(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
少なくとも、(i)ビークルのエネルギー貯蔵装置のチャージ状態、(ii)ビークルの計画された運行ルートに対応するルート情報、(iii)予測されたドライバ特性、に対応する情報を受け取るステップと、
受け取った前記情報を使用して判定し、前記ビークルのドライバに、前記計画された運行ルートに対する第1の「エネルギーvs距離の尺度」を提示するステップと、
ユーザにより設定される、少なくとも前記ドライバ特性の変更に対応するユーザ入力を受け取るステップと、
受け取った前記情報および前記ユーザ入力を使用して判定し、前記変更を考慮に入れた前記計画された運行ルートの第2の「エネルギーvs距離の尺度」を前記ドライバに提示するステップとを備える方法。
前記計画された運行ルートの一部について前記ビークルが運行された後、前記ユーザ入力が受け取られ、前記計画された運行ルートの運行された部分に基づいて前記終点のチャージ状態のパーセンテージを判定するステップを更に含み、判定されたチャージ状態のパーセンテージの表示を前記グラフに提示するステップとを含む請求項8に記載の方法。
前記計画された運行ルートが、出発地点と終了地点とを含み、前記方法は、前記計画された運行ルートに、電動のビークルのためのチャージ地点に対応する充電中間地点を追加するステップを更に含み、前記充電中間地点の追加に基づいて現在の「エネルギーvs距離の尺度」が再計算される請求項1に記載の方法。
前記エネルギー貯蔵装置の充電状態に応じて、前記ドライバに代替の充電中間地点を提示するステップを更に含み、前記充電中間地点が、前記ドライバの選択に基づいて前記計画された運行ルートに追加される請求項10に記載の方法。
前記ドライバが、前記チャージ地点を指定する情報を入力し、前記入力された情報を用いて、前記充電中間地点が生成されるとともに前記計画された運行ルートに追加される請求項10に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書は、ユーザに1つ以上のエネルギーvs距離の尺度を提供する旅程計画立案のためのシステムおよび技術について説明する。いくつかの実施形態では、システムは、車両(ビークル)に対して計画された旅程の初めに、どれ位のエネルギー(例えば、電気自動車におけるバッテリ充電、あるいは内燃機関車両における燃料)が計画された旅程の終わりに残っているかを示す尺度を提供することができる。旅程の中の任意の時点において、車両に実際に残っているエネルギーは、予測における1つ以上の誤差により、予測された量から異なる可能性がある。その場合、システムはドライバに、ドライバが残りの旅程において運転の仕方(例えば運転スタイル)を変えたらエネルギー消費(1つ以上のエネルギーvs距離の尺度によって示される)がどのように変わるかを評価する方法を提供することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、1つ以上の原因によるエネルギー消費の予測における誤差の蓄積は、それが予測において基礎をなすエネルギーモデルに関わることから「モデル誤差」と呼ばれる。全旅程は、原理的にはコンピュータベースの多数の道路セグメントにより構成できる。車両が1つ以上のセグメントを通過した後で、この旅程における後知恵によりエネルギー消費を見積もることができる。後知恵によるエネルギーの推定は、ある程度は、通過したセグメントにおけるドライバの実際のスピードが知られていたとして旅程の初めに予測されていたであろうエネルギー消費を表す。後知恵によるエネルギーは、通過したセグメントの数に亘って合計される。そしてモデル誤差は、まず後知恵による全エネルギー消費を実際に消費されたエネルギーから減算し、次にこの差を後知恵によるエネルギー消費で除算することで計算される。
【0010】
これに対して、ドライバ誤差は、予測されたドライバの行動からのドライバの行動の違いから得られる累積誤差として定義できる。幾つかの例を単に列挙すると、これはドライバが進めるスピード、ドライバが空調や動力を使用する他の機能を起動したか否かを含む。ドライバ誤差は、まずセグメントに亘る予測されたエネルギー消費を後知恵によるエネルギー消費から減算し、次にこの誤差を後知恵によるエネルギー消費で除算することで計算できる。すなわち、予測されたエネルギーは、ここでは予測された1つ以上の通過セグメントに亘るスピード、実際のものではなく、を利用して作成された推定である。
【0011】
モデル誤差とドライバ誤差は、ユーザに提供されたエネルギーvs距離尺度に影響し、本明細書において後に例示される。
【0012】
図1は、エネルギー制約を用いる車両(ビークル)のナビゲーションを実行するシステム100を模式的に示す。ユーザインタフェース102では、ユーザは起点104と目的地106を入力する。いくつかの実施形態では、起点は自動入力できる(例えば、現在のGPSデータに基づき)。この情報は、システムにおける旅程計画立案コンポーネント108へと提供される。例えば、旅程計画立案コンポーネントは、1つ以上のソフトウェアモジュールとして実装可能である。旅程計画立案コンポーネント108は、ルート探索オペレーション110を実行する。特定された起点から特定された目的地へのルートが決定される。決定されたルート、車両の詳細、通過する道路セグメントに関する情報に基づき、システムはエネルギー推定オペレーション112を実行する。エネルギーの算出は、目的地への運航で車両がどれ程のエネルギーを必要とするかを決定する(例えば、何キロワット時の電荷、あるいは燃料の量)。
【0013】
オペレーション110は、1つ以上のナビゲーションツールを利用でき、エネルギー推定オペレーション112は、1つ以上の道路負荷式を利用できる。両オペレーションは、データソース113から1つ以上のタイプのデータを考慮することができる。データタイプの例としては、車両のプロフィール(例えば、オプション装備を含めた車両のタイプとモデル)、車隊(フリート)プロフィール(例えば、平均バッテリ消費データあるいはドライバの行動など、車両のフリートから集められたデータ)、ドライバ誤差、モデル誤差(例えば、以下に説明される)、道路ネットワークデータ(例えば、道路セグメントの長さ、坂や表面のタイプ)、天候データ(例えば、風や降水を考慮したローカルな情報)や交通データが含まれるが、限定されるものではない。あるデータソース情報は、例えば、現在の天候や交通情報を斟酌するため、あるいは現ドライバにドライバ誤差を適合させるために、連続的にアップデートされる。
【0014】
エネルギー推定からの出力は、システムのユーザインタフェース114のアップデートにおいて利用されてもよい。いくつかの実施形態では、地図インタフェース116は、例えば目的地で残っているであろうと予測されるエネルギー量を表示するためにアップデートされてもよい。いくつかの実施形態では、解析用インタフェース118は、例えば、エネルギーvs距離のチャートを表示するためにアップデートされてもよい。これらのインタフェースの一方あるいは双方ともに、利用し易い形で、どれ程のエネルギーが車両に残っているかを示すエネルギーvs距離の尺度を提示できる。これらのインタフェースの例について以下で説明する。
