(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記増幅器制御装置は、サブバンドにおいて過渡的な挙動が生じる状況において、前記サブバンドにおける前記増幅器制御を複数の他のサブバンドにおける前記増幅器制御から分離する、請求項1から3のいずれか1項に記載のダイナミックレンジ圧縮器。
複数の前記ローパスフィルタ部は、自己の複数の入力部に適用される複数の前記信号にローパスフィルタリングを実行し、ローパスフィルタリングは、一次ローパスフィルタ等によって非負インパルス応答を生じさせる、請求項2または3に記載のダイナミックレンジ圧縮器。
前記第2のブロードバンド入力信号に対する前記K個の追加増幅器制御信号の各々は、前記ブロードバンド入力信号に対する前記K個の増幅器制御信号の1つに等しい、請求項11に記載のダイナミックレンジ圧縮器。
前記増幅器制御装置は、K個の信号結合部をさらに有し、第kの信号結合部の各々は、前記ブロードバンド入力信号及び前記第2のブロードバンド入力信号の第kの包絡線信号を結合する、請求項12に記載のダイナミックレンジ圧縮器。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1のプリアンブルに係るダイナミックレンジ圧縮器に関する。この種のダイナミックレンジ圧縮器は、米国特許第6097824号により知られている。
【0002】
公知のダイナミックレンジ圧縮器によれば、圧縮された信号は、概して、制御された入力信号の増幅によって生成される。増幅の制御は、概して、特性線生成器によって包絡線信号から抽出される制御信号との乗算によって行われる。ここでは、包絡線信号が、入力信号から抽出され、従って入力信号の包絡線を表す場合を考慮する。増幅の制御速度が速過ぎると、増幅により、可聴歪みが生じる。そこで、包絡線信号は、つまり制御信号も同様に、概して、入力信号よりも実質的により低い周波数とするように平滑化され、これにより、妨害的な可聴歪みを防止する。しかしながら、このような増幅制御の低速化には、長時間にわたる増幅の変化が、妨害的に可聴的となりうるという欠点があり、この状態は「ポンピング」効果とも称される。
【0003】
「ポンピング」効果低減のための公知の手段は、複数のサブバンド信号を生成するべく、入力信号を複数の周波数帯域に分割すること、及び、複数のサブバンド信号に対して個別の増幅制御を行うことである。このプロセスは、分割を行わないブロードバンド圧縮に対して、マルチバンド圧縮と称される。このプロセスでは、複数の周波数帯域について、複数の包絡線信号及び複数の制御信号が、各々、個別に抽出される。にもかかわらず、このようなダイナミックレンジ圧縮器の出力信号は、複数のサブバンドへの分割では除去不可能と思われる妨害成分を含む。
【0004】
本発明の目的は、これらの妨害成分を除去すること、又は少なくとも実質的にこれらを抑制することである。この目的のために、請求項1のプリアンブルに係るダイナミックレンジ圧縮器は、請求項1の特徴部分に係る特徴を有する。好適な本発明の実施形態において、ダイナミックレンジ圧縮器は、請求項2又は3に係る特徴を有する。本発明に係るダイナミックレンジ圧縮器のさらなる好適な例示的実施形態は、他の従属項において定義される。
【0005】
本発明は、以下の知識に基づく。
【0006】
マルチバンド圧縮は、周波数帯域の1つにおける実質的に可変の包絡線(過渡的な場合)も、他の周波数帯域における増幅制御に影響を与えないという効果を有する。この方法において、ポンピング効果は、それぞれのサブバンド信号の周波数帯域自体に限定され、共に低減される。しかしながら、この方法の1つの短所は、包絡線が不変又は無視可能な程度に可変の場合(定常的な場合)に、マルチバンド圧縮が、信号の総和の周波数部分間の関係に、妨害的に可聴的な崩れを引き起こすことである。
【0007】
入力信号を複数の周波数帯域に分割するための公知の手段は、フィルタバンクである。この手段により、複数のサブバンド信号が、入力信号から抽出される。これらのフィルタバンクは、典型的には、複数のサブバンド信号が加算された結果、全体的な遅延が生じる可能性は別として、入力信号となる(信号総和の保存)ことを特徴とする。周波数帯域に対する包絡線帯域は、電力が量と適切に等しいため、典型的には、電力測定を用いて抽出される。サブバンドに対する電力は、サブバンド信号を二乗し、続いて、必要に応じてこれを平滑化することによって、測定することができる。しかし、概して、これらの電力の積算合計が入力信号の積算電力に等しい(エネルギー総和の保存)という条件が満たされないという欠点が見られる場合がある。このような理由により、複数のブロードバンド信号では、電力の総和が量の総和と必ずしも等しくないため、このような複数の信号のサブバンド電力に基づくマルチバンド圧縮は、量に対して必ずしも完全な精度で行われない場合がある。
