(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
プランジャーは、ルーメンの遠位端部が動物身体部分の基質へと挿入されるときに、超小型電子チップを係合する及びルーメンからそれを押し出すように構成されることを特徴とする、請求項3に記載の超小型電子の動物識別装置。
プランジャーが、動物身体部分の基質において超小型電子チップの回転を制限するために、プランジャーの近位の移動によって、超小型電子チップを解放するように構成されることを特徴とする、請求項4に記載の超小型電子の動物識別装置。
超小型電子チップがさらに、動物位置検出器、積層薄膜移動検出器、または積層薄膜生命徴候検出器を含むことを特徴とする、請求項1に記載の超小型電子の動物識別装置。
超小型電子チップの埋め込み装置が、RF信号が検出されることを可能にする深さで動物身体部分の表皮の下に超小型電子チップを埋め込むように構成されることを特徴とする、請求項6に記載の超小型電子の動物識別装置。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示は、超小型電子の動物識別に関する。本開示の一態様によると、超小型電子の動物識別装置は、インサーターを含み、該インサーターは、その遠位端部で超小型電子チップを着脱可能に保持するように構成され、超小型電子の動物識別装置はさらに、アクチュエーターを含み、該アクチュエーターは、インサーターの遠位端部が動物身体部分の基質(substrate)へと挿入されるときにインサーターから超小型電子チップを解放するように構成される。随意に、動物は、マウス、ラット、またはげっ歯類であり;随意に、身体部分は尾であり;および随意に、基質は真皮である。
【0005】
幾つかの実施形態では、識別装置はさらに、インサーターの位置を制御するように、および動物身体部分の基質へと超小型電子チップを埋め込むためにアクチュエーターを作動させるように構成された、コントローラーを含む。
【0006】
幾つかの実施形態では、アクチュエーターは、手動操作される。
【0007】
幾つかの実施形態では、インサーターは、動物身体部分の基質へと貫通することができる鋭い先端部へと終端する。
【0008】
幾つかの実施形態では、インサーターは、超小型電子チップを鋭い先端部の近位に保持するように構成される。
【0009】
幾つかの実施形態では、インサーターは、ルーメンを画定する管状本体を含み、該ルーメンは、その遠位端部で超小型電子チップをしっかりと保持するように構成されている。
【0010】
幾つかの実施形態では、ルーメンは、ルーメンの遠位端部で超小型電子チップの移動を制限するような寸法に形作られる(dimensioned)。
【0011】
幾つかの実施形態では、ルーメンは、超小型電子チップの断面形状よりわずかに大きい直径を有している。
【0012】
幾つかの実施形態では、ルーメンの遠位端部は、超小型電子チップの断面形状に近い寸法である。
【0013】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップは、接着剤によってルーメンに固定される。
【0014】
幾つかの実施形態では、管状本体は、超小型電子チップを越えて遠位に伸張する鋭い先端部へと終端する。
【0015】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップは、管状本体の遠位端部を越えて伸張する鋭い端部を含む。
【0016】
幾つかの実施形態では、アクチュエーターは、ルーメンに摺動可能に挿入されたプランジャーを含む。
【0017】
幾つかの実施形態では、プランジャーは、ルーメンの遠位端部が動物身体部分の基質へと挿入されるときに、ルーメンから超小型電子チップを係合する及び押し出すように構成される。
【0018】
幾つかの実施形態では、プランジャーは、動物身体部分の基質において超小型電子チップの回転を制限するプランジャーの近位の移動によって、超小型電子チップを解放するように構成される。
【0019】
幾つかの実施形態では、プランジャーは、コントローラーによって作動される。
【0020】
幾つかの実施形態では、プランジャーは、手動で作動される。
【0021】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップは、超小型電子チップに電力を提供する光電池を含む。
【0022】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップは、識別番号を表わすRF信号を生成することができるRFアンテナを含む。
【0023】
幾つかの実施形態では、RFアンテナは、アンテナループを含む。
【0024】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップはさらに、アンテナループにおいて電流を変調し、異なる識別番号を表わす異なるRF信号を生成することができる、オンボードの論理回路を含む。
【0025】
幾つかの実施形態では、オンボードの論理回路は、電子メモリによって制御される。
【0026】
幾つかの実施形態では、電子メモリは、ROMである。
【0027】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップはさらに、動物位置検出器を含む。
【0028】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップはさらに、積層薄膜移動検出器を含む。
【0029】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップはさらに積層薄膜生命徴候検出器を含む。
【0030】
幾つかの実施形態では、生命徴候検出器は、心拍数検出器、ECG検出器、EEG検出器、EMG検出器、温度検出器、血圧検出器、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0031】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップの埋め込み装置は、RF信号が検出されることを可能にする深さで動物身体部分の表皮へと超小型電子チップを埋め込むように構成されている。
【0032】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップの埋め込み装置は、随意に660nmで5−60mWの光電力を放出するレーザーによって、光電池が活性化されることを可能にする深さで動物身体部分の表皮へと超小型電子チップを埋め込むように構成されている。
【0033】
幾つかの実施形態では、識別装置はさらに、超小型電子チップを光活性化するための及びRFアンテナによって生成されたRF信号を受信するための、チップ読み取り装置を含む。
【0034】
幾つかの実施形態では、チップ読み取り装置は、超小型電子チップを光活性化するためのレーザーダイオードドライバーを含む。
【0035】
幾つかの実施形態では、チップ読み取り装置は、光集束モジュールを含む。
【0036】
幾つかの実施形態では、チップ読み取り装置は、超小型電子チップによって生成されたRF信号を受信するためのRF受信機に接続された空気コイルピックアップを含む。
【0037】
幾つかの実施形態では、チップ読み取り装置は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FGPA)を含む。
【0038】
幾つかの実施形態では、チップ読み取り装置は、USBマイクロコントローラーおよび電源レギュレーターを含む。
【0039】
本開示の別の態様によると、超小型電子の動物識別装置を組み込む動物マーキングシステムが開示される。
【0040】
幾つかの実施形態では、マーキングシステムはさらに、識別装置に動作可能に関連付けられた少なくとも1つの拘束装置を含み、ここで拘束装置は、動物または動物身体部分を拘束するように大きさを合わせられている且つ構成されており、識別装置が動物身体部分の基質へと超小型電子チップを堆積させることができるように配向されている。
【0041】
幾つかの実施形態では、インサーターは、インサーターカートリッジに連結されている。
【0042】
幾つかの実施形態では、インサーターカートリッジは、インサーターカートリッジを正確に識別装置上に位置付けるように構成された参照特徴部(reference feature)を含む。
【0043】
幾つかの実施形態では、参照特徴部は、2つのエンドプレート間で伸張する位置決めシリンダーを含む。
【0044】
幾つかの実施形態では、識別装置は、スコッチヨークに連結されたドッキング部材を含み、該ドッキング部材は、ドッキング部材の上面から底面まで伸張する収容スロットを画定している。
【0045】
幾つかの実施形態では、参照特徴部の位置決めシリンダーは、ドッキング部材の収容スロットへと挿入されるように構成されている。
【0046】
幾つかの実施形態では、参照特徴部の位置決めシリンダーがドッキング部材の収容スロットへと挿入されるときに、参照特徴部の2つのエンドプレートは、それぞれ、ドッキング部材の上面および底面を係合する。
【0047】
幾つかの実施形態では、位置決めシリンダーは、インサーターが伸張する中心穴を含む。
【0048】
幾つかの実施形態では、インサーターカートリッジは、識別装置上にインサーターカートリッジを係止するように構成された、係止特徴部を含む。
【0049】
幾つかの実施形態では、係止特徴部は、2つの端部間で伸張するU字型の可撓性の係止クリップを含み;係止クリップの各端部は、少なくとも1つの外側に伸張する係止歯を含む。
【0050】
幾つかの実施形態では、係止クリップはさらに、係止クリップの外表面上に複数の挟持リブを含む。
【0051】
幾つかの実施形態では、係止歯は、インサーターカートリッジが取り付け位置にあるときに、超小型電子チップの埋め込み装置のスコッチヨークの端壁に当接するように構成されている。
【0052】
幾つかの実施形態では、インサーターは、接着剤によってインサーターカートリッジに連結される。
【0053】
幾つかの実施形態では、インサーターは、インサーターをインサーターカートリッジに成型することによってインサーターカートリッジに連結される。
【0054】
幾つかの実施形態では、インサーターは、ポリマー材料から成型される。
【0055】
幾つかの実施形態では、インサーターカートリッジは、識別装置に恒久的に取り付けられる。
【0056】
幾つかの実施形態では、インサーターカートリッジは、着脱可能であることで、使い古した又は損傷したインサーターの交換が可能である。
【0057】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップの埋め込み装置は、動物基質のサイズまたは幾何学的形状の違いを埋める寸法に形作られた複数のインサーターカートリッジを含む。
【0058】
幾つかの実施形態では、複数のインサーターカートリッジは、超小型電子チップの埋め込み装置上に予め取り付けられる。
【0059】
幾つかの実施形態では、マーキングシステムは、インサーターを自動的に取り付ける且つ取り外すように構成されている。
【0060】
幾つかの実施形態では、拘束装置は、マーキング用基質のサイズの違いを補うように構成されたばねで留められた先細りしたV字型溝を含む。
