特許第6376500号(P6376500)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376500
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】棚を固定するための配置
(51)【国際特許分類】
   A47B 96/02 20060101AFI20180813BHJP
   A47K 4/00 20060101ALI20180813BHJP
   A47B 81/00 20060101ALI20180813BHJP
   A47K 5/18 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   A47B96/02 C
   A47K4/00
   A47B81/00 J
   A47K5/18
【請求項の数】10
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-525825(P2015-525825)
(86)(22)【出願日】2013年7月31日
(65)【公表番号】特表2015-529496(P2015-529496A)
(43)【公表日】2015年10月8日
(86)【国際出願番号】EP2013066050
(87)【国際公開番号】WO2014023621
(87)【国際公開日】20140213
【審査請求日】2016年6月21日
(31)【優先権主張番号】102012015574.3
(32)【優先日】2012年8月8日
(33)【優先権主張国】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】515025929
【氏名又は名称】クノール セン.,アレクサンダー
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】クノール ジュン.,アレクサンダー
【審査官】 油原 博
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2011/0167746(US,A1)
【文献】 特開2008−048778(JP,A)
【文献】 米国特許第04708310(US,A)
【文献】 米国特許第05542218(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 81/00
A47B 96/02
A47K 5/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁装材(20)が取り付けられている室内壁(22)に固定された、浴室用品及び/又はシャワー用品の棚(10a;10b;10c;10d;10e)からなる壁面構造物であり、
前記棚(10a;10b;10c;10d;10e)は、水平面に延出する基底部材(12a;12b;12c;12d;12e)、少なくとも1つの屈曲した側面突出部(14a;14b;14c;14c’;14c”;14d;14d’;14d”;14e;14e’)、及び前記室内壁(22)の壁装材(20)の裏側に配置される少なくとも1つのフランジ(16a;16a’;16b;16b’:16c;16d;16d’;16e;16e’)を有し、
前記基底部材(12a;12b;12c;12d;12e)、前記少なくとも1つのフランジ(16a;16a’;16b;16b’:16c;16d;16d’;16e;16e’)、及び前記棚(10a;10b;10c;10d;10e)の少なくとも1つの側面突出部(14a;14b;14c;14c’;14c”;14d;14d’;14d”;14e;14e’)は、更なる壁装材(20a、20)を受容するための槽状の収容部(18a;18b;18c;18d;18e)を形成し、
平面要素として形成された前記側面突出部(14a;14b;14c;14c’;14c”;14d;14d’;14d”;14e;14e’)は、前記更なる壁装材(20a、20e)の側面を境界するものとして備えられ、
前記基底部材(12a;12b;12c;12d;12e)は、凹部のない平板として形成され、
前記基底部材(12a;12b;12c;12d;12e)、前記側面突出部(14a;14b;14c;14c’;14c”;14d;14d’;14d”;14e;14e’)、及び前記少なくとも1つのフランジ(16a;16a’;16b;16b’:16c;16d;16d’;16e;16e’)は、一体成形されることを特徴とする壁面構造物。
【請求項2】
