【文献】
PNAS, 2011, Vol. 108, No. 22, pp. 9026-9031
【文献】
Nature Methods, 2012 Jan, Vol. 9, No. 1, pp. 72-74
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記試料が、細胞可溶化物を含み、そして必要に応じて、前記mRNAが、オリゴdTが付着した、ビーズなどの固体支持体上に捕捉されることによって濃縮される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
前記ネステッドポリメラーゼ連鎖反応が、汎用プライマーを前記オリゴヌクレオチドタグの汎用プライマー結合部位にアニールすることおよび/または遺伝子特異的プライマーを前記二本鎖標識cDNA分子にアニールすることを含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
前記検出ステップが、前記ネステッドPCR−標識アンプリコン、またはそれらの任意の生成物を、固体支持体、場合によってはビーズまたはアレイにハイブリダイズすることを含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
前記検出ステップが、アレイ検出器、蛍光リーダー、非蛍光検出器、CRリーダー、シーケンサーまたはスキャナの使用を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
前記ポリメラーゼ連鎖反応が、絶対PCR、HD−PCR、次世代PCR、デジタル式RTAまたはその任意の組合せを含む、請求項1〜8および11のいずれか一項に記載の方法。
前記増幅ステップが、汎用プライマーを前記オリゴヌクレオチドタグの前記汎用プライマー結合部位にアニールすることを含む、請求項1〜8および11〜13のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0044】
ここから、本発明の例示的な実施形態に詳細に言及する。本発明は例示的な実施形態と一緒に記載されるが、それらは本発明をこれらの実施形態に限定することを意図するものではないことが理解されよう。逆に、本発明は代替物、改変形および同等物をカバーするものであり、それらは本発明の精神および範囲の中に含めることができる。
【0045】
本発明は多くの好ましい実施形態を有し、当業者に公知である詳細については、多くの特許、特許出願および他の参考文献に頼る。したがって、以下で特許、特許出願または他の参考文献、例えば印刷刊行物が引用されるかまたは繰り返される場合は、それが、全ての目的のために、特に列挙される提案のために参照により完全に組み込まれることを理解すべきである。
【0046】
個体はヒトに限定されずに、他の生物体、例えば、それらに限定されないが、哺乳動物、植物、細菌、または上のいずれかに由来する細胞であってもよい。
【0047】
この開示全体で、本発明の様々な態様を範囲形式で提示することができる。範囲形式での記載は、単に便宜および簡潔さのためであり、本発明の範囲への硬直した限定と解釈されるべきでないことを理解すべきである。したがって、範囲の記載は、全ての可能なサブレンジならびにその範囲内の個々の数値を具体的に開示したものと見なすべきである。例えば、1から6までなどの範囲の記載は、1から3、1から4、1から5、2から4、2から6、3から6などのサブレンジ、ならびにその範囲内の個々の数字、例えば1、2、3、4、5および6を具体的に開示したものと見なすべきである。範囲の幅に関係なく、これは適用される。
【0048】
試料中の分子を検出および/または定量するための方法、キットおよび系が本明細書で開示される。一部の場合には、試料中の分子を個々に計数するための方法、キットおよび系が提供される。あるいは、遺伝子または遺伝子生成物の発現レベルを決定するための方法、キットおよび系が提供される。一部の場合には、本方法は、標識分子を形成するための、分子(例えば、RNA、DNA、タンパク質)へのオリゴヌクレオチドタグの付着を含む。オリゴヌクレオチドタグは、標的特異的領域、一意識別子領域、汎用プライマー結合領域、検出可能な標識領域またはその任意の組合せを含むことができる。一部の場合には、分子へのオリゴヌクレオチドタグの付着は、オリゴヌクレオチドタグの少なくとも一部および分子の少なくとも一部を含む特異接合部の形成をもたらす。遺伝子または遺伝子生成物の発現レベルは、標識分子の少なくとも一部(例えば、特異接合部、オリゴヌクレオチドタグ、分子)の一部を検出および/または定量することによって決定することができる。標的分子の絶対量は、標識分子の特異オリゴヌクレオチドタグの数および/または標識分子中の特異接合部の数を検出することによって決定することもできる。
【0049】
1つまたは複数の分子を増幅および/または定量するための絶対PCR方法が本明細書でさらに開示される。絶対PCRプロトコールの概略図を、
図14に表す。
図14のステップ1に示すように、汎用プライマー結合部位(1401)、一意識別子領域(1402)および標的特異的領域(1403)を含むオリゴヌクレオチドタグ(1404)を、標的分子(1405)とハイブリダイズさせる。
図14のステップ2に示すように、オリゴヌクレオチドタグ(1404)はプライマーとして作用することができ、標的分子(1405)のコピーをポリメラーゼ(例えば、DNAポリメラーゼ)によるプライマー伸長によって合成して、アンプリコン(1406)を生成することができる。アンプリコン(1406)は、汎用プライマー結合部位(1401)、一意識別子領域(1402)および標的分子(1411)の相補配列を含むことができる。
図14のステップ3に示すように、リバースプライマー(1407)はアンプリコン(1406)にアニールすることができる。
図14のステップ4に示すように、アンプリコン(1406)は、第2のアンプリコン(1408)を合成するための鋳型として作用することができる。第2のアンプリコン(1408)は、標的分子(1411’)のコピーおよび汎用プライマー結合部位(1401’)の相補配列および一意識別子領域(1402’)の相補配列を含むことができる。
図14のステップ5に示すように、アンプリコン(1406、1408)は、汎用プライマー結合部位を含むフォワードプライマー(1409)および標的特異的配列を含むリバースプライマー(1410)による以降の増幅の鋳型として作用することができる。各以降のアンプリコンは、一意識別子領域(1402)を含む。一意識別子領域を各アンプリコンに組み込むことによって、増幅効率および/または増幅偏りを決定することができる。さらに、標的分子の量は、各標的分子と関連する異なる一意識別子領域の数を計数することによって決定することができる。絶対PCR方法は、標的分子の以降の分析のために使用することができる(
図14のステップ6)。例えば、絶対PCR方法によって生成されるアンプリコンは、1つまたは複数の標的分子を検出および/または定量するために使用することができる。組み込まれていないオリゴヌクレオチドタグは、アンプリコンの精製によって除去することができる。
【0050】
I.オリゴヌクレオチドタグによる分子の標識
【0052】
本明細書に開示される方法は、試料中の分子へのオリゴヌクレオチドタグの付着を含む。一部の場合には、分子へのオリゴヌクレオチドタグの付着は、分子の確率的標識を含む。分子を確率的に標識する方法は、例えば、米国特許出願第12/969,581号および第13/327,526号に見出すことができる。一般に、確率的標識方法は、1つまたは複数の分子への複数のオリゴヌクレオチドタグのランダム付着を含む。複数のオリゴヌクレオチドタグは、標識される1つまたは複数の分子を超えて提供される。確率的標識では、標識される各個々の分子は、複数のオリゴヌクレオチドタグに付着する個々の可能性を有する。標識される各個々の分子が、特定のタグに付着する可能性は、標識される他の任意の個々の分子とほぼ同じであってよい。したがって、一部の場合には、試料中の分子のいずれかがタグのいずれかを見出す可能性は等しいと仮定され、これは、試料中の分子の数を推定する数学的計算で使用することができる仮定である。一部の状況では、付着する可能性は、例えば、個々の分子とのそのタグの結合効率を増加または低下させる異なる特性を有するタグを選抜することによって操作することができる。確率的標識の間に特定のタグが結合パートナーを見出す可能性を変化させるために、オリゴヌクレオチドタグの数を変えることもできる。例えば、1つのタグはタグのプールで過度に多く、それによって、過度に多いタグが少なくとも1つの結合パートナーを見出す可能性を増加させることができる。
【0053】
B.分子にオリゴヌクレオチドタグを付着させる方法
【0054】
分子へのオリゴヌクレオチドタグの付着は様々な方法によって、例えば、それに限定されないが、分子へのオリゴヌクレオチドタグのハイブリダイゼーションによって起きることができる。一部の場合には、オリゴヌクレオチドタグは、標的特異的領域を含む。標的特異的領域は、標識される分子の少なくとも一部に相補的である配列を含むことができる。標的特異的領域は、分子とハイブリダイズし、それによって標識分子を生成することができる。
【0055】
分子へのオリゴヌクレオチドタグの付着は、ライゲーションによって起きることができる。ライゲーション技術は、平滑末端ライゲーションおよび粘着末端ライゲーションを含む。ライゲーション反応は、DNAリガーゼI、DNAリガーゼIII、DNAリガーゼIVおよびT4 DNAリガーゼなどのDNAリガーゼを含むことができる。ライゲーション反応は、T4 RNAリガーゼIおよびT4 RNAリガーゼIIなどのRNAリガーゼを含むことができる。
【0056】
ライゲーションの方法は、例えばSambrookら(2001年)およびNew England BioLabsカタログに記載され、両方とも全ての目的のために参照により本明細書に組み込まれる。方法は、平滑および粘着末端を有する二重鎖DNAまたはRNAの並置された5’リン酸末端および3’ヒドロキシル末端の間でのホスホジエステル結合の形成を触媒するT4 DNAリガーゼ;相補的標的DNAとハイブリダイズされる2つの隣接オリゴヌクレオチドの並置された5’リン酸末端および3’ヒドロキシル末端の間でのホスホジエステル結合の形成を触媒するTaq DNAリガーゼ;付着末端を有する二重鎖DNAの並置された5’リン酸末端および3’ヒドロキシル末端の間でのホスホジエステル結合の形成を触媒するE.coliのDNAリガーゼ;ならびに、3’→5’ホスホジエステル結合の形成を通して3’ヒドロキシル末端核酸アクセプターへの5’ホスホリル末端核酸ドナーのライゲーションを触媒するT4 RNAリガーゼの使用を含み、基質は一本鎖のRNAおよびDNAならびにジヌクレオシドピロリン酸を含み;あるいは、当技術分野で記載される他の任意の方法が含まれる。ライゲーションに適合する末端を生成することによってライゲーションを促進するために、片方または両方の末端へのアダプターのライゲーションの前に、断片化されたDNAを1つまたは複数の酵素、例えばエンドヌクレアーゼで処理することができる。
【0057】
一部の場合には、オリゴヌクレオチドタグの両末端が、分子に付着する。例えば、オリゴヌクレオチドタグの両末端は、分子の1つまたは複数の末端へハイブリダイズおよび/またはライゲーションさせることができる。一部の場合には、分子の両末端へのオリゴヌクレオチドタグの両末端の付着は、環状化標識分子の形成をもたらす。オリゴヌクレオチドタグの両末端は、分子の同じ末端に付着させることもできる。例えば、オリゴヌクレオチドタグの5’末端は分子の3’末端にライゲーションされ、オリゴヌクレオチドタグの3’末端は分子の3’末端とハイブリダイズされ、1つの末端にヘアピン構造を有する標識分子をもたらす。一部の場合には、オリゴヌクレオチドタグは、分子の中央に付着させられる。
【0058】
一部の場合には、分子へのオリゴヌクレオチドタグの付着は、1つまたは複数のアダプターの使用を含む。アダプターは、分子へのアダプターの付着を可能にする標的特異的領域を片方の末端に含むことができ、アダプターへのオリゴヌクレオチドタグの付着を可能にするオリゴヌクレオチドタグ特異的領域を他方の末端に含むことができる。アダプターは、それに限定されないがハイブリダイゼーションおよび/またはライゲーションを含む方法によって、分子および/またはオリゴヌクレオチドに付着させることができる。
【0059】
核酸の断片にアダプターをライゲーションする方法は、周知である。アダプターは二本鎖、一本鎖または部分的に一本鎖であってよい。好ましい態様では、アダプターは、相補性の領域、例えば、完全な相補性の約10〜30または約15〜40塩基を有する2つのオリゴヌクレオチドから形成され、そのため、2つのオリゴヌクレオチドを一緒にハイブリダイズさせるとき、それらは二本鎖領域を形成する。任意選択で、オリゴヌクレオチドの一方または両方は、他のオリゴヌクレオチドに相補的でなく、アダプターの1つの末端または両末端で一本鎖のオーバーハングを形成する領域を有することができる。一本鎖のオーバーハングは、好ましくは約1〜約8塩基、最も好ましくは約2〜約4であってもよい。このオーバーハングは、「粘着末端」ライゲーションを促進するために制限酵素による開裂によって作製されるオーバーハングに相補的であってよい。アダプターは、他の特色、例えばプライマー結合部位および制限部位を含むことができる。一部の態様では、制限部位は、Type IIS制限酵素、またはEcoP151などのその認識配列の外側で切断する別の酵素のためであってよい(参照により完全に本明細書に組み込まれる、MuckeらJ Mol Biol 2001年、312巻(4号):687〜698頁およびUS5,710,000を参照)。
【0060】
オリゴヌクレオチドタグは、分子の任意の領域に付着させることができる。例えば、オリゴヌクレオチドは、ポリヌクレオチド(例えば、DNA、RNA)の5’末端または3’末端に付着させることができる。例えば、オリゴヌクレオチドタグの標的特異的領域は、分子の5’領域の配列に相補的である配列を含む。オリゴヌクレオチドタグの標的特異的領域は、分子の3’領域の配列に相補的である配列を含むこともできる。一部の場合には、オリゴヌクレオチドタグは、遺伝子または遺伝子生成物の範囲内の領域に付着させられる。例えば、ゲノムDNAが断片化され、オリゴヌクレオチドタグは断片化DNAに付着させられる。他の場合には、RNA分子が代わりにスプライシングされ、オリゴヌクレオチドタグは代わりにスプライシングされた変異体に付着させられる。別の例では、ポリヌクレオチドが消化され、オリゴヌクレオチドタグは消化されたポリヌクレオチドに付着させられる。別の例では、オリゴヌクレオチドタグの標的特異的領域は、分子内の配列に相補的である配列を含む。
【0062】
一部の場合には、本明細書に開示される方法は、標識RNA分子を生成するための、RNA分子へのオリゴヌクレオチドタグの付着を含む。本明細書に開示される方法は、標識cDNA分子を生成するための、標識RNA分子の逆転写をさらに含むことができる。一部の場合には、オリゴヌクレオチドタグの少なくとも一部は、逆転写反応のためのプライマーとして作用する。例えば、
図1、ステップ1A〜Bに示すように、オリゴdT配列を含むオリゴヌクレオチドタグは、mRNA分子のポリAテールとハイブリダイズする。オリゴヌクレオチドタグのオリゴdT部分は、cDNA分子の第1鎖合成のためのプライマーとして作用する。
【0063】
一部の場合には、標識cDNA分子は、新しい確率的標識反応のための分子として使用することができる。標識cDNAは、逆転写の前のRNAへの付着からの第1のタグまたはタグのセット、およびcDNA分子に付着した第2のタグまたはタグのセットを有することができる。これらの多重標識反応は、例えば、第1および第2のタグの付着の間に起こる事象、例えば任意選択の増幅反応または逆転写反応の効率を決定するために使用することができる。
【0064】
別の例では、オリゴヌクレオチドタグをRNA分子の5’末端に付着させて標識RNA分子を生成する。標識RNA分子の逆転写は、逆転写プライマーの添加によって起こることができる。一部の場合には、逆転写プライマーは、オリゴdTプライマー、ランダムヘキサヌクレオチドプライマーまたは標的特異的オリゴヌクレオチドプライマーである。一般に、オリゴ(dT)プライマーは、長さが12〜18ヌクレオチドであり、哺乳動物mRNAの3’末端の内在性ポリ(A)+テールに結合する。ランダムヘキサヌクレオチドプライマーは、様々な相補部位でmRNAに結合することができる。標的特異的オリゴヌクレオチドプライマーは、対象のmRNAを一般的に選択的にプライミングする。
【0065】
一部の場合には、本方法は、標識RNA分子を繰り返し逆転写して、多重標識cDNA分子を生成することを含む。本明細書で開示される方法は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20回の逆転写反応を実行することを含むことができる。本方法は、少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100回の逆転写反応を実行することを含むことができる。
【0067】
本明細書に開示される方法は、標識アンプリコンを生成するための、標識分子の増幅を含むことができる。標識分子の増幅は、PCRベースの方法または非PCRベースの方法を含むことができる。標識分子の増幅は、標識分子の指数関数的な増幅を含むことができる。標識分子の増幅は、標識分子の線形増幅を含むことができる。
【0068】
一部の場合には、標識分子の増幅は、非PCRベースの方法を含む。非PCRベースの方法の例には、多重置換増幅(MDA)、転写媒介増幅(TMA)、核酸配列ベースの増幅(NASBA)、鎖置換増幅(SDA)、リアルタイムSDA、ローリングサークル増幅またはサークル−ツー−サークル増幅が含まれるが、これらに限定されない。
【0069】
標識分子の増幅は、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)に基づく方法を含むことができる(DirksおよびPierce、PNAS、2004年;Zhangら、Anal Chem、2012年)。HCRベースの方法は、DNAベースのHCRを含むことができる。HCRベースの方法は、1つまたは複数の標識プローブを含むことができる。1つまたは複数の標識プローブは、本明細書に開示される1つまたは複数のオリゴヌクレオチドタグを含むことができる。
【0070】
一部の場合には、本明細書に開示される方法は、標識分子(例えば、標識RNA、標識DNA、標識cDNA)に対してポリメラーゼ連鎖反応を実行して、標識アンプリコンを生成することをさらに含む。標識アンプリコンは、二本鎖分子であってもよい。二本鎖分子は、二本鎖RNA分子、二本鎖DNA分子、またはDNA分子とハイブリダイズしたRNA分子を含むことができる。二本鎖分子の鎖の一方または両方が、オリゴヌクレオチドタグを含むことができる。あるいは、標識アンプリコンは、一本鎖分子である。一本鎖分子は、DNA、RNAまたはその組合せを含むことができる。本発明の核酸は、合成または変化させた核酸を含むことができる。
【0071】
ポリメラーゼ連鎖反応は、PCR、HD−PCR、次世代PCR、デジタル式RTAなどの方法、またはその任意の組合せで実施することができる。さらなるPCR法には、対立遺伝子特異的PCR、Alu PCR、アセンブリーPCR、非対称PCR、ドロップレットPCR、エマルジョンPCR、ヘリカーゼ依存性増幅HDA、ホットスタートPCR、インバースPCR、指数関数後線形(LATE)PCR、ロングPCR、多重PCR、ネステッドPCR、半ネステッドPCR、定量的PCR、RT−PCR、リアルタイムPCR、単一細胞PCRおよびタッチダウンPCRが含まれるが、これらに限定されない。
【0072】
一部の場合には、ポリメラーゼ連鎖反応を実行することは、第1の標的特異的プライマーを標識分子にアニールすることを含む。あるいは、またはさらに、ポリメラーゼ連鎖反応を実行することは、汎用プライマーをオリゴヌクレオチドタグの汎用プライマー結合部位領域にアニールすることをさらに含み、そこにおいて、オリゴヌクレオチドタグは標識分子または標識アンプリコンの上にある。本明細書に開示される方法は、第2の標的特異的プライマーを標識分子および/または標識アンプリコンにアニールすることをさらに含むことができる。
【0073】
一部の場合には、本方法は、標識分子を繰り返し増幅して、多重標識アンプリコンを生成することを含む。本明細書で開示される方法は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20回の増幅反応を実行することを含むことができる。あるいは、本方法は、少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100回の増幅反応を実行することを含む。
【0074】
他の適する増幅方法には、リガーゼ連鎖反応(LCR)(例えば、WuおよびWallace、Genomics4巻、560頁(1989年)、Landegrenら、Science 241巻、1077頁(1988年)およびBarringerら、Gene 89巻:117頁(1990年))、転写増幅(Kwohら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 86巻、1173頁(1989年)およびWO88/10315)、自律的配列複製(Guatelliら、Proc. Nat. Acad. Sci. USA、87巻、1874頁(1990年)およびWO90/06995)、標的ポリヌクレオチド配列の選択的増幅(米国特許第6,410,276号)、コンセンサス配列プライムドポリメラーゼ連鎖反応(CP−PCR)(米国特許第4,437,975号)、恣意的にプライミングされたポリメラーゼ連鎖反応(AP−PCR)(米国特許第5,413,909号、第5,861,245号)、ローリングサークル増幅(RCA)(例えば、FireおよびXu、PNAS 92巻:4641頁(1995年)およびLiuら、J. Am. Chem. Soc.118巻:1587頁(1996年))および米国特許第5,648,245号、鎖置換増幅(LaskenおよびEgholm、Trends Biotechnol. 2003年21巻(12号):531〜5頁;BarkerらGenome Res.2004年5月;14巻(5号):901〜7頁;DeanらProc Natl Acad Sci USA. 2002年;99巻(8号):5261〜6頁;Walkerら1992年、Nucleic Acids Res.20巻(7号):1691〜6頁、1992年およびPaezら、Nucleic Acids Res.2004年;32巻(9号):e71頁を参照)、PCT特許出願PCT/US87/00880に記載されるQβレプリカーゼ、ならびに核酸ベースの配列増幅(NABSA)が含まれる。(その各々は参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,409,818号、第5,554,517号および第6,063,603号を参照)。使用することができる他の増幅方法は、米国特許第6,582,938号、第5,242,794号、第5,494,810号、第4,988,617号および米国特許出願公開第20030143599号に記載され、その各々は参照により本明細書に組み込まれる。DNAは、多重遺伝子座特異的PCRによって、またはアダプター−ライゲーションおよび単一プライマーPCRを使用して増幅することもできる(KinzlerおよびVogelstein、NAR(1989年)17巻:3645〜53頁を参照)。利用できる他の増幅方法、例えば均衡PCR(Makrigiorgosら、(2002年)、Nat Biotechnol、20巻、936〜9頁)を使用することもできる。
【0075】
選択された標的の増幅のために、分子反転プローブ(「MIP」)を使用することもできる。前環プローブの末端が増幅される領域に連なる領域に相補的であるように、MIPを生成することができる。閉環を形成する末端のライゲーションの前に標的の相補配列がMIPに組み込まれるように、プローブの末端の伸長によってギャップを閉じることができる。以前にHardenbolら、Genome Res.15巻:269〜275頁(2005年)および米国特許第6,858,412号に開示されているように、閉環を増幅し、配列決定またはハイブリダイゼーションによって検出することができる。
【0076】
標識分子の増幅は、1つまたは複数のプライマーの使用を含むことができる。
図9は、例示的なフォワードおよびリバースプライマーを表す。フォワードプライマー(901)は、汎用PCR配列(902)、一意識別子配列(903)および標的配列(904)を含むことができる。リバースプライマー(905)は、標的配列を含むことができる。
【0077】
本方法で使用されるプライマーは、Primer3、使用者が定義する入力配列に基づいてプライマー配列を提案するコンピュータープログラムを使用して設計することができる。他のプライマー設計を使用してもよく、または、コンピュータープログラムを用いずに目でプライマーを選択することができる。ほとんどの用途に合わせてプライマー設計を調整するために、プログラムで利用できる多くの選択肢がある。Primer3は、それらに限定されないが、オリゴの融点、長さ、GC含有量、3’安定性、推定される二次構造、望ましくない配列(例えば散在する反復配列)にアニールするかそれを増幅する可能性、および同じプライマーの2つのコピー間のプライマー−二量体形成の可能性を含む、多くの因子を考慮することができる。プライマー対の設計では、Primer3は生成物のサイズおよび融点、対の2つのプライマー間のプライマー−二量体形成の可能性、プライマー融点間の差、および避けるべき特定の対象領域に対するプライマー位置を考慮することができる。
【0079】
一部の態様では、本明細書に開示される方法は、標識分子またはその任意の生成物(例えば、標識アンプリコン、標識cDNA分子)の配列を決定することをさらに含む。標識分子またはその任意の生成物の配列を決定することは、オリゴヌクレオチドタグの少なくとも一部、標識cDNA分子の少なくとも一部、その相補配列、その逆相補配列またはその任意の組合せの配列を決定するために、配列決定反応を実行することを含むことができる。一部の場合には、タグまたはタグの一部だけが配列決定をされる。標識分子またはその任意の生成物の配列を決定することは、配列決定方法、例えばHelioscope(商標)単一分子配列決定、Nanopore DNA配列決定、Lynx TherapeuticsのMassively Parallel Signature Sequencing(MPSS)、454パイロシークエンシング、Single Moleculeリアルタイム(RNAP)配列決定、Illumina(Solexa)配列決定、SOLiD配列決定、Ion Torrent(商標)、イオン半導体配列決定、Single Molecule SMRT(商標)配列決定、Polony配列決定、DNA nanoball配列決定およびVisiGen Biotechnologiesアプローチによって実施することができる。あるいは、標識分子またはその任意の生成物の配列を決定することは、配列決定プラットホーム、例えば、それらに限定されないが、Illuminaによって提供されるGenome Analyzer IIx、HiSeqおよびMiSeq、Single Molecule Real Time(SMRT(商標))技術、例えばPacific Biosciences(California)によって提供されるPacBio RSシステム、およびSolexa Sequencer、True Single Molecule Sequencing(tSMS(商標))技術、例えばHelicos Inc.(Cambridge、MA)によって提供されるHeliScope(商標)Sequencerを使用することができる。
【0080】
一部の場合には、標識分子またはその任意の生成物の配列を決定することは、対末端配列決定、ナノポア配列決定、ハイスループット配列決定、ショットガン配列決定、色素−ターミネーター配列決定、多重プライマーDNA配列決定、プライマーウォーキング、サンガージデオキシ配列決定法、マキシム−ギルバート配列決定、パイロシークエンシング、真単一分子配列決定またはその任意の組合せを含む。あるいは、標識分子またはその任意の生成物の配列は、電子顕微鏡法または化学的高感度電界効果トランジスター(chemFET)アレイによって決定することができる。
【0081】
別の例では、標識分子またはその任意の生成物の配列を決定することは、RNA−SeqまたはマイクロRNA配列決定を含む。あるいは、標識分子またはその任意の生成物の配列を決定することは、タンパク質配列決定技術、例えばエドマン分解、ペプチド質量フィンガープリント、質量分析またはプロテアーゼ消化を含む。
【0082】
特定の実施形態では、配列決定反応は、固体または半固体支持体の上、ゲル中、乳濁液中、表面、ビーズの上、液滴中、連続流中、希釈溶液中、または1つまたは複数の物理的に別個の容量中で起こることができる。
【0083】
配列決定は、標識分子の少なくとも約10、20、30、40、50、60、70、80、90、100またはそれ以上のヌクレオチドまたは塩基対を配列決定することを含むことができる。一部の場合には、配列決定は、標識分子の少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000またはそれ以上のヌクレオチドまたは塩基対を配列決定することを含む。他の場合には、配列決定は、標識分子の少なくとも約1500、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000または10,000またはそれ以上のヌクレオチドまたは塩基対を配列決定することを含む。
【0084】
配列決定は、1回の実行につき少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000またはそれ以上の数の配列決定読取りを含むことができる。一部の場合には、配列決定は、1回の実行につき少なくとも約1500、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000または10,000またはそれ以上の数の配列決定読取りを配列決定することを含む。
【0086】
本明細書に開示される方法は、標識分子および/または標識アンプリコンの検出をさらに含むことができる。標識分子および/または標識アンプリコンの検出は、表面、例えば固体支持体との標識分子のハイブリダイゼーションを含むことができる。あるいは、またはさらに、標識分子の検出は、標識分子および/または標識アンプリコンを表面、例えば固体支持体と接触させることを含む。一部の場合には、本方法は、標識分子および/または標識アンプリコンを検出可能な標識と接触させて、検出可能な標識とコンジュゲートした標識分子を生成することをさらに含む。本明細書に開示される方法は、検出可能な標識とコンジュゲートした標識分子を検出することをさらに含むことができる。標識分子またはその任意の生成物(例えば、標識アンプリコン、検出可能な標識とコンジュゲートした標識分子)の検出は、オリゴヌクレオチドタグ、分子、検出可能な標識、オリゴヌクレオチドタグの相補配列、分子の相補配列またはその任意の組合せの少なくとも一部の検出を含むことができる。
【0087】
標識分子またはその任意の生成物の検出は、乳濁液を含むことができる。例えば、標識分子またはその任意の生成物は、乳濁液中にあってよい。あるいは、標識分子またはその任意の生成物の検出は、1つまたは複数の溶液を含む。他の場合には、標識分子の検出は、1つまたは複数の容器を含む。
【0088】
標識分子またはその任意の生成物(例えば、標識アンプリコン、検出可能な標識とコンジュゲートした標識分子)の検出は、各標識分子またはその生成物を検出することを含むことができる。例えば、本明細書に開示される方法は、各標識分子の少なくとも一部を配列決定し、それによって各標識分子を検出することを含む。
【0089】
一部の場合には、標識分子および/または標識アンプリコンの検出は、電気泳動、分光法、鏡検、化学発光、発光、蛍光、免疫蛍光検査、比色または電気化学発光法を含む。例えば、本方法は蛍光色素の検出を含む。標識分子またはその任意の生成物の検出は、比色法を含むことができる。例えば、比色法は、比色計または比色リーダーの使用を含む。比色計および比色リーダーの非限定リストには、SensovationのColorimetric Array Imaging Reader(CLAIR)、ESEQuant Lateral Flow Immunoassay Reader、SpectraMax 340PC 38、SpectraMax Plus384、SpectraMax 190、VersaMax、VMaxおよびEMaxが含まれる。
【0090】
標識分子および/またはアンプリコンを検出するために、単独でまたは他の方法と一緒に使用されるさらなる方法は、アレイ検出器、蛍光リーダー、非蛍光検出器、CRリーダー、ルミノメータまたはスキャナの使用を含むことができる。一部の場合には、標識分子および/または標識アンプリコンを検出することは、アレイ検出器の使用を含む。アレイ検出器の例には、ダイオードアレイ検出器、フォトダイオードアレイ検出器、HLPCフォトダイオードアレイ検出器、ピクセルアレイ検出器、ゲルマニウムアレイ検出器、CMOSおよびCCDアレイ検出器、ゲート制御線形CCDアレイ検出器、InGaAsフォトダイオードアレイシステムおよびTE冷却CCDシステムが含まれるが、これらに限定されない。アレイ検出器は、マイクロアレイ検出器であってよい。マイクロアレイ検出器の非限定例には、微小電極アレイ検出器、光学的DNAマイクロアレイ検出プラットホーム、DNAマイクロアレイ検出器、RNAマイクロアレイ検出器およびタンパク質マイクロアレイ検出器が含まれる。
【0091】
一部の場合には、標識分子および/または標識アンプリコンを検出するために蛍光リーダーが使用される。蛍光リーダーは、バイオチップ、スライドまたはマイクロプレートで、1、2、3、4、5またはそれ以上の数の色蛍光マイクロアレイまたは他の構造を読み取ることができる。一部の場合には、蛍光リーダーは、Sensovation Fluorescence Array Imaging Reader(FLAIR)である。あるいは、蛍光リーダーは、蛍光マイクロプレートリーダー、例えば、Gemini XPS蛍光マイクロプレートリーダー、Gemini EM蛍光マイクロプレートリーダー、Finstruments(登録商標)Fluoroskanフィルターをベースにした蛍光マイクロプレートリーダー、PHERAstarマイクロプレートリーダー、FlUOstarマイクロプレートリーダー、POLARstar Omegaマイクロプレートリーダー、FLUOstar OPTIMA多重モードマイクロプレートリーダーおよびPOLARstar OPTIMA多重モードマイクロプレートリーダーである。蛍光リーダーのさらなる例には、PharosFX(商標)およびPharosFX Plusシステムが含まれる。
【0092】
一部の場合には、標識分子および/または標識アンプリコンの検出は、マイクロプレートリーダーの使用を含む。一部の場合には、マイクロプレートリーダーは、xMark(商標)マイクロプレート吸光分光計、iMarkマイクロプレート吸光度リーダー、EnSpire(登録商標)Multimodeプレートリーダー、EnVision Multilabelプレートリーダー、VICTOR X Multilabelプレートリーダー、FlexStation、SpectraMax Paradigm、SpectraMax M5e、SpectraMax M5、SpectraMax M4、SpectraMax M3、SpectraMax M2−M2e、FilterMax Fシリーズ、Fluoroskan Ascent FL Microplate FluoremeterおよびLuminometer、Fluoroskan Ascent Microplate Fluoremeter、Luminoskan Ascent Microplate Luminometer、Multiskan EX Microplate Photometer、Muliskan FC Microplate PhotometerおよびMuliskan GO Microplate Photometerである。一部の場合には、マイクロプレートリーダーは、吸光度、蛍光、発光、時間分解蛍光、光散乱またはその任意の組合せを検出する。一部の実施形態では、マイクロプレートリーダーは、動的光散乱を検出する。一部の場合には、マイクロプレートリーダーは、静的光散乱を検出することができる。一部の場合には、標識分子および/または標識アンプリコンの検出は、マイクロプレート撮影装置の使用を含む。一部の場合には、マイクロプレート撮影装置は、ViewLux uHTSマイクロプレート撮影装置およびBioRadマイクロプレート画像化システムを含む。
