(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明に係るパスワード入力装置の好ましい実施形態について、
図1〜
図8を参照して説明する。
【0010】
本実施形態では、パスワード入力装置として遊技場に設置される再プレイ機について例示する。
再プレイ機1は、遊技者が獲得した遊技球、遊技メダルなどの遊技媒体を引き出し(再プレイ)可能に預かる貯玉システムにおいて、遊技球、遊技メダルなどの貯玉を直接引き出すことが可能な端末装置として動作する。
貯玉システムでは、貯玉は預け入れた貯玉会員(遊技者)と紐づけられて管理されており、その紐づけには貯玉会員ごとに付与される会員IDとパスワードが用いられる。
会員IDは、遊技場から予め貯玉会員に提供される会員カードに記録され、パスワードは、貯玉会員が事前に遊技場に申請を行うことにより登録されており、これらの情報は、預け入れた遊技媒体の数量を示す貯玉情報とともに貯玉システムを管理する貯玉管理サーバーに記憶されている。
再プレイ機1は、会員IDとパスワードを受け付け可能に構成され、受け付けたこれらの情報に基づいて貯玉管理サーバーとデータ通信を行いながら、貯玉会員の所望する数量の遊技媒体を払い出す動作を行う。
このような動作を実現すべく、再プレイ機1は以下のように構成されている。
【0011】
本実施形態の再プレイ機1は、遊技機の台間ごとに設置される台間機タイプと異なり、遊技機の設置される遊技機島の端部等に設けられるスタンドアロンタイプの再プレイ機であって、
図1に示すように、筐体形状の外観を有している。
筐体外部には、貯玉会員の入力操作を受け付けるタッチパネル部2、会員カードの受け入れ及び返却を行うカード挿入口3、遊技媒体を払い出す遊技媒体払出口4を備えている。
また、筐体内部には、
図2に示すように、貯玉管理サーバーとの双方向データ通信を行う通信部5、遊技媒体の貯留及び払出を行う払出部6、メモリ機能を有する記憶部7、カード挿入口3より受け入れた会員カードから会員IDを読み取る読取部8、演算機能を有する演算部9、これら各部を制御可能なコンピュータとして動作する制御部10などを備えている。
【0012】
このように構成された再プレイ機1は、カード挿入口3から会員カードを受け付けると、読取部8が会員カードより会員IDを読み取るとともに、読み取った会員IDを通信部5を介して貯玉管理サーバーに送信し、会員IDと紐づけられたパスワードを貯玉管理サーバーから取得して記憶部7に記憶する。また、タッチパネル部2を介してパスワードを受け付けるとともに、受け付けたパスワードと貯玉管理サーバーから取得したパスワードとを照合し、相互に一致するときに、貯玉の引き出しを許容する。
【0013】
このような貯玉引き出しに係る一連の動作において、タッチパネル部2がパスワード入力手段として動作する。
タッチパネル部2は、例えば、液晶表示器と指触位置を検出可能な透明電極板の積層されたパネルで構成され、カード挿入口3から会員カードを受け付けると、
図3に示すようなパスワード入力画面を表示する。
パスワード入力画面は、例えば、ワード列表示部20、操作キー21、及び取消キー22を有している。
【0014】
ワード列表示部20は、例えば、3桁などの複数のワード(例えば、数字)を表示する表示領域であり、入力者に真偽を選択させるためのワードを表示する真偽ワード表示部201と、真偽の選択に係らないワードを表示するダミーワード表示部202と、を有している。
【0015】
真偽ワード表示部201には、パスワードを構成する真ワードと、パスワードを構成しない偽ワードが入力者の操作に応じて切り替えて表示され、操作キー21の操作により、表示されたワードの真偽が選択される。
ダミーワード表示部202(202a,202b)も同様に、パスワードを構成する真ワードと、パスワードを構成しない偽ワードが入力者のキー操作に応じて切り替えて表示され、このダミーワード表示部202に表示されたワードが真偽ワード表示部201にシフトする。
具体的には、本実施形態では、例えば、二つのダミーワード表示部202a,202bを有しており、入力者のキー操作に応じてダミーワード表示部202aに表示されるワードが真偽ワード表示部201にシフトするとともに、ダミーワード表示部202bに表示されるワードがダミーワード表示部202aにシフトする。
