【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
鉛直方向に垂直な支点軸を中心として鉛直面内で回動自在な支持アームと、
前記支持アームの先端に接続された
被支持器具と、
前記支点軸を中心として前記支持アームと連動して回動する回動部材と、
前記回動部材上を移動可能な引っ張り点を介して前記回動部材を引っ張る巻き取り式定荷重バネと、
前記支持アームの傾斜角度に応じて前記支点軸と前記引っ張り点との間の距離を変化させるリンク機構と、を有し、
前記リンク機構は、前記支持アームの水平からの角度が大きくなるにしたがって、前記支点軸と前記引っ張り点との間の距離を小さくする、ことを特徴とする可動支持アーム装置。
【0010】
前記支点軸は鉛直方向に垂直な水平面内にあり、前記支持アームは鉛直面内を回動するが、厳密に水平面内及び鉛直面内である必要は無く、本発明の趣旨に反しない範囲で許容範囲を有することは言うまでもない。
前記支持アームの材質は、
被支持器具を支持できる強度を有するものであれば特に限定されず、金属、樹脂等が用いられ得る。
前記
被支持器具は、本発明の可動支持アーム装置で支持可能な器具であれば何でも構わず、例えば、硬性内視鏡、手術用顕微鏡、手術機器、固定器具などの医療機器のほか、各種工作器具、各種測定装置、各種電気装置、各種照明装置、各種表示装置、各種入力装置、各種情報機器などが用いられ得る。
前記回動部材の材質は、支持アームを引っ張る力を保持できる強度を有していれば何でも構わず、金属、樹脂等が用いられ得る。
前記回動部材の形状は、支点軸を中心に回動可能で、支点軸と引っ張り点との間の距離を変化させられれば何でも良く、棒状の部材でも良いし、面状の部材でも良い。また、複数の部材により構成されていても構わない。
前記定荷重バネは、巻き取り式で、引っ張り点の位置が変化しても定荷重で引っ張れるものであれば何でも良く、薄金属を巻き取るタイプでも良いし、金属ワイヤを巻き取るタイプでも良い。
【0011】
てこの原理により、支点軸と引っ張り点との距離が大きいほど大きな力(モーメント)で引っ張ることができる。本発明のリンク機構は、支持アームの傾斜角度にしたがって支点軸と引っ張り点との間の距離が変化するので、支持アームの傾斜角度によるモーメント(荷重)の違いや、引っ張り角度(引っ張り点における回動部材と引っ張り方向との相対角度)の違いを補償することができる。したがって、本発明のリンク機構と巻き取り式定荷重バネにより、支持アームの傾斜角度に応じたモーメント(荷重)を、より正確にバランスすることができる。
【0012】
また、本発明は以下の好ましい実施態様を有する。
前記リンク機構は、
前記回動部材上に設けられ前記引っ張り点がスライド可能なスライド穴と、
前記引っ張り点が先端に接続されており、前記支点軸とは異なる補助支点軸を中心にして回動する補助回動部材と、からなる。
【0013】
前記補助回動部材の材質は、引っ張り点での巻き取り式定荷重バネの張力を保持できる強度を有していれば何でも構わず、金属、樹脂等が用いられ得る。
前記補助回動部材の形状は、補助支点軸を中心に回動可能で、回動部材の支点軸と引っ張り点との間の距離の変化を補助するものであれば何でも良く、棒状の部材でも良いし、面状の部材でも良い。また、複数の部材により構成されていても構わない。
【0014】
また、本発明は以下の好ましい実施態様を有する。
前記支持アームの回動をロック及びロック解除できる回転ロック機構をさらに有する。
【0015】
前記回転ロック機構は、支持アームの回動をロック及びロック解除できるものであれば何でも良いが、支点軸を固定/解除する電磁クラッチが好適に用いられる。
前記回転ロック機構を設けることにより、支持アームを固定することができるので、被支持器具を任意の位置に固定可能である。
【0016】
また、本発明は以下の好ましい実施態様を有する。
前記支持アームの先端に回動自在に接続される第2支持アームと、
前記第2支持アームの先端に接続された
被支持器具と、
前記第2支持アームに接続され、前記第2支持アームに引っ張り力を伝達する補助アーム機構と、
第2支点軸を中心に回動し、前記補助アーム機構に引っ張り力を伝達する第2回動部材と、
前記第2回動部材上を移動可能な第2引っ張り点を介して前記第2回動部材を引っ張る巻き取り式の第2定荷重バネと、
前記第2支持アームの傾斜角度に応じて前記第2支点軸と前記第2引っ張り点との間の距離を変化させる第2リンク機構と、をさらに有し、
前記第2リンク機構は、前記第2支持アームの水平からの角度が大きくなるにしたがって、前記第2支点軸と前記第2引っ張り点との間の距離を小さくする。
【0017】
前記第2支持アーム、前記補助アームの材質については、支持アームと同様に、
被支持器具を支持できる強度を有するものであれば特に限定されず、金属、樹脂等が用いられ得る。前記第2回動部材の材質は、回動部材と同様に、支持アームを引っ張る力を保持できる強度を有していれば何でも構わず、金属、樹脂等が用いられ得る。また、前記第2回動部材の形状は、第2支点軸を中心に回動可能で、第2支点軸と第2引っ張り点との間の距離を変化させられれば何でも良く、棒状の部材でも良いし、面状の部材でも良い。また、複数の部材により構成されていても構わない。前記第2定荷重バネは、第1定荷重バネと同様に巻き取り式で、引っ張り点の位置が変化しても定荷重で引っ張れるものであれば何でも良く、薄金属を巻き取るタイプでも良いし、金属ワイヤを巻き取るタイプでも良い。
【0018】
本発明は、1本の支持アームの先端に
被支持部材を設けてモーメント(荷重)をバランスさせても良いが、バランスされた支持アームを2本用いる本実施態様を採用することでさらに自由度の高い支持アーム装置を実現できる。支持アームの先端に回動自在な第2支持アームを設け、支持アームに平行な補助アームを介して第2支持アームに引っ張り力を伝えることで、第2支持アームを支持アームと同様に任意の角度にバランスさせることができる。2つの支持アームを任意角度でバランスさせられるので、2支持アーム(2関節)の可動支持アーム装置を実現でき、鉛直面内の任意の位置で
被支持器具を固定することができる。さらに、可動支持アーム装置自体を水平方向の回転(鉛直軸を中心とした回転)をさせる機構や平行移動させる機構を設けることで、
被支持器具をより広い範囲に移動可能であるが、これらの機構は回転台やキャスター付き基台などの公知の技術で実現可能であり、言うまでもなく本発明の技術的範囲に包含される。
【0019】
また、本発明は以下の好ましい実施態様を有する。
前記第2リンク機構は、
前記第2回動部材上に設けられ前記第2引っ張り点がスライド可能な第2スライド穴と、
前記第2引っ張り点が先端に接続されており、前記第2支点軸とは異なる第2補助支点軸を中心にして回動する第2補助回動部材と、からなる。
【0020】
また、本発明は以下の好ましい実施態様を有する。
前記第2支持アームの回転をロック及びロック解除できる第2回転ロック機構をさらに有する。
【0021】
また、本発明は以下の好ましい実施態様を有する。
前記被支持器具は医療機器である。
【0022】
前記医療機器としては、硬性内視鏡、手術用顕微鏡、手術機器、手術用固定器具などがある。
本発明は、特に位置決め精度を必要とし、省スペースを必要とする医療機器の支持に好適に用いられる。