特許第6376548号(P6376548)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376548
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】標識柱
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/627 20160101AFI20180813BHJP
   E01F 13/02 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   E01F9/627
   E01F13/02 Z
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-259858(P2013-259858)
(22)【出願日】2013年12月17日
(65)【公開番号】特開2015-117477(P2015-117477A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2016年9月26日
(73)【特許権者】
【識別番号】000002462
【氏名又は名称】積水樹脂株式会社
(72)【発明者】
【氏名】前垣 幸司
【審査官】 神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−026946(JP,A)
【文献】 特開2008−231872(JP,A)
【文献】 米国特許第04522530(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/627
E01F 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースと、該ベースから上方へ突出する可撓性を有する本体柱とを備えた標識柱であって、
前記本体柱は円筒状の外柱と、該外柱の内側に収納される円筒状の内柱及び円筒状の補強筒を備え、
前記外柱及び前記内柱は同心円状に配置されて前記ベースに着脱不能に設けられ、
前記補強筒は、下端の筒壁を前記内柱と外柱との間に挿入させると共に、該内柱及び外柱及びベースのいずれにも固定されない状態で設けられており、
前記補強筒は、前記内柱に圧嵌されていることを特徴とする標識柱。
【請求項2】
ベースと、該ベースから上方へ突出する可撓性を有する本体柱とを備えた標識柱であって、
前記本体柱は円筒状の外柱と、該外柱の内側に収納される円筒状の内柱及び円筒状の補強筒を備え、
前記外柱及び前記内柱は同心円状に配置されて前記ベースに着脱不能に設けられ、
前記補強筒は、下端の筒壁を前記内柱と外柱との間に挿入させると共に、該内柱及び外柱及びベースのいずれにも固定されない状態で設けられており、
前記外柱は、取り付けられたキャップによって上端が閉塞されており、
前記補強筒は、該補強筒の筒壁上端から上方に位置する前記キャップまでの上下方向の間隔が、前記補強筒の下端から前記内柱の上端までの上下方向の間隔よりも小さくなるように形成されていることを特徴とする標識柱。
【請求項3】
前記補強筒は、前記外柱に圧入されていることを特徴とする請求項1または2に記載の標識柱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車線分離や路側分離などを行うために路面に設置させる道路用標示体や、駐車場などに設置させる車止めなどに好適に利用できる標識柱に関するものである。
【背景技術】
【0002】
柱状に形成させて路面等に立設させる道路用標示体や車止めなどの標識柱は、従来より様々な構成のものが用いられている。これらのような標識柱には、車両などが接触したときに容易に破損せず、また接触した車両を損傷させないように、柱体が弾性的に変形して復元する可撓性を備えた構成のものがあり、種々の発明が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、路面(100)に設置されるベース(1)と、弾性材料からなり下部(3b)がベース(1)に固定されてベース(1)から上方に伸びる外側筒体(3)と、弾性材料からなり外側筒体(3)の内側に間隔をおいて設けられてその下部(2b)がベース(1)と一体化されてベース(1)から上方に伸びる補強用内筒体(2)と、その上部(4b)が外側筒体(3)から突出するように補強用内筒体(2)の内側に着脱自在に挿入される内側筒体(4)とを備えたスノーポールコーンにおいて、内側筒体(4)は、補強用内筒体(2)の内面(2a)に圧入されることを特徴とするスノーポールコーンが、本出願人によって提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−231872号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示されるスノーポールコーンは、外側筒体(3)から上部を突出させる内側筒体(4)の下部を補強用内筒の内面に圧入させることで、風雪などによって内側筒体が左右に振動することなく安定した直立姿勢を保つように設けているが、本発明は、これとは異なる構成により高い剛性を備える標識柱を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明は以下のような構成としている。
すなわち本発明に係る標識柱は、ベースと、該ベースから上方へ突出する可撓性を有する本体柱とを備えた標識柱であって、
前記本体柱は円筒状の外柱と、該外柱の内側に収納される円筒状の内柱及び円筒状の補強筒を備え、
前記外柱及び前記内柱は同心円状に配置されて前記ベースに着脱不能に設けられ、
前記補強筒は、下端の筒壁を前記内柱と外柱との間に挿入させると共に、該内柱及び外柱及びベースのいずれにも固定されない状態で設けられており、
前記補強筒は、前記内柱に圧嵌されていることを特徴とするものである。
また、ベースと、該ベースから上方へ突出する可撓性を有する本体柱とを備えた標識柱であって、
前記本体柱は円筒状の外柱と、該外柱の内側に収納される円筒状の内柱及び円筒状の補強筒を備え、
前記外柱及び前記内柱は同心円状に配置されて前記ベースに着脱不能に設けられ、
前記補強筒は、下端の筒壁を前記内柱と外柱との間に挿入させると共に、該内柱及び外柱及びベースのいずれにも固定されない状態で設けられており、
前記外柱は、取り付けられたキャップによって上端が閉塞されており、
前記補強筒は、該補強筒の筒壁上端から上方に位置する前記キャップまでの上下方向の間隔が、前記補強筒の下端から前記内柱の上端までの上下方向の間隔よりも小さくなるように形成されていることを特徴とするものである。
【0007】
本発明に係る標識柱によれば、ベースと、このベースから上方へ突出する可撓性を有する本体柱とを備え、前記本体柱は円筒状の外柱と、この外柱の内側に収納される円筒状の内柱及び円筒状の補強筒を備え、前記外柱の内側に円筒状の内柱を収納させ、前記外柱及び前記内柱を同心円状に配置させて前記ベースに着脱不能に設けるので、車両などが前記外柱に接触して本体柱が折れ曲がるときに、外柱が弾性的に曲がり元の状態に復元するようになされると共に、前記内柱が前記外柱の復元力を増大させるようになされる。
また、前記外柱の内側に円筒状の補強筒を収納させ、その下端の筒壁を前記内柱と外柱との間に挿入させるので、本体柱の剛性が高まる。また、前記内柱及び外柱及びベースのいずれにも固定されない状態で前記補強筒を設けているので、車両などが前記外柱に接触して本体柱が折れ曲がるときに、前記外柱の内面と補強筒の外面との接触部分において、本体柱の変形にともない前記外柱の内面と補強筒の外面とが滑るように位置ずれし、補強筒や外柱の一部への力の集中が抑制され、本体柱の損傷が低減する。また、前記内柱の外面と補強筒の内面との接触部分において、本体柱の変形にともない前記内柱の外面と補強筒の内面とが滑るように位置ずれし、補強筒や内柱の一部への力の集中が抑制され、本体柱の損傷が低減する。
【0008】
また、前記補強筒を前記外柱に圧入させれば、前記外柱の内面と補強筒の外面との接触部分における前記外柱の内面と補強筒の外面との位置ずれが、前記本体柱が小さく変形した場合には生じにくく、本体柱が大きく変形した場合には生じるようになされる。即ち、車両の接触などにより前記本体柱へ大きな力が加えられて変形したときには、前記外柱の内面と補強筒の外面との接触部分における位置ずれが生じて本体柱の損傷を抑制させ、人が触るなどして前記本体柱へ小さな力が加えられたときには、前記外柱の内面と補強筒の外面との接触部分における位置ずれが生じにくく前記本体柱がより折れ曲がりにくくなされるように設けることができる。
【0009】
