(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
上記認証実行手段は、上記視線検出手段によって特定された上記視線角度における、上記視線方向を分類するための境界となる所定の角度との近さに応じて、上記視線角度および上記視線方向のいずれかを選択的に用いて上記認証を実行することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
上記認証実行手段は、上記視線検出手段により実施される検出の信頼度に応じて、上記視線角度および上記視線方向のいずれかを選択的に用いて上記認証を実行することを特徴とする請求項1に記載の認証装置。
上記視線検出手段は、所定の期間に撮影された上記被写体の複数の画像から、それぞれ視線角度を特定し、各視線角度の平均値、最多頻出角度または中間値に対応する視線方向を特定することを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項に記載の認証装置。
上記表示制御手段は、上記認証実行手段の認証実行時に、上記視線方向の種別を示唆しない画像を上記表示部に表示させることを特徴とする請求項1から4までのいずれか1項に記載の認証装置。
上記視線検出手段は、上記表示制御手段が次の視線方向の入力を促す画像を上記表示部に表示させると、次の視線方向を検出することを特徴とする請求項6に記載の認証装置。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の一実施形態について
図1から
図5に基づいて説明すると以下の通りである。
【0014】
〔認証装置の構成〕
認証装置1は、ユーザが、認証装置1または当該装置が搭載された電子機器の所有者であるか否かを画像に基づいて判定して、個人認証を実行するものである。より詳細には、認証装置1は、所有者か否かをユーザの顔画像に基づいて判定するものである。さらに、認証装置1は、個人認証を実行する前に、なりすましを防止するために、ユーザの視線方向を検出して、撮像された画像に写っているユーザが生体であるか否かを判定する。すなわち、認証装置1は、なりすまし防止判定をして生体認証が正しく実行された後に、顔画像に基づいて個人認証を実行する。
【0015】
本実施形態では、本発明に係る認証方法をなりすまし防止判定に用いる認証方法として説明する。しかしながら、本発明に係る認証方法は、なりすまし防止判定にのみ適用されるものではない。すなわち、本発明に係る認証方法は、個人認証の前に行う生体認証にのみ適用されるものではなく、本発明に係る認証方法は、個人認証そのものに用いてもよい。
【0016】
認証装置1は、例えば、携帯電話機、スマートフォン、PC、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、PDA(Personal Digital Assistant)、ゲーム機、写真を撮影して印刷する装置、画像を編集する装置などの電子機器に搭載されていてもよい。なお、本実施形態では、認証装置1が携帯電話機に搭載されているものとし、認証対象を当該携帯電話機の所有者とする。
【0017】
認証装置1の構成を
図1に基づいて説明する。
図1は、認証装置1の要部構成の一例を示すブロック図である。認証装置1は、
図1に示すように、制御部11、記憶部12、画像入力部13および表示部14を備えている。なお、認証装置1は、操作部、通信部、音声入力部、音声出力部等の部材を備えていてもよいが、発明の特徴点とは関係がないため当該部材を図示していない。
【0018】
画像入力部13は、外部の画像提供装置(不図示)から画像を取得するためのインターフェースである。画像提供装置は、保持している画像または取得した画像を他の装置に提供する装置であれば何でもよい。例えば、画像提供装置は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話機、スマートフォン、PDA、ゲーム機、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の記憶装置などである。なお、認証装置1は、画像入力部13の代わりに、カメラを搭載していてもよい。
【0019】
表示部14は、制御部11の指示に従って画像を表示するものである。表示部14は、制御部11の指示に従って画像を表示するものであればよく、例えば、LCD(液晶ディスプレイ)、有機ELディスプレイ、プラズマディスプレイなどを適用することが可能である。なお、認証装置1は表示部14を備えていなくてもよい。この場合、認証装置1は、別体の表示装置に画像を表示させる。
