(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
道路に沿って立設された剛性防護柵への外装板の取り付け構造であって、該剛性防護柵の頂部に設けられて前記道路に沿う方向に延びる頂部梁部材と、該頂部梁部材に取り付けられた外装板と、を備えてなり、
前記頂部梁部材は、
前記剛性防護柵の頂部の両側面を挟み込むように対向する挟み込み部と、
前記剛性防護柵の頂部よりも上方に配置されて前記対向する挟み込み部同士を連結する連結部と、
前記連結部よりも上方に立設されて前記道路に沿う方向に延び、かつ、前記連結部に連結されている立設部と、
を有し、
かつ、前記頂部梁部材は、前記剛性防護柵の頂部に埋め込まれたアンカーによって前記剛性防護柵に取り付けられており、
前記外装板は前記立設部に取り付けられていて、前記剛性防護柵の側面および上面のうち少なくとも側面に沿うように配置されていることを特徴とする剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
前記頂部梁部材は、第1の梁部材および第2の梁部材を備えてなり、前記第1の梁部材は上下方向の板状部および水平方向の板状部を有し、前記第2の梁部材は上下方向の板状部および水平方向の板状部を有し、
前記頂部梁部材の前記挟み込み部は、前記第1の梁部材の前記上下方向の板状部および前記第2の梁部材の前記上下方向の板状部を有してなり、
前記頂部梁部材の前記連結部は、前記第1の梁部材の前記水平方向の板状部および前記第2の梁部材の前記水平方向の板状部の少なくとも一部を有してなることを特徴とする請求項1に記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
前記頂部梁部材は、第1の梁部材および第2の梁部材を備えてなり、前記第1の梁部材は前記剛性防護柵の両側面のうちの一方の側面に沿う板状部および水平方向の板状部を有し、また、前記第2の梁部材は前記剛性防護柵の両側面のうちの他方の側面に沿う板状部および水平方向の板状部を有し、
前記頂部梁部材の前記挟み込み部は、前記第1の梁部材の前記一方の側面に沿う板状部および前記第2の梁部材の前記他方の側面に沿う板状部を有してなり、
前記頂部梁部材の前記連結部は、前記第1の梁部材の前記水平方向の板状部および前記第2の梁部材の前記水平方向の板状部の少なくとも一部を有してなることを特徴とする請求項1に記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
前記アンカーは前記剛性防護柵の頂部に1列に設けられており、かつ、隣り合う前記アンカー同士の間隔は500mm以上1500mm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
前記連結部には、前記剛性防護柵の延びる方向に長くなっている長孔が上下方向に貫通するように設けられており、前記アンカーは前記長孔を挿通していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
前記連結部よりも上方に立設されて、かつ、前記道路に沿う方向と略直交するように配置された板状の補強部をさらに有し、該板状の補強部は前記連結部および前記立設部と連結されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
前記板状の補強部には前記道路に沿う方向と略平行な方向に貫通孔が設けられており、該貫通孔にはワイヤが挿通されていることを特徴とする請求項6に記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
前記連結部には上下方向に移動可能な高さ調整部材が取り付けられており、該高さ調整部材の下端は前記連結部の下端よりも下方に突出可能であることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
前記頂部梁部材は、前記剛性防護柵の延びる方向に分割して切り離すことができ、かつ、交換可能であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
前記長方形状の枠体の外側に取り付けられた前記第1の外装板は、その上端部が前記連結部よりも上方に達しており、前記連結部よりも上方に達している前記上端部のうちの少なくとも一部の部位は前記剛性防護柵の側へ折り曲げられており、
前記剛性防護柵の側へ折り曲げられた前記部位の上側の面にはリング状の部材が設けられており、該リング状の部材にはワイヤが挿通されていることを特徴とする請求項12に記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
前記第1の外装板は、前記剛性防護柵の延びる方向に分割して切り離すことができ、かつ、交換可能であることを特徴とする請求項12〜14のいずれかに記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
