(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6375094
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】保持具
(51)【国際特許分類】
H05K 7/00 20060101AFI20180806BHJP
B60R 16/02 20060101ALI20180806BHJP
【FI】
H05K7/00 F
B60R16/02 623D
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-140666(P2012-140666)
(22)【出願日】2012年6月22日
(65)【公開番号】特開2014-7219(P2014-7219A)
(43)【公開日】2014年1月16日
【審査請求日】2015年5月11日
【審判番号】不服2017-4393(P2017-4393/J1)
【審判請求日】2017年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】592077121
【氏名又は名称】竹内工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100081433
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 章夫
(72)【発明者】
【氏名】竹内 庸介
(72)【発明者】
【氏名】藤井 次郎
【合議体】
【審判長】
井上 信一
【審判官】
森川 幸俊
【審判官】
関谷 隆一
(56)【参考文献】
【文献】
特開平8−42757(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/00
F16L 3/137
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を保持する保持部と、前記保持部に一体に設けられ、基板に設けた取付穴に嵌合して前記保持部を基板に取り付けるスナップ部とを備え、前記スナップ部は前記保持部を挟む両側にそれぞれ配置された部位を有し、少なくとも一方の側に配置された部位は、前記取付穴に挿入されたときに、前記保持部と高さ方向に重なった状態で当該取付穴に嵌合するスナップ片を備え、さらに前記保持部の真横位置において前記スナップ片に連結され、保持部側に向けて変形されたときに当該スナップ片の嵌合を解除する解除片を備え、前記スナップ片が前記基板の表面側から取付穴に嵌合されたときに、前記保持部は対象物の保持が可能な範囲で前記基板側に向けられた底面が当該基板の表面よりも裏面側の位置に配置されることを特徴とする保持具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はシャーシやパネル等の基板に各種部品を保持させるための保持具に関し、特に基板に対する取り付け及び取り外しを容易にしたスナップ構造を有する保持具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
シャーシやパネル等の基板にケーブルや回路基板を保持させるための各種保持具が提案されているが、近年では基板に開設した穴にワンタッチで着脱することが可能なスナップ構造、いわゆるリユース構造を備えた保持具が提案されている。特許文献1は本出願人にかかるスナップ構造であり、対象物を保持するための保持部の下側に、基板に設けた穴に挿入したときに当該穴に嵌合して基板に対して取り付けられる一対のスナップ片と、これらスナップ片にそれぞれ連結され、手操作されたときにスナップ片を縮径させて穴から離脱させるようにした一対の解除片を備えている。このスナップ構造によれば、基板に対してはスナップ片を穴に挿入する操作だけで基板に対する装着が可能であり、一対の解除片を指で摘む操作だけでスナップ片を穴から取り外すことができ、保持具のリユースに好適である。特許文献2の技術もこれと同じ技術に基づくものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3905527号公報
【特許文献2】特許第4421471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1,2の技術はいずれもスナップ構造のスナップ片が保持部の下側に配置されている。そのため、詳細については後述するが、スナップ片に連結される脚片と解除片も保持部の下側ないし側方の領域にわたって配設されることになり、保持部の下側にスナップ構造のスナップ片と解除片を配設するためのスペースを確保する必要がある。したがって、保持具の全体の高さ寸法が大きくなり、基板の表面に保持具を装着した場合には、対象物を保持するのに必要な本来の高さ寸法に比較して当該スペースを確保するための高さ寸法だけ基板の表面側の高さ寸法が大きくなり、基板に構築する構造体を薄型化する際の障害になるという問題がある。
【0005】
