特許第6376581号(P6376581)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6376581メッセージ送受信代行装置、メッセージ処理装置、メッセージ送受信代行プログラム及びメッセージ処理システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6376581
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】メッセージ送受信代行装置、メッセージ処理装置、メッセージ送受信代行プログラム及びメッセージ処理システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20180813BHJP
【FI】
   G06F13/00 650B
【請求項の数】6
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2018-57315(P2018-57315)
(22)【出願日】2018年3月24日
【審査請求日】2018年3月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510197173
【氏名又は名称】株式会社ナレッジフロー
(74)【代理人】
【識別番号】100154210
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 宏
(72)【発明者】
【氏名】林 良生
【審査官】 佐々木 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−046944(JP,A)
【文献】 特開2014−038422(JP,A)
【文献】 角田啓介 他,チャットボットを用いたリモートワーク支援手法の提案,情報処理学会研究報告 デジタルコンテンツクリエーション(DCC) 2017−DCC−015 [online],日本,情報処理学会,2017年 1月21日,pp. 1-7
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部のメッセージングサービスと通信する通信部と、
メッセージングサービスと通信してメッセージングサービス利用者にメッセージを送信する送信部と、
メッセージングサービスと通信してメッセージングサービス利用者からのメッセージを受信する受信部と、
複数の送信依頼者からメッセージングサービス利用者へのメッセージ送信の依頼を受け付ける送信依頼受付部と、
メッセージングサービスからのメッセージを受信した時に前記複数の送信依頼者から該メッセージの受信者を特定する受信者特定部と、
前記受信者特定部によって特定された送信依頼者に受信したメッセージを伝達する受信対応部とを備え、
メッセージを送信する時に該メッセージを送信する前記送信依頼者と送信先との対応を履歴データとして保持し、
前記受信者特定部は、前記履歴データに受信したメッセージの送信者を送信先とするメッセージの前記送信依頼者が複数存在する場合に、最後に送信を依頼した前記送信依頼者が送信を依頼した時刻から受信メッセージを受信した時刻までの時間が所定の時間以下である場合に、該送信依頼者を受信者として特定することを特徴とする、
メッセージ送受信代行装置。
【請求項2】
前記受信者特定部は、受信したメッセージが送信したメッセージへの返信である場合に、該送信したメッセージの送信依頼者を受信者として特定することを特徴とする、請求項に記載のメッセージ送受信代行装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のメッセージ送受信代行装置と、
前記送信依頼者の各々に対応する業務データと、
受信したメッセージを分析し、該分析結果に基づいて前記業務データを更新するボット部とを備え、
前記ボット部は、前記受信者特定部によって特定された送信依頼者に対応する前記業務データを更新することを特徴とする、メッセージ処理装置。
【請求項4】
外部のメッセージングサービスと通信する通信処理と、
メッセージングサービスと通信してメッセージングサービス利用者にメッセージを送信する送信処理と、
メッセージングサービスと通信してメッセージングサービス利用者からのメッセージを受信する受信処理と、
複数の送信依頼者からメッセージングサービス利用者へのメッセージ送信の依頼を受け付ける送信依頼受付処理と、
メッセージを受信した時に前記複数の送信依頼者から該メッセージの受信者を特定する受信者特定処理と、
前記受信者特定処理によって特定された送信依頼者に受信したメッセージを伝達する受信対応処理とを備え、
メッセージを送信する時に該メッセージを送信する前記送信依頼者と送信先との対応を履歴データとして保持し、