【0093】
標識分子および/またはその生成物の検出は、ルミノメータの使用を含むことができる。ルミノメータの例には、SpectraMax L、GloMax(登録商標)−96マイクロプレートルミノメータ、GloMax(登録商標)−20/20単管ルミノメータ、Instinct(商標)ソフトウェアと一緒のGloMax(登録商標)−Multi
+、GloMax(登録商標)−Multi Jr単管多重モードリーダー、LUMIstar OPTIMA、LEADER HC
+ルミノメータ、LEADER450iルミノメータおよびLEADER 50iルミノメータが含まれるが、これらに限定されない。
【0094】
一部の場合には、標識分子および/または標識アンプリコンの検出は、スキャナの使用を含む。スキャナには、Cannon、Epson、HP、FujitsuおよびXeroxによって提供されるものなどの、フラットベッドスキャナが含まれる。フラットベッドスキャナのさらなる例には、FMBIO(登録商標)蛍光画像スキャナ(例えば、FMBIO(登録商標)II、IIIおよびIII Plusシステム)が含まれる。スキャナには、Arrayit ArrayPix(商標)マイクロアレイマイクロプレートスキャナなどのマイクロプレートスキャナを含めることができる。一部の場合には、スキャナは、Bio−radから提供されるPersonal Molecular Imager(商標)(PMI)システムである。
【0095】
標識分子の検出は、帯電粒子の質量−電荷比を測定する分析技術、例えば質量分析の使用を含むことができる。一部の実施形態では、帯電粒子の質量−電荷比は、クロマトグラフ分離技術と組み合わせて測定される。一部の実施形態では、配列決定反応が、帯電粒子測定の質量−電荷比と組み合わせて使用される。一部の実施形態では、タグは同位体を含む。一部の実施形態では、タグライブラリーで同位体の型または比が制御または操作される。
【0096】
標識分子またはその任意の生成物の検出は、小粒子および/または光散乱の使用を含む。例えば、増幅された分子(例えば、標識アンプリコン)は、ハプテンに、または小粒子に直接に付着させ、アレイとハイブリダイズさせる。小粒子は、サイズがナノメートルからマイクロメートルの範囲内であってよい。光がその表面から散乱するとき、粒子を検出することができる。
【0097】
小粒子が有色であるか、またはハプテンを比色検出系で染色することができる場合は、比色アッセイを使用することができる。一部の場合には、粒子から散乱する光または有色物質の発生を検出するために、フラットベッドスキャナを使用することができる。本明細書に開示される方法は、吸光物質の使用をさらに含むことができる。吸光物質は、望ましくない光の散乱または反射をブロックするために使用することができる。吸光物質は、食品着色料または他の物質であってよい。一部の場合には、標識分子またはその任意の生成物の検出は、標識分子を軸外白色光と接触させることを含む。
【0098】
標識分子の検出は、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)を含むことができる。
図33に表すように、複数の核酸分子(3340)を含む試料は、複数のオリゴヌクレオチドタグ(3330)で確率的に標識される。オリゴヌクレオチドタグ(3330)は、一意識別子領域(3310)およびアダプター領域(3320)を含む。核酸分子を確率的に標識することは、1つまたは複数の標識分子(3345)を生成するための、核酸分子(3340)の1つまたは複数の末端への1つまたは複数のオリゴヌクレオチドタグ(3330)の付着を含むことができる。1つまたは複数の標識分子は、複数のHCRプローブ(3350)と接触させることができる。複数のHCRプローブ(3350)は、オーバーハングおよび1つまたは複数の標識(3360、3390)を有するヘアピン分子を含むことができる。複数のHCRプローブ(3350)は、5’オーバーハングを有するヘアピン分子と3’オーバーハングを有するヘアピン分子との混合物を含むことができる。複数のHCRプローブは、ステム(3370、3380)を含むことができる。ステム(3370、3380)の配列は、オリゴヌクレオチドタグの少なくとも一部に相補的であってよい。ステム(3370、3380)の配列は、オリゴヌクレオチドタグのアダプター領域(3320)に相補的であってよい。オリゴヌクレオチドのアダプター領域(3320)は、ハイブリダイゼーション連鎖反応のための開始剤として作用することができる。
図33に示すように、HCRプローブ(3350)のステム(3370)は、標識分子(3345)のアダプター領域(3320)とハイブリダイズすることができる。標識分子(3345)のアダプター領域(3320)とのHCRプローブ(3350)のステム(3370)のハイブリダイゼーションは、ステムの解放(例えば、ステムの3370および3380はもはやアニールしない)およびHCRプローブ(3350)の線形化をもたらすことができ、それはHCRプローブ(3355)とハイブリダイズした標識分子の形成をもたらす。線形化HCRプローブは、別のHCRプローブの以降のハイブリダイゼーションのための開始剤として次に作用することができる。第2のHCRプローブのステムは、標識分子とハイブリダイズした線形化HCRプローブとハイブリダイズすることができ、第2のHCRプローブの線形化および2つの線形化HCRプローブを有する標識分子の形成をもたらす。線形化した第2のHCRプローブは、別のハイブリダイゼーション反応のための開始剤として作用することができる。複数の線形化HCRプローブ(3375)を有する標識分子を生成するために、この過程を複数回反復することができる。HCRプローブ上の標識(3360、3390)は、標識分子の検出を可能にすることができる。標識(3360、3390)は、任意の種類の標識(例えば、蛍光団、発色団、小分子、ナノ粒子、ハプテン、酵素、抗体、磁石)であってよい。標識(3360および3390)は、単一の標識の断片を含むことができる。標識(3360、3390)は、それらが近接しているとき、検出可能なシグナルを生成することができる。HCRプローブがヘアピンである場合は、標識(3360および3390)は、検出可能なシグナルを生成することができないほど遠く離れていてもよい。HCRプローブが線形化され、複数の線形化HCRプローブが一緒にハイブリダイズする場合は、標識(3360、3390)は検出可能なシグナルを生成するのに十分に近接してもよい。例えば、HCRプローブ(3350)は、標識(3360、3390)として2つのピレン部分を含むことができる。あるいは、標識はナノ粒子であってもよい。HCRは標識分子への複数のHCRプローブの付着を可能にすることができ、それはシグナル増幅をもたらすことができる。確率的標識および続くHCRは、核酸分子の検出、分析および/または定量の感度を増加させることができる。確率的標識および続くHCRは、1つまたは複数の核酸分子の検出、分析および/または定量の正確度を増加させることができる。
【0099】
シグナル検出および強度データの処理のためのさらなる方法および機器は、例えば、米国特許第5,143,854号、5,547,839号、5,578,832号、5,631,734号、5,800,992号、5,834,758号、5,856,092号、5,902,723号、5,936,324号、5,981,956号、6,025,601号、6,090,555号、6,141,096号、6,185,030号、6,201,639号;第6,218,803号および第6,225,625号、米国特許出願公開第20040012676号および第20050059062号、ならびにPCT出願PCT/US99/06097(WO99/47964として公開される)に開示され、その各々も、全ての目的のためにここに参照により完全に組み込まれる。
【0100】
標識分子の検出および/または定量は、コンピューターまたはコンピューターソフトウェアの使用を含むことができる。コンピューターソフトウェア製品は、本発明の方法の論理ステップを実施するためのコンピューターで実行可能な指示を有するコンピューター可読媒体を含むことができる。適するコンピューター可読媒体には、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM/DVD/DVD−ROM、ハードディスクドライブ、フラッシュメモリ、ROM/RAM、磁気テープなどが含まれる。コンピューターで実行可能な指示は、適するコンピューター言語またはいくつかの言語の組合せで書くことができる。基本的なコンピューター生物学の方法は、例えば、SetubalおよびMeidanisら、Introduction to Computational Biology Methods(PWS Publishing Company、Boston、1997年);Salzberg、Searles、Kasif(編)、Computational Methods in Molecular Biology(Elsevier、Amsterdam、1998年);RashidiおよびBuehler、Bioinformatics Basics:Application in Biological Science and Medicine(CRC Press、London、2000年)およびOueletteおよびBzevanis Bioinformatics:A Practical Guide for Analysis of Gene and Proteins(Wiley&Sons,Inc.2版、2001年)に記載されている。US6,420,108も参照。
【0101】
コンピュータープログラム製品およびソフトウェアは、様々な目的、例えばプローブ設計、データ管理、分析および機器操作のために使用することができる。米国特許第5,593,839号、5,795,716号、5,733,729号、5,974,164号、6,066,454号、6,090,555号、6,185,561号、6,188,783号、6,223,127号、6,229,911号および6,308,170号を参照。高密度マイクロアレイ分析を使用する遺伝子タイピングに関連するコンピューターによる方法を、本方法で使用することもできる、例えば、米国特許出願公開第20050250151号、第20050244883号、第20050108197号、第20050079536号および第20050042654号を参照。さらに、本開示は、米国特許出願公開第20030097222号、第20020183936号、第20030100995号、第20030120432号、第20040002818号、第20040126840号および第20040049354号に示すような、インターネットなどのネットワーク上で遺伝情報を提供する方法を含む、好ましい実施形態を有することができる。
【0102】
標識分子またはその任意の生成物の検出および/または定量は、1つまたは複数のアルゴリズムの使用を含むことができる。あるいは、またはさらに、本方法、キットおよび組成物は、コンピューター、ソフトウェア、プリンター、および/または電子データまたは情報をさらに含むことができる。
【0103】
本明細書に開示される方法は、データ/情報の伝達をさらに含むことができる。例えば、標識分子またはその任意の生成物の検出および/または定量に由来するデータ/情報は、別のデバイスおよび/または機器へ伝達される。一部の場合には、アルゴリズムから得られる情報を、別のデバイスおよび/または機器へ伝達することもできる。データ/情報の伝達は、第1の供給源から第2の供給源へのデータ/情報の移動を含むことができる。第1および第2の供給源は、同じおよその位置(例えば、同じ部屋、建物、ブロック、キャンパスの中)にあってよい。あるいは、第1および第2の供給源は、複数の位置(例えば、複数の都市、州、国、大陸など)にある。一部の実施形態では、一時的でないコンピューター可読媒体は、本明細書に記載される方法を使用して生成されるデータを保存または分析するために使用される。
【0104】
データ/情報の伝達は、デジタル式伝達またはアナログ伝達を含むことができる。デジタル式伝達は、ポイント−ツー−ポイントまたはポイント−ツー−マルチポイント通信チャネル上でのデータ(デジタルビットストリーム)の物理的移動を含むことができる。そのようなチャネルの例は、銅線、光ファイバー、無線通信チャネルおよび保存媒体である。データは、電磁シグナル、例えば電圧、電波、マイクロ波または赤外線シグナルで表すことができる。
【0105】
アナログ伝達は、連続的に変化するアナログシグナルの移動を含むことができる。メッセージは、デジタル式モジュレーション方法を使用する、回線コードによるパルスの配列(ベースバンド伝送)、または制限されたセットの連続的に変換する波形(通過帯域伝達)のいずれかで表すことができる。通過帯域モジュレーションおよび対応する復調(検出としても知られる)は、モデム装置で実行することができる。デジタルシグナルの最も一般的な定義によると、ビットストリームを表すベースバンドおよび通過帯域シグナルの両方はデジタル式伝達と見なされるが、代替定義ではベースバンドシグナルだけをデジタル式と見なし、デジタルデータの通過帯域伝達をD−A変換の形と見なす。
【0106】
本明細書に記載される系および方法の応用および使用は、個体、例えば患者の疾患状態を診断するために有益な1つまたは複数の結果をもたらすことができる。一実施形態では、疾患を診断する方法は、試料中の標的の存在および/または濃度レベルに関するデータを精査または分析することを含む。データの結論に基づく精査または分析は、患者、ヘルスケア医療提供者またはヘルスケアマネージャへ提供することができる。一実施形態では、結論は、疾患診断に関するデータの精査または分析に基づく。別の実施形態では、患者、ヘルスケア医療提供者またはヘルスケアマネージャに結論を提供することは、ネットワーク上でのデータの伝達を含むことが想定される。
【0107】
したがって、本明細書に記載されるシステムおよび方法を使用するビジネスのシステムおよび方法が提供される。
【0108】
本発明の一態様は、疾患診断に関するデータの精査または分析に基づいて結論を導くために、患者の試験試料を生物学的に活性な分析物の存在または非存在についてスクリーニングして、分析物に関するデータを生成し、分析物データを回収し、分析物データを患者、ヘルスケア医療提供者またはヘルスケアマネージャに提供することを含むビジネスの方法である。一実施形態では、患者、ヘルスケア医療提供者またはヘルスケアマネージャに結論を提供することは、ネットワーク上でのデータの伝達を含む。
【0109】
したがって、
図8は、それを通して本発明に関するデータを精査または分析することを達成することができる代表的な論理デバイスの例を示すブロック図である。そのようなデータは、個体での疾患、障害または状態に関するものであってよい。
図8は、例えば結果を生成するための、スキャン検知システム824と一緒に使用する機器820に接続されたコンピューターシステム(または、デジタル式デバイス)800を示す。コンピューターシステム800は、媒体811および/またはやネットワークポート805からの指示を読むことができる論理機器と理解することができ、それは、固定媒体812を有するサーバー809と任意選択で接続されてもよい。
図8に示すシステムは、CPU801、ディスクドライブ803、任意選択の入力デバイス、例えばキーボード815および/またはマウス816、ならびに任意選択のモニター807を含む。データ通信は、指示された通信媒体を通してローカルのまたは離れた位置のサーバー809に対して達成することができる。通信媒体は、データを伝達および/または受信する任意の手段を含むことができる。通信媒体は、一時的でないコンピューター可読媒体を含むことができる。例えば、通信媒体は、ネットワーク接続、無線接続またはインターネット接続であってよい。そのような接続は、ワールドワイドウエブの上での通信を可能にすることができる。当事者822による受信および/または精査のために、そのようなネットワークまたは接続の上でデータを伝達することができることが想定される。受信する当事者822は、限定されずに、患者、ヘルスケア医療提供者またはヘルスケアマネージャであってよい。
【0110】
一実施形態では、コンピューター可読媒体は、環境または生物学的試料の分析の結果の伝達に適する媒体を含む。媒体は、対象の病態または状態に関する結果を含むことができ、そのような結果は本明細書に記載される方法を使用して導かれる。コンピューター可読媒体は、一時的でなくてもよい。
【0111】
データ分析:一部の実施形態では、スキャナ機器は、アレイの上の各位置の生の強度値ならびにバックグラウンド強度を生成する。試料中の分子の数を計算するために、多くの方法を使用することができる。例えば、アレイの上の対照位置の値をデータセットから除去し、散布図を生成してデータの画像を提供する。これは、生データからバックグラウンド強度を引き算しようがしまいが起こることができる。陽性スポットおよび陰性スポットを分類するために、閾値強度値を確立することができる。陽性スポットの全てを合計して、特異な確率的標識の総数を提供する。この過程は、Microsoft excelまたは別のコンピューターソフトウェアプログラムで自動化することができる。
【0112】
この戦略の代替手段は、k平均法クラスタリングなどのクラスタリングアルゴリズムの使用である。k平均法クラスタリングは、各観察が最も近い平均を有するクラスターに属するクラスターに全ての観察を分けることを目指す、クラスター分析の方法である。データは2つまたは3つのクラスター(またはそれ以上、これまで3クラスターが最もきれいな数を生成するようである)に分割することができ、カウント数を決定するためにデータポイントの数を追加することができる。
【0114】
本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、分子の確率的標識で使用することができる。そのような分子には、限定されずに、ポリヌクレオチドおよびポリペプチドが含まれる。本明細書で使用するように、用語「ポリヌクレオチド」および「核酸分子」は、リボヌクレオチド、デオキシリボヌクレオチド、ロック核酸(LNA)またはペプチド核酸(PNA)のいずれであれ、プリンおよびピリミジン塩基、または他の天然であるか、化学的もしくは生化学的に改変されたか、非天然であるか、誘導体化されたヌクレオチド塩基を含む、任意の長さのヌクレオチドのポリマー形を指す。「ポリヌクレオチド」または「核酸分子」は、単一のヌクレオチドまたは塩基対からなることができる。あるいは、「ポリヌクレオチド」または「核酸分子」は、2個以上のヌクレオチドまたは塩基対を含む。例えば、「ポリヌクレオチド」または「核酸分子」は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。別の例では、ポリヌクレオチドは、少なくとも約1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500または10000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。ポリヌクレオチドの骨格は、RNAまたはDNAで一般的に見出されるように糖およびリン酸基を、または改変もしくは置換された糖もしくはリン酸基を含むことができる。ポリヌクレオチドは、改変ヌクレオチド、例えばメチル化ヌクレオチドおよびヌクレオチド類似体を含むことができる。ヌクレオチド配列は、非ヌクレオチド構成成分によって割り込まれてもよい。したがって、用語ヌクレオシド、ヌクレオチド、デオキシヌクレオシドおよびデオキシヌクレオチドは、本明細書に記載のものなどの類似体を一般に含む。これらの類似体は、核酸またはオリゴヌクレオシド配列に組み込まれたときに、それらが溶液中の天然に存在する核酸配列とのハイブリダイゼーションを可能にするように、天然に存在するヌクレオシドまたはヌクレオチドと共通するいくつかの構造的特色を有する分子である。一般的に、これらの類似体は、塩基、リボースまたはホスホジエステル部分を交換および/または改変することにより、天然に存在するヌクレオシドおよびヌクレオチドから誘導される。所望によりハイブリッド形成を安定もしくは不安定にするか、相補核酸配列とのハイブリダイゼーションの特異性を増強するために、このような変化を調整することができる。一部の場合には、分子は、DNA、RNAまたはDNA−RNAハイブリッドである。分子は、一本鎖または二本鎖であってよい。一部の場合には、分子は、RNA分子、例えばmRNA、rRNA、tRNA、ncRNA、lncRNA、siRNAまたはmiRNAである。RNA分子は、ポリアデニル化されてもよい。あるいは、mRNA分子は、ポリアデニル化されない。あるいは、分子はDNA分子である。DNA分子は、ゲノムDNAであってもよい。DNA分子は、エクソン、イントロン、非翻訳領域またはその任意の組合せを含むことができる。
【0115】
一部の場合には、分子はポリペプチドである。本明細書で使用するように、用語「ポリペプチド」は、少なくとも1つのペプチドを含む分子を指す。一部の場合には、ポリペプチドは単一のペプチドからなる。あるいは、ポリペプチドは2個以上のペプチドを含む。例えば、ポリペプチドは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000個のペプチドを含む。ポリペプチドの例には、アミノ酸、タンパク質、ペプチド、ホルモン、オリゴ糖、脂質、糖脂質、リン脂質、抗体、酵素、キナーゼ、受容体、転写因子およびリガンドが含まれるが、これらに限定されない。
【0116】
本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、同一であるかほとんど同一の分子および/または異なる分子の個々の発生を確率的に標識するために使用することができる。一部の場合には、本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、同一であるかほとんど同一の分子を確率的に標識するために使用することができる(例えば、分子は同一であるかほとんど同一の配列を含む)。例えば、標識される分子は、少なくとも約80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を含む。ほとんど同一の分子は、約100、90、80、70、60、50、40、30、25、20、25、10、9、8、7、6、5、4、3、2または1未満の数のヌクレオチドまたは塩基対が異なっていてもよい。一部の場合には、標識される分子は互いに変異体である。例えば、標識される分子は、一塩基多型または他の型の突然変異を有することができる。別の例では、標識される分子は、スプライス変異体である。一部の場合には、少なくとも1つの分子は、確率的に標識される。他の場合には、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の同一であるかほとんど同一の分子が確率的に標識される。あるいは、少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000個の同一であるかほとんど同一の分子が確率的に標識される。他の場合には、少なくとも1500、2,000、2500、3,000、3500、4,000、4500、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000または10000個の同一であるかほとんど同一の分子が確率的に標識される。他の場合には、少なくとも15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000または100,000個の同一であるかほとんど同一の分子が確率的に標識される。
【0117】
他の場合には、本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、異なる分子を確率的に標識するために使用することができる。例えば、標識される分子は、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、5%、4%、3%、2%、1%未満の配列同一性を含む。異なる分子は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90、100またはそれ以上の数のヌクレオチドまたは塩基対が異なってよい。一部の場合には、少なくとも1つの分子は確率的に標識される。他の場合には、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9または10個の異なる分子が確率的に標識される。あるいは、少なくとも20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000個の異なる分子が確率的に標識される。他の場合には、少なくとも1500、2,000、2500、3,000、3500、4,000、4500、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000または10000個の異なる分子が確率的に標識される。他の場合には、少なくとも15,000、20,000、25,000、30,000、35,000、40,000、45,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000または100,000個の異なる分子が確率的に標識される。
【0118】
標識される異なる分子は、異なる濃度または量で試料中に存在することができる。例えば、1つの分子の濃度または量は、試料中の別の分子の濃度または量より大きい。一部の場合には、試料中の少なくとも1つの分子の濃度または量は、試料中の少なくとも1つの他の分子の濃度または量より少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90または100以上の倍数大きい。別の例では、1つの分子の濃度または量は、試料中の別の分子の濃度または量より小さい。試料中の少なくとも1つの分子の濃度または量は、試料中の少なくとも1つの他の分子の濃度または量より少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90または100以上の倍数小さい。
【0119】
一部の場合には、標識される分子は1つまたは複数の試料中にある。標識される分子は、2個以上の試料中にあってよい。2個以上の試料は、標識される分子の異なる量または濃度を含有することができる。一部の場合には、1つの試料中の1つの分子の濃度または量は、異なる試料中の同じ分子の濃度または量より大きくてもよい。例えば、血液試料は尿試料より高い量の特定の分子を含有してもよい。あるいは、単一の試料は2個以上のサブサンプルに分割される。サブサンプルは、同じ分子の異なる量または濃度を含有することができる。1つの試料中の少なくとも1つの分子の濃度または量は、別の試料中の同じ分子の濃度または量より少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90または100以上の倍数大きくてもよい。あるいは、1つの試料中の1つの分子の濃度または量は、異なる試料中の同じ分子の濃度または量未満であってもよい。例えば、心臓組織試料は、肺組織試料より高い量の特定の分子を含有してもよい。1つの試料中の少なくとも1つの分子の濃度または量は、別の試料中の同じ分子の濃度または量より少なくとも約1.5、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90または100以上の倍数小さくてもよい。一部の場合には、2つ以上の異なる試料中の分子の異なる濃度または量は、試料偏りと呼ばれる。
【0121】
一部の実施形態では、本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、複数のオリゴヌクレオチドタグを含む。オリゴヌクレオチドタグは、標的特異的領域、一意識別子領域、アダプター領域、汎用プライマー結合部位領域またはその任意の組合せを含むことができる。
図10〜13は、例示的なオリゴヌクレオチドタグを表す。
【0122】
図10に示すように、オリゴヌクレオチドタグ(1004)は、汎用プライマー結合部位(1001)、一意識別子領域(1002)および標的特異的領域(1003)を含むことができる。
【0123】
図11Aに示すように、オリゴヌクレオチドタグ(1107)は、汎用プライマー結合部位(1102)、一意識別子領域(1103)および標的特異的領域(1105)を含むことができる。汎用プライマー結合部位(1102)は、
図11Aで「
*」によって表されるように、ホスホロチオネート連結を含むことができる。
図11Bに示すように、オリゴヌクレオチドタグ(1128)は、汎用プライマー結合部位(1122)、一意識別子領域(1123)、橋スプリント(1129)および標的特異的領域(1126)を含むことができる。
図11Cに示すように、オリゴヌクレオチドタグ(1158)は、汎用プライマー結合部位(1151)、一意識別子領域(1152)、ライゲーション配列(1153)および標的特異的配列(1157)を含むことができる。
図11Dに示すように、オリゴヌクレオチドタグ(1177)は、汎用プライマー結合部位(1171)、一意識別子領域(1172)、ライゲーション配列(1173)およびDNA標的特異的配列(1178)を含むことができる。
【0124】
図12Aに示すように、オリゴヌクレオチドタグ(1201)は、汎用プライマー結合部位(1202)、縮重配列(1203)を含む一意識別子領域および標的特異的領域(1204)を含むことができる。
図12Bに示すように、オリゴヌクレオチドタグ(1210)は、汎用プライマー結合部位(1211)、2つの隣接配列(1212および1214)が両端に隣接する縮重配列(1213)を含む一意識別子領域(1215)、および標的特異的領域(1216)を含むことができる。
【0125】
オリゴヌクレオチドタグは、1つまたは複数の二次構造を含むことができる。
図13Aに示すように、オリゴヌクレオチドタグ(1301)はヘアピン構造を含む。オリゴヌクレオチドタグ(1301)は、標的特異的領域(1302)、開裂可能なステム(1303、1304)および一意識別子領域(1305)を含むことができる。
【0126】
オリゴヌクレオチドタグは、複数の異なる標的分子とハイブリダイズすることができる、標的特異的領域を含むことができる。例えば、
図13Bに示すように、オリゴヌクレオチドタグ(1310)は、汎用プライマー結合部位(1311)、一意識別子領域(1312)および汎用標的特異的領域(1313)を含む。汎用標的特異的領域(1313)は、ポリAまたはポリU配列を含む標的分子とのハイブリダイゼーションを可能にするオリゴdT配列を含むことができる。
【0127】
複数のオリゴヌクレオチドタグを合成する方法を、
図10に表す。
図10に示すように、オリゴヌクレオチドタグ(1004)は別々に合成することができる。オリゴヌクレオチドタグ(1004)は、汎用プライマー結合部位(1001)、一意識別子領域(1002)および標的特異的領域を含むことができる。複数の異なる一意識別子領域を含む複数のオリゴヌクレオチドタグ(1005)を生成するために、個々のオリゴヌクレオチドタグはプールされてもよい。
【0128】
複数のオリゴヌクレオチドタグを合成する方法を、
図11Aに表す。
図11Aに示すように、オリゴヌクレオチド断片(1101)を、別々に合成することができる。オリゴヌクレオチド断片(1101)は、汎用プライマー結合部位(1102)および一意識別子領域(1103)を含むことができる。汎用プライマー結合部位(1102)は、
図11Aで「
*」によって表されるように、ホスホロチオネート連結を含むことができる。
図11Aのステップ1に示すように、複数のオリゴヌクレオチド断片(1104)を生成するために、個々のオリゴヌクレオチド断片(1101)を混合してもよい。複数のオリゴヌクレオチド断片(1104)は、標的特異的領域(1105)に付着させることができる。
図11Aのステップ2に示すように、標的特異的領域(1105)を含むオリゴヌクレオチドタグを生成するために、標的特異的領域をオリゴヌクレオチドタグにライゲーションさせることができる。ライゲーションしていない生成物(1105、1101)を除去するために、5’および3’エキソヌクレアーゼを反応に加えることができる。汎用プライマー結合部位(1102)、一意識別子領域(1103)および標的特異的領域(1105)を含むオリゴヌクレオチドタグ(1106)は、5’および3’エキソヌクレアーゼに抵抗性であってよい。
図11Aのステップ3に示すように、3’リン酸基のないオリゴヌクレオチドタグ(1107)を生成するために、ライゲーションされたオリゴヌクレオチドタグ(1106)から3’リン酸基を除去することができる。3’リン酸基は、酵素によって除去することができる。例えば、3’リン酸基を除去するために、T4ポリヌクレオチドキナーゼを使用してもよい。
【0129】
オリゴヌクレオチドタグを合成する別の方法を、
図11Bに表す。
図11Bに示すように、2つのオリゴヌクレオチド断片(1121および1127)をライゲーションすることによって、オリゴヌクレオチドタグ(1128)を合成することができる。1つのオリゴヌクレオチド断片(1121)は、汎用プライマー結合部位(1122)、一意識別子領域(1123)および左スプリント(1123)を含むことができる。他のオリゴヌクレオチド断片(1128)は、右スプリント(1125)および標的特異的領域(1126)を含むことができる。オリゴヌクレオチドタグ(1128)を生成するために2つのオリゴヌクレオチド断片(1121および1127)を連結するために、リガーゼ(例えば、T4 DNAリガーゼ)を使用することができる。左スプリント(1124)および右スプリント(1125)の二本鎖ライゲーションは、橋スプリント(1129)を有するオリゴヌクレオチドタグ(1128)を生成することができる。
【0130】
2つのオリゴヌクレオチド断片をライゲーションすることによってオリゴヌクレオチドタグを合成する代替方法を、
図11Cに表す。
図11Cに示すように、2つのオリゴヌクレオチド断片(1150および1158)をライゲーションすることによって、オリゴヌクレオチドタグ(1158)が合成される。1つのオリゴヌクレオチド断片(1150)は、汎用プライマー結合部位(1151)、一意識別子領域(1152)およびライゲーション配列(1153)を含むことができる。他のオリゴヌクレオチド断片(1158)は、第1のオリゴヌクレオチド断片(1150)のライゲーション配列(1153)に相補的であるライゲーション配列(1154)、標的特異的領域(1155)の相補配列、および標識(1156)を含むことができる。オリゴヌクレオチド断片(1159)は、オリゴヌクレオチド断片の伸長を防止する3’リン酸を含むこともできる。
図11Cのステップ1に示すように、2つのオリゴヌクレオチド断片のライゲーション配列(1153および1154)はアニールすることができ、オリゴヌクレオチドタグ(1158)を生成するために第1のオリゴヌクレオチド断片(1150)の3’末端を伸長させるために、ポリメラーゼを使用することができる。オリゴヌクレオチドタグ(1158)は、汎用プライマー結合部位(1151)、一意識別子領域(1152)、ライゲーション配列(1153)および標的特異的配列(1157)を含むことができる。オリゴヌクレオチドタグ(1158)の標的特異的配列(1157)は、第2のオリゴヌクレオチド断片(1159)の標的特異的領域(1155)の相補配列の相補配列であってよい。標識(1156)を含むオリゴヌクレオチド断片は、オリゴヌクレオチドタグ(1158)から除去することができる。例えば、標識(1156)はビオチンを含むことができ、ビオチン標識(1156)を含むオリゴヌクレオチド断片(1159)は、ストレプトアビジン捕捉を通して除去することができる。別の例では、標識(1156)は5’リン酸を含むことができ、5’リン酸(1156)を含むオリゴヌクレオチド断片(1159)は、エキソヌクレアーゼ(例えば、ラムダエキソヌクレアーゼ)を通して除去することができる。
