特許第6375646号(P6375646)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6375646通信制御回路、データ通信システムおよび電力供給装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6375646
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】通信制御回路、データ通信システムおよび電力供給装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/38 20060101AFI20180813BHJP
   H04L 29/08 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   G06F13/38 340A
   H04L13/00 307Z
【請求項の数】3
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2014-48281(P2014-48281)
(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公開番号】特開2015-172849(P2015-172849A)
(43)【公開日】2015年10月1日
【審査請求日】2017年1月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000682
【氏名又は名称】特許業務法人ワンディーIPパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】水谷 有孝
(72)【発明者】
【氏名】浦川 文男
【審査官】 田名網 忠雄
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05832253(US,A)
【文献】 特開平07−288559(JP,A)
【文献】 米国特許第05668716(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0036734(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/20−13/42
G06F 15/16−15/177
H04L 13/02−13/18
H04L 29/00−29/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
データを外部へ出力するための出力ポート、およびデータを外部から入力するための入力ポートを有する3つ以上の通信回路が互いにデータを送受信することが可能なデータ通信システムにおける通信制御回路であって、
前記通信回路は、前記出力ポートからデータを出力しない期間において、前記出力ポートの論理レベルを第1の論理レベルに固定し、
前記通信制御回路は、
前記通信回路の組と、
前記組に属さない前記通信回路の前記入力ポートに接続される出力端と、前記組に属する各前記通信回路の前記出力ポートに接続される複数の入力端とを有し、前記複数の入力端の論理レベルが前記第1の論理レベルである場合に前記出力端の論理レベルが前記第1の論理レベルとなり、少なくともいずれか1つの前記入力端の論理レベルが前記第1の論理レベルと反対の第2の論理レベルである場合に前記出力端の論理レベルが前記第2の論理レベルとなる第1の論理ゲートとを備え、
前記通信制御回路は、さらに、
前記第1の論理ゲートと前記組に属さない前記通信回路との間に接続される中継回路を備え、
前記中継回路は、前記第1の論理ゲートの前記出力端に接続される入力ポート、前記組に属する前記各通信回路の前記入力ポートに接続される出力ポート、および前記組に属さない前記通信回路の前記入力ポートおよび前記出力ポートに接続される双方向ポートを有し、自己の前記入力ポートから受けたデータを前記双方向ポートへ出力する第1のバッファと、前記第1のバッファおよび前記双方向ポートから受けたデータを自己の前記出力ポートから出力する第2のバッファとを含み、
前記通信回路は、制御ポートを有し、
前記組に属する前記各通信回路は、自己の前記出力ポートからデータを出力する出力期間を示す制御信号を自己の前記制御ポートから前記中継回路へ出力し、
前記第1のバッファは、前記出力期間以外において、自己の出力端をハイインピーダンス状態とし、
前記第2のバッファは、前記出力期間において、自己の出力端を前記第1の論理レベルとし、
前記通信制御回路は、さらに、
前記中継回路と前記組に属する前記通信回路との間に接続される第2の論理ゲートを備え、
前記第2の論理ゲートは、前記第2のバッファの出力端に接続される第1入力端と、前記組に属する一方の前記通信回路の前記入力ポートに接続される出力端と、前記組に属する他方の前記通信回路の前記出力ポートに接続される第2入力端とを有し、前記第1入力端および前記第2入力端の論理レベルが前記第1の論理レベルである場合に前記出力端の論理レベルが前記第1の論理レベルとなり、前記第1入力端および前記第2入力端の少なくともいずれか一方の論理レベルが前記第2の論理レベルである場合に前記出力端の論理レベルが前記第2の論理レベルとなる、通信制御回路。
【請求項2】
各々が、データを外部へ出力するための出力ポート、およびデータを外部から入力するための入力ポートを有する3つ以上の通信回路を備え、
前記通信回路は、前記出力ポートからデータを出力しない期間において、前記出力ポートの論理レベルを第1の論理レベルに固定し、
さらに、
前記通信回路の組に対応して設けられ、対応の前記組に属さない前記通信回路の前記入力ポートに接続される出力端と、対応の前記組に属する各前記通信回路の前記出力ポートに接続される複数の入力端とを有し、前記複数の入力端の論理レベルが前記第1の論理レベルである場合に前記出力端の論理レベルが前記第1の論理レベルとなり、少なくともいずれか1つの前記入力端の論理レベルが前記第1の論理レベルと反対の第2の論理レベルである場合に前記出力端の論理レベルが前記第2の論理レベルとなる複数の第1の論理ゲートを備え、
さらに、
前記通信回路の組に対応して設けられ、前記第1の論理ゲートと前記組に属さない前記通信回路との間に接続される複数の中継回路を備え、
前記中継回路は、前記第1の論理ゲートの前記出力端に接続される入力ポート、対応の前記組に属する前記各通信回路の前記入力ポートに接続される出力ポート、および対応の前記組に属さない前記通信回路の前記入力ポートおよび前記出力ポートに接続される双方向ポートを有し、自己の前記入力ポートから受けたデータを前記双方向ポートへ出力する第1のバッファと、前記第1のバッファおよび前記双方向ポートから受けたデータを自己の前記出力ポートから出力する第2のバッファとを含み、
前記通信回路は、制御ポートを有し、
前記組に属する前記各通信回路は、自己の前記出力ポートからデータを出力する出力期間を示す制御信号を自己の前記制御ポートから前記中継回路へ出力し、
前記第1のバッファは、前記出力期間以外において、自己の出力端をハイインピーダンス状態とし、
前記第2のバッファは、前記出力期間において、自己の出力端を前記第1の論理レベルとし、
さらに、
前記通信回路の組に対応して設けられ、前記中継回路と対応の前記組に属する前記通信回路との間に接続される複数の第2の論理ゲートを備え、
前記第2の論理ゲートは、前記第2のバッファの出力端に接続される第1入力端と、対応の前記組に属する一方の前記通信回路の前記入力ポートに接続される出力端と、対応の前記組に属する他方の前記通信回路の前記出力ポートに接続される第2入力端とを有し、前記第1入力端および前記第2入力端の論理レベルが前記第1の論理レベルである場合に前記出力端の論理レベルが前記第1の論理レベルとなり、前記第1入力端および前記第2入力端の少なくともいずれか一方の論理レベルが前記第2の論理レベルである場合に前記出力端の論理レベルが前記第2の論理レベルとなる、データ通信システム。
【請求項3】
請求項1に記載の通信制御回路を備える、電力供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信制御回路、データ通信システムおよび電力供給装置に関し、特に、3つ以上の通信回路が互いにデータを送受信することを可能とする通信制御回路、データ通信システムおよび電力供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)は、調歩同期方式によるシリアル信号をパラレル信号に変換したり、その逆方向の変換を行ったりするための集積回路である。UARTの回路のみがパッケージングされたICで供給されるものと、マイクロプロセッサのペリフェラルの一部としてUARTの回路が内蔵されるものとがある。UARTは、たとえば、RS−232C、RS−422およびRS−485規格に準拠する信号レベルに変換するICと組み合わせて、外部機器とのインタフェースとして利用されるのが一般的である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】”ウィキペディア”、[online]、[平成25年11月19日検索]、インターネット〈URL:http://ja.wikipedia.org/wiki/UART〉
