特許第6376378号(P6376378)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社IHIの特許一覧

<>
  • 特許6376378-蓄電池ユニット 図000002
  • 特許6376378-蓄電池ユニット 図000003
  • 特許6376378-蓄電池ユニット 図000004
  • 特許6376378-蓄電池ユニット 図000005
  • 特許6376378-蓄電池ユニット 図000006
  • 特許6376378-蓄電池ユニット 図000007
  • 特許6376378-蓄電池ユニット 図000008
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376378
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】蓄電池ユニット
(51)【国際特許分類】
   H01M 2/10 20060101AFI20180813BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20180813BHJP
   B61C 17/12 20060101ALI20180813BHJP
   H01M 10/625 20140101ALN20180813BHJP
   H01M 10/627 20140101ALN20180813BHJP
   H01M 10/647 20140101ALN20180813BHJP
   H01M 10/6562 20140101ALN20180813BHJP
【FI】
   H01M2/10 A
   H01M2/10 S
   H01M10/613
   B61C17/12 A
   !H01M10/625
   !H01M10/627
   !H01M10/647
   !H01M10/6562
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-126752(P2014-126752)
(22)【出願日】2014年6月20日
(65)【公開番号】特開2016-4772(P2016-4772A)
(43)【公開日】2016年1月12日
【審査請求日】2017年4月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000000099
【氏名又は名称】株式会社IHI
(74)【代理人】
【識別番号】100118267
【弁理士】
【氏名又は名称】越前 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】平田 賢輔
(72)【発明者】
【氏名】欧▲やん▼ 亦▲じん▼
【審査官】 ▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−016555(JP,A)
【文献】 特開2007−328926(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/080385(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
H01M 10/60 − 10/667
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池箱に収容される蓄電池ユニットにおいて、
複数のセルを有する蓄電池モジュールと、
該蓄電池モジュールを支持可能かつ前記電池箱内に係止可能なトレイと、
前記蓄電池モジュールと前記トレイとの間に配置され前記セルから漏洩した電解液を貯留可能な凹部を形成するプレートと、を備え、
前記トレイは、前記蓄電池モジュールの非支持部に形成された冷却孔を有する、
ことを特徴とする蓄電池ユニット。
【請求項2】
前記凹部は、前記プレートに形成された開口部と前記トレイの表面とにより形成される、又は、前記プレートに形成された窪みにより形成される、ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電池ユニット。
【請求項3】
前記凹部は、上部内縁に形成され内側に向かって傾斜したテーパ面を有する、ことを特徴とする請求項1又は2に記載の蓄電池ユニット。
【請求項4】
前記プレートは、電気絶縁材により形成されている、ことを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の蓄電池ユニット。
【請求項5】