【0131】
図11Dに表すように、汎用プライマー結合部位(1171)、一意識別子領域(1172)、第1のライゲーション配列(1173)を含む第1のオリゴヌクレオチド断片(1170)は、第2のライゲーション配列(1174)および標的配列(1175)のRNA相補配列を含む第2のオリゴヌクレオチド断片(1176)にアニールされる。ステップ1は、第1および第2のライゲーション配列(1173および1174)をアニーリングし、続いて標的配列(1175)のRNA相補配列の逆転写を実施して、汎用プライマー結合部位(1171)、一意識別子領域(1172)、第1のライゲーション配列(1173)および標的特異的領域(1178)を含むオリゴヌクレオチドタグ(1177)を生成することを含むことができる。標的配列のRNA相補配列を含むオリゴヌクレオチド断片は、RNアーゼ処理によって選択的に分解することができる。
【0132】
オリゴヌクレオチドタグは、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含むことができる。別の例では、オリゴヌクレオチドタグは、少なくとも約1500、2,000、2500、3,000、3500、4,000、4500、5,000、5500、6,000、6500、7,000、7500、8,000、8500、9,000、9500または10,000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。
【0133】
タグは、六量体、例えばランダム六量体であってよい。タグは、モノヌクレオチドのセットからランダムに生成されてもよい。モノヌクレオチドをランダムに組み込むことによって、タグを組み立ててもよい。
【0134】
ランダムに生成されないが、本方法を実施するために十分な数の異なるタグを含む異なるタグのライブラリーを生成するために、タグをランダムでなしに組み立てることもできる。
【0135】
一部の実施形態では、オリゴヌクレオチドタグは標的分子のカットバックを含むことができる。カットバックは、例えば、標的分子の1つまたは両方の末端の酵素消化であってよい。カットバックは、付加オリゴヌクレオチドタグの追加と併用することができる。カットバックおよび付加タグの組合せは、特定の出発分子に関連する情報を含有することができる。ランダムなカットバックをタグに加えることによって、検出がランダムなカットバックおよび付加オリゴヌクレオチドの両方の判定を可能にする場合に、標的分子の数を計数するために付加タグのより狭い多様性が必要であり得る。
【0136】
オリゴヌクレオチドタグは、標的特異的領域を含むことができる。標的特異的領域は、分子に相補的である配列を含むことができる。一部の場合には、分子はmRNA分子であり、標的特異的領域は、mRNA分子のポリAテールに相補的であるオリゴdT配列を含む。標的特異的領域は、DNAおよび/またはRNA合成のためのプライマーとして作用することもできる。例えば、標的特異的領域のオリゴdT配列は、mRNA分子のcDNAコピーの第1鎖の合成のためのプライマーとして作用することができる。あるいは、標的特異的領域は、分子の任意の部分に相補的である配列を含む。他の場合には、標的特異的領域は、分子とハイブリダイズまたはライゲーションさせることができるランダム配列を含む。標的特異的領域は、分子へのオリゴヌクレオチドタグの付着を可能にすることができる。オリゴヌクレオチドタグの付着は、本明細書に開示される方法(例えば、ハイブリダイゼーション、ライゲーション)のいずれかで起こすことができる。一部の場合には、標的特異的領域は、1つまたは複数の制限酵素によって認識される配列を含む。標的特異的領域は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含むことができる。別の例では、標的特異的領域は、少なくとも約1500、2000、2500、3000、3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500または10000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。好ましくは、標的特異的領域は、少なくとも約5〜10、10〜15、10〜20、10〜30、15〜30または20〜30個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。
【0137】
一部の場合には、標的特異的領域は、特定の遺伝子または遺伝子生成物に特異的である。例えば、標的特異的領域は、p53遺伝子または遺伝子生成物の領域に相補的な配列を含む。したがって、オリゴヌクレオチドタグは、p53特異的配列を含む分子に付着することができるだけである。あるいは、標的特異的領域は、複数の異なる遺伝子または遺伝子生成物に特異的である。例えば、標的特異的領域は、オリゴdT配列を含む。したがって、オリゴヌクレオチドタグは、ポリA配列を含む任意の分子に付着することができる。別の例では、標的特異的領域は、複数の異なる遺伝子または遺伝子生成物に相補的であるランダム配列を含む。したがって、オリゴヌクレオチドタグは、標的特異的領域に相補的である配列を有する任意の分子に付着することができる。他の場合には、標的特異的領域は、制限部位オーバーハング(例えば、EcoRI粘着末端オーバーハング)を含む。オリゴヌクレオチドタグは、制限部位オーバーハングに相補的な配列を含む任意の分子にライゲーションすることができる。
【0138】
本明細書に開示されるオリゴヌクレオチドタグは、一意識別子領域をしばしば含む。一意識別子領域は、標的種の発生を特異に特定し、それによって、さもなければ同一であるかほとんど同一の2つの標的を識別するために使用することができる識別子で各種に印を付けるために使用することができる。複数のオリゴヌクレオチドタグの一意識別子領域は、異なる半導体ナノクリスタル、金属化合物、ペプチド、オリゴヌクレオチド、抗体、小分子、同位体、異なる形状、色、バーコードもしくはそれに関連するかその中に埋め込まれる回折パターンを有する粒子または構造、数のストリング、タンパク質もしくは核酸のランダムな断片、異なる同位体、またはその任意の組合せの集合を含むことができる。一意識別子領域は、縮重配列を含むことができる。一意識別子領域は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含むことができる。別の例では、一意識別子領域は、少なくとも約1500、2,000、2500、3,000、3500、4,000、4500、5,000、5500、6,000、6500、7,000、7500、8,000、8500、9,000、9500または10,000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。好ましくは、一意識別子領域は、少なくとも約10〜30、15〜40または20〜50個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。
【0139】
一部の場合には、オリゴヌクレオチドタグは汎用プライマー結合部位を含む。汎用プライマー結合部位は、標識分子および/または標識アンプリコンへの汎用プライマーの付着を可能にする。汎用プライマーは当技術分野で周知であり、例には、限定されずに、−47F(M13F)、アルファMF、AOX3’、AOX5’、BGH_r、CMV_−30、CMV_−50、CVM_f、LACrmt、lamgda gt 10F、ラムダgt 10R、ラムダgt 11F、ラムダgt 11R、M13rev、M13Forward(−20)、M13Reverse、male、p10SEQP_pQE、pA_−120、pet_4、pGAP Forward、pGL_RVpr3、pGLpr2_R、pKLAC1_4、pQE_FS、pQE_RS、puc_U1、puc_U2、revers_A、seq_IRES_tam、seq_IRES_zpet、seq_ori、seq_PCR、seq_pIRES−、seq_pIRES+、seq_pSecTag、seq_pSecTag+、seq_retro+PSI、SP6、T3−prom、T7−promおよびT7−term_Invが含まれる。汎用プライマー結合部位への汎用プライマーの付着は、標識分子および/または標識アンプリコンの増幅、検出および/または配列決定のために使用することができる。汎用プライマー結合部位は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000個のヌクレオチドまたは塩基対を含むことができる。別の例では、汎用プライマー結合部位は、少なくとも約1500、2,000、2500、3,000、3500、4,000、4500、5,000、5500、6,000、6500、7,000、7500、8,000、8500、9,000、9500または10,000個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。好ましくは、汎用プライマー結合部位は、10〜30個のヌクレオチドまたは塩基対を含む。
【0140】
オリゴヌクレオチドタグは、アダプター領域を含むことができる。アダプター領域は、1つまたは複数のプローブのハイブリダイゼーションを可能にすることができる。アダプター領域は、1つまたは複数のHCRプローブのハイブリダイゼーションを可能にすることができる。
【0141】
オリゴヌクレオチドタグは、1つまたは複数の標識を含むことができる。
【0142】
オリゴヌクレオチドタグは、ハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)のための開始剤として作用することができる。オリゴヌクレオチドタグのアダプター領域は、HCRのための開始剤として作用することができる。汎用プライマー結合部位は、HCRのための開始剤として作用することができる。
【0143】
一部の場合には、オリゴヌクレオチドタグは一本鎖である。他の場合には、オリゴヌクレオチドタグは二本鎖である。オリゴヌクレオチドタグは線状であってよい。あるいは、オリゴヌクレオチドタグは二次構造を有する。本明細書で使用するように、「二次構造」には、三次、四次などの構造が含まれる。一部の場合には、二次構造は、ヘアピン、ステム−ループ構造、内部ループ、バルジループ、分枝構造もしくは疑似ノット、多重ステムループ構造、クローバー型構造または任意の三次元構造である。一部の場合には、二次構造はヘアピンである。ヘアピンは、オーバーハング配列を含むことができる。ヘアピンのオーバーハング配列は、ポリメラーゼ連鎖反応および/または逆転写反応のためのプライマーとして作用することができる。オーバーハング配列は、オリゴヌクレオチドタグが付着する分子に相補的である配列を含み、オーバーハング配列は分子とハイブリダイズする。オーバーハング配列は分子にライゲーションさせることができ、ポリメラーゼ連鎖反応および/または逆転写反応のための鋳型として作用する。一部の実施形態では、タグは、核酸および/または合成核酸および/または改変核酸を含む。
【0144】
ヘアピンを含むオリゴヌクレオチドタグは、ハイブリダイゼーション連鎖反応のためのプローブとして作用することができる。さらに、本明細書では、確率的標識に基づくハイブリダイゼーション連鎖反応(HCR)方法であって、1つまたは複数の核酸分子をオリゴヌクレオチドタグで確率的に標識するステップを含み、オリゴヌクレオチドタグはヘアピンであり、1つまたは複数の核酸分子はハイブリダイゼーション連鎖反応のための開始剤として作用する方法が開示される。確率的標識に基づくハイブリダイゼーション反応の概略図を、
図34に表す。
図34に示すように、1つまたは複数の核酸分子(3480)は、ハイブリダイゼーション連鎖反応を開始することによって複数のヘアピンオリゴヌクレオチドタグ(3490)で確率的に標識される。ヘアピンオリゴヌクレオチドタグは、1つまたは複数の標識(3410、3470)、オーバーハング(3420、3420’)、ステム(3430、3460)およびループ(3450)を含むことができる。ヘアピンオリゴヌクレオチドタグ(3490)のオーバーハング領域(3420)は、標的特異的領域を含むことができる。オーバーハング領域(3420)は、オリゴdT配列を含むことができる。1つまたは複数の核酸分子を含む試料は、確率的標識の前に1つまたは複数の制限ヌクレアーゼで処理されてもよい。オーバーハング領域(3420)は、制限酵素認識配列を含むことができる。アダプター−核酸分子ハイブリッドを生成するために、確率的標識の前に1つまたは複数の核酸分子を含む試料を1つまたは複数のアダプターと接触させることができる。オーバーハング領域(3420)およびステム(3430)は、1つまたは複数のアダプターに相補的であってよい。オリゴヌクレオチドタグのループ(3450)は、一意識別子領域を含むことができる。第1のヘアピンオリゴヌクレオチドタグ(3490)と核酸分子(3480)とのハイブリダイゼーションは標識分子(3415)の形成をもたらすことができ、そこにおいて、第1のヘアピンオリゴヌクレオチドタグは線形化されて第1の線形化オリゴヌクレオチドタグを生成する。標識分子(3415)の第1の線形化オリゴヌクレオチドタグは、第2のヘアピンオリゴヌクレオチドタグと標識分子(3415)とのハイブリダイゼーションのための開始剤として作用して、2つの線形化オリゴヌクレオチドタグ(3425)を有する標識分子を生成することができる。第2の線形化オリゴヌクレオチドタグは、別のハイブリダイゼーション反応のための開始剤として作用することができる。複数の線形化HCRプローブ(3435)を有する標識分子を生成するために、この過程を複数回反復することができる。HCRプローブ上の標識(3410、3470)は、標識分子の検出を可能にすることができる。標識(3410、3470)は、任意の種類の標識(例えば、蛍光団、発色団、小分子、ナノ粒子、ハプテン、酵素、抗体、磁石)であってよい。標識(3360および3390)は、単一の標識の断片を含むことができる。標識(3410、3470)は、それらが近接しているとき、検出可能なシグナルを生成することができる。オリゴヌクレオチドタグがヘアピンである場合は、標識(3360および3390)は、検出可能なシグナルを生成することができないほど遠く離れていてもよい。ヘアピンオリゴヌクレオチドタグが線形化され、複数の線形化ヘアピンオリゴヌクレオチドタグが一緒にハイブリダイズする場合は、標識(3410、3470)は検出可能なシグナルを生成するのに十分に近接してもよい。例えば、ヘアピンオリゴヌクレオチドタグ(3350)は、標識(3410、3470)として2つのピレン部分を含むことができる。あるいは、標識はナノ粒子であってもよい。確率的標識に基づくHCRは標識分子への複数のヘアピンオリゴヌクレオチドタグの付着を可能にすることができ、それはシグナル増幅をもたらすことができる。確率的標識に基づくHCRは、核酸分子の検出、分析および/または定量の感度を増加させることができる。確率的標識に基づくHCRは、1つまたは複数の核酸分子の検出、分析および/または定量の正確度を増加させることができる。
【0145】
一部の場合には、複数のオリゴヌクレオチドタグは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100個の異なるオリゴヌクレオチドタグを含む。他の場合には、複数のオリゴヌクレオチドタグは、少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1,000、2,000、3,000、4,000、5,000、6,000、7,000、8,000、9,000または10000個の異なるオリゴヌクレオチドタグを含む。あるいは、複数のオリゴヌクレオチドタグは、少なくとも約20,000、30,000、40,000、50,000、60,000、70,000、80,000、90,000または100,000個の異なるオリゴヌクレオチドタグを含む。
【0146】
複数のオリゴヌクレオチドタグにおけるオリゴヌクレオチドタグの数は、標識する分子の数をしばしば上回る。一部の場合には、複数のオリゴヌクレオチドタグにおけるオリゴヌクレオチドタグの数は、標識する分子の数より少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90または100の倍数大きい。
【0147】
複数のオリゴヌクレオチドタグにおける異なるオリゴヌクレオチドタグの数は、標識する異なる分子の数をしばしば上回る。一部の場合には、複数のオリゴヌクレオチドタグにおける異なるオリゴヌクレオチドタグの数は、標識する異なる分子の数より少なくとも約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90または100の倍数大きい。
【0148】
一部の場合には、分子の確率的標識は複数のオリゴヌクレオチドタグを含み、そこにおいて、複数のオリゴヌクレオチドタグにおける異なるオリゴヌクレオチドタグの濃度は同じである。このような場合には、複数のオリゴヌクレオチドタグは、各異なるオリゴヌクレオチドタグの同数を含む。さらに、複数のオリゴヌクレオチドにおける異なるオリゴヌクレオチドタグの相対比は、1:1:1・・・1である。
【0149】
一部の場合には、分子の確率的標識は複数のオリゴヌクレオチドタグを含み、そこにおいて、複数のオリゴヌクレオチドタグにおける異なるオリゴヌクレオチドタグの濃度は異なる。このような場合には、複数のオリゴヌクレオチドタグは、各異なるオリゴヌクレオチドタグの異なる数を含む。さらに、複数のオリゴヌクレオチドにおける異なるオリゴヌクレオチドタグの相対比は、1:1:1・・・1でない。一部の場合には、一部のオリゴヌクレオチドタグは、複数のオリゴヌクレオチドタグにおける他のオリゴヌクレオチドタグより高い濃度で存在する。一部の場合には、異なる濃度のオリゴヌクレオチドタグによる確率的標識は、使用する異なる標識の数を増加させることなく、試料測定ダイナミックレンジを拡張する。例えば、全て等しい濃度の10個の異なるオリゴヌクレオチドタグで3つの核酸試料分子を確率的に標識するとしよう。3つの異なる標識が観察されると予想される。今、3つの核酸分子ではなく、30個の核酸分子とすると、10個全ての標識が観察されると予想される。対照的に、なお10個の異なる確率的標識を使用し、標識の相対比を1:2:3:4・・・10に変化させるならば、3つの核酸分子では1〜3個の標識が観察されると予想されるが、30個の分子ではおよそ5個の標識だけが観察されると予想され、したがって同数の確率的標識での測定範囲を拡張する。
【0150】
複数のオリゴヌクレオチドタグにおける異なるオリゴヌクレオチドタグの相対比は1:Xであってよく、そこで、Xは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100である。あるいは、複数のオリゴヌクレオチドタグにおける「n」個の異なるオリゴヌクレオチドタグの相対比は1:A:B:C:・・・Z
nであり、そこで、A:B:C:・・・Z
nは少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100である。
【0151】
一部の場合には、複数のオリゴヌクレオチドタグにおける2つ以上の異なるオリゴヌクレオチドタグの濃度は同じである。「n」個の異なるオリゴヌクレオチドタグについては、少なくとも2、3、4・・・n個の異なるオリゴヌクレオチドタグの濃度は同じである。あるいは、複数のオリゴヌクレオチドタグにおける2つ以上の異なるオリゴヌクレオチドタグの濃度は異なる。「n」個の異なるオリゴヌクレオチドタグについては、少なくとも2、3、4・・・n個の異なるオリゴヌクレオチドタグの濃度は異なる。一部の場合には、「n」個の異なるオリゴヌクレオチドタグについては、少なくとも2、3、4・・・n個の異なるオリゴヌクレオチドタグの濃度の差は、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.25、1.5、1.75、2、2.25、2.5、2.75、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900または1000倍である。
【0152】
一部の場合には、複数のオリゴヌクレオチドタグにおける異なるオリゴヌクレオチドタグの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または100%は、同じ濃度を有する。あるいは、複数のオリゴヌクレオチドタグにおける異なるオリゴヌクレオチドタグの少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、97%、または100%は、異なる濃度を有する。
【0153】
オリゴヌクレオチドタグの二量体化を最小にするために、オリゴヌクレオチドタグの配列を最適化することができる。
図15は、オリゴヌクレオチドタグ配列が最適化されないときのオリゴヌクレオチドタグ二量体の形成を表す。
図15に示すように、オリゴヌクレオチドタグ配列が最適化されない場合は、汎用プライマー結合部位(1501)、第1の一意識別子領域(1502)および第1の標的特異的領域(1503)を含む第1のオリゴヌクレオチドタグ(1507)は、汎用プライマー結合部位(1501)、第2の一意識別子領域(1504)および第2の標的特異的領域(1505)を含む第2のオリゴヌクレオチドタグ(1508)にアニールすることができる。オリゴヌクレオチドタグ二量体を増幅させ、アンプリコンの各末端の2つの汎用プライマー結合部位、および標的特異的領域および一意識別子領域を含むアンプリコン(1506)の形成をもたらすことができる。オリゴヌクレオチドタグの濃度はDNA鋳型の数よりはるかに大きいので、これらのオリゴヌクレオチドタグ二量体は、増幅反応で標識DNA分子を凌ぐことができる。増幅されないDNAは偽陰性につながり、増幅されたオリゴヌクレオチドタグ二量体は高い偽陽性につながる。したがって、オリゴヌクレオチドタグ二量体形成を最小にするために、オリゴヌクレオチドタグを最適化することができる。あるいは、二量体化するオリゴヌクレオチドタグは廃棄され、それによってオリゴヌクレオチドタグ二量体形成が除去される。
【0154】
あるいは、
図16に表すように、1つまたは複数の改変をオリゴヌクレオチドタグ配列に組み込むことによって、オリゴヌクレオチドタグ二量体形成を除去または低減することができる。
図16に示すように、汎用プライマー結合部位(1611)、一意識別子領域(1612)ならびにウラシルおよび3’リン酸基を含む標的特異的領域(1613)を含むオリゴヌクレオチドタグ(1610)は、標的分子(1616)にアニールされる。標的分子(1616)は、制限エンドヌクレアーゼで消化された断片であってよい。制限エンドヌクレアーゼは、
図16に表される認識部位を認識することができる。PCR増幅は、1つまたは複数のフォワードプライマー(1618および1618)および1つまたは複数のリバースプライマー(1614および1615)を含むことができる。PCR増幅は、オリゴヌクレオチドタグの汎用プライマー結合部位(1611)に特異的なフォワードプライマー(1618)、およびオリゴヌクレオチドタグの標的特異的領域(1613)に特異的なフォワードプライマー(1617)、および標的分子に特異的なリバースプライマー(1614および1615)によるネステッドPCRを含むことができる。標的分子は、1つまたは複数のウラシルを含む鋳型を増幅することができないPfu DNAポリメラーゼを使用して増幅させることができる。したがって、いかなる二量体化オリゴヌクレオチドタグも、Pfu DNAポリメラーゼによって増幅させることができない。
【0156】
本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、検出可能な標識をさらに含むことができる。用語「検出可能な標識」または「標識」は互換的に使用することができ、ヌクレオチド、ヌクレオチドポリマーまたは核酸結合因子に付着する任意の化学部分を指し、そこで、付着とは共有結合または非共有結合であってよい。好ましくは、標識は検出可能であり、ヌクレオチドまたはヌクレオチドポリマーを本発明の実施者に検出可能にする。本明細書に開示される方法と組み合わせて使用することができる検出可能な標識には、例えば、蛍光標識、化学発光標識、失活剤、放射性標識、ビオチン、ピレン部分、金またはその組合せが含まれる。検出可能な標識の非限定例には、発光性分子、蛍光色素、蛍光失活剤、着色分子、放射性同位体またはシンチラントが含まれる。
【0157】
一部の場合には、本明細書に開示される方法は、1つまたは複数の検出可能な標識を標識分子またはその任意の生成物(例えば、標識アンプリコン)に付着させることをさらに含む。本方法は、2個以上の検出可能な標識を標識分子に付着させることを含むことができる。あるいは、本方法は、少なくとも約3、4、5、6、7、8、9または10個の検出可能な標識を標識分子に付着させることを含む。一部の場合には、検出可能な標識は、Cy(商標)標識である。Cy(商標)標識は、Cy3標識である。あるいは、またはさらに、検出可能な標識はビオチンである。一部の実施形態では、検出可能な標識は、分子または標識分子に結合するプローブに付着される。これは、例えば、分子または標識分子がアレイとハイブリダイズした後に起こることができる。1つの例では、分子はアレイの上のパートナーに結合される。結合の後、分子に結合することができるプローブは、アレイの上の分子に結合する。シグナルがアレイへの標識の非特異的結合または分子の非特異的結合の結果であるという可能性を減少させるために、この過程を複数のプローブおよび標識で繰り返すことができる。
【0158】
一部の場合には、ドナーアクセプター対を検出可能な標識として使用することができる。ドナーまたはアクセプターのいずれかを、核酸に結合するプローブに付着させることができる。例えば、プローブは、分子または標識分子に結合することができる核酸プローブであってよい。シグナルを引き起こすために、対応するドナーまたはアクセプターを加えることができる。
【0159】
一部の場合には、検出可能な標識は、Freedom色素、Alexa Fluor(登録商標)色素、Cy(商標)色素、フルオレセイン色素またはLIーCOR IRDyes(登録商標)である。一部の場合には、Freedom色素は、フルオレセイン(6−FAM(商標)、6−カルボキシフルオレセイン)、MAX(NHS Ester)、TYE(商標)563、TEX615、TYE(商標)665、TYE705である。検出可能な標識は、Alexa Fluor色素であってよい。Alexa Fluor(登録商標)色素の例には、Alexa Fluor(登録商標)488(NHS Ester)、Alexa Fluor(登録商標)532(NHS Ester)、Alexa Fluor(登録商標)546(NHS Ester)、Alexa Fluor(登録商標)594(NHS Ester)、Alexa Fluor(登録商標)647(NHS Ester)、Alexa Fluor(登録商標)660(NHS Ester)またはAlexa Fluor(登録商標)750(NHS Ester)が含まれる。あるいは、検出可能な標識は、Cy(商標)色素である。Cy(商標)色素の例には、Cy2、Cy3、Cy3B、Cy3.5、Cy5、Cy5.5およびCy7が含まれるが、これらに限定されない。一部の場合には、検出可能な標識は、フルオレセイン色素である。フルオレセイン色素の非限定例には、6−FAM(商標)(Azide)、6−FAM(商標)(NHS Ester)、フルオレセインdT、JOE(NHS Ester)、TET(商標)およびHEX(商標)が含まれる。一部の場合には、検出可能な標識は、LI−COR IRDyes(登録商標)、例えば5’IRDye(登録商標)700、5’IRDye(登録商標)800またはIRDye(登録商標)800CW(NHS Ester)である。一部の場合には、検出可能な標識は、TYE(商標)563である。あるいは、検出可能な標識は、Cy3である。
【0160】
検出可能な標識は、Rhodamine色素であってもよい。ローダミン色素の例には、Rhodamine Green(商標)−X(NHS Ester)、TAMRA(商標)、TAMRA(商標)(NHS Ester)、Rhodamine Red(商標)−X(NHS Ester)、ROX(商標)(NHS Ester)、および5’TAMRA(商標)(Azide)が含まれるが、これらに限定されない。他の場合には、検出可能な標識は、WellRED色素である。WellRED色素には、WellRED D4色素、WellRED D3色素およびWellRED D2色素が含まれるが、これらに限定されない。一部の場合には、検出可能な標識は、Texas Red(登録商標)−X(NHS Ester)、Lightcycler(登録商標)640(NHS Ester)またはDy 750(NHS Ester)である。
【0161】
一部の場合には、検出可能な標識には、リンカー分子が含まれる。リンカー分子の例には、ビオチン、アビジン、ストレプトアビジン、HRP、プロテインA、プロテインG、抗体またはその断片、Grb2、ポリヒスチジン、Ni
2+、FLAGタグ、mycタグが含まれるが、これらに限定されない。あるいは、検出可能な標識には、重金属、電子供与体/アクセプター、アクリジニウムエステル、色素および熱量測定基質が含まれる。他の場合には、検出可能な標識には、アルカリ性ホスファターゼ、ペルオキシダーゼおよびルシフェラーゼなどの酵素が含まれる。
【0162】
表面プラズモン共鳴検出の場合のように、質量の変化は検出可能な標識と見なすことができる。当業者は、本発明の運用で使用することができる、本明細書で指摘されない有益で検出可能な標識を容易に認識する。
【0163】
一部の場合には、検出可能な標識はプライマーで使用される。例えば、汎用プライマーは、検出可能な標識で標識される(例えば、Cy3標識汎用プライマー、蛍光団標識汎用プライマー)。あるいは、標的特異的プライマーは検出可能な標識で標識される(例えば、TYE563標識標的特異的プライマー)。他の場合には、検出可能な標識は、オリゴヌクレオチドタグで使用される。例えば、オリゴヌクレオチドタグは検出可能な標識で標識される(例えば、ビオチン標識オリゴヌクレオチドタグ)。他の場合には、検出可能な標識は、核酸鋳型分子で使用される。検出可能な標識は、標識分子または標識アンプリコンを検出するために使用することができる。あるいは、検出可能な標識は、核酸鋳型分子を検出するために使用される。
【0164】
一部の場合には、検出可能な標識は、プライマー、オリゴヌクレオチドタグ、標識分子、標識アンプリコン、プローブ、HCRプローブおよび/または非標識分子に付着させる。検出可能な標識をプライマー、オリゴヌクレオチドタグ、標識分子、標識アンプリコンおよび/または非標識分子に付着させる方法には、化学標識および酵素標識が含まれるが、これらに限定されない。一部の場合には、検出可能な標識は、化学標識によって付着させる。一部の実施形態では、化学標識技術は、化学的反応性の基を含む。反応性の基の非限定例には、NHS−フルオレセインまたはNHS−ローダミンなどのアミン反応性スクシンイミジルエステル、FITCを含むアミン反応性イソチオシアネート誘導体、およびフルオレセイン−5−マレイミドなどのスルフヒドリル反応性マレイミド活性化蛍光体が含まれる。一部の実施形態では、これらの反応性色素のいずれかと別の分子との反応は、蛍光団とリンカーおよび/または薬剤の間で形成される安定した共有結合をもたらす。一部の実施形態では、反応性の基はイソチオシアネートである。一部の実施形態では、標識は、リシン側鎖の第一級アミンを通して薬剤へ付着させる。一部の実施形態では、化学標識は、NHS−エステル化学方法を含む。
【0165】
あるいは、検出可能な標識は、酵素標識によって付着させる。酵素標識方法には、ビオチンアクセプターペプチド/ビオチンリガーゼ(AP/Bir A)、アシル担体タンパク質/ホスホパンテテイン転移酵素(ACP/PPTase)、ヒトO
6−アルキルグアニン転移酵素(hAGT)、Qータグ/トランスグルタミナーゼ(TGase)、アルデヒドタグ/ホルミルグリシン生成酵素、突然変異原核生物デハロゲナーゼ(HaloTag(商標))、およびファルネシル化モチーフ/タンパク質ファルネシルトランスフェラーゼ(PFTase)方法を含めることができるが、これらに限定されない。親和性標識には、ジヒドロフォレートレダクターゼ(DHFR)およびFK506−結合性タンパク質12(FKBP12(F36V))のPhe36Val突然変異体を利用する非共有的方法、ならびに金属キレート化方法を含めることができるが、これらに限定されない。
【0166】
架橋試薬は、検出可能な標識をプライマー、オリゴヌクレオチドタグ、標識分子、標識アンプリコンおよび/または非標識分子に付着させるために使用することができる。一部の場合には、架橋試薬は、グルタルアルデヒドである。グルタルアルデヒドは、いくつかの経路によってアミン基と反応して架橋を形成することができる。例えば、還元条件下では、グルタルアルデヒドの両末端のアルデヒドは、アミンと結合して第二級アミン連結を形成する。
【0167】
一部の場合には、プライマー、オリゴヌクレオチドタグ、標識分子、標識アンプリコンおよび/または非標識分子への検出可能な標識の付着は、過ヨウ素酸活性化および続く還元アミノ化を含む。一部の場合には、Sulfo−SMCCまたは他のヘテロ二官能性架橋剤は、検出可能なものをプライマー、オリゴヌクレオチドタグ、標識分子、標識アンプリコンおよび/または非標識分子にコンジュゲートするために使用される。例えば、Sulfo−SMCCは、酵素を薬物にコンジュゲートするために使用される。一部の実施形態では、酵素は1つのステップで活性化および精製され、次に第2のステップで薬物にコンジュゲートされる。一部の実施形態では、架橋の方向性は、1つの特定の配向に限定される(例えば、酵素のアミンは抗体のスルフヒドリル基に)。
【0169】
一部の場合には、本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、支持体を含む。本明細書で使用される用語「支持体」および「基質」は互換的に使用され、硬質または半硬質の表面(複数可)を有する材料または材料群を指す。支持体または基質は、固体支持体であってよい。あるいは、支持体は非固体支持体である。支持体または基質は、膜、紙、プラスチック、コーティングされた表面、平面、ガラス、スライド、チップまたはその任意の組合せを含むことができる。多くの実施形態では、固体支持体の少なくとも1つの表面は実質的に平らであるが、一部の実施形態では、例えばウェル、隆起領域、ピン、エッチングされた溝などで、異なる化合物のために合成領域を物理的に切り離すことが望ましいことがある。他の実施形態により、固体支持体(複数可)は、ビーズ、樹脂、ゲル、マイクロスフェアまたは他の幾何学的構成の形をとる。あるいは、固体支持体(複数可)は、シリカチップ、微粒子、ナノ粒子、プレートおよびアレイを含む。ポリマー(タンパク質を含む)アレイ合成に適用できる方法および技術は、米国特許出願公開第20050074787号、WO00/58516、米国特許第5,143,854号、5,242,974号、5,252,743号、5,324,633号、5,384,261号、5,405,783号、5,424,186号、5,451,683号、5,482,867号、5,491,074号、5,527,681号、5,550,215号、5,571,639号、5,578,832号、5,593,839号、5,599,695号、5,624,711号、5,631,734号、5,795,716号、5,831,070号、5,837,832号、5,856,101号、5,858,659号、5,936,324号、5,968,740号、5,974,164号、5,981,185号、5,981,956号、6,025,601号、6,033,860号、6,040,193号、6,090,555号、6,136,269号、6,269,846号および6,428,752号、PCT公開WO99/36760およびWO01/58593に記載され、それらは全ての目的のために参照により完全に本明細書に全て組み込まれる。具体的な実施形態で合成技術を記載する特許には、米国特許第5,412,087号、6,147,205号、6,262,216号、6,310,189号、5,889,165号および5,959,098号が含まれる。核酸アレイは上記の特許の多くに記載されているが、同じ技術の多くはポリペプチドアレイに適用することができる。さらなる例示的な基質は、米国特許第5,744,305号および米国特許出願公開第20090149340号および第20080038559号に開示されている。