少なくとも1つの前記フランジ(16a;16a’;16b;16b’;16c;16d;16d’;16e;16e’)が、前記基底部材(12a;12b;12c;12d;12e)の上部及び/又は下部に延出していることを特徴とする、請求項1に記載の壁面構造物。
【請求項3】
前記基底部材(12a;12b;12c;12d;12e)が、排水設備(24d)を有していることを特徴とする、請求項1又は2に記載の壁面構造物。
【請求項4】
少なくとも1つの側面突出部(14a;14b;14c;14c’;14c”;14d;14d’;14d”;14e;14e’)が、前記基底部材(12a;12b;12c;12d;12e)の上部及び/又は下部に延出していることを特徴とする、請求項1〜3のうちいずれか一項に記載の壁面構造物。
【請求項5】
少なくとも1つの前記フランジ(16a;16a’;16b;16b’;16c;16d;16d’;16e;16e’)が、前記室内壁(22)に固定するための開口部(26a;26a’;26b;26b’;26c;26d;26d’;26e;26e’;26.1a;26.1a’;26.1b;26.1b’;26.1d;26.1d’)を有していることを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の壁面構造物。
【請求項6】
前記フランジ(16a;16a’;16b;16b’;16c;16d;16d’;16e;16e’)の前記開口部(26a;26a’;26b;26b’;26c;26d;26d’;26e;26e’;26.1a;26.1a’;26.1b;26.1b’;26.1d;26.1d’)が、接合剤及び/又は固定部材を収容するために設けられていることを特徴とする、請求項5に記載の壁面構造物。
【請求項7】
前記基底部材(12a;12b;12c;12d;12e)が、多角形又は丸みのある基本形状を有していることを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の壁面構造物。
【請求項8】
前記基底部材(12a;12b;12c;12d;12e)が、耐食性金属又はプラスチック又は複合材料から形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のうちいずれか一項に記載の壁面構造物。
【請求項9】
前記槽状の収容部(18a;18b;18c;18d;18e)の中に収容されている前記更なる壁装材(20a;20e)を特徴とする、請求項1に記載の壁面構造物。
【請求項10】
前記棚(10a;10b;10c;10d;10e)の前記更なる壁装材(20a;20e)と前記室内壁(22)の前記壁装材(20)との間に、前記棚(10a;10b;10c;10d;10e)の材料に耐性のあるシリコン製シーリングコンパウンド(28)が塗布されることを特徴とする、請求項1または9に記載の壁面構造物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部分に基づく、棚を固定するための配置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術から、棚を固定するための配置の様々な実施形態が知られている。棚は、通常、浴室又はシャワー室のタイル張りの室内壁に固定されるか、あるいは壁装材に直接固定され、機器、石鹸、ボトル、カップ、布製品などといった浴室用品及び/又はシャワー室用品を置くために用いられる。通常、棚は壁装材の上に固定されるため、壁装材と、室内壁に塗布されているベースコートとを損傷するおそれがある。専門家が棚を取り付けた場合も、専門家以外の者が棚を取り付けた場合や不適切に棚が取り付けられた場合にも、後から棚を装着する場合は壁装材を損傷するリスクがある。しかしながら、棚の取付けは専門家によって行われないことが多いことから、例えば、錆止めを施していないネジの使用や固定不良により、壁装材の外観が損なわれたり、あるいはシャワー室又は浴室にいる人が負傷したりするおそれがある。後装着される棚は、壁装材への永続的又は安全な固定が得られないか、あるいは棚の形状安定性が失われたり、変形したりして、短期間のうちに使用できなくなることが多い。
【0003】