前記第2の外装板は、前記剛性防護柵の延びる方向に分割して切り離すことができ、かつ、交換可能であることを特徴とする請求項17に記載の剛性防護柵への外装板の取り付け構造。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、かかる状況に鑑みてなされたものであって、剛性防護柵に外装板を、短工期かつ低コストで、安定的に取り付けることが可能な剛性防護柵への外装板の取り付け構造を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、以下の剛性防護柵への外装板の取り付け構造により、前記課題を解決したものである。
【0011】
即ち、本発明に係る剛性防護柵への外装板の取り付け構造は、道路に沿って立設された剛性防護柵への外装板の取り付け構造であって、該剛性防護柵の頂部に設けられて前記道路に沿う方向に延びる頂部梁部材と、該頂部梁部材に取り付けられた外装板と、を備えてなり、前記頂部梁部材は、前記剛性防護柵の頂部の両側面を挟み込むように対向する挟み込み部と、前記剛性防護柵の頂部よりも上方に配置されて前記対向する挟み込み部同士を連結する連結部と、前記連結部よりも上方に立設されて前記道路に沿う方向に延び、かつ、前記連結部に連結されている立設部と、を有し、かつ、前記頂部梁部材は、前記剛性防護柵の頂部に埋め込まれたアンカーによって前記剛性防護柵に取り付けられており、前記外装板は前記立設部に取り付けられていて、前記剛性防護柵の側面および上面のうち少なくとも側面に沿うように配置されていることを特徴とする剛性防護柵への外装板の取り付け構造である。
【0012】
なお、本願において「道路に沿う方向」とは「道路の延びる方向」のことであり、両者は同一の方向を意味している。また、本願において、剛性防護柵は道路に沿って立設されているので、「剛性防護柵の延びる方向」は、「道路に沿う方向」および「道路の延びる方向」と同一の方向である。
【0013】
また、「剛性防護柵の頂部」とは、剛性防護柵の部位のうち、上面を含む上端部の部位のことであり、その部位の両側面を前記頂部梁部材の前記挟み込み部が直接または間接に挟み込むことができる部位のことである。ここで、「直接または間接に挟み込む」とは、直接に接して挟み込む場合だけでなく、例えば形状追従性のあるシート材料等を介在させて挟み込む場合も含む概念である。
【0014】
道路に沿って立設された前記剛性防護柵は、道路の横断方向端部または中央分離帯に立設されていることが多い。
【0015】
前記剛性防護柵への外装板の取り付け構造において、前記頂部梁部材は、第1の梁部材および第2の梁部材を備えてなり、前記第1の梁部材は上下方向の板状部および水平方向の板状部を有し、前記第2の梁部材は上下方向の板状部および水平方向の板状部を有し、前記頂部梁部材の前記挟み込み部は、前記第1の梁部材の前記上下方向の板状部および前記第2の梁部材の前記上下方向の板状部を有してなり、前記頂部梁部材の前記連結部は、前記第1の梁部材の前記水平方向の板状部および前記第2の梁部材の前記水平方向の板状部の少なくとも一部を有してなるように構成してもよい。
【0016】
また、前記剛性防護柵への外装板の取り付け構造において、前記頂部梁部材は、第1の梁部材および第2の梁部材を備えてなり、前記第1の梁部材は前記剛性防護柵の両側面のうちの一方の側面に沿う板状部および水平方向の板状部を有し、また、前記第2の梁部材は前記剛性防護柵の両側面のうちの他方の側面に沿う板状部および水平方向の板状部を有し、前記頂部梁部材の前記挟み込み部は、前記第1の梁部材の前記一方の側面に沿う板状部および前記第2の梁部材の前記他方の側面に沿う板状部を有してなり、前記頂部梁部材の前記連結部は、前記第1の梁部材の前記水平方向の板状部および前記第2の梁部材の前記水平方向の板状部の少なくとも一部を有してなるように構成してもよい。
【0017】
前記剛性防護柵への外装板の取り付け構造においては、安全性を確認した上で、前記アンカーを前記剛性防護柵の頂部に1列に設け、かつ、隣り合う前記アンカー同士の間隔を500mm以上1500mm以下としてもよい。
【0018】
前記連結部に、前記剛性防護柵の延びる方向に長くなっている長孔を上下方向に貫通するように設け、前記アンカーが前記長孔を挿通しているように構成してもよい。
【0019】
前記連結部よりも上方に立設されて、かつ、前記道路に沿う方向と略直交するように配置された板状の補強部をさらに備えさせ、該板状の補強部が前記連結部および前記立設部と連結されているように前記剛性防護柵への外装板の取り付け構造を構成してもよい。
【0020】
ここで、前記立設部は道路に沿う方向に延びているので、前記道路に沿う方向と略直交するように配置された板状の補強部は、前記立設部と略直交している。
【0021】
前記板状の補強部に前記道路に沿う方向と略平行な方向に貫通孔を設け、該貫通孔にワイヤを挿通するように前記剛性防護柵への外装板の取り付け構造を構成してもよい。
【0022】
前記連結部に上下方向に移動可能な高さ調整部材を取り付け、該高さ調整部材の下端が前記連結部の下端よりも下方に突出可能であるように前記剛性防護柵への外装板の取り付け構造を構成してもよい。
【0023】
前記高さ調整部材は、例えばボルトを用いてもよい。
【0024】
前記頂部梁部材は、前記剛性防護柵の延びる方向に分割して切り離すことができ、かつ、交換可能であるようにしておくことが、維持管理の点から好ましい。