【0020】
制御部11は、記憶部12から一時記憶部(不図示)に読み出されたプログラムを実行することにより、各種の演算を行うと共に、認証装置1が備える各部を統括的に制御するものである。
【0021】
本実施形態では、制御部11は、機能ブロックとして、画像取得部21、視線検出部(視線検出手段)22、認証許可視線方向設定部(認証許可視線方向設定手段)23、生体判定部(認証実行手段)24、本人判定部25および表示制御部(表示制御手段)26を備える構成である。さらに、制御部11は、
図1に示すように、まばたき検出部(まばたき検出手段)27を備えていてもよい。これらの制御部11の各機能ブロック(21〜27)は、CPU(central processing unit)が、ROM(read only memory)等で実現された記憶装置に記憶されているプログラムをRAM(random access memory)等で実現された一時記憶部に読み出して実行することで実現できる。
【0022】
画像取得部21は、画像入力部13を介して、ユーザが撮像された画像を取得するものである。画像取得部21は、取得した画像を視線検出部22、本人判定部25、および、まばたき検出部27に出力する。なお、記憶部12に画像が記憶されている場合、画像取得部21は、記憶部12から画像を読み出してもよい。
【0023】
視線検出部22は、画像取得部21から画像を取得し、画像に撮像されているユーザの視線方向を検出するものである。具体的には、視線検出部22は、画像に撮像されているユーザの視線角度を特定し、視線角度と視線方向との対応関係を示す視線方向特定情報31を参照して、特定した視線角度に対応する視線方向を特定する。視線検出部22は、特定した視線方向を認証許可視線方向設定部23および生体判定部24に出力する。
【0024】
ここで、視線方向特定情報31は、例えば、
図2に示すようなものである。
図2に示す視線方向特定情報31では、視線方向として9種ある。
図2に示すように、左右(水平方向)の視線角度が20度より大きく、上下(垂直方向)の視線角度が10度より大きい場合、視線方向は右上となる。また、左右(水平方向)の視線角度が−20度以上20度以下であり、上下(垂直方向)の視線角度が−10度以上10度以下である場合、視線方向は中央となる。左右(水平方向)の視線角度が−20度より小さく、上下(垂直方向)の視線角度が−10度より小さい場合、視線方向は左下となる。
【0025】
図2に示す視線方向特定情報31は一例であり、視線角度と視線方向との対応関係は、適宜設定すればよい。例えば、視線方向として上下左右の4種としてもよいし、対応する視線角度の範囲を任意に変更してよい。
【0026】
視線方向特定情報31は、予め設定されるものである。ただし、カメラの位置およびユーザの顔に位置に基づいて、視線角度と視線方向との対応関係を設定することが望ましいため、ユーザ毎にまたは認証許可視線方向を設定する度に、視線方向特定情報31を補正することが望ましい。
【0027】
また、視線検出部22は、所定の期間に撮影された複数の画像から、それぞれ複数の視線角度を特定し、その複数の視線角度の平均値、最多頻出角度または中間値等に対応する視線方向を特定してもよい。これにより、ユーザの視線角度が安定しない場合であっても、信頼度の高いユーザの視線方向を特定することができる。
【0028】
また、視線検出部22は、画像に撮像されているユーザの視線角度を特定し、特定した視線角度そのものを認証許可視線方向設定部23および生体判定部24に出力してもよい。
【0029】
なお、画像からユーザの視線方向を検出する方法は上記のものに限らず、公知の技術を用いることが可能である。例えば、虹彩の位置に基づいて視線方向を検出してもよい。
【0030】
認証許可視線方向設定部23は、なりすまし防止判定(生体認証)を許可するための視線方向を設定するものである。認証許可視線方向設定部23は、設定した認証許可視線方向を示す認証許可視線情報32を記憶部12に格納する。この生体認証を許可する視線方向を認証許可視線方向と称する。
【0031】
具体的には、認証許可視線方向設定部23は、ユーザに認証許可視線方向の登録を促して、視線検出部22が検出した視線方向を認証許可視線方向として設定する。なお、認証許可視線方向設定部23は、ユーザがキーボードまたはマウス等の操作部を操作して入力された視線方向を認証許可視線方向として設定してもよい。
