(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
請求項1に記載されたドローン用飛行安全フレームの組立方法であって、炭素繊維強化プラスチック材、ガラス繊維強化プラスチック材又はその両繊維強化プラスチックのハイブリッド材から成る長さが同じ複数本の直管と、同じく長さが同じ複数本の曲管とを用意して、
上記直管と曲管とを交互して、その端部同士の抜き差し自在に差し込み一本化することにより、各コーナー部が曲管での円弧状をなす平面視の正多角形な包囲枠に組み立てる一方、
上記直管を包囲枠の各コーナー補強ブレースになるクロスビームとして、ドローンにおける機体の放射方向へ張り出すアームの先端部又はその先端部に存在するプロペラ回転駆動モーター用カバーケースへの取り付け用となる別個なクランプを、そのクロスビームの1本づつへ摺動自在に差し込み套嵌すると共に、
その各クロスビームの両端部を上記包囲枠の途中へ各々抜き差し可能な硬質プラスチック材の管継手を介して、そのクロスビームの全体的な放射対称型に分布する水平な橋渡し状態となるように取り付け固定することを特徴とするドローン用飛行安全フレームの組立方法。
請求項1に記載されたドローン用飛行安全フレームの組立方法であって、炭素繊維強化プラスチック材、ガラス繊維強化プラスチック材又はその両繊維強化プラスチックのハイブリッド材から成る長さが同じ複数本の直管と、同じく長さが同じ複数本の曲管とを用意して、
上記曲管の隣り合う端部同士を抜き差し自在に差し込み一本化することにより、平面視の円形な包囲枠に組み立てる一方、
上記直管を包囲枠の部分補強ブレースになるクロスビームとして、ドローンにおける機体の放射方向へ張り出すアームの先端部又はその先端部に存在するプロペラ回転駆動モーター用カバーケースへの取り付け用となる別個なクランプを、そのクロスビームの1本づつへ摺動自在に差し込み套嵌すると共に、
その各クロスビームの両端部を上記包囲枠の途中へ各々抜き差し可能な硬質プラスチック材の管継手を介して、そのクロスビームの全体的な放射対称型に分布する水平な橋渡し状態となるように取り付け固定することを特徴とするドローン用飛行安全フレームの組立方法。
包囲枠を形作る曲管の長さと、クロスビームになる直管の長さとを各々長短変化させることにより、その包囲枠における円形の大きさを大小調整することを特徴とする請求項12記載のドローン用飛行安全フレームの組立方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1に記載のプロペラガードは平・底面(上下方向)から見て扇形の枠から成り、その円弧面によってプロペラの各個を横方向(円周方向)から部分的(バラバラ)に包囲する点在分布状態として、機体から放射方向へ張り出すアームの先端部又はその先端部に存在するプロペラ回転駆動モーター用カバーケースへ、その扇形の要部が取り付けられているに過ぎない。
【0007】
つまり、そのプロペラガードは複数個のプロペラを全体的に包囲する大きな1個の連続一体品ではないため、ドローンの飛行中に風の影響を受けて、その各個がバラバラに振れ(揺れ)動いたり、撓み変形したりしやすく、取付状態の安定と延いては飛行姿勢の均衡を保つことができない。
【0008】
また、特許文献1にプロペラガードの材質やその取付方法は記載されていないが、その扇形の枠が仮りにアルミニウムやその他の非鉄金属から成るとすれば、その軽量であるとしても金属のため、ドローンの重量をいたずらに増すこととなり、その飛行に致命的な制約を与える。
【0009】
他方、特許文献2に記載のプロペラガードは複数個のプロペラを全体的に包囲する1個の連続一体品であるため、特許文献1の上記プロペラガードのような各個の振れ(揺れ)動きや撓み変形は相当抑制されると言える。
【0010】
しかし、特許文献2にもプロペラガードの材質やその取付方法は記載されていないが、これの材質を汎用樹脂又はエンジニアリングプラスチックであると仮定して言えば、そのプロペラガードはこのような材質からの一体成形品であると考えられるため、その成形金型が必要となり、万一破損したような場合、そのプロペラガードの全体を新品と交換しなければならず、梱包・輸送上の小型コンパクト化や量産効果に劣る。
【0011】
尚、特許文献3には機体(2)から放射状に張り出すアーム(5)を、その先端部において連結した円形のフレーム(8)が開示されているが、これは飛行体(1)自身の構成部材であって、しかもアルミニウムのパイプから成り、その飛行体(1)への別個な付属品として着脱自在に取り付け(後付け)使用されるものではない。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明はこのような課題の抜本的な解決を目的としており、その目的を達成するために、請求項1ではドローンが具備する複数のプロペラを横方向から全体的に包囲する平面視の円形又は各コーナー部が円弧状をなす平面視
の正多角形な包囲枠と、ドローンにおける機体の放射方向へ張り出すアームの先端部と接近するように、上記包囲枠の途中へ部分的な橋渡し状態に横架された複数本の水平なクロスビームと、その各クロスビームへ摺動自在に差し込み套嵌された複数
のクランプとを備え、
【0013】
上記包囲枠とクロスビームが炭素繊維強化プラスチック材やガラス繊維強化プラスチック材、その両繊維強化プラスチックのハイブリッド材、その他の軽く高強度な繊維強化プラスチック材の直管又は/及び曲管から成り、
【0014】
上記クランプがドローンにおけるアームの先端部又はその先端部に存在するプロペラの回転駆動モーター用カバーケースへ、着脱自在に取り付け固定使用されるように
定めたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項2では包囲枠を横方向から見て水平な一段として、プロペラの回転平面とほぼ同じ設置高さに保つと共に、
【0016】
その包囲枠の途中へ両端部が取り付けられたクロスビームをプロペラと干渉しないように、その包囲枠から上方又は下方へ退避する高さ位置に横架させたことを特徴とする。
【0017】
請求項3ではドローンを上方から覆う屋根枠を、平面視の全体的な放射対称型で且つ側面視のアーチ形に造形すると共に、
【0018】
その屋根枠の下端部を包囲枠の途中へ組み付けたことを特徴とする。
【0019】
請求項4では包囲枠とこれに組み付けられた屋根枠を骨組として、その全体へカバーネットを包囲状態に張り付けたことを特徴とする。
【0020】
請求項5では包囲枠を横方向から見てほぼ平行な上下一対として、その何れも平面視の同じ円形又は各コーナー部が円弧状をなす平面視の同じ正多角形に造形すると共に、
【0021】
その上段包囲枠と下段包囲枠との相互間を一定帯幅のフラットな壁面として、プロペラの回転領域を横方向から包囲したことを特徴とする。
【0022】
請求項6では包囲枠を横方向から見てほぼ平行な上下一対として、その何れも平面視の同じ円形又は各コーナー部が円弧状をなす平面視の同じ正多角形に造形すると共に、
【0023】
ドローンを上方から覆う屋根枠の下端部を、上段包囲枠のみの途中か又は上段包囲枠並びに下段包囲枠の途中へ組み付ける一方、
【0024】
その上段包囲枠又は下段包囲枠の途中へ、複数本の水平なクロスビームを全体的な放射対称型として分布する橋渡し状態に組み付けたことを特徴とする。
【0025】
請求項7では包囲枠を横方向から見てほぼ平行な上下一対として、その何れも平面視の同じ円形又は各コーナー部が円弧状をなす平面視の同じ正多角形に造形すると共に、
【0026】
ドローンの接地脚に向かって張り出す支持脚の上端部を、上記下段包囲枠の途中へ組み付ける一方、
【0027】
上記上段包囲枠又は下段包囲枠の途中へ、複数本の水平なクロスビームを全体的な放射対称型として分布する橋渡し状態に組み付けたこと特徴とする。
【0028】
請求項8では包囲枠を繊維強化プラスチック材から成る複数本づつの直管と曲管とから、各コーナー部が円弧状をなす平面視の正多角形に組み立てると共に、
【0029】
その包囲枠の各コーナー部へ管継手を介して橋渡し状態に固定横架された水平なクロスビームを、すべて上記直管から成る包囲枠用コーナー補強ブレースとして機能させたことを特徴とする。
【0030】
請求項9では包囲枠を繊維強化プラスチック材から成る複数本の曲管のみから平面視の円形に組み立てると共に、
【0031】
その包囲枠へ全体的な放射対称型に分布する橋渡し状態に固定横架された複数本の水平なクロスビームを、すべて上記直管から成る包囲枠用部分補強ブレースとして機能させたことを特徴とする。
【0032】
他方、請求項10では請求項1に記載されたドローン用飛行安全フレームの組立方法であって、炭素繊維強化プラスチック材、ガラス繊維強化プラスチック材又はその両繊維強化プラスチックのハイブリッド材から成る長さが同じ複数本の直管と、同じく長さが同じ複数本の曲管とを用意し、
【0033】
上記直管と曲管とを交互して、その端部同士の抜き差し自在に差し込み一本化することにより、各コーナー部が曲管での円弧状をなす平面視の正多角形な包囲枠に組み立てる一方、
【0034】
上記直管を包囲枠の各コーナー補強ブレースになるクロスビームとして、ドローンにおける機体の放射方向へ張り出すアームの先端部又はその先端部に存在するプロペラ回転駆動モーター用カバーケースへの取り付け用となる別個
なクランプを、そのクロスビームの1本づつへ摺動自在に差し込み套嵌すると共に、
【0035】
その各クロスビームの両端部を上記包囲枠の途中へ各々抜き差し可能な硬質プラスチック材の管継手を介して、そのクロスビームの全体的な放射対称型に分布する水平な橋渡し状態となるように取り付け固定することを特徴とする。
【0036】
請求項11では包囲枠を形作る直管と、クロスビームになる直管
との長さだけを
各々長短変化させることにより、
同じ長さの曲管を使って、包囲枠における正多角形の大きさを大小調整することを特徴とする。
【0037】
請求項12では同じく請求項1に記載されたドローン用飛行安全フレームの組立方法であって、炭素繊維強化プラスチック材、ガラス繊維強化プラスチック材又はその両繊維強化プラスチックのハイブリッド材から成る長さが同じ複数本の直管と、同じく長さが同じ複数本の曲管とを用意し、
【0038】
上記曲管の隣り合う端部同士を抜き差し自在に差し込み一本化することにより、平面視の円形な包囲枠に組み立てる一方、
【0039】
上記直管を包囲枠の部分補強ブレースになるクロスビームとして、ドローンにおける機体の放射方向へ張り出すアームの先端部又はその先端部に存在するプロペラ回転駆動モーター用カバーケースへの取り付け用となる別個
なクランプを、そのクロスビームの1本づつへ摺動自在に差し込み套嵌すると共に、
【0040】
その各クロスビームの両端部を上記包囲枠の途中へ各々抜き差し可能な硬質プラスチック材の管継手を介して、そのクロスビームの全体的な放射対称型に分布する水平な橋渡し状態となるように取り付け固定することを特徴とする。
【0041】
更に、請求項13では包囲枠を形作る曲管の長さと、クロスビームになる直管の長さとを各々長短変化させることにより、その包囲枠における円形の大きさを大小調整することを特徴とする。
【0042】
請求項1の構成によれば、冒頭に述べた従来技術の課題をすべて解決できる効果がある。つまり、ドローンが具備する複数のプロペラをその全体よりも大きな包囲枠によって、横方向から包囲しているため、そのプロペラが建物の壁面や車両などの他物に衝突して破損したり、飛行練習場の囲いネットに絡らみ付いたり、逆にその他物を損傷したり、他人に危険を与えたりするおそれがなく、飛行上の防護効果(安全性)を確保することができる。