【0016】
例えば、
図3に示すように、真偽ワード表示部201に「0」、ダミーワード表示部202aに「5」、ダミーワード表示部202bに「6」が表示されている例で説明すると、入力者が真偽ワード表示部201に表示される「0」の真偽の選択を操作キー21の操作により行うと、真偽ワード表示部201には「5」が、ダミーワード表示部202aには「6」が更新表示される。また、このとき、ダミーワード表示部202bには新たなワードが表示される。
このようなシフト表示は、少なくともパスワードを構成する真ワードがすべて真偽ワード表示部201に表示されるまで行われ、これにより、真として選択されたワードを順次受け付けるとともに、受け付け順に並べたワード列とパスワードとの照合を行うことができる。
【0017】
操作キー21は、真偽ワード表示部201に表示されたワードの真偽を選択するための複数の操作キーを有している。
操作キー21は、それぞれ異なるワードが表示される複数の操作キーからなるとともに、真の選択を示す真ワードキーと、偽の選択を示す偽ワードキーとを有しており、各操作キー21には真偽の選択を特定不能なワードが表示されている。
例えば、本実施形態では、10の操作キー21を有するとともに、真偽の選択を特定不能なワードとして、0〜9の数字が一つずつ各操作キー21に表されている。
なお、操作キー21に表示される真偽の選択を特定不能なワードは、数字に限らず、例えば、
図8に示すような記号や、その他の絵柄などでもよい。
【0018】
また、真ワードキー及び偽ワードキーは、予め貯玉会員本人のみが知り得るキーであって、例えば、パスワード申請とともに事前に遊技場に申請し貯玉管理サーバーに記憶・管理させる、又は、パスワード入力操作前に入力者が任意に選択して事前に再プレイ機1に記憶させるなどの方法により、再プレイ機1が真偽の選択を識別可能なキーとして設定されている。また、真ワードキー及び偽ワードキーはそれぞれ複数有していることが好ましい。
例えば、
図4に示すパスワード入力例では、真ワードキーが「3」、「6」、「9」に、偽ワードキーが「1」、「2」、「4」、「5」、「7」、「8」、「0」に予め設定され、
図5に示すパスワード入力例では、真ワードキーが「3」、「6」、「9」、「0」に、偽ワードキーが「1」、「2」、「4」、「5」、「7」、「8」に予め設定された例となっている。
【0019】
取消キー22は、真ワードキーを操作すべきところ偽ワードキーを操作したり、偽ワードにもかかわらず真ワードキーを操作したりするなど、入力者が操作キー21の選択操作を間違えたときに操作されるキーである。この取消キー22の操作により、例えば、当該操作前のキー操作を無かったものとして取り消し、各表示部201,202に表示されているワードを1つ右の表示部にシフトさせたり、パスワード入力に係る初期画面に移行したりなど操作の取り消しに係る処理が実行される。
【0020】
このように構成されたパスワード入力画面において、パスワードを実際に入力する例について
図4及び
図5を参照しながら説明する。
図4は、パスワードが「5632」であり、真ワードキーが「3」、「6」、「9」に、偽ワードキーが「1」、「2」、「4」、「5」、「7」、「8」、「0」のときの入力例であり、(1)〜(7)の手順によりパスワード入力が完了する例である。
また、この例では、入力開始時(1)において、例えば、真偽ワード表示部201に「0」、ダミーワード表示部202aに「5」、ダミーワード表示部202bに「6」が表示されているものとする。
【0021】
(1)真偽ワード表示部201に表示される「0」は、パスワードを構成する先頭の真ワード「5」ではなく、偽ワードであるので、入力者は「偽」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の偽ワードキーの中から任意の偽ワードキーとして、例えば、偽ワードキー「7」を操作(タッチ)する。この操作により、各表示部201,202に表示されたワードが一つずつ左にシフトするとともに、ダミーワード表示部202bに新たなワード「0」が表示される。
【0022】