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
たとえば、UARTを含む複数の装置において1対多の通信を行うために、装置ごとにRS−485ドライバICを実装し、実装したRS−485ドライバICを介して通信が行われる場合がある。この場合、RS−485ドライバICを基板に実装するためのスペースが必要になり、また、RS−485ドライバICのコストが必要となってしまう。
【0005】
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、複数の通信回路間でデータ伝送を可能とするとともに、回路規模を小さくすることが可能な通信制御回路、データ通信システムおよび電力供給装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる通信制御回路は、データを外部へ出力するための出力ポート、およびデータを外部から入力するための入力ポートを有する3つ以上の通信回路が互いにデータを送受信することが可能なデータ通信システムにおける通信制御回路であって、上記通信回路は、上記出力ポートからデータを出力しない期間において、上記出力ポートの論理レベルを第1の論理レベルに固定し、上記通信回路の組と、上記組に属さない上記通信回路の上記入力ポートに接続される出力端と、上記組に属する各上記通信回路の上記出力ポートに接続される複数の入力端とを有し、上記複数の入力端の論理レベルが上記第1の論理レベルである場合に上記出力端の論理レベルが上記第1の論理レベルとなり、少なくともいずれか1つの上記入力端の論理レベルが上記第1の論理レベルと反対の第2の論理レベルである場合に上記出力端の論理レベルが上記第2の論理レベルとなる論理ゲートとを備える。
【0007】
(4)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わるデータ通信システムは、各々が、データを外部へ出力するための出力ポート、およびデータを外部から入力するための入力ポートを有する3つ以上の通信回路を備え、上記通信回路は、上記出力ポートからデータを出力しない期間において、上記出力ポートの論理レベルを第1の論理レベルに固定し、さらに、上記通信回路の組に対応して設けられ、対応の上記組に属さない上記通信回路の上記入力ポートに接続される出力端と、対応の上記組に属する各上記通信回路の上記出力ポートに接続される複数の入力端とを有し、上記複数の入力端の論理レベルが上記第1の論理レベルである場合に上記出力端の論理レベルが上記第1の論理レベルとなり、少なくともいずれか1つの上記入力端の論理レベルが上記第1の論理レベルと反対の第2の論理レベルである場合に上記出力端の論理レベルが上記第2の論理レベルとなる複数の論理ゲートを備える。
【0008】
本発明は、このような特徴的な処理部を備える通信制御回路またはデータ通信システムとして実現できるだけでなく、かかる特徴的な処理部を備える通信装置として実現したり、かかる特徴的な処理をステップとする方法として実現したり、かかるステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したりすることができる。また、通信制御回路またはデータ通信システムの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、複数の通信回路間でデータ伝送を可能とするとともに、回路規模を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本発明の第1の実施の形態に係るデータ通信システムの構成を示す図である。
図2図2は、本発明の第1の実施の形態に係るデータ通信システムにおける各通信制御回路の動作を示すタイムチャートである。
図3図3は、本発明の第2の実施の形態に係る電力供給システムの構成を示す図である。
図4図4は、比較例としてのデータ通信システムの構成を示す図である。
図5図5は、本発明の第2の実施の形態に係る制御情報通信システムの構成の詳細を示す図である。
図6図6は、本発明の第2の実施の形態に係る制御情報通信システムにおけるドライバの構成を示す図である。
図7図7は、本発明の第2の実施の形態に係る制御情報通信システムにおける各通信制御回路の動作を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
【0012】
(1)本発明の実施の形態に係る通信制御回路は、データを外部へ出力するための出力ポート、およびデータを外部から入力するための入力ポートを有する3つ以上の通信回路が互いにデータを送受信することが可能なデータ通信システムにおける通信制御回路であって、上記通信回路は、上記出力ポートからデータを出力しない期間において、上記出力ポートの論理レベルを第1の論理レベルに固定し、上記通信回路の組と、上記組に属さない上記通信回路の上記入力ポートに接続される出力端と、上記組に属する各上記通信回路の上記出力ポートに接続される複数の入力端とを有し、上記複数の入力端の論理レベルが上記第1の論理レベルである場合に上記出力端の論理レベルが上記第1の論理レベルとなり、少なくともいずれか1つの上記入力端の論理レベルが上記第1の論理レベルと反対の第2の論理レベルである場合に上記出力端の論理レベルが上記第2の論理レベルとなる論理ゲートとを備える。
【0013】
このような構成により、たとえば、上記組に属する一方の通信回路が自己の出力ポートからデータを出力する期間において、論理ゲートを介しての当該出力ポートの論理レベルと出力端すなわち上記組に属さない通信回路における入力ポートの論理レベルとが同じになるため、上記組に属さない通信回路は、当該期間において、上記一方の通信回路が送信するデータを受信することができる。したがって、上記論理ゲートを用いる簡易な構成で、上記一方の通信回路から上記組に属さない通信回路へデータを伝送することができる。
【0014】
したがって、本発明の実施の形態に係る通信制御回路では、複数の通信回路間でデータ伝送を可能とするとともに、回路規模を小さくすることができる。
【0015】
(2)好ましくは、上記通信制御回路は、さらに、上記論理ゲートの上記出力端に接続される入力ポート、上記組に属する上記各通信回路の上記入力ポートに接続される出力ポート、および上記組に属さない上記通信回路の上記入力ポートおよび上記出力ポートに接続される双方向ポートを有し、自己の上記入力ポートから受けたデータを上記双方向ポートへ出力する第1のバッファと、上記第1のバッファおよび上記双方向ポートから受けたデータを自己の上記出力ポートから出力する第2のバッファとを含む中継回路を備え、上記組に属する上記各通信回路は、自己の上記出力ポートからデータを出力する出力期間を示す制御信号を上記中継回路へ出力し、上記第1のバッファは、上記出力期間以外において、自己の出力端をハイインピーダンス状態とする。
【0016】
このような構成により、上記出力期間において、上記組に属する一方の通信回路は、中継回路を共用しながら上記組に属さない通信回路へデータを伝送することができるので、通信回路ごとに中継回路が設けられる構成と比べて、中継回路の個数を減らすことができる。これにより、中継回路を実装するためのスペースを節約でき、かつ製造コストを低下させることができる。
【0017】
(3)より好ましくは、上記第2のバッファは、上記出力期間において、自己の出力端を上記第1の論理レベルとし、上記通信制御回路は、さらに、上記第2のバッファの出力端に接続される第1入力端と、上記組に属する一方の上記通信回路の上記入力ポートに接続される出力端と、上記組に属する他方の上記通信回路の上記出力ポートに接続される第2入力端とを有し、上記第1入力端および上記第2入力端の論理レベルが上記第1の論理レベルである場合に上記出力端の論理レベルが上記第1の論理レベルとなり、上記第1入力端および上記第2入力端の少なくともいずれか一方の論理レベルが上記第2の論理レベルである場合に上記出力端の論理レベルが上記第2の論理レベルとなる論理ゲートを備える。
【0018】
このような構成により、たとえば、上記他方の通信回路が自己の出力ポートからデータを出力する期間において、当該出力ポートの論理レベルと出力端すなわち上記一方の通信回路における入力ポートの論理レベルとが同じになるため、上記一方の通信回路は、上記期間において、上記他方の通信回路が送信するデータを受信することができる。したがって、上記論理ゲートを用いる簡易な構成で、上記他方の通信回路は、上記一方の通信回路へデータを伝送することができる。
【0019】
また、上記他方の通信回路は、自己の出力ポートからデータを出力する期間において、中継回路を介して上記組に属さない通信回路へデータを伝送し、また、当該期間以外において、上記他方の通信回路は、中継回路を介して上記組に属さない通信回路が送信するデータを受信することができるので、上記他方の通信回路と上記組に属さない通信回路との間でデータの送受信を行うことができる。