【発明の効果】
【0043】
また、飛行安全フレームを形作っている上記包囲枠とクロスビームは、そのすべて軽く高強度な炭素繊維強化プラスチック材やガラス繊維強化プラスチック材などの繊維強化プラスチック材の、しかも直管と曲管から成るものであるため、ドローンの飛行上いたずらに重い負荷や大きな空気抵抗を与えることがなく、円滑に長時間飛行させることができる。
【0044】
更に、複数本のクロスビームが包囲枠の途中へ橋渡し状態に横架されているため、これを包囲枠の部分補強ブレースとして、飛行安全フレームの優れた組立強度を得られる。
【0045】
しかも、各クロスビームには放射アーム用又はカバーケース用
のクランプが、摺動自在に差し込み套嵌されているため、これをクロスビームに沿って摺動させることにより、ドローンの機体から張り出すアームの先端部に対応合致する位置決め調整状態として、飛行安全フレームをそのアームの先端部へ
容易・正確に取り付け固定することができる。
【0046】
その場合、クロスビームは上記アームの個数分に相当する複数個所での点在分布状態に取り付け固定されるようになっているため、そのドローンへ上
記クランプを介して着脱自在に取り付け(後付け)使用される飛行安全フレームであるにも拘らず、その全体として安定・確固な取付状態に保たれ、風の影響を受けて振れ(揺れ)動いたり、撓み変形したりするおそれがなく、その意味でもバランス良く飛行させ得る効果がある。
【0047】
特に、請求項2の構成を採用するならば、包囲枠が側面視の水平な一段として、ドローンにおけるプロペラの回転平面とほぼ同じ設置高さに保たれているため、請求項1の上記防護効果(安全性)をますます昂めることができ、しかもその包囲枠から上方又は下方へクロスビームが退避されているため、そのクロスビームとプロペラとの干渉するおそれはない。
【0048】
請求項3の構成を採用するならば、ドローンのプロペラのみならず、その機体やこれから張り出すアームも含む全体を、上方から屋根枠によって被覆することができるため、請求項1の上記防護効果(安全性)がますます向上するほか、その包囲枠に対する屋根枠の組み付けにより、飛行安全フレームとしての組立強度も向上する。
【0049】
その場合、請求項4の構成を採用するならば、その骨組に張り付けられたカバーネットによって、いたずらに重量を増すことなく、手指がドローンの高速回転するプロペラに触れる危険を予防できる効果がある。
【0050】
また、請求項5の構成を採用するならば、上段包囲枠と下段包囲枠との相互間が一定帯幅のフラットな壁面として、プロペラの回転領域を横方向から広幅に包囲するため、請求項1の上記防護効果(安全性)をますます昂めることができるほか、その一定帯幅のフラットな壁面が他物と衝突したとしても、飛行安全フレームと延いてはドローンの傾斜姿勢になることを防止し得る効果もある。
【0051】
請求項6の構成を採用するならば、上段包囲枠のみか又は上段包囲枠並びに下段包囲枠と、屋根枠の下端部とが言わば立体交叉状態に組み付けられており、しかもその上段包囲枠又は下段包囲枠の途中には複数本のクロスビームが、平面視の全体的な放射対称型として分布する橋渡し状態に組み付けられているため、飛行中に振れ(揺れ)動いたり、撓み変形したりするおそれがなく、その飛行安全フレームとしての組立強度と安定性がますます向上する。
【0052】
請求項7の構成を採用するならば、上段包囲枠又は下段包囲枠への橋渡し状態に横架するクロスビームの途中を、ドローンの機体から放射方向へ張り出すアームの先端部又はその先端部に存在するプロペラ回転駆動モーター用カバーケースへ、その複数個所での点在分布状態に取り付け固定するほか、下段包囲枠に上端部が組み付けられた支持脚の下端部(張り出し先端部)を、ドローンの接地脚へ取り付け固定することにより、そのドローンに対する飛行安全フレームの取付状態をますます強固に安定良く保てる効果がある。
【0053】
更に、請求項8や請求項9の構成を採用するならば、上記包囲枠を軽く高強度な繊維強化プラスチック材から成る直管と曲管との複数本づつや、同じく曲管のみの複数本から組み立て乍らも、その包囲枠へ管継手により橋渡し状態に固定横架された水平なクロスビームを補強ブレースとして、その組立強度と安定性を容易に確保できる効果がある。
【0054】
請求項10や請求項12の構成によれば、その何れも炭素繊維強化プラスチック材、ガラス繊維強化プラスチック材又はその両繊維強化プラスチックのハイブリッド材から成る長さが同じ複数本の直管と、同じく長さが同じ複数本の曲管とを用意した上、請求項10の組立方法ではその直管と曲管とを交互して、その端部同士の抜き差し自在に差し込み一本化することにより、各コーナー部が曲管での円弧状をなす平面視の正多角形な包囲枠に組み立てており、他方請求項12の組立方法ではその曲管の隣り合う端部同士を抜き差し自在に差し込み一本化することにより、平面視の円形な包囲枠に組み立てている。
【0055】
そして、請求項10と請求項12との何れにおいても、上記直管を包囲枠の部分的な補強ブレースになるクロスビームとして、その1本づつへドローンの放射アーム用又はカバーケース
用クランプを摺動自在に差し込み套嵌すると共に、その各クロスビームの両端部を硬質なプラスチック材の管継手を介して、上記包囲枠の途中へ平面視の全体的な放射対称型に分布する水平な橋渡し状態に取り付け固定するようになっている。
【0056】
そのため、軽く高強度な材料の直管と曲管や、その曲管同士を抜き差し自在に差し込み一本化することにより、飛行安全フレームの包囲枠を容易に組み立てることができ、またその包囲枠へ1本づつの直管から成るクロスビームを、容易に正しく組み付けることができるのである。