(2)真偽ワード表示部201に表示される「5」は、パスワードを構成する先頭の真ワード「5」であるので、入力者は「真」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の真ワードキーの中から任意の真ワードキーとして、例えば、真ワードキー「3」を操作(タッチ)する。この操作により、記憶部7に「5」が記憶されるとともに、各表示部201,202に表示されたワードが左に一つずつシフトし、ダミーワード表示部202bに新たなワード「3」が表示される。
【0023】
(3)真偽ワード表示部201に表示される「6」は、パスワードを構成する先頭から二桁目の真ワード「6」であるので、入力者は「真」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の真ワードキーの中から任意の真ワードキーとして、例えば、真ワードキー「9」を操作(タッチ)する。この操作により、記憶部7に「5」に加えて「6」が記憶されるとともに、各表示部201,202に表示されたワードが左に一つずつシフトし、ダミーワード表示部202bに新たなワード「8」が表示される。
【0024】
(4)真偽ワード表示部201に表示される「0」は、パスワードを構成する先頭から三桁目の真ワード「3」ではなく、偽ワードであるので、入力者は「偽」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の偽ワードキーの中から任意の偽ワードキーとして、例えば、偽ワードキー「4」を操作(タッチ)する。この操作により、各表示部201,202に表示されたワードが左に一つずつシフトするとともに、ダミーワード表示部202bに新たなワード「2」が表示される。
【0025】
(5)真偽ワード表示部201に表示される「3」は、パスワードを構成する先頭から三桁目の真ワード「3」であるので、入力者は「真」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の真ワードキーの中から任意の真ワードキーとして、例えば、真ワードキー「6」を操作(タッチ)する。この操作により、記憶部7に「5」、「6」に加えて「3」が記憶されるとともに、各表示部201,202に表示されたワードが左に一つずつシフトし、ダミーワード表示部202bに新たなワード「1」が表示される。
【0026】
(6)真偽ワード表示部201に表示される「8」は、パスワードを構成する先頭から四桁目の真ワード「2」ではなく、偽ワードであるので、入力者は「偽」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の偽ワードキーの中から任意の偽ワードキーとして、例えば、偽ワードキー「2」を操作(タッチ)する。この操作により、各表示部201,202に表示されたワードが左に一つずつシフトするとともに、ダミーワード表示部202bに新たなワード「4」が表示される。
【0027】
(7)真偽ワード表示部201に表示される「2」は、パスワードを構成する先頭から四桁目の真ワード「2」であるので、入力者は「真」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の真ワードキーの中から任意の真ワードキーとして、例えば、真ワードキー「3」を操作(タッチ)する。この操作により、記憶部7に「5」、「6」、「3」に加えて「2」が記憶される。
【0028】
以上(1)〜(7)の手順により、記憶部7にワード列「5632」が記憶される。記憶部7に記憶されるワード列のワード数(4)がパスワードを構成するワード数(4)に達すると、このワード列と、予め貯玉管理サーバーから取得したパスワードとの照合が行われる。照合一致のときには貯玉からの引き出しが許容され、不一致のときには貯玉からの引き出しが許容されずに「パスワードが異なります。」などのメッセージがタッチパネル部2に表示されるとともに、新たなパスワード入力画面が表示される。
なお、入力操作は、(7)の手順後も続けること好ましく、例えば、ダミーワード表示部202a及び202bに表示される「1」及び「4」の真偽を選択する操作が完了するまで行うことができる。この場合、「1」及び「4」の真偽を選択する操作が完了したときに、上記の照合を行うことが好ましい。また、「1」が真偽ワード表示部201に表示されるときには、ダミーワード表示部202bにはワードが表示されず、「4」が真偽ワード表示部201に表示されるときには、ダミーワード表示部202a及び202bにはワードが表示されないことが好ましい。
