(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記下カーテン体はそれぞれ、それが属するカーテン体の上カーテン体に対する高さ位置を位置決めすることのできるようにされた支持手段の下側と接続されており、前記支持手段により上側から支持されている、
請求項1記載のカーテン。
前記上カーテン体の幅方向の両端は、その厚みが増されているとともに、前記第1溝はその開口の幅がその内部よりも狭くなっており、それにより、前記第1溝に入れられた前記上カーテン体の幅方向の両端は前記第1溝から抜けないようになっており、
前記下カーテン体の幅方向の両端は、その厚みが増されているとともに、前記第2溝はその開口の幅がその内部よりも狭くなっており、それにより、前記第2溝に入れられた前記下カーテン体の幅方向の両端は前記第2溝から抜けないようになっている、
請求項1記載のカーテン。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところでカーテンを供給するメーカー側からすると、カーテンの長さは予め規格化しておいた方が、コスト競争力という面から望ましい。長尺の膜材のロールから切りだされた矩形の膜材であるカーテン体を幅方向に繋げていくことにより、カーテンの幅方向の寸法には弾力性を与えることが容易であるから、この課題は主にカーテンの長さ方向の寸法について生じる。実際そのような観点から、予め規格化された長さのカーテンしか提供しないメーカーも存在する。
他方、カーテンの利用者側からすると、使う場所によって、カーテンの長さを変えたいという希望は当然にある。実際にオーダーメイドで長さを調整したカーテンを提供するメーカーも存在する。しかしながら、オーダーメイドのカーテンの製作は、当然にコストを増す。
加えて、以下のような事情もある。上述のように、業務用のカーテンは非常にその大きさが大きい。したがって、カーテンが持つべき縦の長さをカーテンの利用者が予め正確に測るのは簡単ではないことがままある。また、特に、屋外と室内を仕切る用途で用いるカーテンにおいては、カーテンの下端に当たる部分が地盤であるということも良くあり、その場合には地盤が傾斜しているなどの理由で、カーテンの幅方向のすべての部分でその長さが同じカーテンでは、カーテンとしてそもそも機能しない、ということがある。そのような場合に、幅方向の位置によりカーテンの長さを変えるという選択肢があるが、コストの点で折り合わない可能性が高く、また、幅方向のすべての部分でカーテンの長さを決定させるための採寸を行う手間をカーテンの利用者にかけさせるのは現実的ではない。
【0004】
そのような理由から、カーテンの利用者においては、カーテンの下端(カーテンの幅方向の一部の下端の場合もある。)が床ないし地盤と擦れて擦り切れていくのを許容するか、カーテンの下端(カーテンの幅方向の一部の下端の場合もある。)と床ないし地盤との間に隙間が空くのを許容するかの二択が迫られることが多い、というのが実際のところである。
【0005】
本願発明は、カーテンの長さを、コストをそれ程上昇させずに、幅方向のそれぞれの部位により調節可能とすることにより、従来のカーテンにあった課題を解決することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の課題を解決するため、本願発明者は以下の発明を提案する。
本願は、幅方向で複数のカーテン体に分割されたカーテンである。そして、前記カーテン体のそれぞれは、その上方の上カーテン体と、その下方の下カーテン体とに分割されており、前記カーテン体のそれぞれの前記上カーテン体と前記下カーテン体は、同一のカーテン体に属する前記下カーテン体の前記上カーテン体と重ね合わせられる長さを調節することによって、各カーテン体の長さを調節することができるようになっている。
本願発明によるカーテンは、その幅方向で複数のカーテン体に分割されており、各カーテン体は、上カーテン体と下カーテン体とに更に分割されている。そして、各カーテン体の上カーテンと下カーテン体とは、それらを互いに重ね合わせられる長さを調節することによって、各カーテン体はその長さを調整することができるようになっている。したがって、本願発明のカーテンを用いれば、カーテンの長さを、幅方向のそれぞれの部位により調節可能となる。したがって、本願発明によるカーテンの利用者は、カーテンの下端が床ないし地盤と擦れて擦り切れていくのを許容するか、カーテンの下端と床ないし地盤との間に隙間が空くのを許容するかの二択を迫られることがない。
また、このカーテンは事後的にその長さを調節できるものであるから、その製作に先立って、利用者がカーテンの長さの採寸を正確に行う必要性がないため、利用者の負担が小さい。また、このカーテンは、上カーテンと下カーテンの少なくとも一方について、その長さに幾つかのバリエーションを作っておけば、様々な長さのカーテンを提供できるのと同じ状況を作り出せる。したがって、カーテンの長さについての加工の精度が必要ないことと相俟って、カーテンを製作する際のコストの上昇を生じにくい。