【0020】
同様に、上記一方の通信回路は、自己の出力ポートからデータを出力する期間において、中継回路を介して上記組に属さない通信回路へデータを伝送し、また、当該期間以外において、上記一方の通信回路は、中継回路を介して上記組に属さない通信回路が送信するデータを受信することができるので、上記一方の通信回路と上記組に属さない通信回路との間でデータの送受信を行うことができる。
【0021】
(4)本発明の実施の形態に係るデータ通信システムは、各々が、データを外部へ出力するための出力ポート、およびデータを外部から入力するための入力ポートを有する3つ以上の通信回路を備え、上記通信回路は、上記出力ポートからデータを出力しない期間において、上記出力ポートの論理レベルを第1の論理レベルに固定し、さらに、上記通信回路の組に対応して設けられ、対応の上記組に属さない上記通信回路の上記入力ポートに接続される出力端と、対応の上記組に属する各上記通信回路の上記出力ポートに接続される複数の入力端とを有し、上記複数の入力端の論理レベルが上記第1の論理レベルである場合に上記出力端の論理レベルが上記第1の論理レベルとなり、少なくともいずれか1つの上記入力端の論理レベルが上記第1の論理レベルと反対の第2の論理レベルである場合に上記出力端の論理レベルが上記第2の論理レベルとなる複数の論理ゲートを備える。
【0022】
このような構成により、たとえば、上記組に属する一方の通信回路が自己の出力ポートからデータを出力する期間において、論理ゲートを介しての当該出力ポートの論理レベルと出力端すなわち上記組に属さない通信回路における入力ポートの論理レベルとが同じになるため、上記組に属さない通信回路は、当該期間において、上記一方の通信回路が送信するデータを受信することができる。したがって、上記論理ゲートを用いる簡易な構成で、上記一方の通信回路から上記組に属さない通信回路へデータを伝送することができる。
【0023】
また、複数の論理ゲートが上記組に対応して設けられる構成により、データ通信システムにおける通信経路の拡張性を確保することができる。
【0024】
したがって、本発明の実施の形態に係るデータ通信システムでは、複数の通信回路間でデータ伝送を可能とするとともに、回路規模を小さくすることができる。
【0025】
(5)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電力供給装置は、上記(1)の通信制御回路を備える。
【0026】
このような構成により、電力供給装置における通信制御回路では、たとえば、上記組に属する一方の通信回路が自己の出力ポートからデータを出力する期間において、論理ゲートを介しての当該出力ポートの論理レベルと出力端すなわち上記組に属さない通信回路における入力ポートの論理レベルとが同じになるため、上記組に属さない通信回路は、当該期間において、上記一方の通信回路が送信するデータを受信することができる。したがって、上記論理ゲートを用いる簡易な構成で、上記一方の通信回路から上記組に属さない通信回路へデータを伝送することができる。
【0027】
したがって、本発明の実施の形態に係る電力供給装置では、複数の通信回路間でデータ伝送を可能とするとともに、回路規模を小さくすることができる。
【0028】
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
【0029】
<第1の実施の形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るデータ通信システムの構成を示す図である。
【0030】
図1を参照して、データ通信システム301は、マイコン(通信回路)MC1,MC2,MC3と、ANDゲート(論理ゲート)G1,G2,G3とを備える。
【0031】
以下、マイコンMC1,MC2,MC3の各々をマイコンMCとも称する。また、ANDゲートG1,G2,G3の各々をANDゲートGとも称する。
【0032】
なお、データ通信システム301は、たとえば2つ以下、または4つ以上のANDゲートGを備えていてもよい。また、データ通信システム301は、たとえば4つ以上のマイコンMCを備えていてもよい。
【0033】
データ通信システム301は、たとえば制御基板CB1に実装される。データ通信システム301では、たとえば3つ以上のマイコンMCが互いにデータを送受信することが可能である。
【0034】
データ通信システム301における通信制御回路は、マイコンMCの組(以下、対象組とも称する。)と、ANDゲートGとを含む。具体的には、通信制御回路CC11は、マイコンMC1,MC2およびANDゲートG1を含む。通信制御回路CC12は、マイコンMC2,MC3およびANDゲートG2を含む。通信制御回路CC13は、マイコンMC3,MC1およびANDゲートG3を含む。
【0035】
マイコンMCは、たとえば、他の回路を制御することが可能である。具体的には、マイコンMC1,MC3は、たとえば、インバータ回路およびコンバータ回路等を制御するための制御マイコンである。また、マイコンMCは、1または複数の他のマイコンMCを制御することが可能である。具体的には、マイコンMC2は、たとえば、マイコンMC1,MC3を制御するための集中制御マイコンである。
【0036】
マイコンMCは、たとえばUARTを含む。一般的に、UARTを用いる場合、UARTを含む複数の装置たとえばマイコン間において1対1の通信しかできない。一方、マイコンMC間では、たとえば、UARTを用いて、双方向の非同期シリアル通信方式に従って1対多の通信を行い、互いにデータを送受信することが可能である。
【0037】
マイコンMC1は、データを外部へ出力するための出力ポートTx1、およびデータを外部から入力するための入力ポートRx1を有する。また、マイコンMC2は、データを外部へ出力するための出力ポートTx2、およびデータを外部から入力するための入力ポートRx2を有する。また、マイコンMC3は、データを外部へ出力するための出力ポートTx3、およびデータを外部から入力するための入力ポートRx3を有する。
【0038】
ここで、出力ポートTx1,Tx2,Tx3および入力ポートRx1,Rx2,Rx3は、具体的には、マイコンMCの端子であってもよいし、配線上のノードであってもよい。
【0039】
たとえば、あるマイコンMCが自己の出力ポートからデータを出力する場合、すなわちトーカとなる場合、他のマイコンMCは自己の出力ポートからデータを出力することをせずに自己の入力ポートからデータを受信するリスナとなる。したがって、たとえば、1台のマイコンMCがトーカとなる場合、残りのマイコンMCはリスナとなる。
【0040】
マイコンMCは、自己の出力ポートからデータを出力しない期間すなわちリスナである期間において、たとえば、当該出力ポートの論理レベルをハイレベルに固定する。
【0041】
ANDゲートGは、対象組に属さないマイコンMCの入力ポートに接続される出力端と、対象組に属するマイコンMCの出力ポートに接続される複数の入力端とを有する。
【0042】
具体的には、たとえば、マイコンMC1,MC2が対象組である通信制御回路CC11において、ANDゲートG1は、マイコンMC3の入力ポートRx3に接続される出力端G1cと、マイコンMC1,MC2の出力ポートTx1,Tx2にそれぞれ接続される入力端G1a,G1bとを有する。
【0043】
また、たとえば、マイコンMC2,MC3が対象組である通信制御回路CC12において、ANDゲートG2は、マイコンMC1の入力ポートRx1に接続される出力端G2cと、マイコンMC2,MC3の出力ポートTx2,Tx3にそれぞれ接続される入力端G2a,G2bとを有する。
【0044】
また、たとえば、マイコンMC3,MC1が対象組である通信制御回路CC13において、ANDゲートG3は、マイコンMC2の入力ポートRx2に接続される出力端G3cと、マイコンMC3,MC1の出力ポートTx3,Tx1にそれぞれ接続される入力端G3b,G3aとを有する。
【0045】
ANDゲートGは、たとえば、複数の入力端の論理レベルがハイレベルである場合に出力端の論理レベルがハイレベルとなり、少なくともいずれか1つの入力端の論理レベルがハイレベルと反対のローレベルである場合に出力端の論理レベルがローレベルとなる。
【0046】
具体的には、ANDゲートG1は、たとえば、入力端G1a,G1bの論理レベルがハイレベルである場合に出力端G1cの論理レベルがハイレベルとなり、入力端G1a,G1bの少なくともいずれか1つの論理レベルがローレベルである場合に出力端G1cの論理レベルがローレベルとなる。
【0047】
また、ANDゲートG2は、たとえば、入力端G2a,G2bの論理レベルがハイレベルである場合に出力端G2cの論理レベルがハイレベルとなり、入力端G2a,G2bの少なくともいずれか1つの論理レベルがローレベルである場合に出力端G2cの論理レベルがローレベルとなる。
【0048】
また、ANDゲートG3は、たとえば、入力端G3a,G3bの論理レベルがハイレベルである場合に出力端G3cの論理レベルがハイレベルとなり、入力端G3a,G3bの少なくともいずれか1つの論理レベルがローレベルである場合に出力端G3cの論理レベルがローレベルとなる。