【0032】
また、認証許可視線方向設定部23は、視線検出部22から視線角度を取得した場合、取得した視線角度を認証許可視線角度として設定する。この場合、設定した認証許可視線角度を示す情報を認証許可視線情報32として記憶部12に格納する。
【0033】
また、認証許可視線方向設定部23は、複数の認証許可視線方向または認証許可視線角度を所定の順序で設定してもよい。
【0034】
生体判定部24は、記憶部12から認証許可視線情報32を読み出し、視線検出部22が検出した視線方向が認証許可視線情報32の示す認証許可視線方向であるか否かを判定するものである。生体判定部24は、視線検出部22が検出した視線方向が認証許可視線方向である場合、正しく認証が行われたものと判定する。つまり、画像に撮像されているユーザが生体であると判定する。そして、生体判定部24は、生体認証が正しく行われた旨を本人判定部25に通知する。
【0035】
一方、生体判定部24は、視線検出部22が検出した視線方向が認証許可視線方向ではない場合、正しく認証が行われなかったと判定する。つまり、画像に撮像されているユーザが生体ではないと判定する。このとき、生体判定部24は、生体認証が正しく行われなかった旨を表示制御部26に通知してもよい。
【0036】
また、視線検出部22が視線角度を出力する場合、生体判定部24は、視線検出部22が検出した視線角度と、認証許可視線情報32の示す認証許可視線角度との差分値(絶対値)が所定の閾値以下であるか否かを判定する。生体判定部24は、視線検出部22が検出した視線角度と、認証許可視線角度との差分値が所定の閾値以下である場合、正しく認証が行われたものと判定する。一方、生体判定部24は、視線検出部22が検出した視線角度と、認証許可視線角度との差分値が所定の閾値以下ではない場合、正しく認証が行われなかったものと判定する。
【0037】
例えば、水平方向および垂直方向に関して、それぞれ閾値を5度として設定したとする。また、水平方向および垂直方向の認証許可視線角度がそれぞれ9度、11度であり、視線検出部22が検出した水平方向および垂直方向の視線角度が13度、8度であるとする。この場合、生体判定部24は、水平方向および垂直方向の差分値がそれぞれ4度、3度であるため、閾値以下であると判定する。
【0038】
また、視線検出部22は、視線方向および視線角度を認証許可視線方向設定部23および生体判定部24に出力してもよい。この場合、生体判定部24は、視線方向および視線角度の両方を用いて生体認証を実行してもよい。
【0039】
例えば、生体判定部24は、視線検出部22が検出した視線角度が視線方向を分類する境界付近である場合、視線角度に基づいて判定を行い、それ以外の場合は視線方向に基づいて判定を行ってもよい。ここで、視線方向を分類する境界とは、
図2に示す視線方向特定情報31の場合、水平方向の視線角度が20度または−20度であり、垂直方向の視線角度が10度または−10度である。
【0040】
また、例えば、後述する顔検出または視線検出の信頼度(精度)が高い場合、視線方向に基づいて判定を行い、信頼度が低い場合、視線角度に基づいて判定を行ってもよい。
【0041】
また、認証許可視線方向設定部23が複数の認証許可視線方向または認証許可視線角度を所定の順序で設定している場合、生体判定部24は、認証許可視線方向設定部23が設定した所定の順序で、複数の認証許可視線方向または認証許可視線角度を視線検出部22が出力したか否かを判定して、認証を実行してもよい。
【0042】
このとき、視線検出部22は、所定の期間毎に、視線方向または視線角度を特定して、生体判定部24に出力する。例えば、視線検出部22は、後述するまばたき検出部27がまばたきを検出すると、次の視線方向または視線角度を出力する。また、視線検出部22は、所定期間、或る視線方向を検出すると、その検出した視線方向を出力してもよい。
【0043】
本人判定部25は、生体判定部24から生体認証が正しく行われたことを示す通知を受信すると、事前に登録された所有者の顔画像を示す本人情報33を読み出し、画像取得部21から取得した画像に撮像されているユーザが所有者であるか否かを判定するものである。本人判定部25は、画像に撮像されているユーザが所有者である場合、個人認証が正しく行われたと判定する。一方、本人判定部25は、画像に撮像されているユーザが所有者ではない場合、個人認証が正しく行われなかったと判定する。
