【文献】
Current Topics in Medicinal Chemistry (Sharjah, United Arab Emirates),,2008年,8(17),p.1533-1544
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
接触性皮膚炎(刺激物接触性皮膚炎およびアレルギー性接触性皮膚炎を含む)、アトピー性皮膚炎(アレルギー性湿疹としても知られる)、日光角化症、角化障害(湿疹を含む)、表皮水疱性疾患(天疱瘡を含む)、剥脱性皮膚炎、脂漏性皮膚炎、紅斑(多形性紅斑および結節性紅斑を含む)、日光もしくは他の光源により引き起こされる損傷、円板状紅斑性狼瘡、皮膚筋炎、乾癬、皮膚癌または自然老化の作用の予防または治療のための、請求項12に記載の医薬組成物。
【実施例】
【0249】
具体例
以上に本発明を全般的に説明したが、本発明は以下の実施例を参照すればより容易に理解される。これらの実施例は、本発明の特定の面および実施態様を単に説明するために含めるものであり、本発明を何ら限定するものではない。
【0250】
実施例1.(4S)−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. 2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)コハク酸(S)−ジメチルの合成:
【化20】
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温度計、還流冷却器、および機械的撹拌機を備えた2Lフラスコに、(100g、0.52mol)の2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン、(205g、1.04mol)の(S)−アスパラギン酸ジメチルエステル塩酸塩、(174g、2.07mol)のNaHCO
3および1Lのテトラヒドロフランを加えた。この反応物を40℃で16時間撹拌し、HPLCにより2,6−ジクロロピリジンの消失に関してモニタリングした。反応が完了した後、個体を濾去し、酢酸エチル(3×300mL)で洗浄した。合わせた濾液および洗液を濃縮乾固し、残渣を1Lの酢酸エチルに取った。この溶液を200gの木炭とともに周囲温度で2時間撹拌し、木炭を濾去し、さらなる酢酸エチル(3×200mL)で洗浄した。合わせた濾液および洗液を真空濃縮し、粗生成物2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)コハク酸(S)−ジメチル(180g)を黄色油状物として得た。これをそれ以上精製せずに次の工程で使用した。MS(ESI)C
11H
12ClN
3O
6の理論値:317.0;測定値:318.0(M+H)
+。
【0251】
類似の方法を用い、(R)−アスパラギン酸ジメチルエステル塩酸塩で出発することにより、2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)コハク酸(R)−ジメチルを製造することができた。
【0252】
工程2. 2−(6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)酢酸(S)−メチルの合成:
【化21】
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温度計、還流冷却器、および機械的撹拌機を備えた5L三頚フラスコに、粗2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)コハク酸(S)−ジメチル(180g、0.52mol)、鉄粉(146g、2.59mol)、2Lの2−プロパノール、および700mLの水を装填した。この混合物を40℃で撹拌し、酢酸(15.5g、0.259mmol)を、内部温度を70℃より低く保持するために十分な速度で加えた。この反応物を70℃で30分間撹拌したところ、HPLCは反応が完了したことを示した。この混合物を40℃に冷却した後、Na
2CO
3(165g、1.55mol)を加え、この混合物を1時間撹拌した。固体を濾去した後、それらの固体をテトラヒドロフラン(3×500mL)で洗浄した。合わせた濾液および洗液を真空濃縮した後、残渣を1Lのエタノール中で12時間撹拌した。固体を濾過し、冷エタノールで洗浄した。これを真空乾燥させ、2−(6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)酢酸(S)−メチル(91g、68%)を灰白色固体として得た。MS(ESI)C
10H
10ClN
3O
3の理論値:255.0;測定値:256.0(M+H)
+。
【0253】
類似の手順を用い、2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)コハク酸(R)−ジメチルで出発することにより、2−(6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)酢酸(R)−メチルを製造することができた。
【0254】
工程3. (S)−2−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタノールの合成:
【化22】
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機械的撹拌機、還流冷却器、および窒素流入口を備えた5L3頚フラスコに、LiAlH
4(60g、1.58mol)を装填した。このフラスコを氷浴で冷却した後、500mLのテトラヒドロフランを加えた。この撹拌混合物を0℃に冷却し、内部温度を5℃より低く維持しながら、2Lのテトラヒドロフラン中、2−(6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)酢酸(S)−メチル(81g、0.32mol)の溶液を加えた。添加が完了した後、この反応を16時間還流下で加熱し、HPLCにより生成物の出現に関してモニタリングした。エステルの還元は急速に起こったが、ラクタムの還元は、完全な還元にはより長時間を要した。この反応物を5℃に冷却した後、内部温度を10℃より低く維持しながら60mLの水を加えた。添加が完了した後、この反応物を15分間撹拌した。次に、内部温度を5℃より低く維持しながら60mLの15%(w/w)NaOH(水溶液)を加えた。添加が完了した後、この反応物を15分間撹拌した。後処理を行うため、180mLの水を加えた後、この混合物を周囲温度で1時間撹拌した。固体を濾過し、テトラヒドロフラン(3×150mL)で洗浄した。濾液および洗液を真空濃縮した後、固体残渣を真空乾燥させ、(S)−2−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタノール(55g、81%)を褐色固体として得た。MS(ESI)C
9H
12ClN
3Oの理論値:213.1;測定値:214.1(M+H)
+。
【0255】
類似の手順を用い、2−(6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)酢酸(R)−メチルで出発することにより、(R)−2−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタノールを製造することができた。
【0256】
工程4. (4S)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化23】
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500mLのCH
2Cl
2中、(S)−2−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタノール(50g、0.234mol)の溶液に、トリエチルアミン(95g、0.936mol)を加えた。この混合物を均質となるまで周囲温度で撹拌した後、0℃に冷却した。次に、温度を0℃5(at 0°C 5)に維持しながらPOCl
3(54g、0.351mol)を滴下した。冷却を取り除き、この反応物を周囲温度で2時間撹拌し、HPLCにより出発アルコールの消失に関してモニタリングした。反応が完了した後、200mLの1.2M NaHCO
3(水溶液)を加えた。層を分離し、水層をCH
2Cl
2で抽出した。合わせたCH
2Cl
2層を1M HCl(水溶液)(4×300mL)で抽出し、合わせたHCl層をNaHCO
3(飽和)でpH=8に調整した。得られた混合物をCH
2Cl
2(4×300mL)で抽出し、合わせたCH
2Cl
2層をNa
2SO
4で乾燥させ、濾過し、50gの木炭で処理した。この混合物を周囲温度で3時間撹拌し、木炭で濾過し、この木炭をさらに200mLのCH
2Clで洗浄した。合わせた濾液および洗浄溶液を濃縮乾固した。固体残渣を真空乾燥させ、(4S)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(30g、66%)を灰白色の結晶性固体として得た。MS(ESI)C
9H
10ClN
3の理論値:195.1;測定値:196.1(M+H)
+。
【0257】
類似の手順を用い、(R)−2−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタノールで出発することにより、(4R)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを製造することができた。
【0258】
工程5. (4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化24】
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(4S)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(1.88g、9.6mmol)、(3−トリフルオロメチルフェニル)ボロン酸(2.4g、12.6mmol)、Pd(OAc)
2(0.228g、1.02mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(0.972g、2.04mmol)、およびCs
2CO
3(6.6g、20.4mmol)の混合物をジオキサン/H
2O(50mL、v/v=9:1)に溶かした。この反応混合物を一晩90℃に加熱した。室温まで冷却した後、それをEtOAc(120mL)で希釈し、水で洗浄した。水層をEtOAcで抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ペンタン中0から100%EtOAcへの勾配)により精製し、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを淡黄色固体として得た(2.26g、77%)。MS(ESI)C
16H
14F
3N
3の理論値:305.1;測定値:306[M+H]。
【0259】
Pd(OAc)
2を用いる類似のカップリング手順を用い、適当な3−置換フェニルボロン酸またはエステルを使用することにより、(4S)−7−(3−置換フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを製造することができた。(4R)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンで出発し、類似の鏡像異性体を製造することができた。
【0260】
工程6. (4S)−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化25】
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THF(4mL)中、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(0.100g、0.328mmol)およびEt
3N(160μL、1.15mmol)の溶液に、トリホスゲン(0.050g、0.164mmol)を加えた。30分間室温で撹拌した後、2−ピリジルアミン(0.092g、0.983mmol)を加えた。この反応混合物を一晩60℃に加熱し、反応混合物を濃縮し、残渣をCH
2Cl
2(30mL)に取った。この溶液を水およびブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ペンタン中0から100%EtOAcへの勾配)により精製し、(4S)−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(0.086g、62%)を得た。MS(ESI)C
22H
18F
3N
5Oの理論値:425.2;測定値:426.2[M+H]。
【0261】
類似の手順を用い、2−ピリジルアミンを適当なアミン部分に置き換えることにより、様々な(4S)−7−(3−トリフルオロメチルフェニル(trifluoromethlyphenyl))−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0262】
類似の鏡像異性体が、(4R)−7−(3−トリフルオロメチルフェニル(trifluoromethlyphenyl))−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドで出発することにより製造できる。同様に、(9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−N−(アリール)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドは、(9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンおよび適当なアミン部分から、この一般手順により製造することができた。
【0263】
実施例2. (4S)−N−フェネチル−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化26】
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0℃にて、CH
2Cl
2(10mL)中、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(0.100g、0.326mmol)の溶液に、ピリジン(0.0775g、0.980mmol)およびクロロギ酸フェニル(0.06117g、0.392mmol)を加えた。2時間後、この混合物を飽和Na
2CO
3水溶液で急冷し、CH
2Cl
2(3×75mL)で抽出し、ブラインで洗浄し、Na
2SO
3で乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸(4S)−フェニル(0.120g、収率84%)を得た。
【0264】
MeCN(3mL)中、7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸(4S)−フェニル、2−フェニルエタンアミン(0.057g、0.470mmol)、およびDMAP(0.035g、0.282mmol)を80℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、この混合物を濃縮し、残渣を、CH
2Cl
2:MeOH(10:1)で溶出するPrep−TLCにより精製し、(4S)−N−フェネチル−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(0.020g、収率18%)を得た。MS(ESI)C
25H
23F
3N
4Oの理論値:452.18;測定値:453[M+H]。
【0265】
実施例3. (4S)−N−(3−(3−アミノプロプ−1−イン−1−イル)−5−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化27】
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ジオキサン中4NのHCl(10mL)中、(4S)−N−(3−(3−アミノプロプ−1−イン−1−イル)−5−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(A、0.050g、0.08mmol)の懸濁液を室温で16時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮し、CH
3CNで摩砕した。残渣をCH
3CN:H
2Oに溶かし、凍結乾燥させ、(4S)−N−(3−(3−アミノプロプ−1−イン−1−イル)−5−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(0.030g、収率70%)を得た。MS(ESI)C
29H
23F
3N
6O
2の理論値:544.18;測定値:545[M+H]。
【0266】
実施例4. (4S)−N−メチル−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化28】
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(4S)−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(0.267g、0.63mmol)をジメチルアセトアミドに溶かし、1当量のNaH(0.025g、油中60%)を加えた。この溶液をMeI(39μL)の添加前に5分間撹拌した。この混合物を室温で一晩撹拌した後、酢酸エチルで希釈し、ブライン(2回)、水(2回)、およびブラインで順次洗浄した。この溶液を乾燥させ(Na
2SO
4)、減圧下で濃縮し、シリカゲルカートリッジ(酢酸エチル:ペンタン溶出剤)にロードした。純粋な画分を濃縮し、純粋な(4S)−N−メチル−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを得た。MS(ESI)C
23H
20F
3N
5Oの理論値:439.16;測定値:440.1[M+H]。
【0267】
実施例5. (4S)−N−(3−フルオロピリジン−4−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化29】
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THF(10mL)中、3−フルオロピリジン−4−アミン(1g、8.92mmol)およびピリジン(0.95mL、11.16mmol)の冷却溶液に、クロロギ酸フェニル(1.46g、9.37mmol)を滴下した。この反応物を室温で一晩撹拌した。prep−TLCにより精製し、(3−フルオロピリジン−4−イル)カルバミン酸フェニルを黄色固体として得た。
【0268】
3mLのアセトニトリル中、フェニル(3−フルオロピリジン−4−イル)カルバメート(72mg、0.31mmol)、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(50mg、0.16mmol)およびDMAP(24mg、0.20mmol)の混合物を60℃で一晩撹拌した。この混合物をそのままprep−TLCにロードし、溶出剤として酢酸エチル/石油エーテル=1:3〜1:8を用いて精製し、(4S)−N−(3−フルオロピリジン−4−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(18mg、25%)を白色固体として得た。MS(ESI)C
22H
17F
4N
5Oの理論値:443.1;測定値:444.1[M+H]。
【0269】
カルバミン酸フェニルを用いるこの一般的尿素形成手順を用い、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを適当な(4S)−7−(アリール)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンに置き換えることにより、また、3−フルオロピリジン−4−アミンを適当なアミン部分に置き換えることにより、様々な(4S)−7−(アリール)−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。鏡像異性体シリーズは、(4R)−7−(アリール)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンで出発することにより製造することができた。
【0270】
実施例6. (4S)−7−(3−クロロフェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. (4S)−7−(3−クロロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化30】
[この文献は図面を表示できません]
ジオキサン/H
2O(10mL/1mL)に、(4S)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(500mg、2.56mmol)、(3−クロロフェニル)ボロン酸(807mg、5.11mmol)、Pd(dppf)Cl
2(212mg、0.26mmol)、およびCs
2CO
3(2.08g、6.4mmol)を加えた。この混合物を90℃で一晩撹拌した。この混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/石油エーテル=1/4)により精製し、(4S)−7−(3−クロロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(506mg、81%)を得た。MS(ESI)C
15H
14ClN
3の理論値:271.1、測定値:272.1[M+H]。
【0271】
類似の手順を用い、適当なボロン酸またはエステルに使用することにより、(4S)−7−(3−フルオロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンまたは(4S)−7−(3−メトキシフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを製造することができた。鏡像異性体シリーズは、適当な(4R)−7−(3−置換フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンで出発することにより製造することができた。また、この方法により適当な出発クロリドを用いて、(9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン、(9R)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン、3−((9R)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)ベンゾニトリル、3−((9S)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)ベンゾニトリル、(9S)−2−(5−(メチルスルホニル)ピリジン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン、(9S)−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン、N,N−ジメチル−3−((9R)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)アニリン、N,N−ジメチル−3−((9S)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)アニリン、(9S)−2−(6−メチルピリジン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン、(9S)−2−(ピリジン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン、(9S)−2−(3−クロロフェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンも製造された。
【0272】
工程2. (4S)−7−(3−クロロフェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化31】