【0049】
図2は、本発明の第1の実施の形態に係るデータ通信システムにおける各通信制御回路の動作を示すタイムチャートである。
【0050】
図2を参照して、マイコンMC1,MC2,MC3は、たとえば、自己の出力ポートからデータを出力しない期間であってタイミングtd1sまでのブレーク期間Tb1において、出力ポートTx1,Tx2,Tx3の論理レベルをハイレベルに固定する。
【0051】
ANDゲートG1,G2,G3では、ブレーク期間Tb1において、入力端G1a,G1b,G2a,G2b,G3a,G3bの論理レベルがハイレベルとなるので、出力端G1c,G2c,G3cの論理レベルがハイレベルとなる。
【0052】
次に、マイコンMC1は、たとえば、タイミングtd1s〜td1eのデータ期間Td1において、送信しようとするデータに応じて出力ポートTx1の論理レベルを切り替えることによりスタートビットおよびストップビットを含む10ビットのデータを送信する。
【0053】
マイコンMC2,MC3は、たとえば、データ期間Td1において、出力ポートTx2,Tx3の論理レベルをハイレベルに固定したままである。
【0054】
ANDゲートG1では、データ期間Td1において、入力端G1bの論理レベルがハイレベルであるので、入力端G1aの論理レベルがハイレベルのとき出力端G1cの論理レベルがハイレベルとなり、また、入力端G1aの論理レベルがローレベルのとき出力端G1cの論理レベルがローレベルとなる。
【0055】
このような構成により、出力ポートTx1の論理レベルと出力端G1cすなわちマイコンMC3における入力ポートRx3の論理レベルとを同じにすることができるので、マイコンMC3は、データ期間Td1において、マイコンMC1が送信する10ビットのデータを受信することができる。
【0056】
同様に、ANDゲートG3では、データ期間Td1において、入力端G3bの論理レベルがハイレベルであるので、入力端G3aの論理レベルがハイレベルのとき出力端G3cの論理レベルがハイレベルとなり、また、入力端G3aの論理レベルがローレベルのとき出力端G3cの論理レベルがローレベルとなる。
【0057】
このような構成により、出力ポートTx1の論理レベルと出力端G3cすなわちマイコンMC2における入力ポートRx2の論理レベルとを同じにすることができるので、マイコンMC2は、データ期間Td1において、マイコンMC1が送信する10ビットのデータを受信することができる。
【0058】
次に、マイコンMC1,MC2,MC3は、たとえば、自己の出力ポートからデータを出力しないタイミングtd1e〜td2sのブレーク期間Tb2において、出力ポートTx1,Tx2,Tx3の論理レベルをハイレベルに固定する。ANDゲートG1,G2,G3は、ブレーク期間Tb2において、出力端G1c,G2c,G3cの論理レベルがハイレベルとなる。
【0059】
次に、マイコンMC2は、たとえば、タイミングtd2s〜td2eのデータ期間Td2において10ビットのデータを送信する。
【0060】
マイコンMC3,MC1は、たとえば、データ期間Td2において、出力ポートTx3,Tx1の論理レベルをハイレベルに固定したままである。
【0061】
ANDゲートG2では、データ期間Td2において、入力端G2bの論理レベルがハイレベルであるので、入力端G2aの論理レベルがハイレベルのとき出力端G2cの論理レベルがハイレベルとなり、また、入力端G2aの論理レベルがローレベルのとき出力端G2cの論理レベルがローレベルとなる。
【0062】
このような構成により、出力ポートTx2の論理レベルと出力端G2cすなわちマイコンMC1における入力ポートRx1の論理レベルとを同じにすることができるので、マイコンMC1は、データ期間Td2において、マイコンMC2が送信する10ビットのデータを受信することができる。
【0063】
同様に、ANDゲートG1では、データ期間Td2において、入力端G1aの論理レベルがハイレベルであるので、入力端G1bの論理レベルがハイレベルのとき出力端G1cの論理レベルがハイレベルとなり、また、入力端G1bの論理レベルがローレベルのとき出力端G1cの論理レベルがローレベルとなる。
【0064】
このような構成により、出力ポートTx2の論理レベルと出力端G1cすなわちマイコンMC3における入力ポートRx3の論理レベルとを同じにすることができるので、マイコンMC3は、データ期間Td2において、マイコンMC2が送信する10ビットのデータを受信することができる。
【0065】
次に、マイコンMC1,MC2,MC3は、たとえば、自己の出力ポートからデータを出力しないタイミングtd2e〜td3sのブレーク期間Tb3において、出力ポートTx1,Tx2,Tx3の論理レベルをハイレベルに固定する。ANDゲートG1,G2,G3は、ブレーク期間Tb3において、出力端G1c,G2c,G3cの論理レベルがハイレベルとなる。
【0066】
次に、マイコンMC3は、たとえば、タイミングtd3s〜td3eのデータ期間Td3において10ビットのデータを送信する。
【0067】
マイコンMC1,MC2は、たとえば、データ期間Td3において、出力ポートTx1,Tx2の論理レベルをハイレベルに固定したままである。
【0068】
ANDゲートG3では、データ期間Td3において、入力端G3aの論理レベルがハイレベルであるので、入力端G3bの論理レベルがハイレベルのとき出力端G3cの論理レベルがハイレベルとなり、また、入力端G3bの論理レベルがローレベルのとき出力端G3cの論理レベルがローレベルとなる。
【0069】
このような構成により、出力ポートTx3の論理レベルと出力端G3cすなわちマイコンMC2における入力ポートRx2の論理レベルとを同じにすることができるので、マイコンMC2は、データ期間Td3において、マイコンMC3が送信する10ビットのデータを受信することができる。
【0070】
同様に、ANDゲートG2では、データ期間Td3において、入力端G2aの論理レベルがハイレベルであるので、入力端G2bの論理レベルがハイレベルのとき出力端G2cの論理レベルがハイレベルとなり、また、入力端G2bの論理レベルがローレベルのとき出力端G2cの論理レベルがローレベルとなる。
【0071】
このような構成により、出力ポートTx3の論理レベルと出力端G2cすなわちマイコンMC1における入力ポートRx1の論理レベルとを同じにすることができるので、マイコンMC1は、データ期間Td3において、マイコンMC3が送信する10ビットのデータを受信することができる。
【0072】
なお、本発明の第1の実施の形態に係るマイコンMCは、自己の出力ポートからデータを出力しない期間において、当該出力ポートの論理レベルをハイレベルに固定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。マイコンMCは、たとえば上記期間において、当該出力ポートの論理レベルをローレベルに固定する構成であってもよい。この場合、データ通信システム301におけるANDゲートGをORゲートに置き換えることにより、上記動作と同等の動作を実現することができる。
【0073】
データ通信システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以上のような処理の一部または全部をステップ化したプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
【0074】
ところで、たとえば、UARTを含む複数の装置において1対多の通信を行うために、装置ごとにRS−485ドライバICを実装し、実装したRS−485ドライバICを介して通信が行われる場合がある。この場合、RS−485ドライバICを基板に実装するためのスペースが必要になり、また、RS−485ドライバICのコストが必要となってしまう。
【0075】
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係るデータ通信システムでは、マイコンMC1,MC2,MC3は、それぞれ、出力ポートTx1,Tx2,Tx3からデータを出力しない期間において、出力ポートTx1,Tx2,Tx3の論理レベルをハイレベルに固定する。たとえば、通信制御回路CC11は、対象組に属するマイコンMC1,MC2と、ANDゲートG1とを備える。ANDゲートG1は、対象組に属さないマイコンMC3の入力ポートTx3に接続される出力端G1cと、マイコンMC1,MC2の出力ポートTx1,Tx2にそれぞれ接続される入力端G1a,G1bとを有する。ANDゲートG1では、入力端G1a,G1bの論理レベルがハイレベルである場合に出力端G1cの論理レベルがハイレベルとなり、少なくともいずれか1つの入力端G1a,G1bの論理レベルがハイレベルと反対のローレベルである場合に出力端G1cの論理レベルがローレベルとなる。
【0076】
このような構成により、たとえば、マイコンMC1が出力ポートTx1からデータを出力する期間において、ANDゲートG1を介してマイコンMC1の出力ポートTx1の論理レベルと出力端G1cすなわちマイコンMC3における入力ポートRx3の論理レベルとが同じになるため、マイコンMC3は、当該期間において、マイコンMC1が送信するデータを受信することができる。