本発明の目的は、基板に装着したときの高さ寸法を低減し、基板に構築する構造体の薄型化を可能にした保持具を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の保持具は、対象物を保持する保持部と、当該保持部に一体に設けられ基板に設けた取付穴に嵌合して保持部を基板に取り付けるスナップ部とを備えた保持具であって、スナップ部は、保持部を挟む両側にそれぞれ配置された部位を有し、少なくとも一方の側に配置された部位は、取付穴に挿入されたときに保持部と高さ方向に重なった状態で当該取付穴に嵌合するスナップ片を備える。また、スナップ片は基板の表面側から取付穴に嵌合したときに保持部での対象物の保持が可能な範囲で、保持部の基板側に向けられた底面が基板の表面よりも当該基板の裏面側の位置で嵌合する構成とする。本発明においては、
さらに保持部の真横位置において前記スナップ片に連結され、保持
部側に向けて変形されたときに前記スナップ片の嵌合を解除する解除片を
備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、スナップ片は保持部の側方位置において取付穴に嵌合されるので、保持部をスナップ片と同等な高さ位置にまで下げることができ、保持部の底面は基板の表面よりも低い位置となり、基板の表面に対する保持具全体の高さ寸法を低減することができ、基板に構成した構造体の薄型化が可能になる。特に、スナップ片の上端部に脚片や解除片を連結するスナップ部では、当該上端部を保持部の真横に配置することで、保持部の下側にこれら脚片と解除片を配設するためのスペースが不要になり、保持具の高さ寸法を低減することができる。
また、解除片を備えることによりスナップ片による嵌合を容易に解除することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の実施形態1を背面方から見た一部を省略した斜視図。
【
図6】実施形態2の基板への取付状態を示す正面図、側面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施形態1)
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明をスナッピングタイと称するケーブルを結束して基板に保持させる保持具に適用した実施形態1を背面方向から見た一部を省略した斜視図、
図2(a)〜(c)はその正面図、側面図、背面図である。このスナッピングタイは対象物、ここではケーブルを保持するための保持部1と、この保持部1をシャーシ等の基板Bに固定させるためのスナップ部2とを備えている。前記保持部1は、ケーブルを結束するための細長い帯状のバンド3と、このバンド3の基端に一体に設けられたヘッド4を有しており、これらバンド3とヘッド4は弾性のある樹脂材料によって一体形成されている。なお、以降の説明における上下方向は
図1を基準にし、幅方向は
図2(a),(c)の左右方向を基準にしている。
【0010】
前記バンド3は一方の表面の長さ方向の一部に長さ方向の断面が鋸歯状をした歯部31が形成されている。前記ヘッド4には前記バンド3が先端側から挿通されるバンド挿通溝41が貫通形成されており、このバンド挿通溝41に臨む部位に舌片状をしたロック片42が形成されている。このロック片42には前記バンド3の歯部31に歯合される係止歯43が一体に設けられており、前記バンド挿通溝41にバンド3が挿通されたときに当該係止歯43が歯部31に歯合し、バンド3を挿通した方向と反対方向に移動させることを係止してバンド3をロックさせるようになっている。以上のハンド3及びヘッド4からなる保持部1の構成については既に広く知られている構成であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0011】
前記スナップ部2は、後述するように基板Bに開口されたほぼ矩形の取付穴Hに嵌合して前記保持部1を基板Bに支持させるものであり、前記ヘッド4と一体に形成されている。このスナップ部2は、前記ヘッド4の下面から下方に延長された支柱体21と、この支柱体21の両側に対向するように対をなして配設されたスナップ片22と、これらスナップ片22にそれぞれ連結された対をなす脚片23と、前記スナップ片22及び脚片23に一端が連結され、他端が前記ヘッド4の上側寄りの一部に連結されて外側に膨らむように屈曲された形状をした対をなす解除片24を備えている。なお、これらスナップ片22、脚片23、解除片24は前記樹脂材料の弾性によって弾性変形が可能である。
【0012】
前記支柱体21は前記ヘッド4の幅寸法にほぼ等しい幅寸法で、しかも装着が予定されている基板Bの板厚寸法よりも長く延長されている。また、この実施形態では支柱体21の幅方向と直交する方向の一方の側面には上下方向に沿って突出されたガイドリブ211が一体に形成されている。前記一対のスナップ片22は前記支柱体21の下端の幅方向の両側縁から当該支柱体21の両側に沿って前記ヘッド4の底面よりも高い位置まで延長されており、当該スナップ片22の上端部は前記ヘッド4の両側の真横位置まで延長されている。また、このスナップ片22はそれぞれの外側面にフック221を一体に有しており、後述するように基板Bに開口した取付穴Hに内挿されたときに弾性変形して当該フック221が取付穴Hの内縁に嵌合することが可能とされている。
【0013】
