(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第3の情報が、少なくとも、選択手段で選択された処理装置を識別する識別情報と、当該選択された処理装置が複数の場合の相互の優劣を含む付加価値情報とを含む請求項1記載の情報管理制御装置。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(システム構成)
図1には、本実施の形態に係る通信回線網20を中心とした情報管理制御システムが示されている。
【0025】
図1に示される如く、通信回線網20には、本実施の形態に係る複数台の画像処理装置10A、10B、10C、10D、10E、10F(以下、総称する場合、「画像処理装置10」、「画像処理装置10A〜10F」等という)がそれぞれ接続されている。
図1では、画像処理装置10として、6台の画像処理装置10A〜10Fが接続されているが、この数は限定されるものではない。
【0026】
例えば、前記通信回線網20がLAN(ローカル・エリア・ネットワーク)であり、複数のLAN(通信回線網20)が、WAN(ワールド・エリア・ネットワーク)によって相互に接続されていてもよい。また、通信回線網20がインターネットであり、例えば、全国に分散されている数万台以上の画像処理装置10を対象としてもよい。
【0027】
すなわち、本実施の形態の情報管理制御システムは、画像処理装置10における、所謂「ビッグデータ」を一括管理することが可能である。従って、本実施の形態において、通信回線網20は、管理制御対象となる画像処理装置10と接続された全ての通信回線網を含むものとする。
【0028】
なお、以下では、予め定められた領域(例えば、1企業のビル内)に設定された画像処理装置10を一括管理制御する状況を想定して説明するが、当該状況に基づく説明は、広範囲(例えば、特定地域)に展開しているコンビニエンスストア等に設置されている画像処理装置群を対象とする管理を否定するものではない。
【0029】
図1に示される如く、通信回線網20の枝線20Aには、複数台のPC(パーソナルコンピュータ)21が接続されている。
図1では、3台のPC21が接続されているが、この数は限定されるものではなく、通信回線網20の規模(PC21を操作するユーザー数を含む)に応じて増減する。なお、以下において、単に、通信回線網20と記した場合は、枝線20Aを含むものとする。
【0030】
さらに、通信回線網20を含む全ての通信回線網は、有線接続である必要はない。すなわち、無線によって情報を送受信する無線通信回線網であってもよい。
【0031】
画像処理装置10は、PC21から当該画像処理装置10に対して遠隔で、例えばデータを転送して画像形成(プリント)指示操作を受ける場合、或いは、ユーザーが画像処理装置10の前に立って各種操作によって、例えば、複写(コピー)、スキャン(画像読取)、ファクシミリ送受信等の処理の指示を受ける場合がある。
【0032】
さらに、
図1に示される如く、この通信回線網20には、情報管理制御装置100(以下、「管理サーバー100」という場合がある。)が接続されている。管理サーバー100は、主として、通信回線網20に接続されている画像処理装置10から画像処理に関する情報を集約して、ユーザーが画像処理装置10を利用するにあたり、必要かつ有用な情報を提供する役目を有している。この管理サーバー100の詳細な機能については省略する。
【0033】
図2に示される如く、管理サーバー100は、CPU100A、RAM100B、ROM100C、I/O100D及びこれらを相互に接続するデータバスやコントロールバス等のバス100Eを備えている。
【0034】
I/O100には、キーボードやマウス等の入力装置100Fと、モニタ100Gが接続されている。また、I/O100Dには、I/F100Hを介して前記通信回線網20に接続されている。
【0035】
なお、管理サーバー100は、基本的には、データの送受信が行われればよく、入力装置100Fやモニタ100Gは必須ではない。例えば、メンテナンス時では、専用又は汎用のI/FにPC等を接続して、入力装置100Fやモニタ100Gを代行するようにすればよい。
【0036】
(画像処理装置の概略構成)
図3には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。なお、画像処理装置10A〜10Fは、型式、機種、グレードを含む製造情報によって、外観や一部機能が異なる場合があるが、以下では、画像処理装置10の一般的な構造及び機能を説明する。
