特許第6376556号(P6376556)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376556
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】光電気混載基板
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/12 20060101AFI20180813BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20180813BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20180813BHJP
   H01L 31/02 20060101ALI20180813BHJP
   H05K 1/02 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   G02B6/12 301
   G02B6/42
   H01L33/62
   H01L31/02 B
   H05K1/02 T
   H05K1/02 E
【請求項の数】3
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-119458(P2014-119458)
(22)【出願日】2014年6月10日
(65)【公開番号】特開2015-232639(P2015-232639A)
(43)【公開日】2015年12月24日
【審査請求日】2017年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003964
【氏名又は名称】日東電工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100079382
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 征彦
(74)【代理人】
【識別番号】100123928
【弁理士】
【氏名又は名称】井▲崎▼ 愛佳
(74)【代理人】
【識別番号】100136308
【弁理士】
【氏名又は名称】西藤 優子
(72)【発明者】
【氏名】柴田 直樹
(72)【発明者】
【氏名】辻田 雄一
【審査官】 奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−185420(JP,A)
【文献】 特開2010−286777(JP,A)
【文献】 特開平08−213722(JP,A)
【文献】 特開2015−087633(JP,A)
【文献】 特開2013−195533(JP,A)
【文献】 特開2011−221143(JP,A)
【文献】 特開2006−173224(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0195967(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12− 6/14
G02B 6/26− 6/27
G02B 6/30− 6/34
G02B 6/42− 6/43
H01L 31/0232
H01L 33/62
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に延びる絶縁層の少なくとも片端部が、その表面側に導電パターンからなる電気配線と光素子とを備える光電気モジュール部に形成され、上記絶縁層の、光電気モジュール部から延びる部分が、その裏面側に上記光電気モジュール部の光素子に光結合される帯状の光導波路を備える配線部に形成された光電気混載基板であって、上記絶縁層裏面の、上記光電気モジュール部と配線部にまたがる部分に金属補強層が設けられており、上記金属補強層のうち、配線部に設けられた部分の幅が、光電気モジュール部に設けられた部分の幅に比べて狭く設定されているとともに、その配線部に設けられた金属補強層に、これを幅方向に横切る切れ目が形成されており、上記切れ目が、その途中に少なくとも長手方向に沿って延びる部分もしくは長手方向に対し斜めに延びる部分を有する線状の切れ目であって、その切れ目によって幅方向に分断された部分の、金属補強層の幅方向の寸法の合計が、切れ目が形成されていない金属補強層の幅方向の寸法を1とすると、0.8〜1.2に設定されていることを特徴とする光電気混載基板。
【請求項2】
上記配線部が、光導波路とともに電気配線を備えたものである請求項1記載の光電気混載基板。
【請求項3】