[この文献は図面を表示できません]
THF(50mL)中、2−ピリジルアミン(5g、53.10mmol)およびピリジン(5.65mL、66.41mmol)の冷却溶液に、クロロギ酸フェニル(6.99mL、55.79mmol)を滴下した。この反応物を室温で一晩撹拌した。ブラインをゆっくり加え、この混合物を酢酸エチルで抽出した。層を分離し、有機層を飽和重炭酸ナトリウムおよびブラインで洗浄した。次に、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮した。残渣を石油エーテルで洗浄し、ピリジン−2−イルカルバミン酸フェニル(2.1g、18%)を得た。
【0273】
3mLのアセトニトリル中、ピリジン−2−イルカルバミン酸フェニル(66mg,0.30mmol)、(4S)−7−(3−クロロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(40mg、0.15mmol)およびDMAP(23mg、0.18mmol)の混合物を65℃で一晩撹拌した。反応の進行をTLCおよびLC−MSによりモニタリングした。この混合物を、溶出剤として酢酸エチル/石油エーテル=1:3〜1:8を用いるprep−TLCにそのままロードし、(4S)−7−(3−クロロフェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(28mg、48%)を白色固体として得た。MS(ESI)C
21H
18ClN
5Oの理論値:391.1;測定値:392.1[M+H]。
【0274】
カルバミン酸フェニルを用いるこの一般的尿素形成手順を用い、(4S)−7−(3−クロロ、−フルオロまたは−メトキシフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンと適当なアミン部分を使用することにより、様々な(4S)−7−(3−クロロ、−フルオロ、または−メトキシフェニル)−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。鏡像異性体シリーズは、適当な4R)−7−(3−置換フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンで出発することにより製造することができた。同様に、(9S)−2−(5−フルオロ−またはクロロピリジン−3−イル)−N−(アリール)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドも、この尿素形成手順によって製造することができた;出発(9S)−2−(5−フルオロ−またはクロロピリジン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンの製造に関しては以下の実施例を参照。
【0275】
(4S)−7−(3−クロロフェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造するために用いたもの(上記の工程1および2)と類似の手順を用いて、市販のボロン酸エステルで出発し、以下の化合物を製造することができる。
【0276】
実施例7. (9S)−2−(5−クロロピリジン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンの製造:
工程1. 2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)グルタル酸(S)−ジメチルの合成:
【化32】
[この文献は図面を表示できません]
この部分は、以下のプロトコールを用いて製造した。40.0g(207mmol)の2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン、87.7g(414mmol)のL−グルタミン酸ジメチルエステル塩酸塩、および69.6g(829mmol)のNaHCO
3の混合物に600mLのテトラヒドロフランを加えた。この混合物を、HPLCにより2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジンの消失に関してモニタリングしながら、40℃で24時間撹拌した。反応が完了した後、固体を濾去し、酢酸エチル(3×100mL)で洗浄した。合わせた濾液および洗液を真空濃縮した後、残渣を、10/1(v/v)ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、60g(87%)の生成物を黄色固体として得た。MS(ESI)C
12H
14ClN
3O
6の理論値:331.0;測定値:332.1(M+H)
+。
【0277】
工程2. 3−(6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)プロパン酸(S)−メチルの合成:
【化33】
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この部分は、以下のプロトコールを用いて製造した。20g(60.2mmol)の2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)ペンタン二酸(S)−ジメチル、および16.8g(301mmol)の鉄粉の混合物、375mLの2−プロパノール、次いで、125mLの水を加えた。この撹拌混合物に5.5g(90.3mmol)の酢酸を加えた後、この反応物を1時間還流下で撹拌した。反応をHPLCにより出発材料の消失に関してモニタリングした。反応が完了した後、固体を濾去し、2−プロパノールで洗浄した(3×50mL)。合わせた濾液および洗液を濃縮乾固した後、残渣を真空乾燥させ、15g(81%)の生成物を暗黄色固体として得た。これをそれ以上精製せずに次の工程で使用した。MS(ESI)C
11H
12ClN
3O
3の理論値:269.0;測定値:270.1。
【0278】
工程3. (S)−3−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)プロパン−1−オールの合成:
【化34】
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この部分は、以下のプロトコールを用いて製造した。260mLのテトラヒドロフラン(THF)中、17.78g(133.3mmol)のAlCl
3の溶液に、THF中、200mLの2M LiAlH
4をN
2下、ガスの発生を制御する速度で滴下した。これにより、THF中、アラン(AlH
3)の溶液を得た。別のフラスコで、460mLのTHF中、26.0g(96.4mmol)の3−(6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)プロパン酸(S)−メチルの溶液をN
2下で製造した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した。これにアラン溶液を撹拌しながら2時間かけて滴下した。添加が完了した際に、冷却浴を取り除き、この反応物を周囲温度まで温めた。1.5時間後、LCMS分析は反応が完了したことを示した。次に、65mLの水中、17.6gのNaOHの溶液を、H
2の発生を制御するようにゆっくり加えた。この懸濁液を18時間撹拌した後、固体を濾去した。沈澱を酢酸エチルで洗浄した後、濾液および洗液を真空濃縮した。生成物を、CH
2Cl
2、次いで、CH
2Cl
2中0から10%メタノールへの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィー(330gプレパックカラム)により精製し、15.21g(69%)の黄色〜橙色固体を得た。MS(ESI)C
10H
14ClN
3Oの理論値:227.1;測定値:228.1。
【0279】
工程4. (5R,9S)−2−クロロ−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンの合成:
【化35】
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12g(52.7mmol)の(S)−3−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)プロパン−1−オールに160mLの48%(w/w)HBr(水溶液)を加えた後、この反応物を90℃で18時間撹拌した。反応をHPLCにより出発アルコールの消失に関してモニタリングした。反応が完了した後、それを周囲温度まで冷却し、その後、1.2MのNaHCO
3(水溶液)をpH=8まで加えた。この混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した後、有機相をブライン(1×100mL)で逆抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固した。残渣を、2/1(v/v)ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、6.0g(55%)の生成物を淡黄色固体として得た。MS(ESI)C
10H
12ClN
3の理論値:209.1;測定値:210.1。
【0280】
工程5. 2−クロロ−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボン酸(9S)−tert−ブチルの合成:
【化36】
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5mL THF中、(9S)−2−クロロ−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン(1.3g、6.19mmol、注:5R立体化学を意味する)、Boc
2O(2.02g、9.28mmol、1.5当量)およびDMAP(1.51g、12.38mmol、2.0当量)を60℃で2時間撹拌した。反応の進行をTLSおよびLC/MSによりモニタリングした。水(30mL)を加え、この混合物をDCM(3×15mL)で抽出した。有機層を濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、2−クロロ−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボン酸(9S)−tert−ブチルを白色固体として得た(1.3g、92%)。MS(ESI)C
15H
20ClN
3O
2の理論値:309.1。
【0281】
工程6. 2−(5−クロロピリジン−3−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボン酸(9S)−tert−ブチルの合成:
【化37】
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ジオキサン/水(10mL/1mL)の脱気混合物に、2−クロロ−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボン酸(9S)−tert−ブチル(650mg、2.096mmol)、(5−クロロピリジン−3−イル)ボロン酸(658mg、4.19mmol)、Pd(dppf)Cl
2(171mg、0.209mmol)、およびCs
2CO
3(2.04g、6.29mmol)を加えた。この混合物を110℃で12時間撹拌した後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(PE/EA=3/1)により精製し、2−(5−クロロピリジン−3−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボン酸(9S)−tert−ブチル(600mg、63%)を得た。MS(ESI)C
20H
23ClN
4O
2の理論値:386.2。
【0282】
2−(5−フルオロピリジン−3−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボン酸(9S)−tert−ブチルは、(5−フルオロピリジン−3−イル)ボロン酸で出発し、同じ方法により製造された。
【0283】
工程7. (9S)−2−(5−クロロピリジン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンの合成:
【化38】
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この部分は、以下のプロトコールを用いて製造した。2−(5−クロロピリジン−3−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボン酸(9S)−tert−ブチル(600mg、1.55mmol)をHCl/MeOH(1M、20mL)に溶かし、この反応物を室温で1.5時間撹拌した後、真空濃縮した。水(20mL)およびK
2CO
3(3g)を加え、この混合物を室温で2時間撹拌した後、DCM(3×15mL)で抽出し、(9S)−2−(5−クロロピリジン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン(450mg、定量的)を得た。MS(ESI)C
15H
15ClN
4の理論値:286.1。
【0284】
(9S)−2−(5−フルオロピリジン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンも同じ方法により製造された。
【0285】
これらの部分を用い、前記実施例に記載されている一般的尿素カップリング手順により尿素化合物を製造した。
【0286】
実施例8. (9S)−2−(5−メチルピリジン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンの製造:
【化39】
[この文献は図面を表示できません]
この部分は、以下のプロトコールを用いて製造した。脱気した1,4−ジオキサン/H
2O(20ml、v/v=10/1)に(9S)−2−クロロ−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン(600mg、2.87mmol)、5−メチルピリジン−3−イルボロン酸(1.18g、3.0当量)、PCy
3(644mg、0.8当量)およびPd
2(dba)
3(330mg、0.2当量)を加えた。この混合物を密閉試験管中で110℃に加熱した。110℃で12時間撹拌した後、この黒色懸濁液を室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。この濃縮物をEtOAc(300ml)に懸濁させ、水(4×80ml)、ブライン(80ml)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この濃縮物をカラム(DCM/MeOH=10/1)により精製し、生成物を淡褐色固体(756mg、99%)として得た。MS(ESI)C
16H
18N
4の理論値:266.1;測定値:267.2[M+H]。
【0287】
また、これらの条件を用い、適当なボロン酸で出発することにより、(9S)−2−(4−メチルピリジン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンおよび4−(3−((9S)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)フェニル)モルホリンも製造した。
【0288】
得られた部分を用い、上記の一般的尿素カップリング手順により尿素化合物を製造した。
【0289】
実施例9.(9S)−N−(ピリダジン−3−イル)−2−(ピリジン−3−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドの製造:
【化40】
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この部分は、カルバミン酸フェニルの代わりにカルバミン酸p−クロロフェニルを用い、4S)−7−(3−クロロフェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドに関して記載されたものと類似のカルバメートプロトコールによって製造した。MS(ESI)C
20H
19N
7Oの理論値:373.2;測定値:374.3[M+H]。
【0290】
実施例10. (4S)−7−(3−クロロフェニル)−N−(6−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
3mLのTHF中、6−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)ピラジン−2−アミン(83mg、0.37mmol)およびピリジン(29mg、1.37mmol)の混合物に、トリホスゲン(43mg、0.14mmol)を加えた。上記の混合物を60℃で2時間撹拌した。次に、この反応混合物に(4S)−7−(3−クロロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(50mg、0.18mmol)を加え、60℃で一晩撹拌した。粗生成物をprep−TLCにより精製し、尿素中間体を黄色固体として得た。THF(3mL)中、この材料の溶液に、濃HClを加え、この反応物を室温で15分間撹拌した。飽和NaHCO
3を加えてpHを7〜8に調整した。この反応混合物をEtOAcで抽出し、有機層をブラインで洗浄した。prep−TLCにより精製し、(4S)−7−(3−クロロフェニル)−N−(6−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(8.9mg、40%)を白色固体として得た。MS(ESI)C
23H
23ClN
6O
4の理論値:482.2;測定値:483.1[M+H]。
【0291】
トリホスゲンを用いるこの一般的尿素形成手順を用い、(4S)−7−(3−フルオロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンおよび適当なアミン部分も使用することにより、様々な(4S)−7−(3−クロロまたは−フルオロフェニル)−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0292】
実施例11. (9S)−2−(3−シアノフェニル)−N−(ピリジン−3−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドの製造:
【化42】
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室温で、THF(12mL)中、3−((9S)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)ベンゾニトリル(50mg、0.18mmol)およびトリホスゲン(27mg、0.10mmol)の混合物に、DIPEA(97μL、0.54mmol)を加えた。この混合物を60℃で30分間加熱した。3−アミノピリジン(102mg、1.09mmol)を加え、この反応混合物を32時間還流下で加熱した。室温まで冷却した後にCH
3OHを加えた。この混合物を濃縮し、prep HPLCにより精製した。このTFA塩をCH
3CNに懸濁させ、1N HClを加え、この混合物を凍結乾燥させ、(9S)−2−(3−シアノフェニル)−N−(ピリジン−3−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド(48mg、61%)を塩酸塩として得た。MS(ESI)C
23H
20N
6Oの理論値:396.2;測定値:397.1[M+H]。
【0293】
実施例12. (9S)−N−(ピリジン−2−イル)−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドの製造:
【化43】
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DMF(3mL)中、ピリジン−2−イルカルバミン酸4−クロロフェニル(325mg、1.31mmol)、(9S)−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン(70mg、0.22mmol)およびDMAP(160mg、1.31mmol)の混合物を密閉試験管中、100℃で24時間加熱した。この混合物を室温まで冷却した後、EtOAc/H
2O(60mL/30mL)の間で分液した。有機層を分離し、H
2O、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。粗生成物をprep−TLC(CH
2Cl
2/EtOAc/CH
3OH、120:40:2で溶出)により精製し、(9S)−N−(ピリジン−2−イル)−2−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドを黄褐色固体として得た(80mg、83%)。MS(ESI)C
22H
19F
3N
6Oの理論値:440.2;測定値:441.2[M+H]。
【0294】
実施例13. (4S)−N−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−7−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. (4S)−7−(2−メチルピリジン−4−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化44】
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脱気したジオキサン/H
2O(14mL、v/v=10/1)中、(4S)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]−ジアゼピン(500mg、2.55mmol)の溶液に、2−メチルピリジン−4−ボロン酸(1.048g、7.65mmol)、PCy
3(286mg、1.02mmol)、K
3PO
4・3H
2O(1.698g、6.375mmol)およびPd
2(dba)
3(234mg、0.255mmol)を加えた。得られた混合物を110℃で一晩撹拌した。この混合物を室温まで冷却した後、濃縮した。残渣をEtOAcと水(各50mL)で分液した。有機層を水およびブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮乾固した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/THF=3/2)により精製し、(4S)−7−(2−メチルピリジン−4−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(418mg、82%)を淡黄色固体として得た。MS(ESI)C
15H
16N
4の理論値:252.1;測定値:253.2[M+H]。
【0295】
以下の中間体は、適当なボロン酸および2−クロロピリジンを置き換え、上記プロトコールを用いて製造した。2−((9S)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)ベンゾニトリル、5−((9S)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)ニコチノニトリル
【0296】
工程2. (4S)−N−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−7−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化45】
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CH
2Cl
2(18mL)中、クロロギ酸フェニル(0.2mL、1.6mmol)およびピリジン(0.16mL、1.95mmol)の溶液に、2−メチル−2H−インダゾール−5−アミン(180mg、1.22mmol)を加えた。この混合物を室温で30分間撹拌した後、飽和NaHCO
3溶液(10mL)で急冷した。水相をCH
2Cl