Dansani社のパンフレットから、壁装材が取り付けられている室内壁に浴室用品及び/又はシャワー室用品の棚を固定するための配置が知られている。この棚は、主に、水平面に延出する基底部材及び少なくとも1つの屈曲した側面突出部を有している。浴室又はシャワー室において、タイル張りされた室内壁もしくは壁装材に棚を直に固定するために、壁装材の中や壁装材間の継ぎ目に溝が削り込まれ、続いて接合されることにより、棚は、壁装材間の継ぎ目に配置されて接合されるか、あるいは壁装材に後付けで取り付けられる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、詳細には、安全かつ見た目にも美しい棚の取付けを可能にする、棚を固定するための配置を提供するという課題に基づいている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題は、本発明に基づき、請求項1の特徴によって解決され、本発明のその他の実施形態は請求項2〜11に示されている。
【0006】
本発明は、壁装材が取り付けられている室内壁に浴室用品及び/又はシャワー室用品の棚を固定するための配置を前提としており、この棚は、主に、水平面に延出する基底部材及び少なくとも1つの屈曲した側突出部を有している。この棚は垂直面に延出する少なくとも1つのフランジを有することが提案され、このフランジは室内壁の壁装材の下に配置されている。この関連において、「水平面」とは、詳細には、室内壁の主な拡張方向にほぼ直交するように配置されている、基底部材の延出方向を意味するものとし、この方向は、直角方向から好ましくは最大で2°ずれていてもよい。
【0007】
本発明の主な利点は、この棚が垂直面に延出する少なくとも1つのフランジを有し、このフランジは室内壁の壁装材の下に配置されているという点にある。本発明に基づく配置のさらなる重要な利点は、棚のフランジを2つの側面と広い面積とによって室内壁に固定することであり、この関連において、「2つの側面」とは、詳細には壁装材側のフランジ面と室内壁側のフランジ面を意味するものとする。室内壁側のフランジ面は室内壁に固定することができ、壁装材側のフランジ面は壁装材で覆って、同様に室内壁に押し付けることができる。有利には、このことによって、壁装材を室内壁に取り付ける前に棚の取付けを簡単に実施でき、壁装材によって棚のフランジを覆うことができるので、壁装材を室内壁に取り付けた後には棚のフランジが見えなくなる。これにより、壁装材を取り付ける間に、とりわけ迅速な棚の取付けとスムーズなタイル張りとを行うことができる。タイル張りされた室内壁に棚を固定するか、あるいは壁装材に棚を直接固定する従来の棚の配置に比べ、本発明に基づく配置では、壁装材の損傷リスクを排除することができる。さらに、一体形成で室内壁から突き出している構成部品によって、棚を安定的にもしくは安全に室内壁に配置することができるので、特に見た目に有利な棚をシャワー室又は浴室に取り付けられる。
【0008】
本発明の1つの実施形態では、少なくとも1つのフランジが基底部材の上部及び/又は下部に延出している。有利には、フランジの面積を増やすことによって、フランジと室内壁との接触面も増加できることから、基底部材の上部及び/又は下部で棚の安全な多重固定が可能となり、固定した棚の安定性及び荷重容量を上昇させることができる。有利には、基底部材の上部及び/又は下部に配置されている棚のフランジを白金によって簡単かつ低コストに製造することができ、接触面が広いことから、取付け不良なしに迅速かつ安全にこのフランジを室内壁に取り付けることができる。
【0009】
本発明のもう1つの実施形態では、基底部材が排水設備を有している。これにより、水及び/又は洗浄液で常に棚が濡れている好ましくない状況と、そのことから生じる堆積物とを回避することができるため、この棚は高い衛生要求に対応可能であるとともに、浴室用品及び/又はシャワー室用品を常時棚の上に滑り落ちないように載せておくことができる。
【0010】
少なくとも1つの側面突出部が、基底部材の上部及び/又は下部に延出していることが提案される。有利には、このことにより、基底部材の上に置かれている浴室用具及び/又はシャワー室用具が滑り落ちるのを防止でき、浴室又はシャワー室にいる人が棚で怪我をする危険を最小化することができる。
【0011】
さらに、棚の基底部材、少なくとも1つのフランジ及び少なくとも1つの側面突出部が、壁装材を収容する槽状の収容部を形成することが提案される。有利には、これにより、壁装材のあらゆるタイルデザイン、装飾エレメント又は装飾石にも外観的に棚を適合させられるため、とくに高い外観適合性を備えるエレガントな棚ができる。さらに、この棚は同様に、壁装材に対して目を引く対照エレメントとして壁装材とは異なる装飾エレメントを装備したり、例えば180°回転させたりすることができ、また、ニュートラルでエレガントなデザインの棚として、壁装材なしで室内壁に取り付けることもできる。棚の槽状の実施形態により、とりわけ形状の安定した棚の仕様が可能になり、この棚は、低コストの量産部品として製造できるとともに、壁装材によって外見的にも個々に洗練されたものにすることができる。浴室又はシャワー室の壁装材の変更が計画されている場合、後から棚の中で壁装材を交換できるため、新しい壁装材に適合させることができる。
