他の手描きデータであってもよい。
【0055】
また、ステップS21において、表示モジュール174は、特定した対象の各部位毎の確率や属性情報の確率を表示する構成であってもよい。例えば、表示モジュール174は、各部位の近傍に算出した確率を表示する構成、引出線等によりどの部位の確率であるかを明示した状態で算出した確率を表示する構成、各部位の名称とこの部位の確率とを表示する構成、属性情報の確率を表示する構成等であってもよい。また、上述した構成以外の構成により確率を表示する構成であってもよい。例えば、上述した
図6において、対象データの該当部位に、この部位の確率を表示する構成であればよい。
【0056】
また、ステップS21において、表示モジュール174は、対象を特定した根拠を、対象とともに表示する構成であってもよい。例えば、表示モジュール174は、各部位の其々の確率が所定の値を超過していることから、この対象を特定した旨の通知を表示する構成、一部部位の確率が所定の値を超過していることから、この対象を特定した旨の通知を表示する構成、各部位の確率は所定の値を超過していないものの、他の特定した対象と比較して最も全体の確率が高い対象である旨の通知を表示する構成、入力を受け付けた属性情報に対する確率が所定の値を超過している又は一致していることから、この対象を特定した旨の通知を表示する構成等であってもよい。また、上述した構成以外の構成により、根拠を表示する構成であってもよい。例えば、上述した
図6において、対象データ又は確率を表示するとともに、この対象データ又は確率の根拠を表示する構成であればよい。
【0057】
図7に基づいて、表示モジュール174が表示する特定した対象の各部位毎及び属性情報の確率と、この対象を特定した根拠とを表示した状態について説明する。
図7は、表示モジュール174が表示する特定した対象の各部位毎及び属性情報の確率と、この対象を特定した根拠とを表示した状態の一例を示す図である。
図7において、
図6における対象データAを一例として示す。表示モジュール174は、上述した
図6における各対象データ表示領域310の其々の対象データに対して、各部位及び属性情報の確率とこの対象を特定した根拠とを表示する。
図7において、表示モジュール174は、対象データAの対象データ表示領域310に、対象データAを表示し、確率表示領域320に、この対象データAの特定度や類似度に応じた確率である80%を表示する。また、表示モジュール174は、この対象データAの各部位、例えば、線分の比率、概形に引出線を示し、この部位の特定度に応じた確率を其々表示する。表示モジュール174は、線分の比率を80%、概形の特定度を90%を表示する。また、表示モジュール174は、この対象データAのカテゴリが、入力されたカテゴリに対する確率を類似度として表示し、この類似度が90%であることを表示する。また、表示モジュール174は、この対象データAの撮影画像データを特定した根拠として、各部位の特定度及び属性情報の類似度に応じた確率が所定の値を超過していることを表示する。表示モジュール174は、根拠として「線分の比率及び概形が所定の確率を超過しています。同一のカテゴリが含まれます。」と表示する。また、表示モジュール174は、根拠として「カテゴリが一致又は類似しています。」と表示する。
【0058】
なお、表示モジュール174が表示する各部位及び属性情報の確率の表示態様やその表示内容及び根拠の表示態様やその表示内容は、適宜変更可能であり、上述した構成に限られない。また、表示モジュール174は、各部位の確率、属性情報の確率又は根拠のいずれか又は複数の組み合わせを表示する構成であってもよい。
【0059】
また、表示モジュール174は、全体の特定度に応じた確率が低いものの、各部位の特定度に応じた確率が、完全に一致する割合が高い対象データや属性情報の類似度が極めて高いものをハイライト表示する構成であってもよい。すなわち、表示モジュール174は、特定度に応じた確率が低い場合であっても、例えば、線分の比率や概形が完全に一致する場合や、入力を受け付けた属性情報が完全に一致する場合等の、各部位の特定度や属性情報の類似度が完全に一致する場合において、その対象データをハイライト表示する構成であってもよい。
【0060】
図8に基づいて、表示モジュール174が特定した対象の確率と、対象の属性情報と、対象データのハイライトとを表示した状態について説明する。
図8は、表示モジュール174が特定した対象の確率と、対象データのハイライトとを表示した状態の一例を示す図である。表示モジュール174は、
図6と略同様の表示であるが、対象データBをハイライトして表示する。表示モジュール174は、特定度や類似度に応じた確率が対象データAと比較して、低いものの、他の部位の確率が略一致している(100%に近い)ことや、属性情報が略一致している(100%に近い)場合、この対象データBが手描き画に描かれた対象であると推測し、この対象データBをハイライトして表示する。
