(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
寝具の塵埃を清掃除去する為の寝具清掃用具に回転自在に収着されると共に、外周長手方向に少なくとも1条の支持溝を有するロータと下端に前記支持溝に挿入される基部を有し被清掃面の塵埃を除去する為の清掃体を有する回転清掃体において、
前記清掃体は、基部と、該基部から延設される腕部と、寝具の被清掃面を叩く為に、前記腕部の被清掃面側端部に前記腕部より厚く形成された叩打部と、少なくとも前記腕部の被清掃面側端部まで達する打撃強化空間と、を有し、
前記打撃強化空間によって、前記清掃体の長手方向に対して前記叩打部が分割されており、
少なくとも前記腕部の基部側端部近傍は、前記清掃体の長手方向の一端から他端にわたり帯状に形成されていることを特徴とした回転清掃体。
本体と、電動送風機と、前記本体に形成されると共に前記電動送風機と連通する吸込口と、集塵室と、前記電動送風機の排気を前記集塵室に循環させる循環風路と、請求項1又は2に記載の回転清掃体とを備えた電気掃除機。
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、寝具等の塵埃を清掃除去する為の寝具等清掃用具に回転自在に収着されると共に、外周長手方向に少なくとも1条の支持溝を有するロータと下端に前記支持溝に挿入される基部を有し被清掃面の塵埃を除去する為の清掃体を有する回転清掃体において、前記清掃体は寝具等の被清掃面を叩く為の叩打部を有するもので、叩打部が回転しながら被清掃面に衝突することで、塵埃やダニ等を叩き出しながら掻き上げて除去することができる。さらに、支持溝を有するロータと下端に支持溝に挿入される基部を有した清掃体で構成されているので、可撓性を有する部材で清掃体を形成することもできる。そのため、回転清掃体が回転した際に清掃体が撓むことができるようになる為、被清掃面への叩き出し効果を向上させた回転清掃体を提供できる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明の清掃体は被清掃面側端部近傍に叩打部を有するもので、叩打部が被清掃面側端部近傍にあることで、被清掃面に対する叩打部の衝突速度を増すことができると共に、叩打部が被清掃面の奥深くまで入り込み叩き出すことができる。これにより叩打部をより高速で被清掃面に衝突させることができ、確実に被清掃面内部の塵埃やダニ等の害虫を清掃除去できる。
【0015】
第3の発明は、第1又は第2の発明の清掃体は該清掃体の長手方向に対して叩打部を分割する打撃強化空間を被清掃面側端部に有するもので、叩打部が被清掃面を叩き出す力を強化できる。
【0016】
第4の発明は、第1〜3のいずれか一つの発明の清掃体は重量体を有するもので、被清掃面を清掃体で強力に叩き出す事ができる。
【0017】
第5の発明は、第1〜4のいずれか一つの発明の清掃体は叩打部の略両端部から基部に延設する腕部が形成されて、撓み促進空間部が形成されるもので、清掃体が撓みやすくなることで被清掃面を効果的に叩き出すと共に、腕部によって塵埃をこそぎ取るようにして除去できる。
【0018】
第6の発明に係る掃除機用吸込具は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転清掃体を備えたもので、叩打部で寝具等を叩き出して被清掃面内部の塵埃やダニ等の害虫を除去すると共に、被清掃面に張り付いた髪の毛等の塵埃を掻き上げることができる掃除機用吸込具を提供できる。
【0019】
第7の発明に係る電気掃除機は、本体と、電動送風機と、前記本体に形成されると共に前記電動送風機と連通する吸込口と、集塵室と、前記電動送風機の排気を前記集塵室に循環させる循環風路と、請求項1〜5のいずれか1項に記載の回転清掃体とを備えたもので、電動送風機の排気を循環させることで集塵室内の温度を上昇させ、集塵室内のダニを死滅させる電気掃除機を提供できる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0021】
(実施の形態1)
図1(a)は、本発明に係る回転清掃体の斜視図、
図1(b)は、同回転清掃体の拡大断面図、
図2は、本発明を構成する清掃体の斜視図、
図3は、同清掃体の重なりを示す図、
図4は、同清掃体の断面の一例を示す図である。