なお、この限りではないが、本願発明における上カーテン体と下カーテン体は、幅の等しい矩形であり、また上カーテン体と下カーテン体とを組合せて作られるカーテン体は上カーテン体及び下カーテン体と幅の等しい矩形である。
【0007】
下カーテン体は、同じカーテン体に属する上カーテン体に対して上下させて、任意の位置で位置決めすることができる。下カーテン体を上カーテン体に対してどのように上下させることができるようにするかについては、特に制限はない。
前記下カーテン体はそれぞれ、それが属するカーテン体の上カーテン体に対する高さ位置を位置決めすることのできるようにされた支持手段の下側と接続されており、前記支持手段により上側から支持されていてもよい。例えば、上カーテン体は幅方向の移動が可能なように、その上端(付近)をレールに吊られている。そのレールから支持手段を吊るしておくことが可能となる。支持手段をレールに沿って移動可能としておけば、上カーテン体とともにレールに沿って移動する下カーテン体に追随して、下カーテン体を支持する支持手段をも移動させることが可能となり、結果として下カーテン体を安定して支持することが可能となる。例えば、前記支持手段の上側は、その下側が接続された前記下カーテン体が属するカーテン体に属する前記上カーテン体と接続されていてもよい。下カーテン体の属するカーテン体に属する上カーテン体に支持手段の上側を接続することにより、あるカーテン体が幅方向に移動したときに、それに従って、下カーテン体と支持手段とをまとめて移動させることが可能となるから、下カーテン体の支持を安定したものとするのが容易である。
上述のように、支持手段は、下カーテン体を上側から支持するものであり、下カーテン体の高さ位置を位置決めできるようにされている。例えば、前記支持手段は線条体であっても良い。下カーテン体の高さ位置を位置決めするには、下カーテン体を吊るすことのできる線条体を支持手段とすれば十分であり、またそうすることにより支持手段を軽量化することができる。
【0008】
前記上カーテン体の前記下カーテン体と重ね合わせられることが予定された部分の幅方向の両端には、前記下カーテン体の両側を案内する溝を有するガイドが設けられていてもよい。このようなガイドがあれば、下カーテン体をその上の上カーテン体に対して安定して上下方向に平行移動させられるようになる。
前記ガイドは、隣り合う上カーテン体の幅方向の両端を接続するようになっているとともに、隣り合う下カーテン体の幅方向の両端を接続するようになっていても構わない。これにより、隣り合う上カーテン体と上カーテン体同士を接続することができる。つまり、隣り合うカーテン体とカーテン体を接続することにより、カーテン体を幅方向に接続した一枚物のカーテンを得ることができることになる。
ガイドが、隣り合う上カーテン体の幅方向の両端を接続するようになっているとともに、隣り合う下カーテン体の幅方向の両端を接続するようになっている場合、前記ガイドは、その幅方向の両側に、縦に走る2本の溝である第1溝と第2溝とを有しており、前記第1溝で隣り合う上カーテン体の幅方向の両端を支持し、前記第2溝で隣り合う下カーテン体の幅方向の両端を支持するようになっていても良い。ガイドの幅方向の両側にそれぞれ2本の溝を切っておくことにより、簡単に、隣り合う上カーテン体の幅方向の両端を接続する機能と、隣り合う下カーテン体の幅方向の両端を接続する機能とをガイドに与えられるようになる。
この場合、前記上カーテンの幅方向の両端は、その厚みが増されているとともに、前記第1溝はその開口の幅がその内部よりも狭くなっており、それにより、前記第1溝に入れられた前記上カーテン体の幅方向の両端は前記第1溝から抜けないようになっており、前記下カーテンの幅方向の両端は、その厚みが増されているとともに、前記第2溝はその開口の幅がその内部よりも狭くなっており、それにより、前記第2溝に入れられた前記下カーテン体の幅方向の両端は前記第2溝から抜けないようになっていてもよい。上カーテン体の端部が第1溝から抜けないようにするとともに、下カーテン体の端部を第2溝から抜けないようにすることで、ガイドによる上カーテン体と下カーテン体の支持を安定させるとともに、下カーテン体の上カーテン体に対する上下方向の平行移動を安定したものとすることができる。
【0009】
前記ガイドは、前記上カーテン体の幅方向の上から下までに亘って設けられていても良い。そうすることにより、各カーテン体の形状を、保ちやすくなる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の好ましい実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0012】
図1に、この実施形態におけるカーテン100を示す。