2(10mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮乾固した。残渣をヘキサン(5mL×3)で洗浄し、(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)カルバミン酸フェニル(304mg、93%)を得た。
【0297】
THF(3mL)中、(4S)−7−(2−メチルピリジン−4−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(90mg、0.36mmol)、(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)カルバミン酸フェニル(285mg、1.07mmol)およびDMAP(130mg、1.07mmol)の混合物を密閉試験管中、80℃で加熱した。80℃で36時間加熱した後、この混合物を室温まで冷却し、濃縮した。残渣をEtOAc(60mL)に懸濁させ、濾過した。濾液を水(20mL×3)、次いで、ブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。この濃縮物をprep−TLC(CH
2Cl
2/EtOAc/MeOH=23/1/滴)により精製し、(4S)−N−(2−メチル−2H−インダゾール−5−イル)−7−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(60mg、40%)を褐色固体として得た。MS(ESI)C
24H
23N
7Oの理論値:425.2;測定値:426.3[M+H]。
【0298】
カルバミン酸フェニルを用いるこの一般的尿素形成手順を用い、適当なアミン部分を使用することにより、様々な(4S)−N−(アリール)−7−(2−メチルピリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0299】
実施例14: (4S)−N−(2,6−ジエチルフェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化46】
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窒素雰囲気下、乾燥THF(3mL)中、2,6−ジエチルアニリン(39.1mg、0.262mmol、2.0当量)およびピリジン(0.5ml、過剰量)の混合物に、トリホスゲン(54.4mg、0.183mmol)を加えた。この混合物を60℃で2時間撹拌し、この反応混合物に(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(40mg、0.131mmol、1.0当量)を加え、さらに18時間撹拌した。この反応混合物に飽和重炭酸ナトリウム溶液(5ml)およびジクロロメタン(10ml)を加え、有機層を水(10mL)およびブラインで順次洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、真空濃縮した。粗生成物を、溶出剤としてCH
2Cl
2中15:1酢酸エチルを用い、prep−TLCにより精製し、(4S)−N−(2,6−ジエチルフェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを白色固体として得た(5.1mg、収率8%)。MS(ESI)C
27H
27F
3N
4Oの理論値:480.21;測定値:481 [M+H]。
【0300】
トリホスゲンを用いるこの一般的尿素形成手順を用い、2,6−ジエチルアニリンを適当なアミン部分に置き換えることにより、様々な(4S)−7−(3−トリフルオロメチルフェニル(trifluoromethlyphenyl))−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0301】
実施例15. (4S)−7−(2−メチルピリジン−4−イル)−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. (4S)−7−クロロ−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化47】
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DMF(8mL)中、(4S)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(400mg、2.04mmol)、ピラジン−2−イルカルバミン酸フェニル(1.32g、6.13mmol)およびDMAP(249mg、2.04mmol)の混合物を、密閉フラスコ内で82℃に加熱した。22時間加熱した後、この混合物を室温まで冷却し、EtOAc(100mL)で希釈した。この混合物を水(8mL×9)、次いで、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラムクロマトグラフィー(CH
2Cl
2/MeOH=50/1)により精製し、(4S)−7−クロロ−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(600mg、93%)を白色固体として得た。MS(ESI)C
14H
13ClN
6Oの理論値:316.1。
【0302】
この一般的手順を用い、ピラジン−2−イルカルバミン酸フェニルを適当なカルバメート部分に置き換えることにより、様々な(4S)−7−クロロ−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0303】
工程2. (4S)−7−(2−メチルピリジン−4−イル)−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化48】
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窒素雰囲気下、トルエン/EtOH/H
2O(1.9mL、v/v/v=10/6/3)中、(4S)−7−クロロ−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(40mg、0.126mmol)、2−メチルピリジン−4−ボロン酸(44mg)、およびNaHCO
3(32mg)の混合物に、PdCl
2(PPh
3)
2(9mg)を加えた。この反応混合物を6時間還流下で加熱した。さらなる2−メチルピリジン−4−ボロン酸(44mg)、NaHCO
3(32mg)、およびPdCl
2(PPh
3)
2(8mg)を追加し、この混合物を脱気した。還流下で一晩撹拌した後、この反応混合物を室温まで冷却し、濃縮した。この濃縮物をEtOAc(30mL)および水(5mL)に懸濁させた。この水性懸濁液をEtOAc(8mL)で抽出した。合わせたEtOAc相をブライン(10mL)で洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。prep−TLC(CH
2Cl
2/MeOH=50/1)により精製し、(4S)−7−(2−メチルピリジン−4−イル)−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(18mg、38%)を灰白色固体として得た。MS(ESI)C
20H
19N
7Oの理論値:373.2;測定値:374.3[M+H]。
【0304】
PdCl
2(PPh
3)
2を用いるこの一般的手順を用い、適当な(4S)−7−クロロ−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドおよび適当なボロン酸またはエステルを使用することにより、様々な(4S)−7−(2−メチルピリジン−4−イル)−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドおよび(4S)−7−(6−メチルピリジン−3−イル)−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0305】
実施例16. (4S)−7−(3−((R)−3−フルオロピロリジン−1−イル)フェニル)−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化49】
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ジオキサン/H
2O(1.5mL、v/v=9/1)中、(4S)−7−クロロ−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(40mg、0.126mmol)、(R)−3−フルオロ−1−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピロリジン(74mg、0.252mmol)、Pd(OAc)
2(2mg、0.0126mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(12mg、0.0252mmol)、およびCs
2CO
3(82mg、0.252mmol)の混合物を、密閉フラスコ内で110℃に加熱した。一晩加熱した後、この混合物を冷却し、濾過して不溶性材料を除した。濾液をEtOAc(30mL)で希釈し、H
2O(5mL×2)で洗浄し、ブライン(5mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。prep−TLC(CH
2Cl
2/EtOAc=3/1)により精製し、(4S)−7−(3−((R)−3−フルオロピロリジン−1−イル)フェニル)−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(18mg、32%)を淡黄色固体として得た。MS(ESI)C
24H
24FN
7Oの理論値:445.2;測定値:446.3[M+H]。
【0306】
Pd(OAc)
2を用いるこの一般的手順を用い、適当な(4S)−7−クロロ−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドおよび適当なボロン酸またはエステルを使用することにより、様々な(4S)−7−(3−および2−置換フェニル)−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドおよび(4S)−7−(2−(トリフルオロメチル)ピリジン−4−イル)−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0307】
実施例17. (4S)−7−(3−((S)−2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. (4S)−7−クロロ−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化50】
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DMF(6mL)中、(4S)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(300mg、1.53mmol)、ピリジン−2−イルカルバミン酸フェニル(986mg、4.59mmol)およびDMAP(188mg、1.53mmol)の混合物を脱気し、密閉フラスコ内で80℃に加熱した。80℃で一晩撹拌した後、この反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc/H
2O(150mL/50mL)で分液した。有機相を水(20mL×6)、ブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、減圧下で濃縮した。次に、この濃縮物をカラム(CH
2Cl
2/EtOAc=1/1)により精製し、(4S)−7−クロロ−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(409mg、84%)を灰白色固体として得た。MS(ESI)C
15H
14ClN
5Oの理論値:315.1;測定値:316.1[M+H]。
【0308】
工程2. (4S)−7−(3−ヒドロキシフェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド:
【化51】
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ジオキサン/H
2O(3mL、v/v=9/1)中、(4S)−7−クロロ−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(80mg、0.284mmol)、(3−ヒドロキシフェニル)ボロン酸(78mg、0.568mmol)、Pd(OAc)
2(6mg、0.0384mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(27mg、0.0568mmol)およびCs
2CO
3(185mg、0.568mmol)の混合物を脱気し、密閉試験管中、110℃で一晩加熱した後、室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。この濃縮物をEtOAc(20mL)に懸濁させ、水(5mL×2)、ブライン(5mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をカラム(CH
2Cl
2/EtOAc=1/1)により精製し、(4S)−7−(3−ヒドロキシフェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(65mg、61%)を灰白色固体として得た。MS(ESI)C
21H
19N
5O
2の理論値:373.2;測定値:374.2[M+H]。
【0309】
工程3. (4S)−7−(3−((S)−2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化52】
[この文献は図面を表示できません]
DMF(3mL)中、(4S)−7−(3−ヒドロキシフェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(90mg、0.241mmol)の溶液に、NaH(24mg、0.603mmol)を加えた。室温で30分間撹拌した後、(S)−4−(クロロメチル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(217mg、1.45mmol)を加え、この混合物を密閉フラスコ内で32時間85℃に加熱した。この混合物を室温まで冷却し、EtOAcで希釈し、水およびブラインで洗浄した。有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。この濃縮物をCH
2Cl
2(3mL)に溶かし、ジオキサン中HCl溶液(6mL)を加えた。次に、このようにして得られた混合物を室温で4時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、濃縮し、飽和NaHCO
3(5mL)に懸濁させた。この混合物をCH
2Cl
2(5mL×3)で抽出し、合わせた有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。prep−TLCにより精製し、(4S)−7−(3−((S)−2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(24mg、33%)を灰白色粉末として得た。MS(ESI)C
24H
25N
5O
4の理論値:447.2;測定値:448.3[M+H]。
【0310】
この一般的手順を用い、適当な(4S)−7−(3−ヒドロキシフェニル)−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを使用することにより、様々な(4S)−7−(3−((S)−2,3−ジヒドロキシプロポキシ)フェニル)−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0311】
実施例18. (4S)−7−(1−プロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. (4S)−7−クロロ−N−(ピラジル−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化53】
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(4S)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(999mg、3.26mmol、1.0当量)を、塩化メチレン(30mL)中でDIEA(1.7mL、9.78mmol、3.0当量)と合わせ(as combined with)、氷浴上で0℃に冷却した。次に、この撹拌溶液にトリホスゲン(482mg、1.63mmol、0.5当量)を数回に分けて少量ずつ加えた。氷浴を取り除き、反応物を室温まで温めた。次に、この反応物を一晩撹拌した。その後、ピリジン−3−アミン(800mg、3.60mmol、1.1当量)を数分かけて少量ずつゆっくり加えた。次に、この混合物を室温で2時間撹拌した。その後、この混合物を水(100mL)で処理し、EtOAc(100mL)で希釈した。相を分離し、有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣を、15〜100%(EtOAc/ペンタン)の勾配を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、(4S)−7−クロロ−N−(ピラジル−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(761mg、収率47%)を得た。MS(ESI)C
15H
14ClN
5Oの理論値315.1;測定値:315.7[M+H]。
【0312】
工程2. (4S)−7−(1−プロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド:
【化54】
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標題化合物は、以下のプロトコールを用いて製造した:ジオキサン/H
2O(5mL)中、(4S)−7−クロロ−N−(ピラジル−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(100mg、0.32mmol、1.0当量)、1−エチル−1H−ピラゾール−4−ボロン酸(151mg、0.64mmol、2.0当量)、Pd(dppf)Cl
2(26.7mg、0.06mmol、0.2当量)およびCs
2CO
3(208mg、0.64mmol、2.0当量)の混合物を100℃で6時間撹拌した。水を加え、この混合物をEtOAcで抽出した。有機層を無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、pre−TLCより精製し、(4S)−7−(1−プロピル−1H−ピラゾール−4−イル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(37.1mg、収率30%)を得た。MS(ESI)C
21H
23N
7Oの理論値389.2;測定値:390.3[M+H]。
【0313】
Pd(dppf)Cl
2を用いるこの一般的手順を用い、2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−ボロン酸を適当なボロン酸またはエステル部分に置き換えることにより、様々な(4S)−7−(ピリジン−3−イル)−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0314】
実施例19: (4S)−7−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソl−5−イル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造(Preperation):
工程1. 3−(ピリジン−2−イル)−2H−ピリド[1,2−a][1,3,5]トリアジン−2,4(3H)−ジオンの合成:
【化55】
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標題化合物を以下のプロトコールを用いて製造した:10.0gのピコリン酸(81.2mmol、1当量)を250mLのトルエンに懸濁させた。20.0mLのジフェニル ホスホリルアジド(92.6mmol、1.14当量)を加えた。13.4mLのトリエチルアミン(95.8mmol、1.18当量)を滴下した。この反応混合物を室温で30分間、次いで、80℃で2時間撹拌した。この反応混合物を室温まで冷却した。固体を濾過し、酢酸エチルおよびペンタンで洗浄した。固体を高真空下で乾燥させた。6.46g(収率66%)の褐色固体が得られた。MS(ESI)C
15H
14ClN
5Oの理論値: 240.06;測定値:241.31[M+H]。
【0315】
この一般的手順を用い、6員芳香環上の2位に窒素ヘテロ原子を有する適当なヘテロアリールカルボン酸に置き換えることにより、3−(ピリジン−2−イル)−2H−ピリド[1,2−a][1,3,5]トリアジン−2,4(3H)−ジオンおよび3−(ピラジン−2−イル)−2H−ピラジノ[1,2−a][1,3,5]トリアジン−2,4(3H)−ジオンを製造することができた。
【0316】
工程2. (4S)−7−クロロ−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(4S)−7−クロロ−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化56】
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標題化合物を以下のプロトコールを用いて製造した:(4S)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(2.0g、10.2mmol、1.0当量)を2−メチル−テトラヒドロフラン(40mL)に溶かし、室温にてNaH(1.7g、30.6mmol、3.0当量)で処理した。次に、得られた混合物を室温で30分間撹拌した。その後、3−(ピリジン−2−イル)−2H−ピリド[1,2−a][1,3,5]トリアジン−2,4(3H)−ジオン(2.4g、10.2mmol、1.0当量)を加えた後、反応物に還流冷却器を取り付け、一晩80℃に加熱した。次に、この反応物を室温まで冷却し、氷浴上に置き、NaHCO
3(65mL)をゆっくり添加して急冷した。次に、粗反応物をEtOAc(各75mL)で3回抽出し、有機層を無水MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。反応物を10−100%EtOAc/ペンタンの勾配を用いるカラムクロマトグラフィーにより精製し、(4S)−7−クロロ−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(4S)−7−クロロ−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(2.5g、78%)を得た。MS(ESI)C
15H
14ClN
5Oの理論値:315.09;測定値:316.10[M+H]。
【0317】
工程3. (4S)−7−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−イル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化57】
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(4S)−7−クロロ−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(79mg、0.250mmol、1.0当量)をPd
2(dba)
3(2.3mg、0.006mmol、0.02当量)、K
3PO
4(80mg、0.380mmol、2当量)、S−Phos(4.8mg、0.012mmol、0.05当量)と合わせ、このフラスコをN
2でパージし、密閉した。次に、N−ブタノール(1mL)をシリンジで加え、この反応物を3時間100℃に加熱した。その後、この反応物を室温まで冷却し、濾過した後、そのまま5−95%CH
