特許第6376479号(P6376479)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6376479低速で変化する電荷を蓄積および測定するためのシステムおよび方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376479
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】低速で変化する電荷を蓄積および測定するためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01R 29/24 20060101AFI20180813BHJP
   H03F 3/70 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   G01R29/24 H
   H03F3/70
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-558274(P2016-558274)
(86)(22)【出願日】2014年12月14日
(65)【公表番号】特表2017-504810(P2017-504810A)
(43)【公表日】2017年2月9日
(86)【国際出願番号】EP2014077659
(87)【国際公開番号】WO2015086849
(87)【国際公開日】20150618
【審査請求日】2016年12月8日
(31)【優先権主張番号】P.406497
(32)【優先日】2013年12月14日
(33)【優先権主張国】PL
(73)【特許権者】
【識別番号】509341396
【氏名又は名称】ユニバーシテット ヤギエロンスキ
【氏名又は名称原語表記】UNIWERSYTET JAGIELLONSKI
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ソシン、ズビグニュー
(72)【発明者】
【氏名】アダムチク、マレク
(72)【発明者】
【氏名】ソシン、マチエイ
(72)【発明者】
【氏名】ラスコ、パウェル
【審査官】 青木 洋平
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−506094(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0045816(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/072950(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0270471(US,A1)
【文献】 特開昭60−117639(JP,A)
【文献】 特開昭48−102552(JP,A)
【文献】 米国特許第05005061(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 29/24
H03F 3/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電荷を測定するシステムであって、
キャパシタンスフィードバックを有する演算増幅器である電荷積分器に接続されたキャパシタンス検出器を備え、
前記電荷積分器の入力段は、対称に接続された相補的な一対のJFETトランジスタを含み、
前記相補的な一対のJFETトランジスタの複数のゲートは、前記電荷積分器の入力に接続され、
前記対称に接続された相補的な一対のJETトランジスタのうちn型トランジスタは、自動電圧制御システムに接続されたドレインを有し、
前記対称に接続された相補的な一対のJFETトランジスタの後段でpnpトランジスタおよびnpnトランジスタが直列に接続され、
前記n型トランジスタは、前記pnpトランジスタのエミッタに接続され、
前記対称に接続された相補的な一対のJFETトランジスタのうちp型トランジスタは、前記npnトランジスタのエミッタと、電流値が調整可能な調整電源とに接続され、
前記自動電圧制御システムは、電荷を測定するときに、前記n型トランジスタアバランシェ領域で動作する範囲において前記n型トランジスタのドレイン電圧を調整することで、前記対称に接続された相補的な一対のJETトランジスタのp型トランジスタのゲート電流の絶対値を、前記n型トランジスタのゲート電流の絶対値と等しくする、システム。
【請求項2】
前記n型トランジスタの前記ドレインは電源によって駆動され、前記電源の電流は、前記n型トランジスタの前記ドレインの電位には依存しない、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記調整電源は、前記p型トランジスタのドレインに接続される、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
システムを用いて電荷を測定するための方法であって、
前記システムは、キャパシタンスフィードバックを有する演算増幅器である電荷積分器に接続されたキャパシタンス検出器を備え、
前記電荷積分器の入力段は、対称に接続された相補的な一対のJFETトランジスタを含み、
前記対称に接続された相補的な一対のJFETトランジスタの複数のゲートは、前記電荷積分器の入力に接続され、