カーテン100は、レール200に吊り下げて用いられる。カーテン100のうち、後述する下カーテン体とそれを上下させるための手段を除く部分の構成と、レール200の構成はすべて、公知、或いは周知のカーテンで用いられているものを流用することができる。
レール200は棒状体、或いは丈夫な線条体である。レール200には例えば、断面略C形のC形鋼を採用することができるが、この実施形態のレール200は、これには限られないが、断面円形の金属製の棒とされている。
【0013】
カーテン100は、後述するガイドを除いて、基本的に膜材によりできている。
カーテン100は、幅方向に分割されている。分割されたそれぞれが本願でいうカーテン体110である。カーテン体110はこれには限られないが、この実施形態では上下に長い矩形である。
カーテン体110は、上下に分割されている。上方にあるのが上カーテン体120であり、下方にあるのが下カーテン体130である。上カーテン体120、下カーテン体130とも同幅の矩形であるが、上カーテン体120の方が下カーテン体130よりも上下に長くなっている。
上カーテン体120、下カーテン体130とも膜材にてできている。上カーテン体120には屈曲性が求められる。例えば、上カーテン体120の厚さを薄くすることにより、屈曲性を得ることができる。その場合、上カーテン体120の厚さは例えば1mm程度か或いはそれ以下とする。他方下カーテン体130は地盤等をその下端が擦れて擦り切れなどの破損を生じるおそれがある。したがって、下カーテン体は上カーテン体130よりも破損に強い丈夫なものを採用するのが良い。丈夫さは例えば、下カーテン体130を構成する膜材の素材や厚さにより担保できる。下カーテン体130は例えば、ゴムやそれに類する材料で形成することができ、またその厚さは3mm或いはそれ以上とすることができ、そうするのが好ましい。
【0014】
下カーテン体130の上方の一部は、正面から見た場合、同じカーテン体110に属する上カーテン体120の下方の一部と重複するようになっている。また、後述するようにして、下カーテン体130は、上下に移動可能となっている。なお、この限りではないが、この実施形態では、上カーテン体120、下カーテン体130とも鉛直方向に伸びている。また、この限りではないが、この実施形態では下カーテン体130は上カーテン体120の手前にある。上カーテン体120と下カーテン体130の位置関係を示すために、
図1中Xの矢印で上カーテン体120の上下方向の長さを、Yの矢印で下カーテン体の上下方向の長さをそれぞれ示す。
【0015】
上カーテン体120の上部には、孔121が穿たれている。孔121は例えばその周囲をハトメで補強されている。
下カーテン体130の上部には、孔131が穿たれている。孔131は例えばその周囲をハトメで補強されている。
同じカーテン体110に属する上カーテン体120と下カーテン体130における孔121と孔131は、線条体140にて結ばれている。下カーテン体130は、線条体140によって上方から支持されている。言葉を変えれば、下カーテン体130は線条体140で上カーテン体120から吊るされている。
線条体140には、調節装置141が取付けられている。調節装置141は線条体140の長さを調節するためのものである。調節装置141はこの実施形態では、線条体140の中間位置に設けられているが、調節装置141は線条体140の上端、或いは下端にあっても構わない。調節装置141は線条体140の長さをどのように調節するようになっているかは自由であるし、公知、周知の技術を用いることももちろん可能である。極端な話、調節装置141は糸止のついたボビンでも十分である。線条体140の長さを調節するために更なる機能(例えば、手動ではなく、動力装置による線条体の長さの調節)が必要なのであれば、それに応じた適当な構成を採用すれば良い。もっとも、調節装置141が、手作業により線条体140の長さを調節するようなものであれば、カーテン100の高さが非常に高くなることがあることがあることも考慮すれば、線条体140の下端に近い位置に調節装置141を取付けた方が、作業者の手が調節装置141に届きやすくなる、というのは事実である。
【0016】
各カーテン体110の両側には、ガイド150が取付けられている。カーテン100の両端のガイド150を除いて、ガイド150はその両隣のカーテン体150と接続されている。この実施形態では、ガイド150は、それに隣接する2枚の上カーテン体120と、2枚の下カーテン体130と接続されている。
ガイド150は、少なくとも、上カーテン体120の下カーテン体と重ね合わせられることが予定された部分の幅方向の両端に固定されている。もっともこれには限られないが、この実施形態では、上カーテン体120の長さ方向の全長に亘って存在するようになっている。なお、上カーテン体120と、ガイド150の固定方法については追って説明する。