【0008】
着想の進歩性は、マルチバンド圧縮とブロードバンド圧縮との間で連続的な移行を実現する点にある。この目的のために、複数の増幅器制御信号を抽出するべく、マルチバンド圧縮において複数の周波数帯域の複数の包絡線信号が互いに結合されるが、複数の増幅器制御信号は、以下の値をとることが想定される。
−各周波数帯域についての個別の値であって、圧縮が純然たるマルチバンド圧縮(マルチバンドタイプの圧縮)として作用するように、長時間の相対的変化が、対応する包絡線信号の調整前における長時間の相対的変化と同じとなる値、
−同一の共通値であって、圧縮がマルチバンド構造ではなくても、ブロードバンド圧縮(ブロードバンドタイプの圧縮)と同じものを示すような値、及び
−上述した2つの場合の間の中間値であって、圧縮が前述したタイプの圧縮の間で過渡的な挙動を示すような値。
【0009】
複数の包絡線信号の結合は、ブロードバンドタイプの圧縮の共通値が、定常的な包絡線信号の総和と等しくなるように行われる。つまり、複数の包絡線信号が入力信号の量部分と等しい場合、複数の定常的な包絡線信号の総和は、入力信号の総量と等しい。
【0010】
さらに、複数の包絡線信号の結合は、ある周波数帯域の個々の包絡線信号における瞬時の変化によって、この変化に比例する瞬時の変化が増幅制御信号に生じるが、残りの周波数帯域の増幅制御信号には瞬時の変化が生じないように行われる。つまり、複数の包絡線信号が入力信号の量部分と等しい場合、包絡線信号の瞬時の変化は、入力信号の対応する量部分の瞬時の変化と等しい。
【0011】
さらに、複数の包絡線信号の結合は、マルチバンド圧縮からブロードバンド圧縮へと、長時間にわたって連続的に緩和されるように行われる。つまり、例えば、包絡線の単独の突然の変化に対して、変化の瞬間、すなわち過渡的な場合に、圧縮はマルチバンドタイプであり、圧縮が引き続き連続的な移行に入った後、移行は包絡線が一定の定常的な場合に終了するが、ここで、圧縮は、ブロードバンドタイプである。有利には、圧縮タイプの緩和は、ポンピング効果が、サブバンド信号のそれぞれの周波数帯域自体に限定されるとともに、定常的な包絡線を有するサブバンド信号間における関係の崩壊も防止するという効果のいずれもを有する。
【0012】
包絡線結合の前述した特性が併用されることにより、結合された包絡線信号から抽出された増幅制御信号を用いる圧縮に対して、圧縮された信号の信号量のさらなる典型的な望ましくない変調を小さくする。この変調は、包絡線信号が入力信号の量部分と完全に等しい場合に最小となる。完全ではないがほぼ等しい場合であっても、前述した包絡線信号の結合は、歪み及び「ポンピング」効果が低減されるという前述した有利な効果を、程度は落ちる場合はあるものの、依然として有する。
【0013】
さらなる詳細は、後述のさらなる着想の中で明らかとなる。
【0014】
既に述べたように、包絡線信号は、入力信号の量部分と等しい場合に有利である。この効果は、サブバンド電力信号の積算合計が入力信号の積算電力と等しい場合に(エネルギー総和の保存)、包絡線信号がサブバンド電力信号から形成されることで達成される。これにより、サブバンド電力信号は、入力信号の電力を、入力信号がサブバンド信号に分割される周波数帯域と本質的に同じ周波数帯域に分割する。サブバンド信号は、信号総和の保存という特性を有するフィルタバンクによって入力信号から抽出され、さらに、同様に入力信号から抽出されるサブバンド補完信号に対する多くの出力によって拡張される。各周波数帯域分割に対して、1のサブバンド補完信号が存在する。各サブバンド電力信号は、それぞれの周波数帯域のサブバンド信号の二乗と、周波数帯域に対応するサブバンド補完信号の二乗との結合から抽出される。これは、サブバンド信号の二乗の積算値及びサブバンド補完信号の二乗の積算値が、遅延の可能性は別として、再び加算されて入力信号の二乗の積算値となる(エネルギー総和の保存)という効果を有する。
【0015】
さらに、サブバンド補完信号の二乗の一部は、サブバンド信号の二乗と合算される前に、任意に再配分される。このサブバンド補完信号を抽出する改良された方法により、より平滑な包絡線信号が得られるとともに、これによって有利に歪みが減少する。その上、この種の抽出により、電力分割の周波数帯域制限に対する、信号分割の周波数帯域制限のマッチングが最適化される。
【0016】
歪みのさらなる減少は、平滑化フィルタによって包絡線信号個別のさらなる平滑化を任意に追加することにより、有利に達成される。
【0017】