前記凹部は、前記プレートに形成された開口部と前記トレイの表面とにより形成されており、前記プレートと前記トレイとの境界部に設けられたシール材をさらに有する、ことを特徴とする請求項1に記載の蓄電池ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池ユニットに関し、特に、電池箱に収容可能な蓄電池ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ハイブリッド自動車をはじめ、蓄電池を利用した省エネルギー技術が各分野で利用されつつある。鉄道の分野においても、従来から非常用電源として蓄電池が使用されている(例えば、特許文献1及び2参照)。また、近年では、ディーゼルエンジンにより駆動される発電機と蓄電池とを組み合わせて、モータに蓄電池から電力を供給するハイブリッド鉄道車両の研究開発や、大容量の蓄電池を搭載し、架線から給電せずに走行することができる次世代型の鉄道車両(架線レス電池車両)の研究開発も鋭意進められている。
【0003】
特許文献1及び2には、鉄道車両の床下に配置された電池箱に蓄電池を収容する方法が開示されている。これらの特許文献には、電池箱から引き出し可能に構成された移動トレイ上に複数のバッテリを搭載して配線した後、移動トレイを電池箱に押し込むことにより、バッテリを電池箱内に収容している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−231024号公報
【特許文献2】特開2011−168156号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、蓄電池(二次電池)としては、一般に、鉛蓄電池、リチウムイオン電池、ニッケル・水素電池等が使用され、これらの蓄電池は電解液を使用して電気を発生させている。鉄道車両のように、振動を生じやすい過酷な環境に蓄電池を配置した場合、電解液が外部に漏れる可能性がある。また、鉄道車両は公共交通機関であることから、安全性に十分配慮する必要もある。
【0006】
上述した特許文献1及び2に記載された発明では、蓄電池から漏れた電解液は下方に垂れてしまい、電池箱の底部に溜まることとなる。したがって、一つの蓄電池から電解液漏れが生じた場合であっても、その電解液が電池箱内で拡散してしまい、全ての蓄電池に対して発火や爆発を誘引しやすい環境を形成してしまうこととなる。
【0007】
本発明は、上述した問題点に鑑みて創案されたものであり、電解液漏れが生じた場合であっても、電池箱内における電解液の拡散を抑制することができる、蓄電池ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、電池箱に収容される蓄電池ユニットにおいて、複数のセルを有する蓄電池モジュールと、該蓄電池モジュールを支持可能かつ前記電池箱内に係止可能なトレイと、前記蓄電池モジュールと前記トレイとの間に配置され前記セルから漏洩した電解液を貯留可能な凹部を形成するプレートと、を備え、前記トレイは、前記蓄電池モジュールの非支持部に形成された冷却孔を有する、ことを特徴とする蓄電池ユニットが提供される。
【0009】
前記凹部は、前記プレートに形成された開口部と前記トレイの表面とにより形成されていてもよいし、前記プレートに形成された窪みにより形成されていてもよい。また、前記凹部は、上部内縁に形成され内側に向かって傾斜したテーパ面を有していてもよい。また、前記プレートは、電気絶縁材により形成されていてもよい。また、前記凹部は、前記プレートに形成された開口部と前記トレイの表面により形成されており、前記プレートと前記トレイの境界部に設けられたシール材をさらに有していてもよい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る蓄電池ユニットによれば、蓄電池モジュールとその支持部材であるトレイとの間に凹部を形成するプレートを配置したことにより、セルから漏洩した電解液を凹部内に留めておくことができる。したがって、電解液漏れが生じた場合であっても、電池箱内における電解液の拡散を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の第一実施形態に係る蓄電池ユニットを示す図であり、(a)は電池箱との位置関係を示す斜視図、(b)は蓄電池ユニット単体の斜視図、である。
図2図1(b)に示した蓄電池ユニットの部品展開図である。
図3図1(b)に示した蓄電池ユニットの説明図であり、(a)は幅方向断面図、(b)は奥行方向断面図、を示している。