【0025】
前記頂部梁部材は、鋼製としてもよい。また、前記頂部梁部材は、鋼板からビルドアップして作製した鋼材であっても、形鋼であってもいずれでもよい。
【0026】
前記剛性防護柵への外装板の取り付け構造において、前記外装板が、前記剛性防護柵の外側面に沿う面を有する第1の外装板と、前記剛性防護柵の内側面に沿う面を有する第2の外装板と、に分割されており、一方、前記剛性防護柵への外装板の取り付け構造が、さらに、前記剛性防護柵の外側面に沿って配置されており、かつ、上部が前記頂部梁部材と連結されている複数の吊部材と、複数の前記吊部材の下部に取り付けられており、かつ、水平方向に延びる下部水平部材と、を備え、前記頂部梁部材、前記複数の吊部材、および前記下部水平部材が、長方形状の枠体を形成しており、前記外装板のうち、前記第1の外装板が、前記長方形状の枠体の外側に取り付けられているように構成してもよい。
【0027】
ここで、「剛性防護柵の外側面」とは、剛性防護柵の側面のうち道路と反対側の側面のことであり、「剛性防護柵の内側面」とは、剛性防護柵の側面のうち道路側の側面のことである。
【0028】
また、「長方形状の枠体の外側」とは、当該長方形状の枠体を四辺とする仮想的な長方形状の平板において、剛性防護柵とは反対側の面の側のことである。
【0029】
前記剛性防護柵への外装板の取り付け構造において、前記長方形状の枠体の外側に取り付けられた前記第1の外装板は、その上端部が前記連結部よりも上方に達しており、前記連結部よりも上方に達している前記上端部のうちの少なくとも一部の部位は前記剛性防護柵の側へ折り曲げられており、前記剛性防護柵の側へ折り曲げられた前記部位の上側の面にはリング状の部材が設けられており、該リング状の部材にはワイヤが挿通されているように構成してもよい。
【0030】
前記剛性防護柵への外装板の取り付け構造において、前記長方形状の枠体の外側に取り付けられた前記第1の外装板の下端部に水切り構造をさらに備えさせ、該水切り構造が、前記第1の外装板のうちの前記剛性防護柵の外側面に沿う部位の最下部と連結していて下方に突起した突起部と、前記突起部と連結していて前記剛性防護柵の側へ斜め下方に延びる傾斜部と、前記傾斜部の最下部と連結していて略鉛直方向下向きに延びる鉛直部と、を有するように構成してもよい。
【0031】
前記第1の外装板は、前記剛性防護柵の延びる方向に分割して切り離すことができ、かつ、交換可能であるようにしておくことが、維持管理の点から好ましい。
【0032】
前記複数の吊部材および前記下部水平部材は、いずれも鋼製としてもよい。
【0033】
前記剛性防護柵が前記道路に沿って設けられた地覆上に立設されている場合、前記外装板を、前記剛性防護柵の外側面に沿う面を有する第1の外装板と、前記剛性防護柵の内側面に沿う面を有する第2の外装板と、に分割し、前記外装板のうち、前記第2の外装板を、前記頂部梁部材の前記立設部に取り付けるとともに、前記地覆の上面にも取り付けるように構成してもよい。
【0034】
前記第2の外装板は、前記剛性防護柵の延びる方向に分割して切り離すことができ、かつ、交換可能であるようにしておくことが、維持管理の点から好ましい。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、剛性防護柵に外装板を、短工期かつ低コストで、安定的に取り付けることが可能であり、施工の際に産業廃棄物もほとんど発生しない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る剛性防護柵への外装板の取り付け構造40を詳細に説明するが、
図1および
図7に示すように、本発明の実施形態に係る剛性防護柵への外装板の取り付け構造40は、下地構造10に外装板42(第1の外装板44および第2の外装板46)を取り付けてなる構造である。
【0038】
そこで、以下では、まず、取り付け構造40のうち、外装板42を取り付けるための下地となる下地構造10について説明し、その後に、外装板42を下地構造10に取り付けて構成される取り付け構造40について説明する。
【0039】
(1)下地構造
図1は本発明の実施形態に係る剛性防護柵への外装板の取り付け構造40の下地構造10を示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図)であり、
図2は下地構造10の頂部梁部材11のうちの頂部鋼材12を剛性防護柵90の延びる方向から見た拡大側面図であり、
図3は下地構造10の頂部梁部材11を上方から見た上面図であり、
図4は下地構造10の高さ調整機構を剛性防護柵90の延びる方向から見た拡大側面図であり、
図5は下地構造10の下部水平鋼材20をその長手方向と直交する方向から見た側面図であり、
図6は下地構造10の枠体22を道路と反対側から見た側面図である。
【0040】
図1に示すように、本第1実施形態の取り付け構造40の下地構造10は、剛性防護柵90の頂部90Aに設けられている頂部梁部材11と、剛性防護柵90の外側面に設けられている部材(吊鋼材(吊部材)18および下部水平鋼材(下部水平部材)20)と、を有してなる。
【0041】