上記金属補強層の、幅が狭くなったところの根元角部にアールが付けられている請求項1または2記載の光電気混載基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光電気モジュール部と配線部とを備えた光電気混載基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近の電子機器等では、伝送情報量の増加に伴い、電気配線に加えて、光配線が採用されている。そして、電子機器等の小型化に伴い、配線基板の小型化・高集積化が要求され、限られたスペースに搭載することができるものが望まれている。そのようなものとして、例えば、図7(a)に示すように、ポリイミド等からなる絶縁層12の表面の両端(一端でもよい)に、導電パターンからなる電気配線13と、パッド13aに実装される光素子10とを備えた光電気モジュール部Eが形成され、上記絶縁層12の裏面に、アンダークラッド層20とコア21とオーバークラッド層22とからなる光導波路Wが設けられた光電気混載基板が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
上記光電気混載基板では、図において一点鎖線Pで示すように光導波路Wのコア21を通って伝送されてきた光信号を、光電気モジュール部Eの光素子10において電気信号に変換して電気的な制御を行うことができる。また、電気配線13を通じて伝送されてきた電気信号を光素子10において光信号に変換して光導波路Wを通じて反対側の光電気モジュール部(図示せず)において、再び電気信号として取り出すことができる。
【0004】
このような光電気混載基板では、絶縁層(ポリイミド等)12と光導波路W(エポキシ樹脂等)とが接しているため、両者の線膨張係数の差から、周囲の温度により、光導波路Wに応力や微小な曲がりが発生し、それが原因で、光導波路Wの光伝播損失が大きくなるという問題がある。また、光電気モジュール部Eにおいて、信号を光から電気、電気から光に変換する光素子やそれを駆動するICを実装する際、補強層がないと実装対象面が不安定で、うまく実装できないか、実装できたとしても充分な信頼性を確保した接合が得られないという問題もある。
【0005】
そこで、光電気モジュール部Eにおいて、絶縁層12の裏面にステンレス等の金属補強層11を設けてこの部分に一定の剛性を与え、光導波路Wに発生する応力や微小な曲がりを防止して光伝播損失の増加を抑制するとともに、光電気モジュール部E以外の配線部には、このような金属補強層11は設けないで、光導波路Wのフレキシブル性を確保して、狭いスペースへの搭載や複雑な位置関係の光電気結合に対応できるようにしたものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2012−194401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、このような、金属補強層11で補強された光電気モジュール部Eとフレキシブルな光導波路Wを備えた配線部Bとが接合された光電気混載基板では、図7(b)に模式的に示すように、金属補強層11が設けられている部分(細かい斜線で示された領域)と設けられていない部分とにまたがって光導波路W(粗い斜線で示す)が形成されているため、その境界部X、X′において、光導波路Wが動くたびに剛性の高い金属補強層11に引っ張られたり、この部分で捩られたりして、光導波路Wに破れや折れが生じやすいことが判明した。
【0008】
また、最近では、光電気混載基板のフレキシブル性を高めるために、図7(c)に示すように、配線部Bの幅を狭くすることが提案され、光電気モジュール部Eと配線部Bとの境界部における強度を高めるために、金属補強層11の一部を配線部側に突出させた形状にすることが検討されている。しかし、この形状においても、前記の場合と同様、金属補強層11が設けられている部分と設けられていない部分の境界部Y、Y′において光導波路Wに破れや折れが生じやすいだけでなく、幅を狭くした角部Z、Z′においても、金属補強層11の反りや捩れによって光導波路Wに応力がかかり、ダメージを受けやすいことが判明した。
【0009】
これに対し、本出願人は、配線部Bがフレキシブルで、しかも金属補強層11が設けられている部分と設けられていない部分の境界部に無理な応力がかからない光電気混載基板構造について研究を重ね、すでに出願している(特願2013−227368、平成25年10月31日出願)。
【0010】
この光電気混載基板は、例えば図8に示すように、左右の光電気モジュール部E,E′と配線部Bにまたがる部分に金属補強層11が設けられており、配線部Bに設けられた部分の幅が、光電気モジュール部Eに設けられた部分の幅に比べて狭く設定され、その狭くなった部分の根元角部にアールが付けられた構成になっている。この構成によれば、幅の狭い配線部Bが、金属補強層11によって補強されているため、この部分が屈曲したり捩れたりしても配線部Bが破断したり無理な折り目が付いたりしないという利点を有する。
【0011】
しかしながら、図8に示すように、左右の光電気モジュール部Eとその間の配線部Bを一続きの金属補強層11で補強すると、上記金属補強層11は、左右の光電気モジュール部A、A′においてGND(グラウンド)としての役割も兼ねているため、これらが左右でつながっていると、左右の光電気モジュール部E、E′で生じるノイズを共有することになり、それぞれの電気回路部分において悪影響を及ぼすおそれがあることが判明した。