図4図1(b)に示した蓄電池ユニットの説明図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、を示している。
図5図1(b)に示した蓄電池ユニットの収容方法を示す図であり、(a)は挿入状態、(b)は収容状態、を示している。
図6】本発明の第二実施形態に係る蓄電池ユニットの説明図であり、(a)は幅方向断面図、(b)は奥行方向断面図、を示している。
図7】本発明の他の実施形態に係る蓄電池ユニットを示す奥行方向断面図であり、(a)は第三実施形態、(b)は第四実施形態、を示している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について図1図7(b)を用いて説明する。ここで、図1は、本発明の第一実施形態に係る蓄電池ユニットを示す図であり、(a)は電池箱との位置関係を示す斜視図、(b)は蓄電池ユニット単体の斜視図、である。図2は、図1(b)に示した蓄電池ユニットの部品展開図である。図3は、図1(b)に示した蓄電池ユニットの説明図であり、(a)は幅方向断面図、(b)は奥行方向断面図、を示している。
【0014】
本発明の第一実施形態に係る蓄電池ユニット1は、図1(a)〜図3(b)に示したように、電池箱11に収容される蓄電池ユニットであって、複数のセルを有する蓄電池モジュール2と、蓄電池モジュール2を支持可能かつ電池箱11内に係止可能なトレイ3と、蓄電池モジュール2とトレイ3との間に配置されセルから漏洩した電解液を貯留可能な凹部41を形成するプレート4と、を備えている。
【0015】
電池箱11は、例えば、敷設された軌道上を走行可能な鉄道車両の床下等に配置される。鉄道車両には、電車、気動車、機関車、旅客車、貨物車、路面電車、事業用車(保守作業車、除雪車等)等の動力を有する全ての車両が含まれる。なお、電池箱11は、自動車等の他の移動体に配置されるものであってもよいし、移動体以外の構造物の床や棚等に配置されるものであってもよい。また、電池箱11には、蓄電池モジュールを監視したり、電路を切り替えたりする制御ユニット(図示せず)が接続されていてもよい。
【0016】
図1に示した電池箱11は、正面に開口部11aを有し、蓄電池ユニット1を多段(例えば、三段)に収容できるように構成されている。電池箱11は、蓄電池ユニット1を複数列に収容可能な横幅の広いものであってもよい。なお、開口部11aには、蓄電池ユニット1を収容した後、蓋11b(図5(b)参照)により封止される。
【0017】
蓄電池モジュール2は、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオン蓄電池、ニッケル・水素蓄電池等のセル(電極及び電解液を有する最小単位のバッテリ)により構成される。蓄電池モジュール2は、複数のセルを直列に接続してパッケージ化したものである。蓄電池モジュール2は、例えば、幅方向の一端かつ奥行方向の両端に電極端子(プラス端子2a,マイナス端子2b)を有している。なお、図3(a)及び(b)において、説明の便宜上、蓄電池モジュール2を一点鎖線で図示している。
【0018】
本実施形態における蓄電池ユニット1では、二つの蓄電池モジュール2を向かい合わせに配置しているが、かかる配置に限定されるものではない。例えば、一つの蓄電池ユニット1に対して、一つの蓄電池モジュール2を配置してもよいし、三つ以上の蓄電池モジュール2を配置してもよい。
【0019】
トレイ3は、例えば、ステンレス鋼やアルミニウム合金等の金属部材により構成される略平板形状の部品である。トレイ3は、蓄電池モジュール2を支持可能な強度を有していれば、金属部材に限定されるものではない。また、トレイ3は、図2図3(b)に示したように、プレート4が配置される平面部31と、トレイ3及びプレート4の外周を囲う壁面部32と、電池箱11のレールにトレイ3を載置するための係止部33と、蓄電池モジュール2の非支持部に形成された冷却孔34と、を有している。
【0020】
なお、図3(a)に示した幅方向断面図は、図1(b)におけるX−X線に沿った断面図であり、図3(b)に示した奥行方向断面図は、図1(b)におけるY−Y線に沿った断面図である。
【0021】
平面部31は、トレイ3上に配置されるプレート4及び蓄電池モジュール2を支える面を形成している。壁面部32は、プレート4を配置する場所の位置決めをする機能を有している。プレート4上には、平面部31及び壁面部32により、二つの蓄電池モジュール2を配置する場所が形成される。係止部33は、トレイ3の幅方向の両端部に形成された段差部である。係止部33の形状は、電池箱11に配置されたレールの形状に合わせて形成される。