【0029】
このようなパスワードの入力手順から以下のような奏効が得られる。
まず、真偽ワード表示部201には、パスワードを構成する真ワードと、パスワードを構成しない偽ワードが切り替えて表示されるので、パスワード入力時に第三者が背後から覗いて見ても、どのワードが真のワードなのかを特定することができない。
また、操作履歴と記憶部7の記憶内容は相互に関連しないワード列となることから、操作履歴からパスワードを推測することができない。
また、真偽のいずれを選択したのかを、操作キー21に表示されたワードから特定できないことから、どのワードが真ワードなのかを特定することができない。
以上のようなことから、パスワード入力時にパスワードを盗み取られる危険をなくすことができる。
【0030】
図5に示すパスワード入力例は、パスワードが
図4の例と同様「5632」であるものの、真ワードキーが「3」、「6」、「9」、「0」に、偽ワードキーが「1」、「2」、「4」、「5」、「7」、「8」のときの入力例であり、(1)〜(10)の手順によりパスワード入力が完了する例となっている。
また、この例では、
図4と同様、入力開始時(1)において、例えば、真偽ワード表示部201に「0」、ダミーワード表示部202aに「5」、ダミーワード表示部202bに「6」が表示されているものとする。
なお、この例は、
図4に示す例とは異なり、真ワードキーを2回連続して操作されたときに限り、真偽ワード表示部201に表示されるワードを「真」として確定するようになっている。
【0031】
(1)真偽ワード表示部201に表示される「0」は、パスワードを構成する先頭の真ワード「5」ではなく、偽ワードであるので、入力者は「偽」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の偽ワードキーの中から任意の偽ワードキーとして、例えば、偽ワードキー「7」を操作(タッチ)する。この操作により、各表示部201,202に表示されたワードが一つずつ左にシフトするとともに、ダミーワード表示部202bに新たなワード「7」が表示される。
【0032】
(2)真偽ワード表示部201に表示される「5」は、パスワードを構成する先頭の真ワード「5」であるので、入力者は「真」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の真ワードキーの中から任意の真ワードキーとして、例えば、真ワードキー「3」を操作(タッチ)する。この操作により、記憶部7に「5」が仮記憶されるとともに、各表示部201,202に表示されたワードが左に一つずつシフトし、ダミーワード表示部202bに新たなワード「6」が表示される。
【0033】
(3)真偽ワード表示部201に表示される「8」は、パスワードを構成する真ワードではないものの、記憶部7に仮記憶された「5」を本記憶(確定)させるべく、入力者は「真」の選択を示すキー操作を行い、例えば、手順(2)で操作した真ワードキー「3」とは異なる真ワードキー「9」を操作(タッチ)する。この操作により、記憶部7に「5」が本記憶されるとともに、各表示部201,202に表示されたワードが左に一つずつシフトし、ダミーワード表示部202bに新たなワード「3」が表示される。
【0034】
(4)真偽ワード表示部201に表示される「7」は、パスワードを構成する先頭から二桁目の真ワード「6」ではなく、偽ワードであるので、入力者は「偽」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の偽ワードキーの中から任意の偽ワードキーとして、例えば、偽ワードキー「2」を操作(タッチ)する。この操作により、各表示部201,202に表示されたワードが一つずつ左にシフトするとともに、ダミーワード表示部202bに新たなワード「1」が表示される。
【0035】