【0170】
一部の場合には、固体支持体は、ビーズである。ビーズの例には、ストレプトアビジンビーズ、アガロースビーズ、磁気ビーズ、Dynabeads(登録商標)、MACS(登録商標)ミクロビーズ、抗体コンジュゲートビーズ(例えば、抗免疫グロブリン性ミクロビーズ)、プロテインAコンジュゲートビーズ、プロテインGコンジュゲートビーズ、プロテインA/Gコンジュゲートビーズ、プロテインLコンジュゲートビーズ、オリゴdTコンジュゲートビーズ、シリカビーズ、シリカ様ビーズ、抗ビオチンミクロビーズ、抗フルオロクロムミクロビーズおよびBcMag(商標)カルボキシ末端磁気ビーズが含まれるが、これらに限定されない。
【0171】
固体支持体は、アレイまたはマイクロアレイであってよい。固体支持体は、別個の領域を含むことができる。固体支持体は、アドレス可能なアレイであってよい。一部の場合には、アレイは、固体表面の上に固定される複数のプローブを含む。複数のプローブは、固体表面への標識分子および/または標識アンプリコンのハイブリダイゼーションを可能にする。複数のプローブは、標識分子および/または標識アンプリコンの少なくとも一部に相補的である配列を含む。一部の場合には、複数のプローブは、標識分子および/または標識アンプリコンのオリゴヌクレオチドタグ部分に相補的である配列を含む。他の場合には、複数のプローブは、分子へのオリゴヌクレオチドタグの付着によって形成される接合部に相補的である配列を含む。
【0172】
アレイは、1つまたは複数のプローブを含むことができる。
図18に表すように、プローブは様々なフォーマットであってよい。
図18A〜18C、18Gおよび18Hに示すように、アレイ(1801、1806、1811、1828、1832)は、標的分子(1802、1807、1813、1829、1833)の少なくとも一部に相補的である配列、およびオリゴヌクレオチドタグ(1803、1808、1812、1830、1834)の一意識別子領域に相補的である配列を含むプローブ(1804、1809、1814、1836、1835)を含むことができる。
図18A〜18B、18Gおよび18Hに示すように、標的分子(1802、1807、1829、1833)の少なくとも一部に相補的である配列は、アレイに付着させることができる。
図18Cに示すように、一意識別子領域(1812)に相補的である配列は、アレイに付着させることができる。
図18D〜18Fに示すように、アレイ(1816、1820、1824)は、標的分子の少なくとも一部に相補的である配列を含む第1のプローブ(1817、1821、1825)、および一意識別子領域に相補的である第2のプローブ(1819、1823、1827)を含むことができる。
図18A〜18Hは、確率的に標識される分子(1805、1810、1815、1818、1822、1826、1831、1837)がアレイとハイブリダイズすることができる様々な方法も表す。例えば、
図18Aおよび18Cに示すように、確率的に標識される分子(1805、1815)の一意識別子領域および標的分子の接合部は、アレイの上のプローブ(1804、1814)とハイブリダイズすることができる。
図18B、18D〜18Hに示すように、アレイの上のプローブとハイブリダイズすることができる確率的に標識される分子(1810、1818、1822、1826、1831、1837)の領域には、ギャップがあってよい。
図18D〜18Fおよび18Hに示すように、確率的に標識される分子(1818、1822、1826、1837)の異なる領域は、アレイの上の2個以上のプローブとハイブリダイズすることができる。したがって、アレイのプローブは、多くの異なるフォーマットであってよい。アレイのプローブは、一意識別子領域に相補的である配列、標的分子に相補的である配列、またはその組合せを含むことができる。アレイとの確率的に標識される分子のハイブリダイゼーションは、様々な方法によって起こることができる。例えば、確率的に標識される分子の2個以上のヌクレオチドは、アレイの上の1つまたは複数のプローブとハイブリダイズすることができる。プローブとハイブリダイズする確率的に標識される分子の2個以上のヌクレオチドは、連続的なヌクレオチド、連続的でないヌクレオチド、またはその組合せであってもよい。プローブとハイブリダイズする確率的に標識される分子は、当技術分野で公知である任意の方法によって検出することができる。例えば、確率的に標識される分子は、直接に検出することができる。確率的に標識される分子を直接に検出することは、蛍光団、ハプテンまたは検出可能な標識の検出を含むことができる。確率的に標識される分子は、間接に検出することができる。確率的に標識される分子の間接的な検出は、ライゲーションまたは他の酵素的もしくは非酵素的方法を含むことができる。
【0173】
アレイは、様々なフォーマットであってよい。例えば、アレイは、16−、32−、48−、64−、80−、96−、112−、128−、144−、160−、176−、192−、208−、224−、240−、256−、272−、288−、304−、320−、336−、352−、368−、384−または400−フォーマットであってよい。あるいは、アレイは、8×60K、4×180K、2×400K、1×1Mフォーマットである。他の場合には、アレイは、8×15K、4×44K、2×105K、1×244Kのフォーマットである。
【0174】
アレイは、単一のアレイを含むことができる。単一のアレイは、単一の基質の上にあってよい。あるいは、アレイは複数の基質の上にある。アレイは、複数のフォーマットを含むことができる。アレイは、複数のアレイを含むことができる。複数のアレイは、2個以上のアレイを含むことができる。例えば、複数のアレイは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100個のアレイを含むことができる。一部の場合には、複数のアレイの少なくとも2つのアレイは同一である。あるいは、複数のアレイの少なくとも2つのアレイは異なる。
【0175】
一部の場合には、アレイは対称的なチャンバー領域を含む。例えば、アレイは、0.5×0.5mm、1×1mm、1.5×1.5mm、2×2mm、2.5×2.5mm、3×3mm、3.5×3.5mm、4×4mm、4.5×4.5mm、5×5mm、5.5×5.5mm、6×6mm、6.5×6.5mm、7×7mm、7.5×7.5mm、8×8mm、8.5×8.5mm、9×9mm、9.5×9.5mm、10×10mm、10.5×10.5mm、11×11mm、11.5×11.5mm、12×12mm、12.5×12.5mm、13×13mm、13.5×13.5mm、14×14mm、14.5×14.5mm、15×15mm、15.5×15.5mm、16×16mm、16.5×16.5mm、17×17mm、17.5×17.5mm、18×18mm、18.5×18.5mm、19×19mm、19.5×19.5mm、または20×20mmのチャンバー領域を含む。一部の場合には、アレイは6.5×6.5mmのチャンバー領域を含む。あるいは、アレイは、非対称のチャンバー領域を含む。例えば、アレイは、6.5×0.5mm、6.5×1mm、6.5×1.5mm、6.5×2mm、6.5×2.5mm、6.5×3mm、6.5×3.5mm、6.5×4mm、6.5×4.5mm、6.5×5mm、6.5×5.5mm、6.5×6mm、6.5×6.5mm、6.5×7mm、6.5×7.5mm、6.5×8mm、6.5×8.5mm、6.5×9mm、6.5×9.5mm、6.5×10mm、6.5×10.5mm、6.5×11mm、6.5×11.5mm、6.5×12mm、6.5×12.5mm、6.5×13mm、6.5×13.5mm、6.5×14mm、6.5×14.5mm、6.5×15mm、6.5×15.5mm、6.5×16mm、6.5×16.5mm、6.5×17mm、6.5×17.5mm、6.5×18mm、6.5×18.5mm、6.5×19mm、6.5×19.5mm、または6.5×20mmのチャンバー領域を含む。
【0176】
アレイは、少なくとも約1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、95μm、100μm、125μm、150μm、175μm、200μm、225μm、250μm、275μm、300μm、325μm、350μm、375μm、400μm、425μm、450μm、475μm、または500μmのスポットを含むことができる。一部の場合には、アレイは、70μmのスポットを含む。
【0177】
アレイは、少なくとも約1μm、2μm、3μm、4μm、5μm、6μm、7μm、8μm、9μm、10μm、15μm、20μm、25μm、30μm、35μm、40μm、45μm、50μm、55μm、60μm、65μm、70μm、75μm、80μm、85μm、90μm、95μm、100μm、125μm、150μm、175μm、200μm、225μm、250μm、275μm、300μm、325μm、350μm、375μm、400μm、425μm、450μm、475μm、500μm、525μm、550μm、575μm、600μm、625μm、650μm、675μm、700μm、725μm、750μm、775μm、800μm、825μm、850μm、875μm、900μm、925μm、950μm、975μm、1000μmのフィーチャーピッチを含むことができる。一部の場合には、アレイは、161μmのフィーチャーピッチを含む。
【0178】
アレイは、1つまたは複数のプローブを含むことができる。一部の場合には、アレイは、少なくとも約5、10、15、20、25、30、40、50、60、70、80、90または100個のプローブを含む。あるいは、アレイは、少なくとも約200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、2300、2400、2500、2600、2700、2800、2900または3000個のプローブを含む。アレイは、少なくとも約3500、4000、4500、5000、5500、6000、6500、7000、7500、8000、8500、9000、9500または10000個のプローブを含むことができる。一部の場合には、アレイは、少なくとも約960個のプローブを含む。あるいは、アレイは、少なくとも約2780個のプローブを含む。プローブは、複数のオリゴヌクレオチドタグに特異的であってよい。プローブは、複数のオリゴヌクレオチドタグの少なくとも一部に特異的であってよい。プローブは、複数のオリゴヌクレオチドタグの総数の少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%または100%に特異的であってよい。あるいは、プローブは、複数のオリゴヌクレオチドタグの中の異なるオリゴヌクレオチドタグの総数の少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%または100%に特異的である。他の場合には、プローブは非特異的プローブである。例えば、プローブは、標識分子に付着する検出可能な標識に特異的であってよい。プローブは、ストレプトアビジンであってよい。
【0179】
アレイは、印刷されたアレイであってよい。一部の場合には、印刷されたアレイは、基質に付着する1つまたは複数のオリゴヌクレオチドを含む。例えば、印刷されたアレイは、エポキシシラン基質に付着する5’アミン改変オリゴヌクレオチドを含む。
【0180】
あるいは、アレイは1つまたは複数のウェルを有するスライドを含む。スライドは、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95または100個のウェルを含むことができる。あるいは、スライドは、少なくとも約125、150、175、200、250、300、350、400、450、500、650、700、750、800、850、900、950または1000個のウェルを含む。一部の場合には、スライドは16個のウェルを含む。あるいは、スライドは96個のウェルを含む。他の場合には、スライドは、少なくとも約80、160、240、320、400、480、560、640、720、800、880または960個のウェルを含む。
【0181】
一部の場合には、固体支持体は、Affymetrix 3Kタグアレイ、Arrayjet非接触印刷アレイ、またはApplied Microarrays Inc(AMI)アレイである。あるいは、支持体は、コンタクトプリンター、インパクトプリンター、ドットプリンターまたはピンプリンターを含む。
【0182】
固体支持体は、マイクロウェルで自己組織化するビーズの使用を含むことができる。例えば、固体支持体は、IlluminaのBeadArray Technologyを含む。あるいは、固体支持体は、Abbott Molecularの Bead Array技術、およびApplied MicroarrayのFlexiPlex(商標)システムを含む。
【0183】
他の場合には、固体支持体はプレートである。プレートの例には、MSDマルチアレイプレート、MSD Multi−Spot(登録商標)プレート、マイクロプレート、ProteOnマイクロプレート、AlphaPlate、DELFIAプレート、IsoPlateおよびLumaPlateが含まれるが、これらに限定されない。
【0185】
本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、1つまたは複数の酵素を含む。酵素の例には、リガーゼ、逆転写酵素、ポリメラーゼおよび制限ヌクレアーゼが含まれるが、これらに限定されない。一部の場合には、分子へのオリゴヌクレオチドタグの付着は、1つまたは複数のリガーゼの使用を含む。リガーゼの例には、DNAリガーゼI、DNAリガーゼIII、DNAリガーゼIVおよびT4 DNAリガーゼなどのDNAリガーゼ、ならびにT4 RNAリガーゼIおよびT4 RNAリガーゼIIなどのRNAリガーゼが含まれるが、これらに限定されない。
【0186】
本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、1つまたは複数の逆転写酵素の使用をさらに含むことができる。一部の場合には、逆転写酵素は、HIV−1逆転写酵素、M−MLV逆転写酵素、AMV逆転写酵素およびテロメラーゼ逆転写酵素である。一部の場合には、逆転写酵素はM−MLV逆転写酵素である。
【0187】
一部の場合には、本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、1つまたは複数のポリメラーゼの使用を含む。ポリメラーゼの例には、DNAポリメラーゼおよびRNAポリメラーゼが含まれるが、これらに限定されない。一部の場合には、DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼI、DNAポリメラーゼII、DNAポリメラーゼIIIホロ酵素、およびDNAポリメラーゼIVである。市販されているDNAポリメラーゼには、限定されずに、Bst 2.0 DNAポリメラーゼ、Bst 2.0 WarmStart(商標)DNAポリメラーゼ、Bst DNAポリメラーゼ、Sulfolobus DNAポリメラーゼIV、Taq DNAポリメラーゼ、9°N(商標)m DNAポリメラーゼ、Deep VentR(商標)(exo−)DNAポリメラーゼ、Deep VentR(商標)DNAポリメラーゼ、Hemo KlenTaq(商標)、LongAmp(登録商標)Taq DNAポリメラーゼ、OneTaq(登録商標)DNAポリメラーゼ、Phusion(登録商標)DNAポリメラーゼ、Q5(商標)High−Fidelity DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)γDNAポリメラーゼ、Therminator(商標)DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)II DNAポリメラーゼ、Therminator(商標)III DNAポリメラーゼ、VentR(登録商標)DNAポリメラーゼ、VentR(登録商標)(exo−)DNAポリメラーゼ、Bsu DNAポリメラーゼ、phi29 DNAポリメラーゼ、T4 DNAポリメラーゼ、T7 DNAポリメラーゼおよび末端転移酵素が含まれる。あるいは、ポリメラーゼは、RNAポリメラーゼI、RNAポリメラーゼII、RNAポリメラーゼIII、E.coliポリ(A)ポリメラーゼ、phi6 RNAポリメラーゼ(RdRP)、ポリ(U)ポリメラーゼ、SP6 RNAポリメラーゼおよびT7 RNAポリメラーゼなどのRNAポリメラーゼである。
【0188】
一部の場合には、本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、1つまたは複数の制限酵素を含む。制限酵素には、I型、II型、III型およびIV型の制限酵素が含まれる。一部の場合には、I型酵素は、それらの認識配列から遠く離れて無作為にDNAを切断する、複合的、多サブユニットの制限および改変組合せ酵素である。一般に、II型酵素は、それらの認識配列の近くの、またはその中の規定の位置でDNAを切断する。それらは、別個の制限断片および異なるゲルバンドパターンを生成することができる。III型酵素も、大きな制限および改変組合せ酵素である。それらは、それらの認識配列の外側でしばしば開裂させ、開裂を達成するためには、同じDNA分子の中で反対側の配向の2つのそのような配列を必要とすることがある。それらは、完全な消化物を稀にしか与えない。一部の場合には、IV型酵素は、改変された、一般的にメチル化されたDNAを認識し、E.coliのMcrBCおよびMrr系によって例示することができる。
【0190】
本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、1つまたは複数の試薬の使用を含むことができる。試薬の例には、PCR試薬、ライゲーション試薬、逆転写試薬、酵素試薬、ハイブリダイゼーション試薬、試料調製試薬、および核酸の精製および/または単離のための試薬が含まれるが、これらに限定されない。
【0191】
本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、1つまたは複数の緩衝液の使用を含むことができる。緩衝液の例には、洗浄緩衝液、ライゲーション緩衝液、ハイブリダイゼーション緩衝液、増幅緩衝液および逆転写緩衝液が含まれるが、これらに限定されない。一部の場合には、ハイブリダイゼーション緩衝液は、市販緩衝液、例えばTMAC Hyb溶液、SSPEハイブリダイゼーション溶液およびECONO(商標)ハイブリダイゼーション緩衝液である。本明細書に開示される緩衝液は、1つまたは複数の洗浄剤を含むことができる。
【0192】
本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、1つまたは複数の担体の使用を含むことができる。担体は、本明細書に開示される1つまたは複数の反応(例えば、ライゲーション反応、逆転写、増幅、ハイブリダイゼーション)の効率を強化するか、向上させることができる。担体は、分子またはその任意の生成物(例えば、標識分子、標識cDNA分子、標識アンプリコン)の非特異的減損を減少させるか、防止することができる。例えば、担体は、表面への吸収を通しての標識分子の非特異的減損を減少させることができる。担体は、表面または基質(例えば、容器、エッペンドルフ管、ピペットチップ)への分子、標識分子またはその任意の生成物の親和性を減少させることができる。あるいは、担体は、表面または基質(例えば、ビーズ、アレイ、ガラス、スライド、チップ)への分子またはその任意の生成物の親和性を増加させることができる。担体は、分子またはその任意の生成物を分解から保護することができる。例えば、担体は、RNA分子またはその任意の生成物をリボヌクレアーゼから保護することができる。あるいは、担体は、DNA分子またはその任意の生成物をDNアーゼから保護することができる。担体の例には、核酸分子、例えばDNAおよび/またはRNA、またはポリペプチドが含まれるが、これらに限定されない。DNA担体の例には、プラスミド、ベクター、ポリアデニル化DNAおよびDNAオリゴヌクレオチドが含まれる。RNA担体の例には、ポリアデニル化RNA、ファージRNA、ファージMS2 RNA、E.coli RNA、酵母RNA、酵母tRNA、哺乳動物のRNA、哺乳動物のtRNA、短いポリアデニル化合成リボヌクレオチドおよびRNAオリゴヌクレオチドが含まれる。RNA担体は、ポリアデニル化RNAであってよい。あるいは、RNA担体は、非ポリアデニル化RNAであってもよい。一部の場合には、担体は、細菌、酵母またはウイルスからのものである。例えば、担体は、細菌、酵母またはウイルスに由来する核酸分子またはポリペプチドであってよい。例えば、担体は、Bacillus subtilisからのタンパク質である。別の例では、担体は、Escherichia coliからの核酸分子である。あるいは、担体は、哺乳動物(例えば、ヒト、マウス、ヤギ、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、イヌまたはウサギ)、トリ、両生類または爬虫類からの核酸分子またはペプチドである。
【0193】
本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、1つまたは複数の対照薬剤の使用を含むことができる。対照薬剤には、対照オリゴ、不活性の酵素、非特異的な競合物質が含まれてもよい。あるいは、対照薬剤は、明るいハイブリダイゼーション、明るいプローブ対照、核酸鋳型、スパイクイン鋳型、PCR増幅対照を含む。PCR増幅対照は、陽性対照であってよい。他の場合には、PCR増幅対照は、陰性対照である。核酸鋳型対照は、既知濃度のものであってよい。対照薬剤は、1つまたは複数の標識を含むことができる。
【0194】
スパイクイン鋳型は、反応または試料に加えられる鋳型であってよい。例えば、スパイクイン鋳型は、増幅反応に加えることができる。スパイクイン鋳型は、第1の増幅サイクルの後の任意の時間に増幅反応に加えることができる。一部の場合には、スパイクイン鋳型は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45または50回目の増幅サイクルの後に増幅反応に加えられる。スパイクイン鋳型は、最後の増幅サイクルの前の任意の時間に増幅反応に加えることができる。スパイクイン鋳型は、1つまたは複数のヌクレオチドまたは核酸塩基対を含むことができる。スパイクイン鋳型は、DNA、RNAまたはその任意の組合せを含むことができる。スパイクイン鋳型は、1つまたは複数の標識を含むことができる。
【0195】
本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、1つまたは複数のピペットチップおよび/または容器(例えば、管、バイアル、多重ウェルプレート)の使用を含むことができる。一部の場合には、ピペットチップは、低結合性ピペットチップである。あるいは、またはさらに、容器は、低結合性容器であってよい。低結合性ピペットチップおよび低結合性容器は、シリコーンベースのチップおよび非低結合性容器と関連する、低減された溶脱および/または以降の試料分解を有することができる。低結合性ピペットチップおよび低結合性容器は、非低結合性ピペットチップおよび容器と比較して低減された試料結合を有することができる。低結合性チップの例には、Corning(登録商標)DeckWorks(商標)低結合性チップおよびAvant Premium低結合性目盛付チップが含まれるが、これらに限定されない。低結合性容器の非限定リストには、Corning(登録商標)Costar(登録商標)低結合性微量遠心管、ならびにCosmobrand低結合性PCR管および微量遠心管が含まれる。
【0197】
本明細書に開示される方法は、遺伝子発現モニタリング、転写産物プロファイリング、ライブラリースクリーニング、遺伝子タイピング、後成的分析、メチル化パターン分析、腫瘍タイピング、薬理ゲノミクス、農業遺伝学、病原体プロファイリングならびに検出および診断で使用することができる。遺伝子発現モニタリングおよびプロファイリング方法は、米国特許第5,800,992号、第6,013,449号、第6,020,135号、第6,033,860号、第6,040,138号、第6,177,248号および第6,309,822号に示されている。したがって、遺伝子タイピングおよび使用は、米国特許出願公開第20030036069号および第20070065816号ならびに米国特許第5,856,092号、第6,300,063号、第5,858,659号、第6,284,460号、第6,361,947号、第6,368,799号および第6,333,179号に示されている。他の使用は、米国特許第5,871,928号、第5,902,723号、第6,045,996号、第5,541,061号および第6,197,506号に具体化されている。
【0198】
対象における疾患または状態の検出、モニタリングおよび/または予後診断のための方法、キットおよび組成物が本明細書に開示される。一般に、本方法は、(a)分子を確率的に標識して、確率的に標識された分子を生成すること、および(b)確率的に標識された分子を検出および/または定量し、それによって対象で疾患または状態を検出、モニタリングおよび/または予後診断することを含む。疾患または状態を検出することは、疾患または状態を診断することを含むことができる。
【0199】
対象で疾患または状態をモニタリングすることは、治療レジメンをモニタリングすることをさらに含むことができる。治療レジメンをモニタリングすることは、治療レジメンの効能を決定することを含むことができる。一部の場合には、治療レジメンをモニタリングすることは、治療レジメンを投与するか、終了するか、加えるか、変更することを含む。治療レジメンを変更することは、治療レジメンの投薬量、投与頻度または投与様式を増加または低減することを含むことができる。治療レジメンは、1つまたは複数の治療薬を含むことができる。治療薬は、抗がん剤、抗ウイルス薬、抗菌薬、抗病原体薬またはその任意の組合せであってよい。
【0201】
一部の場合には、疾患または状態は、がんである。確率的に標識される分子は、がん性の細胞または組織からのものであってよい。一部の場合には、がんは、肉腫、癌腫、リンパ腫または白血病である。肉腫は、骨、軟骨、脂肪、筋肉、血管または他の結合もしくは支持組織のがんである。肉腫には、骨がん、線維肉腫、軟骨肉腫、ユーイング肉腫、悪性の血管内皮腫、悪性のシュワン細胞腫、両側性の前庭シュワン細胞腫、骨肉腫、軟部組織肉腫(例えば、蜂窩性軟部肉腫、血管肉腫、葉状嚢肉腫、皮膚線維肉腫、類腱腫、類上皮肉腫、骨外性骨肉腫、線維肉腫、血管周囲細胞腫、血管肉腫、カポジ肉腫、平滑筋肉腫、脂肪肉腫、リンパ管肉腫、リンパ肉腫、悪性の線維性組織球腫、神経線維肉腫、横紋筋肉腫および滑膜肉腫)が含まれるが、これらに限定されない。
【0202】
癌腫は、体の表面を覆い、ホルモンを生成し、腺を構成する細胞である、上皮細胞で始まるがんである。非限定例として、癌腫には、乳がん、膵がん、肺がん、結腸がん、結腸直腸がん、直腸がん、腎臓がん、膀胱がん、胃がん、前立腺がん、肝がん、卵巣がん、脳がん、膣がん、外陰部がん、子宮がん、口のがん、陰茎がん、精巣がん、食道がん、皮膚がん、卵管がん、頭頸部がん、胃腸間質がん、腺癌、皮膚または眼内黒色腫、肛門部のがん、小腸がん、内分泌系のがん、甲状腺がん、上皮小体がん、副腎がん、尿道がん、腎盤がん、尿管がん、子宮内膜がん、子宮頸部がん、下垂体がん、中枢神経系(CNS)の腫瘍、原発性CNSリンパ腫、脳幹神経膠腫および脊髄軸腫瘍が含まれる。一部の場合には、がんは、基底細胞癌、扁平上皮、黒色腫、非黒色腫または紫外線(日光)角化症などの皮膚がんである。
【0203】
一部の場合には、がんは肺がんである。肺がんは、気管から分岐して肺(気管支)または肺の小さな気嚢(肺胞)に供給する気道から出発することができる。肺がんには、非小細胞肺癌(NSCLC)、小細胞肺癌および中皮腫が含まれる。NSCLCの例には、扁平上皮癌、腺癌および大細胞癌が含まれる。中皮腫は、肺および胸部腔(胸膜)の内膜または腹部(腹膜)の内膜のがん性腫瘍であってよい。中皮腫は、アスベスト曝露によることがある。がんは、グリア芽細胞腫などの脳がんであってよい。
【0204】
あるいは、がんは、中枢神経系(CNS)の腫瘍であってもよい。CNS腫瘍は、神経膠腫または非神経膠腫に分類することができる。神経膠腫は、悪性の神経膠腫、ハイグレード神経膠腫、びまん性内在性の脳橋神経膠腫であってよい。神経膠腫の例には、星状細胞腫、希突起膠細胞腫(または、希突起膠細胞腫および星状細胞腫要素の混合)、および脳室上衣細胞腫が含まれる。星状細胞腫には、ローグレード星状細胞腫、未分化星状細胞腫、多形神経膠芽腫、毛様細胞性星状細胞腫、多形性黄色星状細胞腫および上衣下巨細胞星状細胞腫が含まれるが、これらに限定されない。希突起膠細胞腫には、ローグレード希突起膠細胞腫(または、希星状細胞腫)および未分化希突起膠腫が含まれる。非神経膠腫には、髄膜腫、下垂体腺腫、原発性CNSリンパ腫および髄芽細胞腫が含まれる。一部の場合には、がんは髄膜腫である。
【0205】
白血病は、急性のリンパ性白血病、急性の骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、または慢性骨髄性白血病であってもよい。さらなるタイプの白血病には、毛様細胞性白血病、慢性骨髄単球性白血病および若年性の骨髄単球性白血病が含まれる。
【0206】
リンパ腫はリンパ球のがんであり、BまたはTリンパ球のいずれからでも発生することができる。リンパ腫の2つの主要なタイプは、以前はホジキン病として知られるホジキンリンパ腫、および非ホジキンリンパ腫である。ホジキンリンパ腫は、リードシュテルンベルグ細胞の存在によって特徴づけられる。非ホジキンリンパ腫は、ホジキンリンパ腫でない全てのリンパ腫である。非ホジキンリンパ腫は、無痛性のリンパ腫および攻撃的なリンパ腫であってよい。非ホジキンリンパ腫には、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫、濾胞性リンパ腫、粘膜関連リンパ組織リンパ腫(MALT)、小細胞リンパ球性リンパ腫、マントル細胞リンパ腫、バーキットリンパ腫、縦隔大B細胞リンパ腫、ワルデンシュトレーム病、結節性辺縁帯B細胞リンパ腫(NMZL)、脾臓辺縁帯リンパ腫(SMZL)、結節外辺縁帯B細胞リンパ腫、血管内大B細胞リンパ腫、原発性浸出リンパ腫およびリンパ腫様肉芽腫症が含まれるが、これらに限定されない。
【0208】
一部の場合には、疾患または状態は、病原体感染である。確率的に標識される分子は、病原体からのものであってよい。病原体は、ウイルス、細菌、真菌または原生動物であってよい。一部の場合には、病原体は、原生動物、例えば、Acanthamoeba(例えば、A.astronyxis、A.castellanii、A.culbertsoni、A.hatchetti、A.polyphaga、A.rhysodes、A.healyi、A.divionensis)、Brachiola(例えば、B.connori、B.vesicularum)、Cryptosporidium(例えば、C.parvum)、Cyclospora(例えば、C.cayetanensis)、Encephalitozoon(例えば、E.cuniculi、E.hellem、E.intestinalis)、Entamoeba(例えば、E.histolytica)、Enterocytozoon(例えば、E.bieneusi)、Giardia(例えば、G.lamblia)、Isospora(例えば、I.belli)、Microsporidium(例えば、M.africanum、M.ceylonensis)、Naegleria(例えば、N.fowleri)、Nosema(例えば、N.algerae、N.ocularum)、Pleistophora、Trachipleistophora(例えば、T.anthropophthera、T.hominis)、およびVittaforma(例えば、V.corneae)であってよい。病原体は、真菌、例えば、Candida、Aspergillus、Cryptococcus、Histoplasma、PneumocystisおよびStachybotrysであってもよい。
【0209】
病原体は、細菌であってもよい。例示的な細菌には、Bordetella、Borrelia、Brucella、Campylobacter、Chlamydia、Chlamydophila、Clostridium、Corynebacterium、Enterococcus、Escherichia、Francisella、Haemophilus、Helicobacter、Legionella、Leptospira、Listeria、Mycobacterium、Mycoplasma、Neisseria、Pseudomonas、Rickettsia、Salmonella、Shigella、Staphylococcus、Streptococcus、Treponema、VibrioまたはYersiniaが含まれるが、これらに限定されない。
【0210】
ウイルスは、逆転写ウイルスであってよい。逆転写ウイルスの例には、一本鎖RNA−RT(ssRNA−RT)ウイルスおよび二本鎖DNA−RT(dsDNA−RT)ウイルスが含まれるが、これらに限定されない。ssRNA−RTウイルスの非限定例には、レトロウイルス、アルファレトロウイルス、ベータレトロウイルス、ガンマレトロウイルス、デルタレトロウイルス、イプシロンレトロウイルス、レンチウイルス、スプマウイルス、メタウイルスおよび偽ウイルスが含まれる。dsDNA−RTウイルスの非限定例には、ヘパデノウイルスおよびカリモウイルスが含まれる。あるいは、ウイルスは、DNAウイルスまたはRNAウイルスである。DNAウイルスは、二本鎖DNA(dsDNA)ウイルスであってよい。一部の場合には、dsDNAウイルスは、アデノウイルス、ヘルペスウイルスまたはポックスウイルスである。アデノウイルスの例には、アデノウイルスおよびイヌ伝染性肝炎ウイルスが含まれるが、これらに限定されない。ヘルペスウイルスの例には、単純ヘルペスウイルス、水痘帯状疱疹ウイルス、サイトメガロウイルスおよびエプスタイン・バーウイルスが含まれるが、これらに限定されない。ポックスウイルスの非限定リストには、天然痘ウイルス、ウシポックスウイルス、ヒツジポックスウイルス、サルポックスウイルスおよびワクシニアウイルスが含まれる。DNAウイルスは、一本鎖DNA(ssDNA)ウイルスであってもよい。ssDNAウイルスは、パルボウイルスであってもよい。パルボウイルスの例には、パルボウイルスB19、イヌパルボウイルス、マウスパルボウイルス、ブタパルボウイルス、ネコジステンパーおよびミンク腸炎ウイルスが含まれるが、これらに限定されない。
【0211】