前記対称に接続された相補的な一対のJFETトランジスタのうちn型トランジスタは、電圧制御システムに接続されたドレインを有し、
前記対称に接続された相補的な一対のJFETトランジスタの後段でpnpトランジスタおよびnpnトランジスタが直列に接続され、
前記n型トランジスタは、前記pnpトランジスタのエミッタに接続され、
前記対称に接続された相補的な一対のJFETトランジスタのうちp型トランジスタは、前記npnトランジスタのエミッタと、電流値が調整可能な調整電源とに接続され、
当該方法は、
電荷を測定するときに、前記電圧制御システムを用い、前記n型トランジスタアバランシェ領域で動作する範囲において前記n型トランジスタのドレイン電圧を調整することで、前記対称に接続された相補的な一対のJFETトランジスタのうちp型トランジスタのゲート電流の絶対値を、前記n型トランジスタのゲート電流の絶対値と等しくする段階を有する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、低速で変化する電荷を蓄積および測定するためのシステムに関し、より具体的には非常に低い周波数場によって誘導される電荷に関する。
【背景技術】
【0002】
電荷積分器を使用して電荷を測定する複数の既知のシステムがある。このタイプの典型的な構造が図1に示されている。このシステムは、電荷積分器120に接続されたキャパシタンス検出器(capacitance detector)110を備えており、電荷積分器はキャパシタンスフィードバック130を有する演算増幅器である。このタイプのシステムにおける電荷qの測定は、検出器システムに蓄積された電荷を基準フィードバックキャパシタンスCfに移し、次の式を使用してこのキャパシタンスの電荷を測定することに基づいている。
【0003】
【数1】
【0004】
検出器110のキャパシタンスCは、入力インピーダンスを有する電荷積分器120の入力に接続されている。入力インピーダンスは、容量特性を有し、主にシステムの動的キャパシタンスCdyn=(k+l)Cを含み、そこに並列に接続される入力幾何キャパシタンスCinによって僅かに修正される。検出器キャパシタンスCとキャパシタンスCdyn+Cinの並列接続によって、セクションαqの検出器に蓄積された電荷qは、フィードバックキャパシタンスCに移されることになる。係数αは、次の式に等しい。
【0005】
【数2】
【0006】
増幅器システム(フィードバック無し)の増幅係数Kは非常に大きい(典型的には、K=10〜10)ため、典型的なキャパシタンス値、C、Cin、C(1〜数百pFの範囲内)では、係数αは、1(unity)に近い。この理由により、検出器によって集められた電荷のほぼ100%が、フィードバックキャパシタンスに移される。検出器によって集められた電荷qの量は、検出器のサイズ、そのタイプ(使用される物質、例えば気体、または固体、半導体)、および発生した電荷を蓄積する電界の値に依存する。この電荷を最適に蓄積するべく、比較的高い電圧が、検出システムを作動させるために使用される。
【0007】
最善の複数のノイズパラメータは、フィードバック抵抗を取り外した複数のJFETトランジスタを、複数の入力電子回路が基にしている複数のシステムで実現される。これにより、このタイプの標準的な複数のシステムでは、接合の逆方向電流による、フィードバックキャパシタンスの低速充電が生じる。この電流は、ドレインフィードバックまたは光電フィードバックを使用することによって補償されることはない。これらのフィードバックタイプは、接合の逆方向電流の増大を、その方向を変える可能性なしに、制御することを可能にするだけである。
【0008】
補償が唯一可能になるのは、外部電源を接続する場合であり、(キャパシタンスCの電荷の蓄積による)電流の方向は、JFETトランジスタのゲート電流Iによって決定される方向とは逆方向に生じる。そのような状態が生じるのは、例えば、半導体検出器が積分器の入力に接続されているときである。そのようなシステムの例は、図2に示されている。更に、システムへの個々のそのような干渉は、たいてい何倍も、入力ノイズのレベルを増大させる。半導体検出器を接続する場合には、キャパシタンスCをトランジスタのゲート電流の方向とは逆方向の電流Iで充電する接合が生じる。
【0009】
トランジスタTのゲート電流を補償する類似の方法が、図3に示すように、複数の相補型電界効果トランジスタで形成されたシステムにおいて実現され、これはPCT出願の公報WO2012114291で公知である。そのような複数のシステムでは、nチャネルトランジスタのゲート電流を補償する接合は、pチャネルトランジスタである。そのような解決方法では、追加の接合のpチャネルトランジスタは、システムの複数のパラメータを事実上低下させず、更に、これは、高キャパシタンスの複数のシステムの場合には特に、これらパラメータを向上させる傾向がある。これは、pチャネルトランジスタが、信号増幅のプロセスにおける対称な方法に関与するという、事実による。このシステムでは、(全く同じゲート電流を流し得るように、複数の接合トランジスタを整合させるのは、事実上不可能という事実により)通常、補償は完了しない。ゲート電流の完全な均一化の実現を可能とする、そのようなシステムの修正形態を提供することが望ましいであろう。
【0010】
電荷を測定するシステムを向上させ、その結果、システムが、低速で変化する電荷を蓄積し、かつ正確に測定するために大いに役立つことも望ましいであろう。