【0015】
エネルギー推定オペレーション112は、分岐質問120、この例では:目的地における残存エネルギーが十分か?とする質問に対する答えを決定する。すなわち、エネルギー推定は、車両が旅程の目的地に着くのに十分なエネルギーを現在備えているか、あるいは、車両は途中、充電あるいは給油されるべきであるかの何れかを示す。この例では、質問120に対する可能な答えは、Yes(122A)、No(122B)、Yesであるがエネルギーレベルが低い(122C)である。もし答えがYes(122A)の場合、旅程計画立案コンポーネントは、新たな推定が実行されるまでの間、基本的にアイドル状態に維持することができる。例えば、エネルギー推定は、データソース113からの新たなデータ(存在するなら)を斟酌できるように一定の間隔で繰り返されてもよい。
【0016】
もし答えがNo(122B)の場合、システムは、オペレーション124を実行でき、確認された1つ以上の充電オプションのリストが生成される。これはその車のために計画されたルートを考慮して、ソース126の充電スタンド(チャージステーション)を利用できる。例えば、充電スタンドは、バッテリの充電、バッテリ交換、および/または、燃料補給を提供できる。作成されたリストに基づき、システムは、利用可能な1つ以上の充電オプションが見つかっているかを判定するための分岐質問128を実行する。このような判定の結果は、ユーザインタフェース130における1つ以上の処理を起動可能である。いくつかの実施形態では、システムは、計画されたルート(132A)へ1つ以上の充電中間地点(チャージ中間地点)を自動的に追加でき、システムは、ユーザ選択(132B)のための1つ以上の充電中間地点を推奨でき、あるいは、ユーザはシステムに知られていない1つ以上の充電中間地点(例えば非公開の充電設備)をマニュアルで追加できる。例えば、オペレーション124で結果がないときには、ユーザはオプション132Cのみを利用でき、これに対してYesのときには、3つ全てのオプション132A〜Cが利用できる。オプション132A〜Cの何れかの後では、旅程計画立案コンポーネント108のオペレーション110が再び実行され、中間地点を含む正しいルートを探索し、エネルギー推定の更新を行う。
【0017】
質問120に対する答えがYesであるが、低エネルギーレベル(122C)のときには、システムは、ユーザインタフェース136において実行可能な低消費のための助言134を提示できる。例えば、システムは車両をより効率的に運転すること(低速であるいは加速を減らすことなど)、ドライバが電力を消費する特徴(例えば空調システム)を停止すること、あるいはドライバがサンルーフや他の車両の閉鎖部を閉じること(空力特性を改善できること)を推奨できる。
【0018】
旅程の前あるいは途中における1つ以上の地点において、ドライバは、「What if(仮想)」シミュレーションをユーザインタフェース138で実行することができる。僅かな例を単に例示すれば、「What if」シミュレーションは、ドライバが車両のエネルギー消費が特定の運転スタイルあるいは空調コントロールの使用によりどのように影響を受けるか探れるようにする。いくつかの実施形態では、ドライバは、例えば仮の速度、および/または空調制御値を入力することにより入力140を実行でき、システムは、そのような制約を考慮しつつエネルギー消費をシミュレートすることができる。例えば、「What if(仮想)」シナリオの結果は、マップ116に(例えば、予測された残存エネルギーに基づきルートセグメントを表示することにより)、あるいは、解析用インタフェース118に(例えば走行距離の関数として予測された残存エネルギーを表示することで)提示できる。
【0019】
ドライバは、ユーザインタフェース142を用いてルートを修正できる。例えば、修正144は、1つ以上の中間地点をルートへ追加すること、あるいは計画されたルートを往復旅行にすることが含むことができる。別の例としては、変更146は、1つ以上の点でルートを変更することを含むことがでる(風光明媚な地域を経由した迂回路を組み込むことなど)。
【0020】
ユーザインタフェース102、114、130、138、142は、1つ以上のディスプレイ装置に生成できる。いくつかの実装形態では、車両は、車両の設定を制御するのに使用する独自の表示画面を有しており(例えば、タッチスクリーン)、このようなディスプレイは、本明細書で説明されるインタラクション(対話処理)のいずれにも使用することができる。別の例として、インタフェースは、1つ以上のモバイルデバイスや他の携帯機器に組み込むことができる(例えば、スマートフォンやGPSデバイス)。
【0021】
図2A〜Cは、車両が計画された目的地に到達するのに十分なエネルギーを備えると判定されたときの例を示す。すなわち、これは如何なる追加の充電中間地点を設定する必要がない結果Yes122A(
図1)に対応する。この例は、ユーザインタフェース200を用いて説明され、例えば、いくつかのディスプレイ装置においてドライバに提示される。ユーザインタフェースは、検索ボタンとテキスト入力フィールドなどを有する検索機能202を備える。ここでは、検索は「サクラメント」を検索するものであり、マップ領域204は、検索結果であるカリフォルニア州、サクラメントを表示するようにアップデートされる。マップ領域は、適切なバックグラウンドに対して1つ以上のルートを提示し(例えば、地図や衛星画像)、ドライバに有用な情報を表示することができ、これには、車両の現在位置、エネルギー状態(例えば、バッテリ充電のレベル)と残りのルートの予測が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
探索結果のための情報ボックス206が提供され、このボックスは、この地域から現在車両がどのぐらい離れているかを示す(この例では120マイル)。更に、情報ボックス206は、その目的地(この例では、カリフォルニア州サクラメント)への新たな旅を開始するためにコントロール208を提供する。ドライバがコントロール208を作動させると、これはユーザインタフェース102(
図1)で行われる入力に対応させることができる。すなわち、これは、旅程の原点(車両の現在位置)と目的地とを、例えば上述したように旅程計画立案コンポーネントに入力することを可能にする。これにより旅程のためのエネルギー推定が実施され、図示されるように、この例では、車両が全体の旅程に十分なエネルギー(例えば、十分なバッテリ充電)を既に備えていることを仮定している。
【0023】
従って、ユーザインタフェース200は、例えば
図2Bに示されるように、旅程の開始時を反映するようにアップデートできる。ここで、マップ領域204には、新たに車両の現在位置だけでなく、この旅行のために決定されたルートの最初のセグメントが示される。更に、ターンバイターン(経路誘導)のドライブ指示と目的地フィールド212を提示するインフォメーション領域210も表示される。目的地フィールドは、目的地の名前と目的地までの距離だけではなく、運行において予測されるタイミング情報(例えば、推定所要時間と到着時間)を含む。
【0024】