頂部梁部材11は、剛性防護柵90の頂部90Aに埋め込まれたアンカー30によって剛性防護柵90に取り付けられている。頂部梁部材11は、第1の梁部材である頂部鋼材12と、第2の梁部材である上部水平鋼材14と、を有してなる。
【0042】
頂部鋼材12は、水平方向の板状部であるウェブ部12Aと、上下方向に立設された板状部であり道路側に位置する道路側フランジ部12Bと、上下方向に立設された板状部であり道路と反対側に位置する反道路側フランジ部12Cと、補強部12Dと、を有している。ウェブ部12Aは、剛性防護柵90の頂部90Aの上面を覆うように配置されている。道路側フランジ部12Bは細長い長方形状の板状の部材であり、その長手方向が剛性防護柵90の頂部90Aの道路側の側面に沿って水平方向(道路の延びる方向)に延びるように、かつ、その短手方向が上下方向となるように立設されている。反道路側フランジ部12Cは細長い長方形状の板状の部材であり、ウェブ部12Aよりも上方に位置し、その長手方向が剛性防護柵90の延びる方向(道路の延びる方向)に延びるように、かつ、その短手方向が上下方向となるように立設されている。補強部12Dは板状の部材であり、道路側フランジ部12Bと反道路側フランジ部12Cとの間に、道路側フランジ部12Bおよび反道路側フランジ部12Cと直交するように上下方向に立設されている。ここで、反道路側とは、道路と反対側(道路から遠い側)という意味であり、以降の記載においても同様である。
【0043】
図2(頂部鋼材12を剛性防護柵90の延びる方向から見た拡大側面図)に示すように、補強部12Dは、ウェブ部12A、道路側フランジ部12Bのウェブ部12Aよりも上に位置する部位、および反道路側フランジ部12Cと連結している。このため、補強部12Dは、ウェブ部12A、道路側フランジ部12B、反道路側フランジ部12C、および補強部12Dを有してなる頂部鋼材12の強度および剛性を向上させる。
【0044】
また、
図2に示すように、補強部12Dには貫通孔12Eが設けられている。貫通孔12Eにはワイヤ(図示せず)が挿通されており、該ワイヤは複数の補強部12Dの貫通孔12Eに挿通されており、頂部梁部材11が落下することを防止する。
【0045】
図3(頂部梁部材11を上方から見た上面図)に示すように、頂部鋼材12のウェブ部12Aには、剛性防護柵90の延びる方向(道路の延びる方向)に長くなっている長孔12Fが上下方向に貫通するように設けられている。長孔12Fはその短径方向(道路の延びる方向と直交する方向)の長さもアンカー30の軸径の2倍程度あり、道路の延びる方向の位置だけでなく、剛性防護柵90の厚さ方向(道路の延びる方向と直交する方向)の位置も微調整しながら、頂部鋼材12をアンカー30で固定できるようになっている。アンカー30は長孔12Fを挿通しており、アンカー30は押え金具30Aを介して頂部鋼材12のウェブ部12Aを固定する。
【0046】
頂部鋼材12の道路側フランジ部12Bの部位のうちウェブ部12Aよりも下の部位は、後述する上部水平鋼材14の上下方向の板状部14Bとともに、剛性防護柵90の頂部90Aの両側面を挟み込んでおり、挟み込み部を形成している。
【0047】
頂部鋼材12のウェブ部12Aは、頂部鋼材12の道路側フランジ部12Bと上部水平鋼材14の上下方向の板状部14Bとを連結しており、挟み込み部である道路側フランジ部12Bと板状部14Bとを連結する連結部となっている。
【0048】
頂部鋼材12の上面において反道路側(道路から遠い側)には、反道路側フランジ部12Cが立設されている。反道路側フランジ部12Cはウェブ部12Aよりも上方に位置しており、道路側フランジ部12Bのうちのウェブ部12Aよりも上方に位置する部位とともに、剛性防護柵90の延びる方向に沿う2列の板状の立設部を形成している。この2列の板状の立設部(道路側フランジ部12Bのうちのウェブ部12Aよりも上方に位置する部位および反道路側フランジ部12C)は、ウェブ部12Aによって連結されている。
【0049】
反道路側フランジ部12Cには、外装板42(第1の外装板44および第2の外装板46)(
図7および
図8参照)が取り付けられる。詳細は「(2)取り付け構造」のところで後述する。
【0050】
道路側フランジ部12B、反道路側フランジ部12Cおよび上部水平鋼材14の上下方向の板状部14Bは、ウェブ部12Aによって相互に連結されている。また、補強部12Dは、ウェブ部12A、道路側フランジ部12Bのウェブ部12Aよりも上に位置する部位、および反道路側フランジ部12Cと連結して、ウェブ部12A、道路側フランジ部12B、反道路側フランジ部12C、および補強部12Dを有してなる頂部鋼材12の強度および剛性を向上させている。
【0051】
このため、第1の外装板44および第2の外装板46(
図7および
図8参照)が取り付けられる反道路側フランジ部12Cの位置は極めて安定しており、取り付けられた第1の外装板44および第2の外装板46の位置を安定的に保持することができる。
【0052】