さらなる利点は、平滑化フィルタの設定された帯域幅の依存性から、それぞれの周波数帯域の帯域幅が増えるにつれて平滑化フィルタの帯域幅を増やすという方法によって、任意に得られる。これにより、増幅の過剰な高速又は低速の制御によって起こり得る阻害の間における折衷が改善される。
【0018】
聴覚に関して最適化された重み付け要素を用いて、サブバンド電力信号の周波数帯に依存した重み付けを任意に加算することにより、量の等しさに関するより高い精度が有利に達成される。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図1は、本発明に係るダイナミックレンジ圧縮器の第1の例示的な実施形態を示す。ダイナミックレンジ圧縮器は、サブバンドタイプであり、ブロードバンド入力信号、特に、ブロードバンド音声信号を受信するための入力部100を備える。入力部100は、ブロードバンド入力信号を、対応する周波数サブバンドSB
kにおいてK個のサブバンド信号SSB
kに分割するべく、サブバンド分割装置102の入力部101と接続され、K個のサブバンド信号SSB
kは、複数の出力部103.1、103.2、…103.k、…103.Kへと供給される。Kは、1より大きい整数である。好適には、32以下のKが有効である。ブロードバンド入力信号は、概して、場合によっては既に符号化され、典型的には15kHzから30kHzの大きさの順の帯域幅を有する音声信号である。複数のナローバンドサブバンド信号は、好適には、等しい相対的な帯域幅の複数のバンドパス信号及び補完ローパス信号である。Kの典型的な値は10であり、バンドパス信号は比率2対1の周波数範囲をそれぞれ網羅し(オクターブフィルタバンク)、ローパス信号は、これらの周波数範囲の中で最も低いものに従う。「ナローバンド」における「ナロー」は、(ブロードバンド)入力信号の帯域幅よりも狭いものと理解される。
【0028】
増幅部104は、K個の増幅サブバンド信号を生成するために対応する増幅係数によって、K個のサブバンド信号の各々を増幅するために設けられる。K個の増幅サブバンド信号は、サブバンド結合装置105に供給される。サブバンド結合装置は、出力信号を生成するべく、K個の増幅サブバンド信号を結合するように構成され、出力信号は、ブロードバンド入力信号が強弱に関して圧縮されたものであり、ダイナミックレンジ圧縮器の出力部106に供給される。包絡線検出装置107は、K個の包絡線信号を生成するために設けられ、各包絡線信号は、周波数サブバンドSB
kの1つにそれぞれ対応する。包絡線検出装置107の入力部108.1、…、108.k、…108.Kは、サブバンド分割装置102の出力部103.1、…103.k、…103.Kのそれぞれと接続される。包絡線信号のそれぞれは、包絡線検出装置107の出力部109.1、…、109.k、…109.Kのそれぞれに供給される。包絡線検出装置107の出力部は、増幅器制御装置110の入力部111.1、…、111.k、…111.Kのそれぞれと接続される。増幅器制御装置110は、自己の入力部111.1〜111.Kに供給されるK個の包絡線信号に基づいて、K個の増幅器制御信号を生成するように構成され、K個の増幅器信号の各々は、K個の増幅係数の1つを表す。生成されたK個の増幅器制御信号は、出力部112.1〜111.Kに供給される。特に、増幅器制御装置110は、K個の包絡線信号の1つより多くに基づいて、増幅器制御信号を生成する。増幅器制御装置110の出力部112.1〜112.Kは、増幅部104において、増幅器A
1〜A
Kのそれぞれの制御出力部と接続され、増幅器制御信号は、増幅器において、それぞれの増幅係数に従って増幅を実現する。さらに、増幅器A
1〜A
Kの入力部は、サブバンド分割装置102の出力部103.1〜103.Kと接続される。増幅器A
1〜A
Kの出力部は、サブバンド結合装置105の入力部113.1〜113.Kのそれぞれと接続される。
【0029】
本発明によれば、増幅器制御装置110において、K個の包絡線信号の1つより多くに基づいて増幅器制御信号が抽出される。好適には、増幅器制御信号は、K個の包絡線信号の全てに基づいて抽出される。
【0030】
特に、増幅器制御装置は、K個の包絡線信号の全てに基づいて、全ての増幅器制御信号を生成するように構成される。
【0031】
増幅器制御装置は、ブロードバンド入力信号が過渡的な挙動を示す場合には、異なるサブバンドに対して異なる増幅係数を生成するようにさらに構成されるとともに、ブロードバンド入力信号がほぼ定常的な挙動を示す場合には、異なるサブバンドに対してほぼ等しい増幅係数を生成するように構成される。このさらなる詳細は、以下においてさらに説明される。
【0032】
図2は、