3CN/H
2O(0.1%TFA)の勾配を用いる逆相クロマトグラフィーにより精製し、(4S)−7−(2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソl−5−イル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(11mg、10%)を得た。C
15H
14ClN
5O:437.13;測定値:438.17[M+H]。
【0318】
Pd(dppf)Cl
2を用いこの一般的手順を用い、2,2−ジフルオロベンゾ[d][1,3]ジオキソール−5−ボロン酸を適当なボロン酸またはエステル部分に置き換えることにより、様々な(4S)−7−(ピリジン−2−イル)−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドおよび(4S)−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0319】
実施例20. (4S)−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)−7−(2−(3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル)ピリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. (4S)−7−クロロ−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化58】
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DMF(7mL)中、(4S)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(280mg、1.43mmol)、(5−フルオロピリジン−2−イル)カルバミン酸4−クロロフェニル(1.14g、4.29mmol)およびDMAP(174mg、1.43mmol)の混合物を密閉フラスコ内で80℃に加熱した。80℃で一晩撹拌した後、この反応混合物を室温まで冷却し、EtOAc(100mL)で希釈した。有機相を水(50mL×1、10mL×6)、次いで、ブライン(50mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。次に、この濃縮物をカラム(CH
2Cl
2/EtOAc=1/1)により精製し、(4S)−7−クロロ−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(360mg、75%)を灰白色固体として得た。MS(ESI)C
15H
13ClFN
5Oの理論値:333.1。
【0320】
工程2. (4S)−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)−7−(2−(3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル)ピリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化59】
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脱気したジオキサン/H
2O(2mL、v/v=9/1)中、(4S)−7−クロロ−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(50mg、0.149mmol)、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−(3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル)ピリジン(102mg、0.298mmol)、PCy
3(8mg、0.0298mmol)、Pd
2(dba)
3(14mg、0.0149mmol)、およびK
3PO
4・3H
2O(79mg、0.373mmol)の混合物を密閉フラスコ内で120℃に加熱した。一晩撹拌した後、この混合物を室温まで冷却し、EtOAc(60mL)で希釈した。この希釈溶液をH
2O(20mL×1、10mL×5)およびブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。prep−TLC(CH
2Cl
2/EtOAc/MeOH=3/1/2滴)により精製し、(4S)−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)−7−(2−(3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル)ピリジン−4−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(54mg、71%)を灰白色固体として得た。MS(ESI)C
25H
23F
4N
7Oの理論値:513.2;測定値:514.3[M+H]。
【0321】
Pd
2(dba)
3を用いるこの一般的手順を用い、適当な(4S)−7−クロロ−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドおよび適当なボロン酸またはエステルを使用することにより、様々な(4S)−7−(2−(3−置換−ピロリジン−1−イル)ピリジン−4−イル)−N−(アリール)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0322】
実施例21. (4S)−7−(3−クロロフェニル)−9−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. 2,6−ジクロロ−4−メトキシピリジンの合成:
【化60】
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MeOH中、2,4,6−トリクロロピリジン(30g、165mmol)の溶液に、ナトリウムメトキシド(10.7g、197mmol)をゆっくり加えた。この混合物を一晩撹拌し、300mlの水で急冷した。この懸濁液を濾過し、水および石油エーテルで洗浄し、2,6−ジクロロ−4−メトキシピリジンを白色固体として得た(18.0g、収率61%)。MS(ESI)C
6H
5Cl
2NOの理論値:176.97。
【0323】
工程2. 2,6−ジクロロ−4−メトキシ−3−ニトロピリジンの合成:
【化61】
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硫酸(110mL)中、2,6−ジクロロ−4−メトキシピリジン(18.1g、102mmol)の溶液に、0℃で硝酸(15.6mL)を滴下した後、この混合物を2時間100℃に加熱した。この反応混合物を氷水に注ぎ、この懸濁液を濾過し、水で洗浄し、2,6−ジクロロ−4−メトキシ−3−ニトロピリジンを白色固体として得た(19.9g、収率88%)。MS(ESI)C
6H
4Cl
2N
2O
3の理論値:221.96。
【0324】
工程3. 2−((6−クロロ−4−メトキシ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)コハク酸(S)−ジ−tert−ブチルの合成:
【化62】
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DMF(150mL)中、2,6−ジクロロ−4−メトキシ−3−ニトロピリジン(14.5g、65mmol)および(S)−1,4−ジ−tert−ブトキシ−1,4−ジオキソブタン−2−アミニウムクロリド(22g、78mmol)の溶液に、DIEA(32.3mL)を加え、この混合物を3時間80℃に加熱した。DMFを真空下で除去し、残渣を酢酸エチルに溶かし、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中10%酢酸エチル)により精製し、2−((6−クロロ−4−メトキシ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)コハク酸(S)−ジ−tert−ブチルを黄色油状物として得た(4.8g、収率16%)。MS(ESI)C
18H
26ClN
3O
7の理論値:431.15。
【0325】
工程4. 2−(6−クロロ−8−メトキシ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)酢酸(S)−tert−ブチルの合成:
【化63】
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AcOH(60ml)中、2−((6−クロロ−4−メトキシ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)コハク酸(S)−ジ−tert−ブチル(4.7g、10.9mmol)の混合物に、鉄粉(6.107g、109mmol)を加え、この反応混合物を100℃で2時間撹拌した。この反応物を1N NaOHで急冷し、酢酸エチルで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中40%酢酸エチル)により精製し、2−(6−クロロ−8−メトキシ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)酢酸(S)−tert−ブチルを 黄色油状物として得た(1.87g、収率52%)。MS(ESI)C
14H
18ClN
3O
4の理論値:327.10。
【0326】
工程5. (S)−2−(6−クロロ−8−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタノールの合成:
【化64】
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THF(20mL)中、2−(6−クロロ−8−メトキシ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)酢酸(S)−tert−ブチル(1.7g、5.2mmol)の溶液に、BH
3−Me
2S(5.2mL、Me
2S中10M、52mL)を加えた後、この反応混合物を50℃で一晩加熱した。室温まで冷却したところで、この反応物を、水を滴下して急冷し、その後、1N HCl水溶液(10mL)を加え、この混合物を50℃で2時間撹拌した。飽和NaHCO
3を加え、この混合物をCH
2Cl
2で抽出し、濃縮して油状物とした。この油状物をCH
2Cl
2(15mL)中TFA(15mL)で2時間処理し、DCMおよびTFAを真空下で除去した。残渣をMeOH(20mL)に溶かし、Cs
2CO
3(2g)を加えた。この混合物を1時間撹拌し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(30:1 CH
2Cl
2/MeOH)により精製し、(S)−2−(6−クロロ−8−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタノールを黄色油状物として得た(997mg、収率79%)。MS(ESI)C
10H
14ClN
3O
2の理論値:243.08。
【0327】
工程6. (4S)−7−クロロ−9−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化65】
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CH
2Cl
2(50mL)中、PPh
3(1.003g、3.83mmol)の溶液に、DDQ(869mg、3.83mmol)を加えた後、(S)−2−(6−クロロ−8−メトキシ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタノール(620mg、2.55mmol)を加えた。この混合物を30分間撹拌し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル中33から100%酢酸エチルへ)により精製し、(4S)−7−クロロ−9−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを黄色固体として得た(413mg、収率72%)。MS(ESI)C
10H
12ClN
3Oの理論値:225.07。
【0328】
工程7. (4S)−7−(3−クロロフェニル)−9−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化66】
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10:1ジオキサン/水(6mL)溶液中、(4S)−7−クロロ−9−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(226mg、1.0mmol、(3−クロロフェニル)ボロン酸(187mg、1.2mmol)、Cs
2CO
3(654mg、2.0mmol)およびPd(dppf)Cl
2.DCM(40mg、0.05mmol)の混合物をマイクロ波加熱した(130℃×1時間)。この反応混合物を濃縮乾固し、CH
2Cl
2に懸濁させ、飽和NaHCO
3、水、ブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濃縮した。この反応混合物をまず、シリカゲルクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0から10%MeOHへの勾配)により精製し、次に、Prep HPLCにより精製した。この反応を同じスケールで2回繰り返し、合わせたHPLC画分を凍結乾燥させ、(4S)−9−メトキシ−7−(3−クロロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(199mg、3収率3%)を得た。MS(ESI)C
16H
16ClN
3Oの理論値:301.10;測定値:302[M+H]。
【0329】
この一般的手順を用い、(3−クロロフェニル)ボロン酸を(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸に置き換えることにより、(4S)−9−メトキシ−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを製造することができた。
【0330】
工程8. (4S)−7−(3−クロロフェニル)−9−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化67】
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THF(10mL)中、(4S)−7−(3−クロロフェニル)−9−メトキシ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(60mg、0.2mmol)の溶液に、鉱油中60%NaH懸濁液(24mg、1mmol)を加えた。この混合物を1時間加熱還流し、3−(ピラジン−2−イル)−2H−ピラジノ[1,2−a][1,3,5]トリアジン−2,4(3H)−ジオン(73mg、0.3mmol)を加え、この混合物をさらに2時間還流下で加熱した。この反応混合物を室温まで冷却し、濃縮乾固し、飽和NaHCO
3で希釈し、CH
2Cl
2で抽出した(3回)。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮し、prep−HPLCにより精製し、凍結乾燥させ、(4S)−7−(3−クロロフェニル)−9−メトキシ−N−(ピラジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(54mg、収率64%)を得た。MS(ESI)C
21H
19ClN
6O
2の理論値:422.13;測定値:423[M+H]。
【0331】
実施例22. (4S)−9−メトキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化68】
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15mlのアセトニトリル中、ピリジン−2−イルカルバミン酸フェニル(191.6mg、0.8995mmol)、(4S)−9−メトキシ−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(150mg、0.4477mmol)およびDMAP(65.55mg、0.5373mmol)の混合物を60℃で一晩撹拌した。この混合物をそのままprep−TLCにロードし、精製し(溶出剤として酢酸エチルを使用)、(4S)−9−メトキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを白色固体として得た(150mg、収率:74%)。MS(ESI)C
23H
20F
3N
5O
2の理論値:455.2;測定値:456[M+H]。
【0332】
この一般的手順を用い、ピリジン−2−イルカルバミン酸フェニルを適当なカルバミン酸部分に置き換えることにより、(4S)−9−メトキシ−N−(アリール)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0333】
実施例23. (4S)−9−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化69】
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窒素雰囲気下、0℃で、3mlの乾燥CH
2Cl
2中、(4S)−9−メトキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(50mg、0.1098mmol)の混合物に、BBr
3(0.5mL、0.5494mmol)を滴下した。次に、この反応混合物を50℃で一晩撹拌した。この反応混合物に重炭酸ナトリウム溶液(5mL)およびジクロロメタン(10mL)を加え、有機層を水、ブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、真空濃縮した。粗生成物を、溶出剤として(CH
2Cl
2中1:20 MeOH)を用いるprep−TLCにより精製し、(4S)−9−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを白色固体として得た(18mg、収率35%)。MS(ESI)C
22H
18F
3N
5O
2の理論値:441.1;測定値:442[M+H]。
【0334】
この一般的手順を用い、(4S)−9−メトキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを適当な(4S)−9−メトキシ−N−(アリール)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドに置き換えることにより、((4S)−9−ヒドロキシ−N−(アリール)−7−(3(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0335】
実施例24. (4S)−N−(4−((3−(3−メチル−3H−ジアジリン−3−イル)プロパンアミド)メチル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化70】
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DMF(2mL)中、(4S)−N−(4−(アミノメチル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド塩酸塩(49mg、0.1mmol)、3−(3−メチル−3H−ジアジリン−3−イル)プロパン酸2,5−ジオキソピロリジン−1−イル(23mg、0.1mmol)、およびトリエチルアミン(70μL、0.5mmol)の溶液を室温で1時間撹拌した。水(10mL)および飽和NaHCO
3(5mL)を加え、この反応混合物をCH
2Cl
2で抽出し(3回)、濃縮乾固した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0から10%MeOHへの勾配)で精製し、濃縮し、ジエチルエーテルおよびペンタンでチェースし、真空下で乾燥させ、(4S)−N−(4−((3−(3−メチル−3H−ジアジリン−3−イル)プロパンアミド)メチル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを白色泡沫として得た(39mg、収率68%)。MS(ESI)C
29H
28F
3N
7O
2の理論値:563.23;測定値:564[M+H]。
【0336】
実施例25: (4S)−N−(3−(3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
CH
2Cl
2(2mL)中、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(46mg、0.15mmol)およびトリホスゲン(36mg、120mmol)の溶液に、トリエチルアミン(56μL、0.45mmol)を加えた。この反応混合物を40℃で2.5時間撹拌し、CH
2Cl
2(1mL)に溶かした3−(3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリン−3−イル)アニリン(40mg、0.2mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2時間撹拌した。有機層を飽和NaHCO
3、水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(まず、ペンタン中、0から100%CH
2Cl
2へ、次に、CH
2Cl
2中0から10%MeOHへの勾配で溶出)により精製し、(4S)−N−(3−(3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを得た(40mg、収率50%)。MS(ESI)C
25H
18F
6N
6Oの理論値:532.14;測定値:533[M+H]。
【0337】
上記の3−(3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリン−3−イル)アニリンは、Biasotti B. et. al., Bioorganic and Medicinal Chemistry, 2003, 11, 2247-2254に従って製造した。
【0338】
この一般的手順を用い、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを適当なアミンに置き換えることにより、様々な(3−(3−(トリフルオロメチル)−3H−ジアジリン−3−イル)フェニル)尿素を製造した。
【0339】
実施例26. (3R,4R)−7−クロロ−3−((トリメチルシリル)オキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの製造:
工程1. 2−ベンズアミドコハク酸(S)−ジメチルの合成
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
温度計、冷却器、および機械的撹拌機を備えた5L3頚フラスコに、161g(1.00mol)のL−アスパラギン酸ジメチルエステル、2500mLのジクロロメタン、および198g(1.96mol)のトリエチルアミンを加えた。この溶液を−5℃に冷却した後、内部温度を−5℃に維持しながら、156g(1.11mol)の塩化ベンゾイルを滴下した。この混合物を−5℃で1時間撹拌した後、それを濾過した。沈澱をさらなるジクロロメタンで3回洗浄した後、合わせた濾液および洗液を飽和K
2CO
3水溶液で抽出した。ジクロロメタン層をNa
2SO
4で乾燥させた後、真空濃縮し、200g(75%)の生成物を白色固体として得た。MS(ESI)C
13H
15NO
5の理論値:265.1。
【0340】
工程2. 2−フェニル−4,5−ジヒドロオキサゾール−4,5−ジカルボン酸(4S,5S)−ジメチルの合成.
