【実施例】
【0036】
以下実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
【0037】
(実施例1)
生地(ポリエステル糸からなるダブルニット生地、目付130g/m
2)を用いて
図12に示すシャツ80(JASPO規定Lサイズ)を作製した。次に、後身頃において、
図5Aに示すように、幅Wが6cmであり、長さLが2.5cmのベンチレーション部材11を、その上端が第七頸椎から7cm離れた部位に位置し、且つベンチレーション部材11の幅方向の中心点が後身頃の中心軸に位置するように配置するとともに、後身頃を構成する生地の所定の箇所に切れ目を入れてベンチレーション部材11の長さ方向の上端部2cmが衣服の外側に露出するように配置した。その後、ベンチレーション部材11の周縁部をポリウレタン樹脂系ホットメルト接着剤で生地に接着させた。ベンチレーション部材11は、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(JIS K 7311に従って測定した硬度:80A)で構成され、
図6に示す構造を有し、凸部の高さは2.5mm、凸部の底辺の幅は5mm、通気孔の幅が5mmであり、幅方向において凸部が30列配置され、長さ方向において凸部が9列配置されていた。シャツ80において、第七頸椎に対応する位置と、身地の中心上端または衿と身生地の縫い合わせ部の中心までの距離は3cmであった。
【0038】
(実施例2)
後身頃において、
図5Bに示すように、幅が6cmであり、長さが2.5cmのベンチレーション部材21aを、その上端が第七頸椎から7cm離れた部位に位置するように配置し、幅が6cmであり、長さが2.5cmのベンチレーション部材21bを、その上端が第七頸椎から12cm離れた部位に位置するように配置し、幅が6cmであり、長さが2.5cmのベンチレーション部材21cを、その上端が第七頸椎から17cm離れた部位に位置し、且つベンチレーション部材21a、21b及び21cの幅方向の中心点が後身頃の中心軸に位置するように配置するとともに、後身頃を構成する生地の所定の箇所に切れ目を入れてベンチレーション部材21a、21b及び21cの長さ方向の上端部2cmがそれぞれ衣服の外側に露出するように配置した以外は、実施例1と同様にしてベンチレーション部を有するシャツを作製した。ベンチレーション部材21a、21b及び21cは、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(JIS K 7311に従って測定した硬度:80A)で構成され、
図6に示す構造を有する。ベンチレーション部材21a、21b及び21cは、凸部の高さは2.5mm、凸部の底辺の幅は5mm、通気孔の幅が5mmであり、幅方向において凸部が10列配置され、長さ方向において凸部が9列配置されていた。
【0039】
(実施例3)
後身頃において、
図5Cに示すように、幅が6cmであり、長さが2.5cmのベンチレーション部材31aを、その上端が第七頸椎から7cm離れた部位に位置するように配置し、幅が12cmであり、長さが2.5cmのベンチレーション部材31bを、その上端が第七頸椎から12cm離れた部位に位置し、且つベンチレーション部材31a及び31bの幅方向の中心点が後身頃の中心軸に位置するように配置するとともに、後身頃を構成する生地の所定の箇所に切れ目を入れてベンチレーション部材31a及び31bの長さ方向の上端部2cmがそれぞれ衣服の外側に露出するように配置した以外は、実施例1と同様にしてベンチレーション部を有するシャツを作製した。ベンチレーション部材31a及び31bは、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(JIS K 7311に従って測定した硬度:80A)で構成され、
図6に示す構造を有する。ベンチレーション部材31a及び31bにおいて、凸部の高さは2.5mm、凸部の底辺の幅は5mm、通気孔の幅が5mmであった。ベンチレーション部材31aは、幅方向において凸部が10列配置され、長さ方向において凸部が9列配置され、ベンチレーション部材31bは、幅方向において凸部が30列配置され、長さ方向において凸部が9列配置されていた。