図1のダイナミックレンジ圧縮器の増幅器制御装置110の実施形態を示す。ここで参照符号210によって示される増幅器制御装置は、K個の除算部211.1〜211.Kを含み、各々は、増幅器制御装置210のK個の入力部111.1〜111.Kの中で対応する入力部111.kと接続された第1の入力部212.kを有するとともに、第2の入力部213.k及び出力部214.kを有する。
【0033】
K個のローパスフィルタ部215.1〜215.Kは、それぞれが、増幅器制御装置210のK個の入力部の中で対応する入力部111.kと接続された入力部216.kを有するとともに、K個の対応する除算部211.1〜211.Kの1つの対応する第2の入力部213.kと接続された出力部217.kを有するように設けられる。K個のローパスフィルタ部215.1〜215.Kの出力部217.kは、信号結合部219の対応する入力部218.1〜218.Kと接続される。信号結合部219は、出力部220を有する。信号結合部219は、自己のK個の入力部218.1〜218.Kで受信された信号に基づいて、結合信号221を生成するように構成される。
【0034】
K個の乗算部222.1〜222.Kは、各々が、K個の除算部211.kの1つの対応する出力部214.kと接続された第1の入力部223.kを有し、信号結合部219の出力部220と接続された第2の入力部224.kを有し、かつ、出力部225.kを有するように設けられる。出力部225.1、…225.k、…225.Kにおいて、増幅器A
1〜A
Kに供給されるダイ(die)増幅係数を表す出力信号が出力される。この目的のために、乗算部222.kの出力部225.kは、増幅器制御装置210の対応する出力部112.kと接続される。
【0035】
好適には、ローパスフィルタ部215.1〜215.Kは、自己の入力部における信号に適用されるローパスフィルタリングを実行するように構成され、フィルタリングによって、一次ローパスフィルタリング等の非負インパルス応答が生じる。信号結合部219は、好適には、出力部220において出力信号を得るべく、自己の入力部において複数の信号を加算する加算回路である。除算回路211.k等の除算回路は、ローパスフィルタ216.kの出力部においてローパスフィルタリングされた入力信号によって、入力部111.kにおける入力信号を除算するように動作する。
【0036】
この設計は、除算回路の出力信号が、対応する包絡線の高速変化と低速変化との間の比率を形成するという効果を有する。この比率は、サブバンド信号が定常的な場合に、ほぼ1に等しく、逆に、過渡的な場合には、過渡的な包絡線の変化(過渡比率)を示す。例えば、急激な上昇があった場合には、比率が1より高い値となることにより、上昇の程度を示す。全てのサブバンドが定常的な場合、全てのサブバンドの増幅器制御信号はほぼ等しく、すなわち、信号結合部の出力信号と等しくなる。この全体的に定常的な状態からの過渡偏差がサブバンドに生じると直ちに、対応する乗算回路の効果により、対応する増幅器制御信号に過渡比率が適用される。これにより、全てのサブバンドの全体的に定常的な状態に対して低速の増幅制御、同時に、個々のサブバンドの過渡偏差に対して高速の増幅制御という効果が達成される。ローパスフィルタにより、過渡的及び定常的な挙動の間で、緩やかな移行が確実に行われる。さらに、まさに説明したタイプの段階的で結合された形式の全ての包絡線挙動により、同様に、段階的で結合された形式の対応する増幅器制御信号がもたらされる。
【0037】
乗算回路222.k等の乗算回路は、乗算回路の出力信号を抽出し、つまり、増幅器制御信号の増幅器A
kにおける増幅を制御するべく、自己の入力部において互いに信号を乗算する。
【0038】
ここで述べておくべきことは、
図2の増幅器制御装置210の回路構成は、回路の効果に変化をもたらすことなく、様々な方法で改良することができるということである。除算部211.1〜211.K自体は、回路の異なる位置、すなわち(1)K個の乗算部222.1〜222.Kの後、すなわち、K個の乗算部222.1〜222.Kの出力部と対応する出力部112.1〜112.Kとの間の接続部分に、又は(2)信号結合部219の出力部220から、K個の乗算部222.1〜222.Kのそれぞれの第2の入力部までの接続部分に、配置されてもよい。
【0039】
図3は、ダイナミックレンジ圧縮器の圧縮特性の例を示す。
図3において、増幅A(dB単位)が、包絡線E(dB単位)の関数として示される。
【0040】
増幅器装置の制御曲線の下降特性は、この場合、直線であり、増幅Aがより減少するほど、Eで示される増幅器制御信号がより強くなるという効果を有する。増幅器制御信号の特定の値に対して、すなわち動作点E
biasにおいて、増幅は0dBであり、つまり、信号は、この場合、増幅されていない。動作点は、量の目標値を固定するために適している。目標値よりも音が大きい信号は減衰し、目標値よりも音が小さい信号は増幅され、強弱が圧縮されるという効果を有する。特性曲線の勾配(dA/dE)