【0037】
従って、それぞれの画像処理装置10A〜10Fは、図示した構造に限定されず、新機種に交換されている場合を含む。また、画像処理装置10A〜10Fは、個々に、オプション機能や新機能が装備されたり、新型部品に交換されている場合を含む。さらに、画像処理装置10A〜10Fは、後述する一般的な構造の一部の機能(画像形成機能、画像読取機能、ファクシミリ通信機能)を搭載している場合も含む。
【0038】
画像処理装置10は、一般的な構造として、記録用紙に画像を形成する画像形成部24と、原稿画像を読み取る画像読取部26と、ファクシミリ通信制御回路28を備えている。また、画像処理装置10は、当該装置全体を総括して制御する主制御部30(以下、「メインコントローラ30」という場合がある。)を備えており、画像形成部24、画像読取部26、ファクシミリ通信制御回路28を制御して、画像読取部26で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部24又はファクシミリ通信制御回路28へ送出したりする。
【0039】
メインコントローラ30にはインターネット等の通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路28には電話回線網32が接続されている。メインコントローラ200は、例えば、通信回線網20を介してPC21と接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路28を介して電話回線網32を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
【0040】
画像読取部26には、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0041】
画像形成部24は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、現像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部が備えられている。
【0042】
画像処理装置10では、画像読取部26、画像形成部24、ファクシミリ通信制御回路28を単独で、或いは組み合わせて動作させることにより、コピー、プリント、スキャン、FAX送受信を含む複数のジョブを実行することが可能となる。
【0043】
(管理サーバー100の機能)
「基本設定」
ここで、本実施の形態では、基本設定として、管理サーバー100では、通信回線網20に接続された画像処理装置10のそれぞれの仕様に関する情報(以下、「仕様情報」という場合がある。)が登録されている。また、管理サーバー100では、新規登録、寿命等による交換時には、画像処理装置10の仕様情報が、新規登録又は更新されるようになっている。すなわち、
各画像処理装置10における仕様情報の登録手順としては、例えば、画像処理装置10を通信回線網20に接続した際に、管理サーバー100にアクセスして、管理サーバー100に対して、画像処理装置10を特定する識別情報(ID)を通知する。管理サーバー100には、予め画像処理装置10の仕様情報が、識別情報に関連付けられて記憶されており、通知を受けた識別情報に基づいて、画像処理装置10の仕様情報を検索し、当該画像処理装置10が、管理サーバー100の管理下に置かれたことを登録する。なお、検索の際、画像処理装置10のメーカーサイトへアクセスして仕様情報を取得してもよい。また、前記仕様情報の登録の際、登録された画像処理装置10の設置場所に関する情報が、併せて登録されるようになっている。
【0044】
これにより、管理サーバー100では、通信回線網20に接続され、かつ登録された画像処理装置10(以下、「登録デバイス」という場合がある。)の個々の仕様に関する情報が認識可能となる。
【0045】
「順位情報の報知」
管理サーバー100では、前記仕様情報から、画像処理装置10毎の画質の優劣、処理速度の優劣を含む静的(固定的)な機能項目、並びに、安定稼働状態(故障の有無)、消耗品の残状況、空き状況を含む動的な機能項目に対して順位(ランク)を付けるようになっている。
【0046】
一方、管理サーバー100では、それぞれの画像処理装置10から処理に関する情報(処理状況情報)の通知を受けるようになっている。
【0047】
管理サーバー100では、前記処理状況情報から、画像処理装置10毎の消耗品残量に基づく優劣、空き状況の優劣、安定稼働の優劣を含む動的な機能項目に対して順位(ランク)を付けるようになっている。
【0048】