前記受信者特定処理は、前記履歴データに受信したメッセージの送信者を送信先とするメッセージの前記送信依頼者が複数存在する場合に、最後に送信を依頼した前記送信依頼者が送信を依頼した時刻から受信メッセージを受信した時刻までの時間が所定の時間以下である場合に、該送信依頼者を受信者として特定することを特徴とする、
メッセージ送受信代行プログラム。
【請求項5】
前記受信者特定処理は、受信したメッセージが送信したメッセージへの返信である場合に、該送信したメッセージの送信依頼者を受信者として特定することを特徴とする、請求項に記載のメッセージ送受信代行プログラム。
【請求項6】
請求項4又は5に記載のメッセージ送受信代行プログラムと、
前記送信依頼者の各々に対応する業務データと、
前記業務データを更新するボットプログラムとを備え、
前記ボットプログラムは、受信したメッセージを分析し該分析結果に基づいて、前記メ
ッセージ送受信代行プログラムの前記受信者特定処理によって特定された送信依頼者に対応する前記業務データを更新することを特徴とする、メッセージ処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メッセージングサービスを利用するメッセージ送受信代行装置及びメッセージ送受信代行プログラム、並びに、メッセージ処理装置及びメッセージ処理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
LINE(登録商標)等のメッセージングサービスが用いられている。例えばトーク機能を用いて会話をすることができ、eメールとは違った雰囲気で情報伝達が可能である。
【0003】
メッセージングサービスの運営者はAPIを開示しており、このAPIを用いてメッセージングサービスを利用するプログラム又は装置を作成することができる。ここで、APIの料金がアカウント毎に設定されるので、費用を低減させるために、複数のユーザを1アカウントで扱うことが行われる。
【0004】
出願人は、メッセージングサービス全般ではなく、SMSについて、複数のユーザを1アカウントで扱うメッセージ送信代行装置及びプログラムを、特許文献1に開示した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015−046944号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ここで、メッセージを受信した場合の処理について検討する。受信されたメッセージが複数のユーザ(以下「送信依頼者」と言う。)のいずれに宛てられたものであるかを判断することが必要である。この判断は、メッセージングサービス全般においては、SMSよりも複雑である。
【0007】
本発明は、メッセージングサービスを利用して複数の送信依頼者を1アカウントで扱うメッセージ送受信代行装置及びメッセージ送受信代行プログラムであって、受信されたメッセージを正しい送信依頼者に送るものを提供することを課題とする。
【0008】
本発明はまた、メッセージングサービスを利用して複数の送信依頼者を1アカウントで扱うメッセージ処理装置及びメッセージ処理システムであって、受信されたメッセージの内容に基づいて送信依頼者毎のデータを処理するものを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のメッセージ送受信代行装置は、
外部のメッセージングサービスと通信する通信部と、
メッセージングサービスと通信してメッセージングサービス利用者にメッセージを送信する送信部と、
メッセージングサービスと通信してメッセージングサービス利用者からのメッセージを受信する受信部と、
複数の送信依頼者からメッセージングサービス利用者へのメッセージ送信の依頼を受け付ける送信依頼受付部と、
メッセージングサービスからのメッセージを受信した時に前記複数の送信依頼者から該メッセージの受信者を特定する受信者特定部と、
前記受信者特定部によって特定された送信依頼者に受信したメッセージを伝達する受信対応部とを備え、
メッセージを送信する時に該メッセージを送信する前記送信依頼者と送信先との対応を履歴データとして保持し、
前記受信者特定部は、前記履歴データに基づいて受信者を特定することを特徴とする。
【0010】
この特徴によれば、受信者特定部によって受信されたメッセージの受信者(宛先)が特定され、送信のみでなく受信についても複数の送信依頼者を1アカウントで扱うことができる。また、履歴データに基づいて、例えば受信されたメッセージの受信者にメッセージを送信した送信依頼者を、受信者として特定することができる。
【0011】
本発明のメッセージ送受信代行装置は、
前記受信者特定部は、前記履歴データに受信したメッセージの送信者を送信先とするメッセージの前記送信依頼者が複数存在する場合に、最後に送信を依頼した前記送信依頼者が送信を依頼した時刻から受信メッセージを受信した時刻までの時間が所定の時間以下である場合に、該送信依頼者を受信者として特定することを特徴とする。
【0012】
この特徴によれば、履歴データに送信依頼者が複数存在する場合に、妥当な送信依頼者を選定することができる。