【0012】
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、光導波路を備えた配線部のフレキシブル性を確保しながら、その屈曲や捩れから光導波路を守り、光伝播損失の増加を抑制し、しかもノイズの影響を受けにくい、優れた光電気混載基板の提供をその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的を達成するため、本発明は、帯状に延びる絶縁層の少なくとも片端部が、その表面側に導電パターンからなる電気配線と光素子とを備える光電気モジュール部に形成され、上記絶縁層の、光電気モジュール部から延びる部分が、その裏面側に上記光電気モジュール部の光素子に光結合される帯状の光導波路を備える配線部に形成された光電気混載基板であって、上記絶縁層裏面の、上記光電気モジュール部と配線部にまたがる部分に金属補強層が設けられており、上記金属補強層のうち、配線部に設けられた部分の幅が、光電気モジュール部に設けられた部分の幅に比べて狭く設定されているとともに、その配線部に設けられた金属補強層に、これを幅方向に横切る切れ目が形成されており、上記切れ目が、その途中に少なくとも長手方向に沿って延びる部分もしくは長手方向に対し斜めに延びる部分を有する線状の切れ目であって、その切れ目によって幅方向に分断された部分の、金属補強層の幅方向の寸法の合計が、切れ目が形成されていない金属補強層の幅方向の寸法を1とすると、0.8〜1.2に設定されている光電気混載基板を第1の要旨とする。
【0015】
また、本発明は、そのなかでも、特に、上記配線部が、光導波路とともに電気配線を備えたものである光電気混載基板を第の要旨とし、上記金属補強層の、幅が狭くなったところの根元角部にアールが付けられている光電気混載基板を第の要旨とする。
【0016】
なお、本発明において、「幅」とは、帯状に延びる絶縁層をベースとして構成された光電気混載基板の平面視形状において、その長手方向と直交する方向における長さ寸法を意味する趣旨である。また、「これ(金属補強層)を幅方向に横切る」とは、長手方向に延びる金属補強層を横切る際、横断開始点から横断終了点までが最短距離とならない、すなわち横断軌跡が長手方向と直交する一本の直線とならない、様々な迂回路を経由して横断する場合を含む趣旨である。
【発明の効果】
【0017】
すなわち、本発明の光電気混載基板は、ベースとなる絶縁層裏面の、光電気モジュール部と配線部にまたがる部分に金属補強層を設け、その金属補強層の幅を、配線部側において狭くすることにより、配線部の柔軟性を維持しつつその部分を補強したものである。したがって、このものは、配線部が屈曲したり捩れたりしても、その部分に無理な折り目がついたり破断したりしない。しかも、上記配線部に設けられた金属補強層に、これを幅方向に横切る切れ目が設けられているため、配線部を挟んで両側に設けられる光電気モジュール部の間、あるいは片方の光電気モジュール部と、その配線部にコネクタを介して接続される他の光電気モジュール部との間が、上記切れ目によって分断され電気的に絶縁されている。したがって、各光電気モジュール部において、GND(グラウンド)として機能する金属補強層が、互いにつながっておらず、別々に機能するため、ノイズを両方で共有するようなことなく、各光電気モジュール部の電気回路部分が悪影響を受けにくいという利点を有している。
【0018】
そして、本発明では、特に、上記金属補強層の切れ目が、長手方向に沿って延びる部分もしくは長手方向に対し斜めに延びる部分を有する線状の切れ目であり、その切れ目によって幅方向に分断された部分の、幅方向の寸法の合計が、切れ目が形成されていない金属補強層の幅方向の寸法を1とすると、0.8〜1.2に設定されており、切れ目が形成された部分と切れ目のない部分において、金属補強層が補強する領域の幅方向の寸法に殆ど差がないため、配線部が屈曲したり捩れたりした場合に、特定の切れ目部分に偏って荷重がかかって折れたり破断したりすることがなく、良好な状態で長期にわたって使用することができるという利点を有する。そして、配線部に、偏った応力がかからないため、配線部に沿って設けられる光導波路のコアに微小な曲がり等が生じず、光導波路の光伝播損失の増加をさらに抑えることができる。
【0019】
さらに、本発明のなかでも、特に、上記配線部が、光導波路とともに電気配線を備えたものであるものは、光信号による情報と電気信号による情報とを伝送することができるため、より多くの情報をやりとりすることができ好適である。
【0020】