すなわち、ユーザーが、最適な画像処理装置10の選択を要求する場合、条件により最適な画像処理装置10が異なる場合がある。より具体的には、以下のような条件が考えられる。
【0049】
(条件1) 最速にプリント処理可能な画像処理装置
(条件2) 高画質(特定解像度以上)でプリント処理可能が画像処理装置
(条件3) カラープリントが可能で最も近い位置にある画像処理装置
(条件4) 大量プリントに対応可能な消耗品残量がある画像処理装置
(条件5) 待ち時間がない画像処理装置
上記条件1〜5は一例であり、ユーザーは、その他の条件を満たす画像処理装置10、並びに複数の条件を満たす画像処理装置10を希望する場合がある。なお、条件2の特定解像度は、ユーザーが指定すればよく、画質の高低に関して解像度の数値的しきい値はない。
【0050】
そこで、本実施の形態の管理サーバー100では、PC21から受けた条件に応じて、当該条件に適した画像処理装置10の選択に際し、有用な情報(順位情報)を解析し、返信するようにしている。PC21のモニタには、管理サーバー100から返信された順位情報が報知(表示)される。
【0051】
すなわち、管理サーバー100は、前記仕様情報及び処理情報を集約し、少なくとも以下に示す2種類の報知形態によって、順位情報(機能項目の優劣に関する情報)をユーザーに報知している。この報知は、機能項目に関する情報の取得を要求してきたPC21に返信することを前提としている。なお、報知形態は、PC21側で選択可能としてもよい。
【0052】
(1) 報知形態1「条件に応じた選定」
報知形態1では、PC21と管理サーバー100との間で情報の要求及び回答が実行される。
【0053】
すなわち、PC21において、例えば、画像情報を画像処理装置10に送信して画像形成(プリント)を指示しようとするとき、管理サーバー100に対して、必要とする機能項目、並びに、必要に応じて、画像処理装置10の選択情報を指定する。選択情報とは、ユーザーが予め優劣を付けることを要求する画像処理装置10を選択しておくことである。例えば、予め定めた距離の範囲内に設置されている画像処理装置を候補として選択する。
【0054】
前記条件(機能項目、並びに、選択情報が付加される場合がある)を受け付けた管理サーバー100では、条件として指定された機能項目に基づいて、画像処理装置10の優劣を決定し、決定した優劣の情報を、画像処理装置10の選択を要求してきたPC21へ返信する。
【0055】
優劣の情報の一例としては、
図8に示される如く、PC21のモニタ21Mに表形式で表示(表画像102)するのが最も簡易的である。
【0056】
図8に示す表画像102は、最上行が機能項目表示領域102A、最左列が順位を示す数字が表示される順位表示領域102B、各順位表示領域の各行が特定情報表示領域102Cとなっている。
【0057】
機能項目表示領域102Aには、ユーザーが指定した条件に相当する機能項目のランキングであること(
図8では、空き状況ランキングであること)が表示される。また、特定情報表示領域102Cには、優劣が決定した画像処理装置10を特定する情報(識別情報、或いは、ユーザーが決めた号機番号、機種名でもよく、
図8では号機番号の表示例を図示した。)が表示される。
【0058】
なお、
図8に示す表画像102の最右列には、備考表示領域102Dが設けられ、例えば、送信元のPC21の特定、選択情報の有無といった付加情報が表示される場合がある。
【0059】
表示の一例としては、
図8に示される如く、「ユーザー○○様PCから要求がありました、半径20メートル以内の画像処理装置を対象としてランキングしました」といったメッセージを表示することが可能である。なお、備考表示領域102Dは、PC21からの要求に対する応答メッセージ表示に限定されるものではなく、突発的な情報(緊急停止機器の報知を含む)を表示してもよい。
【0060】
或いは、空き状況でランキングした順位に対する付加価値、例えば、「○○号機が最も近い位置にあります」といったメッセージを表示するようにしてよい。
【0061】
(2)報知形態2「複数の機能項目の優劣表示(レーダーチャート)
報知形態2では、PC21と管理サーバー100との間で情報の要求及び回答が実行される。
【0062】
報知形態2では、条件として、PC21側から機能項目を指定せず、複数の機能項目のランキングの一覧として表示するようにしている。
【0063】
管理サーバー100では、回答として、PC21から指定された機能項目毎の優劣がわかる情報として、チャートデータを送信する。
【0064】