【0013】
本発明のメッセージ送受信代行装置は、
前記受信者特定部は、受信したメッセージが送信したメッセージへの返信である場合に、該送信したメッセージの送信依頼者を受信者として特定することを特徴とする。
【0014】
この特徴によれば、履歴データよりも信頼できるデータとして、送信したメッセージの送信依頼者を受信者として特定することができる。
【0015】
本発明のメッセージ処理装置は、
本発明のメッセージ送受信代行装置と、
前記送信依頼者の各々に対応する業務データと、
受信したメッセージを分析し、該分析結果に基づいて前記業務データを更新するボット部とを備え、
前記ボット部は、前記受信者特定部によって特定された送信依頼者に対応する前記業務データを更新することを特徴とする。
【0016】
この特徴によれば、受信されたメッセージに基づくデータ処理(例えば、歯科医院の予約のキャンセル)を自動的に行うことができる。
【0017】
本発明のメッセージ送受信代行プログラムは、
外部のメッセージングサービスと通信する通信処理と、
メッセージングサービスと通信してメッセージングサービス利用者にメッセージを送信する送信処理と、
メッセージングサービスと通信してメッセージングサービス利用者からのメッセージを受信する受信処理と、
複数の送信依頼者からメッセージングサービス利用者へのメッセージ送信の依頼を受け付ける送信依頼受付処理と、
メッセージを受信した時に前記複数の送信依頼者から該メッセージの受信者を特定する受信者特定処理と、
前記受信者特定処理によって特定された送信依頼者に受信したメッセージを伝達する受信対応処理とを備え、
メッセージを送信する時に該メッセージを送信する前記送信依頼者と送信先との対応を履歴データとして保持し、
前記受信者特定処理は、前記履歴データに基づいて受信者を特定することを特徴とする。
【0018】
本発明のメッセージ送受信代行プログラムは、
前記受信者特定処理は、前記履歴データに受信したメッセージの送信者を送信先とするメッセージの前記送信依頼者が複数存在する場合に、最後に送信を依頼した前記送信依頼者が送信を依頼した時刻から受信メッセージを受信した時刻までの時間が所定の時間以下である場合に、該送信依頼者を受信者として特定することを特徴とする。
【0019】
本発明のメッセージ送受信代行プログラムは、
前記受信者特定処理は、受信したメッセージが送信したメッセージへの返信である場合に、該送信したメッセージの送信依頼者を受信者として特定することを特徴とする。
【0020】
これらの特徴によれば、本発明のメッセージ送受信代行装置を、プログラムとして実装することができる。
【0021】
本発明のメッセージ処理システムは、
本発明のメッセージ送受信代行プログラムと、
前記送信依頼者の各々に対応する業務データと、
前記業務データを更新するボットプログラムとを備え、
前記ボットプログラムは、受信したメッセージを分析し該分析結果に基づいて、前記メッセージ送受信代行プログラムの前記受信者特定部によって特定された送信依頼者に対応する前記業務データを更新することを特徴とする。
【0022】
この特徴によれば、本発明の送受信代行プログラムを利用したメッセージ処理システムを実装することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、メッセージングサービスを利用して複数の送信依頼者を1アカウントで扱うメッセージ送受信代行装置及びメッセージ送受信代行プログラムであって、受信されたメッセージを正しい送信依頼者に送るものを提供すること、及び、
メッセージングサービスを利用して複数の送信依頼者を1アカウントで扱うメッセージ処理装置及びメッセージ処理システムであって、受信されたメッセージの内容に基づいて送信依頼者毎のデータを処理するものを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1図1は、メッセージ送受信代行装置及びメッセージ処理装置の全体構成図である。
図2図2は、履歴データを示す図である。
図3図3は、受信者特定部の処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
【0026】
(構成)
図1は、メッセージ送受信代行装置及びメッセージ処理装置の全体構成図である。メッセージ送受信代行装置1は、送信依頼受付部11、通信部12、送信部13、受信部15、受信者特定部16及び受信対応部17を備え、履歴データ14を保持する。
【0027】
メッセージ送受信代行装置1は、送信依頼者3(3a及び3b、以下送信依頼者3a及び3bを「送信依頼者3」と総称する。)のメッセージ送受信を代行する。なお、送信依頼者は3a及び3bの2名であるとしたが、3名以上であってもよい。また、送信依頼者3は人でなくてもよい。例えば、歯科医院の予約システムと連動して予約日の1日前にメッセージ送信を依頼するプログラムであってもよい。