あるいは、ウイルスはRNAウイルスである。RNAウイルスは、二本鎖RNA(dsRNA)ウイルス、(+)センス一本鎖RNAウイルス((+)ssRNA)ウイルス、または(−)センス一本鎖((−)ssRNA)ウイルスであってよい。dsRNAウイルスの非限定リストには、レオウイルス、オルトレオウイルス、サイポウイルス、ロタウイルス、ブルータングウイルスおよびフィトレオウイルスが含まれる。(+)ssRNAウイルスの例には、ピコルナウイルスおよびトガウイルスが含まれるが、これらに限定されない。ピコルナウイルスの例には、エンテロウイルス、ライノウイルス、ヘパトウイルス、カルジオウイルス、アフトウイルス、ポリオウイルス、パレコウイルス、エルボウイルス、コブウイルス、テッショウウイルスおよびコクサッキーが含まれるが、これらに限定されない。一部の場合には、トガウイルスは、風疹ウイルス、シンドビスウイルス、東部ウマ脳脊髄炎ウイルス、西部ウマ脳炎ウイルス、ベネズエラウマ脳炎ウイルス、ロス川ウイルス、オニオンニオンウイルス、チクングンヤ熱またはセムリキ森林ウイルスである。(−)ssRNAウイルスの非限定リストには、オルソミクソウイルスおよびラブドウイルスが含まれる。オルソミクソウイルスの例には、インフルエンザウイルスa、インフルエンザウイルスB、インフルエンザウイルスC、イサウイルスおよびトゴトウイルスが含まれるが、これらに限定されない。ラブドウイルスの例には、サイトラブドウイルス、ジコラブドウイルス、エフェメラウイルス、リッサウイルス、ノビラブドウイルスおよびベシクロウイルスが含まれるが、これらに限定されない。
【0213】
一部の場合には、疾患または状態は、妊娠である。本明細書に開示される方法は、妊娠対象で胎児の状態を診断することを含むことができる。本明細書に開示される方法は、胎児の突然変異または遺伝子異常を同定することを含むことができる。確率的に標識される分子は、胎児の細胞または組織からのものであってよい。あるいは、またはさらに、標識される分子は、妊娠対象からのものであってよい。
【0214】
本明細書に開示される方法、キットおよびシステムは、常染色体トリソミー(例えば、13、15、16、18、21または22トリソミー)の診断、予測またはモニタリングで使用することができる。一部の場合には、トリソミーは流産の可能性の増加と関連していてよい(例えば、15、16または22トリソミー)。他の場合には、検出されるトリソミーは、乳児が先天性異常(例えば、13トリソミー(パトー症候群)、18トリソミー(エドワーズ症候群)および21トリソミー(ダウン症候群))を持って産まれることを示すことができる、生産のトリソミーである。異常は、性染色体のものであってもよい(例えば、XXY(クラインフェルター症候群)、XYY(ジェーコブス症候群)またはXXX(Xトリソミー)。標識される分子(複数可)は、以下の染色体、13、18、21、XまたはYの1つまたは複数の上にあってよい。例えば、分子は、第21染色体、および/または第18染色体、および/または第13染色体の上にある。
【0215】
本明細書に開示される方法、キットおよびシステムに基づいて決定することができるさらなる胎児の状態には、1つまたは複数の染色体のモノソミー(X染色体モノソミー、ターナー症候群としても知られる)、1つまたは複数の染色体(13、18、21およびX)のトリソミー、1つまたは複数の染色体のテトラソミーおよびペンタソミー(それは、ヒトでは、性染色体で最も一般的に観察される、例えばXXXX、XXYY、XXXY、XYYY、XXXXX、XXXXY、XXXYY、XYYYYおよびXXYYY)、一倍性、三倍性(あらゆる染色体が3つ、例えばヒトでは69個の染色体)、四倍性(あらゆる染色体が4つ、例えばヒトでは92個の染色体)、五倍性および多倍性が含まれる。
【0216】
例示的実施形態
一部の実施形態では、本明細書に、RNA分子のデジタル式逆転写のための方法、キット、およびシステムを開示する。一部の場合には、方法は、(a)(i)複数のRNA分子が、少なくとも2つの異なる配列を含むRNA分子を2つ以上含み、(ii)複数のオリゴヌクレオチドタグが、2つ以上の異なる一意識別子配列を含むオリゴヌクレオチドタグを含む、複数のRNA分子を含む試料を複数のオリゴヌクレオチドタグと接触させることにより標識RNA分子を生成するステップと、(b)標識RNA分子を逆転写酵素と接触させて第1の鎖合成反応を実行することによって標識cDNA分子を生成するステップと、(c)標識cDNA分子を固体支持体にハイブリダイズさせることによって標識cDNA分子を検出するステップとを含む。
【0217】
標識RNA分子の生成は、オリゴヌクレオチドタグをRNA分子に付着させることを含み得る。一部の場合には、オリゴヌクレオチドタグを、RNA分子にハイブリダイゼーションにより付着させる。他の場合には、オリゴヌクレオチドタグを、RNA分子にライゲーションにより付着させる。オリゴヌクレオチドタグの付着はリガーゼ酵素の使用を含み得る。オリゴヌクレオチドタグはRNA分子のあらゆる部分に付着させることができる。例えば、オリゴヌクレオチドタグをRNA分子の5’末端に付着させることができる。あるいは、オリゴヌクレオチドタグをRNA分子の3’末端に付着させる。他の場合には、オリゴヌクレオチドタグをRNA分子の内部領域に付着させる。オリゴヌクレオチドタグのRNA分子への付着は、1つまたは複数のアダプター分子の使用を含み得る。
【0218】
一部の場合には、オリゴヌクレオチドタグは標的特異的領域を含む。標的特異的領域は、複数のオリゴヌクレオチドタグの、少なくとも1つのRNA分子への付着を可能にし得る。標的特異的領域は、複数のオリゴヌクレオチドタグの、2つ以上の異なるRNA分子への付着を可能にし得る。一部の場合には、標的特異的領域は、複数のオリゴヌクレオチドタグの、少なくとも約3、4、または5つの異なるRNA分子への付着を可能にする。あるいは、標的特異的領域は、複数のオリゴヌクレオチドタグの、少なくとも約6、7、8、9、または10の異なるRNA分子への付着を可能にする。他の場合には、標的特異的領域は、複数のオリゴヌクレオチドタグの、少なくとも約11、12、13、14、または15の異なるRNA分子への付着を可能にする。標的特異的領域は、オリゴdT配列を含み得る。あるいは、標的特異的領域は、RNA分子のあらゆる部分に付着することができるランダム配列を含む。
【0219】
一部の場合には、オリゴヌクレオチドタグは、汎用プライマー領域をさらに含む。一意識別子領域を、汎用プライマー領域と標的特異的領域との間に配置することができる。オリゴヌクレオチドタグは、少なくとも1ヌクレオチドの長さであってよい。一意識別子領域は、少なくとも1ヌクレオチドの長さであってよい。標的特異的領域は、少なくとも1ヌクレオチドの長さであってよい。汎用プライマー領域は、少なくとも1ヌクレオチドの長さであってよい。オリゴヌクレオチドタグは、1つまたは複数のヌクレオチド部分を含み得る。あるいは、またはさらに、ヌクレオチドタグは、1つまたは複数の非ヌクレオチド部分を含む。
【0220】
一部の場合には、標識RNA分子の生成は、dNTPミックス、アニーリング緩衝剤、リガーゼ、ライゲーション緩衝剤、またはこれらのあらゆる組合せをさらに含む。第1の鎖合成反応の実行は、第1の鎖緩衝剤、ジチオスレイトール(DTT)、RNアーゼインヒビター、DNAポリメラーゼ、またはこれらのあらゆる組合せをさらに含み得る。
【0221】
第1の鎖合成反応は、サーマルサイクラーをさらに含み得る。第1の鎖合成反応は、50℃60分間を1サイクル、その後94℃2分間、58℃2分間、および68℃2分間を3サイクル、その後4℃少なくとも2分間を1サイクルからなるサーマルサイクラープログラムをさらに含み得る。本明細書に開示する方法は、標識cDNA分子を標的の特異的なプライマーと接触させることをさらに含み得る。標的特異的プライマーは、ウラシル含有DNAプライマーであってよい。標的特異的プライマーは標識cDNA分子にハイブリダイズすることができ、ポリメラーゼ連鎖反応を実行して二本鎖標識cDNA分子を生成することができる。
【0222】
試料を、1つまたは複数の酵素とさらに処理して、RNA分子、標識RNA分子、非結合のオリゴヌクレオチドタグ、および/または非結合の標的特異的プライマーを除去または分解してもよい。例えば、試料を、RNアーゼ酵素で処理してRNA分子(標識および/または非結合のRNA分子)を試料から除去することができる。あるいは、試料をウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)で処理してウラシルをDNAから加水分解することができる。
【0223】
方法は、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実行して標識アンプリコンを生成するステップをさらに含み得る。一部の場合には、ポリメラーゼ連鎖反応はネステッドPCRである。ネステッドPCRは、二本鎖の標識cDNA分子を、第1の標的特異的PCRプライマー、汎用PCRプライマー、ポリメラーゼ緩衝剤、DNAポリメラーゼ、dNTPミックス、またはこれらのあらゆる組合せを含む第1のPCR混合物と混合することを含む、第1のPCRを実行することを含み得る。第1のPCRはサーマルサイクラー中で実行することができる。第1のPCRは、94℃2分間を1サイクル、その後94℃20秒間、58℃20秒間、および68℃20秒間を30サイクル、その後68℃4分間を1サイクル、および4℃少なくとも2分間を1サイクルを含むサーマルサイクラープログラムを含み得る。ネステッドPCRは、第1のPCR反応において生成されたアンプリコンの少なくとも一部を、第2の標的特異的PCRプライマー、標識汎用PCRプライマー、ポリメラーゼ緩衝剤、DNAポリメラーゼ、dNTPミックス、またはこれらのあらゆる組合せを含む第2のPCR混合物と混合することを含む、第2のPCRを実行することを含み得る。第2の標的特異的プライマーは、第1の標的特異的プライマーの下流である標識分子における領域にハイブリダイズすることができる。標識汎用PCRプライマーは検出可能な標識で標識される。一部の場合には、標識汎用PCRプライマーはCy3標識汎用PCRプライマーである。あるいは、標識汎用PCRプライマーはTYE563標識汎用PCRプライマーである。第2のPCRは、サーマルサイクラー中で実行することができる。第2のPCRは、94℃2分間を1サイクル、その後94℃20秒間、58℃20秒間、および68℃20秒間を30サイクル、その後少なくとも68℃4分間を1サイクル、および4℃少なくとも2分間を1サイクルを含むサーマルサイクラープログラムを含み得る。ネステッドPCRの第2のPCRは、cDNA分子、オリゴヌクレオチドタグ、および検出可能な標識を含む標識アンプリコンを生成し得る。一部の場合には、ステップ1cの標識cDNA分子は、ネステッドPCRの第2のPCRによって生成された標識アンプリコンである。
【0224】
一部の場合には、標識cDNA分子の検出は、cDNA分子、オリゴヌクレオチドタグ、および検出可能な標識を含む標識アンプリコンを含む試料の少なくとも一部を固体支持体にハイブリダイズさせることを含む。標識アンプリコンを含む試料の少なくとも一部のハイブリダイズは、ネステッドPCRの第2のPCRにおいて生成された標識アンプリコン、対照オリゴ、ハイブリダイゼーション緩衝剤、またはこれらのあらゆる組合せを含む試料の少なくとも一部を含むハイブリダイゼーション混合物を含み得る。対照オリゴは、オリゴヌクレオチドにコンジュゲートしている検出可能な標識を含み得る。検出可能な標識は、標識アンプリコンにおける検出可能な標識と同じである。例えば、標識アンプリコンはCy3標識を含み、対照オリゴはCy3標識オリゴヌクレオチドを含む。ハイブリダイゼーション混合物中の標識アンプリコンは変性されている。一部の場合には、標識アンプリコンの変性は、ハイブリダイゼーション混合物を95℃でインキュベートすることを含む。一部の場合には、ハイブリダイゼーション混合物を、95℃で少なくとも約1、2、3、4、または5分間インキュベートする。標識アンプリコンの変性後、ハイブリダイゼーション混合物を4℃で少なくとも2分間インキュベートする。標識アンプリコンの支持体へのハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション混合物の少なくとも一部を固体支持体に加えることを含み得る。一部の場合には、標識アンプリコンの固体支持体へのハイブリダイゼーションは、ハイブリダイゼーション混合物の少なくとも一部をAMIアレイスライドのウェルに加えることを含む。標識アンプリコンを、支持体に少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、または48時間ハイブリダイズさせてもよい。標識アンプリコンを支持体に少なくとも約4時間ハイブリダイズさせてもよい。標識アンプリコンを支持体に終夜ハイブリダイズさせてもよい。あるいは、標識アンプリコンを支持体に約12〜14時間ハイブリダイズさせる。他の場合には、標識アンプリコンを支持体に約3〜5時間、約4〜6時間、約6〜8時間、約8〜10時間、約9〜11時間、約13〜15時間、約14〜16時間、約17〜19時間、または18〜20時間ハイブリダイズさせる。標識アンプリコンの支持体へのハイブリダイゼーションは、支持体を標識アンプリコンと接触させ、標識アンプリコンおよび支持体をハイブリダイゼーション温度でインキュベートすることを含み得る。一部の場合には、ハイブリダイゼーション温度は少なくとも約20℃、21℃、22℃、23℃、24℃、25℃、26℃、27℃、28℃、29℃、30℃、32℃、34℃、36℃、38℃、40℃、45℃、50℃、55℃、60℃、または65℃である。
【0225】
固体支持体は複数のプローブを含み得る。複数のプローブは、標識cDNA分子または標識アンプリコンの少なくとも一部に相補的である配列を含み得る。複数のプローブが固体支持体上の別個の領域に並べられてもよく、固体支持体上の別個の領域は、同一の、またはほぼ同一の配列のプローブを含む。一部の場合には、固体支持体上の2つ以上の別個の領域は、オリゴヌクレオチドタグの2つの異なる一意識別子領域の配列に相補的な配列を含む2つの異なるプローブを含む。
【0226】
方法は、アレイスライドを粘着剤で覆って、密封されたアレイスライドを生成することをさらに含む。密封されたアレイスライドは、37℃でインキュベートすることができる。密封されたアレイスライドは、37℃で終夜インキュベートすることができる。一部の場合には、密封されたアレイを、37℃で少なくとも約12〜14時間インキュベートする。密封されたアレイを37℃でインキュベートした後、方法は、密封されたアレイを37℃から取り除くことをさらに含み得る。ハイブリダイゼーション混合物を各ウェルから取り除くことができる。ハイブリダイゼーション混合物は−20℃で貯蔵することができる。あるいは、ハイブリダイゼーション混合物は廃棄される。
【0227】
方法は、ウェルを第1の洗浄緩衝剤で洗浄することをさらに含み得る。ウェルの洗浄は、洗浄緩衝剤をウェルに加え、次いで洗浄緩衝剤を吸引することを含む。さらに、第2の洗浄を、同じまたは第2の洗浄緩衝剤で実行することができる。洗浄緩衝剤をウェルから吸引した後、アレイスライドをスキャンすることができる。一部の場合には、アレイスライドを乾燥状態でスキャンする(例えば、液体をウェルから除去する)。あるいは、アレイスライドを湿潤状態でスキャンする(例えば、ウェル中に液体がある)。アレイスライドはスキャナによりスキャンすることができる。
【0228】
方法は、増幅生成物(例えば、標識アンプリコン)を断片化して断片化された標識アンプリコンを生成することを含み得る。断片化された標識アンプリコンを固体支持体に付着させてもよい。本明細書に開示する方法は、検出可能な標識を標識分子、標識アンプリコン、または断片化された標識アンプリコンを付着させることをさらに含み得る。検出可能な標識を標識分子、標識アンプリコン、または断片化された標識アンプリコンに付着させた後、標識分子、標識アンプリコン、または断片化された標識アンプリコンを固体支持体に付着させてもよい。あるいは、標識分子、標識アンプリコン、または断片化された標識アンプリコンを固体支持体に付着させた後に、検出可能な標識を標識分子、標識アンプリコン、または断片化された標識アンプリコンに付着させる。本明細書に開示する方法は、2つ以上の検出可能な標識を、標識分子、標識アンプリコン、または断片化された標識アンプリコンに付着させることを含み得る。一部の場合には、検出可能な標識は標識cDNA分子であり、検出可能な標識は標識アンプリコン中に組み入れられる。例えば、Cy3汎用PCRプライマーを標識cDNA分子にアニールする。標識cDNA分子をCy3汎用PCRプライマーで増幅することにより、Cy3標識アンプリコンを生成することができる。本明細書に開示する方法は、第2の検出可能な標識を、第1の検出可能な標識分子に付着させることをさらに含み得る。例えば、本明細書に開示する方法は、ビオチンをCy3標識アンプリコンに付着させてビオチン/Cy3標識アンプリコンを生成することを含み得る。
【0229】
一部の場合には、標識cDNA分子の検出は蛍光リーダーを含む。蛍光リーダーはSensovation FLAIR機器であってよい。
【0230】
一部の場合には、スキャナからのデータはコンピューター上に保存される。あるいは、またはさらに、スキャナからのデータはエクスポートされる。一部の場合には、スキャナからのデータはコンピューター上で送信される。データのエクスポートおよび/または送信は、1つまたは複数のコンピューターネットワークを含み得る。
【0231】
本明細書には、分子を確率的標識するための方法、キット、およびシステムをさらに開示する。一般的に、方法は、複数の分子を含む試料を、複数のオリゴヌクレオチドタグに接触させ、複数のオリゴヌクレオチドタグからの1つまたは複数のオリゴヌクレオチドタグを、試料中の1つまたは複数の分子にランダムに付着させることを含む。複数のオリゴヌクレオチドタグは、2つ以上の異なる一意識別子領域を含むオリゴヌクレオチドタグを含む。
【0232】
一部の場合には、方法、キット、およびシステムは、複数のオリゴヌクレオチドタグにおける異なるオリゴヌクレオチドタグの濃度を含む。例えば、異なるオリゴヌクレオチドタグが、同じ濃度中の複数のオリゴヌクレオチドタグ中に存在する。あるいは、複数のオリゴヌクレオチドタグ中の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドタグの濃度は、複数のオリゴヌクレオチドタグ中の少なくとも1つの他のオリゴヌクレオチドタグの濃度より高い。複数のオリゴヌクレオチドタグ中の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドタグの濃度は、複数のオリゴヌクレオチドタグ中の少なくとも1つの他のオリゴヌクレオチドタグの濃度よりも、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、または100倍高い。一部の場合には、複数のオリゴヌクレオチドタグ中の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドタグの濃度は、複数のオリゴヌクレオチドタグ中の少なくとも1つの他のオリゴヌクレオチドタグの濃度よりも低い。複数のオリゴヌクレオチドタグ中の少なくとも1つのオリゴヌクレオチドタグの濃度は、複数のオリゴヌクレオチドタグ中の少なくとも1つの他のオリゴヌクレオチドタグの濃度よりも、少なくとも約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、6、7、8、9、10、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、または100倍低い。一部の場合には、複数のオリゴヌクレオチドタグ中少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、または100%の異なるオリゴヌクレオチドタグが、同じまたは同様の濃度において複数のオリゴヌクレオチドタグ中に存在する。あるいは、複数のオリゴヌクレオチドタグ中少なくとも約1%、2%、3%、4%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、97%、または100%の異なるオリゴヌクレオチドタグが、異なる濃度において複数のオリゴヌクレオチドタグ中に存在する。
【0233】
オリゴヌクレオチドタグは、標的特異的領域、汎用プライマー結合部位、またはこれらのあらゆる組合せをさらに含み得る。一部の場合には、一意識別子領域が、標的特異的領域と汎用プライマー結合部位との間にある。オリゴヌクレオチドタグは、分子に、ハイブリダイゼーション、ライゲーション、またはこれらのあらゆる組合せによって付着していてよい。一部の場合には、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドタグが分子に付着している。オリゴヌクレオチドタグは、分子の5’末端、分子の3’末端、分子内の内部部位、またはこれらのあらゆる組合せに付着していてよい。オリゴヌクレオチドタグの一端または両端が分子に付着していてよい。
【0234】
分子はポリヌクレオチドであってよい。ポリヌクレオチドは、RNA、DNA、またはこれらのあらゆる組合せを含み得る。分子はRNA分子であってよい。RNA分子はmRNA分子であってよい。分子はポリアデニル化されていてよい。あるいは、分子はポリアデニル化されていない。
【0235】
本明細書において、試料中の核酸分子の量を増大するためのデジタル前増幅方法をさらに開示する。一般的に、方法は、(a)標識核酸分子が、核酸分子に付着しているオリゴヌクレオチドタグを含む、本明細書に開示するあらゆる方法により、試料中の核酸分子を確率的に標識して標識核酸分子を生成するステップと、(b)複数の標識アンプリコンにおける標識アンプリコンが標識核酸分子のコピーである、標識核酸分子を増幅して複数の標識アンプリコンを生成するステップとを含む。ステップ(a)の標識核酸分子を繰返し増幅して、試料中の核酸分子の量を増大してもよい。オリゴヌクレオチドタグは、同一のまたはほぼ同一の核酸分子を区別するのに使用することができる一意識別子領域を含む。
【0236】
増幅前の核酸分子の確率的標識により、試料の鋳型の親分子から生じるクローン的に複製された分子の同定が可能になり得る。増幅前の核酸分子の確率的標識により核酸分子の制御された増幅が可能になり得、個々の核酸分子の増幅はオリゴヌクレオチド標識によって追跡し、モニタリングすることができる。デジタル前増幅方法により、試料中の核酸分子の真の存在量レベルを説明することができる。この方法は、限られた量の核酸分子を含む試料に特に有用であり得る。例えば、この方法を使用して、単一細胞からの核酸分子の量を増大することができる。細胞中の核酸分子を確率的に標識し、その後標識核酸分子を増幅することにより、核酸分子をより正確に定量測定することができ得る。
【0237】
一部の場合には、試料中の標識核酸分子は、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、または10倍増幅される。あるいは、試料中の標識核酸分子は、少なくとも約11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45、50、60、70、80、90、または100倍増幅される。
【0238】
核酸分子のデジタル前増幅により、オリジナルの試料を枯渇させずに、試料中の核酸分子が繰り返しサンプリングできるようになり得る。試料中の核酸分子の繰返しサンプリングは、標識核酸分子に対して実行される増幅または繰返し増幅反応から生成される標識アンプリコンに対して1つまたは複数の測定および/または実験を実行することを含み得る。試料中の核酸分子の繰返しサンプリングは、核酸分子を検出および/または定量するための測定を含み得る。試料中の核酸分子の繰返しサンプリングは、試料中の核酸分子に対してさらなる実験を実行することを含み得る。
【0239】
一部の実施形態では、標識分子の遺伝子特異的検出のための方法、キット、およびシステムを開示する。方法、キット、およびシステムを使用して、1つまたは複数の対象の遺伝子に対する検出特異性を向上することができる。方法の模式図を
図7に図示する。一般的に、方法は、a)少なくとも1つの標的分子を固体支持体にハイブリダイズさせるステップと、b)標識した遺伝子特異的オリゴを標的の分子にハイブリダイズして標識標的分子を生成するステップとを含む。
【0240】
本明細書において、1つまたは複数の分子を絶対的定量するための方法、キット、およびシステムをさらに開示する。
図17は、2つの遺伝子(遺伝子Aおよび遺伝子B)の定量の比較を示す。2つの遺伝子を標準のアレイの読取りにより定量することにより、遺伝子Aおよび遺伝子Bの相対的な定量を提供することができる。標準のアレイの読取りにおいて、遺伝子は増幅され、アンプリコンはアレイにハイブリダイズされる。遺伝子AおよびBの相対量を蛍光により検出することができ、シグナルの強度(例えば、明るさ)を使用して、遺伝子Bの量が遺伝子Aの量を超えることを決定することができる。本明細書に開示するデジタル増幅方法を使用して、遺伝子Aおよび遺伝子Bの絶対的定量を提供することができる。絶対的定量方法は、(a)複数のオリゴヌクレオチドタグが2つ以上の異なる一意識別子領域を含む、2つ以上の遺伝子に複数のオリゴヌクレオチドタグで確率的に標識して確率的標識分子を生成するステップと、(b)確率的標識分子を増幅して1つまたは複数の確率的標識アンプリコンを生成するステップと、(c)各々の確率的標識アンプリコンに関連する異なる一意識別子領域の数を検出し、それにより2つ以上の分子の絶対量を検出するステップとを含み得る。
図17Bに示す通り、一意識別子領域の検出は、確率的標識アンプリコンを固体支持体(例えば、アレイ)にハイブリダイズさせることを含む。確率的標識アンプリコンは固体支持体上の別個の位置にハイブリダイズすることができ、異なる一意識別子領域の数は、蛍光によって検出される別個の位置の数を計数することにより決定することができる。
【0241】
図19は、1つまたは複数のRNA分子の絶対的定量方法の模式図を示す。
図19のステップ1に示す通り、1つまたは複数の標的RNA分子のcDNA合成は、オリゴヌクレオチドタグ(1920)のオリゴdT配列(例えば、標的特異的領域、1920)をmRNA分子(1910)のポリAテールにアニールすることを含む。オリゴヌクレオチドタグ(1920)は、一意識別子領域(1940)および汎用プライマー結合部位(1950)をさらに含む。一意識別子領域(1940)は予め決定された配列を含み得る。あるいは、一意識別子領域(1940)はランダム配列を含む。得られたcDNA分子(1960)は、mRNA分子、一意識別子領域(1940)、および汎用プライマー結合部位(1950)のコピーを含む。ステップ2に示す通り、cDNA分子(1960)は、第1のフォワードプライマー(1980)、第2のフォワードプライマー(1990)、および1つまたは複数の標識アンプリコン(例えば、一意識別子領域を含むアンプリコン)を生成するための汎用プライマー(1970)を含むリバースプライマーを含むネステッドPCRによって増幅することができる。フォワードプライマー(1980、1990)は、遺伝子特異的プライマーであってよい。標識アンプリコンは、当技術分野において公知のあらゆる方法によって検出することができる。mRNA分子の絶対的定量は、異なる一意識別子領域を検出および計数することにより生じることができる。
【0242】
図20は、1つまたは複数の分子を定量するための別の方法を示す。方法は、(a)確率的標識cDNAのコピーが一意識別子領域を含む、標的特異的領域(2050)、一意識別子領域(2060)、および汎用プライマー結合部位(2070)を含む2つ以上のオリゴヌクレオチドタグ(2020)を含む複数のオリゴヌクレオチドタグ(2030)を使用して、1つまたは複数のRNA分子を逆転写して、1つまたは複数の確率的標識cDNAのコピーを生成するステップを含み得る。一意識別子領域はランダム配列を含み得る。方法は、確率的標識cDNAのコピーを増幅して1つまたは複数の確率的標識アンプリコンを生成することをさらに含み得る。増幅は、PCRおよびT7増幅を含み得る。確率的標識アンプリコンは、一意識別子領域を含み得る。方法は、確率的標識cDNAのコピー、または確率的標識アンプリコンを検出することをさらに含み得る。確率的標識分子の検出は、確率的標識分子を1つまたは複数のデジタルアレイにハイブリダイズさせて、対象の各遺伝子に対する別個の標識の数を決定することを含み得る。ハイブリダイゼーションは、遺伝子の3’エクソン上のセグメントである可能性が最も高いmRNA配列の存在、および一意識別子領域の両方を必要とし得る。アレイは700万フィーチャーを含み得る。1つまたは複数の分子が試料中にあってよい。試料は、20,000の異なるmRNA配列を含み得る。方法は、試料中に存在する各mRNAのコピーの数を決定するステップを含んでもよい。複数のオリゴヌクレオチドタグは、350以上のオリゴヌクレオチドタグを含み得る。一部の場合には、350のオリゴヌクレオチドタグのサブセットを低濃度で適用して、測定の効率的なダイナミックレンジを増大してもよい。
【0243】
図25は、mRNA分子の絶対的定量の別の方法を示す。
図25に示す通り、方法は、(a)確率的標識cDNA分子が、mRNA分子(2510)、一意識別子領域(2540)、および汎用プライマー結合部位(2550)のcDNAコピーを含む、オリゴヌクレオチドタグ(2560)との逆転写反応を実行して確率的標識cDNA分子(2520)を生成するステップと、(b)確率的標識cDNA分子を検出するステップとを含む。オリゴヌクレオチドタグ(2560)は、逆転写反応のためのプライマーとして働くことができる。オリゴヌクレオチドタグ(2560)は、標的特異的領域(2530)、一意識別子領域(2540)、および汎用プライマー結合部位(2550)を含み得る。方法は、確率的標識cDNA分子の検出に基づいてmRNA分子を絶対的定量することをさらに含み得る。確率的標識cDNA分子の検出は、各タイプのcDNA分子に関連する異なる一意識別子領域の数を計数することを含み得る。方法は、確率的標識cDNA分子を増幅した後、前記の検出をして1つまたは複数の確率的標識アンプリコンを生成することをさらに含み得る。
【0244】
本明細書において、DNAコピー数を決定するための方法、キット、およびシステムをさらに開示する。方法の一般的な模式図を
図21に示す。
図21のステップ1に示す通り、ゲノムDNA(2110)を断片化してDNA断片(2130)を生成することができる。ゲノムDNAの断片化は、当技術分野において公知のあらゆる方法によって生じ得る。例えば、断片化は機械的せん断を含み得る。あるいは、断片化は、ゲノムDNAの、1つまたは複数の制限ヌクレアーゼでの消化を含み得る。
図21のステップ2に示す通り、DNA断片(2120)を、複数のオリゴヌクレオチドタグ(2140)で確率的に標識して、確率的に標識した分子(2170)を生成することができる。オリゴヌクレオチドタグ(2140)は、アダプター配列(2150)および一意識別子領域(2160)を含み得る。アダプター配列(2150)により、オリゴヌクレオチドタグ(2140)のDNA断片への付着が可能になり得る。アダプター配列(2150)は、DNA断片にアニールすることができる1つまたは複数のヌクレオチドを含み得る。確率的に標識した各分子(2170)は1つまたは複数のオリゴヌクレオチドタグ(2150)を含み得る。方法は、確率的に標識した分子(2170)を増幅して、1つまたは複数の確率的標識アンプリコンを生成することをさらに含み得る。方法は、増幅前に1つまたは複数のDNA断片を除去することをさらに含み得る。1つまたは複数のDNA断片の除去は、増幅前に1つまたは複数の制限酵素でDNA断片を消化して、ある特定の断片の複製を防ぐことを含み得る。方法は、確率的標識分子を検出することをさらに含み得る。検出は、各DNA断片にライゲーションしている別個の一意識別子領域の数を検出するデジタルアレイに対するハイブリダイゼーションを含み得る。
【0245】
本明細書において、1つまたは複数のRNA分子を分析するための方法、キット、およびシステムをさらに開示する。RNA分子は小型RNA分子であってよい。小型RNA分子はマイクロRNAであってよい。
図22は、小型RNA分子を分析するための一般的方法を示す。
図22のステップ1に示す通り、1つまたは複数のmiRNA分子(2210)は第1の複数のオリゴヌクレオチドタグ(2230)で確率的に標識されている。オリゴヌクレオチドタグ(2230)は、アダプター配列(2240)、および一意識別子領域(2250)を含み得る。アダプター配列(2240)により、3’−確率的標識miRNA(2260)を生成するための、オリゴヌクレオチドタグ(2230)のmiRNA分子(2220)への付着が可能になり得る。
図22のステップ2に示す通り、方法は、3’−確率的標識マイクロRNA(2260)の、第2の複数のオリゴヌクレオチドタグ(2270)での確率的標識をさらに含み得る。第2の複数のオリゴヌクレオチドタグ(2270)は、アダプター配列(2290)および一意識別子領域(2280)を含み得る。アダプター配列(2290)により、5’および3’−確率的標識miRNA(2295)を生成するための、オリゴヌクレオチドタグ(2270)の3’−確率的標識miRNA分子(2260)への付着が可能になり得る。方法は、確率的に標識したmiRNAを逆転写するステップ、確率的標識miRNAを増幅するステップ、確率的標識miRNAを検出するステップ、確率的標識miRNAを検出することによりmiRNAを定量するステップ、確率的標識miRNAをアレイにハイブリダイズさせるステップ、またはこれらの組合せをさらに含み得る。アレイはデジタルアレイであってよい。miRNA分子はあらゆるmiRNA配列を含み得る。例えば、miRNA分子は、2011年11月に公開され、独特の成熟ヒトmiRNAを1921個列挙する、miRBase 18 http://www.mirbase.org/に開示されている配列を含み得る。200万フィーチャーのアレイは、1921個のmiRNAにライゲーションされている標識1000個を十分に検出することができる。
【0246】
本明細書に開示する方法、キット、およびシステムは、遺伝子診断に使用することができる。例えば、本明細書に開示する方法、キット、およびシステムを、単一細胞着床前遺伝子診断(PGD)に使用することができる。単一細胞ゲノムDNA増幅アッセイでの第一の難題は、アレルドロップアウトおよび複製バイアス(replication bias)に由来し得る。
図23Aに示す、あらゆる分子の複製の確率が0.8であるコンピュテーションモデリング(computation modeling)分析に示す通り、初期のコピー比が1:1である分子は、数サイクルの複製の直後に1:10以上に容易に歪められ得る。しかし、標識を最初に付着させた後に増幅する場合、標識を計数してコピー数を決定することは、複製が生じる限り、複製バイアスによる影響を受けない。異数性の決定、および大きな領域の欠失または増幅は、本明細書に開示する確率的標識方法により、容易かつ正確に決定することができる。
図23Bは、一般的方法の模式図を示す。
図23Bのステップ1に示す通り、方法は、ゲノムDNA(gDNA、2310)を断片化して、1つまたは複数の断片化分子(2320)を生成するステップを含み得る。gDNA(2310)の断片化は、当技術分野において公知のあらゆる方法を含み得る。例えば、断片化は、制限消化反応を実行することを含み得る。
図23Bのステップ2に示す通り、断片化したDNA(2320)を、複数のオリゴヌクレオチドタグ(2380)で確率的に標識して1つまたは複数の確率的標識分子(2320)を生成することができる。確率的標識分子(2330)は、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドタグ(2380)を含み得る。オリゴヌクレオチドタグ(2380)は、一意識別子領域(2350)および汎用プライマー結合部位(2340)を含み得る。確率的標識分子(2380)は、汎用プライマー結合部位(2340)にハイブリダイズして1つまたは複数の確率的標識アンプリコンを生成することができる1つまたは複数のプライマー(2360、2370)を使用して増幅してもよい。
図23Bのステップ3に示す通り、確率的標識分子(2330)は、GeneChip検出器(2395)によって検出することができる。確率的標識分子(2330)は、GeneChip検出器(2395)上のプローブ(2390)にハイブリダイズすることができる。
【0247】
本明細書に開示する方法、キット、およびシステムは、胎児診断において使用することができる。方法は、(a)試料中の核酸分子を断片化して1つまたは複数の核酸断片を生成するステップと、(b)1つまたは複数の核酸断片を、一意識別子領域を含む複数のオリゴヌクレオチドタグで確率的に標識して、1つまたは複数の確率的標識分子を生成するステップと、(c)一意識別子領域の数を計数することにより、確率的標識分子を検出するステップとを含み得る。方法は、確率的標識分子の検出に基づいて胎児の遺伝的障害を診断することをさらに含み得る。