【0022】
図1(a)において、本実施の形態における回転清掃体1は、樹脂または金属材料を押し出し成形してロータ2の長手方向に形成された支持溝3に、清掃体7の下端にある基部4が挿入されて構成されている。清掃体7として、エラストマーやゴムなど可撓性に優れた材料で形成されたブレード体6と、基部に細径糸から成るブラシを植設して構成されたブラシ体5が使用されている。また、ブレード体6の被清掃面側端部10には断面略円形の叩打部8が形成され、叩打部8から基部4に延設する腕部9が形成されている。
【0023】
図1(b)に示すように、ロータ2の支持溝3は、ロータ2の回転中心Cを通ると共に清掃体7の長手方向に垂直な中心線C.L.を超えて位置するように形成されている。
【0024】
その為、清掃体7の基部4を支持溝3に挿入した回転清掃体1を、
図1において時計回りに回転させた時には、清掃体7は被清掃面に対して清掃体7の先端部が突き刺さるように当接することができる。その為、被清掃面の塵埃を強力に掻き上げて清掃できる。そして、同時に被清掃面のより深くまで叩き出すことができる。
【0025】
また、回転清掃体1を、
図1において反時計回りに回転させた時には、清掃体7は被清掃面に対して清掃体7の側面が被清掃面を撫でるように当接することができる。その為、被清掃面の塵埃を撫でるように掃き掃除でき、被清掃面を傷つけず清掃残りがないように適切に清掃できる。また、反時計回りの場合は、主に清掃体7の側面を被清掃面に当接することになる。そのため、一回の当接で広い面積を叩き出すことができる。
【0026】
このように、ロータ2の回転方向を選択する事により、異なった清掃と叩きの効果を有する回転清掃体1となる。
【0027】
また、ロータ2の形状は上記構成に限定されるものではない。例えば、清掃体7が略放射状となるロータ、すなわち、清掃体7がロータ2の回転中心Cから周方向に放射状に形成されたロータであっても本発明に含まれる。
【0028】
なお、回転清掃体1を清掃用具に取り付けて回転自在に使用する際は、ロータ2の両端部にホルダー(図示せず)と軸受け(図示せず)を圧入して使用する。
【0029】
また、本実施例ではロータ2を押し出し成形によって形成しているが、押し出し成形に限定されるものではなく、インジェクション成形等の他の手段によって形成しても構わない。
【0030】
図1(a)では、ブレード体6やブラシ体5のように清掃体7の高さが均一な清掃体を使用しているが、
図2に示すように清掃体の被清掃面側端部に叩打部を分割する空間を設けても良い。例えば、
図2(a)の清掃体7aでは、叩打部8aを分割するように被清掃面側端部10aから打撃強化空間11aを設けており、打撃強化空間11aは基部4aから伸びる腕部9aの一部まで形成されている。
図1(a)のロータ2のように支持溝3を真っ直ぐ形成したロータに清掃体7aを挿入して回転させた場合、打撃強化空間11aを形成することで被清掃面と叩打部8aの接触面積は小さくなる。そのため、被清掃面を叩く速度が同じであっても、接触部分における打撃力は強化され、被清掃面の奥深くまで叩き出すことができる。また、ロータ2の支持溝3を螺旋状に形成した場合には、叩打部8aが滑らかに被清掃面に当接するため、被清掃面の巻き込みや傷つけることを防止できる。また、
図2(b)に示す清掃体7bでは、曲線的に形成した打撃強化空間11bを被清掃面側端部10bに設けている。また、清掃体7bの厚みを基部4bから伸びる腕部9bより厚くすることで叩打部8bを形成している。
【0031】
図2(c)に示す清掃体7cは、被清掃面側端部10cに略球状の叩打部8cが形成され、叩打部8cの端部14、14から基部4c、4dに延設する腕部9c、9dが形成され、基部4c、4d間を腕部9c、9dと叩打部8cで橋渡すように接合して構成されている。そして、基部4cと基部4dを長手方向に位置をずらして、すなわち、同一の叩打部8cの端部14、14から伸びた腕部9c、9cが基部4c、4dと接合している部分が重ならないよう組み合せることで略円弧状に腕部9c、9dと叩打部8cを形成している。このように構成することで、叩打部8c、8c間には打撃強化空間11cが形成され、更に叩打部8cの端部14、14から伸びる腕部9c、9d間に撓み促進空間部15が形成される。これにより腕部9c、9dが撓み易くなり、叩打部8cをムチ打つように被清掃面に叩きつけることができる。更に、塵埃を撓み促進空間部15内に入れて、叩打部8cと腕部9c、9dでこそぎ取るようにして除去できるため、清掃効果が向上する。