そして、本発明のなかでも、特に、上記金属補強層の、幅が狭くなったところの根元角部にアールが付けられているものは、上記アール部分においてその応力が分散、緩和されるようになっているため、幅の違いによって段差のある部分に、破断が生じたり無理な折り目がついたりすることがなく、長期にわたって、より良好な状態で使用することができる。そして、この場合も、配線部に、偏った応力がかからないため、配線部に沿って設けられる光導波路のコアに微小な曲がり等が生じず、光導波路の光伝播損失の増加をさらに抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の光電気混載基板の一実施の形態を示す模式的な平面図である。
図2】(a)はその要部断面を拡大して模式的に示す説明図、(b)は上記実施の形態における金属補強層の形状を示す模式的な説明図である。
図3】(a)〜(e)は、いずれも上記光電気混載基板の製法における光電気モジュール部の作製工程を模式的に示す説明図である。
図4】(a)〜(d)は、いずれも上記光電気混載基板の製法における配線部の作製工程を模式的に示す説明図である。
図5】(a)〜(c)は、いずれも上記金属補強層の平面視形状の変形例を示す説明図である。
図6】(a)〜(c)は、いずれも上記金属補強層の平面視形状の他の変形例を示す説明図であって、(a)は参考の形態を示し、(b)および(c)は実施の形態を示す
図7】(a)は従来の光電気混載基板の一例を示す模式的な縦断面図、(b)はその問題点を説明するための模式的な平面図、(c)は従来の光電気混載基板の他の形状における問題点を説明するための模式的な平面図である。
図8】先願発明における金属補強層の平面視形状の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
【0023】
図1は、本発明の光電気混載基板の一実施の形態を模式的に示す平面図であり、図2(a)は、その要部断面を拡大して模式的に示す説明図である。
【0024】
この光電気混載基板は、左右一対の、平面視略正方形状の光電気モジュール部A、A′と、その間の配線部Bとが一体的に設けられ、全体として帯状になっている。なお、本発明において、多少幅方向に凹凸があっても長手方向に延びているものを「帯状」という。より具体的には、この光電気混載基板は、一枚の帯状の絶縁層(この例では透明ポリイミド層)1を基板として、その左右両端部の、幅の広い部分の表面に、光素子10、10′と、導電パターンからなる電気配線2とが形成されて、光電気モジュール部A、A′になっている。なお、この例では、光電気モジュール部Aにおける光素子10は受光素子であり、光信号を受信して、電気信号に変換するようになっている。そして、光電気モジュール部A′における光素子10′は発光素子であり、電気信号を受信して光信号に変換するようになっている。
【0025】
また、上記絶縁層1の、左右の光電気モジュール部A、A′に挟まれた、幅の狭い帯状部分には、その裏面側に光導波路Wが設けられており、この部分が、光信号を伝送する配線部Bになっている。そして、上記光電気モジュール部A、A′には、光素子10、10′を駆動するためのICや能動素子等が必要に応じて実装されるが、この例では、その図示と説明を省略している。さらに、上記光電気モジュール部A、A′には、他の電気回路基板等と接続するためのコネクタが搭載されていてもよい。なお、光電気モジュール部A′の構成は、基本的に光電気モジュール部Aと左右対称になっており、以下、光電気モジュール部Aについてのみ説明し、光電気モジュール部A′の説明を省略する。
【0026】
上記光電気モジュール部Aには、所定の導電パターンからなる電気配線2が形成されており、その一部には、上記光素子10を実装するためのパッド2aと、アース用電極2bとが含まれている。そして、上記パッド2aの表面は、導電性を高めるために、金めっき層4で被覆されている。また、上記電気配線2のうち、パッド2aを除く部分は、カバーレイ3によって被覆され、絶縁保護されている(図1においては、カバーレイ3の図示を省略)。
【0027】
そして、上記絶縁層1の裏面には、光電気モジュール部Aと配線部Bにまたがる金属補強層(この例ではステンレス層)6が設けられており、この部分が安定した平面性を保つようになっている。なお、5は、光素子10と光導波路Wとを光結合するための貫通孔である。
【0028】
上記金属補強層6について、より詳しく説明すると、この金属補強層6は、光電気モジュール部Aの外形と略一致する形状の幅広部6aと、この幅広部6aの一端から配線部B側に延設され、配線部Bの幅と同様幅が狭く設定された幅狭部6bとで構成されている。なお、この金属補強層6の下側には光導波路Wが設けられており、図1では、その輪郭を破線で示す。
【0029】
上記金属補強層6の幅狭部6bは、配線部Bの長手方向の両縁部に沿って延びる2本の帯状部30、31からなり、その間が、金属補強層6のない、スリット部32に形成されている(光結合用の貫通孔5の図示を省略、以下の図においても同じ)。そして、上記2本の帯状部30、31の、幅広部6aに連なる根元角部と、上記スリット部32の根元角部とに、それぞれアールが付されている。これらの部分にアールが付されていることにより、配線部Bが屈曲したり捩れたりしても、金属補強層6が設けられ剛性が高められた光電気モジュール部Aに、配線部Bが直接引っ張られて配線部Bの柔軟な部分に集中して応力がかかることがなく、各アール部分において、その応力が分散、緩和されるようになっている。したがって、配線部Bの特定の領域に切れ目が入ったり、無理な折り目がついたり、あるいは途中破断したりすることがなく、長期にわたって配線部Bを良好な状態で使用することができる。