【0061】
幾つかの実施形態では、ばねで留められた先細りしたV字型溝は、基質の身体部分のサイズの違いを補うために調整される。
【0062】
幾つかの実施形態では、ばねで留められた先細りしたV字型溝は、支持台で組み立てられ、随意に保護的順応性ブーツ(protective compliant boot)内に封入される。
【0063】
幾つかの実施形態では、調整された、ばねで留められた先細りしたV字型溝は、複数の独立した溝部分(groove sections)を含み、各溝部分は、連節している(articulating)且つ自己整合している。
【0064】
幾つかの実施形態では、マーキングシステムは、マーキング用基質のサイズに基づいて、インサーターおよび拘束装置の構成を選択するように構成されている。
【0065】
幾つかの実施形態では、マーキングシステムは、動物身体部分の基質のサイズを測定するように構成された計器をさらに含み、該計器は、漸増的に幅が増大する複数の測定スロットを含む。
【0066】
幾つかの実施形態では、マーキングシステムはさらに、光カーテンビームを放出するレーザーを生成する装置および受信機を使用することによって動物身体部分の基質のサイズを測定するように構成された測定装置を含み、該受信機は、該測定装置に組み込まれている。
【0067】
幾つかの実施形態では、マーキングシステムはさらに、超小型電子チップの埋め込み装置からのインサーターカートリッジの除去を促進するために係止クリップを係合する且つ圧縮するように適合されたフォーク状のツールを含む。
【0068】
幾つかの実施形態では、フォーク状のツールは、漸増的に幅が増大する複数の測定スロットを含む計器と一体化される。
【0069】
幾つかの実施形態では、マーキングシステムはさらに、動物身体部分の基質へと色素成分を堆積させるためのマーキング装置を含む。
【0070】
幾つかの実施形態では、マーキング装置は、1つ又は複数の針先端部を含む固定長のマーキング針を含む。
【0071】
幾つかの実施形態では、針先端部は、マーキング用基質の表皮を貫通する及びマーキング用基質の真皮へと色素を移すように構成されている。
【0072】
幾つかの実施形態では、マーキングシステムはさらに、色素を包含している媒体移動アセンブリを含み、ここでマーキング装置は、マーキング用基質の前に色素と接触することによってマーキングするように構成されている。
【0073】
幾つかの実施形態では、識別装置は、動物の尾と平行な遠位方向の近位に超小型電子チップを堆積させるために、コントローラーによって操作される。
【0074】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップの埋め込み装置は、動物の尾と平行
で遠位から近位の方向で超小型電子チップを埋め込むために、コントローラーによって操作される。
【0075】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップの埋め込み装置は、動物の尾に対して垂直に超小型電子チップを埋め込むために、コントローラーによって操作される。
【0076】
本開示の別の態様によると、動物の識別のための超小型電子チップが開示される。超小型電子チップは、超小型電子チップに電力を提供する光電池、識別番号を表わすRF信号を生成することができるRFアンテナ、および積層薄膜検出器を含む。
【0077】
幾つかの実施形態では、積層薄膜検出器は、位置検出器である。
【0078】
幾つかの実施形態では、積層薄膜検出器は、移動検出器である。
【0079】
幾つかの実施形態では、積層薄膜検出器は、生命徴候検出器である。
【0080】
幾つかの実施形態では、生命徴候検出器は、心拍数検出器、ECG検出器、EEG検出器、EMG検出器、温度検出器、血圧検出器、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0081】
本開示の別の態様によると、動物識別システムが開示される。
【0082】
動物識別システムは、動物の基質に埋め込まれた超小型電子チップを含み、該超小型電子チップは、第1の識別番号を表わすRF信号を生成するために光活性化され;該動物識別システムはさらに、動物の基質に刷り込まれた色素マークを含み、該色素マークは、第2の識別番号を表わす。
【0083】
本開示の別の態様によると、動物識別システムが開示される。動物識別システムは、動物の基質に埋め込まれた超小型電子チップを含み、該超小型電子チップは、第1の識別番号を表わすRF信号を生成するためにRFエネルギーソースによって受動的に活性化され;該動物識別システムはさらに、動物の基質に刷り込まれた色素マークを含み、該色素マークは、第2の識別番号を表わす。
【0084】
幾つかの実施形態では、識別システムはさらに、チップの埋め込み時及び/又はマーキング時に動物から得られ、貯蔵容器に入れられた、動物のサンプル組織を包含するための組織貯蔵容器を含み、該組織貯蔵容器は、第1の識別番号を表わすRF信号に構成された第2の超小型電子チップを含む。
【0085】
さらに別の実施形態では、識別システムはさらに、マーキング色素を包含している媒体移動アセンブリを含み、該媒体移動アセンブリは、第1の識別番号を関連付けて表わすバーコードを含む。
【0086】
幾つかの実施形態では、識別システムはさらに、媒体移動アセンブリを含み、ここで第3の超小型電子チップが取り付けられて、第1の識別番号に対応するRF信号に構成され、随意に、該識別システムはまた、例えばアセンブリ及び/又は色素の製造業者および製造ロット番号に対する追跡可能性のための、第2のバーコード化参照を含む。
【0087】
幾つかの実施形態では、識別システムはさらに、第1、第2、および第3の識別番号を保存する且つ相互参照するためのデータ管理システムを含む。
【0088】
本開示のこれら及び他の態様および特徴は、添付の図面と併用して以下の詳述を参照することでより一層理解されるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【
図1】本開示の超小型電子の動物識別装置(独立型)を描写する。
【
図2】本開示の超小型電子の動物識別装置(拘束装置を備える)を描写する。
【
図3】本開示の超小型電子の動物識別装置(拘束装置を備える)を描写する。
【
図4】本開示の超小型電子の動物識別装置(マーキングシステムと一体化した)を描写する。
【
図5】本開示による媒体移動アセンブリを描写する。
【
図6】随意の軸の例を描写し、マーキング装置及び/又はロボットアームは、その周りを移動するように構成される。
【
図7A】本開示による典型的な拘束装置を描写し、特に、動物の主要な身体を固定する第1部分(破線)およびマーキングされる動物身体部分を固定する第2部分(実線)を有する、拘束装置を示している。
【
図7B】本開示による典型的な拘束装置を描写し、特に、矢印の方向に動物の主要な身体を押すことによる動物の位置決めを示している。
【
図7C】本開示による典型的な拘束装置を描写し、特に、矢印の方向にマーキングされる動物身体部分を引っぱることによる動物の位置決めを示している。
【
図7D】本開示による典型的な拘束装置を描写し、特に、拘束装置による動物身体部分の固定を示している。
【
図9】本開示による典型的な身体部分のプレートアセンブリを描写する。
【
図10】本開示による典型的な身体部分のプレートを描写する。
【
図11】本開示による典型的な保護的順応性ブーツを描写する。
【
図12】本開示による典型的な拘束装置を描写する。
【
図13】本開示による典型的な拘束装置および典型的な媒体移動アセンブリを描写する。
【
図14】本開示によるドーム形の動物格納装置(domed animal enclosure)を備える典型的な拘束装置を描写する。
【
図15】本開示による典型的な拘束装置および典型的な媒体移動アセンブリを描写する。
【
図16】本開示による典型的な媒体移動アセンブリを描写する。
【
図17】本開示による典型的な媒体移動アセンブリ中の色素部分の充填を描写する。
【
図18】本開示による典型的な身体部分の拘束部に挿入された典型的な媒体移動アセンブリを描写する。
【
図19】本開示による典型的なマーキングシステムを描写する。
【
図20】本開示による拘束装置用の典型的な収容装置を描写する。
【
図21A】本開示による典型的な拘束装置を描写する。
【
図21B】本開示による
図21Aの拘束装置とともに使用される色素マーキング針先端部の典型的な配置を描写する。
【
図22】本開示による典型的なロボットアセンブリおよびコントローラーを描写する。
【
図23】本開示による動物基質を(例えば:刺青(tattoo)で)マーキングするために使用される典型的なマルチ先端針のカートリッジアセンブリを描写する。
【
図24】本開示による典型的なばねで留められた尾のプレートの分解図を描写する。
【
図25】本開示による典型的なロボットアセンブリを描写する。
【
図26】本開示による典型的なロボットアセンブリを描写する。
【
図27】本開示による典型的なロボットアセンブリを描写する。
【
図28】本開示による典型的な身体部分のプレートアセンブリおよびばねで留められた尾のプレートアセンブリを描写する。
【
図29】本開示による典型的な身体部分のプレートアセンブリおよびばねで留められた尾のプレートアセンブリを描写する。
【
図30】本開示による典型的な拘束装置を描写する。
【
図31】本開示による典型的なベースプレートを描写する。
【
図32】本開示による典型的なベースプレートを描写する。
【
図33】本開示による典型的な身体部分のプレートアセンブリを描写する。
【
図34】本開示による身体の拘束部および身体部分の拘束部を含む典型的な拘束装置を描写する。
【
図35】本開示による正面斜視での典型的なインサーターカートリッジを描写する。
【
図36】本開示による背面斜視での典型的なインサーターカートリッジを描写する。
【
図37】本開示による後方斜視での典型的なインサーターカートリッジを描写し、特に、上部の参照特徴部を例証している。
【
図38】本開示による後方斜視での典型的なインサーターカートリッジを描写し、特に、下部の参照特徴部を例証している。
【
図39】本開示によるインサーターカートリッジのための典型的な取付機構を描写する。
【
図40】本開示による後方斜視での典型的なインサーターカートリッジを描写し、特に、係止特徴部を例証している。
【
図41】本開示による典型的なインサーターカートリッジの抽出ツールを描写する。
【
図42A】本開示による典型的なインサーターカートリッジに連結された典型的なインサーターを描写する。
【
図42B】本開示による、典型的なインサーターカートリッジに連結された典型的なインサーター5に連結されるときの、
図21Aの拘束装置とともに使用されるインサーター針先端部5bの典型的な配置Фを描写する。
【
図43】本開示による典型的なインサーターカートリッジに連結された典型的なインサーターを描写する。
【
図44】本開示による典型的なインサーターカートリッジに連結された典型的なインサーターを描写する。
【
図45】本開示による、マーキング用基質のサイズに適応する調整された尾のプレートを含む拘束装置に特有の典型的なばねで留められた尾のベッドの分解図を描写する。