目的地フィールド212は、エネルギーインジケータ214も含み、車両が目的地に到着したときに残っていると予測されるエネルギーレベルを示す(この例では、50%のエネルギーが残存している)。すなわち、目的地と関連づけられたエネルギーインジケータ214は、エネルギーvs距離の尺度の1例である。エネルギーインジケータと車両のルートは、車両が再充電あるいは再給油しなくても目的地に到達するのに十分なエネルギーを備えると推定されることを反映するために、色付け(あるいはシェーディング、パターン化さるなど)されることも可能である。例えば、ルートとエネルギーインジケータを緑色で表示してもよい。
【0025】
インジケータ216は、エネルギーインジケータ214の値が現在向かっている方向を反映する。この例では、上向きの矢印は、予想残存エネルギーが、現在表示されている値よりも高くなる傾向にあることを意味する(すなわち、50%よりも上)。この傾向は、運転速度や空調コントロールの使用などのエネルギー効率に影響する因子のモニタに基づく。すなわち、車両がエネルギー推定において仮定されたものよりも遅い速度で現在運転されていれば、これは予測よりも低いエネルギーが消費されることを示し、インジケータは上向きの矢印として提示することができる。同様に、車両が予測計算におけるものよりも多いエネルギーを消費する方法で運転されていれば、下向きの矢印を表示できる。
【0026】
ユーザが旅程概観コントロール218を選択する場合、ユーザインタフェースは旅程全体に関しての情報を表示するためにアップデートすることができる。
図2Cは、この一例であり、マップ領域204は、このとき車両の現在位置を示すマーカーとともに、旅程全体のルートを示す。ユーザインタフェースは、計画された旅程に関する旅程情報領域220も表示する。旅程情報領域はエネルギーインジケータ(現在80%)とともに現在の位置を示すとともにエネルギーインジケータ214とともに目的地を示す。ルートエレメント222は、現在の位置と目的地との間のルートを表し、州間高速自動車道I−80を通って2時間掛かると予想されるなど、幾つかの関連情報とともに提示される。ルートエレメントは、マップ領域204内のルートとエネルギーインジケータ(例えば緑)と同じ色(またはシェードやパターン)を有する。色付け/シェーディング/パターン化されたルートエレメント222は、エネルギーvs距離の尺度の別の1例である。
【0027】
ここでの例は、様々なシステムの利用者としての車両(乗り物)のドライバの観点から説明されている。これは単に簡略化を目的としてなされたものであって、説明されるシステムや技術は適切な法律やレギュレーションを満足する仕方でしか用いられないこととを意図している。例えば、ドライバは、システムを安全に操作する前に車両を停止する必要があるであろう。
【0028】
ドライブ・シミュレータ・コントロール224は、ドライバが運転行動や車両セッティングの幾つかの面を変更することによるエネルギー関連効果を調べることを可能し、以下の例で説明される。
【0029】
図3A〜Eは、車両が計画された目的地に辿り着くのに十分なエネルギーを持っておらず、ユーザが充電中間地点をマニュアルで追加した例を示す。すなわち、これはエネルギー充足判定の結果がNo(122B)となる
図1のシナリオに対応し、オプション132Cへと続く。
【0030】
先の例と同様に、ドライバは探索機能202を使用し、ここでは「ロサンゼルス」と代わりに入力する。それによりマップ領域204と情報ボックス206は、今度はカリフォルニア州ロサンゼルスがドライバの探索に対する結果であることを反映する。この例では、その場所は、車両の現在の位置から350マイルである。
【0031】
ドライバがコントロール208を作動させると、目的地へのルートが決定され、エネルギー推定が実行され、車両が全旅程に十分なエネルギーを現在備えるか否かを判定する。この例では、車両は途中で再充電/再燃料補給される必要があると想定されている。
【0032】
そのためユーザインタフェース200は、
図3Bに示されるようにアップデートされ得る。すなわち、マップ領域204は、今度は、ルートエレメント300A〜Cで示される全体のルートを示す。旅程情報領域220は、現在位置(車両が80%の充電残量を有する)とエネルギーインジケータ214が30%の不足(すなわち−30%)を示す目的地とを表示する。旅程情報領域におけるルートエレメント222A〜Cは、マップ領域におけるルートエレメント300A〜Cにそれぞれ対応する。各ルートエレメントは、そのルートの部分に亘り予測される残存エネルギーレベルを反映して色付け(またはシェーディングあるいはパターン化)できる。色付け/シェーディング/パターン化されたルートエレメント300A〜Cは、エネルギーvs距離の尺度の実例である。
【0033】
例えば、ルートエレメント300A、222Aに対応する旅程部分では、エネルギーが十分であると予測され、これらのルートは緑に色付けできる。しかし、旅程におけるある地点では、車両に蓄えられたエネルギー(例えばバッテリ充電)が、予め設定された閾値(例えば残り10%)を下回ると予測される。そして、これはルートエレメント300B、222Bの開始位置を決定し、これらのルートエレメントは、違う形でハイライトされてもよい(例えば黄色で)。最後に、予測は車両がエネルギー切れとなることを示し(再充電/再燃料補給されなければ)、これはルートエレメント300C、222Cで示され、それに応じてハイライトできる(例えば赤で)。しかし、適切な対策が取られそのような状況が生じないように、システムは警告302をドライバに提示できる。
【0034】
充電中間地点のマニュアルでの追加を示すために、ここではシステムが、計画されたルートに沿った利用可能な充電スタンドを全く知らないと仮定する。すなわち、この例は、ソース126(
図1)が、この特定のルートにおいてこの車両の要求に合致する充電中間地点を全く含まないことを前提としている。
【0035】
ドライバは、その場合、システムに充電できる場所について教えることができる。すなわち、ソース126(
図1)は、全ての公共の充電スタンドを含むことを期待されるが、ドライバは、ドライバが利用可能であると知っているプライベート、あるいは半プライベートな充電スタンドに関してシステムをアップデートできる。ここでドライバは、検索機能202に「ベーカーズフィールド、オールドリバー通り5550」と入力し、ユーザインタフェースは、
図3Cに示されるようにアップデートされる。そしてマップ領域204は、カリフォルニア州ベーカーズフィールドの周辺地域を表示し、中間地点ボックス304が表示される。中間地点ボックスは、この地点への距離(ここでは255マイル)を示し、この地点を中間地点として旅程に加えるためのコントロール306を提示し、一方、コントロール308はその代わりに、ドライバが新たな旅行を開始することを可能にする。ルートエレメント300Aが、ここでは視認でき、新たな地点が元の計画されたルートに近いことを示す。この例では、ドライバはコントロール306を作動させ、そしてシステムは、ルートに中間地点が追加された違いの下、再度ルート決定とエネルギー推定を行う。
【0036】