【0012】
1つの実施形態では、少なくとも1つのフランジが、室内壁に固定するための開口部を有していることが提案される。これにより、有利には、フランジ内部でも開口部によって壁装材と室内壁との接続が可能になることから、棚の位置が調整された状態で、棚を室内壁又は壁装材に重複して固定することができる。
【0013】
もう1つの実施形態では、フランジの開口部が、接合剤及び/又は固定部材を収容するために設けられていることが提案される。有利には、少なくとも2つの異なる固定方式によって棚を何回も室内壁に固定することができるため、特に安定した、負荷に耐える棚を提供することができる。
【0014】
さらに、基底部材が多角形又は丸みのある基本形状を有していることが提案される。有利には、様々な実施形状又は異なる実施サイズで棚を製造できるため、浴室又はシャワー室の建築様式、空間条件、及びユーザーの要求事項に棚を適合させることができる。特に有利には、基本的にどのような棚の実施形状又は実施サイズでも、スペースをとらないようにコーナーに固定することができる。この場合、丸形及び四角形の棚は受け皿面が広く、1つの壁だけに最適に固定することができる。
【0015】
本発明の配置の好ましい実施形態では、耐食性金属又はプラスチック又は複合材料から形成されている基底部材が設けられている。有利には、これにより、特に優れた耐水性材料による極めて耐久性のある棚を提供することができ、この棚は、ほとんどすべてのタイルデザイン、装飾エレメントもしくは壁装材の装飾石に適している。
【0016】
本発明の好ましい実施形態では、槽状の収容部の中に収容されている壁装材を備える棚が設けられている。有利には、これにより、ぴったり合うようにカットした壁装材をはめ込むことで、周辺の環境に外観を適合させることができる。
【0017】
1つの実施形態では、棚の壁装材と室内壁の壁装材との間に、棚の材料に耐性のあるシリコン製シーリングコンパウンドを塗布することが提案される。これにより、棚の壁装材と室内壁の壁装材との間に生じる空洞部及び移行部が密閉されるか、あるいは外観的に覆われるため、追加的に排水しやすくすることができる。有利には、シリコン製シーリングコンパウンドが、棚を追加的に固定できる。
【0018】
その他の利点は、以下の図から説明される。図には、本発明の5つの実施例が示されている。これらの図、説明及び請求項には、組合せの形で多数の特徴が含まれている。当業者は、これらの特徴を個々においても有利なものとみなし、その他の有効な組合せにまとめるであろう。図の中に同一の構成部品がある場合には、それぞれ1つの構成部品のみに符号が付けられている。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】三角形の基底部材と、この基底部材のエッジに配置されている長さの同じ2つのフランジと、基底部材のもう1つのエッジに配置されている側面突出部とを備える棚の第1の実施例の図である。
図2】三角形の基底部材と、この基底部材のエッジに配置されている長さの異なる2つのフランジと、基底部材のもう1つのエッジに配置されている側面突出部とを備える棚の第2の実施例の図である。
図3】矩形の基底部材と、この基底部材の長いエッジに配置されているフランジと、基底部材のその他の3つのエッジに配置されている3つの側面突出部とを備える棚の第3の実施例の図である。
図4a】矩形の基底部材と、この基底部材の上部において基底部材の長いエッジに配置されている第1のフランジと、基底部材の下部において第1のフランジに向かい合って配置されている第2のフランジと、基底部材のその他の3つのエッジに配置されている3つの側面突出部とを備える棚の第4の実施例の側面図である。
図4b図4aによる棚の第4の実施例のもう1つの側面図である。
図5】矩形の基底部材と、この基底部材のエッジに配置されている長さの異なる2つのフランジと、基底部材の別の2つのエッジに配置されている2つの側面突出部とを備える棚の第5の実施例の図である。
図6】壁装材を備える図1による棚の図である。
図7】壁装材を備える図5による棚の図である。