【0032】
図3(a)は同一のロータに挿入される清掃体7b、7dを示している。また、
図3(b)は清掃体7b、7dを重ね合わせた状態を示している。清掃体7dは、
図3(a)に示すように、清掃体7bの叩打部8bの位置に打撃強化空間11dが、清掃体7bの打撃強化空間11bの位置に叩打部8dが形成されている。このように、叩打部と打撃強化空間の位置が長手方向に入れ替わるように形成されているため、
図3(b)に示すように清掃体7bと清掃体7dは重なり合わない形状となっている。この清掃体7bと清掃体7dをロータ2に挿入すると、清掃体7bでは叩くことができない打撃強化空間11bに対向する被清掃面を、清掃体7dの叩打部8dが叩き出すことができる。このように清掃体を構成することで、清掃体に打撃強化空間を設けても被清掃面全体を叩き出すことができる。
【0033】
図4は本発明を構成する清掃体の断面の一例を示す図である。
図4(a)は、清掃体の全長の被清掃面側3分の1の部位に、清掃体の重量の80%を占める叩打部8eが形成されたものを示している。
図4(b)は、叩打部8fが断面略四角に形成されたものを示している。
図4(c)は、断面略円形に形成された叩打部8gの中に、金属又は樹脂材料で形成された重量体12が埋め込まれたものを示している。
図4(d)は、叩打部8hを片側に偏らせて形成したものを示している。
図4(e)は、叩打部8iと基部のみで形成されたものを示している。
図4(f)は、清掃体を折り返して叩打部8jを形成すると共に、叩打部8j内に形成した空間部に重量体12aを入れた後に、縫製又は接着により固定したものを示している。
図4(g)は、腕部と同一の厚みの叩打部8kを被清掃面側端部に有するものである。
図4(h)は、ブラシ体の被清掃面側端部10nの近傍を金属又は樹脂材料で形成された結束部材13で結束して叩打部8nを形成したものを示している。これらの形状は、本発明に使用する清掃体の断面形状の一例であり、叩打部を有する断面であれば、本発明に使用する清掃体に含まれるものである。このように、叩打部を有する清掃体とし、清掃体を回転させながら使用することで、被清掃面内部の塵埃やダニ等の害虫を叩き出すと同時に、表面に付着した髪の毛等の塵埃を掻き上げることができる。そのため、特に寝具の異物除去性能は従来のものと比較して、大幅に向上させることが可能となる。
【0034】
(実施の形態2)
図5は、本発明に係る掃除機用吸込具の展開斜視図であり、
図6は、
図5に記載の掃除機用吸込具の使用状態を示す断面図である。
【0035】
図5において、掃除機用吸込具30の外郭は、上蓋(図示せず)と、前方底部に吸込口39を有する下ケース31で形成され、前記吸込口39に臨むように回転自在に配された回転清掃体1aと、その回転清掃体1aをギヤ33を介して回転駆動する駆動用車輪32で構成されている。
【0036】
回転清掃体1aのロータ2aは長手方向へ螺旋状に形成されている。また、ロータ2aの一端に圧入されると共にギヤ33と噛み合うプーリー付きホルダー34と、ロータ2aの他端に圧入される軸受けホルダー35と、プーリー付きホルダー34と軸受けホルダー35のそれぞれに設けた回転軸(図示せず)に圧入される軸受け36から構成されている。
【0037】
駆動用車輪32とギヤ33は同軸上に配置されているため、駆動用車輪32の回転は、回転方向が反転されて回転清掃体1aに伝達される。つまり、
図5において掃除機用吸込具30を前進させた場合は、駆動用車輪32は時計回りであるが、回転清掃体1aは反時計回りとなる。一方、掃除機用吸込具30を後進させた場合は、駆動用車輪32は反時計回りであるが、回転清掃体1aは時計回りとなる。このように構成することで、掃除機用吸込具30を前進させた際に、被清掃面と清掃体7eとの相対速度が上がり、より強く被清掃面を叩き出すことができる。
【0038】
また、