図3Dは、中間地点が追加された後のユーザインタフェース200の例を示す。このとき、新たな地点(すなわちカリフォルニア州ベーカーズフィールド)が中間地点として旅程に追加されているが、システムはこの中間地点における追加の充電をまだ全く考慮していない。したがって旅程情報領域は、ベーカーズフィールドに関する中間地点領域310とともにアップデートされ、この領域には、この中間地点に到達する上での車両の残存エネルギーの予測レベル(ここでは19%)を示すエネルギーインジケータ312が含まれる。また、最終目的地におけるエネルギーインジケータ214は、今度は−30%ではなく−32%を示し、元のルート(例えば州間高速自動車道)から離れ、ベーカーズフィールドで特定された場所を訪れるのに車両が少量のエネルギー(ここでは約2%)を消費することを反映する。結局、警報302は、計画された最終目的地に到達するには充電する必要があることをドライバに依然通知する。
【0037】
中間地点領域310のコントロール314は、この中間地点において車両が充電(または、場合に応じて、その電気バッテリの交換、再燃料補給)されることをドライバが指定できるようにする。ユーザがコントロール314をアクティブにすると、これはシステムがベーカーズフィールドを充電中間地点として特定するための引き金を引き、ユーザインタフェース200は、
図3Eに図示されるようにアップデートされる。
【0038】
ここで、コントロール314は、アクティブ状態を示すように変更され、中間地点領域310にインストラクション316が提示される。この例では、ドライバは、車両を少なくとも62%の状態まで充電するように指示され、ここでは車両のバッテリに31kWhを追加することに対応する。そして目的地に対するエネルギーインジケータ214により、目的地に到着すると車両が10%のエネルギーを残していることが予測される。すなわち、充電中間地点がルートに追加されるとき、システムは、目的地に着いたときにどれぐらいのエネルギーが残存するべきか(この例では10%)を示す閾値から開始してもよい。その場合システムは、閾値を満足するようにインストラクション316を構成できる。
【0039】
マップ領域204は、新たに追加された場所で車両が充電されるべきことを示すマーカーとともにアップデートされてもよい。また、ルートエレメント300A〜C(例えば
図3Bに示す)は、車両のエネルギー状態における変化を反映するために変更されてもよい。例えば、ここでの第1ルートエレメント318Aは、充電中間地点までの旅程の第1部を表す。第2ルートエレメント318Bは、再充電(再燃料補給)と、車両のエネルギーレベルが予め設定された閾値を下回ると予測される地点との間の旅程部分を表す。したがって、ルートエレメント318A〜Bを移動中は、車両は予め設定された閾値を上回っていると予測され、そのため、これらのエレメントは同じタイプの色/シェード/パターン(例えば、緑色)を持ち得る。これに対して、エネルギー閾値が既に満足されなくなった後の旅程の最後の部分を表す第3のルートエレメント318Cは、異なる方法でハイライトされてもよい(例えば、緑色の輪郭線により)。しかし、今では充電中間地点がルートに追加され、車両はもう先のルートエレメント300B〜C(例えば、
図3Bにおいて)の低エネルギーレベルには達するとは予測されない。
【0040】
図4A〜Dは、車両が計画された目的地に達するための十分なエネルギーを持っておらず、ユーザがシステムにより提案された充電中間地点を選択した場合の例を示す。先の例と同様に、ドライバはロサンゼルスを探索し、この目的地への新たな旅行を開始し、システムにより充電が必要であることが通知される。この点に関して、
図4A〜Bは、
図3A〜Bと同様である。しかし、この例では、システムは、少なくとも1か所の利用適可能な充電中間地点を知っており、そのため
図4Bは、警告302にコントロール400を含む。コントロール400は、特定のルートに依存する充電を行うのに利用できるオプションと現在のエネルギーレベルを提示し、ここでドライバはコントロールを起動する。
【0041】
図4Cは、ユーザインタフェース200が、充電のために利用可能なオプションを表示するためにどのようにアップデートされ得るのかの例を示す。選択領域402は、ドライバが選択するための1つ以上の充電ストップを提示する。これらのオプションは、ドライバへの提案としてシステムにより提示され、これらはソース126(
図1)の充電スタンドから選択されてもよい。エネルギーを車に補充するための適当な施設であればどのようなものでも提示できる。例えば、オプション404Aはテスラ・スーパーチャージャに対応し、オプション404Bはテスラ・バッテリ交換ステーション(スタンド)に対応し、オプション404Cは充電ポイント(Charge Point)ステーション(スタンド)に対応する。オプション404A〜Cの各々は、利用可能情報406を提示でき、少なくとも1つのサービスアイコン408を提示できる。例えば、これはステーション(スタンド)において待ち時間がある可能性の有無を示すことができ、車両を充電している間にドライバ(また全ての乗員)が何をできるかを示すことができる。
【0042】
ここでは、オプション404Aが選択され(例えばデフォルトで)、これはシステムがマップ領域204に情報ボックス406を提示することを誘引する。情報ボックスは、特定のストップに関する情報を含み、また旅程に充電中間地点を追加するため、あるいは新たな旅行を開始するためのコントロール306、308もそれぞれ提示する。ここでは、ドライバはオプション404Aを旅程に追加することを選択する。
【0043】
追加された充電中間地点に基づき、システムは再度ルートを決定し、エネルギー推定を実行する。
図4Dは、ユーザインタフェース200がアップデートされたことを示し、旅程情報領域220には、ベーカーズフィールドへの充電中間地点410が含まれる。充電インストラクション412と他の関連情報は、充電中間地点領域に提示できる。したがって、エネルギーインジケータ214は、新たに追加された充電中間地点においてなされると予測される充電に基づきアップデートされる。
【0044】
いくつかの実施形態では、車両のコミュニケーション機器(例えば、内蔵3Gあるいは4Gデバイス)が、選択された施設の利用可能性を決定するために予約システムに遠隔アクセス可能であり、ドライバは、特定のオプションを選択する際に、予約された時間帯を割り当てることができる。
【0045】
図5A〜Dは、車両が計画された目的地に到達するのに十分なエネルギーを持たず、システムが自動的に充電中間地点を追加する場合の例を示す。これまで述べた例と同様に、ドライバはロサンゼルスを探索し、この目的地への新たな旅行を開始し、システムから充電が必要であることが通知される。この点に関して、
図5Aは
図3Aと同様である。しかし、この例では、旅程に充電が必要であることを検出すると、システムは自動的に充電中間地点を旅程に追加する。そのため
図5Bは、ユーザインタフェース200が、情報領域210が自動的に追加された充電中間地点に対応する充電中間地点500を示すようにアップデートされた状態を示す。すなわち、領域210は、ルート上のドライバに、車両がベーカーズフィールドの充電スタンドに到着するように指示し、その地点よりも先の残りの旅程はこの時点では表示されない。
【0046】