【0061】
なお、表示モジュール174が表示するハイライトの表示態様は適宜変更可能である。また、表示モジュール174は、ハイライト以外の表示態様で対象データを強調表示する構成であってもよい。例えば、表示モジュール174は、該当する対象データを、他の対象データよりも拡大して表示する構成であってもよいし、他の対象データを縮小して表示する構成であってもよいし、点滅表示、音声出力等他の構成であってもよい。
【0062】
また、ステップS21において、表示モジュール174は、特定した対象の複数の属性情報を、対象とともに表示する構成であってもよい。例えば、表示モジュール174は、特定した対象の属性情報を、この対象の近傍に表示する構成、引出線等によりどの対象であるかを明示した状態で属性情報を表示する構成等であってもよい。また、上述した構成以外の構成により、属性情報を表示する構成であってもよい。
【0063】
図9に基づいて、表示モジュール174が特定した対象の確率と、対象の属性情報とを表示した状態について説明する。
図9は、表示モジュール174が特定した対象の確率と、対象の属性情報とを表示した状態の一例を示す図である。
図9において、表示モジュール174は、
図6における対象データAを一例として示す。表示モジュール174は、上述した
図6における各対象データ表示領域300の其々の対象データに対して、この対象の属性情報を表示する。
図9において、表示モジュール174は、属性情報として、名称、カテゴリ、説明、所在地を表示する。
【0064】
なお、属性情報は、上述した構成に限らず、その他の対象に関する情報であってもよい。また、属性情報の表示態様や表示位置は、上述した構成に限らず、適宜変更可能である。
【0065】
上述した各処理において、記憶モジュール160、抽出モジュール171、照合モジュール172又は特定モジュール173のいずれか又は複数の組合せは、必ずしも情報端末100が有する構成でなくともよい。例えば、これらの構成を、図示していない外部装置が実行する構成であってもよい。この場合、情報端末100は、手描きデータを外部装置に送信し、外部装置は、これらの各処理を実行し、実行した結果を、情報端末100に送信する構成であればよい。また、これらの各モジュールの一部を外部装置が実行する構成で有る場合、該当する処理を、外部装置が実行し、実行結果を情報端末100に送信する構成であればよい。
【0066】
また、上述した表示モジュール174は、上述した各構成のいずれか又は複数を組合わせて表示する構成であってもよい。例えば、対象データと、この対象データの各部位の確率と、特定度に応じた確率と、類似度に応じた確率と、特定した根拠と、属性情報とを表示する構成であってもよいし、対象データと、特定度に応じた確率と、特定した根拠と、ハイライト表示と、属性情報とを表示する構成であってもよいし、その他の組合わせを表示する構成であってもよい。
【0068】
上述した手段、機能は、コンピュータ(CPU、情報処理装置、各種端末を含む)が、所定のプログラムを読み込んで、実行することによって実現される。プログラムは、例えば、コンピュータからネットワーク経由で提供される(SaaS:ソフトウェア・アズ・ア・サービス)形態で提供される。また、プログラムは、例えば、フレキシブルディスク、CD(CD−ROMなど)、DVD(DVD−ROM、DVD−RAMなど)等のコンピュータ読取可能な記録媒体に記録された形態で提供される。この場合、コンピュータはその記録媒体からプログラムを読み取って内部記憶装置又は外部記憶装置に転送し記憶して実行する。また、そのプログラムを、例えば、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク等の記憶装置(記録媒体)に予め記録しておき、その記憶装置から通信回線を介してコンピュータに提供するようにしてもよい。
【0069】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述したこれらの実施形態に限るものではない。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【解決手段】手描きで描かれた対象を特定するコンピュータシステムは、手描きデータの入力を受け付け、手描きされた対象となる対象データを記憶し、受け付けた前記手描きデータの特徴点を画像解析で抽出し、抽出した前記特徴点を、記憶した前記対象データと照合し、照合した結果から、前記手描きデータに描かれた対象を特定し、特定した結果を、特定度に応じた確率と一緒に表示する。