特許第6375462号(P6375462)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6375462
(24)【登録日】2018年7月27日
(45)【発行日】2018年8月15日
(54)【発明の名称】ルアー
(51)【国際特許分類】
   A01K 85/18 20060101AFI20180806BHJP
【FI】
   A01K85/18
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2018-30226(P2018-30226)
(22)【出願日】2018年2月23日
【審査請求日】2018年3月7日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】518063159
【氏名又は名称】マニフォールド有限会社
(74)【代理人】
【識別番号】100135460
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 康利
(74)【代理人】
【識別番号】100084043
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 喜多男
(74)【代理人】
【識別番号】100142240
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 優
(72)【発明者】
【氏名】宮本 芳孝
【審査官】 坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−006199(JP,A)
【文献】 特開平08−154537(JP,A)
【文献】 特開2008−118947(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/192124(WO,A1)
【文献】 米国特許第04959920(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0115402(US,A1)
【文献】 Heddon Scissortail Lure,2003年 1月24日,2018年4月10日検索,URL,http://www.lurelore.com/scissor.html
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 85/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣り糸の先端が接続される頭部と、
前記頭部の後端部に揺動自在に連結された主胴体部と、
前記主胴体部の後端部に揺動自在に連結された尾部と、
からなる主魚体部を少なくとも有するルアーであって、
記主胴体部上側又は下側に配された副胴体部を備え、
前記副胴体部は、前記頭部、及び前記主胴体部うち少なくともいずれかを連結対象として、鎖状体又は可撓性のある線状体からなる連結手段を介して前記連結対象に連結されており、
さらに、前記主魚体部が水中で前記釣り糸によって引っ張られたときに、前記副胴体部は、前記連結対象に対して前記連結手段を中心にねじれる方向にも揺動自在である
ことを特徴とするルアー。
【請求項2】
前記副胴体部における左右側面部のうち少なくとも一方の側面部には、当該ルアーの中央側が他の部位より凹んでなる水抵抗部が設けられている
請求項1に記載のルアー。
【請求項3】
前記頭部の後端縁には、
後方に向かって突出する後端凸部と、
前記後端凸部の上側又は下側に配された、前方に向かって凹む後端凹部と、
が設けられており、
前記主胴体部が、前記後端凸部及び前記後端凹部のうちいずれか一方に揺動自在に連結されており、
前記副胴体部が、他方に揺動自在に連結されている
請求項1又は請求項2に記載のルアー。
【請求項4】
前記後端凸部に連結している前記主胴体部又は前記副胴体部の前端縁が、当該後端凸部の形状に対応して後方に向かって凹む凹形状となっている
請求項3に記載のルアー。
【請求項5】
前記後端凹部に連結している前記主胴体部又は前記副胴体部の前端縁が、当該後端凹部の形状に対応して前方に向かって突出する凸形状となっている
請求項3又は請求項4に記載のルアー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、釣竿を用いた魚釣りの際に用いられる魚形状のルアー(疑似餌)に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、魚形状のルアーとしては、前後方向に本体部が複数連結されたものが知られている。