【0248】
図24は、胎児診断において確率的標識方法を使用するための一般的模式図を示す。循環DNA100ナノグラム中に、約10,000個のゲノム同等物が存在し得る。母系の血漿の第1三半期では、胎児DNAの全濃度は、母系血漿試料中全DNAの約10%であり得る。この方法は、
図24に示す通り、DNA分子(2410)を断片化するステップを含み得る。断片化は、4塩基制限酵素カッターの使用を含み得る。断片化されたDNA分子を、複数のオリゴヌクレオチドタグ(2420)で確率的に標識してもよい。確率的標識は、1つまたは複数のオリゴヌクレオチドタグを断片化したDNA分子にライゲーションして、1つまたは複数の確率的標識分子を生成することを含み得る。確率的標識分子をマルチプレックス反応(2430)において増幅して、1つまたは複数の確率的標識アンプリコンを生成してもよい。確率的標識アンプリコンは、アレイ(2440)上で検出され得る。アレイは、500万フィーチャーを含み得る。胎児の遺伝的障害(例えば、21トリソミー)の診断は、確率的標識アンプリコン(2450、2460)の検出に基づくことができる。100,000個のオリゴヌクレオチドタグは、1996年7月30日発行の、Methods for screening factorial chemical libraries、Stephen P.A.Fodorら、米国特許第5541061号に記載されている通りに合成することができる。
【0249】
図26は、1つまたは複数の分子を不活性なプライマーで確率的に標識するための模式図を示す。方法は、(a)cDNAコピーが3’ポリAテールおよび5’オリゴdT配列を含む、mRNA分子(2610)をオリゴdU配列を含むプライマー(2620)で逆転写してmRNA分子のcDNAコピー(2630)を生成するステップと、(b)cDNAコピー(2620)を、汎用プライマー結合部位(2650)、一意識別子領域(2660)、およびオリゴdU配列(2670)を含むオリゴヌクレオチドタグ(2640)で確率的に標識して、確率的標識cDNA分子(2680)を生成するステップとを含み得る。方法は、cDNA分子の両端がオリゴヌクレオチドタグで確率的に標識されている、確率的標識cDNA分子を生成するための第2の確率的標識ステップをさらに含み得る。方法は、試料をウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)で処理して、オリゴdUプライマー(2620)およびオリゴdU配列を含むオリゴヌクレオチドタグを除去するステップをさらに含み得る。方法は、確率的標識cDNA分子を増幅して、1つまたは複数の確率的標識アンプリコンを生成するステップをさらに含み得る。
【0250】
図27は、1つまたは複数の分子を分析するための模式図を示す。方法は、(a)cDNAコピー(2760)が一意識別子領域(2740)および汎用プライマー結合部位(2750)を含む、mRNA分子(2710)を、オリゴdU配列(2730)、一意識別子領域(2740)、および汎用プライマー結合部位(2750)を含むオリゴヌクレオチドタグ(2720)で逆転写してmRNA分子のcDNAコピー(2760)を生成するステップと、(b)cDNAコピーを、オリゴdU配列を含む第1のプライマー(2790)、および汎用プライマー配列を含む第2のプライマー(2780)で増幅して確率的標識アンプリコンを生成するステップとを含み得る。方法は、分子を1つまたは複数の制限酵素で処理するステップを含み得る。方法は、確率的標識分子上でエマルジョンPCR反応を実行するステップをさらに含み得る。
【0251】
図26〜27に示す方法は、ホモポリマーテーリングに頼り得る。
図28は、ホモポリマーテーリングに頼らない方法を示す。
図28に示す通り、方法は、mRNA分子を逆転写してcDNAコピーを生成するステップを含み得る。mRNA分子の逆転写は、ビーズ表面で実行されてもよい。方法は、mRNA分子のRNアーゼH消化を含み得る。方法は、複数のオリゴヌクレオチドタグでcDNAコピーを確率的に標識して、1つまたは複数の確率的標識cDNA分子を生成するステップを含み得る。オリゴヌクレオチドタグは第2の構造を含み得る。第2の構造はヘアピンであってもよい。オリゴヌクレオチドタグは、汎用プライマー結合部位、一意識別子領域、制限酵素認識部位、標的特異的領域、またはこれらのあらゆる組合せを含み得る。ヘアピンオリゴヌクレオチドタグのループ部分は、汎用プライマー結合配列を含み得る。ヘアピンオリゴヌクレオチドタグのループ部分は、一意識別子領域を含み得る。ヘアピンオリゴヌクレオチドタグのループ部分は、制限酵素認識部位をさらに含み得る。オリゴヌクレオチドタグは一本鎖であってもよい。オリゴヌクレオチドタグは二本鎖であってもよい。方法は、確率的標識cDNA分子を増幅して1つまたは複数の確率的標識アンプリコンを生成するステップをさらに含み得る。方法は、確率的標識アンプリコンを制限ヌクレアーゼで消化して、消化された確率的標識アンプリコンを生成するステップをさらに含み得る。方法は、1つまたは複数のプライマーを、消化された確率的標識アンプリコンにライゲーションしてプライマー−確率的標識アンプリコンを生成するステップをさらに含み得る。プライマーは配列決定プライマーであってもよい。方法は、プライマー−確率的標識アンプリコンを配列決定するステップをさらに含み得る。この方法は、PCR増幅の間にオリゴヌクレオチドタグの意図的でない組み入れを低減または防止し得る。この方法は、ホモポリマーテールに基づいた反応からの確率的標識分子の配列決定に比べて、確率的標識分子の配列決定を改善し得る。この方法は、配列決定エラーを低減または防止し得る。オリゴヌクレオチドタグは3’ホスフェートを含み得る。3’ホスフェートは、PCR反応の間の3’末端の伸長を防ぎ、それにより非特異的な増幅を低減または防止することができる。
【0252】
図29は、直鎖増幅方法を示す。方法は、1つまたは複数のRNA分子を複数のオリゴヌクレオチドタグで確率的に標識してmRNA分子の1つまたは複数のcDNAコピーを生成することにより、1つまたは複数のmRNA分子を逆転写するステップを含み得、cDNAコピーはオリゴヌクレオチドタグを含む。オリゴヌクレオチドタグは、汎用プライマー結合部位、一意識別子領域、およびオリゴdT配列を含み得る。方法は、第2の鎖合成によりmRNA分子のDNAコピーを合成するステップをさらに含み得る。方法は、確率的標識cDNA分子の直鎖増幅を含み得る。直鎖増幅は、確率的標識cDNA分子を、T7 RNAポリメラーゼ、ニッキング酵素鎖置換合成、またはRiboSPIA(NuGEN)により増幅するステップを含み得る。方法は、1つまたは複数の配列決定プライマーを確率的標識分子に付着させるステップをさらに含み得る。方法は、確率的標識分子を増幅して1つまたは複数の確率的標識アンプリコンを生成するステップをさらに含み得る。方法は、確率的標識アンプリコンを配列決定するステップをさらに含み得る。この方法は、指数関数的PCRが後に続く低レベルの最初の増幅を含み得る。この方法は、ライゲーションと独立であってよい。この方法は、PCRにより産生されるアーチファクトを低減または防止し得る。
【0253】
図30は、ストランドスイッチング(strand switching)により1つまたは複数の分子を確率的に標識する方法を示す。方法は、ストランドスイッチオリゴヌクレオチドの存在下で第1の鎖合成を逆転写して確率的標識cDNA分子を生成するステップを含み得る。方法は、確率的標識cDNA分子を増幅するステップをさらに含み得る。
【0254】
図31は、ランダムプライミングにより1つまたは複数の分子を確率的に標識する方法を示す。方法は、mRNA分子を逆転写して確率的標識cDNAのコピーを生成するステップを含み得る。逆転写は、1つまたは複数の分子を複数のオリゴヌクレオチドタグで確率的に標識するステップを含み得、オリゴヌクレオチドタグはオリゴdU配列、一意識別子配列、および汎用プライマー配列を含む。オリゴヌクレオチドタグは制限酵素認識部位をさらに含み得る。方法は、mRNA分子をRNアーゼHで除去するステップをさらに含み得る。方法は、第2の鎖合成反応を第2のセットのオリゴヌクレオチドタグで実行するステップをさらに含み得る。第2のセットのオリゴヌクレオチドタグは、汎用プライマー結合部位、制限酵素認識部位、および一意識別子領域を含み得る。方法は、試料をUDGで処理して、1つまたは複数のウラシルを含むオリゴヌクレオチドタグを除去することをさらに含み得る。方法は、確率的標識分子を増幅するステップをさらに含み得る。方法は、1つまたは複数のアダプターを確率的標識分子に付着させることをさらに含み得る。オリゴヌクレオチドタグは、あらゆる3つのヌクレオチド(例えば、C、G、T−Aなし;C、G、A−Tなし)を含み得る。オリゴヌクレオチドタグはあらゆる2つのヌクレオチド(例えば、G、T−A、Cなし;A、C−G、Tなし)を含み得る。
図31に示す通り、方法は、12の可変の標識のヌクレオチド(C/G/T−T/Uストリングへの偽の自己プライミングを防ぐためにAが除外されている)を保有するオリゴdT(またはUDGで引き続き除去するためのdU)オリゴヌクレオチドタグでの、第1の鎖cDNA合成を含み得る。しかし、第2のPCRプライミング部位を産生するためのTdTテーリングの代わりに、疑似ランダムストリング(quasi−random string)を含むオリゴヌクレオチドタグおよびPCR配列が使用される。
【0255】
図43は、直接的に1つまたは複数の細胞可溶化液からの1つまたは複数の分子の絶対的定量のための方法の模式図を示す。
図43に示す通り、1つまたは複数のDNA分子(4320)、RNA分子(4330)、タンパク質(4340)、またはこれらの組合せを含むインタクトな細胞(4310)を溶解して溶解細胞(4350)を生成する。1つまたは複数のDNA分子(4320)、RNA分子(4330)、および/またはタンパク質(4340)が細胞から遊離され得る。1つまたは複数のmRNA分子(4330)の量を、複数のオリゴヌクレオチドタグ(4390)でmRNA分子を確率的標識することにより決定することができる。オリゴヌクレオチドタグは、標的特異的領域(4360)、一意識別子領域(4370)、および汎用プライマー結合部位(4380)を含み得る。
【0256】
一部の場合には、標的分子はDNA分子である。あるいは、標的分子はRNA分子である。一部の場合には、本明細書に開示する方法はRNA分子の逆転写をさらに含む。標識遺伝子特異的オリゴは、1つまたは複数のヌクレオチドを含み得る。1つまたは複数のヌクレオチドはデオキシヌクレオチドであってよい。あるいは、またはさらに、1つまたは複数のヌクレオチドはデオキシリボヌクレオチドである。1つまたは複数のヌクレオチドは合成のヌクレオチドであってよい。標識遺伝子特異的オリゴは、少なくとも約5個のヌクレオチドを含み得る。あるいは、標識遺伝子特異的オリゴは、少なくとも約10個のヌクレオチドを含む。あるいは、標識遺伝子特異的オリゴは、少なくとも約12個のヌクレオチドを含む。標識遺伝子特異的オリゴは、少なくとも約15個のヌクレオチドを含み得る。標識遺伝子特異的オリゴは、少なくとも約17個のヌクレオチドを含み得る。標識遺伝子特異的オリゴは、少なくとも約20個のヌクレオチドを含み得る。一部の場合には、標識遺伝子特異的オリゴは、少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、または100個のヌクレオチドを含む。
【0257】
標識遺伝子特異的オリゴは、標的特異的領域を含み得る。標識遺伝子特異的オリゴの標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に少なくとも部分的に相補的であってよい。一部の場合には、標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補的であるヌクレオチドを少なくとも約5個含む。あるいは、標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補的であるヌクレオチドを少なくとも約10個含む。他の場合には、標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補的であるヌクレオチドを少なくとも約12個含む。標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補的であるヌクレオチドを少なくとも約15個含み得る。標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補的であるヌクレオチドを少なくとも約17個含み得る。標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補的であるヌクレオチドを少なくとも約20個含み得る。標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補的であるヌクレオチドを少なくとも約25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、96、または100個含み得る。標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補性が少なくとも約60%である配列を含み得る。あるいは、標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補性が少なくとも約70%である配列を含む。標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補性が少なくとも約80%である配列を含み得る。標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補性が少なくとも約85%である配列を含み得る。標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補性が少なくとも約90%である配列を含み得る。標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補性が少なくとも約95%である配列を含み得る。標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補性が少なくとも約97%である配列を含み得る。標的特異的領域は、標的分子の少なくとも一部に相補性が少なくとも約98%である配列を含み得る。
【0258】
標識遺伝子特異的オリゴは、本明細書に開示するあらゆる標識を含み得る。一部の場合には、標識はフルオロフォアである。あるいは、標識はシアニン色素(例えば、Cy3、Cy5)である。
【0259】
固体支持体は、本明細書に開示するあらゆる固体支持体であってよい。一部の場合には、固体支持体は検出器アレイである。検出器アレイは、複数のプローブを含み得る。標的分子は、検出器アレイ上の複数のプローブの1つまたは複数のプローブにハイブリダイズすることができる。
【0260】
方法は、固体支持体へのハイブリダイゼーション前に、標的分子を増幅するステップをさらに含み得る。本明細書に開示する方法は、固体支持体にハイブリダイズした標的分子を配列決定するステップをさらに含み得る。本明細書に開示する方法は、対象の遺伝子を含まない、PCRで増幅されたDNAの偽陽性検出を防ぐのに使用することができる。
【0261】
方法は、標識標的分子を検出するステップをさらに含み得る。標識標的分子を検出するための方法は、本明細書に開示するあらゆる検出方法および機器を含み得る。一部の場合には、標識標的分子の検出は、標識の検出を含む。標識標的分子の検出は蛍光光度計を含み得る。あるいは、標識標的分子の検出はルミノメータを含む。他の場合には、標識標的分子の検出はプレートリーダーを含む。
【0262】
本明細書には、標的分子の集団を捕捉および/または濃縮するための方法、キット、およびシステムをさらに開示する。
図8は方法の模式図を示す。一般的に、方法は、a)試料中の1つまたは複数の核酸分子を確率的に標識して確率的標識分子を生成するステップと、b)捕捉分子が標的分子を含む、1つまたは複数の確率的標識分子を捕捉して捕捉分子を生成するステップとを含む。
【0263】
確率的標識分子の捕捉は、1つまたは複数の遺伝子特異的オリゴの使用を含み得る。遺伝子特異的オリゴは、特異的な確率的標識分子に付着してオリゴ連結分子を生成することができる。一部の場合には、本明細書に開示する方法は、試料からオリゴ連結分子を単離するステップをさらに含む。遺伝子特異的オリゴは、標識またはタグを含み得る。標識またはタグにより、オリゴ連結分子の単離が可能になり得る。
【0264】
あるいは、確率的標識分子の捕捉は、確率的標識分子を含む試料を固体支持体と接触させるステップを含み得る。一部の場合には、標的分子を含む確率的標識分子を固体支持体にハイブリダイズさせ、それにより確率的標識分子を捕捉する。あるいは、固体支持体にハイブリダイズさせた確率的標識分子は標的分子を含まず、確率的標識分子の捕捉はあらゆる非結合の確率的標識分子(例えば、固体支持体にハイブリダイズしていない確率的標識分子)の収集を含む。固体支持体は、本明細書に開示するあらゆる固体支持体であってよい。一部の場合には、固体支持体はアレイである。他の場合には、固体支持体はビーズである。ビーズは磁性ビーズであってよい。一部の場合には、確率的標識分子の捕捉は磁石の使用を含む。
【0265】
方法は、確率的標識分子および/または捕捉分子の増幅をさらに含み得る。確率的標識分子および/または捕捉分子の増幅は、本明細書に開示するあらゆる増幅方法を含み得る。一部の場合には、確率的標識分子および/または捕捉分子の増幅はPCRを含む。
【0266】
本明細書に開示する方法は、捕捉分子の配列決定をさらに含み得る。配列決定は、本明細書に開示するあらゆる配列決定方法を含み得る。一部の場合には、捕捉分子は固体支持体上で直接配列決定される。
【0267】
本明細書には、核酸分子をデジタル検出および/または定量するための方法、キット、およびシステムをさらに開示する。一般的に、方法、キット、およびシステムは(a)核酸分子を複数のオリゴヌクレオチドタグで確率的に標識して確率的標識核酸分子を生成するステップと、(b)確率的標識核酸分子を検出および/または定量するステップとを含む。核酸分子はDNA分子であってよい。核酸分子は細胞由来であってよい。あるいは、核酸分子は無細胞の分子である。核酸分子は対象由来であってよい。あるいは、核酸分子は外来の対象由来であってよい。外来の対象は病原体(例えば、ウイルス、細菌、真菌)であってよい。
【0268】
方法は、確率的標識核酸分子を増幅して確率的標識核酸分子アンプリコンを生成するステップをさらに含み得る。確率的標識核酸分子またはそのあらゆる生成物(例えば、確率的標識核酸分子アンプリコン)は、繰返し増幅され得る。
【0269】
一部の場合には、方法は、1つまたは複数の検出可能な標識を確率的標識核酸分子またはその生成物に付着させるステップをさらに含む。一部の場合には、少なくとも1つの検出可能な標識が確率的標識核酸分子またはその生成物に付着している。あるいは、少なくとも2つの検出可能な標識が確率的標識核酸分子またはその生成物に付着している。検出可能な標識はビオチンであってよい。あるいは、検出可能な標識は蛍光色素である。蛍光色素はCy(商標)色素またはTYE 563色素であってよい。Cy(商標)色素はCy3であってよい。
【0270】
方法は、確率的標識核酸分子またはあらゆるその生成物の、固体支持体へのハイブリダイゼーションをさらに含み得る。固体支持体はビーズであってよい。あるいは、固体支持体はアレイである。
【0271】
方法は、配列決定反応を実行して、確率的標識核酸分子またはその生成物の少なくとも一部の配列を決定するステップをさらに含み得る。一部の場合には、確率的標識核酸分子またはその生成物のオリゴヌクレオチドタグの少なくとも一部は配列である。例えば、オリゴヌクレオチドタグの一意識別子領域の少なくとも一部が配列決定される。別の例では、オリゴヌクレオチドタグの標的特異的領域の少なくとも一部が配列決定される。あるいは、またはさらに、確率的標識核酸分子の核酸分子の少なくとも一部が配列決定される。
【0272】
確率的標識核酸分子の検出および/または定量は、確率的標識cDNAのコピーおよび/または確率的標識核酸分子アンプリコンの検出および/または定量を含み得る。確率的標識核酸分子の検出および/または定量は、確率的標識核酸分子またはその生成物に付着している1つまたは複数の検出可能な標識の検出をさらに含み得る。確率的標識核酸分子またはその生成物の検出および/または定量は、本明細書に開示するあらゆる検出および/または定量方法を含み得る。例えば、蛍光リーダーを使用して確率的標識核酸分子またはその生成物を検出および/または定量することができる。あるいは、マイクロアレイリーダーを使用して確率的標識核酸分子またはその生成物を検出および/または定量することができる。
【0273】
本明細書には、ウイルス分子をデジタル検出および/またはデジタル定量するための方法、キット、およびシステムをさらに開示する。一般的に、方法、キット、およびシステムは、(a)1つまたは複数のウイルス分子を複数のオリゴヌクレオチドタグで確率的に標識して確率的標識ウイルス分子を生成するステップと、(b)確率的標識ウイルス分子を検出および/または定量するステップとを含む。一部の場合には、ウイルス分子は核酸分子である。核酸分子はDNAまたはRNAであってよい。
【0274】
方法は、逆転写反応を実行して確率的標識ウイルス分子(例えば、確率的標識ウイルスRNA分子)の確率的標識cDNAコピーを生成するステップをさらに含み得る。確率的標識ウイルス分子を繰り返し逆転写して、確率的標識ウイルス分子の多数の確率的標識cDNAコピーを生成することができる。方法は、確率的標識ウイルス分子またはあらゆるその生成物(例えば、確率的標識cDNAコピー)を増幅して、確率的標識ウイルスアンプリコンを生成するステップをさらに含み得る。確率的標識ウイルス分子を繰返し増幅することができる。あるいは、確率的標識ウイルス分子の生成物を繰返し増幅することができる。一部の場合には、確率的標識ウイルス分子の生成物は、確率的標識ウイルス分子の確率的標識cDNAコピーである。あるいは、確率的標識ウイルス分子の生成物は、確率的標識ウイルスアンプリコンである。
【0275】
一部の場合には、方法は、1つまたは複数の検出可能な標識を確率的標識ウイルス分子またはその生成物に付着させるステップをさらに含む。一部の場合には、少なくとも1つの検出可能な標識が、確率的標識ウイルス分子またはその生成物に付着している。あるいは、少なくとも2つの検出可能な標識が確率的標識ウイルス分子またはその生成物に付着している。検出可能な標識はビオチンであってよい。あるいは、検出可能な標識は蛍光色素である。蛍光色素はCy(商標)色素またはTYE 563色素であってよい。Cy(商標)色素はCy3であってよい。
【0276】
方法は、確率的標識ウイルス分子またはあらゆるその生成物の固体支持体へのハイブリダイゼーションをさらに含み得る。固体支持体はビーズであってよい。あるいは、固体支持体はアレイである。
【0277】
方法は、配列決定反応を実行して、確率的標識ウイルス分子またはその生成物の少なくとも一部の配列を決定するステップをさらに含み得る。一部の場合には、確率的標識ウイルス分子またはその生成物のオリゴヌクレオチドタグの少なくとも一部は配列である。例えば、オリゴヌクレオチドタグの一意識別子領域の少なくとも一部が配列決定される。別の例では、オリゴヌクレオチドタグの標的特異的領域の少なくとも一部が配列決定される。あるいは、またはさらに、確率的に標識したウイルス分子のウイルス分子の少なくとも一部が配列決定される。
【0278】
確率的標識ウイルス分子の検出および/または定量は、確率的標識cDNAのコピーおよび/または確率的標識ウイルスアンプリコンの検出および/または定量を含み得る。確率的標識ウイルス分子の検出および/または定量は、確率的標識ウイルス分子またはその生成物に付着している1つまたは複数の検出可能な標識の検出をさらに含み得る。確率的標識ウイルス分子またはその生成物の検出および/または定量は、本明細書に開示するあらゆる検出および/または定量方法を含み得る。例えば、蛍光リーダーを使用して確率的標識ウイルス分子またはその生成物を検出および/または定量することができる。あるいは、マイクロアレイリーダーを使用して確率的標識ウイルス分子またはその生成物を検出および/または定量することができる。
【0279】
一部の場合には、ウイルス分子のデジタル検出および/またはデジタル定量を使用して、ウイルス感染症に罹患している対象におけるウイルス量を決定することができる。あるいは、ウイルス分子のデジタル検出および/またはデジタル定量を、ウイルス感染症の診断および/または予後診断において使用することができる。一部の場合には、ウイルス分子のデジタル検出および/またはデジタル定量を、抗ウイルス治療レジメンのモニタリングにおいて使用することができる。
【0280】
本明細書には、バイオマーカーをデジタル検出および/またはデジタル定量するための方法、キット、およびシステムをさらに開示する。方法、キット、およびシステムを使用してバイオマーカーを定量することができる。一般的に、方法、キット、およびシステムは、(a)複数のオリゴヌクレオチドタグでバイオマーカーを確率的に標識して確率的標識バイオマーカーを生成するステップと、(b)確率的標識バイオマーカーを検出および/または定量するステップとを含む。バイオマーカーは、がんのバイオマーカーであってよい。バイオマーカーは核酸分子またはタンパク質であってよい。核酸分子はDNA分子であってよい。あるいは、核酸分子はRNA分子であってよい。バイオマーカーは対象由来であってよい。あるいは、バイオマーカーは外来の対象由来であってよい。外来の対象は病原体(例えば、ウイルス、細菌、真菌)であってよい。
【0281】
方法は、逆転写反応を実行して確率的標識バイオマーカー(例えば、確率的標識バイオマーカーRNA分子)の確率的標識cDNAのコピーを生成するステップをさらに含み得る。確率的標識バイオマーカーを繰り返し逆転写して、確率的標識バイオマーカーの多数の確率的標識cDNAのコピーを生成することができる。方法は、確率的標識バイオマーカーまたはそのあらゆる生成物(例えば、確率的標識cDNAコピー)を増幅して確率的標識バイオマーカーアンプリコンを生成するステップをさらに含み得る。確率的標識バイオマーカーを繰返し増幅することができる。あるいは、確率的標識バイオマーカーの生成物を繰返し増幅することができる。一部の場合には、確率的標識バイオマーカーの生成物は、確率的標識バイオマーカーの確率的標識cDNAのコピーである。あるいは、確率的標識バイオマーカーの生成物は確率的標識バイオマーカーアンプリコンである。
【0282】
一部の場合には、方法は、1つまたは複数の検出可能な標識を、確率的標識バイオマーカーまたはその生成物に付着させるステップをさらに含む。一部の場合には、少なくとも1つの検出可能な標識が、確率的標識バイオマーカーまたはその生成物に付着している。あるいは、少なくとも2つの検出可能な標識が、確率的標識バイオマーカーまたはその生成物に付着している。検出可能な標識はビオチンであってよい。あるいは、検出可能な標識は蛍光色素である。蛍光色素はCy(商標)色素またはTYE 563色素であってよい。Cy(商標)色素はCy3であってよい。
【0283】
方法は、確率的標識バイオマーカーまたはそのあらゆる生成物の固体支持体へのハイブリダイゼーションをさらに含み得る。固体支持体はビーズであってよい。あるいは、固体支持体はアレイである。
【0284】
方法は、配列決定反応を実行して、確率的標識バイオマーカーまたはその生成物の少なくとも一部の配列を決定するステップをさらに含み得る。一部の場合には、確率的標識バイオマーカーまたはその生成物のオリゴヌクレオチドタグの少なくとも一部は配列である。例えば、オリゴヌクレオチドタグの一意識別子領域の少なくとも一部が配列決定される。別の例では、オリゴヌクレオチドタグの標的特異的領域の少なくとも一部が配列決定される。あるいは、またはさらに、確率的標識バイオマーカーの少なくとも一部のバイオマーカーが配列決定される。
【0285】
確率的標識バイオマーカーの検出および/または定量は、確率的標識cDNAのコピーおよび/または確率的標識バイオマーカーアンプリコンの検出および/または定量を含み得る。確率的標識バイオマーカーの検出および/または定量は、確率的標識バイオマーカーまたはその生成物に付着している1つまたは複数の検出可能な標識の検出をさらに含み得る。確率的標識バイオマーカーまたはその生成物の検出および/または定量は、本明細書に開示するあらゆる検出および/または定量方法を含み得る。例えば、蛍光リーダーを使用して、確率的標識バイオマーカーまたはその生成物を検出および/または定量することができる。あるいは、マイクロアレイリーダーを使用して確率的標識バイオマーカーまたはその生成物を検出および/または定量することができる。
【0286】
一部の場合には、バイオマーカーのデジタル検出および/またはデジタル定量を使用して、それを必要とする対象における状態を診断または予後診断することができる。一部の場合には、バイオマーカーのデジタル検出および/またはデジタル定量を使用して治療レジメンをモニタリングすることができる。
【0287】
状態はがんであってよい。がんは、肉腫、がん種、白血病、またはリンパ腫であってよい。
【0288】
あるいは、状態は病原体感染症である。病原体感染症は、細菌またはウイルスの感染症であってよい。
【0289】
本明細書には、試料中の数々の核酸分子を計数または検出するための方法、キット、およびシステムをさらに開示する。方法は、(a)オリゴヌクレオチドタグが一意識別子配列、標的配列、および任意選択のPCRプライマー配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドタグを準備するステップと、(b)各標的の核酸分子が一意識別子配列を有するオリゴヌクレオチドタグに付着することができる、核酸分子を含む試料を複数の標識プライマーと組み合わせて標識核酸分子を形成するステップと、(c)(i)核酸分子、核酸分子の相補配列、核酸分子の逆相補配列、またはこれらの一部、および(ii)オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチドタグの相補配列、オリゴヌクレオチドタグの逆相補配列、またはこれらの一部を検出して、異なる標識核酸分子の計数値または数を決定し、それにより試料中の数々の核酸分子を計数または決定するステップとを含み得る。方法は、10以上の数々の異なる核酸分子を計数または決定するステップを含み得る。方法は、20以上の数々の異なる核酸分子を計数または決定するステップを含み得る。異なる核酸分子は、1つまたは複数のヌクレオチドまたは塩基対が異なっていてもよい。異なる核酸を同時に計数してもよい。あるいは、異なる核酸分子を逐次的に計数してもよい。
【0290】
試料中の数々の核酸分子を計数または決定する方法は、(a)オリゴヌクレオチドタグが一意識別子配列、標的配列、および任意選択のPCRプライマー配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドタグを準備するステップと、(b)核酸分子のオリゴヌクレオチドタグへの付着により独特の分子−タグジャンクションが形成する、核酸分子を含む試料を複数の標識プライマーと組み合わせて標識核酸分子を形成するステップと、(c)独特の分子−タグジャンクション、独特の分子−タグジャンクションの相補配列、独特の分子−タグジャンクションの逆相補配列、またはこれらの一部を検出して異なる標識核酸分子の計数値または数を決定し、それにより試料中の数々の核酸分子を計数または決定するステップとを含み得る。方法は、10以上の数々の異なる核酸分子を計数または決定するステップを含み得る。方法は、20以上の数々の異なる核酸分子を計数または決定するステップを含み得る。異なる核酸分子は、1つまたは複数のヌクレオチドまたは塩基対が異なっていてもよい。異なる核酸を同時に計数してもよい。あるいは、異なる核酸分子を逐次的に計数してもよい。
【0291】
試料中の数々の核酸分子を計数または決定する方法は、(a)オリゴヌクレオチドタグが標的特異的配列、リボ核酸を含む一意識別子配列、および任意選択のPCRプライマー配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドタグを準備するステップと、(b)標的の核酸分子が異なる一意識別子配列を有するオリゴヌクレオチドタグに付着することができる、核酸分子を含む試料を複数のオリゴヌクレオチドタグと合わせて標識核酸分子を形成するステップと、(c)標識核酸分子のコピーが核酸分子のコピーおよびオリゴヌクレオチドタグのコピーを含み、一意識別子配列のリボ核酸がデオキシリボ核酸での置換を含む、標識核酸分子のコピーを合成するステップと、(d)標識核酸分子のコピー、標識核酸分子のコピーの相補配列、標識核酸分子のコピーの逆相補配列、またはこれらの一部を検出して標識核酸分子のコピーの計数値を決定し、それにより試料中の数々の核酸分子を計数または決定するステップとを含み得る。方法は、10以上の数々の異なる核酸分子を計数または決定するステップを含み得る。方法は、20以上の数々の異なる核酸分子を計数または決定するステップを含み得る。異なる核酸分子は、1つまたは複数のヌクレオチドまたは塩基対が異なっていてもよい。異なる核酸を同時に計数してもよい。あるいは、異なる核酸分子を逐次的に計数してもよい。
【0292】
試料中の数々のRNA分子を計数または決定する方法は、(a)オリゴヌクレオチドタグがRNA特異的配列、一意識別子配列、および任意選択のPCRプライマー配列を含む、RNA分子を含む試料を複数のオリゴヌクレオチドタグと合わせるステップと、(b)各RNA分子が異なる一意識別子配列を有するオリゴヌクレオチドタグに付着することができ、各標識DNA分子がRNA分子のコピーおよびオリゴヌクレオチドタグのコピーを含む、オリゴヌクレオチドタグをRNA分子に付着させることによりRNA分子のコピーを合成して標識DNA分子を形成するステップと、(c)標識DNA分子、標識DNA分子の相補配列、標識DNA分子の逆相補配列、またはこれらの一部を検出して標識DNA分子の計数値を決定し、それにより試料中の数々のRNA分子を計数または決定するステップとを含み得る。
【0293】
試料中の数々のRNA分子を計数または決定する方法は、(a)オリゴヌクレオチドタグがRNA特異的配列、リボ核酸を含む一意識別子配列、および任意選択のPCRプライマー配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドタグを準備するステップと、(b)標的のRNA分子が異なる一意識別子配列を有するオリゴヌクレオチドタグに付着することができる、RNA分子を含む試料を複数のオリゴヌクレオチドタグと合わせて標識RNA分子を形成するステップと、(c)標識DNA分子がRNA分子のコピーを含み、オリゴヌクレオチドタグのコピーおよび一意識別子配列のリボ核酸がデオキシリボ核酸での置換を含む、標識RNA分子のコピーを合成して標識DNA分子を形成するステップと、(d)標識DNA分子、標識DNA分子の相補配列、標識DNA分子の逆相補配列、またはこれらの一部を検出して標識DNA分子の計数値を決定し、それにより試料中の数々のRNA分子を計数または決定するステップとを含み得る。
【0294】
試料中の数々のRNA分子を計数または決定する方法は、(a)各標的のRNA分子が異なる標識に付着することができる、RNA分子を含む試料を複数のオリゴヌクレオチドタグと合わせて標識RNA分子を形成するステップと、(b)第2のオリゴヌクレオチドタグを標識RNA分子に任意選択により付着させて二重標識RNA分子を形成するステップと、(c)標識DNA分子および二重標識DNA分子がオリゴヌクレオチドタグのコピーおよびRNA分子のコピーを含む、標識RNA分子または二重標識RNA分子のコピーを合成して標識DNA分子または二重標識DNA分子を形成するステップと、(d)標識DNA分子、標識DNA分子の相補配列、標識DNA分子の逆相補配列、二重標識DNA分子、二重標識DNA分子の相補配列、二重標識DNA分子の逆相補配列、またはこれらの一部を検出して、異なる標識DNA分子または異なる二重標識DNA分子の数を計数または決定し、それにより試料中の数々のRNA分子を計数または決定するステップとを含み得る。