【0077】
また、たとえば、マイコンMC2が出力ポートTx2からデータを出力する期間において、ANDゲートG1を介してマイコンMC2の出力ポートTx2の論理レベルと出力端G1cすなわちマイコンMC3における入力ポートRx3の論理レベルとが同じになるため、マイコンMC3は、当該期間において、マイコンMC2が送信するデータを受信することができる。したがって、ANDゲートG1を用いる簡易な構成で、マイコンMC1またはマイコンMC2からマイコンMC3へデータを伝送することができる。
【0078】
したがって、本発明の第1の実施の形態に係る通信制御回路CC11では、複数の通信回路間でデータ伝送を可能とするとともに、回路規模を小さくすることができる。
【0079】
なお、本発明の第1の実施の形態に係るデータ通信システムには、通信制御回路CC1,CC2,CC3が含まれる構成であるとしたが、これに限定するものではない。データ通信システムには、少なくとも1つの通信制御回路が含まれる構成であればよい。
【0080】
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0081】
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る通信制御回路と比べて平衡ケーブルを介して通信回路間の通信を行う通信制御回路に関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る通信制御回路と同様である。
【0082】
[電力供給システム]
図3は、本発明の第2の実施の形態に係る電力供給システムの構成を示す図である。
【0083】
図3を参照して、電力供給システム501は、電力供給装置101と、発電装置511A,511B,511Cと、家庭用電源512と、系統電源513と、電池盤514とを備える。電力供給装置101は、回路ユニット10A,10B,10Cを含む。回路ユニット10Aは、制御基板CB4と、コンバータ回路31Aと、インバータ回路33Aとを含む。回路ユニット10Bは、制御基板CB5と、コンバータ回路31B,31Cとを含む。回路ユニット10Cは、制御基板CB6と、コンバータ回路31Dと、インバータ回路33Bとを含む。
【0084】
以下、発電装置511A,511B,511Cの各々を発電装置511とも称する。回路ユニット10A,10B,10Cの各々を回路ユニット10とも称する。制御基板CB4,CB5,CB6の各々を制御基板CBとも称する。コンバータ回路31A,31B,31C,31Dの各々をコンバータ回路31とも称する。インバータ回路33A,33Bの各々をインバータ回路33とも称する。
【0085】
発電装置511および電池盤514とコンバータ回路31との間は電力線により接続されている。家庭用電源512および系統電源13とインバータ回路33との間は電力線により接続されている。各コンバータ回路31および各インバータ回路33間は電力線により接続されている。
【0086】
なお、図1では、3つの制御基板CBを代表的に示しているが、2つ以下または4つ以上の制御基板CBが設けられてもよい。
【0087】
電力供給システム501は、たとえば、発電電力が変動する太陽光発電および風力発電等から出力されるエネルギーのバッファ、停電対策および商用系統への売電のために用いられる。
【0088】
より詳細には、電力供給システム501における発電装置511A,511Bおよび511Cは、具体的にはそれぞれ太陽光発電装置および風力発電装置である。発電装置511A,511Bは、たとえば、太陽光を受けると、受けた太陽光のエネルギーを直流電力に変換し、変換した直流電力を電力供給装置101へ出力する。発電装置511Cは、たとえば、風の力を受ける風車から生成される運動エネルギーを直流電力に変換し、変換した直流電力を電力供給装置101へ出力する。
【0089】
電力供給装置101は、たとえば、発電装置511から受けた直流電力を変換し、変換した電力を系統電源513、家庭用電源512および電池盤514へ出力する。また、電力供給装置101は、たとえば、電池盤514および系統電源513から受けた電力を変換し、変換した電力を家庭用電源512へ出力する。
【0090】
電力供給装置101において、制御基板CBは、回路ユニット10に対応して設けられている。制御基板CBは、たとえば、対応の回路ユニット10に含まれるコンバータ回路31に接続された、発電装置511の発電量または電池盤514の蓄電量に基づいて当該コンバータ回路31を制御する。また、制御基板CBは、たとえば、対応の回路ユニット10に含まれるインバータ回路33に接続された系統電源513または家庭用電源512の状態に基づいて当該インバータ回路33を制御する。
【0091】
[比較例としての制御基板]
図4は、比較例としてのデータ通信システムの構成を示す図である。
【0092】
図4を参照して、比較例としてのデータ通信システム901は、制御基板CB94,CB95,CB96と、平衡ケーブルBp,Bnとを備える。制御基板CB94は、マイコンMC94と、ドライバD94とを含む。制御基板CB95は、マイコンMC95と、ドライバD95とを含む。制御基板CB96は、マイコンMC96,MC97と、ドライバD96,D97とを含む。
【0093】
ドライバD94〜D97は、たとえばマイコンMC94〜MC97にそれぞれ対応して設けられる。したがって、2つのマイコンが実装された制御基板CB96では、2つのドライバを実装するスペースが必要であり、また、2つのドライバが実装されるため高コストである。
【0094】
そこで、本発明の第2の実施の形態に係る通信制御回路では、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
【0095】
図5は、本発明の第2の実施の形態に係る制御情報通信システムの構成を示す図である。
【0096】
図5を参照して、制御情報通信システム(データ通信システム)401は、制御基板CB4,CB5,CB6および平衡ケーブルBp,Bnを備える。制御基板CB4は、マイコン(通信回路)MC4と、ドライバ(中継回路)D4とを含む。制御基板CB5は、マイコン(通信回路)MC5と、ドライバ(中継回路)D5とを含む。制御基板CB6は、マイコン(通信回路)MC6,MC7と、ANDゲート(論理ゲート)G4,G5,G6と、ORゲートG7と、ドライバ(中継回路)D6と、抵抗R1と、ハイレベルノードNhとを含む。
【0097】
制御基板CB4,CB5,CB6は、図3に示す回路ユニット10A,10B,10Cにそれぞれ含まれる制御基板CB4,CB5,CB6に相当する。
【0098】
以下、マイコンMC4〜MC7の各々をマイコンMCdとも称する。ドライバD4〜D7の各々をドライバDとも称する。ANDゲートG4,G5,G6の各々をANDゲートGとも称する。
【0099】
マイコンMC4〜MC7は、図1において説明したマイコンMC1〜MC3の機能に加えて、以下の機能を有する。
【0100】
すなわち、各マイコンMCは、互いに通信を行うことが可能である。異なる制御基板CBに実装された各マイコンMCは、たとえば、通信時におけるノイズに対する耐性を高めるために平衡ケーブルBp,Bnを介して通信を行うことが可能である。
【0101】
マイコンMC4は、たとえば図3に示すように、回路ユニット10Aに含まれるコンバータ回路31Aおよびインバータ回路33Aを制御するための制御マイコンである。また、マイコンMC5は、たとえば回路ユニット10Bに含まれるコンバータ回路31B,31Cを制御するための制御マイコンである。また、マイコンMC6は、たとえば回路ユニット10Cに含まれるコンバータ回路31Dおよびインバータ回路33Bを制御するための制御マイコンである。
【0102】
マイコンMC7は、たとえばマイコンMC4〜MC6を介して各コンバータ回路33および各インバータ回路31から発電装置511の発電量、電池盤514の蓄電量および家庭用電源512における負荷等の情報を取得し、取得した情報に基づいてマイコンMC4〜MC6を制御するための集中制御マイコンである。
【0103】
マイコンMC4〜MC7は、データを外部へ出力するための出力ポート、データを外部から入力するための入力ポート、および出力ポートからデータを出力する期間を示す制御信号を出力するための制御ポートを有する。
【0104】
具体的には、マイコンMC6は、出力ポートTx6、入力ポートRx6および制御ポートDe6を有する。また、マイコンMC7は、出力ポートTx7、入力ポートRx7および制御ポートDe7を有する。制御信号は、たとえばハイアクティブである。なお、制御信号は、ローアクティブでもよい。
【0105】
マイコンMC4〜MC7は、自己の出力ポートからデータを出力するトーカとなる場合、自己の制御ポートの論理レベルをハイレベルにする。また、マイコンMC4〜MC7は、自己の出力ポートからデータを出力しないリスナとなる場合、自己の制御ポートの論理レベルをローレベルにする。
【0106】