slopeは、圧縮の程度を決定し、勾配値が−1dB/dBの場合、ダイナミック圧縮の効果は、自己の最大となる。典型的には、「フルスケール」出力駆動レベルに関して、−1dB/dB≦(dA/dE)
slope<0dB/dBかつ−40dB≦E
bias≦−6dBが有効である。E
bias及び(dA/dE)
slopeは、ユーザによる設定のためのアクセスを可能とするべく、制御入力として与えることができる。
【0041】
図4は、
図1に係るダイナミックレンジ圧縮器におけるサブバンド分割装置102の実施可能形態を示し、
図4においては参照符号402によって示される。最新技術から知られているように、サブバンド分割装置102は、概して、好適には完全再構築を行う、バンドパス特性を有するK個のナローバンドサブバンドフィルタの並列接続から構成することができる。
図4においては、しかしながら、サブバンドフィルタSBF
1〜SBF
Kは、異なる方法で構成されている。この場合、K個のサブバンドフィルタSBF
1〜SBF
Kは直列接続され、サブバンドフィルタSBF
kの第1の出力部が、後述するサブバンドフィルタSBF
k+1の入力部と接続され、第1のサブバンドフィルタSBF
1の入力部がサブバンド分割装置402の入力部401と接続される。第kのサブバンドフィルタSBF
kについて、正確な構成が
図4に詳細に示されている。サブバンドフィルタSBF
kは、フィルタ回路F
k.1、F
k.2及びF
k.3と、遅延部D
kと減衰部V
kとを備える。全てのフィルタ回路F
k.1、F
k.2及びF
k.3は、2
k−1Tの信号遅延を実現する遅延部を含み、Tは、信号のサンプリング値のサンプリング時間である。フィルタ回路F
k.1及びF
k.3は、加算回路及び減算回路をも含む。フィルタ回路F
k.2も、加算回路を含む。遅延回路D
kは、(2
K−2
k).Tの信号遅延を実現する。
【0042】
フィルタ回路F
k.3は、L
k及びN
kとして示される2つの出力信号を生成し、これらはサブバンドフィルタSBF
kの出力信号としての役割を果たし、信号L
kは主出力信号、N
kは一種の補助信号とみなされるが、これらの機能は後述する。全ての他のサブバンドフィルタも、2つの出力信号を生成する。サブバンドフィルタSBF
Kのみが、1つの出力信号L
Kのみを生成する。
【0043】
フィルタ回路F
k.1及びF
k.2は、出力信号G
k+1を得るべく、サブバンドフィルタSBF
kの入力信号G
kに適用されるローパスフィルタリングを実現する。フィルタ回路F
k.1及びF
k.3は、出力信号L
kを維持するべく、サブバンドフィルタSBF
kの入力信号G
kに適用されるハイパスフィルタリングを実現する。フィルタ回路F
k.1及びF
k.2は、補助信号N
kを得るべく、サブバンドフィルタSBF
kの入力信号G
kに適用されるバンドパスフィルタリングをさらに実現する。これについては、
図5を参照してさらに説明する。
【0044】
図5(a)は、入力部401における入力信号を概略的な態様で示すとともに、信号G
1として第1のサブバンドフィルタ回路SBF
1に供給されるブロードバンド入力信号の帯域幅f
1を示す。例として、ここでの想定帯域幅は、24kHzである。フィルタ回路F
1.1及びF
1.2の直列接続のローパスフィルタ特性は、
図5(b)に示されており、入力信号の帯域幅より小さく、この例においては12kHzと等しい帯域幅f
2を示す。フィルタ回路F
1.1及びF
1.2の出力信号G
2及び、従ってサブバンドフィルタSBF
1の帯域幅は、従って、入力信号G
1の帯域幅より小さい。フィルタ回路F
1.1及びF
1.3の直列接続のハイパスフィルタ特性は、
図5(c)に示されており、f
1より小さい下側カットオフ周波数を示す。この例において、この下側カットオフ周波数 は、カットオフ周波数f
2に等しく、すなわち、12kHzに等しい。フィルタ回路F
1.1及びF
1.3の帯域幅は、自己の帯域幅がf
1に限定された入力信号G
1と併せると、従って、
図5(d)に示すように、12kHz及び24kHzの間のバンドパスフィルタリングされた出力信号L
1を生じさせる。
【0045】
図5(b)は、信号G
2として第2のサブバンドフィルタ回路SBF
2に供給される入力信号の帯域幅を示す。サブバンドフィルタ回路SBF
2におけるフィルタ回路F
2.1及びF
2.2の直列接続のローパスフィルタ特性は、
図5(e)に示されており、入力信号G
2の帯域幅より小さい帯域幅f
3を示す。この例において、帯域幅は、6kHzに等しい。フィルタ回路F
2.1及びF
2.2の出力信号G
3及び、従ってサブバンドフィルタSBF
2の帯域幅は、従って、入力信号G
