(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記回転軸と前記回転軸を軸支する支持部との間に、前記容器を液体注入状態と液体滴下状態とをそれぞれ維持できるように、前記各状態における回転軸及び支持部のそれぞれに互いに対向して吸引がなされる磁石が内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載のハンドタオル等及び薄葉紙の吸収性試験器具。
前記回転軸と前記回転軸を軸支する支持部との間に、前記容器が液体滴下状態に移行できるように、液体注入状態における回転軸及び支持部のそれぞれに互いに対向して反発がなされる磁石が内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載のハンドタオル等及び薄葉紙の吸収性試験器具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、簡単な構成にも拘わらず、薄葉紙における液体吸収度合の相違を容易な比較でもって確認することができる薄葉紙吸収性試験器具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以下の構成によって把握される。
(1)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、薄葉紙吸収性試験器具であって、水平面に対する傾斜面内に配置され、薄葉紙が広げられて載置される載置台と、前記載置台の下端辺に設けられ、液体を溜める側壁と、を備え、前記傾斜面は水平面に対して1°以上89°以下の角度に設定され、前記薄葉紙の上端側に液体を滴下することを特徴とする。
(2)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、(1)の構成において、さらに、前記載置台の上端辺に沿って回転可能に配置される回転軸と、前記回転軸に取付けられ、液体を注入し得る容器と、を備え、前記回転軸の回転によって、前記容器に注入される液体が、前記載置台に滴下される得ることを特徴とする。
(3)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、(2)の構成において、前記載置台が第1載置台と前記第1載置台と隣接して配置される第2載置台を含み、前記側壁が前記第1載置台に設けられた第1側壁と前記第2載置台に設けられた第2側壁を含み、前記回転軸が前記第1載置台に配置される第1回転軸と前記第2載置台に配置され前記第1回転軸の回転とともに一体に回転する第2回転軸を含み、前記容器が前記第1回転軸に取付けられた第1容器と前記第2回転軸に取付けられた第2容器を含むことを特徴とする。
(4)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、(2)の構成において、前記容器が、その開口を横断するように帯状部材が貼付されていることを特徴とする。
(5)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、(1)の構成において、前記薄葉紙が、それぞれ、少なくとも下端辺において、前記載置台に密着されていることを特徴とする。
(6)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、(2)の構成において、前記回転軸が、その前記容器からの前記液体の滴下が前記薄葉紙の上端辺の下端辺側の近傍においてなされるように取付けられていることを特徴とする。
(7)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、(6)の構成において、前記載置台の水平面に対する傾斜角度が9°以上70°以下の範囲であり、前記液体として水を用いたことを特徴とする。
(8)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、(6)の構成において、前記載置台の水平面に対する傾斜角度が5°以上70°以下の範囲であり、前記液体として油を用いたことを特徴とする。
(9)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、(2)の構成において、前記回転軸が、その前記容器からの前記液体の滴下が薄葉紙の上端辺においてなされるように取付けられていることを特徴とする。