【化73】
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温度計、機械的撹拌機、およびN
2流入口を備えた10L4頚フラスコに、100g(0.377mol)の2−ベンズアミドコハク酸(S)−ジメチル、次いで、4Lの乾燥テトラヒドロフランを加えた。この混合物を撹拌し、0℃に冷却した。この溶液に、テトラヒドロフラン中、リチウムビス(トリメチルシリル)アミドの1.0M溶液770mL(0.77mol)を、添加時に内部温度を0℃に維持しながら加えた。この反応物を0℃で30分間撹拌した後、それを−78℃まで冷却した。これに−78℃で、2Lのテトラヒドロフラン中、195g(0.77mol)のヨウ素の溶液を滴下した。この反応物を−78℃で1時間撹拌した後、それを2Lの飽和NH
4Cl(水溶液)および400g(2.53mol)のNa
2S
2O
3の添加により急冷した。この混合物を周囲温度で30分間撹拌した後、2Lの酢酸エチルを加え、層を分離した。水相をさらなる酢酸エチル(3×2L)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をNa
2SO
4で乾燥させた後、真空濃縮した。残渣を、20:1(v/v)ヘプタン:酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、30g(30%)の生成物を白色固体として得た。MS(ESI)C
13H
13NO
5の理論値:263.1。
【0341】
工程3. (2S,3S)−2−アミノ−3−ヒドロキシコハク酸の合成
【化74】
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還流冷却器を備えた500mLフラスコに、13g(50mmol)の2−フェニル−4,5−ジヒドロオキサゾール−4,5−ジカルボン酸(4S,5S)−ジメチルおよび200mL(2.4mol)の12M HCl(水溶液)を加えた。この反応物を50℃で16時間撹拌した後、溶媒を真空下除去した。残渣を1000mLの水に取り、HPLCにより安息香酸が水層に存在しなくなるまで、酢酸エチルで抽出した。有機層を廃棄し、水層を真空濃縮し、8.6g(94%)の(2S,3S)−2−アミノ−3−ヒドロキシコハク酸塩酸塩を白色結晶性固体として得た。MS(ESI)C
4H
7NO
5の理論値:149.0。
【0342】
工程4. 2−アミノ−3−ヒドロキシコハク酸(2S,3S)−ジメチルの合成
【化75】
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還流冷却器を備えた500mL3頚フラスコに、170mLのメタノールを加えた。このメタノールを−5℃に冷却した後、23.6g(198mmol)のSOCl
2を滴下した。添加が完了した後、8.6g(46mmol)の(2S,3S)−2−アミノ−3−ヒドロキシコハク酸HCl塩を加え、この溶液を周囲温度で16時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、粗2−アミノ−3−ヒドロキシコハク酸(2S,3S)−ジメチルHCl塩を黄色油状物として得、これをそれ以上精製せずに次の工程で使用した。MS(ESI)C
6H
11NO
5の理論値:177.1。
【0343】
工程5. 2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)−3−ヒドロキシコハク酸(2S,3S)−ジメチルの合成
【化76】
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還流冷却器を備えた500mL丸底フラスコに、18g(84.3mmol)の2−アミノ−3−ヒドロキシコハク酸(2S,3S)−ジメチルHCl、29g(150mmol)の2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン、42.5gのNaHCO
3(506mmol)、および350mLのTHFを加えた。この反応物を40℃で36時間撹拌した。固体を濾去し、さらなるTHF(30mL×3)で洗浄した。濾液および洗液を合わせ、真空濃縮した。残渣を、5:1(v/v)から1:1(v/v)ヘプタン:酢酸エチルへの勾配で溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、22g(63%)の2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)−3−ヒドロキシコハク酸(2S,3S)−ジメチルを黄色結晶性固体として得た。MS(ESI)C
11H
12ClN
3O
7の理論値:333.0。
【0344】
この手順を用い、2−アミノ−3−ヒドロキシコハク酸(2S,3S)−ジメチル塩酸塩を2−アミノ−3−ヒドロキシコハク酸ジメチル塩酸塩に置き換えることにより、2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)−3−ヒドロキシコハク酸ジメチルを製造することができた。
【0345】
工程6. 2−((S)−6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)−2−ヒドロキシ酢酸(S)−メチルの合成
【化77】
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H
2O中、10gのラネーNiのスラリーを、デカントして水を除去し、2−プロパノールで希釈し、再びデカントし、10gの重量の湿潤混合物を得た。500mLフラスコに10g(30mmol)の2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)−3−ヒドロキシコハク酸(2S,3S)−ジメチル、200mLの2−プロパノール、次いで、10gのラネーNiを加えた。この反応を真空下に置き、水素を3回再充填した後、それを1気圧のH
2下で3時間、またはHPLCにより出発ニトロ化合物の残留が無くなるまで撹拌した。ラネーNiを濾去した後、濾液を500mL丸底フラスコに入れ、5mL(87mmol)の氷酢酸を加えた。このフラスコに還流冷却器を取り付けた後、この反応物を80℃で16時間、HPLCにより中間体ジアミノピリジンが存在しなくなるまで撹拌した。溶媒を真空下で除去した。残渣を、5/1(v/v)ヘプタン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、6g(72%)の生成物を淡黄色固体として得た。MS(ESI)C
10H
10ClN
3O
4の理論値:271.0。
【0346】
この手順を用い、2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)−3−ヒドロキシコハク酸(2S,3S)−ジメチルを2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)−3−ヒドロキシコハク酸ジメチルに置き換えることにより、2−(6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)−2−ヒドロキシ酢酸メチルを製造することができた。
【0347】
工程7. (S)−1−((R)−6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタン−1,2−ジオールの合成
【化78】
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還流冷却器および温度計を備えた100mL3頚丸底フラスコに、20mLのテトラヒドロフラン、次いで、1.19g(30mmol)のLiAlH
4を加えた。この撹拌混合物を−5℃に冷却した後、20mLのテトラヒドロフラン中、0.5g(2mmol)の2−((S)−6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)−2−ヒドロキシ酢酸(S)−メチルの溶液を滴下した。この反応物を70℃で16時間、またはHPLCにより反応が完了するまで撹拌した。(ラクタムの還元はエステルの還元よりも遅かった。)この反応物を−10℃に冷却した後、1.2mLの水を滴下し、この反応物を10分間撹拌した。次に、1.2mLの15%(w/v)NaOH(水溶液)を滴下し、この反応物を20分間撹拌した。過剰量のLiAlH
4の急冷を行うために、さらに3.6mLの水を滴下し、その後、この反応物を20分間撹拌した。この反応物を濾過し、沈澱をテトラヒドロフラン(3×20mL)で洗浄した。合わせた濾液および洗液を真空濃縮し、約1.5gの固体を得た。これを16mLの酢酸エチルで希釈し、濾過した。濾液を真空濃縮し、310mg(80%)の生成物を褐色固体として得た。MS(ESI)C
9H
12ClN
3O
2の理論値:229.1。
【0348】
この手順を用い、2−(6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)−2−ヒドロキシ酢酸(S)−メチルを2−((S)−6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)−2−ヒドロキシ酢酸メチルに置き換えることにより、1−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタン−1,2−ジオールを製造することができた。
【0349】
工程8. (1S,4R)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−オールの合成
【化79】
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還流冷却器を備えた10mL丸底フラスコに、250mg(1.1mmol)の(S)−1−((R)−6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタン−1,2−ジオール、次いで、5mLの48%HBr(水溶液)を加えた。この反応物を105℃で16時間、またはHPLCが総ての出発材料が消費されたことを示すまで加熱した。この反応物を冷却した後、K
2CO
3(S)をpH=8までゆっくり加えた。溶媒を真空下で除去した後、残渣を、20/1(v/v)ジクロロメタン/メタノールで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、110mg(47%)の生成物を白色結晶性固体として得た。MS(ESI)C
9H
10ClN
3Oの理論値:211.1。
【0350】
この手順を用い、(S)−1−((R)−1−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタン−1,2−ジオールを6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)エタン−1,2−ジオールに置き換えることにより、7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−オールを製造することができた。
【0351】
工程9. (1S,4R)−7−クロロ−3−((トリメチルシリル)オキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成
【化80】
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10mL丸底フラスコに、1.68g(7.9mmol)の(1S,4R)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−オール、5mLのN,N−ジメチルホルムアミド、および2.8mL(24mmol)の2,6−ジメチルピリジンを加えた。この混合物をそれが均質となるまで撹拌した後、周囲温度で1.5mL(12mmol)のクロロトリメチルシランを滴下した。この反応物を周囲温度で3時間撹拌した後、それを100mLのジクロロメタンで希釈し、飽和NaHCO
3(水溶液)(1×50mL)、次いで、ブライン(3×50mL)で抽出し、真空濃縮し、2.04g(91%)の生成物を白色結晶性固体として得た。MS(ESI)C
12H
18ClN
3OSiの理論値:283.1。
【0352】
この手順を用い、(1S,4R)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−オールを7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−オールに置き換えることにより、7−クロロ−3−((トリメチルシリル)オキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを製造することができた。
【0353】
実施例27. (3R,4R)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((トリメチルシリル)オキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの製造:
【化81】
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10:1ジオキサン:水(8.8mL)中、(3R,4R)−7−クロロ−3−((トリメチルシリル)オキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(283mg、1.0mmol)、(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸(285mg、1.5mmol)、XPhos(24mg、0.05mmol)、Pd(OAc)
2(5.6mg、0.025mmol)、Cs
2CO
3(977mg、3.0mmol)の混合物を脱気し、100℃で25分間マイクロ波加熱した。ジオキサン層を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0から7%MeOHへの勾配)により精製し、(3R,4R)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((トリメチルシリル)オキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを得た。これらの画分を濃縮し、EtOAcに溶かし、飽和NaHCO
3、水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮し、(3R,4R)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((トリメチルシリル)オキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(338mg、収率85%)を得た。MS(ESI)C
19H
22F
3N
3OSiの理論値:393.15;測定値:394[M+H]。
【0354】
水素化ナトリウムを用いるこの一般的カップリング手順を用い、3−(ピリジン−2−イル)−2H−ピリド[1,2−a][1,3,5]トリアジン−2,4(3H)−ジオンを適当なイソシアン酸アリールまたはイソシアン酸アリール二量体(aryl isocyante dimer)に置き換えることにより、(3R,4R)−3−ヒドロキシ−N−アリール−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。非立体特異的シリーズは、7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((トリメチルシリル)オキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンで出発して製造することができた。
【0355】
実施例28. (3R,4R)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
THF(30mL)中、(3R,4R)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((トリメチルシリル)オキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(215mg、0.55mmol)および鉱油中60%NaH(66mg、1.65mmol)の溶液を20分間加熱還流した。3−(ピリジン−2−イル)−2H−ピリド[1,2−a][1,3,5]トリアジン−2,4(3H)−ジオン(197mg、0.82mmol)を加え、この反応混合物を還流下で2時間加熱した。この反応混合物を冷却し、濃縮乾固し、CH
2Cl
2で希釈した。有機層を飽和NaHCO
3、水、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮乾固した。残渣をPrep−HPLCにより精製し、これらの画分を濃縮乾固し、ジエチルエーテルとペンタンの混合物で摩砕し、2,2,2−トリフルオロ酢酸(3R,4R)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを白色固体として得た(132mg、収率44%)。MS(ESI)C
22H
18F
3N
5O
2の理論値:441.14;測定値:442[M+H]。
【0356】
実施例29. (4R)−3−オキソ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
CH
2Cl
2(20mL)中、2,2,2−トリフルオロ酢酸(3R,4R)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(92mg、0.166mmol)の溶液に、デス・マーチン・ペリオダン(Dess-Martin Periodane)(105mg、0.25mmol)を加えた。この反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。第2分量のデス・マーチン・ペリオダン(Dess-Martin Periodane)(105mg、0.25mmol)を装填し、この反応混合物を室温で0.5時間撹拌した。飽和NaHCO
3(水溶液)を加え、この反応混合物をCH
2Cl
2で抽出した。有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮して白色泡沫を得た。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ペナーテ(Penate)中0から100%酢酸エチルへ)により精製した後、Prep−HPLCにより精製し、凍結乾燥させ、2,2,2−トリフルオロ酢酸(4R)−3−オキソ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(62mg、収率67%)を得た。MS(ESI)C
22H
16F
3N
5O
2の理論値:439.13;測定値:440[M+H]。
【0357】
この一般的手順を用い、(3R,4R)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを(3R,4R)−3−ヒドロキシ−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドで置き換えることにより、(4R)−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−3−オキソ−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造した。
【0358】
実施例30. (3S,4R)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
窒素雰囲気下、−78℃にて、THF(10mL)中、2,2,2−トリフルオロ酢酸(4R)−3−オキソ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(50mg、0.09mmol)の溶液に、THF中1Mのスーパーヒドリドの溶液(0.45mL、0.45mmol)を滴下した。この反応混合物を−78℃で30分間撹拌し、EtOAc(5mL)の添加で急冷し、室温まで温め、濃縮した。残渣をフラッシュクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中0から10%MeOHへの勾配)により精製し、(3S,4R)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(22mg、収率55%)を得た。MS(ESI)C
22H
18F
3N
5O
2の理論値:441.14;測定値:442[M+H]。
【0359】
実施例31. 酢酸(3S,4R)−5−(ピリジン−2−イルカルバモイル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−イルの製造:
【化85】
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CH
2Cl
2中、(3S,4R)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(15mg、0.034mmol)の溶液に、トリエチルアミン(10μL、0.07mmol)、次いで、DMAP(1mg)および無水酢酸(10μL、0.011mmol)を加えた。この反応混合物を室温で2時間撹拌し、濃縮乾固し、Prep−HPLCにより精製した。これらの画分を凍結乾燥させ、酢酸(3S,4R)−5−(ピリジン−2−イルカルバモイル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−イル2,2,2−トリフルオロアセテート(5.9mg、収率29%)を得た。MS(ESI)C
24H
20F
3N
5O
3の理論値:483.15;測定値:484[M+H]。
【0360】
この一般的手順を用い、(3S,4R)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを(3R,4R)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドで置き換えることにより、酢酸(3R,4R)−5−(ピリジン−2−イルカルバモイル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−イルを製造した。
【0361】
この一般的手順を用い、(3S,4R)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを(3R,4R)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドで置き換え、かつ、無水酢酸および無水安息香酸を置き換えることにより、安息香酸(3R,4R)−5−(ピリジン−2−イルカルバモイル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−イルを製造した。
【0362】
実施例32. (3R,4R)−3−ヒドロキシ−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化86】
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CH