2の帯域幅より小さい。フィルタ回路F
2.1及びF
2.3の直列接続のハイパスフィルタ特性は、
図5(f)に示されており、f
2より小さい下側カットオフ周波数を示す。この例において、下側カットオフ周波数は、カットオフ周波数f
3に等しく、すなわち、6kHzに等しい。フィルタ回路F
2.1及びF
2.3の帯域幅は、自己の帯域幅がf
2に限定された入力信号G
2と併せると、従って、
図5(g)に示すように、6kHz及び12kHzの間でバンドパスフィルタリングされた出力信号L
2を生じさせる。
【0046】
図5(h)〜
図5(j)は、
図5(a)〜
図5(g)の周波数軸と比較されるように延びる周波数軸を有する。
図5(h)は、信号G
kとして第kのサブバンドフィルタ回路SBF
kに供給される入力信号の帯域幅f
mを示す。サブバンドフィルタ回路SBF
kにおけるフィルタ回路F
k.1及びF
k.3の直列接続のハイパスフィルタ特性は、
図5(i)に示されており、f
mより小さい下側カットオフ周波数を示す。この例において、f
nとして示される下側カットオフ周波数は、周波数f
mの半分に等しい。フィルタ回路F
k.1及びF
k.3の帯域幅は、自己の帯域幅がf
mに限定された入力信号G
kと併せると、従って、
図5(j)に示すように、f
n及びf
mの間のバンドパスフィルタリングされた出力信号L
kを生じさせる。
【0047】
図5(k)及び
図5(l)は、
図5(h)〜
図5(j)の周波数軸と比較されるように延びる周波数軸を有する。
図5(k)は、サブバンドフィルタ回路SBF
K−1の第2の出力部で供給される出力信号L
K−1の帯域幅を示す。同様に、サブバンドフィルタ回路SBF
K−1は、自己の第1の出力部において、出力信号G
K及び、従ってサブバンド信号L
Kを生成する。
【0048】
K=10の場合、カットオフ周波数は、この例において、従って、(f
p=)46、875Hz、(f
o=)93.7Hz、187.5Hz、375Hz、750Hz、1.5kHz、3kHz、(f
3=)6kHz、(f
2=)12kHz及び(f
1=)24kHzである。
【0049】
図5(m)において、最終的に、サブバンドフィルタ回路SBF
kの出力信号L
k、N
k及びL
k+1は、バンドパスフィルタリングされた信号として示される。補助信号N
kは、周波数範囲がナローバンドサブバンド信号L
k及びL
k+1の間であるナローバンド補助信号であることが明らかにわかる。
【0050】
K−1個の補助信号N
kの存在理由は、サブバンド信号L
kが加算されて元のブロードバンド信号(この説明に無関係な遅延を別として)となるにも関わらず、これらのサブバンド信号L
kの電力L
k2を積算しても、概して、加算されて元のブロードバンド信号の積算電力とはならない。サブバンド信号L
kのみがサブバンド包絡線を抽出するために用いられる場合、このようなサブバンド包絡線の総和によって、元の信号の量を正確に表すことはできず、信号によっては誤差を含む。これらの誤差を補償するべく、追加的な補助信号N
kが用いられる。補助信号N
kはフィルタバンクを補完して直交系を生じさせることから、補助信号N
kは、スケーリングされた補助信号電力a・N
k2という形の補完として加算されるべき損失電力を供給し、適切なスケーリング係数は、値a=2である。対応するスケーリングされた補助信号電力は、各サブバンド信号電力に加算され、これにより、誤差の補償が達成される。
【0051】
出力信号L
k及びN
k(k=1、2、…K−1の場合)及びL
Kは、包絡線検出部407に供給されるので、
図4を参照されたい。出力信号L
k(k=1、2、…Kの場合)は、増幅部(
図1の増幅部104に対応する)に供給される。
図4も、
図1の増幅制御回路110を概略的に示すが、
図4においては、参照符号410が付されている。異なるブロック間の様々な接続線も、示されている。
【0052】
図6は、
図1に係るダイナミックレンジ圧縮器における包絡線検出装置107の実施可能形態を示し、
図6の包絡線検出部は、参照符号607によって示される。
【0053】
既に上述したように、この包絡線検出部607は、
図4のサブバンド分割装置402と協同で動作する。包絡線検出部607は、従って、信号L
k及びN
k(k=1、2、…K−1の場合)及びL
Kを、
図4のサブバンド分割装置402から受信する。
【0054】
包絡線検出部607は、補助入力信号H
1を受信するための入力部610を有する。入力部610は、アースに接続される。信号H
1は、補助信号として、包絡線検出器ED
1に供給される。
【0055】
包絡線検出部607は、各サブバンドSB
kについて、包絡線検出器ED
kを含み、k=1、2、…Kである。検出器ED