(10)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、(9)の構成において、前記載置台の水平面に対する傾斜角度が10°以上85°以下の範囲であり、前記液体として水を用いたことを特徴とする。
(11)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、(9)の構成において、前記載置台の水平面に対する傾斜角度が10°以上85°以下の範囲であり、前記液体として油を用いたことを特徴とする。
(12)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、(2)の構成において、前記回転軸と前記回転軸を軸支する支持部との間に、前記容器を液体注入状態と液体滴下状態とをそれぞれ維持できるように、前記各状態における回転軸及び支持部のそれぞれに互いに対向して吸引がなされる磁石が内蔵されていることを特徴とする。
(13)本発明の薄葉紙吸収性試験器具は、(2)の構成において、前記回転軸と前記回転軸を軸支する支持部との間に、前記容器が液体滴下状態に移行できるように、液体注入状態における回転軸及び支持部のそれぞれに互いに対向して反発がなされる磁石が内蔵されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
このような薄葉紙吸収性試験器具によれば、簡単な構成にも拘わらず、薄葉紙における液体吸収度合の相違を視覚的な比較でもって容易に確認することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の薄葉紙吸収性試験器具であって液体注入状態を示す斜視図である。
【
図2】本発明の薄葉紙吸収性試験器具であって液体滴下状態を示す斜視図である。
【
図3】本発明の薄葉紙吸収性試験器具に備えられる回転軸と容器を示した正面図である。
【
図4】本発明の薄葉紙吸収性試験器具に備えられる回転軸と支持部の一例を示した側面図である。
【
図5】本発明の薄葉紙吸収性試験器具に備えられる容器を開口側から観た図である。
【
図6】(a)は、液体の滴下を各薄葉紙の上端辺の下端辺側の近傍においてなされるようにした場合を示す図、(b)は、液体の滴下を各薄葉紙の上端辺においてなされるようにした場合を示す図である。
【
図7】本発明の薄葉紙吸収性試験器具の載置台の角度を可変できる構成を示す図である。
【
図8】液体の滴下を各薄葉紙の上端辺の下端辺側の近傍においてなされるようにし、液体として水を用いた場合の各薄葉紙の吸収性を示すグラフである。
【
図9】液体の滴下を各薄葉紙の上端辺の下端辺側の近傍においてなされるようにし、液体として油を用いた場合の各薄葉紙の吸収性を示すグラフである。
【
図10】液体の滴下を各薄葉紙の上端辺においてなされるようにし、液体として水を用いた場合の各薄葉紙の吸収性を示すグラフである。
【
図11】液体の滴下を各薄葉紙11の上端辺においてなされるようにし、液体として油を用いた場合の各薄葉紙の吸収性を示すグラフである。
【
図12】本発明の薄葉紙吸収性試験器具に備えられる回転軸と支持部の他の例を示した側面図である。
【
図13】本発明の薄葉紙吸収性試験器具に用いられるメスシリンダを示した斜視図である。
【
図14】本発明の薄葉紙吸収性試験器具の載置台と支持部の着脱構造の一例を示した斜視図である
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ要素には同じ番号を付している。
【0010】
(実施形態1)
図1は、本発明の薄葉紙吸収性試験器具を示す斜視図である。
図1では、薄葉紙として、たとえばハンドタオルを用いるようになっている。
【0011】
図1に示すように、薄葉紙吸収性試験器具10は、まず、第1薄葉紙(ハンドタオル)11Aを広げて載置する第1載置台12Aがある。
【0012】
第1載置台12Aは、水平面に対する角度θ(たとえば9°以上85°以下)の傾斜面に配置されている。第1載置台12Aは、ほぼ平板容器の形状をなし、該傾斜面θと平行の平板状の底面12Ab、傾斜方向の両脇の一対の側面12As、および該底面12Abの下端の第1側壁12Adを有するようになっている。第1薄葉紙11Aはその長さ方向を傾斜方向に一致づけて第1載置台12Aに載置するようになっているため、該第1載置台12Aの底面12Abも傾斜方向に沿って長くなっている。