図6に示すように掃除機用吸込具30内には、回転清掃体1aの清掃体7eに接するしなり増進部20a、20bが形成されている。従って、回転清掃体1aが時計回り(矢印b方向)に回転した場合は、しなり増進部20aに清掃体7eが当接した際に、清掃体7eにしなりが生じるため、清掃体7eの復元力によってより強力に被清掃面100を叩き出すことが出来る。また、反時計回り(矢印a方向)に回転した場合には、しなり増進部20bに清掃体7eが当接すると共に、清掃体7eの側面がロータ2aに当接した後に被清掃面100に当接するため、時計回りの時と異なる叩打力を被清掃面100に与えることができる。
【0039】
(実施の形態3)
図7は、本発明に係る電気掃除機の斜視図、
図8は、同電気掃除機の底面図、
図9は、同電気掃除機の吸引状態を示す断面図、
図10は、同電気掃除機の吸引風によりダニ駆除している状態を示す断面図、
図11は、同電気掃除機の排気循環している状態を示す断面図である。
【0040】
図7及び
図8に示すように、電気掃除機40は本体41の底面に被清掃面に対向して開口する吸込口43と、被清掃面上で走行する為の自在車輪53と車輪54を備え、本体41後部に電気掃除機40へ電源を供給する為の本体側コード60、電源側コード61、電源プラグ63、本体側コード60及び電源側コード61を巻き取るコードリール62を備えている。本実施の形態では、コードリール62を電気掃除機40に収納する必要がない為、本体41の軽量化が図れると共に、コンパクトな電気掃除機を提供することができる。
【0041】
また、吸込口43内には被清掃面の塵埃等を清掃除去するための回転清掃体1bが回転自在に配されている。この回転清掃体1bは長手方向へ螺旋状に形成されており、清掃時には本体41に内蔵する駆動モータ(図示せず)によって強制的に回転される。このように駆動モータで強制的に回転清掃体1bを回転させる場合、特に、寝具のシーツなどを回転清掃体1bで吸込口43内に巻き込んでしまう恐れがある。しかし、本実施の形態のように回転清掃体1bを螺旋状に形成すると、清掃体が滑らかに被清掃面に順次当接するようになるため、被清掃面の巻き込みや傷つけることを防止できる。なお、本実施の形態では、本体41の底面に吸込口43を備えているが、実施の形態2の如くの掃除機用吸込具を接続した本体であってもよい。
【0042】
図9は電気掃除機40の清掃時の吸引状態を示す断面図である。本体41内には、吸込み気流が流入する開口57を形成すると共に集塵フィルタ47を内蔵した集塵室44を本体前部に備え、本体41後部に電動送風機42を内蔵した電動送風機室55を備えている。そして、前面に集塵室44及び吸込口43と連通する吸引風路56を備えている。また、電動送風機室55からの排気を外部に排出する為の排気口49が本体41後部に開口され、電動送風機室55から排気口49までの経路に排気フィルタ48が配されている。この排気フィルタ48及び集塵フィルタ47は、一般的なシート状のフィルタ以外に、濾過面積が広いプリーツフィルタを使用しても良い。
【0043】
また、吸引風路56内には吸込口43から流入した吸込み気流を遮蔽するシャッター52aを備えている。さらに、集塵室44の開口57の開口面積を調節するシャッター52bも備えている。そして、本体41上部には吸引弁51が形成され、その一端は揺動自在に本体41へ装着されているが、バネ体(図示せず)によって常時外方へ付勢されている。そのため、電動送風機42の停止時には吸引弁51は閉成されている。電動送風機42が動作して吸引風路56内の負圧が高まると、吸引弁51は吸引風路56側に開成され、清掃によって舞い上がった空気中のハウスダストや花粉を吸引する。
【0044】
また、電動送風機室55と吸引風路56を連通させる循環風路45を備え、電動送風機室55内であって電動送風機42の後面には、電動送風機42からの排気を加熱する為の発熱体46が配されている。発熱体46は、使用目的に応じてニクロム線やPTCサーミスタ、放熱板等、発熱性能を有する様々なものを使用することができる。また、好適には、PTCサーミスタに放熱板を付加した構成のものを使用できる。PTCサーミスタに放熱板を付加した場合には、電動送風機42からの排気をより早く加熱させることができる。
【0045】
また、集塵室44の吸込み気流の上流側には、上下動自在に形成されたシャッター52bが配され、駆動源(図示せず)により上下動される。シャッター52bが下降すると開口57の一部を閉塞して、吸込み気流が通過する開口57の開口面積を小さくできる。
【0046】