(5)真偽ワード表示部201に表示される「6」は、パスワードを構成する先頭から二桁目の真ワード「6」であるので、入力者は「真」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の真ワードキーの中から任意の真ワードキーとして、例えば、真ワードキー「0」を操作(タッチ)する。この操作により、記憶部7に「6」が仮記憶されるとともに、各表示部201,202に表示されたワードが左に一つずつシフトするとともに、ダミーワード表示部202bに新たなワード「9」が表示される。
【0036】
(6)真偽ワード表示部201に表示される「3」は、パスワードを構成する先頭から三桁目の真ワードでありながらも、記憶部7に仮記憶された「6」の本記憶を優先させるべく、入力者は「真」の選択を示すキー操作を行い、例えば、手順(5)で操作した真ワードキー「0」とは異なる真ワードキー「9」を操作(タッチ)する。この操作により、記憶部7に「5」に加えて「6」が本記憶(確定)されるとともに、各表示部201,202に表示されたワードが左に一つずつシフトし、ダミーワード表示部202bに新たなワード「2」が表示される。また、この場合、真偽ワード表示部201に表示される「3」は、記憶部7に仮記憶される。
【0037】
(7)真偽ワード表示部201に表示される「1」は、パスワードを構成する真ワードではないものの、記憶部7に仮記憶された「3」を本記憶させるべく、入力者は「真」の選択を示すキー操作を行い、例えば、手順(6)で操作した真ワードキー「9」とは異なる真ワードキー「6」を操作(タッチ)する。この操作により、記憶部7に「5」、「6」に加えて「3」が本記憶(確定)されるとともに、各表示部201,202に表示されたワードが左に一つずつシフトし、ダミーワード表示部202bに新たなワード「4」が表示される。
【0038】
(8)真偽ワード表示部201に表示される「9」は、パスワードを構成する先頭から四桁目の真ワード「2」ではなく、偽ワードであるので、入力者は「偽」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の偽ワードキーの中から任意の偽ワードキーとして、例えば、偽ワードキー「4」を操作(タッチ)する。この操作により、各表示部201,202に表示されたワードが一つずつ左にシフトするとともに、ダミーワード表示部202bに新たなワード「1」が表示される。
【0039】
(9)真偽ワード表示部201に表示される「2」は、パスワードを構成する先頭から四桁目の真ワード「2」であるので、入力者は「真」の選択を示すキー操作を行うべく、複数の真ワードキーの中から任意の真ワードキーとして、例えば、真ワードキー「3」を操作(タッチ)する。この操作により、記憶部7に「2」が仮記憶されるとともに、各表示部201,202に表示されたワードが左に一つずつシフトするとともに、ダミーワード表示部202bに新たなワード「8」が表示される。
【0040】
(10)真偽ワード表示部201に表示される「4」は、パスワードを構成する真ワードではないものの、記憶部7に仮記憶された「2」を本記憶させるべく、入力者は「真」の選択を示すキー操作を行い、例えば、手順(9)で操作した真ワードキー「3」とは異なる真ワードキー「6」を操作(タッチ)する。この操作により、記憶部7に「5」、「6」、「3」に加えて「2」が本記憶(確定)される。
【0041】
以上(1)〜(10)の手順により、記憶部7にワード列「5632」が記憶される。記憶部7に記憶されるワード列のワード数(4)がパスワードを構成するワード数(4)に達すると、このワード列と、予め貯玉管理サーバーから取得したパスワードとの照合が行われる。照合一致のときには貯玉からの引き出しが許容され、不一致のときには貯玉からの引き出しが許容されずに「パスワードが異なります。」などのメッセージがタッチパネル部2に表示されるとともに、新たなパスワード入力画面が表示される。
なお、入力操作は、(10)の手順後も続けること好ましく、例えば、ダミーワード表示部202a及び202bに表示される「1」及び「8」の真偽を選択する操作が完了するまで行うことができる。この場合、「1」及び「8」の真偽を選択する操作が完了したときに、上記の照合を行うことが好ましい。また、「1」が真偽ワード表示部201に表示されるときには、ダミーワード表示部202bにはワードが表示されず、「8」が真偽ワード表示部201に表示されるときには、ダミーワード表示部202a及び202bにはワードが表示されないことが好ましい。