【
図46】本開示による、マーキング用基質のサイズに適応する調整された尾のプレートを含む拘束装置に特有の典型的なばねで留められた尾のベッドの分解図を描写し、特に、一緒に組み立てられた調整された尾のプレートを例証している。
【
図47】本開示による、マーキング用基質のサイズに適応する調整された尾のプレートを含む拘束装置に特有の典型的なばねで留められた尾のベッドの分解図を描写し、特に、ばねで一緒に組み立てられたと一緒に組み立てられた調整された尾のプレートを例証している。
【
図48】本開示による、マーキング用基質のサイズに適応する調整された尾のプレートを含む拘束装置に特有の典型的なばねで留められた尾のベッドの斜視図を描写し、特に、尾のプレートベースで組み立てられた調整された尾のプレートを例証している。
【
図49】本開示による典型的な計器を描写し、特に、計器とインサーターカートリッジの抽出ツールの随意の一体化を例証している。
【
図50】本開示によるレーザービームに基づいた典型的な尾のサイズの計器を図式的に描写する。
【
図51】本開示による典型的な超小型電子チップを描写する。
【
図52】本開示による典型的な超小型電子チップを描写する。
【
図53】本開示による典型的なインサーター(部分図)を描写する。
【
図54】本開示による典型的なチップ読み取り装置を描写する。
【
図55】本開示による動物識別システム(部分図)を描写する。
【0090】
図面が必ずしもサイズを合わせられたものではなく、開示された実施形態が図式および部分図で時に例証されることを理解されたい。他の詳細を理解するのに難しいものにする、開示された装置または方法の理解を必要としない詳細は、幾つかの実施形態で、省略されてもよい。本開示が本明細書に例証される特定の実施形態に限定されないことを当然理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0091】
本明細書に使用されるように、以下の定義および略語が適用される。
【0092】
本明細書に記載されるように、用語「典型的な(exemplary)」(あるいは「例えば(e.g.)」または「例によって(by example)」によって」)は、限定されていない例を意味する。用語「典型的な」は、好ましい例を示すようには具体的に意図していない。
【0093】
本明細書に記載されるように、用語「生物学的に安全な(bio−safe)」は、開示される方法で使用されるときに動物に対して実質的に無毒であることを意味する。毒性の決定因子は当該技術分野で既知である。随意に、毒性は、死亡率、健康全般への影響、疾患状態、(急性及び/又は慢性暴露時の)動物の正常な活性の摂動などの1つに関して決定される。
【0094】
本明細書に記載されるように、用語「身体部分の拘束」は、動物の身体部分を固定する装置の拘束を意味する。随意に、身体部分の拘束は、動物の基質部分を固定する。例えば、身体部分の拘束は、基質部分自体を接触させることによって、または基質部分が固定されるように動物の異なる部分を接触させることによって、動物の基質部分を固定することができる。
【0095】
本明細書に記載されるように、用語「生物学的に恒久的な(bio−permanent)」は、動物の寿命の実質的な持続時間の間、動物内または動物上に残ることを意味する。
【0096】
本明細書に記載されるように、用語「皮膚」は、動物身体の外側被覆または外皮を意味する。一実施形態では、それは、皮下の軟骨及び/又は基質(matrix)を含む。
【0097】
本明細書に記載されるように、用語「近位(proximal)」および「遠位(distal)」は、マーキング装置が動物のマーキング用基質(例えば尾)をマーキングする方向を指す。具体的には、用語「近位」は動物の身体への方向を指し、用語「遠位」は動物の四肢への方向を指す。
【0098】
本明細書に記載されるように、用語「先端部長さの偏差(tip length deviation)」は、同一平面上のインサーター先端部のグループの長さ均一性を指し、ここで「先端部長さの偏差」は共通平面のインサーター先端部と任意の平面外のインサーター先端部との間の最大距離である。
【0099】
本明細書に記載されるように、用語「先端部の濃度偏差(tip concentration deviation)」は、インサーター先端部のコンパクトなグループのX−Yの位置決めの均一性を指し、ここで「先端部の濃度偏差」は、グループ化されたインサーター先端部の幾何的中心とインサーターカートリッジのX−Y参照特徴部(例えば位置決めシリンダーの中心軸)との間の最大距離である。
【0100】
マーキングシステムの媒体移動アセンブリを記載するときに、用語「下部(lower)」はマーキング用基質に比較的近い位置を指し、用語「上部(upper)」はマーキング用基質から比較的さらに離れていることを指す。
【0101】
本開示は、一般に、動物に1つ以上の特徴をマーキングするように構成される、超小型電子の動物識別装置および動物マーキングシステムを提供する。例えば、マークは、幾つかの実施形態では、丈夫で、容易に適用され、比較的非侵襲性であり得、幾つかの実施形態では、安全性プロフィールの、低レベルの交差読み取り(cross−read)を有し得(例えば、互いに近位の他の動物によって引き起こされた干渉がより少ない)、および幾つかの実施形態では、高レベルの精度(例えば、約80%以上、約90%以上、または約95%以上の精度)で読み取られ得る。幾つかの実施形態では、動物は、少なくとも2つの以下の特徴をマーキングされる:第1の識別番号を表わす反応するRF信号を生成するように光活性化且つ構成される超小型電子チップ、および第2の識別番号を表わす色素のインプリント(pigment imprint)。第1および第2の識別番号は、同じ又は異なる番号であり得、相互参照のためにデータ管理システムに保存され得る。
【0102】
幾つかの実施形態では、動物は、少なくとも2つの以下の特徴をマーキングされる:RFソースによって受動的に活性化され、第1の識別番号を表わす反応するRF信号を生成するように構成される、超小型電子チップ、および第2の識別番号を表わす色素のインプリント。第1および第2の識別番号は、同じ又は異なる番号であり得、相互参照のためにデータ管理システムに保存され得る。
【0103】
加えて、媒体移動アセンブリ内に包含された色素は、色素の製造業者、製造ロット、原料などに対する追跡可能性を提供する、超小型電子チップまたは刷り込まれたバーコードなどの三次識別によってさらに識別されてもよい。
【0104】
さらに他の実施形態では、動物は、第1および第2の識別番号と同じまたは異なり得る及び相互参照のためにデータ管理システムに保存され得る第3の識別番号を与えられた第3の超小型電子チップを提供された、チップの埋め込み及び/又はインプリントマーキングの時に得られた組織サンプルによってさらに識別されてもよい。
【0105】
限定しない例という点で、組織サンプルは、尾の切れ端、皮膚サンプル、耳の切れ端、血液サンプル、または他の比較可能な四肢組織サンプルを含むことができる。
【0106】
図42Bで例証されるように、本開示による超小型電子の動物識別装置は、インサーター針5bを含み、該インサーター針5bは、その遠位端部で超小型電子チップを着脱可能に保持するように構成され、該動物識別装置はさらに、インサーター針220の遠位端部が動物身体部分の基質へと挿入されるときに、インサーター針5bから超小型電子チップ300を解放するようにプランジャー230を押すように構成された、アクチュエーター8を含む。超小型電子チップ300は、幾つかの実施形態において独立型の装置である。幾つかの実施形態では、超小型電子チップは、マーキングシステムへと一体化される。
【0107】
図4を参照すると、視覚識別(色素刺青)装置3は、マーキングシステム1へと一体化され、これはさらに拘束装置2およびコントローラー4を含む。より詳細に以下に記載されるように、操作時に、拘束装置2は、動物身体部分のマーキング用基質を固定し、一方でコントローラー4は、マーキング用基質の皮膚の下に色素を堆積させることなどによって、マーキング用基質上に読み取り可能なマーキングを行うように識別装置3を操作する。
【0108】
超小型電子の識別装置
上に議論されるように、本開示の
図4で例証される、視覚識別装置3は、幾つかの実施形態において、マウスの尾などの動物の身体部分の基質(例えば真皮)へと
図53で例証されるように超小型電子チップ300を堆積させる。その目的のために、視覚識別装置3は、
図42Bで例証されるようなインサーター(針)5bを含み、該インサーター(針)5bは、その遠位端部で超小型電子チップ300を着脱可能に保持するように構成され(
図53で例証される)、アクチュエーター8は、インサーター針5bの遠位端部220が動物身体部分の基質へと挿入されるときに、インサーター針のルーメン221から超小型電子チップ300を解放するべくプランジャー230を押すように構成される。
【0109】
幾つかの実施形態では、インサーターは、米国特許出願公開番号2011/0077659に記載され、その全体が本明細書に組み込まれる。幾つかの実施形態では、
図50で例証されるような超小型電子チップ300およびチップ読み取り装置128は、米国特許第7,098,394号および米国特許出願公開番号2003/0062988に開示され、それら全体が本明細書に組み込まれる。
【0110】
幾つかの実施形態における識別装置3は、コントローラーによって駆動されるロボットアセンブリ42、およびロボットアセンブリ42と動作可能に関連付けられたインサーター5を含む。
【0111】
一実施形態では、本明細書に記載されるロボットアセンブリ42は、インサーター5の位置決めを可能にし、それにより、インサーター5の作動で基質をマーキングする、任意のロボット構成を包含するように意図される。別の実施形態では、ロボットアセンブリは、インサーター5をy軸およびR軸に沿って位置付ける。さらなる実施形態では、ロボットアセンブリ42は、例えば、マーキング用基質をマーキングするようにインサーター5を作動させることによって、インサーター5を操作する又はその操作を制御する。別の実施形態では、ロボットアセンブリ42は、インサーター5を、Y軸、シータ軸に沿って、およびR軸に沿って位置付ける。
【0112】
(1つ以上のアクチュエーターと組み合わせた)ロボットアセンブリ42は、幾つかの実施形態において、インサーター5任意の軸に沿って位置付けるように構成されてもよい。例えば、一実施形態では、ロボットアセンブリ42は、インサーター5を、線形軸(例えばY及び/又はR)、回転軸(例えばシータ)、またはその組み合わせに沿って位置付けることができる。
【0113】