【0003】
また、例えば特許文献1には、流線形状の模擬魚体の腹部部分を切り欠いた切欠部に揺動自在に連結された揺動体を備えたものが開示されている。なお、かかる文献には、模擬魚体と揺動体との動きが不規則になり、あたかも弱った魚の腹の如き動きを総合的に似せることができることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−154537号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、釣り対象となる魚に対して本物の魚のような動きを見せることができるルアーは未だ改良の余地がある。すなわち、より本物の魚に近い活発な動きをさせることができるとともに、釣り対象となる魚が興味を示すような存在感のあるルアーが求められている。
【0006】
そこで本発明は、本物の魚の動きに似せることができ、しかも、その存在をより明確に示すことのできるルアーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、釣り糸の先端が接続される頭部と、前記頭部の後端部に揺動自在に連結された主胴体部と、前記主胴体部の後端部に揺動自在に連結された尾部と、からなる主魚体部を少なくとも有するルアーであって、記主胴体部上側又は下側に配された副胴体部を備え、前記副胴体部は、前記頭部、及び前記主胴体部うち少なくともいずれかを連結対象として、鎖状体又は可撓性のある線状体からなる連結手段を介して前記連結対象に連結されており、さらに、水中で前記釣り糸によって引っ張られる主魚体部の動きに伴い、前記副胴体部は、前記連結対象に対して前記連結手段を中心にねじれる方向にも揺動自在であることを特徴とするルアーである。
【0008】
かかる構成にあっては、前記頭部から後方に向かって連結された前記主胴体部及び前記尾部にわたって揺動自在に連結されているために、前記頭部の動きに追従して前記主胴体部及び前記尾部が連動し、本物の魚の動きに似せた動きを見せることができる。加えて、前記副胴体部が、揺動自在に連結された前記頭部、又は前記主胴体部動きに追従するとともに、連結されていない部位とは反作用によって異なる動きをすることにより、アーねじれの動きを発生させることができ
【0009】
なお、頭部、主胴体部、尾部、又は副胴体部は、各々が単一部材で構成されていてもよいし、複数の部材が連結して構成されていてもよい。また、連結態様としては、例えば、前記副胴体部が前記頭部とのみ揺動自在に連結されていてもよいし、前記副胴体部が主胴体部とのみ揺動自在に連結されていてもよいし、前記副胴体部が前記頭部及び主胴体部と揺動自在に連結されていてもよい。
【0010】
また、上記構成にあって、前記副胴体部における左右側面部のうち少なくとも一方の側面部には、当該ルアーの中央側が他の部位より凹んでなる水抵抗部が設けられていることが好ましい。
【0011】
ここで、従来までは、本物の魚の外観形状をできる限り模倣するべく、できる限り水の抵抗を減らす魚特有の流線型のルアー形状とすることがなされてきた。具体的には、胴体の中央が最も厚肉とされ、上端縁及び下端縁に向かうほど薄肉となる形状がいわゆる本物の魚の外観形状である。しかしながら、本発明者は、あえて水の抵抗をうける形状の副胴体部を設けることで、従来にないルアーの動きが実現可能となる新しい着想に至った。
【0012】
さらに詳述すると、かかる構成のようにルアーの中央側が他の部位より薄肉な凹形状の水抵抗部を設けることにより、ルアーを前進させた際に当該副胴体部が水の抵抗を受け易くなり、副胴体部がより一層大きく揺動することになる。または、他の部位は揺動しているが、副胴体部のみが静止した状態となることもある。したがって、ルアー全体としてねじれの動きを演出しつつ、魚体の一部を大きく揺動させたり、前記一部の動きを停止させたりすることが可能となり、釣り対象となる魚が興味を示すような存在感のある挙動が実現可能となる。これにより、例えば、弱った魚の動きは勿論のこと、逃げ惑う動き、漂う動き、威嚇的な動き、迷って逃げ出す前の動き、水際でボコボコという音を鳴らす動き、あるいは高速な動きから瞬時に止まる動きなどのような魚が本来持つ習性を演出することが可能となる。なお、水抵抗部の凹みの大きさや深さを適宜変更して水の抵抗度合いを調整することにより、使用者が所望する動きを細やかに演出できるルアーとなる。
【0013】
また、前記頭部の後端縁には、後方に向かって突出する後端凸部と、前記後端凸部の上側又は下側に配された、前方に向かって凹む後端凹部と、が設けられており、前記主胴体部が、前記後端凸部及び前記後端凹部のうちいずれか一方に揺動自在に連結されており、前記副胴体部が、他方に揺動自在に連結されている構成が提案される。