しかし、全旅程を概観するには、ドライバはコントロール218を起動でき、ユーザインタフェース200は、その場合、
図5Cに示されるようにアップデートされる。特に、旅程情報領域220は、今度は充電中間地点領域410を含む。ドライバが充電中間地点領域410を起動(例えばクリック、あるいは別の方法で選択)すると、例えば
図5Dに示されるように、それはより多くの情報を見せるために移動できる。ここで、充電を考慮したインストラクション412がドライバに提示される。
【0047】
図6A〜Cは、ユーザの選択、提案とカスタムルートの例を示す。
図6Aでは、ユーザインタフェース200は、選択領域600を含み、ここにおいてドライバは、システムがどのように旅程のルートを決めるのか、および/または、システムがどのようにエネルギー補充を処理するかに影響する1つ以上の入力を行える。特に、ルート選択602は、最速ルートあるいは最短ルートをシステムに選択させ、そして風光明媚なルートを考慮すべきかをドライバが選択可能にする。充電選択604は、充電中間地点を追加したときにシステムが自動的にルートを完成させ、あるいは走行前の充電を考慮すべきか、あるいは充電のための迂回路を考慮すべきかをドライバが選択可能にする。ユーザが1つ以上の選択肢を選択し、および/または、前に選択された選択肢を1つ以上クリアすると、システムは、妥当であればドライバの現在の選択肢を考慮する。
【0048】
図6Bは、システムがドライバに選択のためのオプションを提示する例を示す。例えば、旅程情報領域220は、ここではオプション608A〜Bを表示するオプション領域606を含む。例えば、オプション608Aは、短距離ルート(350マイル)を含み、これは1箇所の充電ストップしか必要としない。このオプションは、旅行をより速くするためにスピードを優先するドライバにとって魅力的かもしれない。これに対して、オプション608Bは、風光明媚なルートを含み、そのためより長距離のルート(500マイル)に対応し、これは2箇所の充電ストップを必要とする。それぞれのルートは、マップ領域204に表示できる。ドライバが選択するオプションは、それに応じてシステムがルートを計画立案する契機となる。
【0049】
いくつかの実施形態では、ドライバはカスタムルートを選択できる。ここではインストラクション608は、ドライバがルートを変更するために提示されたルートエレメントをドラッグできることを示す。例えば、
図6Cは、ドライバがより直接的なルートから始め、部分的にそれを再ルート設定し、そのため最初はルートが海近くを通っている例を示す。次にカスタムルート領域610が、ユーザインタフェース200に提示でき、現在の関連情報(例えば、総距離、および/または、推定移動時間)を提示でき、更にドライバがルート変更をもとに戻すことを可能にする。
【0050】
図7A〜Cは、ドライブシミュレータを利用する例を示す。システムは、例えば、
図7Aに示されるように、ユーザインタフェース200の旅程情報領域220にドライブ・シミュレータ・コントロール700を提示できる。ドライブシミュレータは、運転の仕方あるいは車両設定の1つ以上の変更により現在のエネルギー推定がどのように影響されるかをドライバが調査可能にする。この時点においてエネルギー値は、以下の通りである:エネルギーインジケータ312によれば、車両は充電中間地点に到着するときに20%の残存エネルギーを有すると予測され、エネルギーインジケータ214によれば、車両は目的地に到着するときに10%の残存エネルギーを有すると予測される。
【0051】
ドライバがドライブ・シミュレータ・コントロール700を起動すると、ドライブシミュレータは、例えば
図7Bに示されるように開始可能である。ここでドライブシミュレータ領域702が提示され、これは速度シミュレータ704と空調シミュレータ706を含む。速度シミュレータから開始し、これは予測される運転の基本的なスタイルよりも速いあるいは遅い速度をドライバが選択した場合、予測される充電レベルがどのように変化するかをドライバが評価可能にする。例えば、特定のルートセグメントに対してシステムが使用するデフォルトの運転速度が65mphであり、ドライバが、速度シミュレータ704を用いてより速い速度(ここでは70mph)を選択すると仮定する。言い換えれば、これはドライバがシステムに以下の質問をするものと考えられる:エネルギー消費の観点から、このルートセグメントをシステムによって予測された65mphの代わりに70mphで運転したらどうか。コントロール708は、「what if」シナリオが旅程における全てのルートに適用されるべきか、あるいは現在のルートセグメントのみに適用されるべきかをドライバが特定できるようにしている。ここでは、このコントロールが、旅程全体に亘ってwhat−ifシナリオを適用するように作動されている。
【0052】
ドライバの入力に対応して、システムは、ドライバのwhat−ifシナリオを用いて、すなわち70mphの値を用いて、エネルギー推定を実行する。その結果、システムはベーカーズフィールドにおいて残存すると予測される10%のエネルギーを反映するためにエネルギーインジケータ312をアップデートする。すなわち、ドライバは、この運転スタイル(すなわち、より高速)が、what−ifシナリオの前に予測された20%ではなく、バッテリ(あるは燃料)レベルを10%レベルまで低下させることを知ることができる。目的地におけるエネルギー残量(エネルギーインジケータ214で示される)は、このwhat−ifシナリオでは変化するとは予測されない。その理由は、システムが運転の仕方におけるこの仮定的な変更を補償するようにベーカーズフィールドにおける推奨充電量を増大できるからである。すなわち、このときシステムは、what−ifシナリオの前に予測された31kWhよりも多く追加するようにドライバに指示する。したがって、目的地におけるエネルギー残量は、what−ifシナリオにおいても10%に維持される。
【0053】
エネルギーインジケータ214及び312は、画面がシミュレーションを示し実際の値でないことをドライバに気付かせるために共に強調表示される。例えば、強調には破線によるアウトラインの表示が含まれ得る。地図内のルートエレメント領域204は、同様の方法で強調されてもよい。そのような強調(例えば破線)以外にも、ルートエレメントは、what−ifシナリオにおいてその強調が有効である限り、それまでの色/シェーディング/パターン(例えば、緑色あるいは緑のアウトライン)を維持することもできる。緑色は閾値以上のエネルギーが残っていることを示すとする。この場合、ルートエレメントは、シミュレートされた変更がルートのその部分で車両を閾値以下にしない場合、what−ifシナリオにおいて緑色に着色され続ける。
【0054】
上記例では、速度は絶対数値(例えば70mph)として設定された。いくつかの実施形態では、ドライバは別の方法で情報を入力できる。例えば、ドライバはΔ値(例えばシステムの予想速度の5mph上あるいは下)を入力することで速度を設定できる。このような設定は、ルートが異なる予想ドライバ速度(例えば、65mphのセグメントと55mphのセグメントの両方)のセグメントを含む場合にも適用することができる。別の例として、速度はパーセンテージで入力することができる(例えば、システムの予想速度の10%上または下)。