図8図6による棚を備える、棚を固定するための本発明に基づく配置の図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図9は、浴室用品及び/又はシャワー用品の棚10a;10b;10c;10d;10eを壁装材20が取り付けられた室内壁22に固定するための本発明に基づく配置を示している。棚10a;10b;10c;10d;10eは、主に、水平面XYに延出する基底部材12a;12b;12c;12d;12e及び少なくとも1つの屈曲した側面突出部14a;14b;14c;14c’;14c”;14d;14d’;14d”;14e;14e’を有している。棚10a;10b;10c;10d;10eは、さまざまな形状及びサイズで実施することができ、浴室又はシャワー室の室内壁22に取り付けられる。この場合、コーナーに取り付けることも、室内壁22の平坦な領域に取り付けることも可能である。図1〜5には、棚10a;10b;10c;10d;10eの5つの実施形態が示されている。本発明は、説明されている実施例だけに限定されているものではなく、本発明の意味において同様に作用する、棚10a;10b;10c;10d;10eの全ての実施形態も含むことができる。好ましくは、基底部材12a;12b;12c;12d;12eが、耐食性金属、プラスチック又は複合材料から形成されている。しかし、顧客の希望に応じて、その他の材料による実施形態や、すでに言及した材料の組合せによる実施形態も可能である。同様に、棚10a;10b;10c;10d;10eは、顧客のロゴを取り付けることで、カスタマイズすることも考えられる。
【0021】
棚10a;10b;10c;10d;10eを安全に、見た目にも美しく取り付けることを可能にする、棚10a;10b;10c;10d;10eを固定するための配置を提供するため、本発明に基づき、棚10a;10b;10c;10d;10eは、垂直面XZ、YZに延出する少なくとも1つのフランジ16a;16a’;16b;16b’:16c;16d;16d’;16e;16e’を有しており、このフランジは室内壁22の壁装材20の下に配置されている。
【0022】
図1〜5による5つの実施例では、少なくとも1つのフランジ16a;16a’;16b;16b’;16c;16d;16d’;16e;16e’が、基底部材12a;12b;12c;12d;12eの上部及び/又は下部に延出することができる。図1、2、5、6及び7は、三角形の基底部材12a;12b;12eと、基底部材12a;12b;12eのエッジに互いに直角に配置されている2つのフランジ16a;16a’;16b;16b’;16e;16e’と、を備える棚10a;10b;10eの第1、第2及び第5の実施例を示しており、基底部材12b;12eのフランジ16b;16b’;16e;16e’は異なる長さを有していてもよい。図3、4a及び4bから明らかなように、図3による第3の実施例では、矩形の基底部材12cを備える棚10cが、基底部材12cの上部で、基底部材12cの長いエッジに配置されているフランジ16cだけを有しており、図4a、4bによる第4の実施例では、矩形の基底部材12dを備える棚10dが、基底部材12dの上部で、基底部材12dの長いエッジに配置されている第1のフランジ16dと、基底部材12dの下部で、第1のフランジ16dに向かい合って配置されている第2のフランジ16d’とを有している。もちろん、例えばフランジ16a;16a’;16b;16b’;16c;16d;16d’;16e;16e’の中断及び/又は異なる高さなど、当業者に有効であると見なされるフランジ16a;16a’;16b;16b’;16c;16d;16d’;16e;16e’のその他の長さ、高さ及び形状も考えられる。
【0023】
棚10a;10b;10c;10d;10eの堆積物及び継続的な水濡れを軽減し、それによって衛生要求に対応するため、基底部材12a;12b;12c;12d;12eは排水設備24dを有している。第1の実施形態では、排水設備24が、基底部材12a;12b;12c;12d;12eの傾斜として実施されていてよい。このために、水平面XYを備える基底部材12a;12b;12c;12d;12eは、x軸方向及び/又はy軸方向に流れ角度αの傾斜を有し、この流れ角度は、フランジ16a;16a’;16b;16b’;16c;16d;16d’;16e;16e’と基底部材12a;12b;12c;12d;12eとの間に流れ角度α>90°、詳細には92°の流れ角度αを成すことができる。これにより、棚10a;10b;10c;10d;10eは、垂直面XZ及び/又は垂直面YZに対して角度αで斜めに下降しているため、浴室用品及び/又はシャワー室用の棚10a;10b;10c;10d;10eの受け皿面を確実に乾燥させ、安全な状態に保つことができる。その他の実施形態では、棚10a;10b;10c;10d;10e排水設備24が、代替又は追加として、開口部及び/又は溝(ここには図示されていない)などによって実施されていてもよく、これらは、好ましくは基底部材12a;12b;12c;12d;12e内に設けられている。
