【実施例】
【0042】
本発明の効果を実証すべく、以下に示す種々の実験を行った。
【0043】
1.後段触媒の製造と評価
1−1 NiRu/Al−NiO
x触媒の調製
本発明の後段触媒の一合成例として、減圧型噴霧プラズマ法による方法を最初に説明する。
まずNiとAlの複合酸化物粉末を合成した。原料溶液として蒸留水100mLに対して硝酸ニッケル六水和物(Ni(NO
3)
2・6H
2O)4.67gと硝酸アルミニウム九水和物(Al(NO
3)
3・9H
2O)17.66gを溶解し、Ni/Alモル比が0.34の混合水溶液を作製した。減圧高周波熱プラズマ装置の減圧空間に出力100kW、4MHzで点火されたアルゴンプラズマトーチ内に,酸素5%のアルゴン混合ガスを用いてこの混合水溶液を噴霧、搬送した。プラズマトーチを経て生成した粉末はフィルターによって捕集し、合計500gの粉末が得られるまで実施した。
【0044】
次にNiとAlの複合酸化物粉末にRuを1wt%担持した。先に合成した粉末8.0gに脱イオン水100gを加え、10分間攪拌した。同様に、担持後の金属ルテニウムの含有率が1wt%になる量のニトロシル硝酸ルテニウム(III)に脱イオン水28gを加え、10分間攪拌した。ビュレットを用いてニトロシル硝酸ルテニウム(III)溶液を、粉末懸濁液に約20分で全量を添加し、その後更に10分間攪拌した。懸濁液をナス型フラスコに導入した後、35〜40℃の湯浴中で30分間攪拌した後、一旦室温まで冷却し35℃〜40℃でエバポレーターにかけ、水分を蒸発させた。得られた粉末を120℃で一晩乾燥させた後、空気中500℃で5時間焼成した。
【0045】
本方法で得た粉末は、以下の方法でメタルハニカム触媒に加工した。メタルハニカム(新日鐵住金マテリアルズ製、材質15Cr−4Alステンレス鋼NSSCHOM)は、セル数400cpsi、セル壁厚30μm、外径25.4mm(1インチφ)、長さ15mmを用いた。高温酸化処理により表面には緻密なα−Al
2O
3層が析出している。1wt%Ru担持NiAl複合酸化物粉末3gに対してアルミナゾル(日産化学工業製、アルミナゾル520)6g、純水25gの割合で加え、攪拌・混合してコーティング用スラリーを作製した。メタルハニカムをこのコーティング用スラリーに浸漬し、引き上げた後エアーポンプによりセル内部・外壁面の余分なスラリーを除去した。電気炉で空気中500℃1時間の焼成後、コーティングしたハニカムを秤量する。正味のコーティング量がハニカム1リットル当たり300gになるまでこの操作を繰り返して各セルの内壁に触媒層が均一に形成されたハ二カム触媒を得た。
【0046】
本方法でメタルハニカムにコーティングされた1wt%Ru担持NiAl複合酸化物は、水素ガスによる還元処理を経て後段触媒としての性能を発現する。その構成は、NiとAlの複合酸化物担体の表面に担持したRu微粒子と担体から析出した微細Ni粒子がCOメタン化活性成分として分散している。
【0047】
1−2 触媒の初期特性評価
触媒の初期活性評価の条件と手順を以下に説明する。
メタルハニカム触媒(1インチφ−15mmL)は、内径27mmの石英反応管に設置した。反応管壁とハニカム壁の隙間を反応ガスが流れないよう周囲を石英ウールで充填した。また後述する粒状触媒(サイズ1.2〜2.0mm)の場合は、別途充填容量2mlの触媒を計り取り、内径12mmの石英反応管中央に設けた目皿上にそのまま充填した。シース熱電対の先端を触媒層の上端から約5mmの位置に挿入し触媒層の温度測定を行った。
【0048】
反応管に設置した触媒は、触媒性能を評価する前に、以下の手順で水素中での還元処理を施した。反応管内部の空気をN
2で十分パージした後、H
2 500mL/minを流通し、20℃/minで500℃まで昇温した。500℃で1時間温度保持することで、酸化物として存在していたRuやNiは金属に還元され活性成分として作用する。還元終了後、H
2からN
2にガスを切り替え5分間流しH
2をパージした。その後、触媒の活性評価を行う温度まで降温した。
【0049】
触媒温度が目的の反応温度に達したら、水蒸気を反応管内に導入しはじめ、5分後に反応ガスを導入した。水蒸気供給速度は水蒸気/CO=34(モル比)に相当する値とし、イオン交換水をマイクロポンプで200℃に保った気化器に送り、発生した水蒸気をN
2キャリアで反応管に導入した。各反応ガスはマスフローコントローラーにより反応管に導入し、組成はドライベースでCO 0.5vol%、CO
2 19vol%、H
2 balanceとした。CO濃度は0.5%以外にも必要に応じて種々変化させた。空間速度SVは2000〜10000h
−1範囲から選定した。反応管出口ガスの分析は、CO、CO
2、CH
4については非分散型赤外分析計を、H