【0055】
空調コントロールシミュレータ706に関して、そのデフォルトの設定が「オン」であり、ドライバがwhat−ifシミュレーションの一部として代わりに「オフ」に変更すると仮定する。このときシステムは、これを(同時にアクティブとされているかもしれない他の何らかのwhat−ifシナリオと共に)エネルギー推定において考慮し、結果を類似の方法で提示する。例えば、空調コントロールをオフにすると、いくらかのバッテリエネルギーが節約され、代わりに予測レベルが増加すること予想される。
【0056】
ドライバがシステムにおいて何らかのWhat−ifシナリオを実行しているかどうかに拘らず(実際には、特定の実装がその能力を提供しているかにより)、システムは、例えば
図7Cに示されるように、ドライバに推奨するシナリオを提供することができる。例えば、ベーカーズフィールドの充電中間地点のインジケータ312が現在5%を示していると仮定する。これは、運転中にその値が以前の予測レベル(例えば、
図7A参照)から減少したことを意味する。
【0057】
予測値の変化は、現在のエネルギーレベルが予想よりも低く(または高く)、経路に沿ってさらに予測が減少(または増加)するという点でエネルギー予測における誤差とみなされる。予測誤差を検出すると、システムは、推奨領域710をドライバに提示することができる。ここで、推奨712Aは、ドライバがより効率的な運転をすることを奨励し(すなわち、巡航速度を60mphに設定し)、推奨712Bは、ドライバがサンルーフを閉じることを提案する。
【0058】
いくつかの実施形態では、推奨712A〜Bの少なくとも1つは、同様の推奨を実施するためのコントロールであってもよい(あるいはコントロールを含んでもよい)。例えば、ドライバは推奨712Bをクリックして、車両のコントロールシステムを起動してサンルーフを閉じることができる。もちろん、ドライバはそのような推奨を通常の方法で実行することができ、この変更は、僅かな例を挙げると、ゆっくりと運転すること、サンルーフを閉じること、または空調コントロールをオフにすることによって実行される。
【0059】
図8A〜Cは、本システムが提示する例を示し:初期予測800、ドライブ中の動的予測802、そしてユーザ入力に基づく「What−if」シナリオ804が示される。このような画面の各々は、ディスプレイ806上に表示することができ、これは補助ナビゲーション装置(例えば、GPSユニット)上、または車両に元々備えられたディスプレイ上などに表示できる。
【0060】
予測800、802、804は全て、距離または時間の関数としてエネルギーをプロットする座標系を利用する。ここでは、例えば、残存エネルギーのパーセンテージが垂直軸に対して示され、旅程距離が水平軸に対して示される。予測されるエネルギーレベルを距離(あるいは時間)の関数として視覚的に提示する他の方法を使用してもよい。
【0061】
座標系は開始値808と終了値810を含む。開始値は、旅行を開始するときに車両において利用できるエネルギー量に対応し(例えば、電気自動車の充電状態、この例では約80%)、終了値は旅行の終わりに残存していると現在予測されるエネルギー量に対応する。ここで、この値は20%であり、これはエネルギーインジケータ812にも反映される。ある意味この旅行は、経路814に沿って開始値「から」終了値「まで」走行するものとして予測される。すなわち、経路814は現在、利用可能なモデルに基づく予測であり、旅行が行われたときに車両が実際に従うエネルギー消費経路は、経路814とは異なる可能性がある(例えば、モデル誤差および/またはドライバ誤差により)。経路814は、エネルギーvs距離の尺度の一例である。
【0062】
予想される残存エネルギー(すなわち、最終値810およびエネルギーインジケータ812に反映される)の初期推定では、いくつかのタイプの情報を考慮に入れることができる。いくつかの実施形態では、以下のものが使用できる:
道路セグメントの定義(例えば、緯度/経度の詳細)
要求セグメントデータ(例えば、道路の種類、速度制限)
交通情報(例えば、交通速度に関するリアルタイム情報)
標高プロファイル(セグメントの勾配)
パラメータ化されたエネルギー消費式
車両パラメータ(例えば、空気抵抗係数、タイヤ転がり抵抗、あるいは車両重量)
適用可能であれば、車両の回生電力の制限(「回生」)
駆動系の効率(例えば、経験的なデータから得られる)
向い風、横風の計算(例えば、NOAAや他の気象データ源から得られた現在のデータに基づく)
抗力係数に対する横風効果(例えば、特定の車両モデルの空気力学、車両速度および方向、風速および方向について決定される)
空気密度の計算(例えば、現在の気象データを使用する)
キャビン消費量の計算(例えば、実験的に得られたキャビン消費モデルを使用する)
予測される内部バッテリ損失の計算(例えば、車両のDCエネルギー消費に基づく)
【0063】
パラメータ化されたエネルギー消費式は、セグメントおよび車両の特定の特性を考慮に入れている。いくつかの実施形態では、特定のセグメントに対する平均道路負荷電力は、道路負荷式を用いて計算することができる。例えば、道路負荷式は、車隊(車両のフリート)から得られたドライブパラメータを考慮に入れることができ、パラメータには、速度比(例えば、予測平均二乗速度を予測平均速度で割ったもの)、予測平均ポジティブ加速(例えば、車両特有または車隊ベース)、および回生パラメータ(例えば、回復可能な全エネルギーのうちの回収パーセント)が含まれるが、これに限定されるものではない。
【0064】
ルート上の各地点の気象は、格子状の気象立方体から、あるいは予測ルートに沿った離散的な地点の気象から補間することができる。いくつかの実施形態では、気象は緯度、経度、および時間に関して格子化された関数とすることができる。例えば、空気密度は、外気温、相対湿度、および標高の関数とすることができる。周囲の地表面温度と相対湿度は、緯度、経度、および時間の関数である。
【0065】
回生動力の限界を利用することができる。いくつかの実施形態では、予期される回生トルクが回生トルクの限界を超えると、余った動力をブレーキ内で散逸できる。例えば、回生トルクの限界は、平均速度の関数であってもよく、ルックアップテーブルの形で提供され得る。このトルクの限界は、予測される利用可能なバッテリ充電電力によって飽和され得る(例えば、バッテリが満杯であれば、それ以上のエネルギーを受け入れることができず、回生トルクの限界は飽和しゼロになる)。
【0066】
内部バッテリの損失は、全旅程に亘るバッテリからのエネルギー加重出力(energy weighted power)の関数となる。いくつかの実施形態では、エネルギー加重平均放電電力(an energy weighted average discharge power)が与えられると、利用可能な予想出力エネルギーが決定できる。例えば、そのような計算は、車両内のバッテリ管理システムによって実施できる。
【0067】
動的予測は、旅行中の1つ以上の地点で実行される。いくつかの実施形態では、計算は基本的に連続的に行われる。新しい予測が実行されると、現在の状況をドライバに知らせるために座標系を更新することができる。例えば、エネルギーインジケータ812を更新することができる。