また、前記補強筒を前記内柱に圧嵌させれば、前記内柱の外面と補強筒の内面との接触部分における前記内柱の外面と補強筒の内面との位置ずれが、前記本体柱が小さく変形した場合に生じにくく、本体柱が大きく変形した場合に生じるようになされる。即ち、車両の接触などにより前記本体柱へ大きな力が加えられて変形したときには、前記内柱の外面と補強筒の内面との接触部分における位置ずれが生じて本体柱の損傷を抑制させ、人が触るなどして前記本体柱へ小さな力が加えられたときには、前記内柱の外面と補強筒の内面との接触部分における位置ずれが生じにくく前記本体柱がより折れ曲がりにくくなされるように設けることができる。
【0010】
また、取り付けたキャップによって前記外柱の上端を閉塞させ、補強筒の筒壁上端から上方に位置する前記キャップまでの上下方向の間隔を、前記補強筒の下端から前記内柱の上端までの上下方向の間隔よりも小さくなるように前記補強筒を形成すれば、車両などが本体柱へ接触した際の衝撃などによって、前記補強筒が上方へ移動し前記内柱の上端へ乗り上げてしまうような問題が抑制できるので好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る標識柱によれば、補強筒により本体柱の剛性が高められると共に、外柱や内柱や補強筒における一部への力の集中が抑制されて本体柱の損傷を低減できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明に係る標識柱の実施の一形態を示す、(イ)は平面図であり、(ロ)は正面図である。
図2図1のA−A断面図である。
図3図2のキャップ付近の拡大図である。
図4図2のベース付近の拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施の形態を図面に基づき具体的に説明する。
図面において、1は標識柱である。本実施形態の標識柱1には、短円柱状に形成されたベース2と、その上面から上方へ突出する本体柱10を設けている。
本実施形態の標識柱1は、ベース2の下面から下方へ雄ねじを突出させるアンカーボルト部21を形成させており、このアンカーボルト部21の雄ねじを、道路等の設置面に埋設させたアンカーナットへ螺結させて、設置面に設置させるように設けている。
【0014】
本実施形態の本体柱10は、円筒状の外柱11と、この外柱11の上端の開口部分に取り付けてこの開口を閉塞させるキャップ3とを備えている。
また、前記外柱11は、車両などが接触したときに弾性的に曲がり、その後に元の状態に復元する可撓性を備えている。
本実施形態の外柱11は、ウレタン樹脂によって形成させているが、これに限るものではなく、外柱11を弾性的に変形可能とする種々の材料で形成させてよい。例えば、天然ゴムやブタジエンスチレンゴム、ネオプレン、ブタジエンアクリロニトリルゴム、クロロプレン重合体、ブチルゴムなどの合成ゴム類、ポリウレタン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、シリコン樹脂、オレフィン系やウレタン系等エラストマーといった合成樹脂を選択または組み合わせて形成させてもよい。
【0015】
図2図1のA−A断面図であり、図3図2のキャップ3付近の拡大図である。
前記キャップ3は、略円板状の天板部31と、この天板部の縁から下方へ延設される円筒状の筒部32を形成させている。
【0016】
前記筒部32はその外径を前記外柱11の外径と同じ大きさに設けている。また、前記筒部32の下端には、その外径を縮径させた円筒状の差込部33を形成させており、前記キャップ3はこの差込部33を前記外柱11の上端からその中空部分に挿入させて、前記外柱11に取り付けている。
具体的には、前記キャップ3は、その差込部33の外周面が前記外柱11に当接するように形成させており、この差込部33の外周面に塗布した接着剤によって、前記外柱11へ接着固定させている。
尚、キャップ3の外柱11への固定方法は、接着固定に限るものではなく、接着や、融着や、ネジやリベットなどによる固定などを選択又は組み合わせて用いてよい。
【0017】
図4図2のベース2付近の拡大図である。
本実施形態のベース2は短円柱形状に形成させており、その上面に円形の環状溝22をベース2と同心円状に形成させている。
前記本体柱10の外柱11は、その下端を前記環状溝22に挿入させ、ベース2へ融着させて固定させている。
外柱11のベース2への固定方法は、融着に限るものではなく、接着剤による接着や、ネジやリベットなどによる固定などを選択又は組みあわせて用いてもよい。また、外柱11をベース2と別体に形成させるのではなく、ベース2の成形時に外柱11を一体的に形成させてもよい。
【0018】
前記ベース2の上面には、上方へ突出する円筒状の内柱25を設けている。