また、上記の例では、仮記憶されているワードを本記憶すべき際に、仮記憶されているワードがワード列表示部20に表示されていないが、仮記憶されているワードを表示させることもできる。
例えば、上記(10)の手順において、真偽ワード表示部201に表示される「4」の左側にワード表示部を新たに設け、仮記憶されている「2」をこの新たなワード表示部に表示させることもできる。これにより、入力者はこの新たなワード表示部に表示されるワード「2」を視認しつつ、「真」の選択を示すキー操作を行うことができる。なお、この新たなワード表示部には、過去のキー操作に係る一操作前のワード(1桁)に限らず、二操作以上前のワード(2桁以上)を表示させることもでき、表示させる桁数は所定の選択操作により設定可能としてもよい。
【0042】
以上のようなパスワードの入力手順から、
図4に示す入力例と同様な奏効が得られるうえ、真ワードキーを2回連続して操作されたときに限り、真偽ワード表示部201に表示されるワードを「真」として確定するとともに、2回連続して操作する真ワードキーをそれぞれ違えることにより、パスワードを盗み取られる危険性をさらに減少させることができる。
また、真ワードに続いて偽ワードが表示されるときには、真偽ワード表示部201に偽ワードが表示されているにもかかわらず、先の真ワードを本記憶させるべく、真ワードキーを操作することになるので、パスワードの解析をより困難にすることができる。
なお、2回連続して同じ真ワードキーが操作されたときには、本記憶しないものとすることができる。
【0043】
次に、真偽ワード表示部201に表示されるワードの生成方法について説明する。
真偽ワード表示部201に表示されるワードは、単に乱数等によりランダムに選定されたものではなく、以下のように一定の法則性を有して生成されることが好ましい。なお、以下の説明において真偽ワード表示部201に順次表示されるワードを出現順に並べた列をワード列というものとする。
(1)生成されるワード列の中にはパスワードを構成するそれぞれの真ワードすべてが少なくとも1組は存在する。
(2)ワード列には真ワードと偽ワードとが混在するものの、パスワードを構成するそれぞれの真ワードがパスワードの構成順に出現する。
【0044】
(3)真ワードキー1回の操作で真偽ワード表示部201に表示されるワードを「真」として確定する場合において、先に出現する一の真ワードとこれに続く他の真ワードとの間に偽ワードを出現させるときは、その数に制限はない(
図6参照)。
(4)真ワードキー2回の連続操作で真偽ワード表示部201に表示されるワードを「真」として確定する場合において、先に出現する一の真ワードとこれに続く他の真ワードとの間に偽ワードを出現させるときには、これらの間に少なくとも2つの偽ワードを出現させる(
図6参照)。
これは、先に出現する一の真ワード(例えば、「5」)とこれに続く他の真ワード(例えば、「6」)との間に一の偽ワード(例えば、「4」)を出現させると、一の偽ワード(「4」)が表示されているときに先の一の真ワード(「5」)を本記憶させるべく真ワードキーを操作するとともに、一の偽ワードに続く他の真ワード(「6」)が表示されているときにその真ワード(「6」)を仮記憶させるべく真ワードキーを操作しなければならず、そうすると、その真ワードキー操作は偽ワード(「4」)の本記憶に該当してしまうので、これを避けるためである。
(5)真ワードキー3回の連続操作で真偽ワード表示部201に表示されるワードを「真」として確定する場合において、先に出現する一の真ワードとこれに続く他の真ワードとの間に偽ワードを出現させるときには、これらの間に少なくとも3つの偽ワードを出現させる(
図6参照)。これも2回連続のときと同様な理由による。
なお、真ワードキー4回以上の連続操作で真偽ワード表示部201に表示されるワードを「真」として確定する場合においても、連続操作回数と同数以上の偽ワードを出現させる必要がある。また、真ワードキー2回以上の連続操作で真偽ワード表示部201に表示されるワードを「真」として確定する場合において、先に出現する一の真ワード(「5」)とこれに続く他の真ワード(「6」)との間に出現させる偽ワードには、偽ワードのみならず、他の真ワード(「6」)以外の真ワード(「5、3、2」)を含めることができる。