3CN(20mL)中、(3R,4R)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3−((トリメチルシリル)オキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(284mg、0.722mmol)、(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)カルバミン酸フェニル(404mg、1.44mmol)およびDMAP(44mg、0.36mmol)の溶液を60℃で(一晩)、次いで、80℃で(2時間)加熱した。次に、この反応混合物に追加量の(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)カルバミン酸フェニル(202mg、0.72mmol)およびDMAP(88mg、0.72mmol)を加えた。この反応混合物を80℃で一晩加熱し、濃縮乾固した。この反応混合物をまず、カラムクロマトグラフィー(ペンタン中0から100%酢酸エチルへの勾配)により精製し、次いで、prep−HPLCにより精製し、凍結乾燥させ、(3R,4R)−3−ヒドロキシ−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドをトリフルオロ酢酸塩として得た(161mg、36%)。MS(ESI)C
26H
20F
3N
5O
3の理論値:507.15;測定値:508[M+H]。
【0363】
実施例33. (3R,4R)−7−(3−クロロフェニル)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. (3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化87】
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N
2下、−20℃で、2mLのCH
2Cl
2中、(3R,4R)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−オール(90mg、0.28mmol)の溶液に、TBSOTf(111mg、0.42mmol)をゆっくり加えた。この混合物を1時間撹拌した後、1N HClおよび水で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固した。残渣をPrep.TLC(DCM/EA=20:1)により精製し、(3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを黄色固体として得た(90mg、収率73%)。MS(ESI)C
15H
24ClN
3OSiの理論値:325.14。
【0364】
工程2. (3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−(3−クロロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成
【化88】
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ジオキサン/H
2O(11mL、10:1)中、(3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(1.08g、3.32mmol)、(3−クロロフェニル)ボロン酸(570mg、3.65mmol)、CS
2CO
3(2.48g、7.63mmol)、Pd(dppf)Cl
2(300mg、0.33mmol)の混合物をマイクロ波反応器にて130℃で2.5時間加熱した。この混合物を水に注ぎ、EtOAcで希釈した。有機相を水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、蒸発乾固した。残渣をprep.HPLCにより精製し、(3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−(3−クロロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを淡黄色固体として得た(850mg、収率63%)。MS(ESI)C
21H
28ClN
3OSiの理論値:401.17。
【0365】
この一般的手順を用い、(3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−(5−(トリフルオロメチル)ピリジン−3−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを製造した。
【0366】
工程3. (3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−(3−クロロフェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化89】
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5mlのMeCN中、ピリジン−2−イルカルバミン酸フェニル(86mg、0.20mmol)、(3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−(3−クロロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(80mg、0.20mmol)およびDMAP(24mg、0.20mmol)の混合物を65℃で一晩撹拌した。粗反応混合物を、DCM:EA=20:1で溶出するprep.TLCにより精製し、(3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−(3−クロロフェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(110mg)を得た。MS(ESI)C
27H
32ClN
3O
2Siの理論値:521.2。
【0367】
工程4. (3R,4R)−7−(3−クロロフェニル)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化90】
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10mLのTHFおよび濃HCl(1mL)中、(3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−(3−クロロフェニル)−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(110mg、0.21mmol)の溶液を室温で48時間撹拌した。この混合物を減圧下で濃縮した。飽和NaHCO
3水溶液を用いてpHを8に調整した。この混合物をEtOAcで抽出し、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)。濃縮した。残渣をEtOAc中で摩砕し、(3R,4R)−7−(3−クロロフェニル)−3−ヒドロキシ−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(34mg、収率39%)を白色固体として得た。MS(ESI)C
21H
18ClN
5O
2の理論値:407.1;測定値:408[M+H]。
【0368】
実施例34. (3R,4R)−N−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. (3R,4R)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−オールの合成:
【化91】
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ジオキサン/H
2O(30mL、10:1)中、(3R,4R)−7−クロロ−3−((トリメチルシリル)オキシ)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(1g、3.53mmol)、((3−トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸(1.34g、7.06mmol)、CS
2CO
3(3.44g、10.6mmol)、Pd(dppf)Cl
2(300mg、0.35mmol)の混合物を、マイクロ波下、130℃で2.5時間反応させた。次に、この反応混合物を水に注ぎ、EtOAcで抽出し、水、次いで、ブラインで洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(PE/EA=4:1)により精製し、(3R,4R)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−オール(600mg、39%収率)を得た。MS(ESI)C
16H
14F
3N
3Oの理論値:321.1。
【0369】
工程2. (3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化92】
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TBSCl(338mg、2.24mmol)、(3R,4R)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−3−オール(600mg、1.87mmol)、トリエチルアミン(415mg、4.11mmol)およびDMAP(22mg、0.20mmol)の混合物を48時間撹拌した。出発材料を消費するためにはさらなるTBSClおよびTEAが必要であった。粗残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、(3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(90mg、収率73%)を得た。MS(ESI)C
22H
28F
3N
3OSiの理論値:435.20。
【0370】
工程3. (3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−N−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化93】
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5mlのMeCN中、(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)カルバミン酸フェニル(25mg、0.10mmol)、(3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−7−(3−クロロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(30mg、0.05mmol)およびDMAP(6mg、0.05mmol)の混合物を65℃で一晩撹拌した。粗反応混合物をprep.TLCにより精製し、(3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−N−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(30mg、定量的)を得た。MS(ESI)C
28H
34F
3N
5O
2SSiの理論値:589.22。
【0371】
工程4. (3R,4R)−N−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化94】
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THF(2mL)中、(3R,4R)−3−((tert−ブチルジメチルシリル)オキシ)−N−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(30mg、0.051mmol)の溶液に、TBAF/THF(0.1mL、0.1mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩(overninght)撹拌し、水に注ぎ、EtOAcで抽出した。有機層を水、次いで、ブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、蒸発乾固した。残渣をprep.TLC(EtOAc)により精製し、(3R,4R)−N−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−3−ヒドロキシ−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを白色固体として得た(12mg、収率50%)。MS(ESI)C
22H
20F
3N
5O
2Sの理論値:475.13;測定値:476[M+H]。
【0372】
実施例35: (4S)−N−(4−(オキサゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化95】
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0℃に冷却した、ピリジン(780μL、9.65mmol)およびジクロロメタン(10mL)中、4−(オキサゾール−5−イル)ピリジン−2−アミン(500mg、3.10mmol)の溶液に、クロロギ酸フェニル(466μL、3.72mmol)を1.5時間かけて加えた。この反応物を0℃で2時間撹拌した。水(15mL)をゆっくり加え、さらなるジクロロメタンを加えた。有機層を分離し、飽和炭酸ナトリウム(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、総ての溶媒を真空下で除去した。残渣を5:1石油エーテル:酢酸エチルに30分間懸濁させた後、この懸濁液を濾過し、(4−(オキサゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)カルバミン酸フェニル(547mg、1.94mmol、収率63%)を得た。
【0373】
アセトニトリル(5mL)中、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(110mg、0.361mmol)、(4−(オキサゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)カルバミン酸フェニル(203mg、0.722mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(53.0mg、0.434mmol)の溶液を60℃で一晩撹拌した。この混合物を分取HPLCにより精製し、(4S)−N−(4−(オキサゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(24.3mg、0.0493mmol、収率14%)を得た。MS(ESI)C
25H
19F
3N
6O
2の理論値:492.2;測定値:493.2[M+H]。
【0374】
実施例36: (4S)−N−(3,5−ビス(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
工程1. (3,5−ビス(オキサゾール−5−イル)フェニル)カルバミン酸フェニルの合成:
【化96】
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ジクロロメタン(15mL)中、3,5−ビス(オキサゾール−5−イル)アニリン(100mg、0.44mmol)、クロロギ酸フェニル(76mg、0.48mmol)およびピリジン(0.20mL)の混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残った材料を分取TLC(1:1石油エーテル:酢酸エチル)により精製し、(3,5−ビス(オキサゾール−5−イル)フェニル)カルバミン酸フェニル(140mg、0.40mmol、収率92%)を得た。MS(ESI)C
19H
13N
3O
4の理論値:347.1。
【0375】
工程2. (4S)−N−(3,5−ビス(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化97】
[この文献は図面を表示できません]
アセトニトリル(2mL)中、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(70mg、0.23mmol)、(3,5−ビス(オキサゾール−5−イル)フェニル)カルバミン酸フェニル(140mg、0.40mmol)およびDMAP(56mg、0.46mmol)の混合物を一晩還流させた。溶媒を真空下で除去し、残った残渣を分取TLC(10:1ジクロロメタン:メタノール)により精製し、(4S)−N−(3,5−ビス(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(13.7mg、0.0245mmol、収率11%)を得た。MS(ESI)C
29H
21F
3N
6O
3の理論値:558.2;測定値:559.0。
【0376】
実施例37. ((1−(3−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造:
【化98】
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アセトニトリル(5mL)中、トリホスゲン(214mg、0.721mmol)の溶液に、アセトニトリル(5mL)およびトリエチルアミン(2mL)中、((1−(3−アミノフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(417mg、1.44mmol)の溶液を加えた。得られた懸濁液を室温で10分間撹拌した後、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(化合物#;302mg、0.989mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(122mg、1.00mmol)を固体として加えた。この反応物を80℃で15分間撹拌した。この反応物を室温まで冷却し、メタノール(2mL)を加え、この反応物を飽和重炭酸ナトリウム(50mL)に注ぎ、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で除去し、残った材料をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0%から8%メタノールへ)により精製し、((1−(3−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(579mg、0.933mmol、収率94%)を得た。MS(ESI)C
31H
31F
3N
8O
3の理論値:620.3;測定値:621.0[M+H]。
【0377】
実施例38. (4S)−N−(3−(4−(アミノメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化99】
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((1−(3−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(160mg、0.258mmol)をトリフルオロ酢酸(1.6mL)に溶かした。この反応物を50℃で10分間撹拌した後、総ての溶媒を真空下で除去し、(4S)−N−(3−(4−(アミノメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩(164mg、0.258mmol、収率100%)を得た。MS(ESI)C
26H
23F
3N
8Oの理論値:520.2;測定値:521.0[M+H]。
【0378】
実施例39: (4S)−N−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
工程1: (4S)−N−(6−ブロモピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化100】
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アセトニトリル(25mL)中、トリホスゲン(1.81g、6.10mmol)の溶液に、アセトニトリル(25mL)中、6−ブロモピリジン−2−アミン(2.26g、13.1mmol)の溶液を加えた。トリエチルアミン(8.00mL、57.4mmol)を加え、この反応物を80℃で30分間撹拌し、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(1.04g、3.41mmol)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(410mg、3.36mmol)を固体として加え、この反応物を80℃で1時間撹拌した。この反応物を室温まで冷却し、水(30mL)に注ぎ、ジクロロメタン(2×50mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、総ての溶媒を真空下で除去した。残った残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ペンタン中30%から100%酢酸エチルへ)により精製し、(4S)−N−(6−ブロモピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(1.12g、2.22mmol、収率65%)を得た。MS(ESI)C
22H
17BrF
3N
5Oの理論値:503.1;測定値:503.8[M+H]。
【0379】
工程2: (4S)−N−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化101】
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マイクロ波バイアルに(4S)−N−(6−ブロモピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(46.0mg、0.0912mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(4.8mg、0.0042mmol)、フッ化セシウム(180mg、1.18mmol)、1−メチル−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−1H−ピラゾール(60.0mg、0.288mmol)、DME(1.5mL)、および水(150μL)を装填した。このマイクロ波バイアルを密閉し、マイクロ波中、100℃で3時間加熱した。有機層を分離し、水層を10:1酢酸エチル:メタノール(2×2mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を真空下で除去し、残った残渣をDMSO(4mL)に溶かし、濾過し、濾液を分取HPLCにより精製し、(4S)−N−(6−(1−メチル−1H−ピラゾール−5−イル)ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩(28.4mg、0.0460mmol、収率50%)を得た。MS(ESI)C
26H
22F
3N
7Oの理論値:505.2;測定値:506.0[M+H]。
【0380】
実施例40: (4S)−N−(3−(ピペラジン−1−イルメチル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化102】