当該チャートデータを受信したPC21のモニタ21Aには、例えば、
図9に示す表画像104が表示されると共に、各機能項目毎の上位ランキング機種が表形式で報知されるようになっている。
【0065】
表画像104の一例としては、
図9に示される如く、レーダーチャートが適用されている。レーダーチャートは、一点を中心として、当該中心周りに機能項目の数に分割された放射方向の線上に付与された目盛に対し、それぞれ優劣度合いをプロットし、当該プロットを直線で結んだ画像の形状を表示するものであり、機能項目の優劣を個別のグラフで報知するよりも、機能項目相互の優劣が比較し易いのが特徴である。
【0066】
図9に示す表画像104は、最上行がランキングする機能項目表示領域104Aであり、
図9では、左から順に、処理速度、画質、安定稼働状態、消耗品、空き状況の各機能項目が割り当てられている。
【0067】
また、
図9に示す表示画像104は、最左列が順位を示す数字が表示される順位表示領域104B、各順位表示領域104Bの各行がチャート画像表示領域104Cとなっており、チャート画像表示領域104Cには、前記レーダーチャートが表示される。
【0068】
報知形態2では、管理サーバー100側から特定の画像処理装置10を選択して表示するのではなく、複数の機能項目毎に優劣を付けた一覧表を表示するものであり、画像処理装置10の選択はPC21側(すなわち、ユーザー側)に委ねられることになる。なお、機能項目はユーザーから指定可能としてもよい。
【0069】
「処理状況の更新」
管理サーバー100では、それぞれの画像処理装置10から処理に関する情報(処理状況情報)の通知を受けるようになっている。
【0070】
すなわち、前述した静的機能項目は固定的な情報であるが、動的機能項目は変動する情報であるため、適宜更新する必要がある。そこで、本実施の形態では、例えば、更新時期になると、管理サーバー100から更新時期に該当する画像処理装置10に対して、更新を要求するようになっている。なお、更新時期は、毎日、毎時といった定期的でもよいし、不定期でもよい。
【0071】
管理サーバー100側で定期的に各画像処理装置10に対して、処理状況を要求する場合、当該要求を受けた画像処理装置10側では、現在の処理状況(すなわち、画像処理装置10毎の消耗品残量、空き状況、故障に関する情報)を管理サーバー100へ通知する。管理サーバー100では、通知を受けた現在の処理状況に応じて処理状況を更新する。
【0072】
なお、管理サーバー100からの要求によらず、画像処理装置10側で、機能項目に該当する状況が、予め定めた変動量を超えた時点で(例えば、消耗品の残量が一定量変化する毎に)、画像処理装置10側から更新情報を送信するようにしてもよい。
【0073】
これにより、管理サーバー100では、各画像処理装置10に対して、最新の処理状況情報を一括管理することが可能となる。
【0074】
図4は、管理サーバー100において、仕様情報及び処理情報を集約し、機能項目の優劣に関する情報をユーザーに報知するための制御に特化した機能ブロックである。なお、
図4の各ブロックは、管理サーバー100のハード構成を限定するものではない。
【0075】
図4に示される如く、管理サーバー100は、大きく分けて4つの処理系統を備えている。
【0076】
(処理系統1) 通信回線網20との通信を行う処理系統であり、
図4の白抜き矢印で示す共通通信ラインに沿って処理が実行される。
【0077】
(処理系統2) 処理状況を更新(すなわち、動的機能項目の状態を更新)する処理系統であり、
図4の点線矢印で示す処理状況更新ラインに沿って処理が実行される。
【0078】
(処理系統3) 画像処理装置10の処状況を要求する処理系統であり、
図4の一点鎖線矢印で示す処理状況要求ラインに沿って処理が実行される。
【0079】
(処理系統4) PC21からの要求に応じて順位を通知する処理系統であり、
図4の実線矢印で示す順位要求・通知ラインに沿って処理が実行される。
【0080】
(共通通信ライン)
図4に示される如く、管理サーバー100は、I/F100Hを介して、通信回線網20に接続されている。
【0081】
I/F100Hは、通信部106に接続され、管理サーバー100と通信回線網20に接続されている画像処理装置10及びPC21との通信を可能としている。通信部106は、受付部108及び送出部110に接続されている。
【0082】
受付部108は、I/F100Hを介して通信回線網20から受けた情報を受け付ける。一方、送出部110は、管理サーバー100で生成された情報をI/F100Hを介して通信回線網20へ送出する。