このように真偽ワード表示部201に表示されるワードが一定の法則性を有して生成されることで、ランダムに生成するよりも無駄なキー操作を少なくすることができ、入力の効率化が図られる。
【0045】
以上のようなパスワードの入力に係る一連の動作は、例えば、記憶部7に記憶されたプログラムを制御部10が実行することにより実現される。
以下に、当該プログラムに対応するパスワード照合処理について、
図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0046】
この処理は、カード挿入口3より会員カードが挿入されることで実行され、まず、挿入された会員カードから会員IDを読み取り(S1)、読み取った会員IDを通信部5を介して貯玉管理サーバーに送信する。
貯玉管理サーバーでは、受信した会員IDと紐付けられたパスワードを探索し、探索されたパスワードを再プレイ機1に送信する。このとき、真ワードキーが予め登録されているときには、真ワードキーも送信する。これにより、再プレイ機1は、パスワード(及び真ワードキー)を取得する(S2)。
制御部10は、前述の法則に基づいてパスワードを構成する真ワードをそれぞれ少なくとも1組含むとともに偽ワードの混在するワード列を生成し、ワード列表示部20に表示させる。
続いて、操作キー21の操作に応じてワード列表示部20のワードを順次、左シフトさせながら、真ワードキーが操作されたときには(S4−Yes)、そのときに真偽ワード表示部201に表示されているワードを記憶する(S5)。
そして、生成したワード数分のキー操作を検知すると(S6−Yes)、記憶したワードとパスワードとの照合を行い(S7)、記憶したワードとパスワードとが一致するときには(S7−Yes)、貯玉からの引き出しを許可し、一致しないときには(S7−No)、再びパスワードの入力をさせるべく、新たなワード列を生成・表示又は前回と同じワード列を表示する(S3)。
【0047】
以上説明したように、本実施形態の再プレイ機及びパスワード入力方法によれば、パスワード入力時にパスワードを盗み取られる危険をなくすことができる。
【0048】
以上、本発明のパスワード入力装置及びパスワード入力方法の好ましい実施形態について説明したが、本発明に係るパスワード入力装置及びパスワード入力方法は上述した実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の範囲で種々の変更実施が可能であることはいうまでもない。
【0049】
例えば、本実施形態では、パスワードの照合を再プレイ機で行ったが、貯玉管理サーバーで行うこともできる。この場合、再プレイ機は、キー操作を受け付けたときの真偽ワード表示部201に表示されたワード列を貯玉管理サーバーに送信する必要がある。
また、ワード列表示部20に表示される桁数は、3桁に限らず、1桁、2桁又は4桁以上でもよい。また、ワード列表示部20に表示されるワードは、数字に限らず、文字、絵などの他の形態のワードでもよく、認証情報として使用可能であればどのような情報でもよい。
また、ワード列表示部20に表示されるワードの並び方向も、横方向に限らず縦方向でもよく、シフト(更新)方向も左シフトに限らず、右シフト、上下方向へのシフトでもよい。
また、真ワードキーを2回以上連続して操作されたときに限り、真偽ワード表示部201に表示されるワードを「真」として確定する場合において、本実施形態では、連続して操作する真ワードキーをそれぞれ違えたが、同じ真ワードキーを連続して操作しても、真偽ワード表示部201に表示されるワードを「真」として確定させることもできる。
また、本実施形態では、遊技機島の端部に設けられるスタンドアロンタイプの再プレイ機に適用したが、各遊技機の台間ごとに設置される台間機タイプの再プレイ機にも適用可能である。
また、パスワード入力装置としては、再プレイ機のみならず、遊技媒体貸出機、遊技情報提供表示機、ATM、携帯電話、スマートフォンなどのパスワードを入力可能な装置ならば、その装置の形態は問わない。