2については熱伝導度式分析計(いずれも堀場製作所製)をそれぞれ用いた。当初設定温度でのガス分析が終了した後、順次触媒温度を上げ、各温度でのガス分析を実施した。
【0050】
実施例1−1のNiRu/Al−NiOxハニカム触媒の初期特性評価結果を
図6に示す。
図6(a)〜(d)では、SV2400h
−1において、入口CO濃度を0.2、0.5、0.8%と変えた時の出口CO濃度、出口CH
4濃度、CO除去率、CO選択率をそれぞれ比較した。
後段触媒には、(1)COメタン化反応の低温活性が高いこと、(2)CO除去率が高いこと、(3)CO
2メタン化反応が特に高温度で良く抑制されていること、が望まれる。本発明では(1)を表す数値として出口CO濃度が最小値を示す温度「最適動作温度;T
opt(℃)」を既に定義した。T
optの値は小さいほど良い。(2)の指標については、最適動作温度における出口CO濃度CO
minを用いることとした。当然その値は、小さいほど良い。一方、(3)の指標については次の様にした。先ず出口CH
4モル流量が入口COモル流量の2倍になる温度、つまりCO選択率が50%の温度をT
η=50%(℃)とする。この温度と最適動作温度の差ΔT=T
η=50%−T
optを(3)の指標として用いることとした。各触媒において出口CO濃度が最も減少した温度からどれだけ高い温度までCO
2メタン化反応の進行を抑制するかをΔTは示しており、その値は大きいほど良い。
NiRu/Al−NiOxハニカム触媒のそれぞれの数値を、本発明の実施例に示す他の後段触媒と共に表1にまとめて示した。NiRu/Al−NiOxハニカム触媒では、入口CO濃度の低下と伴にT
opt、CO
minは減少、ΔTは増大し、いずれの指標も触媒性能が向上している事を示している。これはCO選択メタン化触媒の性能に対するCO濃度依存性の一般的な知見とも一致しており、指標の妥当性を裏付けている。
【0051】
【表1】
【0052】
1−3 触媒の長期試験
実施例1−2の触媒の初期特性評価終了後、引き続き触媒の長期試験を行った。触媒を一定温度に保持し、数千時間に亘って反応を継続した。その間、触媒出口ガス中のCO、CH
4濃度の変化量から触媒性能の長期安定性を確認した。
【0053】
耐久性に非常に優れた触媒や反応条件が緩やかな場合には、運転が数千時間に及んでも出口ガス組成にほとんど変化が認められない事がある。このような場合は、連続運転200時間ないしは400時間ごとに、実施例1−2の初期特性評価と同様の手順により、150℃付近から長期試験運転温度までの範囲内で温度を順次変化させ、低温性能を計測した。この方法は、連続運転の過程で、反応速度が遅い低温での性能も併せて評価することになるため、出口ガス組成に大きな変化が認められなくても触媒の性能低下を迅速・高感度に確認する事ができる。
【0054】
図7にNiRu/Al−NiOxハニカム触媒の長期試験結果を示した。入口CO濃度0.2、0.3、0.5、0.8%において、それぞれの最適動作温度で運転した場合の出口CO濃度の変化を比較した。反応開始100時間付近までは比較的大きなCO濃度の増加を示すが、それ以降はほぼ直線的にCO濃度が増加、つまり触媒性能が低下することを示した。その直線の傾きは入口CO濃度が高くなるに従い大きくなるという傾向を示した。
【0055】
1−4 触媒劣化速度と入口CO濃度の関係
図8は、
図7の出口CO濃度の増加速度;Δ(CO)/Δt(ppm/100h)を入口CO濃度に対してプロットしたものである。入口CO濃度が0.5、0.8%では劣化は20〜30ppm/100hの早い速度で進むが、0.3%になると3ppm/100hと急に減少し、0.2%では最適操作温度の170℃だけでなく20℃高い190℃でも劣化速度は1ppm/100h以下の極めて低い値に抑えられることがわかった。同じ触媒であっても、入口CO濃度が0.3%以下望ましくは0.2%以下で使用することができれば長時間に亘って低い出口CO濃度を維持できる事が示された。
【0056】
1−5 Ni/Al−VOx触媒の調製と性能評価
次に後段触媒の他の合成例として、共沈法による方法を説明する。
まず共沈法により触媒担体であるAl−VOx触媒粉末を調製した。バナジウム酸アンモニウム(NH
4)
2VO
3 0.60gを純水61mLに入れ、加温し溶解させた。また、硝酸アルミニウム44.1gを純水235mLに溶解させた。これら二つの溶液を混合した後、2Lのビーカーに移し2500rpmで撹拌しながら炭酸アンモニウム水溶液を約15分でpH=8になるように滴下した。その後、30分撹拌を継続した。析出した沈殿は、0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、1Lの純水で洗浄した。得られた沈殿は室温で半日減圧乾燥後、110℃の乾燥炉で12時間乾燥した。得られたゲルは、磨砕した後、空気中500℃で3時間焼成した。これによりAl:V=0.96:0.04のモル比の酸化物担体を得た。