前記内柱25は、前記環状溝21の内側に同心円状に配置させて設けており、この環状溝21に固定させた前記外柱11の内面と内柱25の外面との間に隙間Sが形成されるように配置させている。
【0019】
前記内柱25は、車両などが接触したときに弾性的に曲がり、その後に元の状態に復元する可撓性を備えている。このように可撓性を有する内柱25を前記外柱11の内側に配置させて設けることで、車両などが接触して前記本体柱10が根本付近で折れ曲がったときに、前記外柱11の復元力に内柱25の復元力が追加されて本体柱10の復元力が増大し、本体柱10をより確実に元の状態に復帰させることができる。
【0020】
前記内柱25は、射出成型によって形成する前記ベース2の成形時にこのベース2に一体的に形成させたものである。本実施形態のベース2は、内柱25が可撓性を備えるような材料で形成させており、具体的には、ウレタン樹脂で形成させている。
尚、前記ベース2の材料はウレタン樹脂に限るものではなく、天然ゴムやブタジエンスチレンゴム、ネオプレン、ブタジエンアクリロニトリルゴム、クロロプレン重合体、ブチルゴムなどの合成ゴム類、ポリウレタン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、シリコン樹脂、オレフィン系やウレタン系等エラストマーといった合成樹脂を選択または組み合わせて形成させてもよい。
また、前記内柱25は、前記ベース2の成形時に一体的に形成させているが、これに限るものではなく、内柱25をベース2と別体に形成させ、接着や、融着や、ネジやリベットなどによる固定を選択または組み合わせて、前記内柱25をベース2へ固定させてよい。
【0021】
前記内柱25の内側には、補強材6を配置させてベース2に固定させている。
前記補強材6は円筒状に形成させて前記内柱25の内側に挿入させており、その上端を前記外柱11の上下方向中程に位置させ、その下端をベース2へ融着させて固定させている。
内柱25は、外力を受けたときに弾性的に曲がり、その後に元の状態に復元する可撓性を備えるように形成させており、補強材6を設けることで本体柱10の復元力が増大し、本体柱10を折れ曲がった状態から元の状態へより確実に復帰させることができるようになされる。
【0022】
本実施形態の補強材6は、可撓性を備えるようにウレタン樹脂で形成させている。
尚、前記補強材6の材料はウレタン樹脂に限るものではなく、天然ゴムやブタジエンスチレンゴム、ネオプレン、ブタジエンアクリロニトリルゴム、クロロプレン重合体、ブチルゴムなどの合成ゴム類、ポリウレタン樹脂、ポリイソブチレン樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、シリコン樹脂、オレフィン系やウレタン系等エラストマーといった合成樹脂を選択または組み合わせて形成させてもよい。
また、前記補強材6はベース2へ融着させて固定させているが、これに限るものではなく、接着や、融着や、ネジやリベットなどによる固定を選択または組み合わせて、前記補強材6をベース2へ固定させてよい。
【0023】
前記内柱25の外側には、補強筒4を配置させている。
前記補強筒4は円筒状に形成させ、その筒壁を前記外柱11の内面と前記内柱25の外面との間に形成させた前記隙間Sに挿入させて設けられている。
また、前記補強筒4は、硬質の合成樹脂で形成させており、具体的には、ポリエチレン樹脂で形成させている。この補強筒4を設けることで、本体筒10の剛性を高めることができ、本体柱10へ車両などが接触したときには弾性的に折れ曲がり変形するが、人などが触った程度の小さな力が加えられたときには容易に折れ曲がり変形しないように設けることができる。
前記補強筒4の材料はポリエチレン樹脂に限るものではなく、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂、ASA樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂などの硬質な合成樹脂を選択又は組みあわせて用いることができる。
【0024】
前記補強筒4は、その筒壁の上端を前記本体柱10の上端付近に配置させている。具体的には、本実施形態の補強筒4は、その筒壁の上端をキャップ3に当接させており、詳細には筒壁の真上に位置する差込部33の下端に当接させて設けられている。
このように差込部33の下端に当接させて補強筒4を設けることで、前記本体柱10に外力が加えられたときに、補強筒4の上端より上方で前記外柱11が折れ曲がり変形しにくくなされるので、人などが触った程度の小さな力で前記本体柱10が容易に折れ曲がり変形しないように設けることができる。