反道路側フランジ部12Cの位置の安定性が十分に確保できるのであれば、道路側フランジ部12Bのウェブ部12Aよりも上に位置する部位は省略してもよい。この場合、道路側フランジ部12Bは、ウェブ部12Aよりも下に位置する部位のみを有することになる。また、反道路側フランジ部12Cの位置の安定性が十分に確保できるのであれば、補強部12Dは省略してもよい。ただし、前述したように、補強部12Dに貫通孔12Eを設け、該貫通孔12Eにワイヤ(図示せず)を挿通することにより、頂部梁部材11が落下することを防止することができるので、この点で、補強部12Dは設けておいた方が好ましい。
【0053】
上部水平鋼材14は横断面が山形の形状の細長い鋼材であり、水平方向の板状部14Aと、上下方向の板状部14Bと、上部水平鋼材連結部14Cとからなる。上部水平鋼材連結部14Cは、吊鋼材18との連結部となる鋼板であり、水平方向の板状部14Aおよび上下方向の板状部14Bと直交するように、水平方向の板状部14Aおよび上下方向の板状部14Bと溶接により連結されている。
【0054】
上部水平鋼材14は、その長手方向が剛性防護柵90の延びる方向(道路の延びる方向)となるように配置されており、水平方向の板状部14Aが、ボルト16Aとナット16Bにより頂部鋼材12のウェブ部12Aに取り付けられている。また、
図3に示すように、ボルト16Aが差し込まれる頂部鋼材12のウェブ部12Aに設けられた貫通孔(長孔12G)は剛性防護柵90の厚さ方向(道路に沿う方向と直交する方向)に長い長孔になっており、剛性防護柵90の頂部90Aの厚さに合わせて上部水平鋼材14の取り付け位置を調整しながら、頂部鋼材12の道路側フランジ部12Bと上部水平鋼材14の上下方向の板状部14Bとの間に剛性防護柵90の頂部90Aを挟み込むことができるようになっている。このようにして、上部水平鋼材14を頂部鋼材12に取り付けながら、下地構造10の全体を剛性防護柵90の頂部90Aに取り付けることができるようになっている。
【0055】
その結果、頂部鋼材12の道路側フランジ部12Bと上部水平鋼材14の上下方向の板状部14Bが、剛性防護柵90の頂部90Aの両側面を挟み込む挟み込み部を形成し、頂部鋼材12の水平部分(ウェブ部12A)が、対向する挟み込み部(頂部鋼材12の道路側フランジ部12Bと上部水平鋼材14の上下方向の板状部14B)同士を連結する連結部を形成している。
【0056】
したがって、下地構造10においては、頂部鋼材12が剛性防護柵90の頂部90Aを覆うように、かつ、頂部鋼材12の道路側フランジ部12Bが剛性防護柵90の頂部90Aの側面のうちの一方の側面(道路側の側面)に沿って水平方向に延びるように取り付けられているとともに、上部水平鋼材14の上下方向の板状部14Bが、剛性防護柵90の頂部90Aの側面のうちの他方の側面(道路と反対側の側面)に沿って水平方向に延びるように取り付けられている。
【0057】
下地構造10は、頂部鋼材12の道路側フランジ部12Bと上部水平鋼材14の上下方向の板状部14Bとの間に剛性防護柵90の頂部90Aを挟み込むように、剛性防護柵90の頂部90Aに取り付けられているので、頂部梁部材11を剛性防護柵90に取り付けるアンカー30の数を少なくすることができ、剛性防護柵90の頂部90Aに埋め込まれたアンカー30は、剛性防護柵90の頂部90Aに1列に設ければよく、かつ、隣り合うアンカー30同士の間隔は500mm以上1500mm以下のように大きくすることができる。
【0058】
したがって、下地構造10を用いた取り付け構造である本実施形態に係る取り付け構造40においては、アンカー30を設置するために剛性防護柵90の鉄筋位置を探索する手間は少なく済み、剛性防護柵90の頂部90Aの一部の範囲についてのみ鉄筋位置を探索すればよく、また、埋め込むアンカー30の本数も少なくて済むので、工期を短くすることができ、工事費も少なくすることができる。
【0059】
また、
図3に示すように、頂部鋼材12は、道路に沿う方向に所定の長さ(例えば900mm〜1000mm程度の長さ)に分割されており、連結用鋼板52およびボルト52Aを用いて剛性防護柵90の延びる方向(道路に沿う方向)に機械的に連結されている。上部水平鋼材14も、道路に沿う方向に所定の長さ(例えば900mm〜1000mm程度の長さ)に分割されており、頂部鋼材12のウェブ部12A、連結用鋼板54およびボルト54Aを用いて剛性防護柵90の延びる方向(道路に沿う方向)に機械的に連結されている。このため、頂部鋼材12および上部水平鋼材14は、剛性防護柵90の延びる方向に分割して切り離すことができ、かつ、交換可能である。ただし、
図3に示すように、頂部鋼材12同士の連結部と上部水平鋼材14同士の連結部とは重ならないようになっており、頂部鋼材12の分割されている部位と、上部水平鋼材14の分割されている部位とが重ならないようになっている。
【0060】
頂部梁部材11をこのように剛性防護柵90の延びる方向(道路に沿う方向)に分割された構成とすることにより、車両の衝突により損傷を受けた場合であっても、損傷を受けた頂部梁部材11のみを容易に交換することが可能となり、車両の衝突後の復旧費用および復旧に要する時間を低減させることができる。施工性のことも考慮すると、頂部鋼材12および上部水平鋼材14の長さ(剛性防護柵90の延びる方向の長さ)は、500mm以上1500mm以下とすることが好ましい。
【0061】
また、下地構造10においては、