【0057】
上記Al−VOx触媒粉末6.26gを純水50mLに投入し縣濁液とした。また硝酸ニッケルNi(NO
3)
2・6H
2O(関東化学社製)12.8gを純水50mLに溶解した。酸化物担体の懸濁液を撹拌しながら硝酸ニッケル水溶液をビュレットを用いて約20分間で全量投入した。室温で30分、45℃の湯浴中で30分攪拌した後、一度室温まで冷却した。その後、35〜50℃の湯浴中でエバポレーターにかけ、水分を全て飛ばした。得られた粉末を、110℃で12時間乾燥させた後、500℃で3時間焼成し、金属換算でNi30wt%を担持した30wt%Ni/Al−VOx触媒粉末を得た。
本方法で得た粉末は、1−1で述べた手順に従いメタルハニカム基材にコーティングした。また、触媒粉末の一部は油圧式成形器により外径20mm、厚さ約1.5mmのタブレットに成形し、その後、粉砕と篩分を経て1.2〜2.0mmサイズの粒状触媒も作製した。これらは所定条件で水素還元処理した後、後段触媒としての性能を評価した。
【0058】
図9は入口CO濃度0.8%におけるハニカム触媒と粒状触媒の初期性能である。ハニカム触媒のSVは2400h
−1、粒状触媒のSVは10000h
−1である。表1で三つの指標を同じ条件(入口CO濃度0.8%,SV2400h
−1)で評価した実施例1−1のハニカム触媒と比較すると、T
optは20℃増加し悪化したものの、CO
minは86ppmが65ppmまで減少し、ΔTは3℃が12℃まで増加し、それぞれ改善が認められた。これは本触媒にCO
2メタン化抑制剤であるバナジウムが添加されているためである。
図10及び
図11はハニカム触媒の連続運転結果とCO増加速度の入口CO濃度依存性である。実施例1−1の触媒と同様、実施例1−5の触媒も出口CO濃度は時間に比例して増加し、その増加速度は入口CO濃度に強く依存している。この触媒の場合も入口CO濃度が0.2%になると1ppm/100h以下の値に抑えられている。
【0059】
1−6 メソポーラスシリカ/Ni/Al−VOx触媒の調製と性能評価
1−2で作製した30wt%Ni/Al−VOx触媒粉末上に、以下の方法で、微量のTiを含有したメソポーラスシリカ層を構築した。
【0060】
30wt%Ni/Al−VOx粉末5.00gと28%アンモニア水(関東化学社製)2.00gを超純水150mLに投入し縣濁液とした。またヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物(アクロス社製)0.6gをエタノール(関東化学社製)40mLと超純水6mLの混合液に入れ溶解した。次にテトラエチルオルトシリケート(関東化学社製)1.20gとチタンイソプロポキシド(関東化学社製)0.05gおよびアセチルアセトン(関東化学社製)0.25gをエタノール8mLに加えアルコキシド溶液とした。30wt%Ni/Al−VOxの懸濁液を撹拌しながら、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で懸濁液を30分撹拌した。次に懸濁液を撹拌しながらアルコキシド溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で16時間撹拌した。その後懸濁液をろ過し400mLのエタノールで残留物を洗浄した。得られた残留物を室温で減圧乾燥した後さらに250℃で1.5時間乾燥させ、次に550℃で4時間焼成し、厚さ15nmのメソポーラスシリカ層を表面に構築したMS/30wt%Ni/Al−VOx触媒粉末を得た。
【0061】
本触媒粉末は、1−1で述べた手順によりメタルハニカム基材にコーティングした。一方、触媒粉末の一部は油圧式成形器により外径20mm、厚さ約1.5mmのタブレットに成形し、その後、粉砕と篩分を経て1.2〜2.0mmサイズの粒状触媒も作製した。
【0062】
図12にメソポーラスシリカ/Ni/Al−VOxハニカム触媒の入口CO濃度0.5%、SV2400h
−1での初期性能を示した。表1のNiRu/Al−NiOxハニカム触媒(No1)は、同じCO0.5%、SV2400h
−1で評価しているため比べてみると、T
optは24℃上昇したものの、CO
minは減少しΔTは増加しており、いずれも大きく性能が向上している。Ni/Al−VOxハニカム触媒(No3)は、入口CO濃度が0.8%と高いため対等の比較はできないが、三つの指標がそろって大きく向上している。
【0063】
図13は粒状触媒の初期性能をSV2500h
−1、各種入口CO濃度で測定した結果である。同一条件で測定した粒状触媒がないため、厳密な比較はできないものの、表1のなかでは3つの指標が揃って優れた触媒である。