【発明の概要】
【0011】
キャパシタンスフィードバックを有する演算増幅器である電荷積分器に接続されたキャパシタンス検出器を備える、電荷を測定するシステムが示され、ここで電荷積分器の入力段は、対称に接続された相補的な一対のJFETトランジスタを含み、相補的な一対のJFETトランジスタの複数のゲートは電荷積分器の入力に接続され、相補的な一対のトランジスタのうちn型トランジスタは、電圧調整システムに接続されたドレインを有する。
【0012】
好ましくは、電圧調整システムは、手動制御のポテンショメータである。
【0013】
好ましくは、電圧調整システムは、n型トランジスタのドレイン電圧を出力電圧の一定成分が変わらない値に自動的に設定するように適合されたシステムである。
【0014】
好ましくは、休止時電圧では、n型トランジスタのゲート電流が、相補的な一対のトランジスタのうちp型トランジスタのゲート電流より低い。
【0015】
好ましくは、n型トランジスタのドレインは電源によって駆動され、電源の電流は、n型トランジスタのドレイン電位には依存しない。
【0016】
好ましくは、システムは、相補的な一対のトランジスタのうちp型トランジスタのドレインに接続された調整電源をさらに備える。
【0017】
また、キャパシタンスフィードバックを有する演算増幅器である電荷積分器に接続されたキャパシタンス検出器を備える、システムを用いて電荷を測定する方法が示され、電荷積分器の入力段は、対称に接続された相補的な一対のJFETトランジスタを含み、相補的な一対のJFETトランジスタの複数のゲートは、電荷積分器の入力に接続され、相補的な一対のトランジスタのうちn型トランジスタは、電圧調整システムに接続されたドレインを有し、電圧調整システムは、相補的な一対のトランジスタのうちp型トランジスタのゲート電流を、n型トランジスタのゲート電流と等しくなるように設定するよう構成される。
【0018】
好ましくは、システムは、キャパシタンスフィードバックとp型トランジスタのドレインに接続された調整電源とを短絡させるキーをさらに備え、キーが閉じているときに電荷を測定すべく、システムのゼロ出力電圧を設定するように、調整電源は設定される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
本発明は、以下の図面により例示的な実施形態を用いて示される。
【0020】
図1】電荷積分器を使用して電荷を測定する既知のシステムを示す。
【0021】
図2】当技術分野で既知の半導体検出器を示す。
【0022】
図3】当技術分野で既知の電荷積分器を示す。
【0023】
図4】本発明による電荷積分器の例示的な実施形態を示す。
【0024】
図5】アバランシェ効果を示す。
【0025】
図6】電荷積分器におけるポイントPの電位変化を示す。
【0026】
図7】調整電流源を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図4は、本発明による電荷測定システムの構成要素として使用される、電荷積分器の例示的な実施形態を示す。電荷積分器120の入力段121は、対称に接続された一対のJFETトランジスタT、Tを備え、それらのゲートは、電荷積分器の入力に接続されている。システムの入力構造は、使用される複数のトランジスタのタイプ(pnp、npn)により対称になっており、強制的にシステムと、システムの動作点を規定する電源電圧との対称動作を行う。トランジスタTは、トランジスタTとともに、ポイントPにおける電位には依存しない電流源I01で駆動される。ポイントPにおける電圧値は、トランジスタTのベースに定電圧(エミッタの電圧はこの電圧より、およそ、一定のベースエミッタ接合電圧値だけ高い)だけ供給することがもたらした結果であり、このようにして変えられ得る(すなわち、本明細書でさらに説明されるように、トランジスタTのゲート電流に適切に影響を及ぼすように選択され得る)。
【0028】
電荷インパルスの場合だとすれば、トランジスタTを流れる電流は、減少する(そして同時にトランジスタTを流れる電流は、増大する)。トランジスタTおよびTは共通の電源I01で駆動されるため、トランジスタTを流れる電流の減少は、トランジスタTを流れる電流の(大きさの点で)全く同じ増大を引き起こす。トランジスタTは、ベース共通増幅器を形成するとみなされ得る。トランジスタTは、トランジスタTの負荷、およびそれ自体で対称的にベース共通増幅器OBの一部の両方を構成する。トランジスタTは、ベース共通増幅器用の能動負荷を構成する。システムにおいて、出力インパルスを発生させる原理は、図6に示される。ここでは、トランジスタTおよびTのコレクタ特性が交差する結果として、ポイントP2の電位の変化を示す。ここで、VEEは、トランジスタTとTのエミッタ間の電圧である。
【0029】
電源I01は、定電流を発生する電源を構成し、トランジスタTのドレイン電位には依存しない。これにより、トランジスタTを流れる電流を変えることなく、このトランジスタのベース電位を変えることが可能になる。また、トランジスタTは、定電流源とみなされ得る。そのような構成により、トランジスタTのドレインに異なる複数の電圧をかけて動作させることが可能になる。そして、トランジスタTのドレイン電位を変化させると、アバランシェ効果の結果としてトランジスタTのゲート電流を制御することが可能になる。アバランシェ効果は、図5に示され、図5は、JFETトランジスタのゲート電流のソース・ドレイン間電圧に対する依存性のグラフを示している。