【0014】
上述のように、後端縁の形状が異なる部位を上下に配置する構成とすることにより、後端凸部に連結された部材の可動域と、後端凹部に連結された部材の可動域とを互いに異ならせて前記主胴体部の動きと前記副胴体部の動きとを明確に異ならせることが可能となる。したがって、ルアーにおける上部と下部とで動作態様が相違することになり、全体として変化に富んだ演出が可能となる。
【0015】
また、前記後端凸部に連結している前記主胴体部又は前記副胴体部の前端縁が、当該後端凸部の形状に対応して後方に向かって凹む凹形状となっている構成が提案される。
【0016】
また、前記後端凹部に連結している前記主胴体部又は前記副胴体部の前端縁が、当該後端凹部の形状に対応して前方に向かって突出する凸形状となっている構成が提案される。
【0017】
かかる構成にあっては、前記頭部と前記主胴体部との間、及び、前記頭部と前記副胴体部と間に流入する水の抵抗度合いに差が生まれ、主胴体部と副胴体部との間で挙動を異ならせることが可能となり、より一層、ルアーの動きを複雑にして存在感を増幅させることが可能となる。また、ルアーにおける上部と下部とで水の抵抗度合いが異なることで、水面近くで水の抵抗を受けやすい特性を持たせたり、水面近くで水の抵抗を受けにくい特性を持たせたりすることが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明にかかるルアーは、本物の魚の動きに似せることができ、しかも、その存在をより明確に示すことのできる優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】実施例1にかかるルアーの右側面図である。
図2図1のA−A線端面図である。
図3】実施例2にかかるルアーの右側面図である。
図4】実施例3にかかるルアーの右側面図である。
図5】実施例4にかかるルアーの右側面図である。
図6】(a)は図5のB−B線端面図であり、(b)は図5のC−C線端面図である。
図7】実施例5にかかるルアーの右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に本発明を具体化した実施例を詳細に説明する。なお、本発明は、下記に示す実施例に限定されることはなく、適宜設計変更が可能である。
【0021】
〔実施例1〕
実施例1のルアー1を図1図2に従って説明する。
【0022】
全体として魚形状とされたルアー1は、図1に示すように、釣り糸(道糸)の先端が接続される先端部を具備した頭部10を備えている。なお、前記先端部には、釣り糸の先端を接続するための環状の糸接続部11が設けられている。
【0023】
また、頭部10における後端部の上側部には、第1主胴体部21が左右方向に揺動自在となるように連結されている。具体的には頭部10と第1主胴体部21とは、端縁部に並設された一対の鎖状体12を介して連結されている。
【0024】
同様に、第1主胴体部21の後端部には、第2主胴体部22の先端部が連結されている。さらに、第2主胴体部22の後端部には、第3主胴体部23の先端部が連結されている。そして、第3主胴体部23の後端部には、魚の尾部を模した形状の尾部30の先端部が連結されている。
【0025】
なお、第1主胴体部21、第2主胴体部22、及び第3主胴体部23により、本発明に係る主胴体部が構成される。また、頭部10と、第1主胴体部21と、第2主胴体部22と、第3主胴体部23と、尾部30とによって主魚体部20が構成されている。
【0026】
さらに、頭部10の後端部における下側部には、鎖状体12を介して副胴体部40の前端部が揺動自在に連結されている。なお、副胴体部40は、第1主胴体部21と、第2主胴体部22の下側に配置されており、換言すれば頭部10と尾部30とを通る仮想中心軸Lを含む主魚体部20よりも下方に配置されている。
【0027】
さらに、副胴体部40における左右の側面部表面には、水抵抗部Xが設けられている。図2に従ってさらに詳述すると、水抵抗部Xは、第1主胴体部21及び第2主胴体部22側(中央側)が、当該副胴体部40の下端寄りの部位や後端寄りの部位よりも窪んだ凹部形状となっている。かかる水抵抗部Xの機能については後述する。
【0028】
なお、頭部10の下側部と、副胴体部40の下端部と、第3主胴体部23の下端部とに、釣り針(図示省略)を接続する環状の針接続部15が設けられている。
【0029】
上述の構成を有するルアー1にあっては、糸接続部11に接続された糸を引っ張ることにより頭部10の動きに追従して第1主胴体部21、第2主胴体部22、第3主胴体部23、及び尾部30が、頭部10に対して順に連動することとなる。