図13から明らかなように、この触媒も入口CO濃度の低下と伴に初期性能が向上する傾向は同じである。特にこの触媒の場合、入口CO濃度が0.2%になると、実機で求められる出口CO濃度の目標値<10ppmを30℃という広い温度範囲で実現している。この結果は、
図16の結果と併せて本発明に至る動機の一つとなっている。
【0064】
図14は本触媒の190℃における長期試験結果である。
図7,
図10の他の触媒の長期試験結果と異なり、本触媒ではいずれの入口CO濃度でも初期から出口CO濃度が上昇する事は無く、一定ないしは若干低下する傾向を示した。その期間は入口CO濃度が高ければ短くCO濃度が低いほど長期間継続する傾向を示した。その期間が過ぎるとCO濃度はこれまで同様上昇しはじめるがその傾きは直線ではなく指数関数的に増加している。
図14(a)において、入口CO濃度0.2%の場合、連続運転時間が2600時間を越えてもCO濃度の上昇は認められなかった。このため、実施例1−3「触媒の長期試験」で述べた連続運転中に取得した温度依存性データを用いて低温度における性能低下の有無を確認した。結果を
図15に示した。なお、出口CH
4濃度はCO濃度の変化とは異なり、いずれの入口CO濃度においてもほぼ単調に低下した。CO濃度の上昇とCH
4濃度の減少は、いずれも本触媒はじめNiを活性成分に含む触媒の劣化原因によるもので、高濃度CO条件下で反応が継続するとNi活性サイト上にC,Hを含む析出物(炭素種)が堆積し、CO及びCO
2のメタン化反応速度を共に低下させるためである。
【0065】
図15(a)は、入口CO濃度0.5%の連続運転の途中、各時間に測定したCO濃度の温度依存性曲線を示したものである。連続時間の経過と伴に温度依存性曲線は高温側にシフトしている。例えば、反応開始時には最適運転温度T
optは172℃であったが、1880時間では188℃まで上昇した。
図14(a)の連続運転では、1800時間付近まで出口CO濃度の増加は全く認められなかったが、T
optの顕著な増加が示す様に、触媒の劣化は明らかに進行していることが分かった。
図15(b)は入口CO濃度が0.2%の場合の温度依存性曲線の時間変化である。この場合も温度依存性曲線はわずかながら高温側にシフトする傾向にある。しかしその程度は0.5%に比較すると極めてわずかである事が分かる。
図16はこれらの温度依存性曲線の時間変化を用いて、触媒の寿命を予測した結果である。
図16の縦軸は、各温度依存性曲線のT
optではなくCO濃度が20ppmを示す温度T
(CO=20ppm)である。温度依存性を測定した連続運転時間t(h)の対数に対してこのT
(CO=20ppm)をそれぞれプロットすると、ほぼ直線に乗ることが分かる。この直線を外挿してT
(CO=20ppm)が反応温度である190℃に達するまでの時間がこの触媒の寿命と言うことができる。T
(CO=10ppm)とすれば、触媒が実用上必要な濃度である<10ppmを維持できる時間が算出できるが、入口CO濃度0.5%では出口CO濃度が10ppmを下回らないため、ここでは便宜上20ppmを寿命とした。入口CO濃度0.2%の場合、直線を10万時間まで外挿してもT
(CO=20ppm)は190℃に達しなかった。
このことは、実施例1−6の触媒を入口CO濃度0.2%で使用すれば、先に述べたように出口CO濃度<10ppmの温度領域を広く確保できると共に、実用触媒に求められる6万時間の寿命も同時に達成できる事を示している。
【0066】
1−7 その他のメソポーラス材被覆型触媒の調製と性能評価
1−3では30wt%Ni/Al−VOx触媒上にMS層を被覆した触媒の例を示したが、ここではシリカ以外のメソポーラス材を被覆した後段触媒の例を示す。
【0067】
最初はメソポーラスジルコニアを被覆した例である。1−2で作製したコアの触媒粉末5.00gを脱水エタノール(関東化学製)150mLに投入し縣濁液とした。またヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物(アクロス社製)0.6gをエタノール(関東化学社製)48mLに入れ溶解した。次にジルコニウムテトラn−ブトキシド(関東化学社製)2.12gをエタノール10mLに加えアルコキシド溶液とした。コア触媒の懸濁液を撹拌しながら、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で懸濁液を30分撹拌した。次に懸濁液を撹拌しながらアルコキシド溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で16時間撹拌した。その後懸濁液をろ過し400mLのエタノールで残留物を洗浄した。得られた残留物を50℃で3時間、減圧乾燥した後さらに250℃で1.5時間乾燥させ、次に550℃で4時間焼成し、メソポーラスジルコニア層をコア触媒の表面に構築した粉末状のメソポーラスジルコニア被覆触媒を得た。メソポーラスジルコニア層には、2〜50nm程度の細孔がランダムに形成されていた。また、走査透過型電子顕微鏡エネルギー分散X線分光(STEM−EDS)から、Zrがコアの触媒粒子表面にほぼ一様に分布していることが認められた。