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バイアルにトリホスゲン(75.0mg、0.253mmol)を装填し、これをアセトニトリル(2.5mL)に溶かした。アセトニトリル(2.5mL)中、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(150mg、0.491mmol)の溶液、次いで、トリエチルアミン(0.50mL、3.59mmol)を加えた。この反応物を室温で4時間撹拌し、4−(3−アミノベンジル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(480mg、1.65mmol)を固体として加え、次いで、DMAP(360mg、2.95mmol)を加えた。この反応物を80℃で16時間撹拌し、総ての溶媒を真空下で除去した。残った材料をトリフルオロ酢酸(5.0mL)に溶かし、この溶液を50℃で20分間撹拌した。余分な量のトリフルオロ酢酸を真空下で除去し、残った材料をDMSOに溶かし、得られた溶液を分取HPLCにより精製し、(4S)−N−(3−(ピペラジン−1−イルメチル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩(89.1mg、0.140mmol、収率29%)を得た。MS(ESI)C
28H
29F
3N
6Oの理論値:522.2。
【0381】
実施例41: (4S)−N−(4−(ピペラジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
工程1. 4−(2−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成:
【化103】
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0℃で、THF(20mL)中、4−(2−アミノピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(200mg、0.716mmol)の溶液に、ナトリウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液(THF中1.0M、1.50mL、1.50mmol)を加えた。この反応物を室温まで温め、30分間撹拌し、THF(5mL)中、7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸(4S)−フェニル(327mg、1.07mmol)の溶液を加えた。この反応物を室温で1.5時間撹拌した後、溶媒を真空下で除去し、残った残渣をprep TLC(3:1石油エーテル:酢酸エチル)により精製し、4−(2−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(160mg、0.262mmol、収率37%)を得た。MS(ESI)C
30H
33F
3N
8O
3の理論値:610.3。
【0382】
工程2. (4S)−N−(4−(ピペラジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化104】
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4−(2−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)ピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(160mg、0.262mmol)を酢酸エチル中の塩酸(2M、10mL)に溶かし、30分間撹拌した。総ての溶媒を真空下で除去し、(4S)−N−(4−(ピペラジン−1−イル)ピリミジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(47mg、0.092mmol、収率35%)を得た。MS(ESI)C
25H
25F
3N
8Oの理論値:510.2;測定値:511.0[M+H]。
【0383】
実施例42: 2−(4−(3−((9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10−カルボキサミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)カルバミン酸tert−ブチルの合成:
【化105】
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バイアルにトリホスゲン(180mg、0.607mmol)を装填し、これをジクロロメタン(3mL)に溶かした。(9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン(320mg、1.00mmol)の溶液を加え、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.00mL、5.74mmol)を加えた。この反応物を室温で25分間撹拌した後、ジクロロメタン(5mL)中、(2−(4−(3−アミノフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)カルバミン酸tert−ブチル(415mg、1.37mmol)の溶液を加えた。この反応物を40℃で16時間撹拌した後、マイクロ波中120℃で1時間加熱した。冷却後、溶媒を真空下で除去し、残った残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0%から8%メタノールへ)により精製し、(2−(4−(3−((9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10−カルボキサミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)カルバミン酸tert−ブチル(99.0mg、0.153mmol、収率15%)を得た。MS(ESI)C
33H
35F
3N
8O
3の理論値:648.3。
【0384】
実施例43: (4S)−N−(3−(2−(グアニジノメチル)オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化106】
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DMF(1mL)中、1H−ピラゾール−1−カルボキシイミドアミド塩酸塩(15mg、0.10mmol)およびDIEA(17μL、0.10mmol)の溶液を室温で10分間撹拌し、(4S)−N−(3−(2−(アミノメチル)オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(52mg、0.10mmol)を加えた。この反応混合物を室温で一晩撹拌した後、prep−HPLCにより精製し、凍結乾燥させ、(4S)−N−(3−(2−(グアニジノメチル)オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドトリフルオロ酢酸塩(25.5mg、収率38%)を得た。MS(ESI)C28H25F3N8O2の理論値:562.21;測定値:563[M+H]。
【0385】
この一般的手順を用い、(4S)−N−(3−(2−(アミノメチル)オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを適当なアミンで置き換えることにより、他のグアニジンを製造した。
【0386】
実施例44: (4S)−N−(ピリミジン−4−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
工程1. (9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンの合成:
【化107】
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20mLマイクロ波バイアルに磁気撹拌子、(9S)−2−クロロ−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン(629mg、3.00mmol)、[1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン]クロロ]アリルパラジウム(II)(62.1mg、0.120mmol)、3−トリフルオロメチルピペリジン(919mg、6.00mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(673mg、6.00mmol)を装填した。DME(7.0mL)を加え、このマイクロ波バイアルに蓋をし、2時間90℃に加熱した。室温まで冷却した後、メタノール(5mL)およびシリカゲル(5g)を加え、総ての溶媒を真空下で除去した。残ったシリカゲルスラリーを40gシリカゲルカラムの上にロードし、フラッシュクロマトグラフィー(ペンタン中50%から100%酢酸エチルへ)により、(9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン2をジアステレオマーの1:1混合物で得た(713mg、2.18mmol、収率73%)。MS(ESI)C
16H
21F
3N
4の理論値:326.2。
【0387】
【化108】
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工程2. (4S)−N−(ピリミジン−4−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化109】
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アセトニトリル(2mL)およびピリジン(1mL)中、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(40.0mg、0.128mmol)の溶液に、トリホスゲン(26.0mg、0.0876mmol)を固体として加えた。得られた赤色溶液を50℃で1時間撹拌した後、4−アミノピリミジン(95.0mg、1.00mmol)を固体として加え、この反応を70℃で6時間撹拌した。6時間後、窒素流下で大部分のアセトニトリルを除去し、この反応物にメタノール(1mL)およびDMSO(2mL)を加えた。得られた溶液をprep HPLCにより精製し、単離された材料をアセトニトリル/1N HCl水溶液から凍結乾燥させ、(4S)−N−(ピリミジン−4−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド塩酸塩(34.9mg、0.0743mmol、収率58%)を得た。MS(ESI)C
20H
22F
3N
7Oの理論値:433.2。
【0388】
実施例45: (4S)−7−((S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
工程1. (3S)−N,N−ジメチル−1−((4S)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−7−イル)ピロリジン−3−アミンの合成:
【化110】
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20mLマイクロ波バイアルに磁気撹拌子、(4S)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(978mg、5.00mmol)、[1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン]クロロ]アリルパラジウム(II)(51.7mg、0.100mmol)、(S)−N,N−ジメチルピロリジン−3−アミン(1.14g、10.00mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(1.12mg、10.00mmol)を装填した。DME(10.0mL)を加え、このマイクロ波バイアルに蓋をし、4時間100℃に加熱した。室温まで冷却した後、メタノール(20mL)およびシリカゲル(5g)を加え、総ての溶媒を真空下で除去した。残ったシリカゲルスラリーを40gシリカゲルカラムの上にロードし、フラッシュクロマトグラフィー(ペンタン中0%から10%メタノールへ)により、(3S)−N,N−ジメチル−1−((4S)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−7−イル)ピロリジン−3−アミン(524mg、1.92mmol、収率38%)を得た。MS(ESI)C
15H
23N
5の理論値:273.2。
【0389】
工程2. (4S)−7−((S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化111】
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アセトニトリル(540μL)およびピリジン(150μL)中、(3S)−N,N−ジメチル−1−((4S)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−7−イル)ピロリジン−3−アミン(40.0mg、0.146mmol)の溶液に、アセトニトリル(310μL)中、トリホスゲン(28.9mg、0.0975mmol)の溶液を加えた。この反応を50℃で30分間撹拌した後、トリエチルアミン(40μL)を加えた。3−アミノピリジン(94mg、1.00mmol)を固体として加え、この反応物を60℃で16時間撹拌した。16時間後、この反応物を室温まで冷却し、メタノール(1mL)を加え、得られた溶液を分取HPLCにより精製した。単離された材料をアセトニトリル/1N HCl水溶液から凍結乾燥させ、(4S)−7−((S)−3−(ジメチルアミノ)ピロリジン−1−イル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド塩酸塩(30.6mg、0.0712mmol、収率49%)を得た。MS(ESI)C
21H
27N
7Oの理論値:393.2。
【0390】
実施例46: 4−((9S)−10−(ピリミジン−4−イルカルバモイル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成:
工程1. 4−((9S)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成:
【化112】
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20mLマイクロ波バイアルに磁気撹拌子、(9S)−2−クロロ−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン(500mg、2.38mmol)、[1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン]クロロ]アリルパラジウム(II)(12.4mg、0.0240mmol)、ホモピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(953mg、4.76mmol)およびカリウムtert−ブトキシド(534mg、4.76mmol)を装填した。DME(5.0mL)を加え、このバイアルに蓋をし、マイクロ波中、85℃で4時間加熱した。室温まで冷却した後、メタノール(20mL)およびシリカゲル(5g)を加え、総ての溶媒を真空下で除去し、残ったシリカゲルスラリーを40gシリカゲルカラム上にロードした。フラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中0%から8%メタノールへ)により、4−((9S)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(550mg、1.48mmol、収率62%)を得た。MS(ESI)C
20H
31N
5O
2の理論値:373.2;測定値:374.2[M+H]。
【0391】
工程2. 4−((9S)−10−(ピリミジン−4−イルカルバモイル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成:
【化113】
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アセトニトリル(30mL)中、4−((9S)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(500mg、1.34mmol)、ピリミジン−4−イル−カルバミン酸フェニルエステル(570mg、2.65mmol)、4−ジメチルアミノピリジン(190mg、1.56mmol)の混合物を60℃で3.5時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、残渣をジクロロメタンに溶かし、水、ブラインで洗浄し、有機層を無水Na2SO4で乾燥させた。総ての溶媒を真空下で除去し、残った残渣を、ジクロロメタン:酢酸エチル(2:1)を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製した後、ジクロロメタン中3%メタノールを用いる分取薄層クロマトグラフィーにより精製し、4−((9S)−10−(ピリミジン−4−イルカルバモイル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(363mg、0.734mmol、収率55%)を得た。MS(ESI)C
25H
34N
8O
3の理論値:494.3;測定値:495.4[M+H]。
【0392】
実施例47: (9S)−2−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドの合成:
【化114】
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4−((9S)−10−(ピリミジン−4−イルカルバモイル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−2−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(400mg、0.808mmol)をMeOH中1MのHCl(20mL)に溶かし、この反応混合物を室温で1.5時間撹拌した。総ての溶媒を真空下で除去した。水(20mL)および炭酸カリウム(344mg、2.42mmol)を加え、この混合物を室温で1時間撹拌した。ジクロロメタン(3×5mL)で抽出し、溶媒を真空下で乾燥させ、(9S)−2−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド(300mg、0.761mmol、収94%率)を得た。MS(ESI)C
20H
26N
8Oの理論値:394.2。
【0393】
実施例48: (9S)−2−(4−(メチルスルホニル)−1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドの合成:
【化115】
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ジクロロメタン(3mL)中、(9S)−2−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド(60.0mg、0.152mmol)の溶液に、トリエチルアミン(46.1mg、0.457mmol)および塩化メタンスルホニル(18.1mg、0.152mmol)を加えた。この混合物を0℃で1時間撹拌した。この溶液を水、ブラインで洗浄し、有機層を無水Na2SO4で乾燥させた。残った溶液を、ジクロロメタン中3%メタノールを用いる分取クロマトグラフィーにより精製し、(9S)−2−(4−(メチルスルホニル)−1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド(30.0mg、0.0635mmol、収率42%)を得た。MS(ESI)C
21H
28N
8O
3Sの理論値:472.2。
【0394】
実施例49: (9S)−2−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドの合成:
【化116】
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メタノール(3mL)中、(9S)−2−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド(100mg、0.254mmol)の溶液に、ホルムアルデヒド(水中37%、20μL)および10%パラジウム炭素(10mg)を加えた。この反応物を水素雰囲気下で1時間撹拌した。溶媒を真空下で除去し、残った残渣を、ジクロロメタン中3%メタノールを用いる分取薄層クロマトグラフィーにより精製し、(9S)−2−(4−メチル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド(22.2mg、0.0543mmol、収率21%)を得た。MS(ESI)C
21H
28N
8Oの理論値:408.2。
【0395】
実施例50: (9S)−2−(4−イソプロピル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドの合成:
【化117】
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ジクロロメタン(3mL)中、(9S)−2−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド(50.0mg、0.127mmol)の溶液に、アセトン(12.9mg、0.254mmol)を加えた。この混合物を30分間撹拌し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(20.1mg、0.0759mmol)を固体として加え、この反応物を室温で一晩撹拌した。総ての溶媒を真空下で除去し、残った残渣を分取薄層クロマトグラフィー(100%酢酸エチル)により精製し、(9S)−2−(4−イソプロピル−1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド(16.8mg、0.0385mmol、収率30%)を得た。MS(ESI)C
23H
32N
8Oの理論値:436.3。
【0396】
実施例51: (9S)−N−(ピリミジン−4−イル)−2−(4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドの合成:
【化118】
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DMF(3mL)中、(9S)−2−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−N−(ピリミジン−4−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド(100mg、0.254mmol)の溶液に、炭酸ナトリウム(80.7mg、0.761mmol)およびトリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(163mg、0.508mmol)を加えた。この反応物を室温で一晩撹拌した後、ジクロロメタン(10mL)で希釈し、水、ブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させた。総ての溶媒を真空下で除去し、残った残渣を、ジクロロメタン中3%メタノールを用いる分取薄層クロマトグラフィーにより精製し、(9S)−N−(ピリミジン−4−イル)−2−(4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド(19.5mg、0.0409mmol、収率16%)を得た。MS(ESI)C