【0013】
また、第1載置台12Aと隣接して第2載置台12Bがある。この第2載置台12Bは、たとえば比較用の第2薄葉紙11Bを広げて載置できるようになっている。この第2載置台12Bも、第1載置台12Aと同様、水平面に対する同角θの傾斜面内に配置されている。第2載置台12Bも、ほぼ平板容器の形状をなし、該傾斜面と平行の平板状の底面12Bb、傾斜方向の両脇の一対の側面12Bs、および該底面12Bbの下端の第2側壁12Bdを有するようになっている。この場合、第1載置台12Aの第2載置台12B側の側面12Asと第2載置台12Bの第1載置台12A側の側面12Bsとは共通に形成されている。第2薄葉紙11Bは、第1薄葉紙11Aと同様に、その長さ方向を傾斜方向に一致づけて第2載置台12Bに載置するようになっているため、該第2載置台12Bの底面12Bbも傾斜方向に沿って長くなっている。
【0014】
第1載置台12Aおよび第2載置台12Bの上端側の近傍には該上端辺に沿って回転可能な回転軸13が配置されている。回転軸13は、その一端が第1載置台12Aの側面に形成された支持部14Aに軸支され、他端が第2載置台12Bの側面に形成されて支持部14Bに軸支されている。この回転軸13は、その各端が支持部14A、14Bの外側に突出されて形成され、これら各端を回転させることによって回転できるようになっている。なお、この明細書では、前記回転軸13において、便宜上、第1載置台12A側を第1回転軸13Aと称し、第2載置台12B側を第2回転軸13Bと称する。
【0015】
第1回転軸13Aには、第1容器16Aが取り付けられ、該第1容器16Aは、第1回転軸13Aの周方向の定位置において、上方に開口16Aoが位置づけられるようになっている。第1容器16Aには、該開口16Aoを通して、たとえば吸水量や薄葉紙内の移動距離がわかりやすいように着色された、着色水が注入できるようになっている。
【0016】
同様に、第2回転軸13Bにも、第2容器16Bが取り付けられ、該第2容器16Bは、第2回転軸13Bの周方向の定位置において、上方に開口16Boが位置付けられるようになっている。第2容器16Bには、該開口16Boを通して、たとえば吸水量や薄葉紙内の移動距離がわかりやすいように着色された、着色水が注入できるようになっている(以下、第1容器16A、第2容器16Bのこのような配置状態を液体注入状態と称する)。
【0017】
第1容器16A及び第2容器16Bは、
図3に示すように、回転軸13(第1回転軸13A、第2回転軸13B)の周方向の定位置において、いずれも、上方に開口16Ao、16Boが位置付けられるように配置されている。
図3に示す第1容器16A及び第2容器16Bは、たとえば同径・同大の容器からなり、いずれも注入される液体の分量を量る目盛17が付されている。これにより、第1容器16A及び第2容器16Bには、同量の液体を精度よく注入することができるようになっている。なお、第1容器16A及び第2容器16Bには、必ずしも上述した目盛17を付す必要はなく、たとえば、
図3に示すように、第1メスシリンダ40A、第2メスシリンダ40Bを用意しておき、第1メスシリンダ40Aによって計量した液体を第1容器16Aに注入し、第2メスシリンダ40Bによって計量した液体を第2容器16Bに注入するようにしてもよい。また、メスシリンダは1個であってもよい。また、
図3において、回転軸13の両端部のそれぞれには該回転軸13の回転操作を行うためのつまみ部18が形成されている。
【0018】
そして、
図2に示すように、回転軸13(第1回転軸13A、第2回転軸13B)を第1載置台12A及び第2載置台12B側(図中矢印α方向)に回転させることにより、第1容器16A及び第2容器16Bを、それぞれ、第1載置台12A及び第2載置台12B側に傾倒させ、第1容器16A内の液体を第1載置台12A上の第1薄葉紙11Aに適下させ、第2容器16B内の液体を第2載置台12B上の第2薄葉紙11Bに滴下させるようにできる(以下、第1容器16A、第2容器16Bのこのような状態を液体滴下状態と称する)。
【0019】