【0024】
もう1つの実施形態では、棚10a;10b;10c;10d;10eが、窪み及び/又は突起物(ここには図示されていない)など、浴室用品及び/又はシャワー室用品の安定化設備を有していてもよい。
【0025】
図1〜8から明らかなように、5つの全実施例では、少なくとも1つの側面突出部14a;14b;14c;14c’;14c”;14d;14d’;14d”;14e;14e’が、基底部材12a;12b;12c;12d;12eの上部及び/又は下部に延出している。従って、側面突出部14a;14b;14c;14c’;14c”;14d;14d’;14d”;14e;14e’は、棚10a:10b;10c;10d;10eの外観的及び形状的終了部を形成し、好ましくは浴室又はシャワー室にいる人の方に向けられている。本実施例では、棚10a:10b;10c;10d;10eの基底部材12a;12b;12c;12d;12e、少なくとも1つのフランジ16a;16a’;16b;16b’;16c;16d;16d’;16e;16e’及び少なくとも1つの側面突出部14a;14b;14c;14c’;14c”;14d;14d’;14d”;14e;14e’が、壁装材20a;20eを収容する槽状の収容部18a;18b;18c;18d;18eを形成する。平坦な部材として形成されている側面突出部14a;14b;14c;14c’;14c”;14d;14d’;14d”;14e;14e’の役割は、詳細には、はめ込まれている壁装材20a;20eを側面で境界することであり、同時に、浴室及び/又はシャワー室にいる人のためのエッジ保護としても用いられる。棚10a:10b;10c;10d;10eは、上方又は下方へ向く槽状の収容部18a;18b;18c;18d;18eを備える壁装材20a;20eなしでも使用できるので、側面突出部14a;14b;14c;14c’;14c”;14d;14d’;14d”;14e;14e’は、棚10a:10b;10c;10d;10e上に置く浴室用品及び/又はシャワー室用品の落下防止として、及び/又は浴室又はシャワー室にいる人のエッジ保護として機能することができる。槽状の棚10a:10b;10c;10d;10eは、耐食性金属による複数の個別部品を溶接などの接合技術で接合して製造するか、又は白金を深絞り加工によってあらかじめ一体形成して製造するか、又はプラスチックを射出成形して製造することができるが、当業者が有利であると見なすその他の棚10a:10b;10c;10d;10eの材料及び製造方法も考えられる。
【0026】
棚10a:10b;10c;10d;10eを室内壁22に安全に固定できるようにするため、少なくとも1つのフランジ16a;16a’;16b;16b’;16c;16d;16d’;16e;16e’が、室内壁22に固定するための開口部26a;26a’;26b;26b’;26c;26d;26d’;26e;26e’;26.1a;26.1a’;26.1b;26.1b’;26.1d;26.1d’を有している。図1〜7から明らかなように、開口部26a;26a’;26b;26b’;26c;26d;26d’;26e;26e’;26.1a;26.1a’;26.1b;26.1b’;26.1d;26.1d’は異なる形に形成されてよい。基本的に、フランジ16a;16a’;16b;16b’;16c;16d;16d’;16e;16e’の開口部26a;26a’;26b;26b’;26c;26d;26d’;26e;26e’;26.1a;26.1a’;26.1b;26.1b’;26.1d;26.1d’は、接合剤及び/又は固定部材を収容するために設けられている。接合剤としては、例えばタイル接着剤又は接着特性を備える同様の材料が設けられており、固定部材としては、耐食性材料による皿頭ネジ及びセルフシール特性を備えるドエルピンが設けられている。図1、2、4a、4b及び6による第1、第2及び第4の実施例では、接合剤及び/又は固定部材を収容するためのフランジ16a;16a’;16b;16b’;16d;16d’の開口部26a;26a’;26b;26b’;26d;26d’;26.1a;26.1a’;26.1b;26.1b’;26.1d;26.1d’が独立して実施されている。