【0030】
一方、副胴体部40は、頭部10の動きに追従するが、第1主胴体部21、第2主胴体部22、及び尾部30とは連動することはなく、独立した周期で揺動する。そうすると、ルアー1全体として、仮想中心軸Lを中心にねじるような動きを発生させることができ、従来では再現できなかった魚が持つ特有の動きを演出することが可能となる。
【0031】
特に、ルアー1にあっては、副胴体部40の前端部のみが頭部10と連結されているため、副胴体部40の後側は他の束縛を受けずに第1主胴体部21、及び第2主胴体部22よりもダイナミックな動作が生まれる。
【0032】
〔実施例2〕
実施例2のルアー2を図3に従って説明する。なお、上記実施例1と同様の構成を有するものは同じ符号を付し、説明を省略する。
【0033】
ルアー2の副胴体部40は、頭部10とは連結されていない。かわりに、副胴体部40の上端部が、第1主胴体部21の下端部に鎖状体12を介して揺動自在に連結されている。
【0034】
かかるルアー2にあっては、第1主胴体部21の下端部の動きに追従して副胴体部40が揺動する。
【0035】
さらに、ルアー2にあっては、副胴体部40の上端部のみが第1主胴体部21の下端部と連結されているため、水抵抗部Xが水の抵抗を受けるなかで副胴体部40の下側は他の束縛を受けずに第1主胴体部21や第2主胴体部22よりもダイナミックな動きをする。これにより、1主胴体部21と副胴体部40との間で異なる挙動を生じさせて魚に対してその存在をより明確に示すことができる。
【0036】
〔実施例3〕
実施例3のルアー3を図4に従って説明する。なお、上記実施例1,2と同様の構成を有するものは同じ符号を付し、説明を省略する。
【0037】
ルアー3の副胴体部40は、前端部が頭部10の後端部と鎖状体12を介して揺動自在に連結されるとともに、上端部が第1主胴体部21の下端部と鎖状体12を介して揺動自在に連結されている。
【0038】
かかるルアー3にあっては、頭部10の後端部及び第1主胴体部21の下端部の動きに追従して副胴体部40が揺動する。しかも、水抵抗部Xが水の抵抗を受けるなかで副胴体部40の下側は他の束縛を受けずに第2主胴体部22よりもダイナミックな動きをすることができる。これにより、部10、第1主胴体部21、及び副胴体部40からなる仮想平面部を波打つように連動させて魚に対してその存在をより明確に示すことができる。
【0039】
〔実施例4〕
実施例4のルアー4を図5に従って説明する。なお、上記実施例1〜3と同様の構成を有するものは同じ符号を付し、説明を省略する。
【0040】
ルアー4は、魚の頭部を模した形状の頭部50を備えている。また、頭部50の先端部には、釣り糸(道糸)の先端が接続される環状の糸接続部51が設けられている。
【0041】
さらに、頭部50の後端縁には、後方に向かって突出する上側後端凸部53と、前方に向かって凹む下側後端凹部54とが上下に隣接して配置されている。
【0042】
そして、上側後端凸部53には、鎖状体12を介して主胴体部61が揺動自在に連結されており、さらに主胴体部61の後端部には、鎖状体12を介して尾部70が揺動自在に連結されている。なお、頭部50と、主胴体部61と、尾部70とによって主魚体部60が構成されている。
【0043】
一方、下側後端凹部54には、鎖状体12を介して副胴体部80が揺動自在に連結されている。なお、副胴体部80は、主胴体部61の下側に配置されており、主胴体部61と副胴体部80とが、上下方向に並置されている。
【0044】
また、主胴体部61の前端縁は、上側後端凸部53の凸形状に対応した凹形状となっている。さらに、副胴体部80の前端縁は、下側後端凹部54の凹形状に対応した凸形状となっている。
【0045】
さらに、図6aに示すように、頭部50は、前端から後端にかけてほぼ均一の厚み形状とされている。これに対し、図6bに示すように、主胴体部61及び副胴体部80は、当該ルアー4の中央側が他の部位より凹んでなる水抵抗部Xが設けられている。具体的に水抵抗部Xは、主胴体部61の下端部側と、副胴体部80の上端部側とに設けられている。
【0046】
なお、頭部50の下側部と、副胴体部80の下端部とには、釣り針を接続する環状の針接続部55が設けられている。
【0047】
上述の構成を有するルアー4にあっては、糸接続部51に接続された糸を引っ張ることにより頭部50の動きに追従して主胴体部61と尾部70とが順に追従する。これに対して、副胴体部80は、頭部50の動きには追従するが、主胴体部61と連動せずに揺動する。
【0048】