【0040】
(実施例4)
後身頃において、
図5Eに示すように、幅が6cm、長さ15cmのベンチレーション部材51を、その上端が第七頸椎から7cm離れた部位に位置するように配置し、且つベンチレーション部材51の幅方向の中心点が後身頃の中心軸に位置するように配置するとともに、後身頃を構成する生地の所定の箇所に切れ目を入れて、第七頸椎から7cm離れた部位、第七頸椎から12cm離れた部位、及び第七頸椎から17cm離れた部位において、ベンチレーション部材51がそれぞれ2cmずつ衣服の外側に露出するように配置した以外は、実施例1と同様にしてベンチレーション部を有するシャツを作製した。ベンチレーション部材51は、
図7に示す構造を有するものであった。具体的には、ベンチレーション部材51は、身幅方向に平行する方向に通気孔が形成されているメッシュ生地(ポリエステル糸、目付155g/m
2)と、該メッシュ生地上に身幅方向に平行するように所定の間隔で配置された複数のテープ状重畳物で構成されており、テープ状重畳物は、ダブルラッセル(ポリエステル糸及びポリウレタン糸の交編生地、目付400g/m
2)からなるテープが身長方向において凸部と凹部が交互になるように重畳されたものであった。ベンチレーション部材51は、テープ状重畳物間の間隔が20mmであり、凸部の高さが2.5mm、凸部の底辺の幅が5mm、通気孔の幅が5mmであり、幅方向において凸部が10列配置され、長さ方向において凸部が27列配置されていた。
【0041】
(実施例5)
ベンチレーション部材として、
図7に示す構造を有するものを用いた以外は、実施例3と同様にしてベンチレーション部を有するシャツを作製した。ベンチレーション部材61a及び61bは、身幅方向に平行する方向に通気孔が形成されているメッシュ生地(ポリエステル糸、目付155g/m
2)と、該メッシュ生地上に身幅方向に平行するように所定の間隔で配置された複数のテープ状重畳物で構成されており、テープ状重畳物は、ダブルラッセル(ポリエステル糸及びポリウレタン糸の交編生地、目付400g/m
2)からなるテープが身長方向において凸部と凹部が交互になるように重畳されたものであった。ベンチレーション部材61a及び61bは、テープ状重畳物間の間隔が20mmであり、凸部の高さが2.5mm、凸部の底辺の幅が5mm、通気孔の幅が5mmであった。ベンチレーション部材61aは、幅が6cm、長さ5cmであり、幅方向において凸部が12列配置され、長さ方向において凸部が5列配置されていた。ベンチレーション部材61bは、幅が12cm、長さ5cmであり、幅方向において凸部が20列配置され、長さ方向において凸部が9列配置されていた。
【0042】
(比較例1)
生地(ポリエステル糸からなるダブルニット生地、目付130g/m
2)を用いて
図12に示すシャツ80を作製した。
図12Aは比較例1のシャツの模式的正面図であり、
図12Bは同模式的背面図である。
【0043】
実施例1〜5及び比較例1のシャツを、スチームマネキン(直元工業株式会社製「NT−26M」)に着用させて、スチームマネキンからスチームを放出して衣服内の湿度を100%に設定して衣服内外の温度変化を測定した。その結果を下記表1に示した。
【0044】
実施例3のシャツの場合は、
図13に示すように、スチームマネキン200に着用させ、衣服上においてベンチレーション部材31aの直上に温湿度センサー201を設置し、衣服内部において、ベンチレーション部材31aとベンチレーション部材31bの間に温湿度センサー202を設置した。実施例1の場合は、図示はないが、衣服上においてベンチレーション部材11の直上に温湿度センサー201を設置し、衣服内部において、ベンチレーション部材11の直下に温湿度センサー202を設置した。実施例2の場合は、図示はないが、衣服上においてベンチレーション部材21aの直上に温湿度センサー201を設置し、衣服内部において、ベンチレーション部材21aとベンチレーション部材21bの間に温湿度センサー202を設置した。実施例4の場合は、図示はないが、衣服上においてベンチレーション部材51の直上に温湿度センサー201を設置し、衣服内部において、衿と身生地の縫い合わせ部の中心から約10cm下に温湿度センサー202を設置した。実施例5の場合は、図示はないが、衣服上においてベンチレーション部材61aの直上に温湿度センサー201を設置し、衣服内部において、ベンチレーション部材61aとベンチレーション部材61bの間に温湿度センサー202を設置した。