【0028】
送信依頼受付部11は、送信依頼者3からのメッセージ送信依頼を受け付ける。
【0029】
通信部12は、メッセージングサービス7と通信する。メッセージングサービス7はAPIを提供しており、通信部12は該APIの定める形式にしたがってメッセージングサービス7と通信を行う。
【0030】
送信部13は、送信依頼受付部11で受け付けた送信依頼者からのメッセージを、通信部12を通し、送信メッセージ5としてメッセージングサービス7の利用者に送信する。また、該送信に係る情報を履歴データ14に追加する。
【0031】
履歴データ14は、送信部13による送信の履歴を保持するデータである。図2は、履歴データを示す図である。履歴データ14は、各々の送信について、メッセージID14a、時刻14b、送信依頼者14c及び送信先14dを含む。ここで、メッセージID14aは、メッセージングサービス7が各々のメッセージを同定する情報を提供している場合に、その情報である。メッセージングサービス7がかかる情報を提供していない場合には、メッセージID14aを保持しなくともよい。時刻14bは、メッセージを送信した時刻である。送信依頼者14cはメッセージを送信した送信依頼者である。
【0032】
受信部15は、通信部12を通して、メッセージングサービス7の利用者からのメッセージを受信メッセージ6として受信する。
【0033】
受信者特定部16は、受信メッセージ6を受信した時に、そのメッセージを受信する送信依頼者を特定する。処理の詳細を後述する。
【0034】
受信対応部17は、受信されたメッセージを受信者特定部16の特定した送信依頼者に送る。
【0035】
メッセージ送受信代行装置1は、メッセージングサービス7のAPIにより、メッセージの送受信を行う。メッセージングサービス7からは、各々の送信依頼者3a、3bでなく、メッセージ送受信代行装置1が1アカウントとなる。
【0036】
メッセージ処理装置2は、メッセージ送受信代行装置1に加えてボット部21を備える。
【0037】
各々の送信依頼者3(3a、3b)は、各々の業務データ4(4a、4b、以下業務データ4a及び4bを「業務データ4」と総称する。)に結び付けられている。
【0038】
ボット部21は、受信メッセージ6を受信した時に起動され、受信者特定部16の特定した送信依頼者(3a又は3b)に結び付けられた業務データ(4a又は4b)を、受信メッセージ6の内容に基づいて更新する。
【0039】
メッセージ送受信代行装置1(送信依頼受付部11、通信部12、送信部13、受信部15、受信者特定部16及び受信対応部17を含む)及びメッセージ処理装置2(ボット部21を含む)は、コンピュータ上で動作するプログラムにより、実装することもできる。すなわち、メッセージ送受信代行プログラム(送信依頼受付プログラム、通信プログラム、送信プログラム、受信プログラム、受信者特定プログラム及び受信対応プログラムを含む)及びメッセージ処理システム(ボットプログラムを含む)としてもよい。
【0040】
(動作)
送信依頼者3がメッセージを送信する際には、送信依頼受付部11が送信依頼者3からの送信依頼を受け付け、送信部13が、通信部12を通してメッセージングサービス7のAPIを利用し、メッセージングサービス7の利用者に送信メッセージ5を送信する。
【0041】
送信部13は、送信の履歴を履歴データ14に追加する。ここで、メッセージID14aは、メッセージングサービス7のAPIにより獲得できるものとする。獲得できない場合にはメッセージID14aを空欄としてよい。
【0042】
メッセージ送受信代行装置1は、メッセージングサービス7からの受信メッセージ6を受信すると、受信者特定部16を起動する。
【0043】
図3は、受信者特定部の処理を示すフローチャートである。受信者特定部16は、メッセージ受信(16a)によって起動される。
【0044】
受信者特定部16は、まず、受信メッセージ6が過去に送信した送信メッセージ5のうちのいずれかに対する返信であるか否かを判断する(16b)。返信である場合には、メッセージングサービス7のAPIによりメッセージID14aが取得できる、受信メッセージ6から送信メッセージの送信時刻14bが読み取れる、その他の特徴があるので、受信者特定部16はその特徴を検出する。
【0045】
受信者特定部16は、履歴データ14を参照し、返信された送信メッセージ5の送信依頼者14cを受信者として特定する(16c)。
【0046】
受信メッセージ6が過去に送信した送信メッセージ5のうちのいずれかに対する返信ではない場合、受信者特定部16は、受信メッセージ6の送信者を履歴データ14の送信先14dから検索する(16d)。
【0047】
受信者特定部16は、検索結果の有無を判断し(16e)、検索結果があり検索された送信に係る履歴データ14の送信依頼者が単数である場合には、その送信依頼者14cを受信者として特定する(16f)。
【0048】