【0022】
冷却孔34は、トレイ3に形成された開口部である。冷却孔34は、トレイ3上にプレート4や蓄電池モジュール2を載置した状態で、空気の流れが阻害されない位置に形成される。例えば、冷却孔34は、電池箱11に蓄電池ユニット1を収納したときに手前側(正面側)となる位置や一対の蓄電池モジュール2間に形成される。トレイ3に冷却孔34を形成することにより、蓄電池ユニット1を電池箱11に収納したときに電池箱11内で自然対流(例えば、図中の矢印方向の流れ)を発生させることができ、蓄電池モジュール2を冷却することができる。
【0023】
プレート4は、凹部41を形成するとともに、蓄電池モジュール2とトレイ3との絶縁距離を確保するための略平板形状の部品である。したがって、プレート4は、樹脂等の電気絶縁材により形成されるとともに、蓄電池モジュール2の容量(電圧値)に応じた一定の厚さを有している。プレート4の底部は、トレイ3の平面部31及び係止部33に沿った形状に形成されている。また、プレート4の外周は、壁面部32に囲まれた空間内に収容できるように形成されている。なお、図3(a)に示したように、プレート4は、ボルトやリベット等の締結具42によってトレイ3に固定してもよい。
【0024】
また、プレート4の平面部には、例えば、奥行方向に二つの開口部43が形成されている。開口部43の個数や大きさは、蓄電池モジュール2の配置や構造(特に、セルの位置)によって、任意に形成される。プレート4をトレイ3上に配置することにより、図3(a)及び(b)に示したように、プレート4に形成された開口部43とトレイ3の表面(平面部31)とにより凹部41が形成される。凹部41の貯留可能な電解液の容量は、開口部43の大きさやプレート4の厚さによって設定される。なお、凹部41を形成するプレート4とトレイ3との境界部に電解液の漏洩を抑制するシール材を配置するようにしてもよい。
【0025】
プレート4の厚さ、すなわち、凹部41の深さは、例えば、蓄電池モジュール2の絶縁距離以上に設定される。例えば、蓄電池モジュール2が1200Vの高電圧である場合には、JIS(日本工業規格)により絶縁距離は20mmと定められている。また、電池箱11が鉄道車両等の移動体に設置される場合には、運行上、車体に生じる最大傾斜角度を考慮して、プレート4の厚さ、すなわち、凹部41の深さを設定するようにしてもよい。
【0026】
このように、蓄電池モジュール2とその支持部材であるトレイ3との間に凹部41を形成するプレート4を配置したことにより、セルから漏洩した電解液を凹部41内に留めておくことができる。したがって、電解液漏れが生じた場合であっても、電池箱11内における電解液の拡散を抑制することができ、火災や爆発の発生を低減することができる。
【0027】
また、上述した本実施形態に係る蓄電池ユニット1は、トレイ3と、トレイ3上に配置されたプレート4と、プレート4上に配置された蓄電池モジュール2と、を備え、トレイ3とプレート4上に配置された蓄電池モジュール2との間には空間が形成されている、と言い換えることもできる。ここで、プレート4は、トレイ3と蓄電池モジュール2との間に空間を形成する開口部43を有している。すなわち、トレイ3と蓄電池モジュール2との間に形成される空間は、プレート4に形成された開口部43とトレイ3の表面(平面部31)とにより形成される凹部41に相当する。
【0028】
次に、蓄電池ユニット1の結線方法について、図4(a)〜図5(b)を参照しつつ説明する。ここで、図4は、図1(b)に示した蓄電池ユニットの説明図であり、(a)は正面図、(b)は背面図、を示している。図5は、図1(b)に示した蓄電池ユニットの収容方法を示す図であり、(a)は挿入状態、(b)は収容状態、を示している。なお、図4(a)及び(b)において、説明の便宜上、図の表面側の電極を実線で表示し、裏面側の電極を点線で表示している。
【0029】
図4(a)に示したように、トレイ3上にプレート4を介して配置された一対の蓄電池モジュール2は、それぞれの電極側が向かい合うように配置されている。蓄電池ユニット1を電池箱11に収容したときに正面側(手前側)となる部分において、図の右側の蓄電池モジュール2は、上部にプラス端子2aを有し、図の左側の蓄電池モジュール2は、下部にマイナス端子2bを有している。
【0030】