この場合、回転軸13(第1回転軸13A、第2回転軸13B)と、回転軸13を軸支する支持部14A、14Bとの間に、第1容器16A、第2容器16Bを液体注入状態と液体滴下状態にそれぞれ維持できるように、たとえば、前記各状態における回転軸13及び支持部14A、14Bのそれぞれに互いに対向して吸引がなされる磁石を内蔵させている。すなわち、
図4(a)は、たとえば第2容器16Bを液体注入状態にある場合の側面図で、回転軸13の第2容器16Bと反対側の側面に一方の極性(たとえばN極)を有する磁石20が埋設され、支持部14Bには、前記磁石20と対向するようにして他方の磁極(たとえばS極)を有する磁石21が埋設されている。この場合、磁石20と磁石21が吸引され、回転軸13は図示の位置を保持でき、第2容器16B(第1容器16Aも)はその開口16Bo(16Aoも)を上方に向け、液体を注入し易いように配置される。そして、
図4(b)は、第2容器16Bが液体滴下状態にある場合の側面図で、回転軸13が矢印α方向へ約90°回転することにより、第2容器16B(第1容器16Aも)がα方向へ傾倒するようになっている。この状態において、支持部14Bには、回転軸13に埋設された前記磁石20と対向する位置に他方の磁極(たとえばS極)を有する磁石22が埋設されている。この場合、磁石20と磁石22が吸引され、回転軸13は図示の位置を保持でき、傾倒された第2容器16B(第1容器16Aも)内の液体は第2載置台12B(および第1載置台12A)側へ滴下されるようになる。また、
図4(a)及び
図4(b)では、磁石21を支持部14Bに埋設しているが、これに限定されることはなく、たとえば載置台12の底部に備えてもよい。
【0020】
また、
図4に示した場合に限定されることはなく、たとえば、
図12に示すように、第2容器16Bを液体滴下状態(
図12(b))に付勢移行させるように、液体注入状態(
図12(a))において、回転軸13の第2容器16Bと反対側の側面に一方の極性(たとえばN極)を有する磁石20’が埋設され、支持部14Bには、前記磁石20’と対向するようにして同の磁極(N極)を有する磁石21’が埋設されている。この場合、磁石20’と磁石21’が反発され、回転軸13は図中矢印βの回転方向に付勢されるようになる。このため、操作者は、第2容器16Bを持ったままにして、第2容器16Bを定位置に維持させるようにする。そして、第2容器16Bを液体滴下状態にする場合も、第2容器16Bを持ったままにして、回転軸13の付勢力に抗するようにして該第2容器16Bを傾けるようにする。このため、操作者は、第2容器16Bを意向通りの慎重な傾きを実行でき、急激な傾きによる意図しない液体の滴下の誤動作を回避できるようになる。
【0021】
なお、第1容器16Aおよび第2容器16Bを液体滴下状態にする場合、第1容器16Aおよび第2容器16Bの急激な傾倒によって、第1容器16Aおよび第2容器16Bの液体が飛び出すことを回避させるため、
図5に示すように、たとえば第1容器16Aの場合で示すと、第1容器16Aの開口16Aoに、該開口16Aoを横断するように帯状部材23を貼付させるようにしてもよい。帯状部材23を貼付させることにより、液体の大量流出を抑制でき、適量の液体を滴下させることができるようになる。開口16Ao上部の幅と帯状部材23の幅と開口16Ao下部の幅の割合は、7:7:4ないし7:6:5が好ましい。
【0022】
このように構成した薄葉紙吸収性試験器具10は、
図2に示すように、回転軸13の操作によって、第1容器16Aおよび第2容器16Bを同時に傾倒させ、第1容器16Aおよび第2容器16B内の同量の着色水を、それぞれ、第1載置台12A上の第1薄葉紙11Aおよび第2載置台12B上の第2薄葉紙11Bに滴下できるようになっている。すなわち、第1薄葉紙11Aおよび第2薄葉紙11Bには、条件を同じにして着色水が滴下されるようになっている。そして、第1載置台12A及び第2載置台12Bは同じ角度θの傾斜角を有していることから、第1薄葉紙11Aの吸収性および第2薄葉紙11Bの吸収性は、滴下された液体の浸み出しの下端辺側の長さとして表れるようになっている。
【0023】