具体的には、たとえば、マイコンMC6は、トーカとなる場合、制御ポートDe6の論理レベルをハイレベルにする。残りのマイコンMC4,MC5,MC7はリスナとなる。この場合、たとえば、トーカとなるマイコンMC6とマイコンMC7とを含む組が対象組となる。
【0107】
同様に、たとえば、マイコンMC7は、トーカとなる場合、制御ポートDe7の論理レベルをハイレベルにする。残りのマイコンMC4,MC5,MC6はリスナとなる。この場合、たとえば、トーカとなるマイコンMC7とマイコンMC6とを含む組が対象組となる。
【0108】
制御情報通信システム401における通信制御回路は、マイコンMCの組と、2つのANDゲートGと、ドライバとを含む。具体的には、通信制御回路CC21は、マイコンMC6,MC7と、ANDゲートG4と、ドライバD6と、ANDゲートG5とを含む。通信制御回路CC22は、マイコンMC7とマイコンMC6と、ANDゲートG4と、ドライバD6と、ANDゲートG6とを含む。
【0109】
ANDゲートG4〜G6は、図1に示すANDゲートG1〜G3と同等の機能を有する。
【0110】
ANDゲートG4は、対象組に属さないマイコンMCdの入力ポートに接続される出力端と、対象組に属するマイコンMCdの出力ポートに接続される複数の入力端とを有する。
【0111】
ドライバD6は、ANDゲートG4の出力端に接続される入力ポートTxd、対象組に属する各マイコンMCdの入力ポートにANDゲートG5,G6を介して接続される出力ポートRxd、および対象組に属さないマイコンMCdの入力ポートおよび出力ポートにドライバDを介して接続される双方向ポートIPp,IPnと、制御ポートDedとを有する。
【0112】
ANDゲートG5,G6は、ドライバD6の出力ポートRxdに接続される第1入力端と、対象組に属する一方のマイコンMCdの入力ポートに接続される出力端と、対象組に属する他方のマイコンMCdの出力ポートに接続される第2入力端とを有する。
【0113】
具体的には、たとえば、通信制御回路CC21,CC22において、ANDゲートG4は、ドライバD6の入力ポートTxdに接続される出力端G4cと、マイコンMC6,MC7の出力ポートTx6,Tx7にそれぞれ接続される入力端G4a,G4bとを有する。すなわち、出力端G4cは、ドライバD6の入力ポートTxdからドライバD6,D4を介してマイコンMC4に接続され、また、ドライバD6の入力ポートTxdからドライバD6,D5を介してマイコンMC5に接続される。
【0114】
たとえば、通信制御回路CC21において、ANDゲートG5は、ドライバD6の出力ポートRxdに接続される入力端G5bと、マイコンMC6の入力ポートRx6に接続される出力端G5cと、マイコンMC7の出力ポートTx7に接続される入力端G5aとを有する。
【0115】
たとえば、通信制御回路CC22において、ANDゲートG6は、ドライバD6の出力ポートRxdに接続される入力端G6bと、マイコンMC7の入力ポートRx7に接続される出力端G6cと、マイコンMC6の出力ポートTx6に接続される入力端G6aとを有する。
【0116】
ANDゲートG4は、たとえば、入力端G4a,G4bの論理レベルがハイレベルである場合に出力端G4cの論理レベルがハイレベルとなり、入力端G4a,G4bの少なくともいずれか1つの論理レベルがローレベルである場合に出力端G4cの論理レベルがローレベルとなる。
【0117】
また、ANDゲートG5は、たとえば、入力端G5a,G5bの論理レベルがハイレベルである場合に出力端G5cの論理レベルがハイレベルとなり、入力端G5a,G5bの少なくともいずれか1つの論理レベルがローレベルである場合に出力端G5cの論理レベルがローレベルとなる。
【0118】
また、ANDゲートG6は、たとえば、入力端G6a,G6bの論理レベルがハイレベルである場合に出力端G6cの論理レベルがハイレベルとなり、入力端G6a,G6bの少なくともいずれか1つの論理レベルがローレベルである場合に出力端G6cの論理レベルがローレベルとなる。
【0119】
ハイレベルノードNhには、論理レベルがハイレベルの電圧が供給される。抵抗R1は、ANDゲートG6の入力端G6bに接続される第1端と、ハイレベルノードNhに接続される第2端とを有する。
【0120】
ORゲートG7は、ドライバD6の制御ポートDedに接続される出力端G7cと、マイコンMC7の制御ポートDe7に接続される入力端G7aと、マイコンMC6の制御ポートDe6に接続される入力端G7bとを有する。
【0121】
ORゲートG7は、たとえば、入力端G7a,G7bの論理レベルがローレベルである場合に出力端G7cの論理レベルがローレベルとなり、入力端G7a,G7bの少なくともいずれか1つの論理レベルがハイレベルである場合に出力端G7cの論理レベルがハイレベルとなる。
【0122】
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る制御情報通信システムにおけるドライバの構成を示す図である。
【0123】
ドライバDは、具体的には、RS−485ドライバICである。ドライバDにおける双方向ポートIPp,IPnは、他のドライバDにおける双方向ポートIPp,IPnとそれぞれ平衡ケーブルBp,Bnを介して平衡接続される。
【0124】
図6には、ドライバD6が代表として示される。以下の説明は、ドライバD4,D5についても同様に適用できる。
【0125】
図6を参照して、ドライバD6は、バッファB1,B2を含む。バッファB1は、入力ポートTxdに接続された入力端B1aと、制御ポートDedに接続された制御端子B1cと、双方向ポートIPp,IPnにそれぞれ接続された双方向出力端B1p,B1nとを有する。
【0126】
バッファB2は、出力ポートRxdに接続された出力端B2aと、制御ポートDedに接続された制御端子B2cと、双方向ポートIPp,IPnにそれぞれ接続された双方向入力端B2p,B2nとを有する。
【0127】
バッファB1は、たとえば、制御ポートDedの論理レベルがハイレベルのとき、入力ポートTxdから受けたデータを双方向ポートIPp,IPnへ出力する。具体的には、バッファB1は、入力ポートTxdから受けたシングルエンド信号を差動信号に変換し、変換後の差動信号を双方向ポートIPp,IPnへ出力する。
【0128】
また、バッファB1は、たとえば、制御ポートDedの論理レベルがローレベルのとき、自己から双方向出力端B1p,B1nを電気的に切り離し、双方向出力端B1p,B1nをハイインピーダンス状態とする。
【0129】
バッファB2は、たとえば、制御ポートDedの論理レベルがローレベルのとき、バッファB1および双方向ポートIPp,IPnから受けたデータを出力ポートRxdへ出力する。具体的には、バッファB2は、バッファB1および双方向ポートIPp,IPnから受けた差動信号をシングルエンド信号に変換し、変換後のシングルエンド信号を出力ポートRxdへ出力する。
【0130】
また、バッファB2は、たとえば、制御ポートDedの論理レベルがハイレベルのとき、自己から出力端B2aを電気的に切り離し、出力端B2aをハイインピーダンス状態とする。図5に示すように、出力端B2aは、出力ポートRxdを介して抵抗R1の第1端に接続される。したがって、たとえば、制御ポートDedの論理レベルがハイレベルのとき、バッファB2の出力端B2aの論理レベルはハイレベルとなる。
【0131】
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る制御情報通信システムにおける各通信制御回路の動作を示すタイムチャートである。
【0132】
図7を参照して、マイコンMC4〜MC7は、たとえば、自己の出力ポートからデータを出力しない、タイミングtd6sまでのブレーク期間Tb5において、出力ポートの論理レベルをハイレベルに固定し、かつ制御ポートの論理レベルをローレベルに固定する。
【0133】
ORゲートG7では、ブレーク期間Tb5において、入力端G7a,G7bの論理レベルがローレベルとなるので、出力端G7cの論理レベルがローレベルとなる。
【0134】
ドライバD6では、ブレーク期間Tb5において、制御ポートDedの論理レベルがローレベルであるので、バッファB1の状態Sb1は、双方向出力端B1p,B1nがハイインピーダンス状態となる遮断状態となり、また、バッファB2の状態Sb2は、バッファB1および双方向ポートIPp,IPnから受けたデータを出力ポートRxdへ出力するスルー状態となる。
【0135】
ドライバD6では、ブレーク期間Tb5において、マイコンMC4,MC5の出力ポートの論理レベルがハイレベルであり、かつバッファB2の状態Sb2がスルー状態であるので、出力ポートRxdの論理レベルがハイレベルとなる。
【0136】
ANDゲートG4では、ブレーク期間Tb5において、入力端G4a,G4bの論理レベルがハイレベルとなるので、出力端G4cの論理レベルがハイレベルとなる。
【0137】
ANDゲートG5,G6では、ブレーク期間Tb5において、入力端G5a,G5b,G6a,G6bの論理レベルがハイレベルとなるので、出力端G5c,G6cの論理レベルがハイレベルとなる。
【0138】