【0044】
表示制御部26は、各部の処理に応じて、所定の画像を生成し、生成した画像を表示部14に表示させるものである。具体的には、認証許可視線方向設定部23が認証許可視線方向設定処理を開始すると、表示制御部26は、ユーザに認証許可視線方向の登録を促す画像を表示部14に表示させる。例えば、表示制御部26は、「認証許可視線方向とする方向を見てください」または「認証許可視線方向とする3つの方向を順に見てください」等のテキストを表示部14に表示させる。このとき、表示制御部26は、視線方向の種別を示す視線方向種別画像を表示部14に表示させる。例えば、表示制御部26は、視線方向種別画像として、
図3に示すような各方向を示すマーカ41を携帯電話機100の表示部14に表示させる。また、表示制御部26は、視線方向種別画像として、
図2に示すようなものを表示させてもよい。
【0045】
また、表示制御部26は、生体判定部24による生体認証実行時には、視線方向種別画像を表示させずに、視線方向の種別を示唆しない画像を表示部14に表示させる。例えば、表示制御部26は、
図4に示すような黒画像を携帯電話機100の表示部14に表示させてもよい。また、表示制御部26は、一色の画像、風景画像、起動時等の背景画像、ユーザが撮像された入力画像、生体認証実行中を示す画像、または、カウント画像(生体認証の実行期間(入力期限)を示す画像)などを表示させてもよい。また、生体認証実行時には、表示制御部26は、生体認証が開始されたことを示す画像を視線方向の種別を示唆しない画像に重畳して表示させてもよい。
【0046】
また、表示制御部26は、複数の視線方向を入力する場合、入力タイミングを示す画像を表示部14に表示させる。例えば、表示制御部26は、所定間隔で「次の視線方向を入力してください」等のテキストを表示してもよい。
【0047】
なお、表示制御部26が表示部14に所定の画像を表示して、ユーザに通知しているが、ユーザに対する通知方法はこれに限るものではない。例えば、携帯電話機がスピーカ、振動部またはランプ(LED等)を備えている場合、音、振動または発光(色)によりユーザに通知してもよい。
【0048】
まばたき検出部27は、画像取得部21から画像を取得し、画像に撮像されているユーザのまばたきを検出するものである。まばたき検出部27は、まばたきを検出すると、その旨を視線検出部22に通知する。
【0049】
記憶部12は、制御部11が参照するプログラムやデータ等を格納するものであり、例えば、上記の視線方向特定情報31、認証許可視線情報32、本人情報33等を格納している。
【0050】
〔認証許可視線方向設定処理〕
次に、認証装置1が実行する認証許可視線方向設定処理について
図5に基づいて説明する。
図5は、認証装置1が実行する認証許可視線方向設定処理の一例を示すフローチャートである。
【0051】
図5に示すように、認証許可視線方向設定部23が認証許可視線方向設定処理を開始すると、表示制御部26は、視線方向の種別を示す視線方向種別画像を表示部14に表示させる(S1)。そして、画像取得部21は、画像入力部13を介して入力画像を取得する(S2)。次に、視線検出部22は、入力画像からユーザの視線方向を検出する(S3)。認証許可視線方向設定部23は、視線検出部22が検出した視線方向を認証許可視線方向として設定する(S4)。
【0052】
次に、認証許可視線方向設定部23は、所定数の認証許可視線方向を設定したか否かを判定し(S5)、所定数の認証許可視線方向が設定されていなければ(S5でNO)、再度、ユーザに視線方向を入力させる。一方、所定数の認証許可視線方向が設定された場合(S5でYES)、認証許可視線方向設定部23は、設定した認証許可視線方向を示す認証許可視線情報32を生成して記憶部12に格納する(S6)。
【0053】
〔生体認証処理〕
(実施例1)
次に、認証装置1が実行する認証処理について
図6に基づいて説明する。
図6は、認証装置1が実行する認証処理の一例(実施例1)を示すフローチャートである。
【0054】
図6に示すように、認証処理を開始すると、
図5に示す認証許可視線方向設定処理と異なり、表示制御部26は、視線方向種別画像を表示させない。この状態で、画像取得部21は、画像入力部13を介して入力画像を取得する(S11)。次に、視線検出部22は、入力画像からユーザの視線方向を検出する(S12)。生体判定部24は、視線検出部22が検出した視線方向が認証許可視線方向であるか否かを判定する(S13)。