【0068】
図8Bは、運転中に動的予測を提示する例を示す。ここで車両は、座標系の水平軸に沿った位置816に現在あり、これは125マイル、すなわち計画された旅程の約半分を走行した車両に対応する。最初に予測された経路814は、ここで、より太い線で示される別の経路818によって補完される。経路818上の値820は、車両の現在の残存エネルギーレベル(すなわち、40%)を反映し、これもエネルギーインジケータ822によって示される。値820は、経路814上の対応する地点よりも座標系において低いエネルギーレベルにある。すなわち、現在車両には、ルート沿いのこの走行距離において最初に予測されたエネルギーよりも少ないエネルギーしか残っていない。経路818は、エネルギーvs距離の尺度の一例である。
【0069】
経路818は、実際の構成要素818Aと予測された構成要素818Bとを備える。実際の構成要素は、これまでの旅程における車両の実際のエネルギー状態(すなわち、開始値から値820まで)を反映する。予測された構成要素は、これまでの実際のエネルギー値を考慮して、残りの旅程について動的に更新される推定値を反映する。すなわち、動的計算に基づいて新たな終了値824がここで決定され、これは以前予測された最終値との比較において下方修正(5%の残存エネルギーにまで修正)したことを表す。この動的に計算された終了値は、インジケータ812によっても示される。
【0070】
2つの経路818と814との間の相違は、予測誤差とみなすことができ、前述したように、このような誤差は、モデル誤差とドライバ誤差の2つの部分からなると考えることができる。モデル誤差は、車両のエネルギー消費をモデル化する際の欠陥に対応する(そして、これはドライバが予測に合わせて正確に運転したとしても起こる)。一方、ドライバ誤差は、ドライバによる移動中の実際の速度を予測する際の不十分さに対応し、例えば、車両が予想よりも遅くまたは速く運転され、および/または予測とは異なる仕方で加速されるなどに対応する。更に、ここで経路818と814との間のギャップは、モデル誤差とドライバ誤差に比例して旅程の残りの部分にわたって増加すると予想される。
【0071】
旅程のある時点で、ドライバは、車両のエネルギーが低くなり過ぎないようにするため何らかの措置を講じることを望むかもしれない。従って、システムは、ときにwhat−ifシナリオとしても参照されるドライバがシミュレーションされたシナリオを評価するためのコントロール826を提供する。
【0072】
コントロール826を作動させることにより、ドライバは異なる運転パラメータの影響を探るための1つ以上の入力機能を提供できる。ドライブシミュレータ領域702(
図7B)は、これに関するいくつかの例を示す。いくつかの実施形態では、ドライバは、残りの旅程において、車両をより低い速度で運転することを指定することができる。例えば、車両は現在まで、予測ドライバ速度よりも速い速度で運転され(すなわち、65mphではなく約75mphで)、空調コントロールは作動されていた。
【0073】
今、ドライバがwhat−ifシナリオをアクティブにすると仮定する。具体的には、ドライバが残りの道程の運転スタイルとして55mphを指定し、空調コントロールをオフにする。ドライバの入力情報に基づき予測が再計算され、what−ifシナリオが提示される。
【0074】
図8Cは、このようなwhat−ifシナリオで提示されるシミュレーション経路828の一例を示す。シミュレーション経路は、値820(what−ifシナリオが計算されたところ)からシミュレーションされた終了地点830まで引かれる。シミュレーション・エネルギー・インジケータ832は、バッテリが目的地において20%のエネルギーを残存すると予測されることを示す。シミュレーション経路とシミュレーション・エネルギー・インジケータは、それがシミュレーションであることを示すためにアウトラインを破線で示す。領域834は、what−ifシナリオが、車速を55mphに維持し、空調コントロールをオフにすることをドライバに知らせる。シミュレーション経路828は、エネルギーvs距離の尺度の一例である。
【0075】
What−ifシナリオは、車両の現在の位置(この例では125マイル地点)から再計算される前方予測モデル(forward looking model)を使用し、更に現在の残存エネルギー(この例では40%)を使用して決定される。重要なことは、前方予測モデルは、ドライバ誤差がゼロであると(すなわち、ドライバがwhat−ifシナリオの入力に示されるように行動すると)仮定する。例えば、what−ifシナリオは以下ように特定できる:
【数1】
ここで、
^simulatedは、what−ifシナリオにより予測される残存エネルギー
^predictedは、特定の設定(例えば、平均車速やキャビン設備)に基づき残存エネルギーを予測する関数
-v
userは、what−ifシナリオにおいてユーザが入力する平均速度
cabin
userは、what−ifシナリオにおいてユーザが入力する空調コントロール設定
wmodeiは、モデル誤差に適用される重み(例えば、0〜1の間の係数)
Model Errorは、what−ifシナリオを計算する地点(ここでは地点518)でドライバ誤差とともに全予測誤差を構成するモデル誤差
【0076】
すなわち、what−ifシナリオにより予測された残存エネルギーを決定する際に、ドライバが入力した速度情報およびキャビン設定が関数E
predictedにおいて考慮される。
【0077】
対照的に、インジケータ812によって反映される予測されるエネルギー(すなわち、what−ifシナリオを反映しない)は、例えば以下のようにモデル誤差とドライバ誤差の両方を考慮する:
【数2】
ここで、
-vは、モデルで仮定された車両の平均速度
cabin Onは、モデルが、空調コントロールシステムが作動していると仮定していることを示す
wdriverは、ドライバ誤差に適用される重み(例えば、0〜1の間の係数)
Driver Errorは、モデル誤差とともに全予測誤差を構成するドライバ誤差
【0078】
すなわち、what−ifシナリオなしで予測残存エネルギーを決定する際には、モデルの仮の平均速度とキャビン設定は関数E
predictedで考慮される。
【0079】
再び
図8Cを参照すると、システムは、車両の現在位置に基づいてwhat−ifシナリオの推定を更新するためコントロール836を提供してもよい。例えば、上記例では、コントロール836は旅程の途中で作動させることができ、次いで、車両を特徴付けるパラメータおよび値、更に旅程の残りの部分を使用して計算された情報により画面を更新する。別の例としては、システムはwhat−ifシナリオを基本的に継続的に更新できる。
【0080】
いくつかの実施形態では、車両は、製造業者や別の事業者(エンティティ)へのデータの大量報告に関与してもよい。例えば、車両は、車両が遠隔地に様々なデータを絶えずまたは定期的に報告することを可能にする通信機器を備えてもよく、そのようなデータは、その後、診断、サービス、カスタマーズリレーションズ管理、あるいは他の目的に使用され得る。車両の所有者およびその他の関係者(たとえば、乗客)のプライバシー、およびそれらに起因し得る、あるいは関連するデータは、適用される法律、法規、条例、その他の規則、および/または車両所有者との契約上の必要に応じて保護される。