さらに、吸引風路56内には開閉自在に形成されたシャッター52aが配され、駆動源(図示せず)により開閉される。シャッター52aが閉成すると吸引風路56は閉塞され、電動送風機42が運転して生成された負圧が吸込口43へ作用する事を防ぐことができる。すなわち、シャッター52aを閉成すると吸込口43からの吸込み気流の流入を止めることができる。
【0047】
図12(a)は電気掃除機40に接続する伸縮ハンドル65を示している。伸縮自在に形成された伸縮部67の一端に使用者が手に持つ持ち手部66を備え、他端には電気掃除機40と接続するための接続部68を備えている。伸縮ハンドル65は、ハンドル50に代わって使用者が手に持って操作する為のもので、本体41上部に形成された挿入穴64に接続部68を挿入及び固定して使用する。
【0048】
(実施の形態4)
図13は、本発明に係る他の実施例を示す電気掃除機の底面図、
図14は、同電気掃除機の大型車輪の斜視図、
図15は、同電気掃除機の吸引状態を示す要部断面図である。
【0049】
図13に示すように、電気掃除機70は本体71の底面に被清掃面に対向して開口する吸込口73を備え、被清掃面上で走行する為の自在車輪53と大型車輪74を備えている。そして、吸込口73の左右には吸引溝80が吸込口73から本体71の端部にわたって2本ずつ形成されている。また、吸込口73は後述する吸引開口84によって吸引溝80と連通しているため、吸込口73に作用した吸引力は吸引開口84、吸引溝80を経て隙間81まで達する構成となっている。また、
図14に示すように、大型車輪74の外周には大きな凹部82が複数形成されている。
【0050】
このように凹部82を形成したことで、
図15に示すように布団等の寝具上で使用した時でも大型車輪74の凹部82は被清掃面100に埋もれることがない。また、回転清掃体1cは、先端に掻き取り凸部83が形成された叩打部8qを有するブレード体6qとブラシ体6pを備えている。これらをロータ2cに挿入することでブレード体6q及びブラシ体6pが回転中心から放射状に伸びた回転清掃体1cとしている。そして、吸込口73の大型車輪74側の壁面には吸引開口84が2箇所形成され、吸引開口84は本体71の底面に形成された吸引溝80にそれぞれ連通している。
【0051】
以上のように構成された本実施の形態における回転清掃体1a、1b及びそれを搭載した掃除機用吸込具30及び電気掃除機40の動作、作用を説明する。
【0052】
図5及び
図6に示すように、電気掃除機に連通接続された延長管の先端に掃除機用吸込具30の接続パイプ37を接続し電気掃除機を運転すると、吸引風路38を通じて吸込口39に吸引力が作用し、塵埃等と共に空気が吸込口39より吸引されて、吸引風路38、延長管(図示せず)を経て電気掃除機の掃除機本体(図示せず)へと送られる。
【0053】
清掃時に掃除機用吸込具30を前後に移動させると、前進時と後進時で駆動用車輪32の回転方向が切り替わるので、
図6に示すように回転清掃体1aの回転方向も前進時には矢印a、後進時には矢印bと切り替わる。この時、掃除機用吸込具30内には、回転清掃体1aの清掃体7eに接する邪魔体として、しなり増進部20a、20bが形成されている。そのため、清掃体7eが被清掃面100に叩きつけられる直前に弓状にしなった状態になってから叩打部8pが被清掃面100に叩きつけられ、より効果的に被清掃面100の叩き出しができる。
【0054】
また、回転清掃体1aは
図5に示すように螺旋状に形成されている。この場合、ブレード体6pも同様に螺旋状となるため、清掃体の高さが均一なブレード体6pである場合は、回転清掃体1aの回転によって被清掃面100にブレード体6pの一部が被清掃面100に順次当接することになる。そして、被清掃面100にブレード体6pの一部が当接して屈曲すると、次に当たるブレード体6pも屈曲してから当接してしまう。そのため、常に撫でるようにブレードが被清掃面100に当たるため、叩き出し効果が弱まってしまう。
【0055】
そこで、例えば
図2(a)に示すような打撃強化空間11aが形成された清掃体7aを回転清掃体1aに装着すると、回転時に叩打部8aの一つが当接して屈曲した場合にも、次に当接する隣の叩打部8aには屈曲が伝わらず、順次断続的に被清掃面100を確実に叩き出すことができる。
【0056】
次に、
図9〜