【0030】
しかも、上記2本の帯状部30、31には、それらの長手方向の中間部に、線状の細い切れ目40、41が形成されており、その切れ目40、41によって、長手方向に延びる金属補強層6が、左右に分断され電気的に絶縁されている。なお、上記切れ目40、41は、絶縁層1の裏面側にある金属補強層6を表側に返して拡大した図2(b)に示すように、それぞれ、帯状部30、31の長手方向に直交する部分と、長手方向に沿って延びる部分とが一続きで形成されており、配線部Bの長手方向の中心線35を対称軸として対称形になっている。このように、配線部Bにおける金属補強層6が、帯状部30、31に形成された切れ目40、41によって左右で絶縁され、金属補強層6のGNDとしての機能が、左右で互いに独立しているため、両者の間でノイズが共有されるようなことがない。
【0031】
そして、上記切れ目40、41が、それぞれごく細い線状の切れ目であり、その長手方向に沿って延びる切れ目部分によって幅方向に分断された部分の、幅方向の寸法の合計〔図2(b)における(Q+S)〕が、切れ目40、41が形成されていない部分の幅寸法Tと略同じ寸法になっているため、帯状部30、31は、長手方向のどの部分においても、略同じ幅で配線部Bを補強している。したがって、上記配線部Bが屈曲したり捩れたりしても、切れ目40、41が破れや折れのきっかけになりにくいという利点を有する。
【0032】
一方、上記絶縁層1〔図2(a)に戻る〕の裏面側には、配線部Bから光導波路Wが延びており、金属補強層6における貫通孔5の部分を介して、その先端部が、絶縁層1表面側の光素子10と光結合されるようになっている。すなわち、光導波路Wは、絶縁層1の裏面側から下に向かって、アンダークラッド層7と、その下に複数本平行に並んだ状態で配置されるコア8と、コア8を被覆するオーバークラッド層9とを、この順で備えている。上記アンダークラッド層7は、その一部が上記金属補強層6に接して貫通孔5にも入り込んでいる。
【0033】
したがって、上記光電気混載基板は、自在に屈曲するフレキシブル性に優れているだけでなく、光電気モジュール部A、A′と配線部Bとが相対的に大きく屈曲した配置になったり互いに引っ張り合ったり捩れたりしても、その動きに伴って生じる応力が、金属補強層6の、配線部B側に連なる部分(幅狭部6bの根元角部、先端角部)に付されたアールによって、均一に分散され緩和される。また、配線部Bにおける金属補強層6が、帯状部30、31に形成された切れ目40、41によって、左右で絶縁されており、互いに独立しているため、GNDとしての機能を果たす金属補強層6が、左右の光電気モジュール部A、A′において、両者の間でノイズを共有するようなことがなく、それぞれの電気回路部分がノイズによって悪影響を受けにくい。しかも、上記帯状部30、31に形成された切れ目40、41が細い線状で、金属補強層6の幅狭部6bにおいて、その切れ目40、41が破れや折れのきっかけになりにくいよう配慮されているため、上記光電気混載基板の良好なフレキシブル性と耐久性とが損なわれることがない。そして、配線部Bに、偏った応力がかからないため、配線部Bに沿って設けられた光導波路Wのコア8に微小な曲がり等が生じず、光導波路Wの光伝播損失の増加を抑えることができる。
【0034】
上記光電気混載基板は、例えば、つぎのようにして製造することができる。
【0035】
まず、図3(a)に示すように、平坦で帯状の金属補強層6を準備する。この金属補強層6の形成材料としては、ステンレス、銅、銀、アルミニウム、ニッケル、クロム、チタン、白金、金等があげられるが、強度性、屈曲性等の観点から、ステンレスが好ましい。また、上記金属補強層6の厚みは、例えば、10〜70μmの範囲内に設定することが好適である。すなわち、上記の範囲よりも薄すぎると、光電気混載基板に対する補強効果が充分に得られなくなるおそれがあり、逆に、厚すぎると、剛性が高くなりすぎて、光電気混載基板全体の屈曲性が損なわれるおそれがあるとともに、全体の厚みが厚くなりすぎて嵩張り、使い勝手が悪くなるおそれがあるからである。
【0036】
そして、上記金属補強層6の表面に、ポリイミド樹脂等からなる感光性絶縁樹脂を塗布し、フォトリソグラフィ法により、所定パターンの絶縁層1を形成する。この実施の形態では、金属補強層6に接触するアース用電極2bを形成するために、所定の配置で、上記金属補強層6の表面を露呈させる孔部1aを形成する。なお、上記絶縁層1の厚みは、3〜50μmの範囲内に設定することが好適である。
【0037】