【0030】
したがって、電荷積分器の入力は、JFETトランジスタの2つの接合で構成される。こうして、これらのトランジスタは、逆並列方式で接続された2つのダイオードを構成し、過大な電圧インパルスの発生から保護するシステムを提供すると考えられ得る。
【0031】
図3および4に示されるシステムが、使用される複数の半導体のタイプによって、対称性を有するとしても、多少の違いが特に複数のJFETトランジスタに生じ得る。これらのトランジスタでは、ゲート電流は、ドレインにかかる電圧によって決まる(例えば、Paul Horowitz, Winfield Hill著、「The art of electronics」を参照)。この電圧を特定のレベルを超えるようになるまで増加させると、アバランシェ効果(図5)の発生の結果として、ゲート電流の著しい増加が引き起こされる。この効果は、nチャネルトランジスタでははるかに大きくなる。このため、本発明によるシステムでは、このタイプのトランジスタ(トランジスタT)は、調整された(調整可能な)ゲート電流を持つ要素とみなされる。本発明によるシステムでは、pチャネルトランジスタTのタイプが選択され、そのドレインにかかる電圧は、抵抗R、Rによって形成される分圧器を使用して設定される。その結果、この選択およびこの設定は、そのドレインに電圧を印可するシステム122を使用して、そのゲート電流がトランジスタTで選択されたゲート電流によって平衡を保つことを可能にするであろう。これらの電流が平衡する効果として、システムの高入力抵抗が実現され、ならびに複数のJFETトランジスタのゲート電流側からキャパシタンスCを充電する電流が実質的に不足する。
【0032】
例えば、特定の休止時電圧に対して、nチャネルトランジスタTは、そのゲート電流がpチャネルトランジスタTのゲート電流より僅かに小さくなるように選択される。これにより、トランジスタTのゲート電流を増大させる結果として、複数のゲート電流を均一にする可能性がある。そのような調整は、トランジスタTのドレインにかかる電圧を調整し、このようにしてそのゲートの接合部でアバランシェ効果を引き起こすことによって実行され得る。
【0033】
電圧を設定するシステム122は、手動制御のポテンショメータの形態であり得る。ポテンショメータは、出力電圧(例えば、メータを使用して観察される)を所定の時間、不変のままにさせる値に設定される。
【0034】
代替的に、電圧を設定するシステム122は、自動的なシステムであり得て、出力電圧の一定成分が変わらないように、トランジスタTのドレイン電圧を調整するよう適合されている。
【0035】
システムは、また、調整電源I02を備える。フィードバックキャパシタンスCに並列に接続され、かつ、例えば、小型リードスイッチに基づいて形成されたキーK1が閉じている間、ゼロに等しい出力電圧が実現されるように、この電源の電流は、選択される。この電流を選択して適切な電子回路に蓄積し、このキーK1を開くと、システムは、誘導電荷を測定する準備ができている。
【0036】
図7は、調整電源I02の例示的な実施形態を示す。この電源は、ポイントP3(定電位)と演算増幅器の出力との間に接続された抵抗R2によって構成される。この例では、高入力抵抗を有する増幅器が使用された。電圧フォロアとして機能するこの増幅器の入力には、数マイクロファラッドのキャパシタンスが付いている。キーK2(リードスイッチであり得る)を開いた後、フォロアは、(数時間であっても)容量Cにかかる電圧を記憶しており、ポイントPへ一定の電流が供給される。容量Cにかかる電圧は、次の演算増幅器に実装されるフィードバック回路によって、ミリ秒オーダーの時定数で設定される(閉じたキーK)。このシステムでは、フィードバックループ(閉じたキーK、K)で、容量Cに適切な電圧を設定することによってゼロの出力電圧値が実現される。この動作(数ミリ秒続く)の後、システムは、測定の準備ができ、その間キーKおよびKは開いている。次に、蓄積された電荷の値は、容量Cにかかる電圧(積分器の出力)として測定される。
【0037】
積分器の休止時電流の補償に起因して、システムの入力抵抗は、無限大に向かう傾向があり、結果として本発明によるシステムは、非常に低速で誘導される電荷を測定するために使用され得る。
【0038】
システムの入力は絶縁破壊、および比較的大きい突入信号の発生から保護されているという事実により、システムは、科学分野、医療分野、さらに工業分野の研究に広く使用され得る。
【0039】
本発明によるシステムは、標準的な状態、ならびに例えば数秒または数十秒も続く電荷誘導過程において電荷が比較的低速で蓄積される状態において、使用され得る。従来技術で既知の複数のシステムでは、特にWO2012114291で開示されたシステムでは、FETトランジスタのフィードバック補償ゲート電流は使用されていない。抵抗フィードバックを使用する場合には、1pFのフィードバックキャパシタンスおよび10のフィードバック抵抗に対する時定数を考慮すると、10−3秒という容量放電の最大限の時定数が実現される。本発明による解決方法では、適切な電流補償により、容量放電の時定数はきわめて高く、数十〜数百秒という前記値に容易に達する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7