ガイド150と、下カーテン体130の両端との接続は固定的なものではない。下カーテン体130の両端は、後述するように、ガイド150に案内されるようになっており、それにより下カーテン体130は安定した状態で、上カーテン体120に対して上下動を行えるようになっている。
【0017】
ガイド150の水平断面を
図2に示す。ガイド150の水平断面は、その長さ方向のすべての場所で同じである。長さ方向のすべてに亘って同じ断面形状を持つガイド150は、例えば押出成形により容易に作ることができる。ガイド150は一定の強さと、軽さを要求される場合が多く、この実施形態では、これには限られないがアルミ製である。
【0018】
ガイド150は、その両側に、第1溝151を有している。第1溝151は、これには限られないが、略円形状であり、その開口が狭く、奥が広くなっている。第1溝151には、上カーテン体120の端部が差し込まれるようになっている。上カーテン体120の両端部には、その縦方向の全長に亘り、芯材122が取付けられている。芯材122は、例えばロープであり、上カーテン体120の両端部の厚みを、その他の部分よりも増すために上カーテン体120に取付けられている。芯材122の太さは、第1溝151の内径と同じか若干細い程度である。芯材122の上カーテン体120への取り付け方法は公知技術を用いて適当に行えば良いが、芯材122は、例えば、上カーテン体120の端部を折り返し、折り返されたその先端を上カーテン体120の若干中央よりの部分に縫い付けることにより作られた、上カーテン体120の端部の全長に亘る長い孔の中に挿入することにより、上カーテン体120の端部に取付けることができる。
芯材122が取付けられた上カーテン体120の端部は、第1溝151に挿入されている。芯材122の太さは上述のように第1溝151の内径と同じか若干細い程度であるから、上カーテン体120の端部を第1溝151に挿入することができる。また、上カーテン体120の上端は、第1溝151の上端と固定される。これによりカーテン体120はガイド150に対して相対的に移動することがなくなる。また、第1溝151の開口はその奥よりも狭くなっているので、上カーテン体の端部は、第1溝151から抜け出すことがない。
【0019】
ガイド150は、その両側に、第2溝152を有している。第2溝152は、これには限られないが、略円形状であり、その開口が狭く、奥が広くなっている。第2溝152には、下カーテン体130の端部が差し込まれるようになっている。下カーテン体130の両端部には、その縦方向の全長に亘り、芯材132が取付けられている。芯材132は、例えばロープであり、下カーテン体130の両端部の厚みを、その他の部分よりも増すために下カーテン体130に取付けられている。芯材132の太さは、第2溝152の内径よりは細く、且つ第2溝152の開口の幅よりは太くされている。芯材132の下カーテン体130への取り付け方法は、芯材122の上カーテン体120への取り付け方法と同様で良い。
芯材132が取付けられた下カーテン体130の端部は、第2溝152に挿入される。芯材132の太さは上述のように第2溝152の内径よりも細いから、下カーテン体130の端部は、第2溝152の中を第2溝152に案内されながら上下することができる。他方、下カーテン体130の端部は、芯材132の太さが第2溝152の開口の幅よりも太いから、第2溝152から抜け出すことがない。つまり、下カーテン体130は、その端部を第2溝152に案内されながら、安定した状態で、上カーテン体120に対して上下することができる。
【0020】
ガイド150は、また、ネジ孔として機能する4つの第3溝153を備えている。それが可能なように第3溝153は、その内周面が円形に湾曲している。第3溝153は、事実上、その上端のみがネジ孔として機能する。第3溝153の使い方については追って述べる。
【0021】
カーテン100は、上述したように、レール200に吊り下げられている。
この限りではないが、この実施形態では、各ガイド150がレールに吊り下げられている。そのために、各ガイド150の上端にはリング部材160が取付けられている。
リング部材160を含むガイド150の上端の拡大した側面図を
図3に示す。
リング部材160は、ガイド150の上端の形状に対応した形状の板状のベース161を備えている。ベース161の第3溝153に対応する位置には、図示を省略のネジ孔が設けられている。ベース161の上にはこの実施形態では矩形とされたリング162が設けられている。リング162は矩形であるを要さないが、レール200を通せる大きさ、形状とされている。リング162にレール200を通すことで、リング部材160がレール200に吊り下げられ、それによりリング部材160に固定されたガイド150がレール200に吊り下げられることになる。