【0068】
次はメソポーラスチタニア層を被覆した例である。コアの触媒粉末5.00gを脱水エタノール(関東化学製)150mLに投入し縣濁液とした。またヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物(アクロス社製)0.6gをエタノール(関東化学社製)48mLと超純水5.3mLの混合液に入れ溶解した。次にチタニウムテトライソプロポキシド(関東化学社製)1.57gをエタノール10mLに加えアルコキシド溶液とした。コア触媒の懸濁液を撹拌しながら、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で懸濁液を30分撹拌した。次に懸濁液を撹拌しながらアルコキシド溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で16時間撹拌した。その後懸濁液をろ過し400mLのエタノールで残留物を洗浄した。得られた残留物を50℃で3時間、減圧乾燥した後さらに250℃で1.5時間乾燥させ、次に550℃で4時間焼成し、メソポーラスチタニア層をコア触媒の表面に構築した粉末状のメソポーラスチタニア被覆触媒を得た。
【0069】
以下はメソポーラスアルミナ層を被覆した例である。コアの触媒粉末5.00gを脱水エタノール(関東化学製)150mLに投入し縣濁液とした。またヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物(アクロス社製)0.6gをエタノール(関東化学社製)48mLと超純水5.3mLの混合液に入れ溶解した。次にアルミニウムトリイソプロポキシド(関東化学社製)1.12gをトルエン15mLに加えアルコキシド溶液とした。コア触媒の懸濁液を撹拌しながら、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で懸濁液を30分撹拌した。次に懸濁液を撹拌しながらアルコキシド溶液をピペットを用いて1分間で全量投入し、室温で16時間撹拌した。その後懸濁液をろ過し400mLのエタノールで残留物を洗浄した。得られた残留物を50℃で3時間、減圧乾燥した後さらに250℃で1.5時間乾燥させ、次に550℃で4時間焼成し、メソポーラスアルミナ層をコア触媒の表面に構築した粉末状のメソポーラスアルミナ被覆触媒を得た。
【0070】
これらの触媒粉末は、加圧成型器により外径20mm、厚さ約1.5mmのタブレットに成形し、その後、粉砕と篩分を経て1.2〜2.0mmサイズの粒状触媒に整粒した。
【0071】
図17と
図18はメソポーラスシリカ/Ni/Al−VOxのメソポーラスシリカ被覆をメソポーラスジルコニアとメソポーラスアルミナに変更した触媒の初期性能と連続運転後の性能をそれぞれ比較したものである。各触媒の連続運転の840時間と1400時間は、それぞれ出口CO濃度が上昇し始めた時間に相当する。表1からも明らかなように被覆層の材料を変更しても同等の性能が得られる事が分かった。
【0072】
2.前段触媒の製造と評価
2−1 メソポーラスシリカを担体に用いた前段触媒の調製と性能評価
最初にTiを微量含むメソポーラスシリカを担体として用いた前段触媒を作製した。以下にその方法を示す。
【0073】
まず、ゾルゲル法によって、メソポーラスシリカ粉末(Ti/Siの原子比が0.03)を作製した。
【0074】
具体的には、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物(アクロス社製)2.9gをエタノール(関東化学社製)298mLと超純水24mLの混合液に入れ溶解した。次に28%アンモニア水(関東化学社製)8.1gと超純水537mLを混合し、上記の溶液に添加した。次にテトラエチルオルトシリケート(関東化学社製)5.92gとチタンイソプロポキシド(関東化学社製)0.18gおよびアセチルアセトン(関東化学社製)1.26gに加えアルコキシド溶液とした。次にヘキサデシルトリメチルアンモニウム臭化物溶液を撹拌しながらアルコキシド溶液をピペットを用いて3分間で全量投入し、室温で16時間撹拌した。その後懸濁液をろ過し400mLのエタノールでろ物を洗浄した。得られたろ物を室温で減圧乾燥した後さらに250℃で1.5時間乾燥させ、次に550℃で4時間焼成し、メソポーラスシリカ粉末を得た。調製したメソポーラスシリカ粉末をTEMで観察したところ、直径がほぼ300nmにそろった球状粒子が観察された。球状粒子中心から粒子表面に向かって約3nm周期の規則的構造が確認できることから、ほぼ均一のナノ細孔が中心部から外表面に向かって樹枝状に形成されているものと思われる。