【0057】
更に、上記差し込み状態にある直管と曲管や、その曲管同士を抜き取ることにより、その飛行安全フレームを分解した状態として、小型コンパントに梱包・輸送することができ
る。
【0058】
また、飛行安全フレームが破損したような場合、その破損した部位の直管や曲管だけを新品と取り替えれば良く、飛行安全フレームの全体を新品と交換する必要がないので、使用上の利便性や量産性に優れる。
【0059】
その場合、特に請求項
11や請求項
13の構成を採用するならば、
同じ長さの曲管を使って、直管の長さだけを長短変化させることにより、平面視の正多角形に組み立てられた包囲枠の大きさを大きく又は小さく調整することや、直管の長さと曲管の長さとを長短変化させることにより、平面視の円形に組み立てられた包囲枠の大きさを大きく又は小さく調整することが可能となり、ドローンの大きさ変化に便利良く対応できる効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下、図面に基いて本発明の実施形態を説明すると、
図1、2はその第1実施形態に係るドローン用飛行安全フレーム(F)を、ドローン(小型無人航空機)(A)へ取り付けた使用状態を示している。
【0062】
そのドローン(A)は
図3〜5に例示するように機体(ボディ)(10)と、その機体(10)から横方向へ全体的な放射対称型に張り出す複数(図例では4本)のアーム(11)と、同じく機体(10)から下方へ張り出す複数の接地脚(スタンド)(12)と、各アーム(11)の先端部に軸支されたプロペラ(ローターブレード)(13)とを備えており、その各プロペラ(13)の回転駆動源であるモーター(図示省略)が、上記アーム(11)の先端部へ固定設置されたカバーケース(14)による被覆状態にある。
【0063】
図例の場合、ドローン(A)の接地脚(12)は側面視のほぼU字形をなす向かい合う一対として並列設置されているが、その安定な接地状態に保てる限り、その形状や本数に限定はない。例えば、単純な棒状をなす接地脚(12)の少なくとも3本が点在分布状態に設置されたり、リング状をなす接地脚(12)の1本が設置されたりすることもある。
【0064】
また、図例の各プロペラ(13)は上記アーム(11)の上面に設置されているが、
図4と対比する
図6から明白なように、そのアーム(11)の逆な下面に設置されることもある。(X−X)は上記プロペラ(13)の全体的な回転平面を示しているが、ドローン(A)の機体(10)に搭載される監視カメラやLEDライト、その他の各種付属機器は、図示省略してある。
【0065】
上記ドローン用飛行安全フレーム(F)は炭素繊維強化プラスチック(CFRP)材やガラス繊維強化プラスチック(GFRP)材、その両繊維強化プラスチックのハイブリッド材、その他の各種繊維強化プラスチック(FRP)材、特に好ましくは最も軽く高強度な炭素繊維強化プラスチック材から成る太さ(例えば外径:約8mm、内径:6mm)が互いに同じ直管(Sm)と曲管(Cm)との複数本づつを用いて、
図1、2のようなドローン(A)のプロペラ(13)を横方向から全体的に包囲できる大きさに組み立てられている。
【0066】
その組立方法としては
図7〜9に抽出して示す如く、上記曲管(Cm)の両端部に予じめ細い差込み継手管(15)を接着一体化しておき、その曲管(Cm)の端部から突出する差込み継手管(15)を直管(Sm)の端部へ、抜き差し自在に差し込み一本化することが望ましい。(16)はその曲管(Cm)側の差込み継手管(15)と、直管(Sm)との連結部(差し込み嵌合部)を貫通する抜け止めピン(ロールピン/ノックピン)であり、これを抜き取ることによって、上記曲管(Cm)と直管(Sm)との連結状態を解くことができる。
【0067】
このような組立方法を採用するならば、同じ長さ(L2)(例えば約188mm)の曲管(Cm)を使い、直管(Sm)の長さ(L1)(例えば約227mm)だけを長短変化させて、その直管(Sm)と曲管(Cm)とを抜き差し自在に差し込み一本化することにより、ドローン(A)の大きさ変化に応じて、その飛行安全フレーム(F)の大きさを容易に大小調整することができ、また上記差込み継手管(15)が突出しない直管(Sm)を、後述する包囲枠や屋根枠のほか、その包囲枠のコーナー補強ブレースになるクロスビームや支持脚としても兼用し得るため、量産性の向上に役立つ。
【0068】
上記ドローン用飛行安全フレーム(F)の組立状態を
図1〜9に基いて詳述すると、(E)はその飛行安全フレーム(F)におけるドローン(A)のプロペラ(13)を横方向(周縁方向)から全体的に包囲する包囲枠であって、上記直管(Sm)と曲管(Cm)との複数本づつ(図例では4本づつ)から、その各直管(Sm)と各曲管(Cm)との上記差し込み一本化により、各コーナー部が曲管(Cm)での円弧状をなす平面視の正多角形(図例では正方形)に組み立てられている。
【0069】
その場合、長さ(L1)がすべて同じ直管(Sm)の複数本と、長さ(L2)がすべて同じ曲管(Cm)の複数本とを採用することが好ましい。
【0070】
但し、
図1と対応する
図10の変形実施形態に示す如く、上記包囲枠(E)を複数本(図では8本)の曲管(Cm)のみから、平面視の円形(リング状)に組み立てても良く、その場合も長さ(L2)がすべて同じ曲管(Cm)の複数本を採用することが好ましい。その曲管(Cm)の長さ(L2)を長短変化させることによって、やはり飛行安全フレーム(F)の大きさを大小調整することができる。
【0071】
また、その変形実施形態では曲管(Cm)の一端部だけに