【0045】
また、実施例1〜5及び比較例1のシャツを標準マネキンに着用させて、第7頸椎上の肌面と第7頸椎を覆う生地の肌側間の空間高さ、すなわちベンチレーション部によるゆとり量を測定した。なお、第7頸椎を覆う領域にベンチレーション部が配置されていない場合は、第7頸椎に最も近い部位上の肌面と該部位を覆う生地の肌側間の空間高さを測定した。
【0046】
【表1】
【0047】
表1の結果から分かるように、ベンチレーション部を有する実施例1〜5のシャツの場合、ベンチレーション部を有しない比較例1のシャツと比べると、衣服内部の湿度が低く、衣服内部の空気(熱気)を効果的に衣服の外側に放出していた。実施例3と実施例5の対比から、ベンチレーション部が樹脂で構成された場合、より効果的に衣服内部の空気(熱気)を衣服の外側に放出することが分かった。
【0048】
(ベンチレーション部によるゆとり量の検討)
<サンプルa>
生地(ポリエステル糸からなる二重織、目付116g/m
2)を30×30cmにカットして用いた。
【0049】
<サンプルb>
サンプルaと同様の生地の所定箇所を切り抜いた後、そこへ
図6に示す構造を有するベンチレーション部材を接着させて、サンプルbを得た。具体的は、ベンチレーション部材の周縁部をポリウレタン樹脂系ホットメルト接着剤で生地に接着させた。ベンチレーション部材は、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(JIS K 7311に従って測定した硬度:80A)で構成され、幅が5cm、長さが15cmであり、凸部の高さは2.5mm、凸部の底辺の幅は10mm、通気孔の幅が10mmであり、幅方向において凸部が3列配置され、長さ方向において凸部が11列配置されていた。
【0050】
<サンプルc>
ベンチレーション部材として、凸部の高さHaが5mmであるものを用いた以外は、サンプルbと同様にして、生地にベンチレーション部材を接着させて、サンプルcを得た。
【0051】
<サンプルd>
ベンチレーション部材として、凸部の高さHaが10mmであるものを用いた以外は、サンプルbと同様にして、生地にベンチレーション部材を接着させて、サンプルdを得た。
【0052】
<サンプルe>
ベンチレーション部材は、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(JIS K 7311に従って測定した硬度:80A)で構成され、幅が15cm、長さが5cmであり、凸部の高さが2.5mm、凸部の底辺の幅が10mm、通気孔の幅が10mmであり、幅方向において凸部が11列配置され、長さ方向において凸部が3列配置されているものを用いた以外は、サンプルbと同様にして、生地にベンチレーション部材を接着させて、サンプルeを得た。
【0053】
<サンプルf>
ベンチレーション部材として、凸部の高さHaが5mmであるものを用いた以外は、サンプルeと同様にして、生地にベンチレーション部材を接着させて、サンプルfを得た。
【0054】
<サンプルg>
ベンチレーション部材として、凸部の高さHaが10mmであるものを用いた以外は、サンプルeと同様にして、生地にベンチレーション部材を接着させて、サンプルgを得た。
【0055】
サンプルa〜gを用い、下記のような発汗シミュレーターによるモデル試験により、放熱量、衣服内温度及び衣服内湿度を測定した。その結果を下記表2に示した。
【0056】
(発汗シミュレーターによるモデル試験)
定温制御及び定電力制御可能な熱板に、一定速度で水分を与える装置を使用した。軽度の発汗状態を想定して水分量(発汗量)は200g/m