【0083】
受付部108は、送信元判別部112に接続されている。送信元判別部112では、受け付けた情報の送信元が、画像処理装置10であるのか、PC21であるのかを判別する。
【0084】
(処理状況更新ライン)
図4に示される如く、送信元判別部112では、画像処理装置10が送信元であると判別すると、当該受け付けた情報を画像処理装置特定部114へ送出する。
【0085】
画像処理装置10から送られる情報は、当該画像処理装置を特定する識別情報(ID)と処理状況情報である。
【0086】
画像処理装置特定部114は、ID−画像処理装置テーブル記憶部116に接続されている。ここで、画像処理装置特定部114では、画像処理装置10から受けた情報の中から識別情報(ID)を抽出し、前記ID−画像処理装置テーブル記憶部116に記憶されたID−画像処理装置テーブルに基づいて、画像処理装置10を特定する。
【0087】
画像処理装置特定部114は、処理状況情報管理部118に接続され、この処理状況情報管理部118へ識別情報(ID)と処理状況情報とを関連付けて送出する。
【0088】
処理状況情報管理部118では、通信回線網20に接続されている画像処理装置10の処理状況を一括管理する役目を有している。
【0089】
すなわち、処理状況管理部118では、前述した動的機能項目の順位を決定するための処理状況(すなわち、画像処理装置10毎の消耗品残量、空き状況、故障に関する情報)を管理している。
【0090】
(処理状況要求ライン)
また、処理状況情報管理部118は、処理状況要求部120に接続されている。処理状況要求部120では、処理状況情報管理部118で管理されている全ての画像処理装置10に対して個別に定期的な処理状況要求を行う。
【0091】
すなわち、それぞれの画像処理装置10に設定された期日になると、該当する画像処理装置10に向けて、送出部110(及び通信部106、I/F100H)を介して、処理状況を要求する命令を送出する。
【0092】
なお、この定期的な処理状況要求は、画像処理装置10側から処理状況に関する情報を一方的に通知してくる場合を否定するものではなく、両者を並行して実行することも可能である。
【0093】
(順位要求・通知ライン)
図4に示される如く、前記送信元判別部112では、PC21が送信元であると判別すると、当該受け付けた情報を比較対象選択部122へ送出する。
【0094】
PC21から送られる情報は、PCを特定する情報と、特定の条件に適した画像処理装置10の抽出条件に関する情報である。
【0095】
比較対象選択部122は、画像処理装置抽出部124に接続されており、PCを特定する情報を送出する。PC21を特定する情報は、当該PC21を利用するユーザーが利用可能な画像処理装置10を抽出するために適用される。
【0096】
なお、この抽出は、PC21側から適宜設定してもよい。例えば、遠近に関わらず抽出を希望してもよいし、同一フロアに限定した中から抽出を希望してもよい。
【0097】
画像処理装置抽出部124は、PC21を特定する情報と抽出条件とに基づいて、画像処理装置10の識別情報(ID)を抽出する。
【0098】
画像処理装置抽出部124は、静的機能項目読出部126及び動的機能項目読出部128に接続されている。
【0099】
静的機能項目読出部126は、ID−仕様情報テーブル記憶部130に接続され、選択された画像処理装置10の識別情報(ID)に基づいて、ID−仕様情報テーブルから静的機能項目の生成に適用される仕様情報を取得し、順位付け解析部132に送出する。
【0100】
また、動的機能項目読出部128は、前記処理状況情報管理部118に接続され、抽出された画像処理装置10の識別情報(ID)に基づいて、動的機能項目の生成に適用される処理状況情報を取得し、順位付け解析部132に送出する。
【0101】
順位付け解析部132では、静的機能項目として、画像処理装置10の処理速度、画質に基づいて順位付けがなされ、動的機能項目として、安定稼働、消耗品残量、空き状況に基づいて順位付けがなされる、
順位付け解析部132において、順位付けが完了すると、当該順位付けに関する情報が報知情報生成部134に送出される。報知情報生成部134では、前述した報知形態1又は報知形態2を選択して、報知情報を生成し、送出部110へ送る。
【0102】
送出部110では、要求を受けたPC21に対して報知情報を送出するように通信部106へ指示し、I/D100Hを介して通信を実行する。
【0103】
以下に本実施の形態の作用を説明する。
【0104】
「基本設定」