図8のような上記細い差込み継手管(15)を、予じめ突出する状態に接着一体化しておき、残る他端部は上記した直管(Sm)と同様にそのままの放置状態として、その曲管(Cm)同士を抜き差し自在に差し込み一本化すれば良い。
【0072】
上記第1実施形態とその
図10に示した変形実施形態との何れにあっても、その包囲枠(E)は側面視の水平な一段として、上記プロペラ(13)の回転平面(X−X)とほぼ同じ設置高さに保たれ、そのプロペラ(13)を横方向(周縁方向)から被覆(防護)するようになっている。
【0073】
(17)は上記ドローン(A)における機体(10)の放射方向へ張り出すアーム(11)の先端部と接近するように、上記包囲枠(E)の各コーナー部へ橋渡し状態に横架された水平なクロスビーム(梁)であって、1本の直管(Sm)から成り、その両端部が左右一対づつの特殊な第1三方管継手(18L)(18R)を介して、包囲枠(E)の途中に組み付けられている。そのため、クロスビーム(17)は上記包囲枠(E)のコーナー補強ブレースとしても機能し、その複数本(図例では4本)が平面視の全体的な放射対称型に分布することとなる。
【0074】
各クロスビーム(17)の両端部を包囲枠(E)へ組み付ける左右一対(左勝手用と右勝手用)の特殊な第1三方管継手(18L)(18R)は、
図11(イ)(ロ)に抽出して示す如く、水平な包囲枠用差込み継手管部(19)(19)と同じく水平なクロスビーム用差込み継手管部(20)(20)とが平面視のほぼレ字形又はイ字形に交叉し、しかもその差込み継手管部(19)(19)(20)(20)同士が一定の上下相互間隔距離(H)を保って平行する異なる設置平面にある。
【0075】
この点、
図1、2では上記プロペラ(13)の回転平面(X−X)とほぼ同じ設置高さにある水平な包囲枠(E)へ、その第1三方管継手(18L)(18R)の包囲枠用差込み継手管部(19)(19)を通し込むと共に、その包囲枠(E)よりも一定の上下相互間隔距離(H)だけ低い位置にある水平なクロスビーム(17)の両端部へ、同じく第1三方管継手(18L)(18R)のクロスビーム用差込み継手管部(20)(20)を差し込み套嵌している。これによって、クロスビーム(17)をドローン(A)のプロペラ(13)と干渉しないように、そのプロペラ(13)の回転平面(X−X)から下方へ退避させているのである。
【0076】
但し、
図2と対応する
図12の変形実施形態から明白なように、機体(10)から張り出すアーム(11)の下面にプロペラ(13)が設置されるタイプのドローン(A)では、上記第1三方管継手(18L)(18R)を言わば上下の反転状態に使用して、その水平な包囲枠用差込み継手管部(19)(19)をプロペラ(13)の回転平面(X−X)とほぼ同じ設置高さにある水平な包囲枠(E)へ通し込むと共に、その包囲枠(E)よりも一定の上下相互間隔距離(H)だけ高い位置にある水平なクロスビーム(17)の両端部へ、残るクロスビーム用差込み継手管部(20)(20)を差し込み套嵌することにより、そのクロスビーム(17)をやはりドローン(A)のプロペラ(13)と干渉しないように、そのプロペラ(13)の回転平面(X−X)から上方へ退避させれば良い。
【0077】
但し、第1三方管継手(18L)(18R)を上下の反転状態に使用して組み変える代りに、上記第1実施形態の飛行安全フレーム(F)をそのまま上下の反転状態として、
図2から
図12のように取り付け使用することもできる。
【0078】
そして、上記飛行安全フレーム(F)の包囲枠(E)をドローン(A)における機体(10)の放射方向へ張り出すアーム(11)の先端部に取り付けるための放射アーム用挟持クランプ(C1)が、その包囲枠(E)の橋渡し状態に固定横架されている各クロスビーム(17)の途中へ、摺動自在に差し込み套嵌され(通し込まれ)ており、その各クロスビーム(17)に沿い上記挟持クランプ(C1)を摺動させて、上記アーム(11)の張り出し先端部へ正しく対応位置するように調整セットできるようになっている。
【0079】
その放射アーム用挟持クランプ(C1)は
図13〜15に抽出して示すように、各クロスビーム(17)への差込み継手管(21)と、これから連続的に垂下するクランプ本体(22)と、そのクランプ本体(22)と凹凸嵌合する別個な台座(23)とを備えており、そのクランプ本体(22)と台座(23)との凹凸嵌合によって、上記アーム(11)の張り出し先端部を上下方向から挟持すると共に、その挟持状態を垂直の貫通ボルト(24)とその締結ナット(25)によって固定するようになっている。
【0080】
図例の場合、各クロスビーム(17)に差し込み套嵌された放射アーム用挟持クランプ(C1)を、ドローン(A)の機体(10)から放射方向へ張り出すアーム(11)の先端部へ挟み付けるようになっているが、そのアーム(11)における張り出し先端部の上面又は下面には、
図3〜6から示唆されるように、プロペラ(13)を回転駆動するモーター(図示省略)のカバーケース(14)が存在するため、上記放射アーム用挟持クランプ(C1)をカバーケース用挟持クランプ(C1)に代えて、そのカバーケース用挟持クランプ(C1)をドローン(A)側の上記カバーケース(14)へ横方向から挟み付けるように設定しても良い。
【0081】
次に、
図16、17は本発明の第2実施形態を示しており、この飛行安全フレーム(F)では上記第1実施形態の構成に加えて、その包囲枠(E)の途中へドローン(A)を上方から覆うことができる屋根枠(R)を組み付けている。その図例の包囲枠(E)は平面視の円形(リング状)をなしているが、
図1のような平面視の正多角形に造形されることもある。
【0082】
屋根枠(R)は適当な複数本づつの上記直管(Sm)と曲管(Cm)とから
図7〜9と同様にして、その各直管(Sm)と各曲管(Cm)との抜き差し可能な差し込み一本化により、平面視の全体的な放射対称型(図例では十文字形)で、且つ側面視のアーチ形に組み立てられている。