図11を用いて本発明の回転清掃体を備えた電気掃除機40の動作について説明する。
【0057】
本体41に形成された電源スイッチ(図示せず)入れて運転を開始すると、電動送風機42が生成する吸引力が電気掃除機40の集塵室44を経て、吸引風路56、吸込口43の順に作用し、吸込口43から被清掃面100の塵埃と共に空気が吸引され、吸引風路56を経て、集塵室44に開口57から流入する。そこで集塵フィルタ47によって塵埃と空気が分離され、分離後の空気は、電動送風機42を通過し、最後に電気掃除機40の後面に設けた排気フィルタ48で細かな塵埃を更に取り除いて排気口49から外部に排出される。この時、シャッター52a、52bは開成されており、特にシャッター52aは
図9に示すように循環風路45を閉塞して、清掃中に排気が循環しないようにしている。
【0058】
また、被清掃面100の塵埃は吸込口43内に設けられた回転清掃体1bによって叩き出される。回転清掃体1bは、本体41内に設けられた駆動モータ(図示せず)によって強制的に回転される。また、吸込口43近傍には、しなり増進部20cが形成されているため、回転清掃体1bの清掃体7qを撓ませてから被清掃面100に叩きつけることができる。
【0059】
また、前述の実施の形態2と同様に、しなり増進部20cを回転清掃体1bの後方にも形成し、更に、回転清掃体1bの回転方向をギヤ(図示せず)によって反転させることで、正逆両回転自在にしても良い。
【0060】
また、回転清掃体1aの回転数は、使用目的に応じて適宜設定できる。被清掃面100が布団等の寝具の場合においては、回転数500rpm〜1500rpmが好適に使用できる。回転数500rpm未満においては、当接時に清掃体のバタつきが発生しやすく、清掃体が変形しやすいため、被清掃面100を傷つけやすく、かつ、叩き効果も不十分になりやすい。
【0061】
また、回転数が1500rpm以上では叩きは連続的になるが、1回の当接時で変形した被清掃面100が元に戻る前に次の当接されるため、叩き効果が十分得られない。回転数500rpm〜1500rpmにおいては、的確かつ断続的に清掃体7qが被清掃面100を叩き、1回の叩き効果が十分得られる。
【0062】
吸引弁51は、吸引風路56の負圧が高まると吸引風路56側に開成される。これにより寝具等を清掃すると同時に、清掃によって舞い上がった空気中のハウスダストや花粉を吸引することができる。
【0063】
また、電気掃除機40を寝具等に押し付けるように使用すると、吸込口43が被清掃面100に密着して負圧の逃げ場がなくなり、吸込口43が被清掃面100に張り付こうとする。しかし、吸引弁51はバネ体(図示せず)で付勢して閉成されているだけなので、吸込み気流が吸引弁51を吸引風路56側に押し開いて流入し、吸引風路56内の負圧が過剰に高まることを防ぐことができる。このように吸引弁51が動作することで、電気掃除機40が負圧によって被清掃面100に張り付くこともなく、使用者は軽い力で電気掃除機40を寝具等の上で移動させことができる。
【0064】
図10は、電気掃除機40の吸引風によってダニ駆除している状態を示す断面図である。この時、シャッター52aは開成されており、吸込口43から吸込み気流が集塵室44へと流入する。一方、シャッター52bは集塵室44の開口57の一部を閉塞している。開口57の一部が閉塞されても、電動送風機42の生成する負圧は変わらないので、集塵室44内に流入する吸引風の流速が早くなる。そして、早い流速で集塵室44内の塵埃を集塵フィルタ47に衝突させることができる。これにより、集塵室内に生き残っているダニ等の害虫を死滅させることができる。
【0065】
特に家庭に多く生息しているコナヒョウヒダニやヤケヒョウヒダニは、キャニスター型の電気掃除機であれば吸引するだけで風路や集塵袋等に衝突して全て死滅してしまう。しかし、電気掃除機40のようなハンディ型の電気掃除機では、本体の軽量化のため小型の電動送風機が採用される事が多く、吸引仕事率はキャニスター型に比べ大きく劣る。そのため、電気掃除機40のようなハンディ型の電気掃除機では、ダニを吸引しても集塵室内で一部のダニが生存している。前述の吸引風によるダニ駆除は、このような集塵室内で生存しているダニを確実に死滅させるための機能であるため、使用者が任意のタイミングで本機能を実行する以外に、本体41のスイッチ(図示せず)を押して電気掃除機40の運転を停止した後に自動的に吸引風によるダニ駆除が実行されても良い。