【0295】
試料中の数々のRNA分子を計数または決定する方法は、(a)各標的のRNA分子が異なる標識に付着することができる、RNA分子を含む試料を複数の標識と合わせて標識RNA分子を形成するステップと、(b)第2の標識を標識RNA分子に任意選択により付着させて二重標識RNA分子を形成するステップと、(c)標識RNA分子、標識RNA分子の相補配列、標識RNA分子の逆相補配列、二重標識RNA分子、二重標識RNA分子の相補配列、二重標識RNA分子の逆相補配列、またはこれらの一部を検出して、異なる標識RNA分子または異なる二重標識RNA分子の数を計数または決定し、それにより試料中の数々のRNA分子を計数または決定するステップとを含み得る。
【0296】
試料中の数々のmRNA分子を計数または決定する方法は、(a)オリゴヌクレオチドタグが標的特異的配列、一意識別子配列、および任意選択のPCRプライマー配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドタグを準備するステップと、(b)各標的のmRNA分子が異なるオリゴヌクレオチドタグに付着することができる、mRNA分子を含む試料を複数のオリゴヌクレオチドタグと合わせて標識mRNA分子を形成するステップと、(b)標識DNA分子がmRNA分子のコピーおよびオリゴヌクレオチドタグまたはオリゴヌクレオチドタグのコピーを含む、標識mRNA分子のコピーを合成して標識DNA分子を形成するステップと、(c)標識DNA分子、標識DNA分子の相補配列、標識DNA分子の逆相補配列、またはこれらの一部を検出して異なる標識DNA分子の計数値を決定し、それにより試料中の数々のmRNA分子を計数または決定するステップとを含み得る。
【0297】
一態様では、単一の細胞からのポリアデニル化RNAを、本明細書に開示する方法により分析する。細胞溶解後、ポリA RNAを、オリゴdTが付着しているビーズなどの固体支持体上に捕捉することにより濃縮してもよく、または可溶化液に対して増幅を実行することができる。RNAの標識cDNAのコピーは、オリゴdT領域および標識−タグ領域を有するプライマーをハイブリダイズさせることにより作製される。標識−タグ領域はオリゴdT領域の5’である。プライマー間で可変である標的−タグ領域が5’共通増幅プライマー配列と3’オリゴdT領域との間にあるように、標識−タグ領域の5’である増幅配列が存在するのが好ましい。次いで、RNアーゼHおよびDNAポリメラーゼを使用するなど、標準方法を使用して、第2の鎖cDNAを合成する。次いで、得られたdsDNAを、増幅プライマー配列に応じて直鎖増幅してもよい。例えば、増幅プライマー配列がT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列である場合、T7 RNA polを使用したIVTにより、アンチセンスRNAを産生してもよい。増幅プライム(prime)配列がニッキング酵素(例えば、Nt.BspQl)に対する部位を含む場合、ニッキング酵素鎖置換を使用してRNA標的のDNAコピーを産生してもよい。次いで、コピーを、一端または両端に配列決定プライマーを含むように改変することができ、生成物を配列決定することができる。タグ、および十分な隣接の配列に対する配列情報を収集して、標的の同定をもたらす。
【0298】
一部の場合には、オリゴヌクレオチドタグはリボ核酸を含む。オリゴヌクレオチドタグは、ウラシルであるリボ核酸を含み得る。オリゴヌクレオチドタグは、シトシンであるリボ核酸を含み得る。オリゴヌクレオチドタグは、アデニンであるリボ核酸を含み得る。オリゴヌクレオチドタグは、グアノシンであるリボ核酸を含み得る。
【0299】
一意識別子配列は予め決定された配列を含み得る。一意識別子配列はランダム配列を含み得る。
【0300】
オリゴヌクレオチドタグの標的特異的配列は、複数の標的に特異的であってよい。一部の態様では、オリゴヌクレオチドタグの標的特異的配列はオリゴdT配列を含む。一部の態様では、オリゴヌクレオチドタグの標的特異的配列はオリゴdU配列を含み得る。一部の場合には、標的特異的配列は、オリゴdT配列も、オリゴdU配列も含まない。
【0301】
標識DNA分子のコピーを、逆転写酵素により合成してもよい。逆転写酵素は、レトロウイルスの逆転写酵素、ファージDNAポリメラーゼ、またはDNAポリメラーゼから選択することができる。
【0302】
方法は、リボ核酸をデオキシリボ核酸で置換するために、標識核酸分子のコピーの合成をさらに含み得る。
【0303】
一部の態様では、検出ステップは、標識核酸分子のコピー、標識核酸分子のコピーの相補配列、標識核酸分子のコピーの逆相補配列、またはこれらの一部を検出することを含む。一部の態様では、検出ステップは、標識核酸分子の核酸分子部分、標識核酸分子の核酸分子部分の相補配列、標識核酸分子の核酸分子部分の逆相補配列、標識核酸分子のオリゴヌクレオチドタグ、標識核酸分子のオリゴヌクレオチドタグの相補配列、標識核酸分子のオリゴヌクレオチドタグの逆相補配列、これらの一部、またはこれらのあらゆる組合せの、固体支持体へのハイブリダイゼーションを含み得る。一部の態様では、検出ステップは、標識核酸分子のコピーの核酸分子部分、標識核酸分子のコピーのオリゴヌクレオチドタグ部分、これらの相補配列、これらの逆相補配列、これらの一部分、またはこれらのあらゆる組合せの、固体支持体へのハイブリダイゼーションを含み得る。
【0304】
一部の態様では、検出ステップは、オリゴヌクレオチドタグのコピー、オリゴヌクレオチドタグのコピーの相補配列、オリゴヌクレオチドタグのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の検出を含む。
【0305】
検出ステップは、独特の分子−タグジャンクション、独特の分子−タグジャンクションの相補配列、独特の分子−タグジャンクションの逆相補配列、またはこれらの一部の固体支持体へのハイブリダイゼーションを含み得る。検出ステップは、独特の分子−タグジャンクションのコピー、独特の分子−タグジャンクションのコピーの相補配列、独特の分子−タグジャンクションのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の固体支持体へのハイブリダイゼーションを含み得る。
【0306】
一部の態様では、固体支持体はアレイを含む。アレイは、表面に付着しているプローブを含み得る。アレイは、可能な各標識核酸分子の組合せに対するプローブフィーチャーをさらに含み得る。別の態様では、固体支持体はビーズを含み得る。
【0307】
一部の態様では、検出ステップは、(i)標識核酸分子の核酸分子部分、その相補配列、その逆相補配列、またはこれらの一部、および(ii)標識核酸分子のオリゴヌクレオチドタグ部分、その相補配列、その逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含む。一部の態様では、検出ステップは、(i)標識核酸分子のコピーの核酸分子部分、その相補配列、その逆相補配列、またはこれらの一部、および(ii)標識核酸分子のコピーのオリゴヌクレオチドタグ部分、その相補配列、その逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含む。
【0308】
一部の態様では、検出ステップは、独特のオリゴヌクレオチドタグ−DNAジャンクション、独特のオリゴヌクレオチドタグ−DNAジャンクションの相補配列、独特のオリゴヌクレオチドタグ−DNAジャンクションの逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含み得る。一部の態様では、検出ステップは、独特のオリゴヌクレオチドタグ−DNAジャンクションのコピー、独特のオリゴヌクレオチドタグ−DNAジャンクションのコピーの相補配列、独特のオリゴヌクレオチドタグ−DNAジャンクションのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含み得る。
【0309】
別の態様では、標識核酸分子が増幅される。別の態様では、標識核酸配列のコピーが増幅される。標識核酸分子または標識核酸分子のコピーの増幅は、PCRベースの方法を含み得る。PCRベースの方法はqPCRを含み得る。PCRベースの方法はRT−PCRを含み得る。PCRベースの方法はエマルジョンPCRを含み得る。核酸分子−標識コンジュゲートの増幅は、非PCRベースの方法を含み得る。非PCRベースの方法は、多置換増幅(multiple displacement amplification)を含み得る。非PCRベースの方法は、鎖置換ポリメラーゼによるランダムプライミングを含み得る。
【0310】
別の態様では、試料は少なくとも1個の単一の細胞に由来する。あるいは、試料は複数の細胞に由来する。試料は約100個未満の細胞由来であってよい。
【0311】
一部の態様では、核酸分子はDNA分子である。別の態様では、核酸分子はRNA分子である。核酸分子はmRNA分子であってもよい。核酸分子は非コードRNA分子であってもよい。非コードRNA分子は小型非コードRNA分子であってもよい。非コードRNA分子は長鎖非コードRNA分子であってもよい。非コードRNA分子はマイクロRNA分子であってもよい。一部の態様では、オリゴヌクレオチドタグは核酸分子にライゲーションにより付着している。別の態様では、オリゴヌクレオチドタグは核酸分子にハイブリダイゼーションにより付着している。
【0312】
別の態様は、(a)オリゴヌクレオチドタグが一意識別子配列、標的配列、および任意選択のPCRプライマー配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドタグを準備するステップと、(b)標識DNA分子がDNA分子を含み、オリゴヌクレオチドタグおよび各標的DNA分子が異なるオリゴヌクレオチドタグに付着することができる、DNA分子を含む試料を複数の標識プライマーと合わせて標識DNA分子を形成するステップと、(c)(i)DNA分子、DNA分子の相補配列、DNA分子の逆相補配列、またはこれらの一部、および(ii)オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチドタグの相補配列、オリゴヌクレオチドタグの逆相補配列、またはこれらの一部を検出して異なる標識DNA分子の計数値または数を決定し、それにより試料中の数々のDNA分子を計数または決定するステップを含む、試料中の数々のDNA分子を計数または決定する方法である。
【0313】
別の態様は、(a)オリゴヌクレオチドタグが一意識別子配列、標的配列、および任意選択のPCRプライマー配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドタグを準備するステップと、(b)DNA分子のオリゴヌクレオチドタグへの付着により独特の分子−タグジャンクションが形成する、DNA分子を含む試料を複数の標識プライマーと合わせて標識DNA分子を形成するステップと、(c)独特の分子−タグジャンクション、独特の分子−タグジャンクションの相補配列、独特の分子−タグジャンクションの逆相補配列、またはこれらの一部を検出して異なる標識DNA分子の計数値または数を決定し、それにより試料中の数々のDNA分子を計数または決定するステップとを含む、試料中の数々のDNA分子を計数または決定する方法である。
【0314】
別の態様は、(a)アダプターが一意識別子配列を含み、各アダプターが複数の異なるDNA分子に付着することができる、複数のアダプターを準備するステップと、(b)ゲノムDNAを含む試料を断片化してDNA断片を含む試料を生成するステップと、(c)実質的に全てのDNA断片が、一意識別子配列を有するアダプターにランダムに付着している、複数のアダプターを、DNA断片を含む試料と合わせて、アダプター−DNA断片コンジュゲートを形成するステップと、(d)アダプター、アダプターの相補配列、アダプターの逆相補配列、またはこれらの一部を検出して異なるアダプター−DNA断片コンジュゲートの数を決定し、それにより標的DNAのコピー数を決定するステップとを含む、試料中の標的DNAのコピー数を決定するための方法である。
【0315】
別の態様は、(a)アダプターが一意識別子配列を含み、アダプターが複数の異なるDNA分子に付着することができる、複数のアダプターを準備するステップと、(b)ゲノムDNAを含む試料を断片化してDNA断片を含む試料を生成するステップと、(c)実質的に全てのDNA断片が、一意識別子配列を有するアダプターにランダムに付着することができ、アダプターのDNA断片への付着により独特のアダプター−DNAジャンクションが形成する、アダプターをDNA断片に付着させるステップと、(d)独特のアダプター−DNAジャンクション、独特のアダプター−DNAジャンクションの相補配列、独特のアダプター−DNAジャンクションの逆相補配列、またはこれらの一部を検出して異なる独特のアダプター−DNAジャンクションの計数値または数を決定し、それにより標的DNAのコピー数を決定するステップとを含む、試料中の標的DNAのコピー数を決定する方法である。
【0316】
一部の態様では、アダプターはリボ核酸を含む。一部の態様では、リボ核酸はウラシルである。一部の態様では、リボ核酸はシトシンである。一部の態様では、リボ核酸はアデニンである。一部の態様では、リボ核酸はグアニンである。
【0317】
一部の態様では、方法は、アダプター−DNA断片コンジュゲートのコピーを合成して、アダプターにおけるリボ核酸配列をデオキシリボ核酸配列で置換するステップをさらに含む。
【0318】
一部の態様では、検出ステップは、独特のアダプター−DNAジャンクションのコピー、独特のアダプター−DNAジャンクションのコピーの相補配列、独特のアダプター−DNAジャンクションのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の検出を含む。一部の態様では、検出ステップは、アダプターのコピー、アダプターのコピーの相補配列、アダプターのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の検出を含む。
【0319】
一部の態様では、検出ステップは、独特のアダプター−DNAジャンクション、独特のアダプター−DNAジャンクションの相補配列、独特のアダプター−DNAジャンクションの逆相補配列、またはこれらの一部の固体支持体へのハイブリダイゼーションを含む。別の態様では、検出ステップは、独特のアダプター−DNAジャンクションのコピー、独特のアダプター−DNAジャンクションのコピーの相補配列、独特のアダプター−DNAジャンクションのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の固体支持体へのハイブリダイゼーションを含む。
【0320】
一部の態様では、固体支持体はアレイを含む。一部の態様では、アレイは表面に付着しているプローブを含む。一部の態様では、アレイは、各独特のアダプター−DNAジャンクションに対するプローブフィーチャーを含む。一部の態様では、アレイは、独特のアダプター−DNAジャンクションの各コピーに対するプローブフィーチャーを含む。別の態様では、固体支持体はビーズを含む。一部の態様では、検出ステップは、独特のアダプター−DNAジャンクション、独特のアダプター−DNAジャンクションの相補配列、独特のアダプター−DNAジャンクションの逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含む。一部の態様では、検出ステップは、独特のアダプター−DNAジャンクションのコピー、独特のアダプター−DNAジャンクションのコピーの相補配列、独特のアダプター−DNAジャンクションのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含む。
【0321】
一部の態様では、検出ステップは、アダプターのコピー、アダプターのコピーの相補配列、アダプターのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含む。一部の態様では、アダプター−DNA断片コンジュゲートを増幅する。
【0322】
一部の態様は、(a)オリゴヌクレオチドタグが一意識別子配列、標的配列、および任意選択のPCRプライマー配列を含む、複数のオリゴヌクレオチドタグを準備するステップと、(b)各ゲノムDNAが一意識別子配列を有するオリゴヌクレオチドタグに付着することができる、ゲノムDNAを含む試料を複数の標識プライマーと合わせてゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートを形成するステップと、(c)ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲート、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートの相補配列、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートの逆相補配列、またはこれらの一部を検出して数々の異なるゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートを計数または決定し、それにより遺伝子異常の存在または非存在を検出するステップとを含む、遺伝子異常の存在または非存在を検出するステップを含む方法である。
【0323】
一部の態様では、検出ステップは、ゲノムDNA、ゲノムDNAの相補配列、ゲノムDNAの逆相補配列、またはこれらの一部の検出を含む。一部の態様では、検出ステップは、オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチドタグの相補配列、オリゴヌクレオチドタグの逆相補配列、またはこれらの一部の検出を含む。
【0324】
一部の態様では、遺伝子異常は異数性を含む。異数性はモノソミーであってよい。モノソミーは性染色体のモノソミーであってよい。異数性はトリソミーであってよい。トリソミーは21トリソミーであってよい。トリソミーは18トリソミーであってよい。トリソミーは13トリソミーであってよい。異数性はテトラソミーであってよい。異数性はペンタソミーであってよい。一部の態様では、方法は、遺伝子異常を診断するステップをさらに含む。一部の態様では、方法は、ターナー症候群を診断するステップをさらに含み得る。一部の態様では、方法は、ダウン症候群を診断するステップをさらに含み得る。一部の態様では、方法は、エドワード症候群を診断するステップをさらに含み得る。一部の態様では、方法は、パトー症候群を診断するステップをさらに含み得る。一部の態様では、遺伝子異常はゲノムDNAにおける欠失を含む。一部の態様では、遺伝子異常は遺伝子多型を含む。一部の態様では、遺伝子異常は単一遺伝子障害を含む。一部の態様では、遺伝子異常は染色体転座を含む。
【0325】
一部の態様では、試料は胎児由来である。一部の態様では、試料は、胎児由来の細胞を少なくとも1個含む。
【0326】
一部の態様では、方法は、検出ステップに基づいて、胎児の着床状態を決定するステップをさらに含む。一部の態様では、ゲノムDNAは、断片化された後、オリゴヌクレオチドタグに付着する。
【0327】
一部の態様では、ゲノムDNAは制限酵素により断片化される。一部の態様では、ゲノムDNAはアレル特異的制限酵素により断片化される。
【0328】
一部の態様では、オリゴヌクレオチドタグはリボ核酸を含む。一部の態様では、リボ核酸はウラシルである。一部の態様では、リボ核酸はシトシンである。一部の態様では、リボ核酸はアデニンである。一部の態様では、リボ核酸はグアニンである。一部の態様では、方法は、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートのコピーを合成して、オリゴヌクレオチドタグ中のリボ核酸配列をデオキシリボ核酸配列で置換するステップをさらに含む。
【0329】
一部の態様では、検出ステップは、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートのコピー、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートのコピーの相補配列、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の検出を含む。
【0330】
一部の態様では、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートのコピーは逆転写酵素により合成される。
【0331】
一部の態様では、検出ステップは、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲート、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートの相補配列、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートの逆相補配列、またはこれらの一部の固体支持体へのハイブリダイゼーションを含む。一部の態様では、検出ステップは、ゲノムDNA、ゲノムDNAの相補配列、ゲノムDNAの逆相補配列、またはこれらの一部の固体支持体へのハイブリダイゼーションを含む。一部の態様では、検出ステップは、オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチドタグの相補配列、オリゴヌクレオチドタグの逆相補配列、またはこれらの一部の固体支持体へのハイブリダイゼーションを含む。一部の態様では、検出ステップは、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートのコピー、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートのコピーの相補配列、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の固体支持体へのハイブリダイゼーションを含む。一部の態様では、検出ステップは、ゲノムDNAのコピー、ゲノムDNAのコピーの相補配列、ゲノムDNAのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の固体支持体へのハイブリダイゼーションを含む。一部の態様では、検出ステップは、オリゴヌクレオチドタグのコピー、オリゴヌクレオチドタグのコピーの相補配列、オリゴヌクレオチドタグのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の固体支持体へのハイブリダイゼーションを含む。
【0332】
一部の態様では、検出ステップは、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲート、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートの相補配列、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートの逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含む。一部の態様では、検出ステップは、ゲノムDNA、ゲノムDNAの相補配列、ゲノムDNAの逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含む。一部の態様では、検出ステップは、オリゴヌクレオチドタグ、オリゴヌクレオチドタグの相補配列、オリゴヌクレオチドタグの逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含む。一部の態様では、検出ステップは、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートのコピー、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートのコピーの相補配列、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含む。一部の態様では、検出ステップは、ゲノムDNAのコピー、ゲノムDNAのコピーの相補配列、ゲノムDNAのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含む。一部の態様では、検出ステップは、オリゴヌクレオチドタグのコピー、オリゴヌクレオチドタグのコピーの相補配列、オリゴヌクレオチドタグのコピーの逆相補配列、またはこれらの一部の配列決定を含む。
【0333】
一部の態様では、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートが増幅される。一部の態様では、ゲノムDNA−オリゴヌクレオチドタグコンジュゲートのコピーが増幅される。
【0334】
本明細書には、分子(例えば、DNAおよびRNA分子などの核酸、またはタンパク質および酵素などのポリペプチド)を確率的に標識するためのキットおよび組成物をさらに開示する。一部の場合には、キットおよび組成物はポリアデニル化分子を確率的に標識するのに使用される。ポリアデニル化分子はポリアデニル化RNA分子であってもよい。あるいは、キットおよび組成物はDNA分子を確率的に標識するのに使用される。
【0335】
一部の場合には、キットは、確率的標識プライマー、汎用PCRプライマー、色素標識プライマー、逆転写酵素、UDG酵素、ポリメラーゼ、緩衝剤、dNTP、アレイ、遺伝子特異的プライマー、標的特異的プライマー、対照オリゴ、またはこれらのあらゆる組合せを含む。あるいは、キットは、a)汎用PCRプライマー、b)Cy3標識汎用PCRプライマー、c)Cy3 TrueTag Grid、およびd)アレイを含む。アレイは2×8アレイであってよい。本明細書に開示するキットは、確率的標識プライマー、担体、対照オリゴ、逆転写酵素、UDG酵素、ポリメラーゼ、遺伝子特異的プライマー、標的特異的プライマー、dNTP、またはこれらのあらゆる組合せをさらに含み得る。
【0336】
確率的標識プライマーは、オリゴヌクレオチドタグに付着しているプライマーを含むことができ、オリゴヌクレオチドタグはオリゴdT配列、一意識別子領域、および汎用プライマー結合部位を含み、汎用プライマー結合部位は、キットの汎用PCRプライマーの確率的標識プライマーへのアニーリングを可能にし得る。一部の場合には、確率的標識オリゴdTプライマーは、オリゴdTプライマーに付着しているオリゴヌクレオチドタグである。
【0337】
色素標識プライマーは、色素で標識されているプライマーを含み得る。プライマーは汎用PCRプライマーであってよい。あるいは、プライマーは標的特異的プライマーである。色素は蛍光色素であってよい。一部の場合には、色素はCy(商標)色素である。一部の場合には、Cy(商標)色素はCy3色素である。
【0338】
本明細書に開示するキットおよび組成物は、複数のプローブをさらに含み得る。一部の場合には、複数のプローブがアレイにハイブリダイズされる。複数のプローブにより、標識分子のアレイへのハイブリダイゼーションが可能になり得る。複数のプローブは、確率的標識オリゴdTに相補的である配列を含み得る。あるいは、またはさらに、複数のプローブは、分子に相補的である配列を含む。
【0339】
本明細書に開示するキットおよび組成物は、非標識の分子、過剰のプライマー、または過剰のオリゴヌクレオチドタグ(もしくは確率的標識プライマー)を、標識分子を含む試料から除去するための試薬を1つまたは複数さらに含み得る。
【0340】
一部の場合には、キットおよび組成物は逆転写酵素を含む。逆転写酵素はMMLV逆転写酵素であってよい。
【0341】
キットおよび組成物はポリメラーゼ酵素を含み得る。ポリメラーゼはTaqポリメラーゼであってよい。例えば、TaqポリメラーゼはチタニウムTaqポリメラーゼである。
【0342】
一部の場合には、キットおよび組成物は酵素を含む。酵素はRNアーゼ酵素であってよい。あるいは、酵素はUDGである。他の場合には、酵素は制限酵素である。酵素はプロテアーゼであってよい。一部の場合には、酵素はDNアーゼ酵素である。あるいは、酵素はリガーゼである。キットおよび組成物は、本明細書に開示する酵素を不活性化することができる試薬を1つまたは複数含み得る。
【0343】
一部の場合には、キットは担体物質をさらに含む。担体物質は、反応(例えば、増幅、逆転写、ライゲーション、ハイブリダイゼーション)の効率を向上させることができる。担体物質は核酸分子であってよい。核酸分子はRNA分子であってよい。RNA分子はポリアデニル化RNAまたはファージRNAであってよい。ファージRNAは、MS2ファージ由来のRNAであってよい。あるいは、核酸分子はプラスミドである。
【0344】
キットは固体支持体をさらに含み得る。固体支持体はビーズであってよい。ビーズは標識分子にハイブリダイズすることができる。ビーズは標識分子の検出を可能にし得る。ビーズはストレプトアビジンビーズまたはビオチン標識ビーズであってよい。
【0345】
キットは、標識分子を検出および/または定量するためのアルゴリズムをさらに含み得る。あるいは、またはさらに、キットは、標識分子を検出および/または定量するためのソフトウェアプログラムを含む。一部の場合には、キットはサーマルサイクラーをさらに含む。キットは、標識分子を配列決定するための成分を1つまたは複数さらに含み得る。配列決定するための1つまたは複数の成分は、シーケンサー、配列決定用の1つまたは複数のプライマー、配列決定用のビーズ、またはこれらのあらゆる組合せを含み得る。キットは、標識分子を検出および/または定量するための成分を1つまたは複数さらに含み得る。標識分子を検出および/または定量するための1つまたは複数の成分は、アレイ検出器、アレイリーダー、ビーズ検出器、スキャナ、蛍光光度計、または本明細書に開示するあらゆる機器もしくは成分を含み得る。
【実施例】
【0346】
(実施例1)絶対的計数プロトコール
【0347】
パート1.逆転写および確率的標識
【0348】
本ステップでは、確率的標識をポリA RNAにアニールする。その後の逆転写反応の全体的な効率を向上させるために、大量の担体RNAも試料に加える。
【0349】
一部の場合には、極めて低濃度のRNAをピペッティングする場合は、核酸に結合する性質の低いチップを使用する。これら特別のチップは、RNA試料をアニーリングマスターミックス中にピペッティングするのに使用することができる。RNAの希釈液が必要である場合は、低結合性のチューブをやはり使用することができる。RNAをアニーリングマスターミックスに加えた後は、通常のチューブ/チップを使用することができる。
【0350】
以下に列挙する試薬を合わせることによりマスターミックスを作成する:
水 7.8μl
K562 全RNA(1μg/μl) 1μl
10mM dNTP 1μl
遺伝子特異的dUTPプライマー(10μM) 0.4μl
確率的標識(10μM)* 0.4μl
合計 10.6μl
【0351】
分析しようとするRNA試料2μlを加える。
【0352】
ピペッティングにより十分に混合し、短時間回転させる。
【0353】
65°で5分間インキュベートし(プログラム1)、次いで、少なくとも1分間チューブを氷上に配置する。
【0354】
このステップでは、対象の特異的な遺伝子に対する二本鎖cDNAを作成する。各cDNA分子は、ここでは、その後のPCRステップのためのプライマー部位を含む。以下のものを合わせて、転写用のマスターミックスを作製する。
5×第1の鎖緩衝剤 4μl
0.1M DTT 1μl
Super RNアーゼIn(20U/μl) 1μl
MMLV RT 1μl
NEB Taqポリメラーゼ 0.4μl
スーパースクリプトIIIおよびチタニウムTaqの代わりにMMLV RTおよびNEB Taqポリメラーゼの使用を、代替的に使用することができる。
【0355】
マスターミックス7.4μlを各チューブに加え、ピペッティングにより穏やかに混合する。短時間回転させる。
【0356】
以下のプログラム(プログラム2)をサーマルサイクラー上で実行する:
37°60分間、その後、
94°2分間
55°2分間
68°2分間
を3サイクル、
次いで、永久に4°
【0357】
PCR反応後、ウラシルDNAグリコシラーゼ(UDG)で試料を消化して、組み入れられなかったプライマーが遺伝子特異的PCRにおいて増幅されるのを防ぐ必要がある。
【0358】
各反応液にUDG0.5μlを加える。ピペッティングにより極めて十分に混合する。液体を全て新たなPCRチューブに移して、混合されない試料の持越しが確実にないようにする。
【0359】
37°で30分間、次いで4°でインキュベートする。
【0360】
パート2.初期の遺伝子特異的PCR
【0361】
以下の試薬を合わせてPCR用のマスターミックスを作製する:
ヌクレアーゼフリー水 10.9μl
10×NEB Taq緩衝剤 1.5μl
10mM dNTP 0.3μl
遺伝子特異的プライマー(1μM) 1μl
汎用PCRプライマー(1μM)
* 1μl
NEB Taqポリメラーゼ 0.3μl
合計 15μl
【0362】
プライマーの最終濃度を0.05uMにすると生成物の特異性が向上する。
【0363】
前のステップからの標識生成物5μlを新たなPCRチューブに加える。各試料にPCRマスターミックス15μlを加える。
【0364】
ピペッティングにより十分に混合し、短時間回転させる。
【0365】
以下のプログラム(プログラム4)をサーマルサイクラー上で実行する:
94°2分間、その後、
94°2分間
55°2分間
68°2分間
を30サイクル、
次いで、68°4分間
永久に4°
【0366】
パート3.第2のネステッドPCR
【0367】
プレPCR領域における第2のネステッドPCR用にマスターミックスを調製する:
ヌクレアーゼフリー水 39.5μl
10×NEB Taq緩衝剤 5μl
10mM dNTP 1μl
遺伝子特異的ネステッドプライマー(10μM) 1μl
5Tye 563標識汎用PCRプライマー(10μM)
* 1μl
NEB Taqポリメラーゼ 0.5μl
合計 48μl
【0368】
マスターミックスのアリコート48μlを新たなPCRチューブに混合する。
【0369】
第1のPCR反応からの2μlを、プレPCR領域の汚染を避けるために増幅後プロセシング用にデザインされた別の部屋でチューブに加える。その後のステップは全てこの領域において実行する。
【0370】
ピペッティングにより十分に混合し、短時間回転させる。
【0371】
以下のプログラム(プログラム4)をサーマルサイクラー上で実行する:
94°2分間、その後、
94°2分間
55°2分間
68°2分間
を30サイクル、
次いで、68°4分間
永久に4°
【0372】
任意選択のステップ:サイズおよび純度を評価するためにポリアクリルアミド4〜20%勾配TBEゲル上、PCR生成物4ulを流す。
【0373】
パート4.標的ハイブリダイゼーション
【0374】
37°のハイブリダイゼーションオーブンのスイッチを入れる。
【0375】
ハイブリダイゼーション用試料をApplied Microarray Inc.のアレイスライドに準備する。PCRチューブ0.2mL中に以下のものを加える:
洗浄液A(6×SSPE+0.01%Triton X−100) 55μl
Cy3対照オリゴ(760pM)
* 1μl
PCR生成物 20μl
合計 76μl
【0376】
ピペッティングにより混合し、短時間回転させる。
【0377】
チューブを95°でインキュベートして変性させ、次いで氷上に配置する。
【0378】
AMIアレイスライドから粘着シールを取り除く。各ハイブリダイゼーションカクテルをAMIアレイスライドのウェル中にピペッティングする。標的を加えた順序を書き留めておく。スライドを、粘着シールの第2のストリップ(含まれている)で覆う。
【0379】
密封したアレイスライドを湿度室中に配置し、ハイブリダイゼーションオーブン中に入れる。37°で終夜インキュベートする。
【0380】