【0055】
ここで、視線検出部22が検出した視線方向が認証許可視線方向である場合(S13でYES)、続いて、生体判定部24は、認証許可視線情報32の示す所定の順序で所定数の認証許可視線方向が検出されたか否かを判定する(S14)。まだ、所定数の認証許可視線方向が検出されていない場合(S14でNO)、S11〜S13を繰り返す。
【0056】
認証許可視線情報32の示す所定の順序で所定数の認証許可視線方向が検出された場合(S14でYES)、生体判定部24は、被写体は生体であると判定する(S15)。そして、本人判定部25は、画像に基づいて、被写体が所有者であるか否かの判定をして、個人認証を実行する(S16)。
【0057】
なお、S13において、視線検出部22が検出した視線方向が認証許可視線方向ではない場合(S13でNO)、生体判定部24は、被写体は生体ではないと判定し(S17)、個人認証を実行せずに処理を終了する。また、S16において、本人判定部25は、被写体が所有者ではない場合、被写体は所有者本人ではないと判定する。これらの場合、表示制御部26は、認証が正しく行われなかったことを示す画像を表示部14に表示してもよい。
【0058】
なお、S11において、視線方向種別画像は表示させないが、「認証処理を開始します」「生体認証を開始します」等の、処理開始を示すメッセージ等は表示させてもよい。
【0059】
(実施例2)
次に、認証装置1が実行する生体認証処理の他の実施例について
図7に基づいて説明する。
図7は、認証装置1が実行する生体認証処理の他の一例(実施例2)を示すフローチャートである。
【0060】
実施例2は、ユーザがまばたきをすることにより、複数の視線方向を入力する例を示す。実施例2では、実施例1に対して、視線検出部22が複数の視線方向を特定する方法が異なるだけである。そのため、実施例1と異なる部分を主に説明する。
【0061】
図7に示すように、実施例1と同様に、表示制御部26が視線方向種別画像を表示させずに、S11〜S14の処理を実行する。S14において、所定数の認証許可視線方向が検出されていない場合(S14でNO)、視線検出部22は、まばたき検出部27がまばたきを検出するまで待つ(S21)。まばたき検出部27がまばたきを検出すると(S21でYES)、画像取得部21が入力画像を取得して(S11)、視線検出部22は、次の視線方向を検出して、生体判定部24へ出力する(S12)。そして、生体判定部24は、S13の判定処理を実行する。
【0062】
認証許可視線情報32の示す所定の順序で所定数の認証許可視線方向が検出された場合(S14でYES)、実施例1と同様に、S15およびS16の処理を実行する。
【0063】
(実施例3)
次に、認証装置1が実行する生体認証処理の他の実施例について
図8に基づいて説明する。
図8は、認証装置1が実行する生体認証処理の他の一例(実施例3)を示すフローチャートである。
【0064】
実施例3は、ユーザが同一の視線方向を一定時間注視することにより、1つの視線方向が入力される例を示す。実施例3では、実施例1に対して、視線検出部22が複数の視線方向を特定する方法が異なるだけである。そのため、実施例1と異なる部分を主に説明する。
【0065】
図8に示すように、実施例1のS11およびS12と同様に、表示制御部26が視線方向種別画像を表示させずに、画像取得部21が入力画像を取得して(S31)、視線検出部22が入力画像からユーザの視線方向を検出する(S32)。
【0066】
ここで、視線検出部22は、所定期間同じ視線方向を検出した場合にのみ、検出した視線方向を生体判定部24に出力する(S33)。なお、
図8に示す例では、視線検出部22は、所定期間同じ視線方向を検出するまで検出処理を実行しているが、ユーザの視線方向が定まらない場合は、検出処理および認証処理を終了してもよい。
【0067】
次に、生体判定部24は、視線検出部22が検出した視線方向が認証許可視線方向であるか否かを判定する(S34)。視線検出部22が検出した視線方向が認証許可視線方向である場合(S34でYES)、続いて、生体判定部24は、認証許可視線情報32の示す所定の順序で所定数の認証許可視線方向が検出されたか否かを判定する(S35)。まだ、所定数の認証許可視線方向が検出されていない場合(S35でNO)、S31〜S34を繰り返す。
【0068】