フランジ16a;16a’;16b;16b’;16d;16d’の開口部26a;26a’;26b;26b’;26d;26d’は、好ましくは接合剤を収容するために設けられ、フランジ16a;16a’;16b;16b’16d;16d’の開口部26.1a;26.1a’;26.1b;2.16b’;26.1d;26.1d’は、好ましくはここに図示されていない固定部材を収容するために設けられている。この代替として、図3、5及び7による第3及び第5の実施例では、接合剤及び固定部材を収容するためのフランジ16c;16e;16e’の開口部26c;26e;26e’を、フランジ16c;16e;16e’の共通の開口部26c;26e;26e’に実施することができる。フランジ16a;16a’;16b;16b’;16d;16d’の開口部26.1a;26.1a’;26.1b;26.1b’;26.1d;26.1d’又は開口部26c;26e;26e’の先が細くなっている部分は、皿頭ネジのネジ頭部を収容するために用いられ、フランジ16a;16a’;16b;16b’;16c;16d;16d’;16e;16e’と面一にネジ止めするために皿穴を有していることにより、ネジ頭部が突き出るのを防止できる。有利には、すべての実施例において、棚10a;10b;10c;10d;10eを、ネジ止めによって室内壁22の特定の最終位置に固定することができる。
【0027】
基底部材12a;12b;12c;12d;12eは多角形の基本形状を有し、代替の実施形態では、基底部材12a;12b;12c;12d;12eが丸みのある基本形状を有することもできる。このとき、基本形状が丸みのある実施形態は、例えば長円形、楕円形、円形又はそれらの組合せであってもよい。図1〜8による5つの全実施例は、基底部材12a;12b;12c;12d;12eの三角形又は四角形の基本形状を示している。このとき、基底部材が丸みのある基本形状(ここには図示されていない)は、部分円形、半円形又は四分円の基本形状として実施されてもよい。
【0028】
図1〜8による図示されている実施例では、壁装材20a;20eが設けられており、この壁装材は、槽状の収容部18a;18b;18c;18d;18eの中に収容されており、このとき、壁装材20a;20eは、室内壁22の壁装材20と同種あるいは異種の壁装材であってもよい。図6、7及び8から明らかなように、棚10a;10b;10c;10d;10eを取り付ける場合、第1の工程において、好ましくは中性シリコン又は非腐食性シリコン材などのシリコン製シーリングコンパウンド28によって、壁装材20a;20eを収容部18a;18b;18c;18d;18eの中に貼り付けることができる。好ましくは中性シリコンを使用することで、耐食性材料から作られている棚10a;10b;10c;10d;10eの表面の損傷を防止できる。室内壁22の一部は、すでに壁装材20によってタイル張りしておくことができ、その後で、室内壁22の希望する場所に棚10a;10b;10c;10d;10eを壁装材20の下エッジに適合させる。第2の工程では、室内壁22の残りの面を壁装材20で完全にタイル張りする前に、棚10a;10b;10c;10d;10eを接合剤及び/又は固定部材で室内壁22に固定し、続いてタイル張りすることができる。第3の工程では、棚10a;10b;10c;10d;10eの壁装材20a;20eと室内壁22の壁装材20との間に、棚10a;10b;10c;10d;10eの材料に耐性のあるシリコン製シーリングコンパウンド28が塗布される。
【符号の説明】
【0029】
10a;10b;10c;10d;10e 棚
12a;12b;12c;12d;12e 基底部材
14a;14b;14c;14d;14e;14c’;14c”;14d’;14d”;14e’側面突出部
16a;16b;16c;16d;16e;16a’;16b’;16d’;16e’フランジ
18a;18b;18c;18d;18e 収容部
20;20a;20e 壁装材
22 室内壁
24d 排水設備
26a;26b;26c;26d;26e;26a’;26b’;26d’;26e’ 開口部(接合剤)
26.1a;26.1b;26.1d;26.1a’;26.1b’;26.1d’ 開口部(固定部材)
28 シリコン製シーリングコンパウンド
α 流れ角度
XY 水平面
XZ 垂直面
図1
図2
図3
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8