図5は、管理サーバー100において、通信回線網20に接続された画像処理装置10のそれぞれの仕様情報を登録するための基本設定制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0105】
ステップ200では、画像処理装置10から登録要請があったか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
【0106】
また、ステップ200で肯定判定されると、ステップ202へ移行して、登録要請に関する情報の中から画像処理装置10を特定する識別情報(ID)を読み出し、ステップ204へ移行する。
【0107】
ステップ204では、読み出したIDに基づいて、画像処理装置10の仕様情報を検索する。なお、管理サーバー100には、全機種の画像処理装置10の仕様情報が記憶されていることが好ましいが、必要に応じて、メーカーサイトへアクセスして、仕様情報取得するようにしてもよい。
【0108】
次のステップ206では、IDに関連付けて、仕様情報、並びに、登録要請のあった画像処理装置10の設置場所情報を登録し、このルーチンは終了する。
【0109】
なお、
図5に示すフローチャートでは、新規登録要請に限定されるものではなく、オプション機器の着脱、機種交換、部品交換の際に登録された情報を更新するようにしてもよい。
【0110】
「処理状況の更新」
図6は、処理状況更新制御ルーチンを示すフローチャートであり、
図6(A)は、動的機能項目に対応する最新の処理状況を画像処理装置10に要求する制御を実行するための手順を示すフローチャートであり、
図6(B)は、動的機能項目に対応する処理状況を、画像処理装置10から通知された処理状況に基づいて更新するための手順を示すフローチャートである。
【0111】
図6(A)のステップ210では、更新時期の画像処理装置10が存在するか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
【0112】
また、ステップ210で肯定判定されると、ステップ212へ移行して、更新要求する画像処理装置10を選択して、ステップ214へ移行する。
【0113】
ステップ214では、選択されたそれぞれの画像処理装置10に対して、処理状況の更新を要求し、このルーチンは終了する。
【0114】
一方、
図6(B)のステップ216では、画像処理装置10から処理状況の更新通知があったか否かが判断され、このステップ216で否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
【0115】
ステップ216における処理状況の更新通知は、
図6(A)のフローチャートのステップ214で実行した更新要求に対する返信の場合、或いは、管理サーバー100からの更新要求によらず、画像処理装置10側から処理状況の更新が通知される場合の何れも含む。
【0116】
ここで、ステップ216で肯定判定されると、ステップ218へ移行して、送信元の画像処理装置10を特定し、次いでステップ220へ移行して、特定した画像処理装置10に関する処理状況の更新処理を実行し、このルーチンは終了する。
【0117】
「順位情報の報知」
図7は、PC21からの要求に応じて、順位情報を報知するための順位情報報知制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0118】
ステップ250では、PC21から順位情報の要求があったか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。
【0119】
また、ステップ250で肯定判定されると、ステップ252へ移行して、順位情報を要求したPC21を特定し、ステップ254へ移行する。
【0120】
ステップ254では、特定したPC21に基づき、対象の画像処理装置10を抽出し、次いで、ステップ256へ移行して対象の画像処理装置10の静的機能項目を読み出す。静的機能項目とは、処理速度、画質といった固定的な機能である。
【0121】
次のステップ258では、対象の画像処理装置10の動的機能項目を読み出す。動的機能項目とは、安定稼働状況(故障の有無)、消耗品状況(残量)、空き状況といった変動的な機能である。
【0122】
次のステップ260では、前記ステップ256で読み出した静的機能項目と、前記ステップ258で読み出した動的機能項目とに基づいて、対象の画像処理装置10に対して順位を解析して、ステップ262へ移行する。
【0123】