認証許可視線情報32の示す所定の順序で所定数の認証許可視線方向が検出された場合(S35でYES)、生体判定部24は、被写体は生体であると判定する(S36)。そして、本人判定部25は、画像に基づいて、被写体が所有者であるか否かの判定をして、個人認証を実行する(S37)。
【0069】
なお、S34において、視線検出部22が検出した視線方向が認証許可視線方向ではない場合(S34でNO)、生体判定部24は、被写体は生体ではないと判定し(S38)、個人認証を実行せずに処理を終了する。
【0070】
(実施例4)
次に、認証装置1が実行する生体認証処理の他の実施例について
図9に基づいて説明する。
図9は、認証装置1が実行する生体認証処理の他の一例(実施例4)を示すフローチャートである。
【0071】
実施例4は、表示部14に表示された、次の視線方向の入力を指示する画像を見て、ユーザが次の視線方向を入力する例を示す。実施例4では、実施例1に対して、視線検出部22が複数の視線方向を特定する方法が異なるだけである。そのため、実施例1と異なる部分を主に説明する。
【0072】
図9に示すように、実施例1と同様に、表示制御部26が視線方向種別画像を表示させずに、S11〜S14の処理を実行する。S14において、所定数の認証許可視線方向が検出されていない場合(S14でNO)、表示制御部26は、次の視線方向の入力を指示する画像を表示部14に表示して、ユーザに次の認証許可視線方向の入力タイミングであることを通知する(S41)。その後、画像取得部21が入力画像を取得して(S11)、視線検出部22は、次の視線方向を検出して、生体判定部24へ出力する(S12)。そして、生体判定部24は、S13の判定処理を実行する。
【0073】
認証許可視線情報32の示す所定の順序で所定数の認証許可視線方向が検出された場合(S14でYES)、実施例1と同様に、S15およびS16の処理を実行する。
【0074】
〔ソフトウェアによる実現例〕
認証装置1の制御ブロック(特に制御部11)は、集積回路(ICチップ)等に形成された論理回路(ハードウェア)によって実現してもよいし、CPU(Central ProcessingUnit)を用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0075】
後者の場合、認証装置1は、各機能を実現するソフトウェアであるプログラムの命令を実行するCPU、上記プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記プログラムは、該プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。なお、本発明は、上記プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0076】
〔まとめ〕
本発明の態様1に係る認証装置は、画像に基づいて認証を実行する認証装置であって、上記画像に撮像されている被写体の視線方向を検出する視線検出手段と、認証を許可する視線方向を設定する認証許可視線方向設定手段と、上記視線検出手段が検出した視線方向が、上記認証許可視線方向設定手段が設定した認証許可視線方向であるか否かを判定して、認証を実行する認証実行手段と、上記認証許可視線方向設定手段の認証許可視線方向設定時には、視線方向の種別を示す画像を表示部に表示させる一方、上記認証実行手段の認証実行時には、上記画像を上記表示部に表示させない表示制御手段と、を備えている。
【0077】
上記の構成によれば、認証実行時に、視線方向の種別を示す画像を表示しないため、他人が認証方法を把握することが困難である。よって、不正な認証を防止することができるという効果を奏する。
【0078】
本発明の態様2に係る認証装置は、上記態様1において、上記表示制御手段は、上記認証実行手段の認証実行時に、上記視線方向の種別を示唆しない画像を上記表示部に表示させてもよい。
【0079】
上記の構成によれば、認証実行時に、上記視線方向の種別を示唆しない画像、例えば、黒画像等を表示する。そのため、他人が認証方法を把握することが困難である。よって、不正な認証を防止することができる。
【0080】
本発明の態様3に係る認証装置は、上記態様1または2において、上記認証許可視線方向設定手段は、複数の認証許可視線方向を所定の順序で設定し、上記認証実行手段は、上記認証許可視線方向設定手段が設定した所定の順序で、上記複数の認証許可視線方向を上記視線検出手段が検出したか否かを判定して、認証を実行してもよい。
【0081】