また、前記本体柱10へ車両などが接触したときに、補強筒4が衝撃で浮き上がるような状況が防止でき、安定して設けることができる。
尚、前記補強筒4は、その上端をキャップ3の差込部33の下端に当接させているが、これに限るものではなく、天板31の下面に当接させるように設けてもよい。
【0025】
また、前記補強筒4は、その上端をキャップ3に当接させているが、これに限るものではなく、補強筒4の上端とキャップ3との間に隙間が生じるように設けても良い。
このようにキャップ3との間に隙間を設ける場合には、補強筒4の筒壁上端から上方に位置する前記キャップ3までの上下方向の間隔が、前記補強筒4の下端から前記内柱25の上端までの上下方向の間隔よりも小さくなるように形成せることで、車両などが本体柱10へ接触した際の衝撃などによって、前記補強筒4が上方へ浮き上がり前記内柱25の上端へ乗り上げてしまうような問題が抑制でき、本体柱10の良好な剛性が維持されるので好ましい。
【0026】
本実施形態の標識柱1は、前記補強筒4を、前記外柱11と、ベース2と、内柱25と、補強材6と、キャップ3のいずれに対しても固定させていない。
ここでの固定とは、接着剤による接着固定、補強筒4を母材とする融着、ビスやリベットやピンなどによる固定、補強筒4に設けた係合部や係止部を介しての係合、のいずれかを意味する。
【0027】
上記のように、補強筒4を前記各部材へ固定させずに本体柱10内に設けることで、車両などが前記外柱11に接触して本体柱10が折れ曲がるときに、前記外柱11の内面と補強筒4の外面との接触部分において、本体柱10の変形にともない前記外柱11の内面と補強筒4の外面とが滑るように位置ずれするので、補強筒4や外柱11の一部への力の集中が抑制され、本体柱10の損傷が低減する。また、前記内柱25の外面と補強筒4の内面との接触部分においても同様に、本体柱10の変形にともない前記内柱25の外面と補強筒4の内面とが滑るように位置ずれするので、補強筒4や内柱25の一部への力の集中が抑制され、本体柱10の損傷が低減する。
【0028】
また、本実施形態の標識柱1は、前記補強筒4を前記外柱11へ圧入させて設けている。
このように前記外柱11へ圧入させて補強筒4を設けることにより、外柱11の内面と補強筒4の外面との接触部分で両者が滑りにくくなされる。このため、前記本体柱10へ人が触るなどして小さな力が加えられたときには、前記外柱11の内面と補強筒4の外面との接触部分での位置ずれが生じにくくなされて、本体柱10が変形しにくくなされるので、より折れ曲がりにくい高い剛性を前記本体柱10に備えさせることができる。
また、前記本体柱10へ車両が接触するなどして大きな力が加えられたときには、前記外柱11の内面と補強筒4の外面とが接触部分で滑って位置ずれし、力の集中による損傷を抑制できる。
【0029】
また、本実施形態の標識柱1は、前記補強筒4を前記内柱25へ圧嵌させて設けている。
このように前記内柱25へ圧嵌させて補強筒4を取り付けることにより、内柱25の外面と補強筒4の内面との接触部分で両者が滑りにくくなされる。このため、前記本体柱10へ人が触るなどして小さな力が加えられたときには、前記内柱25の外面と補強筒4の内面との接触部分での位置ずれが生じにくくなされて、本体柱10が変形しにくくなされるので、より折れ曲がりにくい高い剛性を前記本体柱10に備えさせることができる。
また、前記本体柱10へ車両が接触するなどして大きな力が加えられたときには、前記内柱25の外面と補強筒4の内面とが接触部分で滑って位置ずれし、力の集中による損傷を抑制できる。
【0030】
尚、本発明に係る標識柱1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0031】
例えば、図1〜4に示す実施形態の標識柱1は、補強筒4を外柱11へ圧入させて設けられているが、補強筒4の外面と外柱11の内面との間に隙間が生じるように設けても良い。
また、図1〜4に示す実施形態の標識柱1は、補強筒4を内柱25へ圧嵌させて設けられているが、補強筒4の内面と内柱25の外面との間に隙間が生じるように設けても良い。
【符号の説明】
【0032】
1 標識柱
11 外柱
2 ベース
21 アンカーボルト部
22 環状溝
25 内柱
3 キャップ
31 天板部
32 筒部
33 差込部
4 補強筒
6 補強材
S 隙間
図1
図2
図3
図4