次に、マイコンMC6は、たとえば、データの送信を開始するタイミングtd6sからデータの送信を終了するタイミングtd6eまでのデータ期間Td6において、制御ポートDe6の論理レベルをハイレベルにする。
【0139】
ORゲートG7では、データ期間Td6において、入力端G7aおよびG7bの論理レベルがそれぞれローレベルおよびハイレベルとなるので、出力端G7cの論理レベルがハイレベルとなる。
【0140】
ドライバD6では、データ期間Td6において、制御ポートDedの論理レベルがハイレベルとなるので、バッファB1の状態Sb1は、入力ポートTxdから受けたデータを双方向ポートIPp,IPnへ出力するスルー状態となり、また、バッファB2の状態Sb2は、出力端B2aがハイインピーダンス状態すなわち出力端B2aの論理レベルがハイレベルとなる遮断状態となる。
【0141】
マイコンMC6は、たとえば、データ期間Td6において、送信しようとするデータに応じて出力ポートTx6の論理レベルを切り替えることによりスタートビットおよびストップビットを含む10ビットのデータを送信する。
【0142】
ANDゲートG6では、データ期間Td6において、入力端G6bの論理レベルがハイレベルであるので、入力端G6aの論理レベルがハイレベルのとき出力端G6cの論理レベルがハイレベルとなり、また、入力端G6aの論理レベルがローレベルのとき出力端G6cの論理レベルがローレベルとなる。
【0143】
このような構成により、出力ポートTx6の論理レベルと出力端G6cすなわちマイコンMC7における入力ポートRx7の論理レベルとを同じにすることができるので、マイコンMC7は、データ期間Td6において、マイコンMC6が送信する10ビットのデータを受信することができる。
【0144】
ANDゲートG4では、データ期間Td6において、入力端G4bの論理レベルがハイレベルであるので、入力端G4aの論理レベルがハイレベルのとき出力端G4cの論理レベルがハイレベルとなり、また、入力端G4aの論理レベルがローレベルのとき出力端G4cの論理レベルがローレベルとなる。
【0145】
ドライバD6では、データ期間Td6において、バッファB1の状態Sb1がスルー状態となるので、入力ポートTxdすなわち出力ポートTx6の論理レベルと、平衡ケーブルBp,Bnにおける差動信号に基づく論理レベルとを同じにすることができる。これにより、マイコンMC4,MC5は、データ期間Td6において、マイコンMC6が送信する10ビットのデータを受信することができる。
【0146】
次に、マイコンMC4〜MC7は、たとえば、自己の出力ポートからデータを出力しないタイミングtd6eからtd7sまでのブレーク期間Tb6において、出力ポートの論理レベルをハイレベルに固定し、かつ制御ポートの論理レベルをローレベルに固定する。
【0147】
ブレーク期間Tb6において、ORゲートG7、ドライバD6およびANDゲートG4,G5,G6の状態は、ブレーク期間Tb5において説明した状態と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
【0148】
次に、マイコンMC7は、たとえば、データの送信を開始するタイミングtd7sからデータの送信を終了するタイミングtd7eまでのデータ期間Td7において、制御ポートDe7の論理レベルをハイレベルにする。
【0149】
ORゲートG7では、データ期間Td7において、入力端G7aおよびG7bの論理レベルがそれぞれハイレベルおよびローレベルとなるので、出力端G7cの論理レベルがハイレベルとなる。
【0150】
ドライバD6では、データ期間Td7において、制御ポートDedの論理レベルがハイレベルとなるので、バッファB1の状態Sb1は、スルー状態となり、また、バッファB2の状態Sb2は、遮断状態となる。
【0151】
マイコンMC7は、たとえば、データ期間Td7において、送信しようとするデータに応じて出力ポートTx7の論理レベルを切り替えることによりスタートビットおよびストップビットを含む10ビットのデータを送信する。
【0152】
ANDゲートG5では、データ期間Td7において、入力端G5bの論理レベルがハイレベルであるので、入力端G5aの論理レベルがハイレベルのとき出力端G5cの論理レベルがハイレベルとなり、また、入力端G5aの論理レベルがローレベルのとき出力端G5cの論理レベルがローレベルとなる。
【0153】
このような構成により、出力ポートTx7の論理レベルと出力端G5cすなわちマイコンMC6における入力ポートRx6の論理レベルとを同じにすることができるので、マイコンMC6は、データ期間Td7において、マイコンMC7が送信する10ビットのデータを受信することができる。
【0154】
ANDゲートG4では、データ期間Td7において、入力端G4aの論理レベルがハイレベルであるので、入力端G4bの論理レベルがハイレベルのとき出力端G4cの論理レベルがハイレベルとなり、また、入力端G4bの論理レベルがローレベルのとき出力端G4cの論理レベルがローレベルとなる。
【0155】
ドライバD6では、データ期間Td7において、バッファB1の状態Sb1がスルー状態であるので、入力ポートTxdすなわち出力ポートTx7の論理レベルと、平衡ケーブルBp,Bnにおける差動信号に基づく論理レベルとを同じにすることができる。これにより、マイコンMC4,MC5は、データ期間Td7において、マイコンMC7が送信する10ビットのデータを受信することができる。
【0156】
マイコンMC4〜MC7は、たとえば、自己の出力ポートからデータを出力しないタイミングtd7eからtd8sまでのブレーク期間Tb7において、出力ポートの論理レベルをハイレベルに固定し、かつ制御ポートの論理レベルをローレベルに固定する。
【0157】
ブレーク期間Tb7において、ORゲートG7、ドライバD6およびANDゲートG4,G5,G6の状態は、ブレーク期間Tb5において説明した状態と同様であるので詳細な説明は繰り返さない。
【0158】
次に、ドライバD6は、たとえば、タイミングtd8s〜td8eまでのデータ期間Td8において、マイコンMC4またはMC5が送信する10ビットのデータを平衡ケーブルBp,Bn経由で受信する。
【0159】
マイコンMC6,MC7は、たとえば、データ期間Td8において、ブレーク期間Tb7と同様に、出力ポートの論理レベルTx6,Tx7をハイレベルに固定し、かつ制御ポートDe6,De7の論理レベルをローレベルに固定する。
【0160】
ドライバD6では、データ期間Td8において、ブレーク期間Tb7と同様に、制御ポートDedの論理レベルがローレベルであるので、バッファB1の状態Sb1は遮断状態となり、また、バッファB2の状態Sb2はスルー状態となる。
【0161】
したがって、ドライバD6では、データ期間Td8において、出力ポートRxdの論理レベルが平衡ケーブルBp,Bnにおける差動信号に基づく論理レベルと同じになる。
【0162】
ANDゲートG5では、データ期間Td8において、入力端G5aの論理レベルがハイレベルであるので、入力端G5bすなわち出力ポートRxdの論理レベルがハイレベルのとき出力端G5cの論理レベルがハイレベルとなり、また、出力ポートRxdの論理レベルがローレベルのとき出力端G5cの論理レベルがローレベルとなる。
【0163】
ANDゲートG6では、データ期間Td8において、入力端G6aの論理レベルがハイレベルであるので、入力端G6bすなわち出力ポートRxdの論理レベルがハイレベルのとき出力端G6cの論理レベルがハイレベルとなり、また、出力ポートRxdの論理レベルがローレベルのとき出力端G6cの論理レベルがローレベルとなる。
【0164】
このような構成により、出力ポートRxdの論理レベルと出力端G5c,G6cすなわちマイコンMC6,MC7における入力ポートRx6,Rx7の論理レベルとを同じにすることができるので、マイコンMC6,MC7は、データ期間Td8において、マイコンMC4またはMC5が送信する10ビットのデータを受信することができる。
【0165】
なお、本発明の第2の実施の形態に係るマイコンMCdは、自己の出力ポートからデータを出力しない期間において、当該出力ポートの論理レベルをハイレベルに固定する構成であるとしたが、これに限定するものではない。マイコンMCdは、たとえば上記期間において、当該出力ポートの論理レベルをローレベルに固定する構成であってもよい。この場合、ANDゲートG4〜G6をORゲートに置き換えることにより、上記動作と同等の動作を実現することができる。
【0166】
また、本発明の第2の実施の形態に係る制御情報通信システム401は、ANDゲートG5,G6を備える構成であるとしたが、これに限定するものではない。制御基板CB6において、たとえば、マイコンMC6が、マイコンMC7により送信されるデータを受信する必要がない場合、ANDゲートG5が不要となる。この場合、ドライバD6の出力ポートRxdとマイコンMC6の入力ポートRx6とが直接接続される。また、たとえば、マイコンMC7が、マイコンMC6により送信されるデータを受信する必要がない場合、ANDゲートG6が不要となる。この場合、ドライバD6の出力ポートRxdとマイコンMC7の入力ポートRx7とが直接接続される。