本明細書で提供される教示によって、当業者は、インサーター5を所望の軸のまわりで移動させることを可能にするロボットアセンブリ42を容易に製造することができる。例えば、一実施形態では、インサーター5は、直線軌道を提供することよって線形軸のまわりを移動するか、または所望の軸に従う軌道を提供することによって他の軸(例えば回転軸)のまわりを移動することができる。別の例として、一実施形態では、インサーター5は、ラジアルアーム(例えば、支点から伸張するアーム)を提供することによって回転軸のまわりを移動する。別の例として、一実施形態では、インサーター5は、クランクピンに連結されたピストンを提供することによって線形軸のまわりを移動する。別の例として、一実施形態では、インサーター5は、ラックアンドピニオン機構を提供することによって、線形軸のまわりを移動する(この場合、マーキング装置は線形ラックの部分に付けられる)。別の例として、一実施形態では、インサーター5は、ラックアンドピニオン機構を提供することによって、非円形の湾曲軸椎のまわりを移動する(この場合、マーキング装置はラック部分付けられ、それ故、ラック/ピニオンの組み合わせが構成される)。別の例として、一実施形態では、インサーター5は、ラックアンドピニオン機構を提供することによって、回転軸のまわりを移動する(この場合、マーキング装置は、円形のピニオン部分に付けられるか、あるいはマーキング装置は、ラック部分に付けられて、ラック部分が円形の形状である)。別の例として、一実施形態では、インサーター5は、クランク−スライダー機構を提供することによって、湾曲軸のまわりを移動する(この場合、スライダーは、枢軸のスライダー(pivoting slider)である)。
【0114】
ロボットアセンブリ42は、本明細書で使用されるように、識別装置に超小型電子チップを基質上に堆積させる、即ち、マーキングを行うために作動する、少なくとも1つの第1アクチュエーター(本明細書で「マーキングアクチュエーター」とも呼ばれる)を含む。一実施形態におけるロボットアセンブリ42はさらに、ロボットアーム(およびマーキング装置)を、基質上にマーキングする及び/又はホーミングする前に、さもなければその後識別装置を解放する前に、基質上またはそのまわりに位置付けるための1つ以上の追加のアクチュエーターを含む。
【0115】
一実施形態では、アクチュエーターは、任意のタイプのアクチュエーター、例えば、モーター、ボイスコイル、ねじ、圧電装置、ソレノイド、空気ポンプである。有用なモーターは、例えば、ステッパーモーターおよびサーボモーターを含む。一実施形態では、アクチュエーターは、線形アクチュエーター(例えばY軸アクチュエーター)、回転アクチュエーター(例えばシータ軸アクチュエーター)、または回転運動から線形運動に又はその逆に切り替わる(例えばピストン式の)アクチュエーターである。アクチュエーター(例えばマーキングアクチュエーター)は、ロボットアームまたはその識別装置を一定運動または往復運動で移動させることができる。
【0116】
アクチュエーター(例えばモーター)は、幾つかの実施形態において、フィードバック機構、例えば、ロボットアームまたはその識別装置の位置情報を提供するフィードバック機構によって随意に制御されてもよい。随意に、フィードバック機構は、アクチュエーターの外側にあり、ロボットアームまたは識別装置に固定されたフラグおよび拘束装置に対する位置に固定されたセンサー(あるいはその逆もしかり)を含む。例えば、マーキング装置を適切に位置付けることができるように、移動の各軸に対して1つ以上のフラグが提供され得る。随意に、ロボットアセンブリ42は、ロボットアーム(例えば、第2アクチュエーターによって作動されたアーム)上で「基質」フラグ(または複数の基質ウインドウフラグ)を含み、ここで基質フラグは、ロボットアームが、基質のまわりに識別装置を位置付けたときに(マーキングのための位置で)センサーによって検出されるように位置付けられる。その後、マーキングアクチュエーター(第1アクチュエーター)が、マーキングを行うために作動され得る(例えば、往復動ピストンによって識別装置に連結されたサーボモーターによって制御される)。
【0117】
随意に、フィードバック機構は、アクチュエーターの内側にある。例えば、一実施形態では、サーボモーターは、アクチュエーター(例えば第1アクチュエーター)を提供するために使用される。一般に、サーボモーターは、モーター、フィードバック装置、およびドライブを含む。モーターは、直流上で作動し、典型的に、比較可能な量のトルクを生成する他のモーターよりも熱く小さい。フィードバック装置は、しばしば、モーターの後部に取り付けられたエンコーダーまたはリゾルバー(例えば32カウントのエンコーダー)であり、フィードバック装置は、ドライブにモーター位置およびモーター速度などの性能情報を報告する。サーボモーターのドライブは、モーターに電流を提供し、ドライブは、フィードバック装置からのフィードバックに応じて電流を決定するプログラマブルコントローラー(例えば、コントローラー)を含むことができる。サーボモーターは、比例・積分・導関数(PID)アルゴリズムなどのアルゴリズムによって制御され得る。一実施形態では、サーボモーターは、アクチュエーターにおいて使用される(例えば、スコッチヨークアセンブリ(scotch yolk assembly)などの往復動ピストンを介して識別装置に連結される)ときの特性を提供する。
【0118】
本明細書で教示される他の様々な特性の中でも、サーボモーターは、随意に、位置を変更するためにロボットアームによって必要とされる運動量を減少させる位置で識別装置の運動を停止させる能力をマーキングシステムに与えるマーキングアクチュエーターとして提供され得る。例えば、識別装置は、識別装置の「マーキング」運動を上/下に往復させるためのサーボモーターに連結されるピストンに固定され得、サーボモーターは、インサーターが(例えば、マークまたはその文字の完了後に)上死点で循環運動を停止させることができる精度を有して操作され得る。この特徴は、(例えば第2アクチュエーターによって)ロボットアーム自体の全体的な上向きの(またはZ軸)の運動の使用なしでマーキング表面上で識別装置(例えばインサーター)を引きずる(dragging)可能性を除去する。
【0119】
一実施形態では、基質をマーキングするためのアクチュエーターは、識別装置3、および随意に、ロボットアセンブリ42を、1つ以上の軸に沿って、あるいは空間中の1つ以上の点のまわり又は周囲で作動する。随意の軸は、
図6に描写されるように、線形軸および回転軸を含む(R軸が、シータ(Theta)およびファイ(Phi)に関連して画定され、ThetaおよびPhiが両方ともゼロに等しいときにZ軸と平行であることに留意)。図で描写されていないが、他の随意の軸は、シータおよびプサイ(psi)またはプサイおよびファイに関連して画定される(例えば、垂直に(normal to))ものを含む。
【0120】
当業者は、特定の典型的な軸が、本明細書で教示されるマーキングシステムのロボットアセンブリ42において互いに関連して画定されることを認識するだろう。例えば、特定の記載および図がZ軸を垂直軸として明記しているが、当業者は、これが本発明を例証するために行われていることを認識するだろう。
【0121】
一実施形態では、アクチュエーターは、単軸に沿って移動を作動させる。別の実施形態では、アクチュエーターは、複数の軸に沿って移動を作動させる。随意に、識別装置及び/又はロボットアームは、複数の軸上で移動することができ、ここで複数の軸の各々に沿った運動は、異なるアクチュエーターによって制御される。
【0122】
本発明はマーキングシステムを熟慮しているが、その中で識別装置3及び/又はロボットアセンブリ42は、(例えば他の軸とは無関係に)
図6によって定義される軸の1つ、すべて、またはそれより少ない軸上で移動することができる。そのような実施形態では、識別装置3は、ロボットアセンブリ42を移動させない、即ち、(例えば、アクチュエーターをアームと識別装置との間に置くことによって)識別装置3以外にロボットアセンブリ42を移動させないアクチュエーターによってマーキングを行うために、例えば、識別装置3およびロボットアセンブリ42の両方を同時に移動させるアクチュエーターと比較して、識別装置の正確な移動及び/又はアクチュエーター上の摩耗の減少を提供するために、作動され得る。
【0123】
本発明の有用なロボットアセンブリ42は、(識別装置3の)インサーター5を基質と接触させるアクチュエーターであり得る。随意に、アクチュエーターは、マーキング部材を基質に貫通させる(例えば刺青を注入する)。例えば、例えば、インサーターは、皮膚に入り、同じ経路に沿って、例えば、皮膚から引き出すことによって皮膚を出ることができ、マーキングの拡散および組織損傷を最小限にする。
【0124】
一実施形態では、ロボットアセンブリ42は、マーキングを行うためにマーキング装置を作動させる少なくとも1つの第1アクチュエーター(例えばRまたはZ軸)を含み、さらにロボットアーム(およびマーキング装置)を位置付けるための少なくとも1つの第2アクチュエーター(例えばX、Y、Z、ファイまたはシータ軸)を含む。随意に、第1アクチュエーターは、ロボットアームとマーキング装置との間に接続される。この構成は、
図42Bで例証されるような識別装置のより迅速な配置(即ち、マーキングされる身体部分に対する位置および角度Φ)、より正確且つ個別のマーキング、及び/又は(例えば
図1および
図25に描写されるように)マーキングアクチュエーター上のより少ない摩耗を可能にする。このようなロボットアセンブリは、随意に、身体部分のプレートアセンブリなどの身体部分の拘束部を備えるマーキングシステムと組み合わされる。例えば、このようなロボットアセンブリ42は、適合性のある(conformative)付勢手段46及び/又は1つ以上の操作ウィンドウ19を備える身体部分(例えば尾)のプレートアセンブリ20と組み合わせると有用である。
【0125】
一実施形態では、ロボットアセンブリ42は、第1および第2のアクチュエーターを含み、第1アクチュエーターは、RまたはZ軸に沿ってマーキング装置を作動させ、第2アクチュエーターは、X、Y、Z、ファイ、またはシータ軸に沿ってマーキング装置(およびロボットアーム)を作動させる。例えば、第1アクチュエーターは、R軸に沿ってマーキングを行うためにマーキング装置を作動させることができ、第2装置は、シータ軸に沿ってマーキング装置を作動させることができる。随意に、第1アクチュエーターは、ピストン(例えばスコッチヨーク)に連結されたサーボモーター(例えばPID制御された)を含む。
【0126】
一実施形態では、ロボットアセンブリ42は、第1および第2のアクチュエーターを含み、第1アクチュエーターは、X、Y、Z、またはシータ軸に沿ってマーキング装置を作動させ、第2アクチュエーターは、X、Y、Z、またはシータ軸に沿ってマーキング装置を作動させる。
【0127】
一実施形態では、ロボットアセンブリ42は、第1、第2、および第3のアクチュエーターを含み、第1アクチュエーターは、RまたはZ軸に沿ってマーキング装置を作動させ、第2アクチュエーターは、Xまたはシータ軸に沿ってマーキング装置(およびロボットアーム)を作動させ、および第3アクチュエーターは、Yまたはファイ軸に沿ってマーキング装置(およびロボットアーム)を作動させる。随意に、第1アクチュエーターは、ピストン(例えばスコッチヨーク)に連結されたサーボモーター(例えばPID制御された)を含む。
【0128】
幾つかの実施形態では、
図42A−44および53で例証されるように、ロボットアセンブリ42のアクチュエーターは、円筒状のルーメン、円錐状の基質または針5bへと超小型電子チップ300を堆積させるように構成される。超小型電子チップを堆積させるために、インサーター5は、表皮を貫通するように作動され、インサーターが戻る前に超小型電子チップ300が堆積させるマーキング用基質の真皮へと続く。