つぎに、図3(b)に示すように、上記光電気モジュール部Aの電気配線2(光素子10を実装するためのパッド2aおよびアース用電極2bを含む)を、例えばセミアディティブ法により、同時に形成する。この方法によれば、まず、上記絶縁層1の表面に、スパッタリングまたは無電解めっき等により、銅等からなる金属膜(図示せず)を形成する。この金属膜は、後の電解めっきを行う際のシード層(電解めっき層形成の素地となる層)となる。そして、上記金属補強層6、絶縁層1およびシード層からなる積層体の両面に、感光性レジスト(図示せず)をラミネートした後、上記シード層が形成されている側の感光性レジストに、フォトリソグラフィ法により、上記電気配線2の導電パターンとなる孔部を形成し、その孔部の底に上記シード層の表面部分を露呈させる。
【0038】
つぎに、電解めっきにより、上記孔部の底に露呈した上記シード層の表面部分に、銅等の導電材からなる電解めっき層を積層形成する。そして、上記感光性レジストを水酸化ナトリウム水溶液等により剥離する。その後、上記電解めっき層が形成されていないシード層の部分をソフトエッチングにより除去する。残存したシード層と電解めっき層とからなる積層部分が、上記電気配線2となる。なお、上記導電材としては、銅の他、クロム、アルミニウム、金、タンタル等、導電性および展性に優れた金属材料が好適に用いられる。また、これらの金属の少なくとも一種を用いた合金も好適に用いられる。そして、上記電気配線2の厚みは、3〜30μmの範囲に設定することが好適である。すなわち、上記の範囲よりも薄いと、電気配線としての性能が損なわれるおそれがあり、逆に、上記の範囲よりも厚いと、裏面側の金属補強層6の厚みと相俟って、光電気モジュール部A全体の厚みが厚くなりすぎて嵩張るおそれがあるからである。
【0039】
そして、図3(c)に示すように、光電気モジュール部Aの電気配線2の表面に、ニッケル等からなる無電解めっき層(図示せず)を形成した後、上記光素子実装用のパッド2aを除く電気配線2の部分に、ポリイミド樹脂等からなる感光性絶縁樹脂を塗布し、フォトリソグラフィ法により、カバーレイ3を形成する。カバーレイ3の厚みは、1〜20μmの範囲に設定することが好適である。すなわち、上記の範囲内で、電気配線2に対し、優れた保護・補強効果を奏するからである。
【0040】
つぎに、図3(d)に示すように、上記電気配線2のうち、パッド2aに形成された上記無電解めっき層(図示せず)をエッチングにより除去した後、その除去跡に、金やニッケル等からなる電解めっき層(この例では金めっき層)4を形成する。
【0041】
つぎに、上記金属補強層6と絶縁層1との積層体の両面に、感光性レジスト(図示せず)をラミネートした後、上記金属補強層6の裏面側(電気配線2が設けられた面と反対側の面側)の感光性レジストのうち、金属補強層6を除去したい部分(配線部Bにおけるスリット部32となる部分、切れ目40、41となる部分、光路用の貫通孔形成予定部に対応する部分)に、フォトリソグラフィ法により、孔部を形成して金属補強層6の裏面部分を露呈させる。
【0042】
そして、図3(e)に示すように、上記孔部から露呈した上記金属補強層6の部分を、その金属補強層6の材質に応じたエッチング用水溶液(例えば、ステンレス層の場合は、塩化第二鉄水溶液)を用いてエッチングすることにより除去し、その除去跡から絶縁層1を露呈させる。その後、上記感光性レジストを水酸化ナトリウム水溶液等により剥離する。これにより、図1に示すような、光電気モジュール部A、A′の各裏面と配線部Bの両端部とにまたがって長く延びる2本の帯状部30、31であって、特定の切れ目40、41を有する金属補強層6を得ることができる。
【0043】
つぎに、上記絶縁層1と金属補強層6の裏面に、光導波路W〔図1(b)参照〕を形成する。すなわち、まず、図4(a)に示すように、上記絶縁層1および金属補強層6の裏面(図では下面)に、アンダークラッド層7の形成材料である感光性樹脂を塗布した後、その塗布層を照射線により露光して硬化させ、アンダークラッド層7を形成する。アンダークラッド層7の厚み(金属補強層6の裏面からの厚み)は、3〜50μmの範囲内に設定することが好適である。なお、上記アンダークラッド層7は、フォトリソグラフィ法によって所定パターンにパターニングして形成してもよい。
【0044】
つぎに、図4(b)に示すように、上記アンダークラッド層7の表面(図では下面)に、フォトリソグラフィ法により、所定パターンのコア8を形成する。上記コア8の厚みは、20〜100μmの範囲内に設定することが好適である。そして、コア8の幅は、10〜100μmの範囲内に設定することが好適である。上記コア8の形成材料としては、例えば、上記アンダークラッド層7と同様の感光性樹脂があげられ、上記アンダークラッド層7および以下に述べるオーバークラッド層9〔図4(c)参照〕の形成材料よりも屈折率が大きい材料が用いられる。この屈折率の調整は、例えば、上記アンダークラッド層7、コア8、オーバークラッド層9の各形成材料の種類の選択や組成比率を勘案して行うことができる。
【0045】