リング部材160のガイド150への固定は、その図示を省略のネジ孔を介してガイド150の第3溝153にネジ163を螺合させることにより行う。第3溝153の内径は、ネジ163の外径よりも若干小さくされており、ネジ163のネジ切りされている部分は第3溝153の上端付近に螺合されるようになっている。
なお、周知のように、レール200の構造との兼ね合いにもよるが、リング部材160のリング162を滑車とし、リング部材160乃至ガイド150のレール200に対する滑りを良くすることも当然に可能である。
【0022】
次に、このカーテン100の使い方について説明する。
カーテン100は、各ガイド150の上端に取付けられたリング部材160のリング162にレール200を通した状態でレール200に吊り下げられた状態で用いられる。
カーテン100は、必要に応じて展開され、或いは閉じられる。カーテンを展開し、或いは閉じるには、作業者が適宜のガイド150を、
図1における左右に移動させることにより行う。カーテン100を展開するときは、隣り合うガイド150の距離がその間に存在するカーテン体110の幅と略等しくなるようにガイド150をレール200に沿って移動させる。カーテン100を閉じるときは、隣り合うガイド150の距離を縮める。
【0023】
図1に示したように、カーテン100の下には、地盤Xがあり、それは左から右に若干傾斜している。したがって、カーテン100に含まれるすべてのカーテン体110の上下方向の長さが同じであれば、一部のカーテン体110の下端においては、地盤とのXとの間に隙間が空き、他のカーテン体110の下端が地盤Xに擦れるという状態が生じかねない。
そこで、カーテン100の使用前でも、使用中でも構わないが、各カーテン体110の長さの調整を行う。これには限られないが、この実施形態では、各カーテン体110は、その下端が地盤Xと触れるか触れないか程度の長さとなるように、その長さを調節する。
【0024】
各カーテン体110の長さの調節は、カーテン100が展開された状態で、各カーテン体110に含まれる線条体140の長さの調節を行うことにより行う。線条体140の長さの調節は、調節装置141を操作することにより行う。
線条体140の長さを縮めると、下カーテン体130は線条体140によって引き上げられる。下カーテン体130は、その両端をガイド150の第2溝152に支持されながら、上方に平行移動する。そうすると下カーテン体130の下端が上方に引き上げられ、カーテン体110の長さが短くなる。
反対に、線条体140の長さを伸ばすと、下カーテン体130は線条体140からの支持を失い、自重により下方に移動する。下カーテン体130は、その両端をガイド150の第2溝152に支持されながら、下方に平行移動することになる。そうすると下カーテン体130の下端が下方に引き下げられ、カーテン体110の長さが長くなる。
図1に示したカーテン100は、それに含まれる各カーテン体110の長さが、その下端が地盤Xと触れるか触れないか程度の長さとなるように調節された後の状態を示している。
【0025】
<変形例>
上述の実施形態におけるカーテン100の変形例について説明する。
変形例のカーテン100は第1実施形態におけるカーテン100とその構成を殆ど一にする。
異なるのは、上述の実施形態における線条体150、及び調節装置151が、この変形例では、棒状体170、及び調節機構171に置換えられている(
図4)、という点のみである。
棒状体170は、図示を省略するが、その上端が上カーテン体120の所定の部分、例えば、上述の実施形態における孔121が穿たれていた部分に接続されている。
調節機構171は棒状体170の下の方に取付けられている。調節機構171は、リング状のリング体171Aと、リング体171Aに螺合された、リング体171Aを貫くボルト171Bとからなる。リング体171Aの内側を棒状体170が貫通している。ボルト171を締め込むと、その先端が棒状体170に強く押接し、リング体171Aが棒状体170に固定される。他方、ボルト171を緩めると、ボルト171の先端の棒状体170への押接が弱くなり、リング体171Aは棒状体170に対して上下方向に移動できるようになる。
そして、リング体171Aには、下カーテン体130の上端付近、例えば上述の実施形態における孔131が穿たれていた部分が接続されている。
【0026】
変形例によるカーテン100の使い方は、上述の実施形態のカーテンの使い方と基本的には同じである。
異なるのは、各カーテン体110の上下方向の長さの調節の仕方である。変形例のカーテン100では、ボルト171Bを緩めてリング体171Aを棒状体170の上下方向の適宜の位置に移動させ、それに伴い、リング体171Aに接続されていた下カーテン体100を上下方向の適宜の位置に移動させる。そしてボルト171Bを締め込むことにより、リング体171Aを棒状体60に対して固定し、それにより下カーテン体130の上カーテン体120に対する上下方向の相対的な位置を、固定する。そうすることで、各カーテン体110の上下方向の長さが調節される。