【0075】
次に、この粉末上にNi−Feを担持させて、Ni−Fe/MS触媒を得た。この担持は、Niの担持量が10wt%となるように行った。Niに対するFeの原子比は、0.1とした。これらの金属の担持は、含浸法(インシピエントウェットネス法)によって行った。具体的にはメソポーラスシリカ粉末5gに対して、Ni:Feの原子比を1:0.1に調製した酢酸Ni水和物(関東化学社製)と酢酸鉄水和物(関東化学社製)の混合水溶液4mLをピペットで滴下し、110℃で5時間、500℃で3時間焼成した。この工程を3回繰り返しNi−Fe/MS粉末を得た。得られた触媒粉末を水素中で還元した後TEMで観察したが、Ni−Fe粒子は明瞭には観察されず、MS細孔内に高分散担持されているものと思われる。
【0076】
作製したNi−Fe/MS触媒粉末は、これまでと同様の方法で1.2〜2.0mmの粒状触媒に成形し、初期性能、耐久性能を評価した。
図19に入口CO濃度0.5%、SV4800及び10000h
−1で取得したNi−Fe/MS粒状触媒の初期性能を示した。また表2には本発明実施例に示す他の前段触媒と共に4つの性能指標(1)T
opt、(2)CO
min、(3)T
η=50%、(4)ΔTをまとめて示した。
【0077】
【表2】
【0078】
本実施例で開示する前段触媒に共通の特徴は、T
optが高く、CO
minも大きいと言う事である。本実施例のNi−Fe/MS粒状触媒の場合、入口CO濃度0.5%、SV4800h
−1でのT
optは219℃で、その温度における出口CO濃度CO
minは289ppmである。これらの値を表1の後段触媒と比較するとその差が顕著であることが分かる。
【0079】
図23は長期試験の結果である。SV10000h
−1は反応温度250℃で、SV4800h
−1は220℃でそれぞれ実施した。
図23(a)は出口CO濃度の時間変化を示しているが、いずれのSVでも出口CO濃度は、初期100時間程度を除きほぼ一定に保たれている。
図23(b)の出口CH
4濃度も同様に一定値を維持している。
図24は、長期試験前後での温度依存性曲線を比較したものである。SV10000h
−1で300h運転した後の温度依存性曲線は初期とほとんど変わっていない。SV4800h
−1ではむしろ初期性能よりやや性能が向上している。この原因は現状不明であるが、いずれにしろ、
図23,
図24の結果は、本実施例の前段触媒が高い劣化耐性を有している事を示している。
【0080】
先にも述べたように、本条件における触媒の出口CO濃度は後段触媒に比べると著しく高く、決してCO除去性能に優れた触媒とは言えない。しかし例えば後段触媒として開示したメソポーラス/Ni/Al−VOx粒状触媒がCO 0.5%、SV2400h
−1の条件下で
図15(a)に示す速度で劣化しているのに対し、本触媒はSVが2倍の4800h
−1(同一処理ガス量に対して触媒が1/2になることに相当)と4倍の10000h
−1(触媒が1/4になることに相当)の厳しい条件にもかかわらず、ほとんど劣化しないことは特筆すべき特徴である。
【0081】
図25は本触媒を入口CO濃度1.0%、SV10000h
−1の更に厳しい条件下で耐久性を評価した結果である。出口CO濃度は、初期に0.21%(2100ppm)であったが約250時間には0.3%(3000ppm)弱まで増加した。しかし、その後はCO濃度の増加は止まり、一定の値を示すに至った。出口CH
4濃度も初期に低下したが200時間以降は一定の値を示した。
【0082】
この結果は、現行の改質器で使用されるCO除去触媒(CO選択酸化触媒)の入口には0.3〜0.5%のCOが上流から流入する様設計されているが、本前段触媒を使用すればCO除去触媒へ流入するCO濃度を1.0%まで上げても前段触媒の激しい劣化無しにCO濃度を0.2〜0.3%に低減できることを意味している。流入CO濃度の増加はそのまま、上流に設置したCO変成触媒量の削減に結びつくことから経済的な効果は大きい。本発明で開示するCOメタン化反応器は流入CO濃度が0.5%だけでなく1.0%においても適用できることを本図の結果は明らかにしている。
【0083】
2−2 乾式高熱法超微粒子シリカを担体に用いた前段触媒の調製と性能評価
ここではメソポーラスシリカや後述するメソ多孔質球状シリカの様にメソ細孔を有しない無孔性超微粒子SiO
2を担体として使用した。このSiO
2は、乾式高熱法により工業的に製造されたものである。本担体にNi−Feを担持する方法を以下に示す。
【0084】
酢酸ニッケル(II)四水和物(Ni(CH
3COO)
2・4H
2O、関東化学株式会社製)を純水29.86gに溶解した後200mLにメスアップし、0.6M酢酸ニッケル水溶液を調製した。また酢酸鉄(II) (Fe(CH