前記脚片23は基端が前記スナップ片22の上端部に連結され、この基端からそれぞれ斜め下方の外側に向けて突出された舌片形状に形成されている。前記スナップ片22の上端部は前記ヘッド4の底面よりも高い位置まで延長されていて当該ヘッド4の真横に位置されているので、これに連結されている脚片23の基端も前記ヘッド4の両側の真横に配置されていることになる。これら脚片23の先端はスナッピングタイを基板Bに装着したときに当該基板Bの表面に弾接されるようになっている。
【0014】
前記解除片24は、同様に前記ヘッド4の両側の真横位置において前記スナップ片22の上端部に連結されるとともに、この連結位置から外側上方に向けて延長され、前記ヘッド4の上端とほぼ等しい高さまで延長された後は内側に向けて屈曲され、さらにヘッド4に近接した先端部位241においては幾分下方に屈曲された状態でヘッド4の両側面にそれぞれ連結されている。この実施形態1では先端部位241は他の部位よりも片幅寸法が小さくされ、かつ肉厚寸法が小さくされて弾性変形され易くなっており、この先端部位241での弾性変形によって解除片24を操作したときに当該解除片24がヘッド4の両側の真横位置で幅方向に変形されることが可能とされている。
【0015】
前記基板Bに開口された取付穴Hは前記スナップ部2の平面形状に対応して幅方向の辺の長さがこれと水平方向に直交する方向の辺の長さよりも若干長い矩形の貫通穴として形成されている。また、幅方向の一方の辺には前記ガイドリブ211に対応した凹所rが形成されている。
【0016】
以上の構成のスナッピングタイによれば、ケーブルを基板に保持する際には、
図3(a),(b)に正面図と側面図を示すように、例えば先に保持する対象物であるケーブルCにバンド3を巻き付け、バンド3の先端をヘッド4のバンド挿通溝41に挿通させ、挿通した先端部を引っ張って緊縛する。これにより、バンド3の歯部31がロック片42の係止歯43に噛合され、バンド3はヘッド4に対して挿入方向と反対方向への移動が係止され、バンド3によってケーブルCを結束する。なお、ヘッド4から突出されているバンド3の余った先端側の部分は適宜切断する。
【0017】
その上で、スナップ部2を基板Bの表面側から取付穴Hに挿入すると、一対のスナップ片22は内側に弾性変形されながら取付穴Hに内挿され、フック221が取付穴Hの内縁を乗り越えると外側に弾性復帰して当該内縁に嵌合される。このとき、脚片23は上方に幾分弾性変形されるのでその弾性復帰力によって基板Bの表面に弾接される。これにより、スナップ片22が取付穴Hの内縁に外径方向に当接され、かつ脚片23とスナップ片22とで基板Bを板厚方向に挟持することになり、スナップ部2が基板Bに固定的に取り付けられる。このとき、ガイドリブ211が取付穴Hの凹所rに嵌合されるので、取付穴Hに対するスナップ部2の取付方向が特定される。また、スナップ部2に幅方向の外力が加えられてもガイドリブ211と凹所rとの嵌合によってスナップ部2が幅方向に移動されることがなく、スナップ片22が意に反して変形されて取付穴Hとの嵌合が外れるようなこともない。
【0018】
このようにして基板Bに取り付けたスナッピングタイでは、
図4(a)に示すように、スナップ片22はヘッド4の側方位置において取付穴Hに嵌合され、さらにスナップ片22の上端部が保持部1、すなわちヘッド4の両側の真横に位置されており、基板Bに対して当該ヘッド4と高さ方向に重なった状態で取付穴Hに嵌合されているので、ヘッド4の底面は基板Bの表面とほぼ同じ高さ位置、あるいは基板Bの表面に近接した高さ位置となる。また、これにより脚片23と解除片24もヘッド4の両側位置に配設されることになる。したがって、基板Bに対するヘッド4の上面の高さL1はほぼヘッド4の高さ寸法に等しい高さとなり、さらにヘッド4のバンド挿通溝41もほぼ基板Bの表面と同じ高さ位置となり、当該バンド挿通溝41を挿通されているバンド3はケーブルCを結束しているループの下側が基板Bの表面に沿った状態となる。これにより、バンド3のループの高さ寸法L2が抑制され、基板Bの表面上におけるスナッピングタイの全体高さ寸法が抑制されるので、この保持具を用いて基板Bに構成した構造体の薄型化に有利になる。
【0019】
因みに、特許文献1,2の技術の保持具では、
図4(b)に例示するように、ヘッド104の下側にスナップ部102を構成するスナップ片122が配設されており、さらにこのスナップ片122の上端部に連結される脚片123及び解除片124もヘッド104の下側から側方にわたって配設されているので、ヘッド104の下側に脚片123及び解除片124を配設するための高さ方向のスペース高さ寸法L10を確保する必要がある。そしてスナップ片122はヘッド104の下側において基板Bの取付穴Hに嵌合されるので、ヘッド104の底面は前記したスペース高さ寸法L10だけ基板Bの表面から高い位置にあり、結果としてヘッド104の上面の高さ寸法L11が高くなり、保持具の全体の高さ寸法L12は実施形態1の高さ寸法L2よりも当該スペースの高さ寸法L10だけ高いものになっている。
【0020】
なお、スナッピングタイを基板Bから取り外すときには、特許文献1,2と同様に対をなする解除片24を両側から指で摘んで内側に変形させると、これに連結されているスナップ片22も内側に変形されてフック221が取付穴Hの内縁との嵌合が外れるので、その状態でスナップ部2を取付穴Hから引き出すことができる。これにより、スナッピングタイ及び基板のリユースが可能になる。このようにスナップ部2に脚片23や解除片24を設けてリユース構造とした場合でも、脚片23と解除片24を保持部1、すなわちヘッド4の真横に配置できるので、前記した高さ寸法L2を低減することが可能である。