図4に示すような高さ調整機構が設けられている。具体的には、頂部鋼材12のウェブ部12Aに溶接ナット56が溶接により取り付けられており、そして、高さ調整部材である高さ調整用ボルト58が上下方向に移動可能に溶接ナット56に取り付けられていて、高さ調整用ボルト58の下端はウェブ部12Aの下面よりも下方に突出できるようになっている。高さ調整用ボルト58の下方への突出量(ウェブ部12Aの下面よりも下方への突出量)は、高さ調整用ボルト58を回転させることにより調整することができ、このため、剛性防護柵90の天端に不陸があったり、ある程度の傾斜があったりしても、高さ調整部材である高さ調整用ボルト58の下方への突出量を調整することにより、下地構造10を剛性防護柵90の頂部90Aに安定的に取り付けることができるようになっている。
【0062】
また、下地構造10では上部水平鋼材14を山形の形状の鋼材としたが、山形の形状の鋼材に限定されるわけではなく、例えば溝形の形状の鋼材としてもよい。また、下地構造10では、上部水平鋼材14を、鋼板からビルドアップして作製した山形の鋼材としたが、形鋼を用いることも可能である。また、剛性防護柵90の頂部90Aの両側面を挟み込むように対向する挟み込み部、および剛性防護柵90の頂部90Aよりも上方に配置されて前記対向する挟み込み部同士を連結する連結部を有していれば、頂部梁部材11の形状は限定されない。
【0063】
また、頂部梁部材11は、鋼製の頂部鋼材12および上部水平鋼材14を有しているが、頂部梁部材11の材質は鋼に限定されるわけではなく、頂部鋼材12および上部水平鋼材14に替えて、鋼製ではない部材を用いてもよい。安全が確認できれば、例えば、コンクリート、高強度プラスチック、FRP等で形成された部材を用いてもよい。また、それらを混在して用いてもよく、また、鋼製の部材とともに用いてもよい。
【0064】
また、頂部鋼材12の道路側フランジ部12Bと上部水平鋼材14の上下方向の板状部14Bとの間に剛性防護柵90の頂部90Aを挟み込む際には、頂部鋼材12の道路側フランジ部12Bと剛性防護柵90の頂部90Aとの間に例えば形状追従性のあるシート材料等を介在させてもよく、また、上部水平鋼材14の上下方向の板状部14Bと剛性防護柵90の頂部90Aとの間に例えば形状追従性のあるシート材料等を介在させてもよい。形状追従性のあるシート材料等を介在させることにより、剛性防護柵90の頂部90Aの側面に多少の凹凸があっても、頂部梁部材11のより安定した取り付けを行うことが可能となる。
【0065】
また、頂部鋼材12の道路側フランジ部12Bと上部水平鋼材14の上下方向の板状部14Bとの間に剛性防護柵90の頂部90Aを挟み込む際には、頂部鋼材12の道路側フランジ部12Bと剛性防護柵90の頂部90Aとの間に接着剤を介在させてもよく、また、上部水平鋼材14の上下方向の板状部14Bと剛性防護柵90の頂部90Aとの間に接着剤を介在させてもよい。接着剤を介在させることにより、剛性防護柵90の頂部90Aの側面に多少の凹凸があっても、頂部梁部材11の安定した取り付けを行うことが可能となるとともに、頂部梁部材11と剛性防護柵90との一体化がより強固になる。
【0066】
以上、剛性防護柵90の頂部90Aに設けられている頂部梁部材11について説明したが、次に、剛性防護柵90の外側面に設けられている部材(吊鋼材18および下部水平鋼材20)について説明する。
【0067】
吊鋼材18は山形の鋼材であり、
図1に示すように、剛性防護柵90の側面に沿って上下方向に配置されている。吊鋼材18の上部は、ボルト14Dにより、上部水平鋼材14の上部水平鋼材連結部14Cと連結しており、吊鋼材18の下部は、ボルト20Eにより、下部水平鋼材20の下部水平鋼材連結部20Bと連結している。
【0068】
下部水平鋼材20は、床版94の横断方向端部の外側の側面に沿って配置されており、かつ、水平方向に延びるように配置されており、
図5に示すように、下部水平鋼材20は、対向板状部20Aと、下部水平鋼材連結部20Bと、リブプレート20Cとを有してなる。対向板状部20Aは対向する2つの細長い長方形状の鋼板であり、その長手方向が水平方向となるように、かつ、その短手方向が水平面と直交するように配置されている。下部水平鋼材連結部20Bおよびリブプレート20Cは、対向板状部20A同士の間を連結する鋼板であり、対向板状部20Aと直交するように、かつ、その平面方向が水平面と直交するように所定の間隔で配置されており、水平面と直交する対向する2辺が溶接により対向板状部20Aにそれぞれ取り付けられている。下部水平鋼材20の下部水平鋼材連結部20Bの上部には剛性防護柵90の厚さ方向に長い長孔20Dが設けられており、下部水平鋼材20は、長孔20Dを挿通するボルト20Eにより、吊鋼材18の下部と連結している。
【0069】
図6は、下地構造10の枠体22を道路と反対側から見た側面図である。
図6に示すように、吊鋼材18の上部が上部水平鋼材14の上部水平鋼材連結部14Cと連結し、吊鋼材18の下部が下部水平鋼材20の下部水平鋼材連結部20Bと連結することで、頂部梁部材11、複数の吊鋼材18、および下部水平鋼材20は、長方形状の枠体22を形成しており、頂部梁部材11、複数の吊鋼材18、および下部水平鋼材20は、相互の位置関係を強固に保持できるようになっており、外装板42(第1の外装板44)の保持を安定的に行うことができるようになっている。吊鋼材18同士の間の間隔は、長方形状の枠体22の形状の安定性を損なわない範囲内で設計により適宜に定めることができるが、具体的には、例えば、500mm程度にすることが考えられる。