【0083】
図18はそのための第1四方(十文字形)管継手(26)を示しており、これが屋根枠(R)の頂点部(中央部)へ水平設置状態に使用されて、その直管(Sm)同士を平面交叉(直交)状態に組み立て固定する。
【0084】
(27)は屋根枠(R)の下端部を上記包囲枠(E)の途中へ組み付けるための第2三方(T字形)管継手であり、倒立T字形の設置使用状態として、その水平な差込み継手管部(28)が包囲枠(E)へ通し込まれると共に、残る垂直な差込み継手管部(29)が上記屋根枠(R)の下端部へ差し込み套嵌される。
【0085】
その場合、包囲枠(E)に組み付けられた屋根枠(R)は、飛行安全フレーム(F)を持ち運ぶ時の把手としても利用することができる。その包囲枠(E)と屋根枠(R)を骨組として、カバーネット(30)を
図20のような包囲状態に張り付けることにより、手指がドローン(A)の高速回転するプロペラ(13)に触れる危険を予防することが望ましい。
【0086】
また、
図21は本発明の第3実施形態を示しており、この飛行安全フレーム(F)では上記包囲枠を側面視のほぼ平行な上段包囲枠(E1)と下段包囲枠(E2)との一対(二段)として、その何れも平面視の同じ円形又は各コーナー部が円弧状をなす平面視の同じ正多角形に造形している。(31)はその両包囲枠(E1)(E2)の上下相互間に介挿固定された複数本のスペーサーである。
【0087】
そして、その互いに同じ大きさの水平な上段包囲枠(E1)と水平な下段包囲枠(E2)との相互間を、横方向からプロペラ(13)を包囲する一定帯幅(W)のフラットな壁面として機能させるようになっている。プロペラ(13)の回転平面(X−X)を上記上段包囲枠(E1)と下段包囲枠(E2)によって上下方向から挟む如く、そのプロペラ(13)をますます広幅に被覆(防護)することができるようになっているのである。
【0088】
しかも、上記下段包囲枠(E2)の途中に水平なクロスビーム(17)の複数本が、その全体的な放射対称型として分布する橋渡し状態に組み付けられている。その各クロスビーム(17)の両端部を下段包囲枠(E2)へ組み付ける左右一対の第3三方管継手(32)は、上記第1実施形態において説示した第1三方管継手(18L)(18R)と同じく平面視のほぼレ字形又はイ字形をなすが、その特殊な第1三方管継手(18L)(18R)と異なって、
図23に抽出して示す如く、包囲枠用差込み継手管部(33)とクロスビーム用差込み継手管部(34)とは互いに同じ設置平面にあり、そのためその左右一対の区別なく兼用することができる。
【0089】
その場合、図例ではクロスビーム(17)を下段包囲枠(E2)へ組み付けているが、
図12の変形実施形態に準じて、機体(10)から張り出すアーム(11)の下面にプロペラ(13)が設置されるタイプのドローン(A)にあっては、上段包囲枠(E1)へクロスビーム(17)を組み付けても良く、またその組み付ける代りに、上記第3実施形態の飛行安全フレーム(F)を言わば上下の反転状態として、ドローン(A)へ取り付け使用しても良い。
【0090】
図24、25は本発明の第4実施形態を示しており、この飛行安全フレーム(F)では上記第3実施形態の構成に加えて、その上段包囲枠(E1)並びに下段包囲枠(E2)の互いに同じ途中へ、平面視の全体的な放射対称型(図例では十文字形)で且つ側面視のアーチ形をなす屋根枠(R)の下端部を組み付けている。
【0091】
その屋根枠(R)の下端部は垂直の設置状態に使用される
図18の上記第1四方(十文字形)管継手(26)を介して、上段包囲枠(E1)の途中へ組み付けられていると共に、倒立T字形の設置状態に使用される
図19の上記第2三方管継手(27)を介して、下段包囲枠(E2)の途中へ組み付けられている。そのため、上下一対(二段)の包囲枠(E1)(E2)と屋根枠(R)とを強固に安定良く枠組み一体化することができる。
【0092】
但し、屋根枠(R)の下端部は上段包囲枠(E1)のみの途中へ、上記第2三方(T字形)管継手(27)を介して組み付けるだけにとどめてもさしつかえない。
【0093】
尚、上記第4実施形態の飛行安全フレーム(F)でも屋根枠(R)が架構されているため、
図20の形態に準じて、その屋根枠(R)と上段包囲枠(E1)並びに下段包囲枠(E2)の全体へ、
図24、25のようにカバーネット(30)を張り付けることができる。
【0094】
更に、
図26、27は本発明の第5実施形態を示しており、この飛行安全フレーム(F)では上記第3実施形態の構成に加えて、ドローン(A)の接地脚(12)に向かって斜め下方へ張り出す支持脚(35)の上端部を、その下段包囲枠(E2)の途中に組み付けている。
【0095】
その場合、支持脚(35)の上端部と上記クロスビーム(17)の両端部とを共通する下段包囲枠(E2)の別異な途中へ、互いに同じ
図23のような第3三方管継手(32)を用いて、各々組み付けてもさしつかえないが、
図28(イ)(ロ)に抽出して示す左右一対(左勝手用と右勝手用)の特殊な第2四方管継手(36L)(36R)を用いて、上記支持脚(35)の上端部とクロスビーム(17)の両端部とを一緒に下段包囲枠(E2)の途中へ組み付けることが好ましい。
【0096】
つまり、その特殊な第2四方管継手(36L)(36R)の長い包囲枠用差込み継手管部(37)を水平な下段包囲枠(E2)へ通し込むと共に、その包囲枠用差込み継手管部(37)の一端からほぼレ字形の平面交叉状態に張り出す水平なクロスビーム用差込み継手管部(38)を、クロスビーム(17)の両端部へ差し込み套嵌する一方、同じく包囲枠用差込み継手管部(37)の他端から斜め下向きに張り出す支持脚用差込み継手管部(39)を、支持脚(35)の上端部へ差し込み套嵌するのであり、これによれば組立状態の強度と安定性が向上する。