【0129】
インサーター上に負荷力をほとんどかけることなく及び動物をほとんど不快にさせることなく、超小型電子チップ300を真皮へと移すことには、鋭いインサーター先端部220の使用が必要とされ得る。生成された刺青または挿入されたチップの数に依存して、インサーターは、定期的に取り替えられる必要があり得る。インサーターはまた、動物の個体群の間の相互汚染が予防されなければならず、インサーターの共有が許容可能でない場合に、取り替えられる必要があり得る。他の例では、インサーターは、損傷された(例えば、先端部が曲がった)場合、取り替える必要がある。インサーターを変更する必要性の背後にある理由にかかわらず、取り替えが色素刺青システムのユーザーによって容易に行われるような設計であることが好ましい。しかしながら、最も注目すべきは、インサーターを変更する際に、マーキング装置に対するインサーター先端部長さの偏差およびインサーター先端部の濃度偏差の反復における妥協が最小限であることが望ましく、これは、皮層へのインサーター先端部の貫通および横方向の位置決めに対する閉ループフィードバックが提供されないときに特に言えることである。
【0130】
インサーターの取り替え中にインサーター5を反復可能に位置付けるために、識別装置3は、インサーター5が幾つかの実施形態において正確に連結され得るインサーターカートリッジ92を含んでもよい。ここで
図35−38を参照すると、インサーターカートリッジ92の限定しない典型的な実施形態が例証され、これは、インサーターカートリッジ92をマーキング装置上に正確に取り付けるように構成された参照特徴部93を含む。
【0131】
図35−38で例証されるように、インサーターカートリッジ92の参照特徴部93は、少なくとも部分的に暴露される円筒表面を有する位置決めシリンダー94を含む。位置決めシリンダー94は、2つのエンドプレート(95、96)間で伸張する。
図39で例証されるように、インサーターカートリッジ92は、識別装置3のスコッチヨーク102に連結されるドッキング部材97を介して識別装置3に取り付けられ得る。ドッキング部材97は、上面99と底面100との間で伸張する収容スロット98を画定する。
【0132】
インサーターカートリッジ92を取り付けるために、位置決めシリンダー94は、その円筒表面が収容スロット98の終端101を適合して(conformingly)係合するまで、ドッキング部材97の収容スロット98へと挿入される。位置決めシリンダー94が適所にあると、2つのエンドプレート(95、96)も、ドッキング部材97の上面および底面(99、100)を適合して係合し、それによって、ドッキング部材上のインサーターカートリッジの位置を完全に固定する。その結果、マーキング工程の間にインサーターカートリッジ92を取り替えられる必要がある場合、取り替えるインサーターカートリッジは、生成されるマークの整合性および全体的性能に大きな影響を与えることなく継続してマーキングするために同じ位置に正確に取り付けられ得る。
【0133】
精製時に、位置決めシリンダー94はまた、インサーター5にハウジングを提供し得る。例えば、位置決めシリンダー94は、中心穴を含み、その中でインサーター5は、フィクスチャー(fixturing)を使用して位置付けられ得、エポキシなどの接着剤を使用して適所に固定され得る。
【0134】
代替的に、インサーター5は、幾つかの実施形態において、位置決めシリンダー94をインサーター5のまわりに成型することによって適所に位置付け及び固定されてもよい。これは、射出成型産業での既知のプロセスに従って達成され得、ここで、糸、ピン、およびインサーターまでもが型穴に挿入され、囲むハウジングは適所に射出成型される。
【0135】
上に記載される参照特徴部93に加えて、インサーターカートリッジ92は、インサーターカートリッジ92を識別装置3上に係止するように構成された係止特徴部105をさらに含んでもよい。さらに
図35−38を参照すると、インサーターカートリッジ92の係止特徴部105は、2つの端部(108、109)間で伸張する可撓性のU字型の側壁107を有する係止クリップ106を含んでもよい。2つの端部(108、109)の各々は、少なくとも1つの外側に突出する係止歯110を含む。係止クリップ106は、U字型の側壁107の外表面112上に配置された、複数の随意の挟持リブ111をさらに含む。
【0136】
インサーターカートリッジ92を係止するために、
図39で例証されるように、識別装置3のスコッチヨーク102は、前面と背面(114、115)の間で伸張する収容開口部113を含む。インサーターカートリッジ92の参照特徴部93が、ドッキング部材97で受けられるときに、係止歯110は、スコッチヨーク102の収容開口部113を通って挿入されると、互いの方向に押される。インサーターカートリッジ92は、位置決めシリンダー94が、ドッキング部材97の収容スロット98に適合して受けられるときに、係止クリップ106の係止歯110が、収容開口部113の背面115を離れる(clears)ような寸法に形作られている。係止クリップ106の外への付勢力により、係止歯110は、収容開口部113の背面115に堅く係合されたままであり、それによって、インサーターカートリッジ92を識別装置3上に係止する。
【0137】
開示されるマーキングシステムの1つの特徴は、本明細書に開示される拘束装置2及び/又は識別装置3の使用などによって、改善された深さ精度を有する色素の堆積である。マウスの尾に刺青を入れる目的のために、識別装置3は、インサーター5を、所望の皮層深さ、例えば、若いマウスに対して150−250ミクロン、および成体マウスに対して200−300ミクロンにさせる必要があり得る。
【0138】
一実施形態では、マーキングシステムは、マーキング用基質の表皮を貫通することができ、色素をインサーターから皮層へと移す、インサーターを含む。
【0139】
一実施形態では、マーキングシステムは、色素を以下の深さでマーキング用基質へと堆積させるように構成されている;
a. 若いマウスに対して150−250ミクロン。
b. 成体マウスに対して200−300ミクロン。
c. マウスの年齢にかかわらず200−250ミクロン。
【0140】
この深さ要件を満たす且つ肉眼で見るのに十分なフォントサイズのマークをもたらすために、マーキング文字は、尾の周囲を部分的に覆い、目標の深さに存在しなければならない。この後者の周囲の深さ要件は、幾つかの実施形態において、刺青プロセスの間にインサーター5を、中心がマウスの尾の直径の中心と一致する円弧まわりで軸とし、それ故、識別装置を常に尾の表面に垂直に維持することによって達成され得る。そのため、刺青の深さを維持することは、システムプロセッサーをロボットアセンブリ42(その上にインサーター5が付けられる)の位置を制御するようにプログラムし、枢軸に対して±25ミクロンに制御された長さ及び±125ミクロン以内の横方向のセンタリングを有する取り付け型のインサーターを提供することによって達成される。
【0141】
インサーターカートリッジ92が、幾つかの実施形態において、識別装置3に直接取り付けられ、参照特徴部及び/又は位置決め特徴部(93、105)に先行する(forego)ように代替的に設計され得ることが考えられる。この構成は、低容量の刺青要件に適し得る且つ十分であり得る。
【0142】
高容量のスループット要件の場合には、マーキングシステムが、幾つかの実施形態において、コマンドによって又はプリプログラムベースでインサーターを取り替えるためにアクセスする、例えば、タレットへと複数のインサーターハウジングを取り付ける、システムを設計することが望ましいかもしれない。
【0143】
拘束装置
本開示に従って有用な拘束装置は、マーキングされる動物の身体部分を拘束することができる任意のデバイスである。例えば、一実施形態では、拘束装置は、動物の主要な身体を拘束するのに有用な第1部分、およびマーキングされる身体部分を拘束し識別装置に供給するのに有用な第2部分を有する。有用な拘束装置は、動物を死滅させない、傷つけない、または動物に不適当な強圧(duress)またはストレスをかけないものを含む。拘束装置のさらなる有用な特徴は、尾の先端、周りの変更、及び/又はその他の異常を補う拘束装置の能力を含む。
【0144】
一実施形態では、マーキングシステムは、マーキングの間に尾の下面を支持するためのばねで留められた先細りしたV字型溝を有している、およびマーキングシステムがマーキングの目的の色素深さを維持することを可能にしながら、基質の身体部分のサイズの違いを補うために使用される、1つの拘束装置を含む。
【0145】
一実施形態では、マーキングシステムは、マーキングの間に尾の下面を支持するためのばねで留められた先細りしたV字型溝を各々有している、およびマーキングシステムがマーキングの目的の色素深さを維持することを可能にしながら、基質の身体部分のサイズの違いの範囲を補うために使用される、複数の拘束装置を含む。
【0146】
一実施形態では、拘束装置は、基質の身体部分を支持する先細りしたV字型溝を有する一片のばねで留められたプレートで構成される。
【0147】
随意に、一片のばねで留められた先細りしたV字型溝のプレートはさらに、保護的順応性ブーツ内に封入される。
【0148】
一実施形態では、拘束装置は、複数の独立して連節している己整合するばねで留められた先細りしたV字型溝部分を含む、調整されたばねで留められたプレートで構成され、その組み合わせは、基質の身体部分を支持する先細りしたV字型溝のプレートを含む。
【0149】
随意に、複数のばねで留められた先細りしたV字型溝部分はさらに、保護的順応性ブーツ内に封入される。
【0150】
ここで拘束装置2の限定しない例、特に
図8を参照すると、幾つかの実施形態において、動物またはその身体部分の迅速且つ安全な固定化をもたらし得る身体部分のクリート10を利用する拘束装置2が例証されている。身体部分(例えば尾)のクリート10は、対向部材11および12を含む。身体部分のクリート10はさらに、身体部分が対向部材11と12の間に挿入されて固定されるときに、対向部材11および12に互いに対して付勢をかけて、それにより、身体部分(例えば尾)の長手方向軸またはY軸の移動を抑制する、ばねなどの付勢部材13を含む。例証されるように、一実施形態における身体部分のクリート10は、マウスの胴体の近位に位置付けられる。
【0151】
図8で例証されるように、身体部分のクリート10は、幾つかの実施形態において、フィンガータブ74を含んでもよく、それによって、ユーザーは、単一の手および単一の動作で身体部分を積む且つ解放することができる。描写される身体部分のクリート10は、互いのまわりを摺動する対向部材11および12(摺動クリート)を有するが、身体部分のクリートは、代替的に、(例えば本明細書に記載されるように)他の構成で提供され得る。
【0152】
ここで
図9−11を参照すると、幾つかの実施形態において、拘束装置2は、幾つかの実施形態で、動物またはその身体部分の迅速且つ安全な固定化をもたらし得る身体部分のプレートアセンブリ20を含んでもよい。例証されるように、プレートアセンブリ20は、上部プレート15および調整可能な(例えば、ばねで留められた)底部プレートアセンブリ16を含み、これらは、互いに協働して、識別装置3に対してマーキング用基質(例えば尾または他の身体部分)上面を正確に配向する。例えば、マーキング用基質の上面は、水平位置で(あるいは所望の角度で又は所望の軸または他の配向に沿って)上部プレート15と調整可能な底部プレートアセンブリ16との間に確実に固定されてもよい。