つぎに、図4(c)に示すように、上記コア8を被覆するよう、上記アンダークラッド層7の表面(図では下面)に、フォトリソグラフィ法により、オーバークラッド層9を形成する。このオーバークラッド層9の厚み(アンダークラッド層7の表面からの厚み)は、上記コア8の厚み以上であり、300μm以下に設定することが好適である。上記オーバークラッド層9の形成材料としては、例えば、上記アンダークラッド層7と同様の感光性樹脂があげられる。そして、上記オーバークラッド層9を形成する場合も、フォトリソグラフィ法によって所定パターンをパターニングするようにしてもよい。
【0046】
そして、図4(d)に示すように、絶縁層1の表面に設けられたパッド2aに対応する光導波路Wの部分(図2〔a〕参照、光導波路Wの両端部)を、レーザ加工や切削加工等により、コア8の長手方向に対して45°傾斜した傾斜面に形成し、光反射面8aとする。ついで、上記パッド2aに光素子10を実装して、目的とする光電気混載基板を得ることができる。
【0047】
なお、上記の製法では、電気配線2のうち、光素子10を実装するためのパッド2aを、金めっき層4で被覆したが、電気配線2の材質や、要求される特性によっては、このようなめっき層による被覆は必要ではない。
【0048】
また、上記の実施の形態では、配線部Bを挟んで、その左右両側に光電気モジュール部A、A′が一体的に設けられた構成になっているが、上記光電気モジュール部A、A′は、必ずしも左右一対で設けられている必要はなく、光電気モジュール部が片方だけに設けられており、配線部Bの先端が、他の光電気モジュール部にコネクタ等を介して接続されるようになっているものであっても差し支えない。
【0049】
そして、上記の実施の形態において、上記金属補強層6の幅狭部6bを構成する2本の帯状部30、31に形成される切れ目40、41は、上記の実施の形態に限らず、各種のパターンにすることができる。それらの例を、図5(a)、(b)に示す。なお、上記帯状部30、31は、通常、配線部Bの中心線35〔図2(b)参照〕に対して対称形に配置されるため、片方の帯状部30について説明し、他方の帯状部31についてはその説明を省略する。
【0050】
図5(a)は、帯状部30を左右に絶縁する切れ目40として、帯状部30に直交する3本の切れ目部分40aと、長手方向に延びる1本の切れ目部分40bとを組み合わせたものである。この例においても、切れ目40の幅をごく細く設定しておけば、幅方向のどの部分においても、概ね金属補強層6によって補強されている部分の幅が、切れ目40のない部分における補強の幅と略同一になるため、配線部Bを繰り返し屈曲させても、上記切れ目40が破れや折れのきっかけになりにくい。
【0051】
また、図5(b)は、帯状部30を左右に絶縁する切れ目40として、帯状部30に直交する3本の切れ目部分40aと、長手方向に延びる2本の切れ目部分40bとを一続きでつないで組み合わせたものである。この例においても、上記の例と同様、切れ目40の幅をごく細く設定しておけば、幅方向のどの部分においても、概ね金属補強層6によって補強されている部分の幅が、切れ目40のない部分における補強の幅と略同一になるため、配線部Bを繰り返し屈曲させても、上記切れ目40が破れや折れのきっかけになりにくい。もちろん、上記切れ目40を、金属補強層6の中央の1個所に設けても差し支えない。
【0052】
さらに、上記一連の実施の形態のように、配線部Bの金属補強層6として、2本の帯状部30、31を設けるのではなく、図5(c)に示すように、幅狭部6bを、1本の幅の狭い帯状とし、その左右両側の2個所に、切れ目40、40′を設けるようにしてもよい。この構成によれば、金属補強層6、左右両側部と中央部の3領域に分けて絶縁することができる。
【0053】
なお、上記切れ目40、40′は、図5(a)、(b)に示すように、帯状の金属補強層6に直交する切れ目部分と長手方向に沿って延びる切れ目部分とを組み合わせたものであってもよいし、図示のように、金属補強層6を斜めに横断するものであってもよい。
【0054】
また、上記切れ目40、40′は、必ずしも長手方向に延びる部分を有したものや、斜めに横断するものである必要はない。例えば、図6(a)に示すように、金属補強層6の、配線部Bに延びる幅狭部6bを、2本の、途中で途切れた帯状部36、37で構成し、配線部Bの長手方向に長く延ばすとともに、その途中の2個所に、これを直角に横切る切れ目40、40′を設けるようにしてもよい。
【0055】
さらに、金属補強層6の他の形状として、例えば、図6(b)に示すように、配線部Bに延びる幅狭部6bを、2本の、途中で途切れた帯状部36′、37′で構成し、配線部Bの長手方向に長く延ばすとともに、配線部Bの中央部に、長手方向に延びる補助帯状部50を設けたものが考えられる。また、上記の形状とは反対に、図6(c)に示すように、幅狭部6bを、1本の、途中で途切れた帯状とし、配線部Bの中央部両側に、長手方向に延びる2本の補助帯状部51を設けたものが考えられる。これらの構成によれば、丸枠Uで囲われた部分において、金属補強層6が、長手方向に延びる2本の切れ目40によって左右方向に絶縁されており、左右の光電気モジュール部A、A′(図1参照)の電気回路部分がノイズの影響を受けにくいという効果を奏する。しかし、上記切れ目40の入った部分において金属補強層6が幅方向に占める割合と、それ以外の部分において金属補強層6が幅方向に占める割合との差が大きすぎるため、配線部Bが屈曲を繰り返したりねじれたりすると、上記丸枠Uで囲われた部分とそれ以外の部分との境界部において、破れや折れのきっかけが生じるおそれがあり、好ましくない。