検索された送信に係る履歴データ14の送信依頼者が複数である場合には、いずれの送信依頼者14cを受信者とするかを決定する必要がある。図2におけるxからの受信メッセージ6を受信した場合が一例である。受信者をaかcの一方に決定する必要がある。
【0049】
例えば、最後に送信を依頼した送信依頼者(図2ではc)が送信を依頼した時刻から受信メッセージを受信した時刻までの時間が所定の時間(例えば1週間)以下である場合に、その送信依頼者を受信者として特定する(16g)ことができる。なお、所定の時間による制約を設けずに最後に送信を依頼した送信依頼者を受信者として特定してもよい。また、送信メッセージの数の多い送信依頼者を受信者として特定してもよい。その他任意に特定基準を設計すればよい。
【0050】
なお、メッセージ送受信代行装置1は予め選定した送信依頼者3に対して動作するので、検索結果の中に複数の送信依頼者14cが含まれる可能性が極めて小さい運用とすることもできる。例えば、送信依頼者3が歯科医院であり患者との間でメッセージのやりとりをする場合には、患者が特定されれば、一定期間内に複数の歯科医院を受診している可能性が極めて小さく、検索結果の中に含まれる送信依頼者14cは1のみであると考えられる。
【0051】
検索結果がない場合、受信者特定部16は、受信メッセージ6の内容から受信者を決定する(16h)。例えば、送信依頼者3を表す固有名詞等のキーワードに基づいて受信者を決定することができる。
【0052】
なお、キーワードに基づいて受信者を決定することができない場合にも、受信件数が最多の送信依頼者を受信者と決定する等の方法で決定することとしてもよい。
【0053】
メッセージ送受信代行装置1にボット部21を加えたメッセージ処理装置2は、
受信メッセージ6を受信し、受信者特定部16が受信者を特定すると、ボット部21を起動する。
【0054】
ボット部21は、受信メッセージ6の内容に基づいて、受信者特定部16によって特定された送信依頼者(3a又は3b)に結び付けられた業務データ(4a又は4b)を更新する。
【0055】
例えば、送信依頼者3が歯科医院であり、業務データ4が予約状況であり、受信メッセージ6に「キャンセル」の文字が含まれる場合に、業務データ4から受信メッセージ6の送信依頼者に係る予約を削除することができる。
【0056】
なお、ボット部21が業務データ4を更新した場合には、受信メッセージ6を送信依頼者3に送らなくともよい場合もある。メッセージ処理装置2は、受信対応部17に先立ってボット部21を起動し、ボット部21の結果によって受信対応部17の起動/不起動を定めてもよい。
【0057】
以上詳細に説明したように、本実施形態のメッセージ送受信代行装置1は、送信時に作成された履歴データ14を活用して、受信者特定部16によって、受信されたメッセージの受信者を特定する。これにより、複数の送信依頼者を1アカウントで扱いながら、受信されたメッセージを正しい送信依頼者に送ることができる。
【0058】
また、本実施形態メッセージ処理装置2は、ボット部21によって自動的に業務データ4を更新することができる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明のメッセージ送受信代行装置及びメッセージ送受信代行プログラムは、メッセージングサービスを利用して複数の送信依頼者を1アカウントで扱い、受信されたメッセージを正しい送信依頼者に送ることができる。本発明のメッセージ処理装置及びメッセージ処理システムは、メッセージングサービスを利用して複数の送信依頼者を1アカウントで扱い、受信されたメッセージの内容に基づいて送信依頼者毎のデータを処理することができる。多くの企業や個人事業者における利用が考えられる。
【符号の説明】
【0060】
1 メッセージ送受信代行装置
11 送信依頼受付部
12 通信部
13 送信部
14 履歴データ
14a メッセージID
14b 時刻
14c 送信依頼者
14d 送信先
15 受信部
16 受信者特定部
17 受信対応部
2 メッセージ処理装置
21 ボット部
3 送信依頼者
4 業務データ
5 送信メッセージ
6 受信メッセージ
7 メッセージングサービス
【要約】
【課題】メッセージングサービスを利用して複数の送信依頼者を1アカウントで扱うメッセージ送受信代行装置及びメッセージ送受信代行プログラムであって、受信されたメッセージを正しい送信依頼者に送るものを提供すること。また、メッセージングサービスを利用して複数の送信依頼者を1アカウントで扱うメッセージ処理装置及びメッセージ処理システムであって、受信されたメッセージの内容に基づいて送信依頼者毎のデータを処理するものを提供すること。
【解決手段】メッセージ送受信代行装置(プログラム)1は、受信者特定部(処理)16によって、受信されたメッセージの受信者を特定する。メッセージを送信する時に該メッセージを送信する前記送信依頼者と送信先との対応を記録した履歴データ14を特定のために活用することができる。
【選択図】図1
図1
図2
図3