3COO)
2、株式会社ワコーケミカル製)0.22gを純水に溶解し25mLにメスアップし0.05mol/L酢酸Fe水溶液を調製した。それぞれ硝酸Ni水溶液6.50mLと硝酸Fe水溶液7.80mLを計り取って混合し、Ni−Fe混合水溶液を得た。次にSiO
2粉末(AEROSIL(登録商標)380、日本アエロジル株式会社製)2.06gを秤量し、ビーカーの純水50mlに加え攪拌羽根で撹拌した。10分程撹拌したSiO
2懸濁液に先に調製したNi−Fe混合水溶液を少量ずつ滴下し、更に30分間撹拌した。Ni−Fe溶液を加えたSiO2懸濁液をナス型フラスコに移して45℃で30分間撹拌した後、温度を35℃まで下げエバポレーターで吸引しながら水を除去した。得られた粉末を110℃で一晩乾燥した後、空気中500℃で3時間焼成した。
【0085】
得られた触媒粉末は、これまでの手順に従い粒状触媒に成形した後、初期性能と耐久性能を評価した。
【0086】
図20に本触媒の入口CO 0.5%、SV10000h
−1における初期性能を示した。本触媒は高温域までデータが取得できていないため、表2の各指標は正確に算出できなかったが、T
optが高く、CO
minが大きいと云う特徴は同じであった。
図26は入口CO 0.5%、SV10000h
−1、反応温度235℃における連続運転の結果を示した。500時間の連続運転において、初期、208時間、385時間(矢印)にそれぞれ反応温度より低い温度領域で低温活性を測定した。低温活性を測定した直後、出口CO濃度は一旦低下を示し、またCH
4濃度は増加を示した。しかしその後、いずれも直ちに一定値に戻った。低温活性測定後にCO濃度が一旦低下する原因は現状不明であるが、低温に保持され反応が遅くなることで、触媒表面に生成する炭素種前駆体あるいは中間体の濃度が減少し、劣化が一時的に回復したのではないかと予想される。いずれにしろ本触媒においてもSVが10000h
−1と厳しい条件にも係わらず、触媒が大きく劣化する事無く、0.5%のCOを0.2%以下に安定して維持できる事が示された。
【0087】
図27(a)は初期、208時間、385時間更に535時間時点で取得した温度依存性曲線である。
図27(b)は、更にその一部を拡大した図である。この図を用いて実施例1−6の
図15及び
図16で行った触媒寿命の予測を行った。結果を
図28に示した。
図28は、本触媒を入口CO濃度0.5%、反応温度235℃で連続運転した場合、出口CO濃度が0.20、0.21、0.22%それぞれに達するまでの時間を示している。触媒出口CO濃度が0.20%に達するまでの時間は約1.8万時間、0.21%では6.5万時間、更に0.22%では10万時間を越える事が分かった。本触媒の前段触媒としての耐久性はほぼ実用レベルにあることを意味している。
【0088】
図29は本触媒のSVを4800h
−1(SV10000h
−1に対して触媒量が約2倍に相当)にして初期性能を計測した結果である。2400h
−1に比較してT
optは218℃と20℃以上低くなり、CO
minも1/3の500ppmまで減少した。しかし241℃まで昇温した時点で熱暴走が発生し、触媒温度が急激に40℃上昇すると伴にCO
2メタン化反応により生じたCH
4が10%まで増加した。反応管を加熱する電気炉は停止しているにも係わらず反応ガスを停止するまで触媒の温度は340℃付近まで上昇した。今回はSVを低下したことで熱暴走が生じたが、入口CO濃度を低下させても同様に熱暴走が発生する可能性がある。これはCOメタン化反応速度が高い高温において、入口CO濃度が低下したり、SVが下がり反応ガスと触媒の接触時間が増加することで触媒層内部のCO濃度が大きく低下したことによる。CO濃度が0.1%を大きく下回るようになると、Ni活性サイト上に空サイトが発生し、そこで副反応のCO
2メタン化反応が急速に進行するためである。
前段触媒を適用する上では、この熱暴走の抑制に特に留意する必要がある。その方法については後述する。
【0089】
2−3 メソ多孔質球状シリカを担体に用いた前段触媒の調製と性能評価
先に合成したメソポーラスシリカは約3nmの規則的なメソ細孔を有していたが、本実施例では平均細孔径が約16nmのメソ細孔を有するSiO
2を担体に用いた。
【0090】
触媒として使用する担体を得るために、固体SiO
2 25gに相当するシリカゾル(日産化学製ライトスター)を磁性皿に入れて200℃に熱したホットプレート上で水分を飛ばした。この際にゾル表面に膜が張らないようにスパチュラで混合した。水分が無くなった後、更に130℃で12h乾燥した。乾燥後のSiO
2粉末を乳鉢で粉砕し、更に空気雰囲気下で500℃まで3hで昇温し3h保持して焼成した。
【0091】