パート5.アレイの洗浄およびスキャン
【0381】
終夜ハイブリダイゼーション後、アレイスライドをハイブリダイゼーションオーブンから取り出し、粘着シールの覆いを取り除く。残りのハイブリダイゼーションカクテルをピペッティングして出し、所望により−20°で保存する。
【0382】
使用した各ウェルに洗浄液A150μlを分配する。液体を吸引し、洗浄液B(0.6×SSPE+0.01%TritonX−100)150μlを各ウェルに分配する。アレイは乾燥状態でスキャンするので、液体を吸引し、アレイスライドをスキャナに運ぶ。
【0383】
Sensovation FLAIR機器のスイッチを入れる。機械がウォームアップする間、10分待機する。
【0384】
ソフトウェアをあけ、「トレイオープン」をクリックする。アレイスライドを4−スライドホルダー中に配置する。スライドが適切に設置されているのを確かめる。ソフトウェア上で「トレイクローズ」をクリックする。
【0385】
「スキャン」アイコンをクリックする。実行しようとするスキャンについての情報の書かれたウインドウが現れる。所望によりスキャン名を変更し、「スキャンポジション」フィールド中の「・・・」アイコンをクリックすることにより、スキャンしようとする適切なウェルを選択する。スキャンしようとする各ウェルをクリックする。ソフトウェアは、各選択されたウェルを黄色い丸で囲む。「オーケー」をクリックする。
【0386】
スキャンの進行を示すプレートオーバーヴュー(Plate Overview)ウインドウが現れる。ウェルをスキャンした後は、基準のパターンが検出され格子が位置付けられた場合、スクリーン上の色は灰色から緑色に変わる。基準のパターンが検出されなかった場合、ウェルは赤色に着色する。あらゆるスキャンが基準を検出しない場合、スクリーン上部の「再分析」ボタンをクリックすることにより、格子を手操作で整列させてもよい。これにより適切に位置づけることができる格子が表示される。スクリーン上部の、緑色の「分析受入れ」ボタンをクリックする。
【0387】
格子が全て整列したら、データをエクスポートすることができる。ウインドウズの機能性を得るには、キーボード上の「ウインドウズ」キーおよび「D」を同時に押す。スキャン結果を、ArrayReader/sensovation/arrayreader.scanresults下の「マイドキュメンツ」ホルダーに位置決めする。適切なスキャンホルダーを開け、TIFF画像および結果 .csvファイルをフラッシュドライブにコピーし、またはネットワークを通じて送信する。
【0388】
手操作またはコンピューターソフトウェアパッケージのいずれかで、データ分析に進む。
【0389】
(実施例2)RNA分子120個をバックグラウンドの全RNAの試料に加えた4つの実験
【0390】
ポリアデニル化した核酸断片240コピーを、1×チタニウムTaqDNAポリメラーゼ緩衝剤、dNTP 0.2μM、960オリゴ(dT)の確率的標識のプール0.2μM、第2の鎖cDNAプライマー0.2μM、およびTaqDNAポリメラーゼ0.2μLを含む反応液10μlに加えた。一部の反応では、240コピーの試験核酸断片に無関係な配列を有するさらなる数のポリアデニル化DNA断片も加えた。反応Aでは、バックグラウンドのポリアデニル化DNA分子1×10
10を反応液に加えた。反応Bでは、バックグラウンドのポリアデニル化DNA分子1×10
9を反応液に加えた。反応Cでは、バックグラウンドのポリアデニル化DNA分子1×10
6を反応液に加えた。また、反応Dでは、バックグラウンドのポリアデニル化DNA分子を反応液に加えなかった。ランダムに断片化し、ポリアデニル化したヒトゲノムDNA 10ng、1ng、または1pgを試験した。94℃2分間、45℃2分間、および65℃5分間を3サイクルインキュベートした後、ウラシルDNAグリコシラーゼ1単位を加え、反応液を37℃で30分間インキュベートした。次いで、反応液の半量を、1×チタニウム緩衝剤、dNTP 0.2μM、遺伝子特異的フォワードプライマー0.2μM、汎用リバースプライマー0.2μM、およびチタニウムTaqポリメラーゼ0.3μLからなるPCR反応液20μL中に加えた。PCR条件は、94℃2分間、その後94℃20秒間、58℃20秒間、および68℃20秒間を30サイクルであった。最終インキュベートを68℃で4分間実行した。ネステッドPCRを、第1のPCRと同じ条件に従って実行したが、ネステッドフォワードプライマーを使用した点が異なった。初期のPCRの1:25希釈液2μLをネステッドPCRに対する鋳型として使用した。PCR生成物をDNアーゼでランダムに断片化し、ターミナルトランスフェラーゼ酵素でビオチン標識し、次いで37℃で12時間、検出器アレイにハイブリダイズさせた。ハイブリダイズしたDNAからのシグナルを、ストレプトアビジンコンジュゲートしたフィコエリスリン(phycoerytherin)での染色により検出し、マイクロアレイスキャナ上に画像化した。
図2A〜Dはそれぞれ、反応液A〜Dに対して、ハイブリダイズしたDNAからのシグナルを示す。ハイブリダイズしたDNA中に存在する標識の数を計数し、核酸断片のオリジナルのコピー数を決定するのに使用した。
【表5】
【0391】
(実施例3)デジタルPCRとの比較
【0392】
in vitro転写したRNAの濃度を、Agilentバイオアナライザ機器を使用して決定した。このRNA 0.5μgを、担体として使用したK562細胞系の全RNA 2μgと混合した。3μL中のRNA混合物を、10mM dNTP溶液1μL、960オリゴ(dT)標識の10μMプール2μL、および水7μLに加えた。この混合物を65℃で5分間インキュベートし、直ちに氷上で冷却した。第1の鎖反応緩衝剤(250mM Tris−HCl(25℃でpH8.3)、375mM KCl)4μL、0.1M DTT 1μL、RNアーゼインヒビター(20単位)1μL、およびスーパースクリプトII逆転写酵素(200単位)1μLを加え、反応液を50℃で60分間、次いで70℃で15分間インキュベートした。RNアーゼH(2単位)1μLを加え、反応液を37℃で20分間インキュベートした。デジタルPCRを使用して、in vitro転写したRNAから合成したcDNAのコピー数を定量した。試料を確率的標識PCRにより、やはり試験した。90コピーのcDNA(デジタルPCRにより決定して)を、1×チタニウムPCR緩衝剤、dNTP 0.2μM、およびチタニウムtaqポリメラーゼ0.2μLを含む反応液10μLに加えた。反応液を94℃2分間、55℃2分間、および68℃2分間の3サイクルの間インキュベートした。ウラシルDNAグリコシラーゼ1単位を加え、反応液を37℃で30分間インキュベートした。第1のネステッドPCR、断片化、ビオチン標識、およびアレイ検出を、実施例2に記載した通りに実行した。
図3は、ハイブリダイズしたDNA中の標識からのシグナルを示す。ハイブリダイズしたDNA中に存在する標識の数を計数し、核酸断片のオリジナルコピー数を決定するのに使用した。デジタルPCRによって決定された43コピーに比べて、ハイブリダイズしたDNA中に標識が40存在し、41コピーが確率的標識によって決定された。これらの結果は、確率的標識は分子の計数を決定するのに効果的な方法であり、その正確さはデジタルPCRに匹敵することを実証するものである。
【0393】
(実施例4)RT収率は反応液の担体で増大した
【0394】
担体RNAの逆転写収率の改善に対する有効性を試験するために、また、反応の間の非特異的なRNAまたはcDNAの喪失を低減する手段として、in vitroで転写されたポリアデニル化RNAのコピーを、実施例2において記載したプロトコールに従って、確率的標識で試験した。さらに、哺乳動物細胞、酵母、またはE.coliから単離した全RNA、短いポリアデニル化した合成リボヌクレオチド、酵母のtRNA、またはMS2ファージRNAを反応混合物に加えた。各反応は、0.5μgから2μgの間のいずれかの担体RNAを使用した。cDNAに逆転写されたRNA分子の数を、アレイ上で検出された観察された標識の数によって決定し、各々の場合において、試験した各担体RNAの有効性を容易に決定することができた。
図4A〜Dはそれぞれ、反応液A〜Dに対して観察された標識を示す。
【表6】
【0395】
(実施例5)MMLVとRNアーゼHマイナスMMLV逆転写酵素との比較
【0396】
野生型MMLV逆転写酵素の性能を、酵素のRNアーゼHマイナス変異バージョン(スーパースクリプトIII)と比較した。in vitro転写したポリアデニル化RNA 375コピーを、K562細胞系の全RNA 1μgの担体に加えた。RNAを、10mMdNTP溶液1μL、10μM第2の鎖のプライマー0.4μL、960オリゴ(dT)標識の10μMプール0.4μLを含む反応液12.6μL中に加えた。反応液を65℃で5分間インキュベートしてRNAを変性させ、次いで、直ちに氷上で冷却した。5×第1の鎖緩衝剤4μL、0.1M DTT 1μL、スペラーゼ(superase)RNアーゼインヒビター(20単位)1μL、およびTaqDNAポリメラーゼ(2単位)0.4μLを加えた。さらに、反応液Aに、RNアーゼHマイナス変異体(スーパースクリプトIII)1μL(200単位)を加えた。また、反応液Bには、野生型MMLV逆転写酵素1μL(200単位)を加えた。反応液を42℃60分間、次いで94℃2分間、55℃2分間、および68℃2分間を3サイクルインキュベートした。ウラシルDNAグリコシラーゼ1単位を加え、反応液を混合し、新たなチューブに移し、37℃で30分間インキュベートした。次いで、反応液5μLを、1×チタニウム緩衝剤、dNTP0.2μM、遺伝子特異的フォワードプライマー0.2μM、汎用リバースプライマー0.2μM、およびチタニウムTaqポリメラーゼ0.3μLからなるPCR反応液20μLに加えた。PCR条件は、94℃2分間、その後94℃20秒間、58℃20秒間、および68℃20秒間を30サイクルであった。最終インキュベートを68℃で4分間実行した。ネステッドPCRを、第1のPCRと同じ条件に従って実行したが、ネステッドフォワードプライマーを使用した点が異なった。初期のPCRの1:25希釈液2μLをネステッドPCRに対する鋳型として使用した。PCR生成物をDNアーゼでランダムに断片化し、ターミナルトランスフェラーゼ酵素でビオチン標識し、次いで37℃で12時間、検出器アレイにハイブリダイズさせた。ハイブリダイズしたDNAからのシグナルを、ストレプトアビジンコンジュゲートしたフィコエリスリン(Phycoerytherin)での染色により検出し、マイクロアレイスキャナ上に画像化した。
図5A〜Bはそれぞれ、反応AおよびBにおいてハイブリダイズしたDNA中に存在する標識を示す。ハイブリダイズしたDNA中に存在する標識の数を計数し、核酸断片のオリジナルのコピー数を決定するのに使用した。
【表7】
【0397】
(実施例6)第2の鎖合成のためのポリメラーゼの比較
【0398】
Taqポリメラーゼの性能を、チタニウムTaqポリメラーゼと比較した。in vitroで転写したポリアデニル化RNA1875コピーを反応液Aに加えた。in vitroで転写したポリアデニル化RNA188コピーを反応液Bに加えた。in vitroで転写したポリアデニル化RNA1875コピーを反応液Cに加えた。また、in vitroで転写したポリアデニル化RNA 188コピーを反応液Dに加えた。K562細胞系からの担体RNA 1μgを各反応混合液に加えた。RNAを、10mM dNTP溶液1μL、10μM第2の鎖のプライマー0.4μL、960オリゴ(dT)標識の10μMプール0.4μLを含む反応液12.6μL中に加えた。反応液を65℃で5分間インキュベートしてRNAを変性させ、次いで、直ちに氷上で冷却した。5×第1の鎖緩衝剤4μL、0.1M DTT 1μL、スペラーゼRNアーゼインヒビター(20単位)1μL、逆転写酵素、およびTaqDNAポリメラーゼ(2単位)0.4μLを各反応液に加えた。反応液を42℃60分間、次いで94℃2分間、55℃2分間、および68℃2分間を3サイクルインキュベートした。ウラシルDNAグリコシラーゼ1単位を加え、反応液を混合し、新たなチューブに移し、37℃で30分間インキュベートした。反応液AおよびB5μlを、1×Taq緩衝剤、dNTP 0.2μM、遺伝子特異的フォワードプライマー0.2uM、汎用リバースプライマー0.2μM、およびTaqポリメラーゼ0.3μLからなるPCR反応液20μLと混合した。反応液CおよびD5μLを、1×チタニウム緩衝剤、dNTP0.2μM、遺伝子特異的フォワードプライマー0.2uM、汎用リバースプライマー0.2μM、およびチタニウムTaqポリメラーゼ0.3μLからなるPCR反応液20μLと混合した。PCR条件は、94℃2分間、その後94℃20秒間、58℃20秒間、および68℃20秒間を30サイクルであった。最終インキュベートを68℃で4分間実行した。ネステッドPCRを、第1のPCRと同じ条件に従って実行したが、ネステッドフォワードプライマーを使用した点が異なった。初期のPCRの1:25希釈液2μLをネステッドPCRに対する鋳型として使用した。PCR生成物をDNアーゼでランダムに断片化し、ターミナルトランスフェラーゼ酵素でビオチン標識し、次いで37℃で12時間、検出器アレイにハイブリダイズさせた。ハイブリダイズしたDNAからのシグナルを、ストレプトアビジンコンジュゲートしたフィコエリスリン(Phycoerytherin)での染色により検出し、マイクロアレイスキャナ上に画像化した。
図6A〜Dはそれぞれ、反応液A〜DにおいてハイブリダイズしたDNA中に存在する標識を示す。ハイブリダイズしたDNA中に存在する標識の数を計数し、核酸断片のオリジナルコピー数を決定するのに使用した。
【表8】
【0399】
(実施例7)個々のDNA分子の計数によるmRNAの絶対的定量
【0400】
標識を加えた後でcDNA分子を増幅することにより、mRNA分子を定量することができる(
図19)。標識cDNA分子は、(1)ポリ−A RNAテールにアニールするためのオリゴdT配列、(2)予め決定された、またはランダム配列の標識タグの収集物、および(3)共通の、または汎用PCRプライマー配列と一緒に、デオキシオリゴヌクレオチドプライマーを加えることにより、mRNA分子のcDNA合成により形成される。標識cDNA分子を、遺伝子特異的プライマー、および共通の、または汎用PCRプライマーを使用して増幅する。増幅後、配列組成の異なる標識の数を、ハイブリダイゼーション、配列決定、または他の検出方法によって容易に検出することができる。溶液中の個々のmRNA分子の数を計数する困難な課題は、異なる標識のタイプの数を決定する単純な課題に形を変え、異なる標識は、初期の標識の配列の多様性が、存在する分子の数よりも十分に大きいのであれば、増幅後に各々高濃度で存在する。あらゆる他の適切な方法をやはり使用して、増幅の前または間にRNAまたはcDNA分子中に標識を組み入れることができる。あらゆる他のPCRまたはPCR以外に基づいた方法をやはり使用して、RNAまたはcDNA分子を増幅することができる。標識分子の増幅は、これら実施例において有用であるが、検出に必要とされないことがある。
【0401】
(実施例8)RNA発現のためのデジタルマイクロアレイ
【0402】
n個のオリゴdT標識プライマーのプールを使用してmRNAを逆転写する(標識を有するランダムプライマーも使用することができる)(
図20)。cDNAを、PCRおよびT7増幅などの方法で、任意選択により増幅してもよい。標識は各cDNA分子と一緒に増幅される。cDNAをデジタルアレイにハイブリダイズして、対象の各遺伝子の個々の標識の数を決定する。ハイブリダイゼーションには、遺伝子配列(遺伝子の3’エクソン上のセグメントの可能性が最も高い)および標識配列の1つの両方の存在が必要である。700万フィーチャーを有するアレイは、試料中に存在する各mRNAのコピー数を決定するために、20,000の異なるmRNA配列を有する試料に適用される350の標識の収集物を検出するのに十分である。測定の効果的なダイナミックレンジを向上させるために、350の標識プライマーのサブセットを低濃度で適用してもよい。この方法は、単一細胞中など、出発材料の量を限定する試料に特に有利である。
【0403】
(実施例9)DNAコピー数のためのデジタルマイクロアレイ
【0404】
ゲノムDNAを、1つまたは複数の制限酵素を使用して、1つまたは複数の反応において小さな断片に消化する。標識配列を有するアダプターをDNA断片にライゲーションする(
図21)。ライゲーションした断片を、任意選択により増幅する。ライゲーションした断片を、任意選択により、1つまたは複数の制限酵素で消化した後で増幅してある特定の断片の複製を防いでもよく、これは対象の断片だけを選択的に増幅する上で有用である。デジタルアレイに対するハイブリダイゼーションにより、各制限断片にライゲーションされた個々の標識の数が検出される。350の標識配列を使用して、700万フィーチャーのアレイは、ゲノムにおける20,000断片をアッセイすることができ、これはヒトにおける平均インターバル150kbを表す。さらに、一部のアレル特異的断片を、対象のアレルに特異的な制限酵素(例えば、4塩基カッター)を選択することにより、アッセイしてもよい。
【0405】
(実施例10)マイクロRNAのためのデジタルマイクロアレイ
【0406】
標識を、マイクロRNAの3’末端および5’末端に、ライゲーションまたは他の手段によって付着させる(
図22)。標識−マイクロRNA複合体を逆転写して、標識−DNA生成物を産生する。標識−DNA生成物を、任意選択により増幅する。標識−DNA生成物を、デジタルアレイ上でハイブリダイズして、マイクロRNA1個あたりの標識の数を検出する。miRBase18(http://www.mirbase.org/)は2011年11月に公開されたものであり、1921の独特の成熟ヒトmiRNAを列挙している。200万フィーチャーのアレイにより、1921のmiRNAにライゲーションしている1000の標識を適切に検出することができる。
【0407】
(実施例11)単一細胞着床前遺伝子診断(PGD)のためのデジタルマイクロアレイ
【0408】
単一細胞ゲノムDNA増幅アッセイでの第一の難題は、アレルドロップアウトおよび複製バイアスに由来する。
図43における、あらゆる分子の複製の確率が0.8であるコンピュテーションモデリング分析に示す通り、初期のコピー比が1:1である分子は、数サイクルの複製の直後に1:10以上に容易に歪めることができる。
【0409】
しかし、最初に標識を付着させた後に増幅する場合、標識を計数してコピー数を決定することは、複製が生じる限り、複製バイアスによる影響を受けない。しかし、これはアレルドロップアウトの問題を解決するわけではなく、異数性の決定および大きな領域の欠失または増幅を、容易かつ正確に決定することができる。これは、PGD適用に特に有用である。
【0410】
(実施例12)母系循環核酸中の胎児異数性を測定するためのデジタルマイクロアレイ
【0411】
デジタルマイクロアレイを使用して、母系循環核酸中の胎児異数性を測定することができる。母系循環核酸を含む試料を準備する。4塩基カッターを使用してDNAを断片化する。断片化したDNAに標識を付着させる。マルチプレックスPCRを循環させて21染色体マーカー40個および対照の染色体マーカー10個を増幅する。増幅された標識−DNA生成物を500万フィーチャーのアレイ上で検出する。21染色体のコピー数を使用して、胎児異数性の出現を決定することができる(
図24)。
【0412】
(実施例13)個々のDNA分子の計数によるmRNAの絶対的定量
【0413】
第1の鎖cDNA合成の間に標識を組み入れることにより、mRNA分子を定量することができる(
図25)。標識cDNA分子は、(1)ポリ−A RNAテールにアニールするためのオリゴdT配列、(2)予め決定された、またはランダム配列の標識タグの収集物、および(3)共通の、または汎用PCRプライマー配列と一緒に、デオキシオリゴヌクレオチドプライマーを加えることにより、mRNA分子のcDNA合成により形成される。第1の鎖cDNA合成の後、配列組成の異なる標識の数を、ハイブリダイゼーション、配列決定、または他の検出方法により容易に検出することができる。溶液中の個々のmRNA分子の数を計数する困難な課題は、異なる標識のタイプの数を決定する単純な課題に形を変え、異なる標識は、初期の標識配列の多様性が、存在する分子数よりも十分に大きいのであれば、増幅後に各々高濃度で存在する。あらゆる他の適切な方法をやはり使用して、第1の鎖cDNA合成の前または間にRNAまたはcDNA分子中に標識を組み入れることができる。
【0414】
(実施例14)段階希釈のカナマイシンRNAでの滴定実験
【0415】
広範なダイナミックレンジの絶対的計数プロトコールを説明するために、カナマイシンRNAの段階希釈を実行することにより、滴定曲線を生成した。各9個の段階希釈を、2.5pg/μl、1.25pg/μl、0.25pg/μl、0.125pg/μl、0.025pg/μl、12.5fg/μl、2.5fg/μl、1.25fg/μl、および0.25fg/μlから0.25fg/μlの濃度に標準化した。希釈は全て、試料RNAのチューブの壁への粘着を妨害するために酵母RNA10ng/μl溶液で予めすすいだチューブ中、E.coli全RNA1ng/μlの希釈溶液を使用して作製した。試料を、E.coli全RNA1μg、dNTPの10mM溶液1μl、カナマイシンに特異的な10uMdUプライマー0.4μl、および960dTオリゴ標識の10μΜプール0.4μlを含む反応液12.6μlに加えた。反応液を65℃で5分間インキュベートしてRNAを変性させ、次いで、直ちに氷上で冷却した。5×第1の鎖緩衝剤4μL、0.1M DTT 1μL、スペラーゼRNアーゼインヒビター(20単位)1μL、野生型MMLV逆転写酵素1μL(200単位)、およびTaq DNAポリメラーゼ(2単位)0.4μLを加えた。反応液を37℃60分間、その後94℃2分間、55℃2分間、および72℃2分間を3サイクルインキュベートした。ウラシルDNAグリコシラーゼ1単位を加え、反応液を混合し、新たなチューブに移し、37℃で30分間インキュベートした。次いで、反応液5μLを、1×Taq反応緩衝剤、dNTP 0.2μΜ、遺伝子特異的フォワードプライマー0.05uM、汎用リバースプライマー0.05μM、およびTaqポリメラーゼ0.3μLからなるPCR反応液20μLに添加した。PCR条件は、94℃2分間、その後94℃20秒間、58℃20秒間、および72℃20秒間を30サイクルであった。最終のインキュベートを72℃で4分間実行した。ネステッドPCRを、ネステッドフォワードプライマーおよびCy3標識を付着させた汎用リバースプライマーを使用して実行した。初期のPCR 0.5μlをネステッドPCRに対する鋳型として使用した。PCR条件は第1のPCRと同じであったが、58℃のステップを55℃で実行した点が異なった。試料を、37℃で終夜、検出器アレイにハイブリダイズさせ、翌日、蛍光リーダーを使用してスキャンしてアレイ上のどの位置がCy3標識を含んでいたかを検出した。ポジティブのスポットの数を使用して、試料の初期濃度を決定した。
図35は希釈スキームを示す。
図36A〜Hは結果の散布図を示し、表1は結果を示す。
図37は相関グラフを示す。
【0416】
【表1】
【0417】
(実施例15)GAPDH発現を測定するためのヒト肝臓RNAの段階希釈での滴定実験
【0418】
ヒト肝臓の全RNAの段階希釈を実行することにより、滴定曲線を作成して、遺伝子発現のレベルを検出するための確率的標識プロトコールの能力を示した。各8個の段階希釈を、5000pg/μl、1250pg/μl、500pg/μl、125pg/μl、50pg/μl、12.5pg/μl、5pg/μl、および1.25pg/μlから1.25pg/μlの濃度に標準化した。希釈は全て、試料RNAのチューブの壁への粘着を妨害するために酵母RNA10ng/μl溶液で予めすすいだチューブ中、E.coli全RNA1ng/μlの希釈溶液を使用して作製した。試料を、E.coli全RNA1μg、dNTPの10mM溶液1μl、GAPDHに特異的な10uMdUプライマー0.4μl、および960dTオリゴ標識の10μΜプール0.4μlを含む反応液12.6μlに加えた。反応液を65℃で5分間インキュベートしてRNAを変性させ、次いで、直ちに氷上で冷却した。5×第1の鎖緩衝剤4μL、0.1M DTT 1μL、スペラーゼRNアーゼインヒビター(20単位)1μL、野生型MMLV逆転写酵素1μL(200単位)、およびTaq DNAポリメラーゼ(2単位)0.4μLを加えた。反応液を37℃60分間、その後94℃2分間、55℃2分間、および72℃2分間を3サイクルインキュベートした。ウラシルDNAグリコシラーゼ1単位を加え、反応液を混合し、新たなチューブに移し、37℃で30分間インキュベートした。次いで、反応液5μLを、1×Taq反応緩衝剤、dNTP 0.2μΜ、遺伝子特異的フォワードプライマー0.05uM、汎用リバースプライマー0.05μM、およびTaqポリメラーゼ0.3μLからなるPCR反応液20μLに添加した。PCR条件は、94℃2分間、その後94℃20秒間、58℃20秒間、および72℃20秒間を30サイクルであった。最終インキュベートを72℃で4分間実行した。ネステッドPCRを、ネステッドフォワードプライマーおよびCy3標識を付着させた汎用リバースプライマーを使用して実行した。初期のPCR0.5μlをネステッドPCRに対する鋳型として使用した。PCR条件は第1のPCRと同じであったが、58℃のステップを55℃で実行した点が異なった。試料を、37℃で終夜、検出器アレイにハイブリダイズさせ、翌日、蛍光リーダーを使用してスキャンしてアレイ上のどの位置がCy3標識を含んでいたかを検出した。ポジティブのスポットの数を使用して、試料の初期濃度を決定した。
図38は希釈スキームを示す。
図39は結果の散布図を示し、表2は結果を示す。
図40は相関グラフを示す。
【0419】
【表2】
【0420】
(実施例16)対照の細菌遺伝子の測定
【0421】
プロトコールを、ポリA細菌対照RNA(Lys、Thr、Dap、およびPhe)、ならびにカナマイシン耐性遺伝子からのRNAを使用して検証した。各対照の異なる4つの希釈を使用して、計数の正確さを検証した。試料を、E.coli全RNA1μg、dNTPの10mM溶液1μl、遺伝子特異的dUプライマー10uM、および960dTオリゴ標識の10μΜプール0.4μlを含む反応液12.6μlに加えた。反応液を65℃で5分間インキュベートしてRNAを変性させ、次いで、直ちに氷上で冷却した。5×第1の鎖緩衝剤4μL、0.1M DTT 1μL、スペラーゼRNアーゼインヒビター(20単位)1μL、野生型MMLV逆転写酵素1μL(200単位)、およびTaq DNAポリメラーゼ(2単位)0.4μLを加えた。反応液を37℃60分間、その後94℃2分間、55℃2分間、および72℃2分間を3サイクルインキュベートした。ウラシルDNAグリコシラーゼ1単位を加え、反応液を混合し、新たなチューブに移し、37℃で30分間インキュベートした。次いで、反応液5μLを、1×Taq反応緩衝剤、dNTP 0.2μΜ、遺伝子特異的フォワードプライマー0.05uM、汎用リバースプライマー0.05μM、およびTaqポリメラーゼ0.3μLからなるPCR反応液20μLに添加した。PCR条件は、94℃2分間、その後94℃20秒間、58℃20秒間、および72℃20秒間を30サイクルであった。最終インキュベートを72℃で4分間実行した。ネステッドPCRを、ネステッドフォワードプライマーおよびCy3標識を付着させた汎用リバースプライマーを使用して実行した。初期のPCR 0.5μlをネステッドPCRに対する鋳型として使用した。PCR条件は第1のPCRと同じであったが、58℃のステップを55℃で実行した点が異なった。試料を、37℃で終夜、検出器アレイにハイブリダイズさせ、翌日、蛍光リーダーを使用してスキャンしてアレイ上のどの位置がCy3標識を含んでいたかを検出した。ポジティブのスポットの数を使用して、試料の初期濃度を決定した。
図41は、最小濃度希釈からの結果の散布図を示し、表3は結果の概略表を表す。
【0422】
【表3】
【0423】
(実施例17)確率的標識およびデジタルPCRによるカナマイシンRNAの定量の比較
【0424】
確率的標識により産生されたカナマイシンRNAの計数値を、別の例の検証としてデジタルPCRから得た計数値と比較した。カナマイシンRNA 5μgを、E.coli全RNA2μg、dNTPの10mM溶液1μl、および960dTオリゴ標識の10μΜ溶液2μlを含む反応液13μlに加えた。試料を65℃で5分間加熱し、次いで、氷上で冷却した。5×第1の鎖緩衝剤4μL、0.1M DTT 1μL、スペラーゼRNアーゼインヒビター(20単位)1μL、スーパースクリプトIII逆転写酵素1μL(200単位)を反応液に加えた。試料を50℃で60分間インキュベートし、次いで15分間70℃に加熱し、次いで4℃に冷却した。RNアーゼH2単位を加え、試料を37℃で20分間インキュベートした。最終のインキュベートの後、TE 29μlを加えた。5000万倍の段階希釈を実行し、1ulを15ulデジタルPCRの75反応において使用した。これら反応液は各々、2×SYBR PCRマスターミックス7.5μl、10uMカナマイシンフォワードプライマー0.13μl、および10uMカナマイシンリバースプライマー0.13μlを含んでいた。PCR条件は、95℃30秒間の初期インキュベート、その後95℃15秒間および58℃60秒間を45サイクル含んでいた。結果を検証する目的で、PCRの後に融解曲線プログラムを続けた。
図42は、結果の散布図を示し、表3はカナマイシンに対する計数の概略を示す。
図42は、SYBRグリーンqPCR試薬を使用した0.0002pgカナマイシンRNAのdPCR結果を示す。
図42に示す通り、75反応中ポジティブのウェルが50個観察され、n=104分子が0.0002pg中に存在した(0.001pg中に520分子が存在した)。
【0425】
(実施例18)肝臓RNAにおける遺伝子発現測定
【0426】
様々な存在量の標的の遺伝子発現値を、確率的標識を使用して測定した。転写物の存在量についての以前の仮定に基づいて、様々な濃度のヒト肝臓の全RNAを使用して9個の遺伝子;GAPDH、B2M、RPL19、SDHA、GUSB、TUBB、ABCF1、G6PD、およびTBPを各々試験した。各反応において使用したRNA量を、1〜300分子の範囲の理想的な計数を標的にするよう設計し、これらはそれぞれ0.625pg、1.25pg、1.25pg、125pg、12.5pg、12.5pg、2500pg、650pg、および650pgであった。試料を、E.coli全RNA1μg、dNTPの10mM溶液1μl、10uM遺伝子特異的dUプライマー0.4μl、および960dTオリゴ標識の10μΜプール0.4μlを含む反応液12.6μlに加えた。反応液を65℃で5分間インキュベートしてRNAを変性させ、次いで、直ちに氷上で冷却した。5×第1の鎖緩衝剤4μL、0.1M DTT 1μL、スペラーゼRNアーゼインヒビター(20単位)1μL、野生型MMLV逆転写酵素1μL(200単位)、およびTaq DNAポリメラーゼ(2単位)0.4μLを加えた。反応液を37℃60分間、その後94℃2分間、55℃2分間、および72℃2分間を3サイクルインキュベートした。ウラシルDNAグリコシラーゼ1単位を加え、反応液を混合し、新たなチューブに移し、37℃で30分間インキュベートした。次いで、反応液5μLを、1×Taq反応緩衝剤、dNTP 0.2μΜ、遺伝子特異的フォワードプライマー0.05uM、汎用リバースプライマー0.05μM、およびTaqポリメラーゼ0.3μLからなるPCR反応液20μLに添加した。PCR条件は、94℃2分間、その後94℃20秒間、58℃20秒間、および72℃20秒間を30サイクルであった。最終インキュベートを72℃で4分間実行した。ネステッドPCRを、ネステッドフォワードプライマーおよびCy3標識を付着させた汎用リバースプライマーを使用して実行した。初期のPCR 0.5μlをネステッドPCRに対する鋳型として使用した。PCR条件は第1のPCRと同じであったが、58℃のステップを55℃で実行した点が異なった。試料を、37℃で終夜、検出器アレイにハイブリダイズさせ、翌日、蛍光リーダーを使用してスキャンしてアレイ上のどの位置がCy3標識を含んでいたかを検出した。ポジティブのスポットの数を使用して、試料の初期濃度を決定した。表4は9個の遺伝子全てに対する計数値の概要を示す。
【0427】
【表4】
【0428】
(実施例19)細胞可溶化物から直接のmRNA分子の絶対的定量
【0429】
本実施例は細胞可溶化物から直接、転写物の計数値を生成する方法を記載するものである。PBS中洗浄したRamos(RA1)細胞系から細胞40〜100個の範囲を、以下の試薬と一緒にPCRチューブ中に配置した:Triton X−100 5%1μl、E.coli全RNA 1μg、dNTPの10mM溶液1μl、遺伝子特異的dUプライマー0.4μl、および960 dTオリゴの10uΜプール0.4μl。試料を10分間70℃に加熱し、氷上で冷却して細胞を溶解し、プライマーをアニールさせた。5×第1の鎖緩衝剤4μL、0.1M DTT 1μL、スペラーゼRNアーゼインヒビター(20単位)1μL、野生型MMLV逆転写酵素1μL(200単位)、およびTaq DNAポリメラーゼ(2単位)0.4μLを加えた。対照の試料も、逆転写酵素なしで同じ細胞数に対して実行した。反応液を37℃60分間、その後94℃2分間、55℃2分間、および72℃2分間を3サイクルインキュベートした。ウラシルDNAグリコシラーゼ1単位を加え、反応液を混合し、新たなチューブに移し、37℃で30分間インキュベートした。次いで、反応液5μLを、1×Taq反応緩衝剤、dNTP 0.2μΜ、遺伝子特異的フォワードプライマー0.05uM、汎用リバースプライマー0.05μM、およびTaqポリメラーゼ0.3μLからなるPCR反応液20μLに添加した。PCR条件は、94℃2分間、その後94℃20秒間、58℃20秒間、および72℃20秒間を30サイクルであった。最終インキュベートを72℃で4分間実行した。ネステッドPCRを、ネステッドフォワードプライマーおよびCy3標識を付着させた汎用リバースプライマーを使用して実行した。初期のPCR 0.5μlをネステッドPCRに対する鋳型として使用した。PCR条件は第1のPCRと同じであったが、58℃のステップを55℃で実行した点が異なった。試料を、37℃で終夜、検出器アレイにハイブリダイズさせ、翌日、蛍光リーダーを使用してスキャンしてアレイ上のどの位置がCy3標識を含んでいたかを検出した。ポジティブのスポットの数を使用して、試料中のRPL19転写物の濃度を決定した。
図43は、確率的標識のプロトコールを直接細胞に適用したことを概略する模式図を示す。
【0430】
(実施例20)cDNA合成の最適化
【0431】
cDNA合成反応を3つ実行した。3つの反応液の組成を以下に記載する。
【0432】
反応液1:Std=対照のRNA+10nM dT24
(配列番号60)+逆転写酵素
【0433】
反応液2:Chum=対照のRNA+10ngポリA担体RNA+10nM dT24
(配列番号60)+逆転写酵素
【0434】
反応液3:Bead=対照のRNA+dT40
(配列番号61)ビーズ1×10
6+逆転写酵素
【0435】
反応液を42℃で1時間インキュベートし、次いで35サイクルのPCR用に、示した数のインプットRNAコピーに希釈した。各反応に対するPCR生成物を
図32に示す。
図32Aに示す通り、RNAのcDNAへの変換は、溶液中よりビーズ上のほうが高い。
【0436】
ここに、本発明を、理解を明確にする目的で図および例によりある程度詳細に、十分に記載してきたが、当業者であれば、本発明の範囲またはあらゆる具体的なその実施形態に影響を及ぼさずに、広範かつ同等の条件の範囲、処方、および他のパラメータ内で本発明を改変または変更することにより同じことを実行することができ、ならびにこのような改変または変更は添付の特許請求の範囲内に包含されることが意図されることが明らかであろう。
【0437】
本明細書において言及する刊行物、特許、および特許出願は全て、本発明が関係する技術分野の技術者の技術のレベルを示すものであり、各々の個々の刊行物、特許、または特許出願が参照により援用されることを具体的かつ個々に示す如く、同程度に参照により本明細書に援用される。