上記の構成によれば、認証するためには、複数の視線方向を所定の順序で入力しなければならない。そのため、不正な認証をより高度に防止することができる。
【0082】
本発明の態様4に係る認証装置は、上記態様3において、上記被写体のまばたきを検出するまばたき検出手段をさらに備え、上記視線検出手段は、上記まばたき検出手段がまばたきを検出すると、次の視線方向を検出してもよい。
【0083】
上記の構成によれば、上記視線検出手段は、ユーザのまばたきによって区切られた期間毎に視線方向を検出する。そのため、ユーザは、簡易な動作で複数の視線方向を連続して入力することができる。
【0084】
本発明の態様5に係る認証装置は、上記態様3において、上記視線検出手段は、所定の期間、或る方向の視線方向を検出すると、次の視線方向を検出してもよい。
【0085】
上記の構成によれば、ユーザは、或る方向を所定期間注視するという簡易な動作だけで、連続して複数の視線方向を入力することができる。
【0086】
本発明の態様6に係る認証装置は、上記態様3において、上記視線検出手段は、上記表示制御手段が次の視線方向の入力を促す画像を上記表示部に表示させると、次の視線方向を検出してもよい。
【0087】
上記の構成によれば、ユーザは上記表示部に表示された上記画像に従うだけで、連続して複数の視線方向を入力することができる。
【0088】
本発明の態様7に係る認証方法は、画像に基づいて認証を実行する認証方法であって、認証を許可する視線方向を設定する認証許可視線方向設定ステップと、上記画像に撮像されている被写体の視線方向を検出する視線検出ステップと、上記視線検出ステップにおいて検出された視線方向が、上記認証許可視線方向設定ステップにおいて設定された認証許可視線方向であるか否かを判定して、認証を実行する認証実行ステップと、を含み、上記認証許可視線方向設定ステップでは、視線方向の種別を示す画像を表示部に表示させる一方、上記認証実行ステップでは、上記画像を上記表示部に表示させない。
【0089】
本発明の態様8に係る認証装置は、画像に基づいて認証を実行する認証装置であって、上記画像に撮像されている被写体の視線角度を特定し、複数種類に種別化された視線方向のうち、特定した視線角度に対応する視線方向を検出する視線検出手段と、認証を許可する視線方向を設定する認証許可視線方向設定手段と、上記視線検出手段が検出した視線方向が、上記認証許可視線方向設定手段が設定した認証許可視線方向であるか否かを判定して、認証を実行する認証実行手段と、上記認証許可視線方向設定手段の認証許可視線方向設定時には、視線方向の種別を示す画像を表示部に表示させる一方、上記認証実行手段の認証実行時には、上記画像を上記表示部に表示させない表示制御手段と、を備え、上記視線検出手段は、所定の期間に撮影された上記被写体の複数の画像から、それぞれ視線角度を特定し、各視線角度の平均値、最多頻出角度または中間値に対応する視線方向を特定する。
【0090】
本発明の態様9に係る認証方法は、認証装置が画像に基づいて認証を実行する認証方法であって、上記認証装置が、認証を許可する視線方向を設定する認証許可視線方向設定ステップと、上記認証装置が、上記画像に撮像されている被写体の視線角度を特定し、複数種類に種別化された視線方向のうち、特定した視線角度に対応する視線方向を検出する視線検出ステップと、上記認証装置が、上記視線検出ステップにおいて検出された視線方向が、上記認証許可視線方向設定ステップにおいて設定された認証許可視線方向であるか否かを判定して、認証を実行する認証実行ステップと、を含み、上記視線検出ステップでは、所定の期間に撮影された上記被写体の複数の画像から、それぞれ視線角度を特定し、各視線角度の平均値、最多頻出角度または中間値に対応する視線方向を特定し、上記認証許可視線方向設定ステップでは、視線方向の種別を示す画像を表示部に表示させる一方、上記認証実行ステップでは、上記画像を上記表示部に表示させない。
【0091】
本発明の各態様に係る認証装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記認証装置が備える各手段として動作させることにより上記認証装置をコンピュータにて実現させる認証装置の制御プログラム、およびそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も、本発明の範疇に入る。
【0092】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。