【0070】
なお、下部水平鋼材20を、床版94の横断方向端部の外側の側面に取り付けてもよく、その場合には、床版94に損傷を与えないという点で、接着剤を用いて接着することが好ましい。
【0071】
また、本実施形態では吊鋼材18および下部水平鋼材20を用いたが、鋼以外の材質の部材を用いてもよく、例えば、高強度プラスチック、FRP等で形成された部材を用いてもよい。また、それらを混在して用いてもよく、また、鋼製の部材とともに用いてもよい。
【0072】
(2)取り付け構造
図7は本発明の実施形態に係る剛性防護柵への外装板の取り付け構造40を示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図)であり、
図8は、取り付け構造40の頂部(
図7のVIII部)を拡大して示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図)であり、
図9は、取り付け構造40の反道路側の下端部(
図7のIX部)を拡大して示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図)であり、
図10は、取り付け構造40の道路側の下端部(
図7のX部)を拡大して示す横断面図(道路の延びる方向と直交する面で切断した断面図)である。
【0073】
図7および
図8に示すように、剛性防護柵90の外周を覆う外装板42は、剛性防護柵90の外側面に沿う面を有する第1の外装板44と、剛性防護柵90の内側面に沿う面を有する第2の外装板46と、に分割されている。
【0074】
第1の外装板44は、
図7および
図8に示すように、その上端部が、反道路側フランジ部12Cの反道路側の面に、連結部補強用鋼板32を介して取り付け用ボルト34によって取り付けられている。連結部補強用鋼板32は反道路側フランジ部12Cの反道路側の面に取り付けられた鋼材であり、外装板42(第1の外装板44および第2の外装板46)が取り付けられる反道路側フランジ部12Cの部位を補強する鋼材である。
【0075】
また、第1の外装板44の下側寄りの部位が、下部水平鋼材20に連結されている。
図7および
図9に示すように、吊鋼材18の下端部には、下部水平鋼材連結部20Bの長孔20Dに挿通されたボルト20Eによって、下部水平鋼材20の下部水平鋼材連結部20Bが連結されている。さらに、下部水平鋼材連結部20Bの下端部には、連結用鋼板50の上側の長孔50Aに挿通されたボルト50Bによって、連結用鋼板50が連結されている。さらに、連結用鋼板50の下端部には、連結用鋼板50の下側の長孔50Cに挿通されたボルト50Dによって、取り付け用折り曲げ鋼板36が連結されている。そして、第1の外装板44の下端部寄りの位置(水切り構造44Aの傾斜部44C)が、取り付け用ボルト36Aによって取り付け用折り曲げ鋼板36に取り付けられている。即ち、第1の外装板44は、その下端部寄りの位置(水切り構造44Aの傾斜部44C)が、下部水平鋼材20に、取り付け用折り曲げ鋼板36および連結用鋼板50を介して取り付け用ボルト36Aおよびボルト50B、50Dによって取り付けられている。このように、第1の外装板44の上端部が下地構造10の頂部梁部材11の反道路側フランジ部12Cに取り付けられ、下端部寄りの位置(水切り構造44Aの傾斜部44C)が下地構造10の下部水平鋼材20に取り付けられている。一方、前述したように、反道路側フランジ部12Cの位置は安定的に保持されている。また、前述したように、頂部梁部材11、複数の吊鋼材18、および下部水平鋼材20は、長方形状の枠体を形成しており、相互の位置関係を強固に保持できるようになっている。したがって、本実施形態に係る取り付け構造40においては、外装板42(第1の外装板44)の保持を安定的に行うことができる。
【0076】
また、第1の外装板44は、剛性防護柵90の延びる方向(道路に沿う方向)に分割された構成にしている。このように分割された構成とすることにより、車両の衝突により損傷を受けた場合であっても、損傷を受けた第1の外装板44のみを容易に交換することが可能となり、車両の衝突後の復旧費用および復旧に要する時間を低減させることができる。施工性のことも考慮すると、第1の外装板44の長さ(剛性防護柵90の延びる方向の長さ)は、500mm以上1500mm以下とすることが好ましい。
【0077】
第1の外装板44は、
図7および
図8に示すように、その上端部が連結部であるウェブ部12A)よりも上方に達している。連結部(ウェブ部12A)よりも上方に達している第1の外装板44の上端部は剛性防護柵90の側へ折り曲げられており、
図8に示すように、剛性防護柵90の側へ折り曲げられた部位の上側の面にはリング状の部材であるリング48が設けられており、リング48にはワイヤ(図示せず)が挿通されている。これにより、第1の外装板44が落下することが防止されている。第1の外装板44は剛性防護柵90の外側面に設けるので、落下を防止することが特に重要である。