kは、k=1、2、…K−1の場合、対応する入力信号L
k及びN
kを受信し、入力信号L
k及びN
kは、検出器ED
kにおいて、二乗器Q
k.1及びQ
k.2によって二乗される。二乗信号L
k2は、加算器S
k.3に供給される。値aによって乗算された後の二乗信号N
k2は、好適には2に等しく、加算器S
k.3に供給されるとともに、その中で補助信号H
kに加算される。乗算器M
k.2において乗算された後の加算器S
k.1の出力信号は、補助信号H
k+1として、直近の包絡線検出器ED
k+1に供給される。乗算器M
k.2及び減算器S
k.2の回路は、値(1−b)によって加算器S
k.1の出力信号に適用される乗算を実現し、加算器S
k.3の第2の入力部に供給される信号を生じさせる。
【0056】
加算器S
k.3の出力信号は、包絡線信号P
kである。
【0057】
値bについては、0≦b≦1が、好適には有効である。b=0の場合、包絡線検出部607は結果的に単純化し、包絡線検出器は接続されず(従って、補助信号H
kはない)、乗算器M
k.1の出力部及び加算器S
k.3の第2の入力部の間が直接接続されることにより、加算器S
k.1及びS
k.2は、省略することができる。b=0.5の場合、加算器S
k.2が省略できることから、包絡線検出部607も単純化する。
【0058】
検出器ED
Kは、対応する入力信号L
Kを受信し、入力信号L
Kは、検出器ED
Kにおいて二乗器Q
K.1によって二乗される。二乗信号L
K2は、加算器S
K.3に供給され、その中で加算されて補助信号H
Kを形成する。
【0059】
加算器S
K.3の出力信号は、包絡線信号P
Kである。
【0060】
包絡線信号P
k(k=1、2、…Kの場合)は、
図4の線416に対応する線516を介して、増幅制御回路510に供給される。
【0061】
この包絡線信号の抽出は、信号電力の原理に基づく。ユニットQ
k.1、Q
k.2、M
k.1及びS
k.3の効果は、
図5に関する考察よって説明される。このようにして、サブバンド信号における周波数部分に対して相対的に低い包絡線波形が達成され、このことから、低歪みの増幅制御を得るために包絡線を用いることが有利であることがわかる。サブバンド包絡線の周波数焦点は、スケーリングされた補助信号電力の加算により、対応するサブバンド信号の周波数焦点に対していくらか移動しているため、それぞれの周波数帯域のサブバンド電力のごく一部は、ユニットS
k.1、M
k.2及びS
k.2によって、次のより低い周波数帯域に送られるこの量で、任意に分岐する。サブバンド電力の総和は、変化しない。これにより、周波数焦点のシフトが補償される。部分係数bは、最適化することができる。b=0.5の場合、全ての包絡線検出部において、サブバンド包絡線の特に平滑なインパルス応答が得られる。
【0062】
図1のサブバンド分割装置(102)が
図4に示すように構成されることから、サブバンド結合装置105は、非常に簡単な方法で実装することができ、すなわち、K個の増幅サブバンド信号のみに適用される純然たる信号加算器として動作することができる。
【0063】
図7は、ステレオ音声信号の強弱が制御される場合における、本発明に係るダイナミックレンジ圧縮器の第2の例示的な実施形態を概略的に示す。ダイナミックレンジ圧縮器は、2つの分岐によって形成され、2つのステレオチャネルの各々に1つの分岐が対応する。第1の分岐は、2つのステレオ音声信号の1つ、例えば、左信号を受信するための入力部700.1によって形成される。入力部700.1は、ブロードバンド入力信号を、K個の出力部703.1〜703.Kに供給されるK個のサブバンド信号に分割するべく、サブバンド分割装置702.1の入力部701.1と接続される。増幅部704.1は、K個の増幅サブバンド信号を生成するための対応する増幅係数によって、K個のサブバンド信号の各々を増幅するために設けられる。K個の増幅サブバンド信号は、サブバンド結合装置705.1に供給される。サブバンド結合装置705.1は、ダイナミックレンジ圧縮器の出力部706.1に供給される出力信号を生成するべく、K個の増幅サブバンド信号を結合するように構成される。包絡線検出部707.1は、K個の包絡線信号を生成するために設けられ、各包絡線信号は、それぞれの周波数サブバンドSB
kの1つに対応する。包絡線検出部707.1の入力部708.1〜708.Kは、サブバンド分割装置702.1の出力部703.1〜703.Kのそれぞれに接続される。包絡線検出部707.1の出力部720.1〜720.Kにおけるそれぞれの包絡線信号は、増幅器制御装置725に供給される。
【0064】