これらの端子を接続するには、例えば、銅等の電気伝導性の高い金属プレート21を使用することが好ましい。金属プレート21を使用することにより、遊びの部分が発生し難く収容時の挟み込み等の心配がない、半田ごて等により容易に接続することができる、蓄電池ユニット1の製作時に予め結線することができる等のメリットがある。
【0031】
図4(b)に示したように、蓄電池ユニット1を電池箱11に収容したときに背面側(奥側)となる部分において、図の右側の蓄電池モジュール2は、下部にマイナス端子2bを有し、図の左側の蓄電池モジュール2は、上部にプラス端子2aを有している。これらの端子は、電池箱11内に配線されたバスバー111に接続される。蓄電池モジュール2の背面側の端子には、それぞれフォークプラグ等のコネクタ22が接続されており、蓄電池ユニット1を電池箱11に収容するとコネクタ22がバスバー111に自動的に接続されるように構成されている。
【0032】
図5(a)に示したように、電池箱11の内側の側面部には、蓄電池ユニット1を支持するためのレール112が配置されている。このレール112に、トレイ3の係止部33を係止させることにより、蓄電池ユニット1が電池箱11内に支持される。レール112は、電池箱11の内面に固定されたものであってもよいし、開口部11aに向かって伸縮可能に構成されたものであってもよい。なお、図5(a)及び(b)において、結線構成は概念図を点線で表示している。
【0033】
蓄電池ユニット1を図5(a)に示した矢印方向に挿入すると、図5(b)に示したように、蓄電池モジュール2のコネクタ22がバスバー111に接続される。電池箱11内に蓄電池ユニット1を収納した後、開口部11aに蓋11bを接続して電池箱11を封止する。バスバー111は、電池箱11内の上段又は下段に配置される蓄電池ユニット1と接続可能に敷設されていてもよいし、隣接する電池箱11に配置される蓄電池ユニット1と接続可能に敷設されていてもよい。なお、上述した結線方法は単なる一例であり、図示した構成に限定されるものではない。
【0034】
次に、本発明の第二実施形態〜第四実施形態に係る蓄電池ユニット1について、図6(a)〜図7(b)を参照しつつ説明する。ここで、図6は、本発明の第二実施形態に係る蓄電池ユニットの説明図であり、(a)は幅方向断面図、(b)は奥行方向断面図、を示している。図7は、本発明の他の実施形態に係る蓄電池ユニットを示す奥行方向断面図であり、(a)は第三実施形態、(b)は第四実施形態、を示している。なお、上述した第一実施形態に係る蓄電池ユニット1と同一の構成部品については、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0035】
第二実施形態に係る蓄電池ユニット1は、図6(a)及び(b)に示したように、凹部41をプレート4に形成された窪みにより形成したものである。かかる構成により、凹部41を容易に水密に形成することができ、漏洩した電解液を凹部41内により確実に留めておくことができる。なお、凹部41は、プレート4を貫通しない窪みによって、トレイ3と蓄電池ユニット2との間に形成される空間であると言い換えることもできる。
【0036】
第三実施形態に係る蓄電池ユニット1は、図7(a)に示したように、冷却孔34を正面側(図の左側)に加えて、背面側(図の右側)にも形成したものである。かかる構成により、電池箱11内に生じる自然対流により、電池箱11内を循環する気流を生成することができ、冷却効率の向上を図ることができる。
【0037】
第四実施形態に係る蓄電池ユニット1は、図7(b)に示したように、凹部41が上部内縁に形成され内側に向かって傾斜したテーパ面44を有するものである。例えば、プレート4の開口部43の上部内縁にテーパ面44が形成される。かかる構成により、凹部41からずれた位置で電解液の漏洩を生じた場合であっても、テーパ面44により凹部41に電解液を案内することができ、電解液の拡散を抑制することができる。
【0038】
本発明は上述した実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更が可能であることは勿論である。
【符号の説明】
【0039】
1 蓄電池ユニット
2 蓄電池モジュール
2a プラス端子
2b マイナス端子
3 トレイ
4 プレート
11 電池箱
11a 開口部
11b 蓋
21 金属プレート
22 コネクタ
31 平面部
32 壁面部
33 係止部
34 冷却孔
41 凹部
42 締結具
43 開口部
44 テーパ面
111 バスバー
112 レール

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7