【0097】
各支持脚(35)も1本の上記直管(Sm)から成り、その張り出し先端部(下端部)にはドローン(A)の接地脚(12)へ取り付けるための接地脚用挟持クランプ(C2)が差し込み固定されている。
【0098】
その接地脚用挟持クランプ(C2)は
図29〜31に示すように、上記支持脚(35)への差込み継手管部(40)と、その下端部から連続的に張り出すクランプ本体(41)と、これと向かい合う別個な押圧板(42)とを備え、その押圧板(42)とクランプ本体(41)によってドローン(A)の接地脚(12)を横方向から挟持し、その挟持状態を一対の平行な貫通ボルト(43)とその締結ナット(44)によって固定するようになっている。
【0099】
上記の各支持脚(35)となる直管(Sm)は既述のとおり、その端部から突出する細い差込み継手管(15)を具備していないため、その上端部へ上記第3三方管継手(32)やこれに代る特殊な第2四方管継手(36L)(36R)の支持脚用差込み継手管部(39)を支障なく正確に差し込み套嵌することができる。
【0100】
更に、
図24、25の第4実施形態と
図26、27の第5実施形態では、プロペラ(13)がアーム(11)の上面に設置されたドローン(A)である関係上、そのアーム(11)の先端部に取り付けられる上記挟持クランプ(C1)が付属するクロスビーム(17)を、下段包囲枠(E2)への橋渡し状態に固定横架させているが、上記プロペラ(13)がアーム(11)の下面に設置されるタイプのドローン(A)である場合には、上記クロスビーム(17)を上段包囲枠(E1)への橋渡し状態に固定横架させても良い。
【0101】
要すれば、上記クロスビーム(17)をドローン(A)のプロペラ(13)と干渉しない高さ位置に保つ趣旨である。
【0102】
尚、
図16〜31の第2〜5実施形態におけるその他の構成は、
図1〜15の上記第1実施形態と実質的に同じであるため、その
図16〜31に
図1〜15と同じ符号を記入するにとどめて、その詳細な説明を省略する。
【0103】
何れにしても、上記包囲枠(E)(E1)(E2)やクロスビーム(17)、屋根枠(R)並びに支持脚(35)は既述のとおり、炭素繊維強化プラスチック材やガラス繊維強化プラスチック材、その両繊維強化プラスチックのハイブリッド材、その他の各種繊維強化プラスチック材の直管(Sm)又は/及び曲管(Cm)から、その抜き差し自在の差し込み一本化によって組み立てられているが、上記スペーサー(31)や各種管継手(18l)(18R)(26)(27)(32)(36L)(36R)、放射アーム用/カバーケース用挟持クランプ(C1)並びに接地脚用挟持クランプ(C2)は、上記の各種繊維強化プラスチック材から作成する方法だけでなく、その代りにABS樹脂やポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、その他の耐衝撃性がある硬質な合成樹脂(エンジニアリングプラスチックを含む。)、特に好ましくはABS樹脂から作成することができる。
【0104】
本発明に係るドローン用飛行安全フレーム(F)の組立方法を、
図1,2の第1実施形態に基いて説明すると、その組立に当っては上記炭素繊維強化プラスチック材、ガラス繊維強化プラスチック材又はその両繊維強化プラスチックのハイブリッド材から成る長さ(L1)が同じ複数本の直管(Sm)と、同じく長さ(L2)が同じ複数本の曲管(Cm)とを用意しておき、その直管(Sm)と曲管(Cm)とを交互して、その端部同士の抜き差し自在に差し込み一本化することにより、各コーナー部が曲管(Cm)での円弧状をなす平面視の正多角形(図例では正方形)な包囲枠(E)に組み立てる。
【0105】
この点、図例では曲管(Cm)の両端部に予じめ細い差込み継手管(15)が接着一体化されているため、その曲管(Cm)側から突出する差込み継手管(15)と、隣り合うう直管(Sm)の端部とを抜き差し自在に差し込み嵌合すると共に、その嵌合部(連結部)へ抜け止めピン(ロールピン/ノックピン)(16)を貫通させるのである。
【0106】
他方、上記直管(Sm)を正多角形な包囲枠(E)の各コーナー補強ブレースになるクロスビーム(17)として、ドローン(A)における機体(10)の放射方向へ張り出すアーム(11)の先端部又はその先端部に存在するプロペラ回転駆動モーター用カバーケース(14)への取り付け用となる別個な挟持クランプ(C1)を、そのクロスビーム(17)の1本づつへ摺動自在に差し込み套嵌する(通し込む)。
【0107】
そして、その各クロスビーム(17)の両端部を上記包囲枠(E)の途中へ、各々抜き差し可能なABS樹脂などの硬質プラスチック材から成る管継手(図例では特殊な第1三方管継手)(18L)(18R)を介して、そのクロスビーム(17)が包囲枠(E)の全体的な放射対称型に分布する水平な橋渡し状態となるように取り付け固定するのである。
【0108】
その場合、各クロスビーム(17)の直管(Sm)は既述のとおり、その端部から突出する細い差込み継手管(15)を具備していないため、その両端部へ上記特殊な第1三方管継手(18L)(18R)のクロスビーム用差込み継手管部(20)(20)を支障なく正確に差し込み套嵌することができる。
【0109】
特に、包囲枠(E)を形作る直管(Sm)
の長さ(L1)と、クロスビーム(17)になる直管(Sm)
の長さ(L2)とを
各々長短変化させれば、
同じ長さ(L2)の曲管(Cm)を使って(換言すれば曲管の長さは変えずに)、その包囲枠(E)における上記正多角形(図例では正方形)の大きさを大きく又は小さく調整することができ、ドローン(A)の大きさ変化に便利良く対応し得ることとなる。
【0110】
また、
図1と対応する