図2において、第2薄葉紙11Bの場合、着色水30の浸み出しは、第2薄葉紙11Bの下端辺を超えてなされ、さらに、第2載置台12Bの第2側壁12Bdで堰き止められて溜まるようになっている。この場合、第2薄葉紙11Bは、その上端辺においてたとえばクリップ25Bを用い、下端辺において和紙を基材とする粘着テープ26Bを用いて第2載置台12Bに取付けられている。同様に第1薄葉紙11Aも、その上端辺においてたとえばクリップ25Aを用い、下端辺において和紙を基材とする粘着テープ26Aを用いて第1載置台12Aに取付けられている。このようにすることにより、たとえば第2薄葉紙11Bのように、液体の第2薄葉紙11Bの下端辺を超えてなされる浸み出しを第2載置台12Bの第2側壁12Bd側へ導き易くしている。なお、粘着テープ26A、26Bは、必ずしも和紙を基材とすることなく、また、テープに限らず、他の粘着部材あるいは糊であってもよいことはいうまでもない。これにより、第1薄葉紙11A、第2薄葉紙11Bが、それぞれ、下端辺において、第1載置台12A、第2載置台12bに密着されるようになる。一方、第1薄葉紙11Aの場合、着色水30の浸み出しは、第1薄葉紙11Aの下端辺に至ることなく、第1薄葉紙11Aのほぼ中央部で止まっている。これにより、第1薄葉紙11Aの吸収性が優れ、第2薄葉紙11Bの吸収性が劣っていることが一目瞭然に判別することができるようになる。
【0024】
図1に示した薄葉紙吸収性試験器具10は、携帯に便ならしめるように、たとえば、第1載置台12A、第2載置台12Bを分離でき、第1載置台12Aに対して支持部14Aを取り外しでき、第2載置台12Bに対して支持部14Bを取り外しでき、支持部14A、14Bに対して回転軸13を取り外しできるようにしてもよいことはいうまでもない。
図14は、たとえば第2載置台12Bと支持部14Bの着脱構造の一例を示した斜視図である。
図14に示すように、支持部14Bには回転軸13を載置できるように半円弧状の切欠き14Pおよび切欠き14Pの底部から下方に伸長する細幅の切欠き14Qが形成されている。また、第2載置台の支持部14Bが取り付けられる側面12Bsの部分には軸体50が植設され、この軸体50の先端には頭部50Aが形成されている。軸体50の直径は切欠き14Qの幅より若干小さく、頭部50Aの直径は切欠き14Qの幅より若干大きく形成されている。軸体50は、支持部14Bの切欠き14Pを通して切欠き14Q内に挿入されることにより、第2載置台12Bと支持部14Bとの固定が図られ、支持部14Bは、切欠き14Qの長手方向へ移動させる場合を除いて、取外すことができないようになっている。
なお、回転軸13は、支持部14Bの半円弧状の切欠き14Pに載置させるのみの構成とするだけで、支持部14Bから容易に取り外せる構成とすることができる。
【0025】
なお、以下の説明において、必要な場合、第1載置台12A及び第2載置台12Bを総称していう場合には載置台12と称し、第1回転軸13A及び第2回転軸13Bを総称していう場合には回転軸13と称し、第1容器16A及び第2容器16Bを総称していう場合には容器16と称する。
【0026】
(実施形態2)
実施形態1の場合、
図6(a)に示すように、液体滴下状態において、容器16は載置台12との間に間隔を有するようになっているとともに、液体は薄葉紙11の上端辺から下端辺側の近傍の個所(図中Aで示す)に滴下されるようにしたものである。
しかし、これに限定されることはなく、
図6(b)に示すように、液体滴下状態において、容器16は載置台12と接触するようになっているとともに、液体は薄葉紙11の上端辺に滴下されるようにしてもよい。
【0027】
(実施形態3)
実施形態1の場合、載置台12は2個並設させて構成したものであるが、この数に限定されることはなく、1個、3個、4個、またはそれ以上であってもよいことはいうまでもない。
【0028】
図8ないし
図11は、液体として水あるいは油を5mL用いた場合、それらを薄葉紙11の上端辺から滴下した場合(
図6(a)の場合)あるいは上端辺の下端辺側の近傍に滴下させた場合(
図6(b)の場合)において、各種の薄葉紙11の吸収性の相違が明確に観測できるようにする場合に、載置台12の水平面に対する角度θの設定範囲を知るための実験グラフである。ここで、5mLとしたのは、たとえば両手を洗浄後に薄葉紙で水分を拭き取る場合に、両手に残る平均水分量が5mLであることを基にしたものである。しかし、この量の値に限定されないことはもちろんである。