【0167】
また、本発明の第2の実施の形態に係る制御情報通信システム401では、マイコンMC6,MC7、ドライバD6、ANDゲートG4〜G6およびORゲートが1つの制御基板CBに実装される構成であるとしたが、これに限定するものではない。マイコンMC6,MC7、ドライバD6、ANDゲートG4〜G6およびORゲートは、2つ以上の制御基板CBに分かれて実装される構成であってもよい。
【0168】
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る制御情報通信システムでは、マイコンMC4〜MC7は、出力ポートからデータを出力しない期間において、出力ポートの論理レベルをハイレベルに固定する。たとえば、通信制御回路CC22は、対象組に属するマイコンMC6,MC7と、ANDゲートG4とを含む。ANDゲートG4は、ドライバD6,D4を介して対象組に属さないマイコンMC4の入力ポートに接続され、かつドライバD6,D5を介して対象組に属さないマイコンMC5の入力ポートに接続される出力端G4cと、マイコンMC6,MC7の出力ポートTx6,Tx7にそれぞれ接続される入力端G4a,G4bとを有する。ANDゲートG4では、入力端G4a,G4bの論理レベルがハイレベルである場合に出力端G4cの論理レベルがハイレベルとなり、少なくともいずれか1つの入力端G4a,G4bの論理レベルがハイレベルと反対のローレベルである場合に出力端G4cの論理レベルがローレベルとなる。
【0169】
このような構成により、たとえば、マイコンMC6が出力ポートTx6からデータを出力する期間において、ANDゲートG4を介してマイコンMC6の出力ポートTx6の論理レベルと出力端G4cすなわちマイコンMC4,MC5における入力ポートの論理レベルとが同じになるため、マイコンMC4,MC5は、当該期間において、マイコンMC6が送信するデータを受信することができる。
【0170】
また、たとえば、マイコンMC7が出力ポートTx7からデータを出力する期間において、ANDゲートG4を介してマイコンMC7の出力ポートTx7の論理レベルと出力端G4cすなわちマイコンMC4,M5における入力ポートの論理レベルとが同じになるため、マイコンMC4,MC5は、当該期間において、マイコンMC7が送信するデータを受信することができる。したがって、ANDゲートG4を用いる簡易な構成で、マイコンMC6またはマイコンMC7からマイコンMC4,MC5へデータを伝送することができる。
【0171】
したがって、本発明の第2の実施の形態に係る通信制御回路CC22では、複数の通信回路間でデータ伝送を可能とするとともに、回路規模を小さくすることができる。
【0172】
また、本発明の第2の実施の形態に係る制御情報通信システムでは、通信制御回路CC22は、さらに、ドライバD6を含む。ドライバD6は、ANDゲートG4の出力端G4cに接続される入力ポートTxd、マイコンMC6,MC7の入力ポートRx6,Rx7にそれぞれANDゲートG5,G6を介して接続される出力ポートRxd、ならびにマイコンMC4の入力ポートおよび出力ポートにドライバD4を介して接続され、かつマイコンMC5の入力ポートおよび出力ポートにドライバD5を介して接続される双方向ポートIPp,IPnを有する。ドライバD6は、自己の入力ポートTxdから受けたデータを双方向ポートIPp,IPnへ出力するバッファB1と、バッファB1および双方向ポートIPp,IPnから受けたデータを自己の出力ポートRxdから出力するバッファB2とを含む。マイコンMC6,MC7は、自己の出力ポートTx6,Tx7からデータを出力する出力期間を示す制御信号をドライバD6へ出力する。バッファB1は、当該出力期間以外において、自己の出力端B1p,B1nをハイインピーダンス状態とする。
【0173】
このような構成により、上記出力期間において、マイコンMC6またはマイコンMC7は、ドライバD6を共用しながらマイコンMC4およびマイコンMC5へデータを伝送することができるので、マイコンMCdごとにドライバDが設けられる構成と比べて、ドライバDの個数を減らすことができる。これにより、ドライバDを実装するためのスペースを節約でき、かつ製造コストを低下させることができる。
【0174】
また、本発明の第2の実施の形態に係る制御情報通信システムでは、バッファB2は、上記出力期間において、自己の出力端B2aをハイレベルとする。通信制御回路CC22は、さらに、ANDゲートG6を含む。ANDゲートG6は、バッファB2の出力端B2aに接続される入力端G6bと、マイコンMC7の入力ポートRx7に接続される出力端G6cと、マイコンMC6の出力ポートTx6に接続される入力端G6aとを有する。ANDゲートG6は、入力端G6b,G6aの論理レベルがハイレベルである場合に出力端G6cの論理レベルがハイレベルとなり、入力端G6b,G6cの少なくともいずれか一方の論理レベルがローレベルである場合に出力端G6cの論理レベルがローレベルとなる。
【0175】
このような構成により、たとえば、マイコンMC6が出力ポートTx6からデータを出力する期間において、マイコンMC6の出力ポートTx6の論理レベルと出力端G6cすなわちマイコンMC7における入力ポートRx7の論理レベルとが同じになるため、マイコンMC7は、上記期間において、マイコンMC6が送信するデータを受信することができる。したがって、ANDゲートG6を用いる簡易な構成で、マイコンMC6は、対象組に属するマイコンMC7へデータを伝送することができる。
【0176】
また、マイコンMC6は、出力ポートTx6からデータを出力する期間において、ドライバD6,D4およびドライバD6,D5をそれぞれ介してマイコンMC4およびマイコンMC5へデータを伝送し、また、当該期間以外において、マイコンMC6は、ドライバD4,D6およびドライバD5,D6をそれぞれ介してマイコンMC4およびマイコンMC5が送信するデータを受信することができるので、マイコンMC6とマイコンMC4およびマイコンMC5との間でデータの送受信を行うことができる。
【0177】
同様に、マイコンMC7は、出力ポートTx7からデータを出力する期間において、ドライバD6,D4およびドライバD6,D5をそれぞれ介してマイコンMC4およびマイコンMC5へデータを伝送し、また、当該期間以外において、マイコンMC7は、ドライバD4,D6およびドライバD5,D6をそれぞれ介してマイコンMC4およびマイコンMC5が送信するデータを受信することができるので、マイコンMC7とマイコンMC4およびマイコンMC5との間でデータの送受信を行うことができる。
【0178】
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係るデータ通信システムと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
【0179】
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0180】
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
【0181】
[付記1]
データを外部へ出力するための出力ポート、およびデータを外部から入力するための入力ポートを有する3つ以上の通信回路が互いにデータを送受信することが可能なデータ通信システムにおける通信制御回路であって、
前記通信回路は、前記出力ポートからデータを出力しない期間において、前記出力ポートの論理レベルを第1の論理レベルに固定し、
前記通信回路の組と、
前記組に属さない前記通信回路の前記入力ポートに接続される出力端と、前記組に属する各前記通信回路の前記出力ポートに接続される複数の入力端とを有し、前記複数の入力端の論理レベルが前記第1の論理レベルである場合に前記出力端の論理レベルが前記第1の論理レベルとなり、少なくともいずれか1つの前記入力端の論理レベルが前記第1の論理レベルと反対の第2の論理レベルである場合に前記出力端の論理レベルが前記第2の論理レベルとなる論理ゲートとを備え、
前記通信回路は、マイコンであり、
前記第1の論理レベルおよび前記第2の論理レベルは、それぞれハイレベルおよびローレベルであり、
前記論理ゲートは、ANDゲートである、通信制御回路。
【符号の説明】
【0182】
10 回路ユニット
31 コンバータ
33 インバータ
101 電力供給装置
301 データ通信システム
401 制御情報通信システム(データ通信システム)
501 電力供給システム
511 発電装置
512 家庭用電源
513 系統電源
514 電池盤
B1,B2 バッファ
Bp,Bn 平衡ケーブル
CC11,CC12,CC13,CC21,CC22 通信制御回路
CB1,CB4,CB5,CB6 制御基板
D4,D5,D6 ドライバ(中継回路)
G1,G2,G3,G4,G5,G6 ANDゲート(論理ゲート)
G7 ORゲート
MC1,MC2,MC3,MC4,MC5,MC6,MC7 マイコン(通信回路)
Nh ハイレベルノード
R1 抵抗
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7