【0153】
精製時に、上部プレート15はまた、調整可能であり得る。例えば、最終的な角度またはマーキング用基質の上面の配向の調整は、幾つかの実施形態において、上部プレート15の角度を調節することによって達成され得る。
【0154】
ここで
図24の分解図を参照すると、調整可能な底部プレートアセンブリ16は、底部プレート47、および例えば、
図9および
図33で描写されるように、底部プレート47(マーキング用基質がその中に支持される)を上部プレート15に押し付けるための、ばね又は他の適合性のある付勢手段又は他の弾性−付勢手段などの、付勢手段46を含む。(例えばプレート47の4つの角すべての下で)ばね46などの適合性のある付勢手段を使用するときに、底部プレート47に積まれたばねは、
図33で描写されるように、上部プレート15に対向すると、マーキング用基質の底面の角度に順応する。
図24で描写されるように、幾つかの実施形態における調整可能な底部プレートアセンブリ16は、随意に、支持のための取付台48及び/又は(例えば、ゴムまたは他の非剛性材料で作られた)ブーツ49を含むことで、根本的な機構(例えば底部プレート47および付勢手段46)を汚れおよび異物に暴露することなく、底部プレート47の運動を変換させ、それにより、より容易な洗浄および汚染の減少が可能となる。
【0155】
ここで
図10−11を参照すると、上部プレート15は、オペレーター及び/又は識別装置3が、マーキング用基質または他の拘束された身体部分の位置を保持しながら、それにアクセスすることを可能にする、操作ウィンドウ19を含んでもよい。
図11で例証されるように、尾などの円錐状の(または他のものは先細った)マーキング用基質の場合には、ばねで留められた底部プレート47は、様々な円錐直径を中心に置く(center)ために、例えば、90度以上の角度の、先細りしたV字型溝18を提供され得る。
図10で例証されるさらなる実施形態では、上部プレートはまた、拘束される最大の円錐状の身体部分を収容するのに十分な大きさの放射状溝17を含んでもよい。これらの対向する特徴部(ばねで留められた尾のプレート16のV字型溝18および上部プレート15の放射状溝17)が、協働して、V字型溝18および放射状溝17の長手方向軸に沿ってマーキング用基質を中心に置き、一方で、マーキング用基質を上部プレート15と底部プレート47との間で均一に固定し得ることが熟考される。一実施形態では、そのような身体部分のプレートアセンブリ20によって拘束されたマーキング用基質上で作られたマークは、例えば、プレートアセンブリ20によって、尾14などの身体部分の基質部分の、X、Z、及び/又はR軸に沿った移動が抑制されるために、改善された精度を有する。
【0156】
別の実施形態では、底部プレート47およびその上に形成された先細りしたV字型溝18は、身体部分のプレートアセンブリ20によって提供された安全性および精度をさらに増強するように調整され得る。ここで
図45−48を参照すると、調整された底部プレート47は、先細りしたV字型溝18の部分を各々含む、複数の底部プレート部分を含む。
図45で例証されるように、調整された底部プレート47は、3つの底部プレート部分(47a、47b、47c)を含む。これらの部分の各々は、先細りしたV字型溝18の部分(それぞれ、18a、18b、18c)を含む。底部プレート部分の数が、マーキング用基質の性質、身体部分のプレートアセンブリ20の寸法に依存し得、
図45−48で例証される限定しない例に限定されるべきではないことを理解されたい。例えば、底部プレート47は、本開示の他の実施形態において2つまたは3つを超える底部プレート部分を含んでもよい。
【0157】
さらに
図45を参照すると、底部プレート部分(47a、47b、47c)の各々には、ばね又は他の適合性のある付勢手段又は他の弾性−付勢手段などの、付勢手段46(46a、46b、46c)が提供され得る。そのような調整された構成によって、先細りしたV字型溝部分(18a、18b、18c)の各々が、独立して連節する且つ自己整合することができ、それによって、身体部分のプレートアセンブリ20によって提供される安全性および精度がさらに増強される。
図46−48で例証されるように、幾つかの実施形態における調整された底部プレート47は、支持のための取付台48において組み立てられ得る。その上、幾つかの実施形態における調整された底部プレート47は、(例えば、ゴムまたは他の非剛性材料で作られた)ブーツ49を含むことで、根本的な機構(例えば底部プレート47および付勢手段46)を汚れおよび異物に暴露することなく、底部プレート部分(47a、47b、47c)の運動を変換させ、それにより、より容易な洗浄および汚染の減少が可能となる。
【0158】
ここで
図21Aおよび21Bを参照すると、拘束装置は、幾つかの実施形態においてまた、身体の拘束部22を利用して、動物をさらに固定してもよい。身体の拘束部22は、幾つかの実施形態において、ベースプレート21などの支持部上に提供されてもよい。身体の拘束部22は、動物(またはその腹部)を収容するためにそのサイズを合わせられ、動物の胴体が身体の拘束部22にとどまる中で、基質(例えば尾)を含む身体部分が身体の拘束部22から引かれることを可能にするようなサイズに合わせられた、身体部分のポート43を含む。
【0159】
幾つかの実施形態における身体の拘束部22は、動物の胴体を拘束する、動物が頭を回転させて自身を傷つける(例えば咬む)ことを防ぐ、及び/又は動物がその身体部分(例えば尾)まわりでねじれるまたは回転することを予防する、任意の形状またはサイズで構成される。幾つかの実施形態における拘束はさらに、拘束をベースプレートまたは実験台などの他の表面(例えばステンレススチールのテーブルトップ)に固定するための磁石などの可逆的な固定手段を含む。
【0160】
身体の拘束部および身体部分のポートが、動物の尾を、色素マーキング針のための適切な配向に位置付けることも留意される。
【0161】
ここで
図34を参照すると、拘束装置2は、幾つかの実施形態において、身体の拘束部22および身体部分のクリート10を含んでもよい。
【0162】
図34は、本発明の有用な拘束装置2を描写する。一実施形態では、身体の拘束部22は、磁石85など可逆的な固定手段を含む。例えば、磁石85は、
図32に描写されるように、金属のテーブルトップに固定され得るか、またはベースプレート21上の磁石78のパターンに対応するように具体的にパターン化され得る。
【0163】
身体部分のクリート10は、幾つかの実施形態において、身体の拘束部22に固定されてもよく、その結果、ユーザーは、指(例えば親指および人差し指)で身体部分のクリート10のタブ74を押し下げて、対向部材11、12を互いに分離することで片方の手で拘束装置全体を保持することができる。その後、ユーザーは、身体部分が対向部材11、12の間に位置付けられ、その後タブ74から彼の指を解放するように、単に拘束装置を動物の上に置くことによって、動物(例えばマウス)の胴体および身体部分(例えば尾)の両方を同時に拘束することができる。
【0164】
一実施形態では、このような拘束装置2は、随意に、迅速であるが安全な動物の固定化を提供する。一実施形態では、このような構成によって、ユーザーは、第2の手で第2の拘束装置を操作して、2匹の動物を同時に拘束することができる。
【0165】
ここでは
図12を参照すると、拘束装置2は、幾つかの実施形態において、身体部分のプレートアセンブリ20および身体部分のクリート10を含んでもよい。特に、拘束装置2は、
図8で例証されるように、幾つかの実施形態において尾のクリート10を含んでもよく、
図9−11で例証されるように、尾のプレートアセンブリ20をさらに含む。尾のクリート10は、尾(またはその基質部分)が長手方向に(例えばY軸に沿って)移動するのを抑制し、一方で尾のプレートアセンブリ20は、尾(またはその基質部分)が横方向及び/又は縦方向に移動する(例えばX、Z、及び/又はR軸に沿った移動)のを抑制する。一実施形態では、そのような拘束装置2によって拘束された基質上で作られたマークは、増強された精度を特徴とする。
【0166】
拘束装置2の構成要素は、他の実施形態において、マーキングシステム1の主要なベースプレート19によって直接支持される(
図19)が、拘束装置2の構成要素は、マーキングシステム2から分離可能な(それに対して可逆的に固定された)ベースプレート21によって支持され得る。このような構成によって、動物を迅速且つ一貫して(誤差なしで)拘束装置2に積む且つそこから解放することができる。さらに、このような構成によって、マーキングシステム1は、複数の拘束装置2を独立して収納することができ、その結果、マーキングシステム1は、第1の動物を第1の拘束装置中でマーキングすることができ、一方でユーザーは、第2の動物を第2の拘束装置中に積み、それによって、動物の一群をマーキングするのに必要とされる時間が減少される。
【0167】
尾のゲージ
本開示のマーキングシステムは、幾つかの実施形態において、マーキング用基質のサイズを測定するための随意の測定装置125をさらに含んでもよい。例えば、測定装置125は、幾つかの実施形態において、尾のゲージなどの機械的なゲージ126であってもよく、これは、マーキング色素の皮層配置の適切な深さを達成するのに必要な適切な拘束装置およびインサーターを決定する目的で、マウスの尾の周りを測定するために使用され得る。実際のその周りの測定は、動物のいわば年齢または体重よりも、適切な拘束装置およびインサーターの組み合わせを決定するより正確且つ反復可能な手段である。特定の年齢または体重での尾の周りは、多くの因子、例えば、マウスの株、性別、食事、リッターサイズなどに大きく依存して様々であろう。
【0168】
一実施形態では、身体に最も近いマウスの尾の周りは、マーキング目標の深さを満たす、インサーター長さ及び拘束装置における支持するV字型溝の最適な組み合わせを決定するために使用される。
【0169】
図41で例証される1つの限定しない実施形態では、基質の身体部分の周りは、インサーター長さ及び拘束装置の最適な組み合わせに対応する漸増的に増加する幅を有する複数の溝127を有している尾のゲージ126を使用して測定される。
【0170】
随意に、尾のゲージの溝127は、幅が(約)0.094”、0.105”、0.115”、0.128”、および0.140”であり、その各々は、下記の表で示されるマウスの年齢および体重の範囲におおよそ対応している。
【0172】
随意に、測定は、ユーザーが、マウスの身体に最も近い尾上の溝が付いたゲージを下げて、尾の周りに快適に適合する(即ち落ちる)最も小さな溝127を見つけるによって、手動で行われる。
【0173】
その周りの測定は、幾つかの実施形態において、マーキングシステムによって非接触方法で代替的に行われてもよい。一実施形態では、マーキングシステムは、
図50で図式的に例証されるように、レーザー光カーテンおよびシステムに組み込まれている受信機を使用することによって身体部分の周りを測定するレーザーベースの測定装置128を含む。