【0056】
したがって、本発明において、金属補強層6を左右方向に絶縁するために設けられる切れ目40等は、金属補強層の全体の幅寸法に対してごく小さい幅寸法、すなわちごく細い線状の切れ目40であることが望ましく、特に、その途中に少なくとも長手方向に沿って延びる部分もしくは長手方向に対し斜めに延びる部分を有する切れ目であることが必要である。より具体的には、金属補強層6において、切れ目40等が形成されていない部分の幅寸法T〔図2(b)を参照〕を1とすると、長手方向に沿って延びる切れ目部分によって幅方向に分断された部分の、幅方向の寸法の合計(Q+S)が、0.8〜1.2となるように設定することが必要である。これにより、切れ目40等が形成された部分と、切れ目40等が形成されていない部分とが、長手方向のどの部分においても、略同じ幅で配線部Bを補強することになる
【0057】
また、上記一連の実施の形態では、金属補強層6の、幅が狭くなったところの根元角部や、帯状部30、31等の根元角部にアールを付けて、配線部Bの柔軟な部分に応力が集中しないようにしているが、このようなアールは、必ずしも必要ではない。ただし、光電気混載基板の用途や取り付け形態によって、配線部Bに大きい負荷がかかったり繰り返し屈曲動作が加えられたりする場合には、上記のように、金属補強層6の各根元角部にアールを付けることが望ましい。
【0058】
そして、上記一連の実施形態では、左右の光電気モジュール部A、A′の幅に対してその間の配線部Bの幅が狭い形状になっており、その形状に合わせて、金属補強層6も、その左右の光電気モジュール部A、A′裏面に設けられる部分が幅広部6aになっており、幅の狭い配線部Bの裏面に設けられる部分が幅狭部6bになっているが、例えば図1において一点鎖線で示すように、光電気混載基板全体が同じ幅の帯状で、その帯状の、配線部Bとなる部分の裏面に設けられる金属補強層6の形状のみが、幅狭部6bになっている構成であっても差し支えない。この場合も、上記一連の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0059】
さらに、上記一連の実施形態では、配線部Bに、光導波路Wのみが設けられた構造になっているが、配線部Bには、光導波路Wと電気配線の両方が設けられた構造になっていてもよい。
【実施例】
【0060】
〔実施例1〕
図1に示す光電気混載基板を、前記の製法にしたがって作製した。ただし、配線部Bの長さは20cmとした。また、金属補強層6として、厚み20μmのステンレス層を設けた。そして、金属補強層6のうち、幅狭部6bの根元角部のアールの曲率半径Rを1.5mmとし、その配線部B側に突出した先端角部のアールの曲率半径R′を0.8mmとした。また、2本の帯状部30、31〔図2(b)を参照〕の幅寸法Tを400μm、切れ目40、41の幅寸法を、ともに100μmとした。そして、どちらの帯状部30、31も、(Q+S)は400μmであることから、T:(Q+S)=1:1である。そして、絶縁層の厚みを5μm、アンダークラッド層の厚み(絶縁層の裏面からの厚み)を10μm、コアの厚みを50μm、コアの幅を50μm、オーバークラッド層の厚み(アンダークラッド層の表面からの厚み)を70μmとした。そして、電気配線2の厚みを5μmとした。
【0061】
〔比較例1〕
金属補強層6に切れ目40、41を設けなかった。それ以外は、上記実施例1と同様にして、光電気混載基板を作製した。
【0062】
〔破断強度〕
上記実施例1品と比較例1品のそれぞれを、幅方向に1周ねじった状態にして、左右方向に引っ張った。そして、その引張荷重を増加させていき、配線部Bが破断する際の値(破断強度)を確認した。その結果、実施例1品、比較例1品とも、破断強度は12Nであり、実施例1品は金属補強層6に切れ目40、41が入っているものの、破断強度の低下がみられないことがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明の光電気混載基板は、フレキシブル性が要求される各種電子機器、とりわけ小型で高い情報処理性能が要求される民生用画像表示機器、通信用携帯機器、産業・医療等の検査機器等に広く利用可能である。
【符号の説明】
【0064】
1 絶縁層
2 電気配線
6 金属補強層
10、10′ 光素子
40、41 切れ目
A、A′ 光電気モジュール部
B 配線部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8