【0066】
図11は、電気掃除機40の排気循環している状態を示す断面図である。この時、シャッター52aは吸引風路を完全に閉塞している。この状態で電動送風機42を運転させると、生成された吸引力は集塵室44を経てシャッター52aの後部の吸引風路56、循環風路45、電動送風機室55の順に作用する。そのため、集塵室44から流入して電動送風機42を通過した空気は循環風路45を通り、シャッター52aの後部の吸引風路56を通過し、開口57を通って再び集塵室44へと流入する。この時、電動送風機室55内に配された発熱体46によって電動送風機42の排気は加熱されている。
【0067】
このようにして電気掃除機40内で排気が循環すると、電動送風機42の排気熱および発熱体46の熱も循環することとなり、次第に集塵室44内の温度が上昇していく。所定温度に達するまで加熱されると、温度センサー(図示せず)の信号によって電動送風機42の運転が停止又は弱まることで、この温度が所定時間維持される。これにより、集塵室内に生き残っているダニ等の害虫を死滅させることができる。本機能は、使用者が任意のタイミングで実行する以外に、本体41のスイッチ(図示せず)を押して電気掃除機40の運転を停止した後に自動的に本機能が実行されても良い。また、前述の吸引風によるダニ駆除の機能と併用することで、確実にダニ等の害虫を死滅させる事ができる。
【0068】
なお、本実施の形態では発熱体46を電動送風機室55内に配したが、循環風路45内に設けても良い。また、言うまでもないが発熱体46は必須の構成ではない。電動送風機42を構成するモータ(図示せず)を大型にしたものを用いれば、発熱体46を取り付けなくとも電動送風機42の排気熱のみで集塵室44内の温度を十分上昇させることもできる。
【0069】
また、排気循環する場合おいて、集塵フィルタ47に薬剤を塗布したり、付加機能を有する素材を使用したフィルタを使用すると特に有効である。例えば、ダニ等の害虫駆除、アレルゲン物質の無害化、花粉の捕集等の機能をフィルタに持たせた場合、循環した空気が何度も集塵フィルタ47を通過するので、目的の効果を効率良く作用させられる。
【0070】
次に、
図12に示す伸縮ハンドル65について説明する。伸縮ハンドル65は、使用者が電気掃除機40を使用する時にハンドル50に代わって手で持つもので、本体41に形成された挿入穴64に接続して使用する。伸縮ハンドル65は、目的に応じて伸縮部67を伸縮して長さを調整することができる。これにより、電気掃除機40を使用者が立ったまま使用したり、膝をついて使用したりする場合に適切な長さに調整できる。そのため、腰をかがめて電気掃除機40を使用することが困難であったり、排気口49から出る排気が顔や体に当たるのを避けたい場合には、この伸縮ハンドル65を接続することで自由な体勢で電気掃除機40を使用できる。
【0071】
次に、
図13〜
図15を用いて本発明の他の実施例を示す電気掃除機70の動作について説明する。電気掃除機70は複数の凹部82が形成された大型車輪74を備えているので、布団等の寝具に本体71を押し当てていても、吸込口73から吸引開口84を通過し吸引溝80を経て隙間81及び凹部82へと連なる風路が常に確保される。そのため、電動送風機(図示せず)で発生した吸引力により本体71が被清掃面100に張り付く事を防止する事ができる。また、被清掃面100に吸込口73が密着した状態でも隙間81及び凹部82から塵埃を吸引し続けることができるため、被清掃面100上の塵埃や空気中のハウスダストや花粉を常に吸引することができる。また、吸込口73の左右に吸引溝80を形成しているため、使用者が本体71を前後に動かした時に一度に広い面積を清掃できるようになる。
【0072】
回転清掃体1cは、ブレード体6qとブラシ体6pを2本ずつ備えている。ブレード体6qに掻き取り凸部83を形成しているので、叩打部8qは被清掃面100に当接した際に叩き効果に加えて掻き取り効果を有し、被清掃面100上に付着した髪の毛等の塵埃を確実に清掃除去できる。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではなく、ブラシ体6pを無くして2条のブレード体6qのみで回転清掃体1cを構成しても良い。