【0081】
次に、車両がエネルギーを使い果たさないレベルでの快適性をドライバに提供することに係る別の態様について説明する。以下の説明では、電気自動車が例示的に使用される。いくつかの実施形態では、電気自動車は、最も近い充電スタンドから遠すぎる場所をドライバが移動しているときに、ドライバを警告するように構成されている。ある意味では、これは車両が圏外を走行しない保証をドライバに提供し、あるいはエネルギー切れのレンジ保証をドライバに提供するものと考えられる。一例として、システム100(
図1)のいくつかの特徴を使用することができる。レンジ保証は、ナビゲーション中に(例えば、
図3A〜
図8C)、および/または、車両がナビゲーションなしで運転されているときに提供できる。
【0082】
車両が駆動されているとき、車両システムは関連情報をモニタし、ドライバが利用可能なエネルギーレベルおよび利用可能なオプションに関する計算を実行する。いくつかの実施形態では、データソース113からの情報のような、オペレーション112(必要なエネルギーの計算)によって考慮される任意のまたは全ての情報を考慮に入れることができる。例えば、車の位置および電気エネルギー貯蔵装置(例えば、バッテリーパック)の充電状態(SOC)を判定できる。実行される別の計算は、車に関する走行不能な半径を決定することである。すなわち、半径はSOC、位置などの既知の情報に基づいて決定され、途中で充電が行われない限り、その半径で規定される円を超えて車両が走行することはできない。一方、円内の任意の地点には、現在の状況の下では潜在的に到達可能であるが、必ずしも確実であるとは限らない。
【0083】
計算された円は、1組の充電スタンドをサブセット、すなわち円内に位置する充電スタンドに絞り込む。この絞り込みは、車両がアクセス可能な充電スタンドのリストから行われる。いくつかの実施形態では、オペレーション124(確認された充電オプションのリストを生成する)は、充電スタンドのソース126を使用してこのタスクを実行することができる。例えば、過去に車両が訪れた充電器だけでなく、全ての既知の充電器(例えば、テスラモータズのスーパーチャージャ、および目的地の充電器)のリストを車両に格納し、この情報源として使用することができる。
【0084】
充電スタンドのサブセットはリアルタイムでモニタされる。システムは随時(例えば、1分間に1回、あるいはそれ以上のオーダで)、リスト上の充電スタンドを評価する。いくつかの実施形態では、サブセット内の各スタンドに対してエネルギー推定が実施される。例えば、各充電スタンドに対して、車両が現在の位置(すなわち、評価が行われたとき)からその充電スタンドまで走行するのにどれだけのエネルギーが掛かるかを評価することができる。現在の条件および状況に基づきサブセット内の充電スタンドの少なくとも1つに到達することができる限り、システムは、特別な出力を行わないか、そうでなければ、これらの計算が実行されていることをドライバに報知する。すなわち、ドライバは、レンジ保証がバックグラウンドで実行されていることに気付かないでいられ得る。
【0085】
車両が所与の充電スタンドに到達できるかどうかの判定は、閾値SOCを考慮に入れることができる。例えば、オペレーション112(必要なエネルギーの計算)は、車両が充電スタンドに到着したときに、エネルギー貯蔵装置に一定量のエネルギーを有する(特定のSOCに対応)と推定することができる。その特定のSOCが、これらの評価における所定の最小SOCに少なくとも等しい場合、充電スタンドは到達可能とみなされる。残存エネルギー量は、任意の適切な尺度によって表示することができ、それには走行可能なレンジも含まれるが、これに限定されるものではない。例えば、車両が所与の充電スタンドに到着可能であり、かつその際にエネルギー貯蔵装置内に利用可能な最低限の範囲(車両のバッテリ管理システムによって決定される)をなお有するかどうかが判定される。いくつかの実施形態では、ユーザはこの計算のための閾値を設定することができる。例えば、選択メニュー(例えば、
図6Aの領域600)は、この設定を行うためのコントロールを提供できる。任意の適切な形態の入力コントロールを使用でき、これにはスライダも含まれるが、これに限定されるものではない。
【0086】
サブセット内の充電スタンドの連続的または定期的なモニタの一部として、到達不能になったスタンドは全てサブセットから除外される。すなわち、その特定のスタンドが一度は到達可能であったが、位置およびエネルギーレベルに基づいてもはや到達できないと削除される。その間において、車両の走行に合わせ、新しい充電スタンドをサブセットに追加できる。
【0087】
前述したように、少なくとも1つの充電スタンドがサブセットに残っている限り、レンジ保証オペレーションは、ドライバに気付かれない可能性がある。一方、サブセットが空になると、警報を発することができる。例えば、ドライバに車両を充電するように勧める視覚的な合図を提示することができる(例えば、
図2A〜
図8Cのユーザインタフェース200において)。システムは、見出されたエネルギー状態に関し、ドライバに1回あるいは複数回促すことができ、肯定する入力を毎回要求することができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、上述のようにドライバに警告するとき、システムは、例えばインストラクション412(
図4D)のラインに沿って、利用するのに最適な充電器、そして、その場所で充電に掛かる時間の長さについて、特定の推奨を行うことができる。そのような推奨では、いくつかの充電スタンド(例えば、より速いもの)を他のものよりも優位に推薦することができる。
【0089】
他の情報は、充電スタンドのサブセットが空になったとき、そして随意に他の時にも表示できる。例えば、システムは、到達可能な充電スタンドの場所の選択を指示できる。別の例として、システムは、推奨712A〜B(
図7C)のラインに沿って1つ以上の提案を行うことができる。
【0090】
充電スタンドに関するリアルタイム情報を考慮に入れることができる。いくつかの実施形態では、オプション404A〜404C、および/またはボックス406(
図4C)などの情報を提示することができる。例えば、各充電スタンドに関して、関連する交通渋滞、そのスタンドによって提供される充填レベル、および/または、そのスタンドおよびそこの充電器が利用可能かについてドライバは通知され得る。
【0091】
車両が任意の充電スタンドに到達できるかどうかの判定は、任意の複数のタイプの情報を考慮に入れることができる。例えば、道路の距離、標高変化、気象データ、および/または実際の高速道路での走行速度が考慮され得る。いくつかの実施形態では、オペレーション112でのエネルギー推定に使用される1つ以上の道路負荷式を使用することができる。例えば、
図8までの説明に列挙された、何れかあるいは全てタイプの情報を使用することができる。
【0092】
いくつかの実施態様を例として説明した。それでも他の実装形態は、以下の請求項の範囲に含まれる。