次にNi−Feを以下の手順で担持した。イオン交換水を用いて希釈した0.6M酢酸Ni水溶液78.8mLと、イオン交換水:酢酸=3:2の混合溶液を用いて希釈した0.05M酢酸Fe水溶液94.7mLを所定量混合して5分間撹拌した。この時のNi水溶液量を金属Ni重量:シリカ重量=10:90、Fe水溶液量はNi物質量の1/10のFe物質量に相当する量を投入した。焼成したシリカ粉末25gに、Incipient wetness impregnation法でNi−Fe混合溶液を担持した。目安として一回の担持工程で15〜20mgの混合溶液をパスツールで滴下しながらダマにならないようにスパチュラで押しつぶしながら混合した。その後空気中300℃の炉に入れ、30分乾燥した。取り出して放冷後、混合溶液がなくなるまで担持―乾燥工程を繰り返した(8−9回)。その後空気中、500℃に3hで昇温し3h保持して焼成した。焼成後、得られた触媒を乳鉢で粉砕した。得られた触媒粉末は、これまでの手順に従い粒状触媒に成形した後、初期性能と耐久性能を評価した。
【0092】
図21に本触媒の入口CO 0.5%、SV10000h
−1における初期性能を示した。表2の性能指標は、実施例2−1と2−2の中間的な値を示している。入口CO濃度0.5%、SV10000h
−1、反応温度232℃における本触媒の長期試験結果を
図30に示した。その際、初期、400時間、800時間ごとに取得した温度依存性曲線を
図31に比較して示した。
図30(a)に示す様に、本触媒の出口CO濃度は増加を続け、800時間までには一定値に収束しなかったものの、その増加速度は徐々に低下していることがわかった。
図30(b)のCH
4濃度も同様な傾向を示した。
【0093】
2−4 メタルハニカム触媒化の効果
実施例2−3で作製したNi−Fe/SiO
2触媒粉末をメタルハニカム基材にウォッシュコートする工程を以下に示す。
【0094】
Ni−Fe/SiO
2触媒粉末15.0gとシリカバインダー(日産化学製STO40)4.2gと水40gを撹拌・混合してコーティング用スラリーを作製した。この時の触媒とバインダー固形分の比率は90:10とした。メタルハニカムは新日鉄住金マテリアルズ製の外径25.4mm(1インチφ)、長さ15mmのステンレス鋼(YUS205M1)製で表面を高温酸化処理したものである。セル数は400cpsi、セル壁の厚さは30μmとした。メタルハニカムをコーティング用スラリーに浸漬し、引き上げた後にハニカムに付着する余分なスラリーをエアブローで除去した。この際、壁面に付着したスラリーをふき取った。その後電気炉により空気中500℃で15分焼成した。取り出して放冷後、乾燥重量を計測した。その後目的触媒付着量150g/Lまで本操作を繰り返した(5回)。最後に空気中500℃で1h保持し本焼成を行った。
【0095】
得られたメタルハニカム触媒は、これまでと同様、固定床常圧流通式反応評価装置により触媒活性を評価した。なお反応管には外径32mm(内径28mm)の石英製を使用した。反応管中央位置にハニカム触媒をセットし、反応管内壁とハニカムの間には石英ウールを密に充填し、固定とともにガスがハニカム外周を流れないようにした。反応に先立ち試料の水素還元を行った。還元は反応管に500mL/minのH
2ガスを流し、20℃/minで触媒層温度を500℃まで昇温した後、1時間の温度保持をする。還元終了後、反応温度域まで降温し、反応ガスを導入した。反応ガスの組成はドライベースでCO 0.5%、CO
2 20%、水蒸気キャリアN
2 6%、H
2 73.5%とした。水蒸気/CO=34(モル比)に相当する水蒸気を添加する。反応ガスの空間速度は10000h
−1とした。
【0096】
図22及び
図32にメタルハニカム触媒の初期性能を示す。本ハニカム触媒は空間1Lに150gの触媒粉末が存在する。1Lの空間に約1kgの触媒が存在する粒状触媒に比較すると極めて少ない。SV10000h
−1ではCO
minは0.2%を下回らなかったが、SVを8000h
−1まで下げると0.2%以下の領域が現れた。このようにハニカム触媒では触媒コーティング量の調整によりCO
minをはじめT
optを比較的自由に調整可能である。加えてメタルハニカム触媒は300℃まで昇温しても熱暴走を生じる事は無く、安全に使用できるという観点から、前段触媒に好適な形態である。
【0097】
後段触媒は入口CO濃度を0.2%以下で使用できれば劣化を著しく抑制し実用触媒に求められる6万時間以上の耐久性を発現できると云う事を前半の実施例で示した。一方、前段触媒は、0.5あるいは1.0%の入口CO濃度を、自身はほとんど劣化することなく出口CO濃度0.2%以下に低減できる事を後半の実施例により示した。以上の結果、前段触媒と後段触媒を設置する事で、全体として触媒性能を低下させず0.5〜1.0%の入口CO濃度を安定に10ppm以下に低減できることが示された。