【0174】
この実施形態の改善において、測定は、ユーザーが光カーテンの経路へと身体部分を導入するによって、手動で行われる。
【0175】
この実施形態の別の改善において、測定は、ユーザーがマーキングシステムへと拘束装置を導入するときに、光カーテンの経路を破壊することによって、自動的に行われる。
【0176】
カートリッジ除去ツール
本開示に従って有用なカートリッジ除去ツール130が、識別装置3からインサーターカートリッジ92を取り除くために随意に提供されてもよい。例えば、インサーターカートリッジが、インサーターカートリッジを適所に容易にプッシュオンする(pushing−on)且つ係止することを可能にする係止クリップ(例えばピンチアーム)を含んでいるときに、マーキングシステムは、
図49で例証されるように、識別装置からカートリッジハウジングを除去するための適切に大きさを合わせられたフォーク状のツール130を含んでもよい。
【0177】
随意に、フォーク状のツール130は、
図41および49で例証されるように、基質の身体部分の周りを測定するために使用される、測定する尾のゲージ126と一体化されてもよい。
【0178】
システムコントローラー
一実施形態では、本明細書に記載されるコントローラー4は、ロボットアセンブリに対するロボットアームの位置/移動を制御することができる、及び/又は識別装置、例えば、コンピューターまたはマイクロプロセッサー、あるいはコンピューターインターフェース装置を作動させるための、任意のコントローラーである。
【0179】
本発明は、本明細書に教示される機能または方法を行うようにロボットアセンブリを操作するための命令を含む、(例えば、コンピューター可読媒体上に記録された)コンピュータープログラムを熟考している。
【0180】
コントローラーは、識別装置3を基質のまわりに位置付け、基質をマーキングするように、ロボットアセンブリ42を操作する。コントローラー4は、コントローラーに基質の位置を通知する既存の命令によって基質の位置を決定することができる。
【0181】
一実施形態では、コントローラー4は、1つ以上のフィードバック機構(例えばセンサー)に反応するプログラムを包含している。
【0182】
別の実施形態では、コントローラー4は、1つ以上のサーボベースのアクチュエーター(例えばマーキングアクチュエーター)を制御するために、PIDなどのアルゴリズムを包含している。
【0183】
システムコントローラー4は、所望の基質のマーキングをもたらすために、インサーターに位置付けおよび文字マッピングの命令を提供する。堆積される基質に対するインサーターの移動の方向は、幾つかの実施形態における結果に影響を与え得る。幾つかの実施形態では、識別装置は、超小型電子チップを動物の尾と平行な遠位方向に近位に堆積させるために、コントローラーによって操作される。幾つかの実施形態では、超小型電子チップの埋め込み装置は、超小型電子チップを動物の尾と平行
で遠位から近位の方向で埋め込むために、コントローラーによって操作される。幾つかの実施形態では、超小型電子チップの埋め込み装置は、超小型電子チップを動物の尾に垂直に埋め込むために、コントローラーによって操作される。
【0184】
マーキング装置
マーキングシステムはさらに、幾つかの実施形態におけるマーキング用基質に色素を送達するために、マーキング装置を含む。マーキング装置および媒体移動アセンブリは、米国仮特許出願第61/637,767号および第61/239,430号に記載され、両方ともその全体が本明細書に組み込まれる。
【0185】
動物識別システム
実施時に、独立した視覚および電子的な識別方式を独立して組み合わせるためのプロセスフローの一実施形態は、
図55において図式で例証される。フローダイヤグラムでは、マウスは、5日もの早い年齢で超小型電子チップの埋め込み(即ちタグ付け)のために選択され得る。埋め込みは、手動または自動化のチップインサーター機器によって達成されるだろう。一旦タグ付けされると、チップは、生涯動物に残る。
【0186】
動物が遺伝子型を決定される場合、タグ付けされている動物と同時に、組織サンプルも採取され得る。遺伝子型決定の解析は、独立した研究所で典型的に行われ、したがって、サンプルの追跡可能性は、動物に埋め込まれたタグに結び付けられる必要がある。組織サンプルは、例えば、バイアルまたは96ウェルのマイクロタイタープレート中で採取され得る。サンプル採取の容器は、類似した超小型電子チップでタグ付けされ、動物および容器の両方は、コロニー管理ソフトウェア内で2つの識別番号をアップロード且つ関連付けてリンクするためにスキャンされ得る。
【0187】
遺伝子型決定後、試験基準を満たす動物は、コロニー管理ソフトウェアにおいて識別および一致させられるか又は登録される。これらは、恒久的な視覚識別マークでのさらなる識別を進められ得る。遺伝子型決定の試験基準を満たしてないものは、恒久的な視覚識別マークを必要とするかもしれないし、しないかもしれない。
【0188】
恒久的な視覚識別マークを必要としている動物については、外付けの又は一体化したチップリーダーのいずれかが動物タグを読み取る、自動化した刺青システムへと動物を導入することによって、これは完了するだろう。識別管理ソフトウェアが、遺伝子型決定後の調整工程からタグ数を認識し、刺青を入れられるアルファベット数字の視覚識別番号を動物上に割り当てるだろう。アルファベット数字の刺青識別は、同じ電子タグ番号またはそのサブセットであるか又はそうでないかもしれず、視覚的または電子的な番号が、識別管理ソフトウェアを介してその後ずっと関連付けられていることで十分である(suffice)。
【0189】
さらなる実施形態では、動物をマーキングするために使用される刺青インクを包含している媒体移動アセンブリはまた、動物と接触する又は動物に適用されるすべての物質の追跡可能性および認証を提供するために、類似した超小型電子チップまたは埋め込まれたバーコードを使用して、その製造プロセスの一部としてタグ付けされてもよい。
【0190】
動物識別装置およびシステム
本明細書には、インサーター5であって、インサーター先端部5bの遠位端部で超小型電子チップを着脱可能に保持するように構成された、インサーター5、およびインサーター先端部の遠位端部が動物身体部分の基質へと挿入されるときにインサーター先端部5bから超小型電子チップ330を解放するように構成された、アクチュエーター8を含む、超小型電子の動物識別装置3が提供され、ここで随意に、動物9は、マウス、ラット、またはげっ歯類であり、随意に、身体部分は尾14であり;および随意に、基質は真皮である。
【0191】
幾つかの実施形態では、装置はさらに、インサーター5の位置を制御するように、および動物身体部分の基質へと超小型電子チップ330を埋め込むためにアクチュエーターを作動させるように構成された、コントローラー4を含む。
【0192】
識別装置の幾つかの実施形態では、アクチュエーターは、手動で操作される。
【0193】
図53で例証されるように、識別装置の幾つかの実施形態では、インサーター先端部5bは、動物身体部分の基質へと貫通することができる鋭い先端部220へと終端する。
【0194】
識別装置の幾つかの実施形態では、インサーター先端部5bは、超小型電子チップ300を鋭い先端部220の近位に保持するように構成される。
【0195】
識別装置の幾つかの実施形態では、インサーターは、ルーメン221を画定する管状本体を含み、該ルーメンは、その遠位端部で超小型電子チップをしっかりと保持するように構成されている。
【0196】
識別装置の幾つかの実施形態では、ルーメン221は、ルーメンの遠位端部で超小型電子チップ300の移動を制限するような寸法に形作られる。
【0197】
識別装置の幾つかの実施形態では、ルーメン221は、超小型電子チップ330の断面形状よりわずかに大きい直径を有している。
【0198】
識別装置の幾つかの実施形態では、ルーメン221の遠位端部は、超小型電子チップ300の横断形状に近い寸法に形作られる。
【0199】
識別装置の幾つかの実施形態では、超小型電子チップ300は、生物学的に安全な接着剤でルーメン5bの端部に固定される。
【0200】
識別装置の幾つかの実施形態では、管状本体は、超小型電子チップを越えて遠位に伸張する鋭い先端部220へと終端する。
【0201】
識別装置の幾つかの実施形態では、超小型電子チップ300は、管状本体の遠位端部を越えて伸張する鋭い端部を含む。
【0202】
識別装置の幾つかの実施形態では、アクチュエーター8は、ルーメン221に摺動可能に挿入されたプランジャー230を含む。
【0203】
識別装置の幾つかの実施形態では、超小型電子チップ300は、生物学的に安全な接着剤でルーメン221の内部に固定される。
【0204】
識別装置の幾つかの実施形態では、プランジャー230は、ルーメン220の遠位端部が動物身体部分の基質へと挿入されるときに、ルーメン221から超小型電子チップ300を係合する及び押し出すように構成される。
【0205】
識別装置の幾つかの実施形態では、プランジャー230は、動物身体部分の基質において超小型電子チップの回転を制限するプランジャーの近位の移動によって、超小型電子チップを解放するように構成される。
【0206】
識別装置の幾つかの実施形態では、プランジャー230は、コントローラー4によって作動される。
【0207】
識別装置の幾つかの実施形態では、プランジャー230は、手動で作動される。
【0208】
識別装置の幾つかの実施形態では、超小型電子チップ300は、受動的なRFIDチップを含む。
【0209】
識別装置の幾つかの実施形態では、超小型電子チップ300は、超小型電子チップに電力を提供するレーザーによってエネルギーを与えられた光電池310を含む。
【0210】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップの埋め込み装置は、随意に660nmで5−60mWの光電力を放出するレーザーによって、光電池310が活性化されることを可能にする深さで動物身体部分の表皮の下に超小型電子チップ300を埋め込むように構成されている。
【0211】
幾つかの実施形態では、識別装置はさらに、超小型電子チップを光活性化するための及びRFアンテナ360によって生成されたRF信号を受信するための、チップ読み取り装置128を含む。
【0212】
幾つかの実施形態では、チップ読み取り装置は、超小型電子チップを光活性化するためのレーザーダイオードドライバーを含む。
【0213】
幾つかの実施形態では、チップ読み取り装置は、光集束モジュールを含む。
【0214】
識別装置の幾つかの実施形態では、超小型電子チップは、識別番号を表わすRF信号を生成することができるRFアンテナ360を含む。
【0215】
識別装置の幾つかの実施形態では、RFアンテナは、アンテナループを含む。
【0216】
識別装置の幾つかの実施形態では、超小型電子チップはさらに、アンテナループにおいて電流を変調し、異なる識別番号を表わす異なるRF信号を生成することができる、オンボードの論理回路320、340を含む。
【0217】
識別装置の幾つかの実施形態では、オンボードの論理回路は、電子メモリ330によって制御される。
【0218】
識別装置の幾つかの実施形態では、電子メモリ330は、ROMである。
【0219】