2/hourに設定した後、サンプルを熱板上に設置した。熱板の表面温度を40℃の定温度になるように電力を制御し、電力量によりベンチレーション効果を確認した。ベンチレーション効果が高ければ放熱量が多くなるので電力量は大きくなることになる。放熱量は、電力量に基づいて算出した。その後、サンプルと熱板の間、且つベンチレーション部材の下方に温湿度センサーを設置し、模擬衣服内部温湿度を測定した。サンプルaの場合は、サンプルb〜dと同じ位置に温度センサーを配置した場合はサンプルa−1とし、サンプルe〜gと同じ位置に温度センサーを配置した場合はサンプルa−2とした。
【0057】
【表2】
【0058】
表2の結果から分かるように、ベンチレーション部材において、肌に近い側の凸部の高さが2.5mm以上、すなわち、衣服においてベンチレーション部によるゆとり量が2.5mm以上であると、発汗した状態で、ベンチレーション部材を有しない場合と比べて、放熱量が増加し、衣服内温度及び湿度が低下しており、衣服内部の空気(熱気)を効果的に外部に排出することができた。肌に近い側の凸部の高さの値が大きいほど、すなわち、衣服においてベンチレーション部によるゆとり量が大きいほど、放熱量が増加し、衣服内温度及び湿度が低くなる傾向を示していた。
【0059】
(実施例6)
生地(ポリエステル糸からなる二重織、目付116g/m
2)を用いて
図1及び
図2に示すようなジャケット本体2を作製した。ジャケット本体2の後身頃において、第7頸椎から10cm下方までの首筋の全部を覆う領域にベンチレーション部3を設けた。ベンチレーション部3は、
図3及び
図4に示す構造を有するものであり、ジャケット2の後身頃の所定箇所を切り抜き、そこへベンチレーション部3を縫製で縫い付けた。具体的には、ベンチレーション部3の周縁部6を縫製(縫製線4)でジャケット本体2に縫い付けた。
図2に示しているように、ベンチレーション部3は衣服の外部に露出していた。ベンチレーション部3は、熱可塑性ポリウレタンエラストマー(JIS K 7311に従って測定した硬度:80A)で構成され、長さ方向の両端部を除いた部分の最大幅が2cmであり、最大長さが13.5cmであった。凸部の高さは2.5mmであり、幅方向において両端部の凸部の底辺の幅は7mmであり、幅方向において中央の凸部の底辺の幅は5mmであった。幅方向において、凸部が最大3列配置され、長さ方向において凸部が最大22列配置されていた。
【0060】
(比較例2)
ベンチレーション部3を設けていないジャケットを比較例2とした。
【0061】
実施例6及び比較例2のジャケットを用い、下記のような発汗マネキンによる試験により、衣服内温度及び衣服内湿度を測定した。その結果を下記表3及び
図14に示した。
【0062】
(発汗マネキンによる試験)
定温制御及び定電力制御可能で、一定量の模擬発汗をおこすマネキン(メジャーメントテクノロジー製、品名「ニュートン」)を使用した。軽度の発汗状態を想定して、マネキン温度を40℃、発汗量を150g/m
2/hourになるように制御した。ジャケットを同じサイズのマネキンに着用させた後、実施例6の場合は、ジャケットとマネキンの間、且つベンチレーション部の下部に温湿度センサーを設置し、衣服内部温湿度を測定した。比較例1の場合は、実施例6の場合と同じ位置になるように温湿度センサーを設置した。
【0063】
【表3】
【0064】
表3及び
図14の結果から明らかなように、ベンチレーション部を有する実施例6のジャケットを着用した場合、ベンチレーション部を有しない比較例2のジャケットを着用した場合と比べると、軽度の発汗状態において、衣服内部の温度及び湿度のいずれも低下しており、衣服内部の空気(熱気)を効果的に外部に排出していた。
【0065】
(参考比較例1)
生地(ポリエステル糸からなるメッシュリバース、目付155g/m
2)を30×30cmにカットして用いた。
【0066】
(参考実施例1)
参考比較例1と同様の生地の所定箇所を切り抜いた後、そこへ
図7に示す構造を有するベンチレーション部材を縫製して、参考実施例1とした。該ベンチレーション部材は、身幅方向に平行する方向に通気孔が形成されているメッシュ生地(ポリエステル糸、目付155g/m
2)と、該メッシュ生地上に身幅方向に平行するように所定の間隔で配置された複数のテープ状重畳物で構成されており、テープ状重畳物は、ダブルラッセル(ポリエステル糸、目付155g/m