さらに、図5において矢印で示したように、主胴体部61は、前端縁の凹形状に起因して水の抵抗を受けやすく、一方、副胴体部80は、前端縁の凸形状に起因して相対的に水の抵抗を受けにくい。このため、頭部50の上下において水の抵抗度合いが相違しており、ルアー4の上下において異なる挙動を演出することが可能となる。
【0049】
〔実施例5〕
実施例5のルアー5を図7に従って説明する。なお、上記実施例1〜4と同様の構成を有するものは同じ符号を付し、説明を省略する。
【0050】
ルアー5において、頭部90の後端縁には、後方に向かって凹む上側後端凹部93と、前方に向かって突出する下側後端凸部94とが上下に隣接して配置されている。
【0051】
そして、上側後端凹部93には、鎖状体12を介して主胴体部101が揺動自在に連結されており、さらに主胴体部101の後端部には、鎖状体12を介して尾部110が揺動自在に連結されている。なお、頭部90と、主胴体部101と、尾部110とによって主魚体部100が構成されている。
【0052】
一方、下側後端凸部94には、鎖状体12を介して副胴体部120が揺動自在に連結されている。なお、副胴体部120は、主胴体部101の下側に配置されており、主胴体部101と副胴体部120とが、上下方向に並置されている。
【0053】
また、主胴体部101の前端縁は、上側後端凹部93の凹形状に対応した凸形状となっている。さらに、副胴体部120の前端縁は、下側後端凸部94の凸形状に対応した凹形状となっている。
【0054】
上述の構成を有するルアー5にあっては、実施例4と同様に、頭部90の動きに追従して主胴体部101と尾部110とが順に追従する。これに対して、副胴体部120は、頭部90の動きには追従するが、主胴体部101と連動せずに揺動する。
【0055】
また、図7において矢印で示したように、副胴体部120は、前端縁の凹形状に起因して水の抵抗を受けやすく、一方、主胴体部101は、前端縁の凸形状に起因して相対的に水の抵抗を受けにくい。このため、実施例4と同様に、頭部90の上下において水の抵抗度合いが相違しており、ルアー5の上下において異なる挙動を演出することが可能となる。
【0056】
上記実施例において、各部の寸法形状は適宜自由に選択可能である。
【0057】
また、実施例1、実施例2、及び実施例3において、主胴体部21,22,23は3個で構成する必要はなく、1個や2個、または4個以上であっても構わない。また、実施例4、及び実施例5においても、主胴体部61,100は2個以上あっても構わない。さらに、副胴体部40,80,120も1個に限らず、2個以上設けられていても構わない。
【0058】
また、副胴体部40,80,120は、主胴体部21,22,23,61,100の上側に配置されていてもよい。
【0059】
また、鎖状体12を脱着自在な構成として、種々の各部を組み合わせ自由な構成としてもよい。また、異なる形状の部材に交換可能とした構成としてもよい。また、鎖状体12の連結箇所は上述のものに限定されることはなく、連結箇所を適宜変更することにより、ルアー1〜5の動きを適宜変更することができる。また、連結手段としては、鎖状体12に代えて、他の構造からなるものが採用されてもよい。例えば、可撓性のある線体を採用して、上下左右方向に揺動自在としてもよい。
【0060】
また、水抵抗部Xは、副胴体部40,80,120や、主胴体部21,22,23,61,100の左右両側面に設けられていてもよいし、片側のみに設けられていてもよい。
【0061】
また、ルアー1〜5においては、種々の材料で構成することができ、例えば部位ごとに材料が異なってもよい。
【符号の説明】
【0062】
1,2,3,4,5 ルアー
10,50,90 頭部
21 第1主胴体部(主胴体部)
22 第2主胴体部(主胴体部)
23 第3主胴体部(主胴体部)
30,70,110 尾部
40,80,120 副胴体部
53 後端凸部
54 後端凹部
61,100 主胴体部
93,94 後端凹部
【要約】
【課題】本物の魚の動きに似せるのみならず、その存在をより明確に見せることのできるルアーを提供する。
【解決手段】ルアー1は、頭部10と、頭部10に揺動自在に連結された主胴体部21,22,23と、主胴体部23に揺動自在に連結された尾部30と、頭部10に揺動自在に連結されると共に、主胴体部21,22よりも下側に配された副胴体部40と、を備えている。さらに、副胴体部40における左右の側面部表面には、第1主胴体部21及び第2主胴体部22側(中央側)が窪んだ凹部形状の水抵抗部Xが設けられている。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7