第2の分岐は、2つのステレオチャネル音声信号の他方、例えば右信号を受信するための入力部700.2によって形成される。入力部700.2は、ブロードバンド入力信号を、K個の出力部721.1〜721.Kに供給されるK個のサブバンド信号に分割するべく、サブバンド分割装置702.2の入力部701.2と接続される。増幅部704.2は、K個の増幅サブバンド信号を生成するための対応する増幅係数によって、K個のサブバンド信号の各々を増幅するために設けられる。K個の増幅サブバンド信号は、サブバンド結合装置705.2に供給される。サブバンド結合装置705.2は、ダイナミックレンジ圧縮器の出力部706.2に供給される出力信号を生成するべく、K個の増幅サブバンド信号を結合するように構成される。包絡線検出部707.2は、K個の包絡線信号を生成するために設けられ、各包絡線信号は、周波数サブバンドSB
kの1つにそれぞれ対応する。包絡線検出部707.2の入力部722.1〜722.Kは、サブバンド分割装置702.2の出力部721.1〜721.Kとそれぞれ接続される。包絡線検出部707.2の出力部723.1〜723.Kにおけるそれぞれの包絡線信号も、増幅器制御装置725に供給される。
【0065】
増幅器制御装置725は、包絡線検出器707.1からのK個の包絡線信号に基づいて、かつ包絡線検出器707.2からのK個の包絡線信号に基づいて、増幅部704.1に対するK個の増幅係数を生成するとともに、増幅部704.2に対するK個の増幅係数を生成するように構成される。
【0066】
この目的のために、包絡線部707.1の出力部720.1〜720.K及び包絡線部707.2の出力部723.1〜723.Kは、増幅器制御装置725の対応する入力部に接続される。
【0067】
増幅器制御装置725の1つの実施形態において、増幅器制御装置725は、K個の信号結合部726.1〜726.Kを含み、特に、これらの信号結合部は、信号加算器である。信号結合部726.kは、(このkが1〜Kに等しい場合)包絡線検出器707.1の出力部720.kからの包絡線信号を、包絡線検出器707.2の出力部723.kからの包絡線信号と結合(加算)するように構成される。
【0068】
K個の信号結合部726.1〜726.KのK個の出力信号は、信号ブロック710の対応する入力部711.1〜711.Kに供給される。1つの実施形態において、この信号ブロック710は、
図2において説明したように、増幅器制御装置210とまさに同様である。
【0069】
信号ブロック710の出力部712.1〜712.Kは、増幅器制御装置725のK個の出力部を表すとともに、K個の増幅器制御信号をこれらの増幅器に供給し、従って、これらの増幅器における増幅を制御するべく、増幅部704.1における増幅器の制御入力部と接続される。これらの出力部712.1〜712.Kは、K個の増幅器制御信号をこの増幅器に供給し、従って、これらの増幅器における増幅を制御するべく、増幅部704.2における増幅器の制御入力部とも接続される。増幅器制御信号730.k(ここで、kは1〜Kに等しい)は、これらの増幅器における増幅を制御するべく、増幅部704.1の増幅器A
k及び増幅部704.2の増幅器A
kの両方に供給される。
【0070】
本発明によれば、増幅器制御装置725は、2K個の包絡線信号の1つより多くに基づいて、増幅器制御信号の1つを生成するように構成される。特に、増幅器制御装置725は、2K個の包絡線信号の全てに基づいて、増幅器制御信号を生成するように構成される。特に、増幅器制御装置725は、2K個の包絡線信号の全てに基づいて2K個の増幅器制御信号の全てを生成するように構成される。これは、信号ブロック710における信号結合回路(これは、
図2の信号結合回路219である)が、自己の入力部に供給された全ての信号を、併せて加算することによって達成される。
【0071】
図7に係るダイナミックレンジ圧縮器は、増幅器制御装置710が、ブロードバンドステレオ信号が過渡的な挙動を示す場合には、2つのステレオ信号についての異なるサブバンドに対して異なる増幅係数を生成するように構成されるとともに、ブロードバンドステレオ信号がほぼ定常的な挙動を示す場合には、両方のステレオ信号の異なるサブバンドに対してほぼ等しい増幅係数を生成するように構成されるように動作する。
【0072】
さらに、ダイナミックレンジ圧縮器は、増幅器制御装置710が、2つのステレオ信号の1つにおける1つのサブバンドにおける増幅器制御を、このサブバンドにおいて過渡的な挙動が生じる場合には、2つのステレオ信号の他のサブバンドにおける増幅器制御から分離するように構成されるように動作する。
【0073】
特に、ダイナミックレンジ圧縮器は、増幅器制御装置710が、過渡的な挙動の終了後、2つのステレオ信号についての全てのサブバンドに対して、等しい増幅係数を生成するべく、全てのサブバンドにおける増幅器制御を結合するように構成されるように動作する。