図10の変形実施形態に係る飛行安全フレーム(F)の組立方法を説明すると、その組立に当ってもやはり上記した各種繊維強化プラスチック材から長さ(L1)が同じ複数本の直管(Sm)と、同じく長さ(L2)が同じ複数本の曲管(Cm)とを用意しておき、その曲管(Cm)の隣り合う端部同士を抜き差し自在に差し込み一本化することにより、平面視の円形(リング状)な包囲枠(E)に組み立てる。
【0111】
この点、図例では既述のとおり、曲管(Cm)の一端部だけに予じめ細い差込み継手管(15)が接着一体化されているため、その曲管(Cm)の一端部から突出する差込み継手管(15)と、隣り合う曲管(Cm)の他端部とを抜き差し自在に差し込み嵌合すると共に、その嵌合部(連結部)へ抜け止めピン(ロールピン/ノックピン)(16)を貫通させるのである。
【0112】
他方、上記直管(Sm)を円形な包囲枠(E)の部分補強ブレースになるクロスビーム(17)として、やはりドローン(A)における機体(10)の放射方向へ張り出すアーム(11)の先端部又はその先端部に存在するプロペラ回転駆動モーター用カバーケース(14)への取り付け用となる別個な挟持クランプ(C1)を、そのクロスビーム(17)の1本づつへ摺動自在に差し込み套嵌する(通し込む)。
【0113】
そして、その各クロスビーム(17)の両端部を上記包囲枠(E)の途中へ、各々抜き差し可能なABS樹脂などの硬質プラスチック材から成る管継手(図例では特殊な第1三方管継手)(18L)(18R)を介して、そのクロスビーム(17)が包囲枠(E)の全体的な放射対称型に分布する水平な橋渡し状態となるように取り付け固定するのである。
【0114】
その場合、上記包囲枠(E)を形作る曲管(Cm)の長さ(L2)と、クロスビーム(17)になる直管(Sm)の長さ(L1)とを各々長短変化させれば、その包囲枠(E)における円形の大きさを大きく又は小さく調整することができ、やはりドローン(A)の大きさ変化に対する対応性が広がる。
【0115】
何れにしても、上記のように組み立てられた飛行安全フレーム(F)を、ドローン(A)へ取り付け(後付け)使用するに当っては、その包囲枠(E)をドローン(A)におけるプロペラ(13)の全体的な包囲状態に臨ませて、平面視の正多角形をなす包囲枠(E)のコーナー補強ブレースとして機能する各クロスビーム(17)か、又は平面視の円形をなす包囲枠(E)の部分補強ブレースとして機能する各クロスビーム(17)上にある放射アーム用挟持クランプ(C1)を、その各クロスビーム(17)に沿い摺動させて、ドローン(A)の機体(10)から放射方向へ張り出すアーム(11)の先端部と対応合致するように位置決め調整し、そのアーム(11)の先端部へ上記挟持クランプ(C1)を各々取り付け固定する。
【0116】
つまり、
図14、15に抽出して示す如く、その放射アーム用挟持クランプ(C1)のクランプ本体(22)と台座(23)とを凹凸嵌合させて、上記アーム(11)の先端部を上下方向から挟み付け、その挟持状態を貫通ボルト(24)と締結ナット(25)によって固定するのである。
図1と
図10の符号(P1)はその点在分布する固定点を示しており、上記ドローン(A)の機体(10)から張り出すアーム(11)の個数分に相当する複数個所(図例では4個所)において、ドローン(A)へその飛行安全フレーム(F)が安定良く取り付け固定維持されることになる。
【0117】
尚、上記ドローン(A)におけるアーム(11)の先端部に代えて、その先端部に存在するプロペラ回転駆動モーター用カバーケース(14)へ、そのカバーケース用挟持クランプ(C1)を取り付け固定した場合でも、その固定点(P1)は同様に点在分布する複数個所となり、やはり安定・確固な取付状態を得られるのである。
【0118】
殊更、
図26、27の第5実施形態に示す如く、その飛行安全フレーム(F)における下段包囲枠(E2)の途中から斜め下方へ張り出す各支持脚(35)の接地脚用挟持クランプ(C2)も、ドローン(A)の接地脚(12)へ取り付け固定する構成によれば、その複数個所(図例では4個所)での固定点(P2)も加わるため、そのドローン(A)への取付状態をますます安定良く確固に保つことができる。
【0119】
何れにしても、上記飛行安全フレーム(F)の包囲枠(E)(E1)(E2)や屋根枠(R)は、直管(Sm)と曲管(Cm)とからや曲管(Cm)のみから抜き差し自在に差し込み一本化されることにより、ドローン(A)を包囲するように組み立てられているため、万一その包囲枠(E)(E1)(E2)や屋根枠(R)が破損した場合には、その破損した部位の直管(Sm)又は/及び曲管(Cm)だけを新品と交換して、再度組み立て使用することができ、飛行安全フレーム(F)全体の交換を余儀なくされることはないので、使用上の利便性と量産性に優れる。
【0120】
また、上記飛行安全フレーム(F)を組み立てている包囲枠(E)(E1)(E2)やクロスビーム(17)、屋根枠(R)、支持脚(35)は、そのすべて軽く高強度な繊維強化プラスチック材の直管(Sm)と曲管(Cm)から成るため、ドローン(A)に対していたずらに重くなる負荷を与えたり、大きな空気抵抗を与えたりすることがなく、長時間円滑に飛行させることができるのである。
【解決手段】ドローン(A)のプロペラ(13)を横方向から全体的に包囲する包囲枠(E)と、ドローンにおける機体(10)の放射方向へ張り出すアーム(11)の先端部と接近するように、上記包囲枠の途中へ部分的な橋渡し状態に横架された複数本のクロスビーム(17)とを備え、上記包囲枠とクロスビームが炭素繊維強化プラスチック材の直管(Sm)又は/及び曲管(Cm)から成り、上記クロスビームの途中がドローンにおける機体の放射方向へ張り出すアームの先端部へ、着脱自在に取り付け使用されるように関係設定した。