【0078】
また、第1の外装板44は、
図7および
図9に示すように、その下端部に水切り構造44Aを備えている。水切り構造44Aは第1の外装板44と一体的に形成されており、第1の外装板44の構造の一部となっている。水切り構造44Aは、第1の外装板44のうちの剛性防護柵90の外側面に沿う部位の最下部と連結していて下方に突起した突起部44Bと、突起部44Bと連結していて剛性防護柵90の側へ斜め下方に延びる傾斜部44Cと、傾斜部44Cの最下部と連結していて略鉛直方向下向きに延びる鉛直部44Dと、を有している。
【0079】
水切り構造44Aは、下方に突起した突起部44Bおよび略鉛直方向下向きに延びる鉛直部44Dを有していることにより、確実に水切りができるようになっており、剛性防護柵90に対する雨水の影響を少なくして、剛性防護柵90の劣化防止に寄与する。また、
図7および
図9に示すように、傾斜部44Cは、剛性防護柵90の外側面に設けられている部材(吊鋼材18および下部水平鋼材20)の下方の空間を遮っており、吊鋼材18および下部水平鋼材20ならびに剛性防護柵90の外側面に対する外界からの影響を軽減させて、吊鋼材18および下部水平鋼材20ならびに剛性防護柵90の劣化防止に寄与する。なお、本実施形態では、水切り構造44Aを第1の外装板44と一体的に形成しているが、水切り構造44Aを第1の外装板44とは別部材として構成するようにしてもよい。
【0080】
第2の外装板46については、
図7および
図8に示すように、取り付け用折り曲げ鋼板37が反道路側フランジ部12Cの道路側の面に取り付け用ボルト34によって取り付けられているとともに、第2の外装板46の上端部寄りの位置が、取り付け用折り曲げ鋼板37に取り付け用ボルト38によって取り付けられている。即ち、第2の外装板46は、
図7および
図8に示すように、その上端部寄りの位置が、反道路側フランジ部12Cの道路側の面に取り付け用折り曲げ鋼板37を介して取り付け用ボルト34、38によって取り付けられている。また、
図7および
図10に示すように、取り付け用折り曲げ鋼板60がアンカー82によって地覆92の上面に取り付けられているとともに、第2の外装板46の下端部寄りの位置が、取り付け用ボルト62によって取り付け用折り曲げ鋼板60に取り付けられている。即ち、第2の外装板46は、その下端部寄りの位置が、取り付け用折り曲げ鋼板60を介して取り付け用ボルト62およびアンカー82によって、地覆92の上面に取り付けられている。このように、第2の外装板46は、その上端部寄りの位置が下地構造10の頂部梁部材11の反道路側フランジ部12Cに取り付けられ、下端部寄りの位置が地覆92の上面に取り付けられている。一方、前述したように、反道路側フランジ部12Cの位置は安定的に保持されており、また、地覆92はその位置が安定した部材である。したがって、本実施形態に係る取り付け構造40においては、外装板42(第2の外装板46)の保持を安定的に行うことができる。
【0081】
また、第2の外装板46は、剛性防護柵90の延びる方向(道路に沿う方向)に分割された構成にしている。このように分割された構成とすることにより、車両の衝突により損傷を受けた場合であっても、損傷を受けた第2の外装板46のみを容易に交換することが可能となり、車両の衝突後の復旧費用および復旧に要する時間を低減させることができる。施工性のことも考慮すると、第2の外装板46の長さ(剛性防護柵90の延びる方向の長さ)は、500mm以上1500mm以下とすることが好ましい。
【0082】
また、第1の外装板44および第2の外装板46のどちらも、材質は特に限定されず、例えば、鋼、プラスチック、FRP等を用いることができる。また、それらを混在して用いてもよい。
【0083】
以上、「(1)下地構造」および「(2)取り付け構造」において、本実施形態に係る取り付け構造40およびその下地構造10について説明してきたが、本実施形態に係る取り付け構造40においては既存の剛性防護柵90をそのまま活用するので、産業廃棄物をほとんど出さずに施工を行うことができる。
【0084】
(本発明の適用対象となり得る剛性防護柵)
以上説明してきた実施形態に係る取り付け構造40およびその下地構造10では、適用対象の剛性防護柵90を直壁型(柵の両側面が地面に対して90度の垂直面である剛性防護柵)としたが、本発明の適用対象となり得る剛性防護柵は直壁型に限られず、柵の側面が地面に対して傾斜していている剛性防護柵(例えば、柵の側面が傾斜面である単スロープ型やフロリダ型の剛性防護柵)であっても本発明の適用対象となり得る。
【0085】
柵の側面が水平面に対して傾斜している剛性防護柵に対して本発明に係る取り付け構造を適用する場合は、剛性防護柵の側面の水平面に対する傾斜に合うように、挟み込み部等の部材を作製して、取り付け構造に用いればよい。
【0086】
また、本実施形態に係る取り付け構造40の適用対象とした剛性防護柵90は、地覆92の上方に設けられた剛性防護柵であったが、第1の外装板のみを取り付けるのであれば、地覆を下方に備えない剛性防護柵に対しても本発明は適用可能である。