【0021】
(実施形態2)
図5は本発明を適用したスナッピングタイの変形例としての実施形態2の要部の斜視図である。この実施形態2はスナップ部を簡略化したものであり、実施形態1と等価な部分には同一符号を付している。保持部1をバンド3とヘッド4とで構成している点は実施形態1と同じであるが、ヘッド4には上下方向にバンド挿通溝41を形成し、バンド3はヘッド4の側面方向に延長されている。また、ヘッド4の上面に沿った部分には外側に突出した横リブ44が一体に形成されている。一方、スナップ部2はヘッド4の下面に支柱体を設けてはおらず、ヘッド4の両側面の下端にスナップ片22の基端部を連結している。スナップ片22はヘッド4の両側の真横位置において先端が上方に向けて延長されるとともに、その途中位置の外面にフック221を有している。また、その先端となる上端部は解除片としても構成されており、両外側面には解除操作時に指を引っかけるための突起25が一体に形成されている。なお、ここでは脚片は省略しているが、スナップ片22の上端部を両外側の斜め下方に向けて屈曲させて脚片として構成するようにしてもよい。一方、この実施形態2では、基板Bに開口する取付穴Hは前記スナップ部2の幅方向及びこれと水平方向に直交する方向にそれぞれ対応した辺長を有する矩形の穴で構成されている。
【0022】
この実施形態2においても、
図6(a),(b)に正面図と側面図を示すように、バンド3でケーブルCを結束した上で、ヘッド4及びスナップ部2を基板Bの取付穴Hに内挿する。このとき、ヘッド4のバンド挿通溝41を挿通されているバンド3の先端部は取付穴Hを通して基板の裏面側に向けられることになる。一対のスナップ片22はそれぞれ取付穴Hに内挿され、ヘッド4の両側方位置においてそれぞれのフック221が取付穴Hの内縁に嵌合される。これにより、スナップ片22の両外側方向への弾接力によって取付穴Hとの嵌合状態が保持され、スナップ部2が基板Bに固定的に取り付けられる。このとき、ヘッド4に設けられた横リブ44とバンド3の基端部が取付穴Hの内縁において基板Bの表面に当接されることによってヘッド4が取付穴Hから脱落されることが防止される。したがって、ヘッド4の底面側の一部は取付穴H内に内挿された状態となり、ヘッド4の底面は基板Bの表面よりも低くなる。これにより、バンド3のループの下側の部分が基板Bの表面にほぼ接した状態での取り付けとなり、スナッピングタイの全体高さ寸法をさらに低減することができる。また、このようにヘッド4の底面を基板Bの表面よりも低くしても、バンド3は取付穴Hを挿通した状態でヘッド部4を挿通されるため、ケーブルCの結束の障害になることはない。
【0023】
この実施形態2ではスナップ片22の上端部に設けた突起25に指を引っかけて内側に変形させれば、これに連結されているスナップ片22を内側に変形させてフック221における取付穴Hとの嵌合を外し、スナッピングタイを基板Bから取り外すことができる。
【0024】
以上の実施形態1,2では先にバンド3でケーブルCを結束した上でスナップ部2を取付穴Hに嵌合することによって基板Bへの取り付けを行っているが、先にスナップ部2を取付穴Hに嵌合した上で、バンド3によるケーブルCの結束を行うようにしてもよいことは言うまでもない。
【0025】
また、実施形態1,2は本発明の保持具としてスナッピングタイに適用した例であるが、保持部の構成はこれに限定されるものではない。図示は省略するが、ケーブルをクランプするケーブルクランプとして保持部を構成することもできる。あるいは、基板上に第2の基板を支持するための基板保持具として保持部を構成することも可能である。いずれの場合でもスナップ部のスナップ片が保持部の側方位置において取付穴に嵌合するように構成すること、好ましくはスナップ片の上端部ないし全体を保持部の真横に配設することにより、基板の表面からの保持具の高さ寸法を低減することができる。この効果は、特にスナップ片に脚片や解除片を連結させているリユース構造の保持具において優れた高さ寸法の低減効果が得られる。
【0026】
本発明におけるスナップ部は、実施形態1,2に示したように保持部の両側に弾性変形可能なスナップ片を備えた構成に限られるものではなく、図示は省略するが保持部の片側にのみスナップ片を備え、反対側は取付穴の内縁に嵌合する剛性フック片として構成されているスナップ構造においても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明はシャーシやパネル等の基板に対して対象物を保持し、スナップ部により基板に開口した取付穴に嵌合することによって当該対象物を基板に保持させるための保持具に適用することが可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 保持部
2 スナップ部
3 バンド
4 ヘッド
21 支柱体
22 スナップ片
23 脚片
24 解除片
25 突起
31 歯部
41 バンド挿通溝
42 ロック片
43 係止歯
B 基板
H 取付穴