ステップ262では、順位を報知する機能項目の指定があるか否かが判断される。
【0124】
このステップ262で肯定判定されると、複数の機能項目の中から、ユーザーが特定の機能項目の下での順位を希望していると判断し、ステップ264へ移行して、報知形態1に基づく画像(
図8に示す表示画像102)を生成する。
【0125】
ステップ264で報知形態1に基づく表示画像102が生成されると、ステップ268へ移行して、当該表示画像情報が順位情報を要求したPC21に通知され、このルーチンは終了する。
【0126】
図8は、報知形態1に基づく表示画像102の一例であり、ユーザーが機能項目として、「空き状況」を指定した場合を示しており、機能項目表示領域102Aに、空き状況ランキングであることが表示される。また、特定情報表示領域102Cには、優劣が決定した画像処理装置10が上から順位に従って表示される(号機番号の表示)。
【0127】
このとき、備考表示領域102Dには、一例として、「ユーザー○○様PCから要求がありました、半径20メートル以内の画像処理装置を対象としてランキングしました」といったメッセージを表示することが可能である。
【0128】
一方、ステップ262で否定判定されると、ユーザーから機能項目の指定がないと判断し、ステップ266へ移行して、報知形態2に基づく画像(
図9に示す表示画像104)を生成する。
【0129】
ステップ266で報知形態2に基づく表示画像104が生成されると、ステップ268へ移行して、当該表示画像情報が順位情報を要求したPC21に通知され、このルーチンは終了する。
【0130】
図9は、報知形態2に基づく表示画像102の一例であり、レーダーチャート画像で、複数の機能項目の優劣を表現している。機能項目表示領域104Aには、左から順に、処理速度、画質、安定稼働状態、消耗品、空き状況の各機能項目が割り当てられ、チャート画像表示領域104Cには、それぞれの機能項目に対して上から順に優位となるレーダーチャートが表示される。
【0131】
なお、本実施の形態では、PC21に対して、
図8に示す表画像102、或いは、
図9に示す表画像104を表示するようにしたが、選択後のサービスとして、
図10に示される如く、PC21のモニタ21Mに、当該PC21から、このPC21で選択した画像処理装置10までのルートマップ画像105を表示するようにしてもよい(変形例1)。
【0132】
また、本実施の形態、すなわち、
図8〜
図10に示す表示形態は、ユーザーのPC21のモニタ21Mに表示する形態を示したが、各画像処理装置10から取得した情報に基づいて、メンテナンスを担当する者(例えば、SE等)を対象とした画像を生成してもよい(変形例2)。例えば、
図11に示される如く、変形例2では、SEが所有するPCのモニタ21Mに、予め定めた期間(所定期間)の各画像処理装置の稼働状況のランキングを示すメンテナンス画像107を表示する。
【0133】
この
図11のメンテナンス画像107では、例えば、左列から順に順位、号機名、利用頻度、処理枚数、曜日別稼働時間、白黒/カラー枚数を表示する欄となっている。なお、この表示欄は、利用者が所望する内容を選択して表示すればよく、
図11のメンテナンス画像107の表示形態に限定されるものではない。言い換えれば、複数の画像処理装置10から取得した所謂ビッグデータの解析によって、必要な情報をランキング形式で表示することで、例えば、ユーザーにとってはプリントするのに最適な画像処理装置の選択が可能であり、SEにとってはメンテナンスを必要とする画像処理装置10の選択が可能となる。
【0134】
本実施の形態によれば、複数の画像処理装置10を管理サーバーで一括に管理する際、PC21から順位情報の要求があったときに、処理速度や画質といった固定的な情報と、安定稼働状況、消耗品状態、空き状況といった変動的な情報とを集約して順位を解析し、要求してきたPC21に対して通知しており、一括管理される画像処理装置10と、この画像処理装置10を利用するユーザー(PC21)を対象として、情報(所謂ビッグデータ)の有効活用が可能となる。
【0135】
ユーザーは、この表示画像(
図8の表示画像102又は
図9の表示画像104)を見て、自身で最適と思われる画像処理装置10を選択する。これにより、プリントを指示したにも関わらず、待機状態が続いて、所望の時刻までにプリントできない、或いは、大量のプリントを指示した場合に処理途中で消耗品が切れてしまいプリントが停滞する、といった作業効率低下が防止される。また、プリント内容に応じて、所望の画質でのプリントが可能となり、複数の画像処理装置10の使い勝手が向上する。