識別装置の幾つかの実施形態では、超小型電子チップはさらに、動物位置検出器を含む。
【0220】
識別装置の幾つかの実施形態では、超小型電子チップはさらに、積層薄膜移動検出器を含む。
【0221】
識別装置の幾つかの実施形態では、超小型電子チップはさらに、積層薄膜生命徴候検出器を含む。
【0222】
識別装置の幾つかの実施形態では、生命徴候検出器は、心拍数検出器、ECG検出器、EEG検出器、EMG検出器、温度検出器、血圧検出器、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。
【0223】
識別装置の幾つかの実施形態では、超小型電子チップの埋め込み装置は、RF信号が検出されることを可能にする深さで動物身体部分の表皮の下に超小型電子チップを埋め込むように構成されている。
【0224】
幾つかの実施形態では、識別装置はさらに、超小型電子チップを光活性化するための及びRFアンテナによって生成されたRF信号を受信するための、
図50で例証されるようなチップ読み取り装置128を含む。
【0225】
幾つかの実施形態では、チップ読み取り装置は、超小型電子チップによって生成されたRF信号を受信するためのRF受信機に接続された空気コイルピックアップを含む。
【0226】
幾つかの実施形態では、チップ読み取り装置は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FGPA)を含む。
【0227】
幾つかの実施形態では、チップ読み取り装置は、USBマイクロコントローラーおよび電源レギュレーターを含む。
【0228】
本明細書には、識別装置に動作可能に関連付けられた少なくとも1つの拘束装置22を含む、マーキングシステム1が提供され、ここで拘束装置は、動物または動物身体部分を拘束するように大きさを合わせられている且つ構成されており、識別装置が動物身体部分の基質へと超小型電子チップ330を堆積させることができるように配向されている。
【0229】
幾つかの実施形態では、インサーター5は、インサーターカートリッジ92に連結されている。
【0230】
幾つかの実施形態では、インサーターカートリッジ92は、インサーターカートリッジ92を正確に識別装置上に位置付けるように構成された参照特徴部を含む。幾つかの実施形態では、参照特徴部は、2つのエンドプレート95、96間で伸張する位置決めシリンダー94を含む。
【0231】
幾つかの実施形態では、識別装置は、スコッチヨークに連結されたドッキング部材を含み、該ドッキング部材は、ドッキング部材の上面から底面まで伸張する収容スロットを画定している。幾つかの実施形態では、参照特徴部の位置決めシリンダーは、ドッキング部材の収容スロットへと挿入されるように構成されている。幾つかの実施形態では、参照特徴部の位置決めシリンダーがドッキング部材の収容スロットへと挿入されるときに、参照特徴部の2つのエンドプレートは、それぞれ、ドッキング部材の上面および底面を係合する。
【0232】
幾つかの実施形態では、位置決めシリンダーは、インサーターが伸張する中心穴を含む。
【0233】
マーキングシステム1の幾つかの実施形態では、インサーターカートリッジ92は、識別装置上にインサーターカートリッジを係止するように構成された、係止特徴部110を含む。幾つかの実施形態では、係止特徴部は、2つの端部間で伸張するU字型の可撓性の係止クリップを含み、係止クリップ110の各端部は、少なくとも1つの外側に伸張する係止歯を含む。幾つかの実施形態では、係止クリップはさらに、係止クリップの外表面上に複数の挟持リブを含む。幾つかの実施形態では、係止歯は、インサーターカートリッジが取り付け位置にあるときに、超小型電子チップの埋め込み装置のスコッチヨークの端壁に当接するように構成されている。
【0234】
幾つかの実施形態では、インサーターは、接着剤によってインサーターカートリッジに連結される。幾つかの実施形態では、インサーターは、インサーターをインサーターカートリッジに成型することによってインサーターカートリッジに連結される。幾つかの実施形態では、インサーターは、ポリマー材料から成型される。さらに他の実施形態では、インサーターカートリッジは、識別装置に恒久的に取り付けられる。
【0235】
幾つかの実施形態では、インサーターカートリッジは、着脱可能であることで、使い古した又は損傷したインサーターの交換が可能である。
【0236】
マーキングシステムの実施形態のいずれか1つでは、超小型電子チップの埋め込み装置は、動物基質のサイズまたは幾何学的形状の違いを埋める寸法に形作られた複数のインサーターカートリッジを含む。
【0237】
幾つかの実施形態では、複数のインサーターカートリッジは、超小型電子チップの埋め込み装置上に予め取り付けられる。
【0238】
マーキングシステムの実施形態のいずれか1つでは、マーキングシステムは、インサーターを自動的に取り付ける且つ取り外すように構成されている。
【0239】
幾つかの実施形態では、拘束装置は、マーキング用基質のサイズの違いを補うように構成されたばねで留められた先細りしたV字型溝を含む。幾つかの実施形態では、ばねで留められた先細りしたV字型溝は、基質の身体部分のサイズの違いを補うために調整される。幾つかの実施形態では、ばねで留められた先細りしたV字型溝は、支持台で組み立てられ、随意に保護的順応性ブーツ内に封入される。またさらなる実施形態では、調整された、ばねで留められた先細りしたV字型溝は、複数の独立した溝部分を含み、各溝部分は、連節している且つ自己整合している。
【0240】
マーキングシステムの実施形態のいずれか1つでは、マーキングシステムは、マーキング用基質のサイズに基づいて、インサーターおよび拘束装置の構成を選択するように構成されている。幾つかの実施形態では、マーキングシステムは、動物身体部分の基質のサイズを測定するように構成された計器をさらに含み、該計器は、漸増的に幅が増大する複数の測定スロットを含む。またさらなる実施形態では、マーキングシステムはさらに、光カーテンビームを放出するレーザーを生成する装置および受信機を使用することによって動物身体部分の基質のサイズを測定するように構成された測定装置を含み、該受信機は、該測定装置に組み込まれている。
【0241】
マーキングシステムの幾つかの実施形態では、マーキングシステムはさらに、超小型電子チップの埋め込み装置からのインサーターカートリッジの除去を促進するために係止クリップを係合する且つ圧縮するように適合されたフォーク状のツールを含む。幾つかの実施形態では、フォーク状のツールは、漸増的に幅が増大する複数の測定スロットを含む計器と一体化される。
【0242】
マーキングシステムの幾つかの実施形態では、マーキングシステムはさらに、動物身体部分の基質へと色素成分を堆積させるためのマーキング装置を含む。幾つかの実施形態では、マーキング装置は、
図21bおよび23で例証されるように、1つ又は複数の針先端部を含む固定長のマーキング針5aを含む。幾つかの実施形態では、針先端部は、マーキング用基質の表皮を貫通する及びマーキング用基質の真皮へと色素を移すように構成されている。
【0243】
マーキングシステムの実施形態のいずれか1つでは、マーキングシステムはさらに、色素を包含している
図5および16で例証されるような媒体移動アセンブリを含み、ここでマーキング装置は、マーキング用基質の前に色素を接触させることによってマーキングするように構成されている。
【0244】
本明細書には識別装置が提供され、該識別装置は、超小型電子チップ300を動物の尾14と平行な遠位方向に近位に堆積させるために、コントローラー4によって操作される。
【0245】
識別装置の幾つかの実施形態では、超小型電子チップの埋め込み装置は、超小型電子チップ300を動物の尾14と平行
で遠位から近位の方向で埋め込むために、コントローラー4によって操作される。
【0246】
幾つかの実施形態では、超小型電子チップの埋め込み装置は、超小型電子チップ300を動物の尾14に垂直に埋め込むために、コントローラー4によって操作される。
【0247】
本明細書には、動物の識別のための超小型電子チップが提供され、該超小型電子チップ300は、受動的なRFIDチップを含む。
【0248】
本明細書には、動物の識別のための超小型電子チップが提供され、該超小型電子チップ300は、超小型電子チップ300に電力を提供する光電池310、識別番号を表わすRF信号を生成することができるRFアンテナ360、および積層薄膜検出器を含む。
【0249】
チップの幾つかの実施形態では、積層薄膜検出器は、位置検出器である。チップの幾つかの実施形態では、積層薄膜検出器は、移動検出器である。チップの幾つかの実施形態では、積層薄膜検出器は、生命徴候検出器である。
【0250】
識別装置の幾つかの実施形態では、生命徴候検出器は、心拍数検出器、ECG検出器、EEG検出器、EMG検出器、温度検出器、血圧検出器、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。
本明細書には、動物識別システムが提供され、該動物識別システムは、動物の基質に埋め込まれた超小型電子チップ300であって、第1の識別番号を表わすRF信号を生成するために光活性化される、超小型電子チップ300;および第2の識別番号を表わす、動物の基質に刷り込まれた色素マーク、を含む。
【0251】
システムの幾つかの実施形態では、識別システムはさらに、動物のサンプル組織を包含するための組織貯蔵容器を含み、該組織貯蔵容器は、第1の識別番号を表わすRF信号に構成された第2の超小型電子チップを含む。幾つかの実施形態では、サンプル組織は、超小型電子チップが動物の基質に埋め込まれるときに採取される。
【0252】
システムの幾つかの実施形態では、識別システムはさらに、動物をマーキングするために使用される色素を包含する媒体移動アセンブリを含み、ここで媒体移動アセンブリは、第1の識別番号を表わすRF信号に構成された第3の超小型電子チップを含む。幾つかの実施形態では、識別システムはさらに、第1、第2、および第3の識別番号を保存する且つ相互参照するためのデータ管理システムを含む。
【0253】
システムの幾つかの実施形態では、識別システムはさらに、色素のサンプルが包含される媒体移動アセンブリに含まれる製造業者および製造ロット番号に対する追跡可能性のための、第2の色素識別バーコード化参照を含み、ここで該媒体移動アセンブリは、第1の識別番号を表わすRF信号に構成された第3の超小型電子チップを含む。幾つかの実施形態では、識別システムはさらに、製造業者および製造ロット番号に対する追跡可能性のために、バーコード化参照に加えて第1、第2、および第3の識別番号を保存し、相互参照するための、データ管理システム550を含む。
【0254】
本明細書には、動物マーキングシステム1が提供され、該動物マーキングシステム1は、超小型電子の動物識別装置3、色素刺青の識別装置5、拘束装置2、測定装置125、126、チップリーダー128、組織サンプリング装置、媒体移動アセンブリ、および識別番号を保存および相互参照するためのデータ管理システム550を含む。
【0255】
特定の実施形態のみが明記されているが、代替実施形態および様々な変更が、上述の記載から当業者に明らかとなる。これらおよび他の代替案は、同等であると熟慮され、本開示の精神および範囲内で熟慮される。