2)からなるテープが身長方向において凸部と凹部が交互になるように重畳されたものであった。該ベンチレーション部材は、幅が4cm、長さが10cmであり、テープ状重畳物間の間隔は20mmであり、凸部高さが2.5mmであり、凸部の底辺の幅が7mmであり、通気孔の幅が7mmであり、幅方向において凸部が2列配置され、長さ方向において凸部が20列配置されていた。
【0067】
参考実施例1及び参考比較例1のサンプルを用い、上記のような発汗シミュレーターによるモデル試験により、放熱量及び衣服内湿度を測定した。その結果を下記表4及び
図15に示した。参考実施例1の場合は、サンプルと熱板の間、且つベンチレーション部材の下方に温湿度センサーを設置し、参考比較例1の場合は、参考実施例1と同じ位置になるように温湿度センサーを設置した。
【0068】
【表4】
【0069】
表4及び
図15の結果から分かるように、ベンチレーション部を有する参考実施例1の場合、ベンチレーション部を有しない参考比較例1の場合に比べると、軽度の発汗状態において、放熱量が増加し、衣服内部の湿度が低下しており、衣服内部の空気(熱気)を効果的に外部に排出していた。
【0070】
(実施例7)
生地(ポリエステル糸からなるメッシュリバース、目付155g/m
2)を用いて
図1及び
図2に示すようなジャケット本体2を作製した。ジャケット本体2の後身頃において、第7頸椎から10cm下方までの首筋の全部を覆う領域に、
図7に示す構造を有するベンチレーション部を設けた。具体的には、ジャケット2の後身頃の所定箇所を切り抜き、そこへ
図7に示す構造を有するベンチレーション部をジャケット本体2に縫い付けた。該ベンチレーション部材は、身幅方向に平行する方向に通気孔が形成されているメッシュ生地(ポリエステル糸、目付155g/m
2)と、該メッシュ生地上に身幅方向に平行するように所定の間隔で配置された複数のテープ状重畳物で構成されており、テープ状重畳物は、ダブルラッセル(ポリエステル糸、目付155g/m
2)からなるテープが身長方向において凸部と凹部が交互になるように重畳されたものであった。該ベンチレーション部材は、幅が4cm、長さが10cmであり、テープ状重畳物間の間隔は20mmであり、凸部高さが2.5mmであり、凸部の底辺の幅が7mmであり、通気孔の幅が7mmであり、幅方向において凸部が2列配置され、長さ方向において凸部が20列配置されていた。
【0071】
(比較例3)
生地(ポリエステル糸からなるメッシュリバース、目付155g/m
2)を用いて作製した、
図7に示す構造を有するベンチレーション部を設けていないジャケットを比較例2とした。
【0072】
実施例7及び比較例3のジャケットを用い、上述したような発汗マネキンによる試験により、衣服内温度及び衣服内湿度を測定した。その結果を下記表5に示した。
【0073】
【表5】
【0074】
表5の結果から明らかなように、ベンチレーション部を有する実施例7のジャケットを着用した場合、ベンチレーション部を有しない比較例3のジャケットを着用した場合と比べると、軽度の発汗状態において、衣服内部の温度及び湿度のいずれも低下しており、衣服内部の空気(熱気)を効果的に外部に排出していた。
【0075】
実施例1、2、5〜7の衣服、並びに比較例1〜3の衣服を着用し、温熱感、ムレ感及び快適感を官能評価し、0〜10点の点数を付けた。nを10とし、下記表6に平均値を示した。
温熱感:得点が低いほど涼しい
ムレ感:得点が低いほど蒸れを感じない
快適感:得点が低いほど快適に感じる
【0076】
【表6】
【0077】
表6の結果から分かるように、ベンチレーヨン部を設けた実施例1、2及び5のシャツを着用した場合、ベンチレーヨン部を有しない比較例1のシャツを着用した場合と比べて、温熱感及びムレ感をほとんど感じず、快適さを感じていた。また、ベンチレーヨン部を設けた実施例6のジャケットを着用した場合、ベンチレーヨン部を有しない比較例2のジャケットを着用した場合と比べて、温熱感及びムレ感をほとんど感じず、快適さを感じていた。また、ベンチレーヨン部を設けた実施例7のジャケットを着用した場合、ベンチレーヨン部を有しない比較例3のジャケットを着用した場合と比べて、温熱感及びムレ感をほとんど感じず、快適さを感じていた。