【0029】
なお、薄葉紙11としてはたとえば4種類を用い、それらを並列させて載置するための載置台12を4つ隣接させた構成のもの(
図1に示す薄葉紙吸収性試験器具において、さらに第3載置台(第3容器も含む)、第4載置台(第4容器も含む)を並設させたもの)を用いた。
【0030】
そして、
図7に示すように、載置台12の上端辺の近傍において、その部分を支持する支持体28を設けるとともに、載置台12の水平面に対する角度θを可変できるように該支持体28に載置台12への取付け部を複数設けるように構成した。該取付けはたとえばボルト28Aの螺合で行い、支持体28の該取付け部は前記ボルト28Aが挿入し得る複数の孔28Bによって構成されている。
【0031】
図8は、液体の滴下を各薄葉紙11の上端辺の下端辺側の近傍においてなされるようにした場合であって、液体として水を用いる場合に、種々の薄葉紙11における載置台12の傾斜角度を9°以上70°以下の範囲に設定することによって、各薄葉紙11における液体吸収度合の相違を容易な比較でもって確認できることを示すグラフである。
図8に示すように、横軸に載置台の傾斜角度θを示し、縦軸に載置台12の下端部に溜まった液体の量(mL)を示している。この場合、
図2に示すように載置台12の下端部に溜まった液体をスポイト(図中Sで示す)で抽出(回収)し、目盛17が付された容器16で計測することによって、該液体の量を正確に計測することができる。
図8に示すグラフ中、特性Aはワイパーを、特性Bはクッキングペーパーを、特性Cはバージンパルプハンドタオルを、特性Dは回収紙ハンドタオルを示している。ここで、ワイパーは網物状の薄葉紙、クッキングペーパーは深々とした厚さを有し空間が多い薄葉紙、ハンドタオルは微細繊維をたたき上げて形成され隙間が比較的少ない薄葉紙でクッキングペーパーとは同じ素材となっている。同グラフから明らかとなるように、載置台12の傾斜角度が9°以上70°以下の範囲において、各薄葉紙11における液体吸収度合の相違を容易な比較でもって確認することができる。
【0032】
図9は、液体の滴下を各薄葉紙11の上端辺の下端辺側の近傍においてなされるようにした場合であって、液体として油を用いる場合に、種々の薄葉紙11における載置台12の傾斜角度を5°以上70°以下の範囲に設定することによって、各薄葉紙11における液体吸収度合の相違を容易な比較でもって確認できることを示すグラフである。
図9に示すように、特性A、B、C、Dの各薄葉紙11は
図8の場合と同様となっている。
図9のグラフから明らかとなるように、載置台12の傾斜角度が5°以上70°以下の範囲において、各薄葉紙11における液体吸収度合の相違を容易な比較でもって確認することができる。
【0033】
図10は、液体の滴下を各薄葉紙11の上端辺においてなされるようにした場合であって、液体として水を用いる場合に、種々の薄葉紙11における載置台12の傾斜角度を1°以上85°以下の範囲に設定することによって、各薄葉紙11における液体吸収度合の相違を容易な比較でもって確認できることを示すグラフである。
図10に示すように、特性A、B、C、Dの各薄葉紙は
図8の場合と同様となっている。
図10のグラフから明らかとなるように、載置台12の傾斜角度が0°以上85°以下の範囲において、各薄葉紙11における液体吸収度合の相違を容易な比較でもって確認することができる。
【0034】
図11は、液体の滴下を各薄葉紙11の上端辺においてなされるようにした場合であって、液体として油を用いる場合に、種々の薄葉紙11における載置台12の傾斜角度を0°以上85°以下の範囲に設定することによって、各薄葉紙11における液体吸収度合の相違を容易な比較でもって確認できることを示すグラフである。
図11に示すように、特性A、B、C、Dの各薄葉紙は
図8の場合と同様となっている。
図11のグラフから明らかとなるように、載置台12の傾斜角度が9°以上85°以下の範囲において、各薄葉紙11における液体吸収度合の相違を容易な比較でもって確認することができる。
【0035】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。また、その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。