22H
27F
3N
8Oの理論値:476.2。
【0397】
実施例52: (4S)−7−(4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
工程1. 4−((4S)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−7−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成:
【化119】
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DME(5mL)中、(4S)−7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(500mg、2.56mmol)、N−Bocホモピペラジン(953mg、4.76mmol)、カリウムtert−ブトキシド(534mg、4.76mmol)の溶液に、[1,3−ビス(2,6−ジ−イソプロピルフェニル)−4,5−ジヒドロイミダゾール−2−イリデン]クロロ]アリルパラジウム(II)(12.4mg、0.0240mmol)を加えた。この混合物を90℃で3時間加熱した。冷却後、水を加え、この混合物を酢酸エチル(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残った残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(5:1ペンタン:酢酸エチル)により精製し、 4−((4S)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−7−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(610mg、1.70mmol、収率66%)を得た。MS(ESI)C
19H
29N
5O
2の理論値:359.2。
【0398】
工程2. (4S)−7−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化120】
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EtOAc(5M、10mL)中、4−((4S)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−7−イル)−1,4−ジアゼパン−1−カルボン酸tert−ブチル(610mg、1.70mmol)およびHClの混合物を室温で30分間撹拌した。溶媒を除去し、(4S)−7−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(418mg、1.61mmol、収率95%)を得た。MS(ESI)C
14H
21N
5の理論値:259.2。
【0399】
工程3. (4S)−7−(4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化121】
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DMF(5mL)中、(4S)−7−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(418mg、1.61mmol)の溶液に、トリフルオロメタンスルホン酸2,2,2−トリフルオロエチル(748mg、3.23mmol)および炭酸カリウム(666mg、4.83mmol)を加えた。この反応物を室温で一晩撹拌した。この反応物を水で希釈し、酢酸エチル(3×10mL)で抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残った残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(6:1ペンタン:酢酸エチル)により精製し、(4S)−7−(4−(2,2,2−トリフルオロエチル)−1,4−ジアゼパン−1−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(320mg、0.937mmol、収率58%)を得た。MS(ESI)C
16H
22F
3N
5の理論値:341.2。
【0400】
実施例53: (4S)−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−((R)−3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドおよび(4S)−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−((S)−3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化122】
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(4S)−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(120mg、0.241mmol)を30×250mm chiralcel OD−Hカラムにロードした。20:80エタノール:ヘプタンで溶出すると、最初に(4S)−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−((R)−3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(41.3mg、0.0828mmol、収率34%)、[α]
D25=+32(c、0.09、MeOH)が、次に、(4S)−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−((S)−3−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(44.8mg、0.0899mmol、収率37%)[α]
D25=+18.5(c、0.11、MeOH)が溶出した。MS(ESI)C
25H
25F
3N
6O
2の理論値:498.2;測定値:499.3[M+H]。
【0401】
実施例54. (5S)−N−(5−フルオロピリジン−3−イル)−8−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,5−ジヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン−6(3H)−カルボキサミド1,1−ジオキシドの製造:
工程1. (1−((2,6−ジクロロピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)カルバミン酸(S)−tert−ブチルの合成:
【化123】
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ジクロロメタン(10mL)中、2,6−ジクロロピリジン−3−スルホニルクロリド(Org. Process Res. Dev. 2009, 13, 875-879)(3.40g、13.8mmol)の溶液に、ピロリジン−3−イルカルバミン酸(S)−tert−ブチル(2.82g、14.5mmol)、次いで、トリエチルアミン(3.00mL、21.5mmol)を加えた。この反応物を室温で30分間撹拌した後、飽和重炭酸ナトリウムに注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、溶媒を真空下で除去し、(1−((2,6−ジクロロピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)カルバミン酸(S)−tert−ブチル(5.47g、13.8mmol、収率100%)を得た。
【0402】
工程2. (5S)−8−クロロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン1,1−ジオキシドの合成:
【化124】
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ジクロロメタン(30mL)中、(1−((2,6−ジクロロピリジン−3−イル)スルホニル)ピロリジン−3−イル)カルバミン酸(S)−tert−ブチル(5.47g、13.8mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(10mL)を加えた。この反応物を室温で一晩撹拌し、総ての溶媒を真空下で除去した。残った残渣をDMF(30mL)に溶かし、炭酸ナトリウム(10.0g、94.3mmol)を加えた。この反応物を90℃で2時間撹拌した。この反応物を室温まで冷却し、氷水に注ぎ、得られた溶液を濾過し、固体を水で洗浄した。集めた固体を乾燥させ、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、(5S)−8−クロロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン1,1−ジオキシド(1.80g、6.93mmol、収率50%)を得た。
【0403】
工程3. (5S)−8−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン1,1−ジオキシドの合成:
【化125】
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10:1ジオキサン:水(45mL)中、(5S)−8−クロロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン1,1−ジオキシド(800mg、3.08mmol)、3−トリフルオロメチルベンゼンボロン酸(1.17g、6.16mmol)、炭酸セシウム(3.00g、9.21mmol)および[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(370mg、0.453mmol)の混合物を110℃で一晩撹拌した。冷却後、溶媒を真空下で除去し、残渣をジクロロメタンと水で分液した。有機層を分離し、水、ブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。残った残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、(5S)−8−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン1,1−ジオキシド(1.00g、2.71mmol、収率88%)を得た。
【0404】
工程4. (5S)−8−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン1,1−ジオキシドの合成:
【化126】
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DMF(10mL)中、(5S)−8−クロロ−3,4,5,6−テトラヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン1,1−ジオキシド(800mg、3.08mmol)および炭酸ナトリウム(1.60g、15.1mmol)の溶液に、(S)−3−フルオロピロリジン塩酸塩(1.10g、8.76mmol)を加えた。この反応物を90℃で6時間撹拌した後、砕いた氷に注ぎ、撹拌し、濾過した。集めた固体を水で洗浄し、乾燥させ、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、(5S)−8−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン1,1−ジオキシド(680mg、2.18mmol、収率71%)を得た。
【0405】
工程5. (5S)−N−(5−フルオロピリジン−3−イル)−8−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,5−ジヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン−6(3H)−カルボキサミド1,1−ジオキシドの合成:
【化127】
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(5S)−8−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4,5,6−テトラヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン1,1−ジオキシド(70.0mg、0.190mmol)をDMF(3mL)に溶かし、水素化ナトリウム(54mg、油中60%、1.35mmol)を加えた。この反応物を室温で2時間撹拌し、(5−フルオロピリジン−3−イル)カルバミン酸フェニル(176mg、0.768mmol)を加えた。この反応物を室温で1時間撹拌し、水に注ぎ、ジクロロメタンで抽出した。有機層を真空濃縮し、残った残渣を分取薄層クロマトグラフィーにより精製し、(5S)−N−(5−フルオロピリジン−3−イル)−8−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−4,5−ジヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン−6(3H)−カルボキサミド1,1−ジオキシド(24.0mg、0.0473mmol、収率25%)を得た。MS(ESI)C
22H
17F
4N
5O
3Sの理論値:507.1;測定値:508.1(M+H)
+。
【0406】
以下の化合物を類似の方法で製造した:(5S)−N−(5−フルオロピリジン−3−イル)−8−((S)−3−フルオロピロリジン−1−イル)−4,5−ジヒドロ−2,5−メタノピリド[2,3−g][1,2,6]チアジアゾシン−6(3H)−カルボキサミド1,1−ジオキシド。
【0407】
実施例55. (4S)−N−(3−(4−((6−アミノヘキサンアミド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化128】
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トリフルオロ酢酸(3.0mL)中、((1−(3−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)フェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(190mg、0.306mmol)の溶液を室温で1時間撹拌した後、余分なトリフルオロ酢酸を真空で除去した。残った残渣をDMF(5.0mL)およびトリエチルアミン(1.0mL)に溶かし、2, 6−((tert−ブトキシカルボニル)アミノ)ヘキサン酸5−ジオキソピロリジン−1−イル(250mg、0.761mmol)を加えた。この反応物を80℃で30分間撹拌した後、65℃に冷却し、4N HCl(4mL)を加えた。この反応物を65℃で2時間撹拌した後、濾過し、濾液を分取HPLCにより精製した。単離された材料をアセトニトリル/1N HClから凍結乾燥させ、(4S)−N−(3−(4−((6−アミノヘキサンアミド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド塩酸塩(208mg、0.310mmol、収率100%)を得た。MS(ESI)C
32H
34F
3N
9O
2の理論値:633.3;測定値:634.3(M+H)
+。
【0408】
実施例56. (4S)−N−(3−(4−((6−(5−((3aS,4S,6aR)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル)ペンタンアミド)ヘキサンアミド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化129】
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アセトニトリル(1.3mL)およびトリエチルアミン(0.13mL、0.933mmol)中、(4S)−N−(3−(4−(アミノメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(44.2mg、0.0850mmol)の溶液に、ビオチンアミドヘキサン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(40.9mg、0.090mmol)を加えた。この反応物を65℃で2時間撹拌した後、DMF(1mL)を加え、得られた反応混合物を濾過し、濾液を分取HPLCにより精製し、(4S)−N−(3−(4−((6−(5−((3aS,4S,6aR)−2−オキソヘキサヒドロ−1H−チエノ[3,4−d]イミダゾール−4−イル)ペンタンアミド)ヘキサンアミド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(43.6mg、0.0448mmol、収率53%)を得た。
【0409】
実施例57. (4S)−N−(3−(4−((3−(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−5−イル)チオウレイド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化130】
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アセトニトリル(1.3mL)およびトリエチルアミン(0.13mL、0.933mmol)中、(4S)−N−(3−(4−(アミノメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(44.2mg、0.0850mmol)の溶液に、フルオレセインイソチオシアネート異性体I(35.0mg、0.090mmol)を加えた。この反応物を65℃で2時間撹拌した後、DMF(1mL)を加え、得られた反応混合物を濾過し、濾液を分取HPLCにより精製し、(4S)−N−(3−(4−((3−(3’,6’−ジヒドロキシ−3−オキソ−3H−スピロ[イソベンゾフラン−1,9’−キサンテン]−5−イル)チオウレイド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(51.0mg、0.0498mmol、収率58%)を得た。
【0410】
実施例58. (4S)−N−(3−(4−((3−((Z)−2−((1−(ジフルオロボリル)−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール−5−イル)プロパンアミド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化131】
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アセトニトリル(0.35mL)およびトリエチルアミン(0.035mL、0.251mmol)中、(4S)−N−(3−(4−(アミノメチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(12.2mg、0.0234mmol)の溶液に、4,4−ジフルオロ−5,7−ジメチル−4−ボラ−3a,4a−ジアザ−s−インダセン−3−プロピオン酸、スクシンイミジルエステル(10mg、0.0257mmol)を加えた。この反応物を60℃で30分間撹拌した後、この反応混合物を分取HPLCにより精製し、(4S)−N−(3−(4−((3−((Z)−2−((1−(ジフルオロボリル)−1H−ピロール−2−イル)メチレン)−2H−ピロール−5−イル)プロパンアミド)メチル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(5.8mg、0.0064mmol、収率27%)を得た。
【0411】
実施例59. (9S)−N−(4−(アセトアミドメチル)フェニル)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドの合成:
【化132】
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ピリジン(3.0mL)中、(9S)−N−(4−(アミノメチル)フェニル)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド塩酸塩(108mg、0.214mmol)の溶液に、無水酢酸(28.0μL、0.300mmol)を加えた。この反応物を室温で4時間撹拌し、この反応混合物を分取HPLCにより精製し、(9S)−N−(4−(アセトアミドメチル)フェニル)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミドトリフルオロアセテート(111mg、0.178mmol、収率83%)を得た。MS(ESI)C
27H
26F
3N
5O
2の理論値:509.2;測定値:510.2(M+H)
+。
【0412】
実施例60. (4S)−N−(3−(ピロリジン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1: 3−(3−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)フェニル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチルの合成:
【化133】
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(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(A7、0.150g、0.490mmol)を5mlの塩化メチレンに溶かし、DIEA(193μl、1.08mmol)で処理した。この混合物を室温で30分間撹拌した。次に、3−(3−アミノフェニル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.141g、0.539mmol)を加え、この溶液を室温で一晩撹拌した。この反応物を5mlの塩化メチレンで希釈し、10mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を集め、濃縮乾固した。ペンタン中5−100%酢酸エチルを用いるシリカカラムクロマトグラフィーにより精製し、3−(3−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)フェニル)ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.077g、26%)を得た。MS(ESI)C
32H
34F
3N
5O
3の理論値:593.3、測定値:594[M+H]。
【0413】
工程2: (4S)−N−(3−(ピロリジン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化134】
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3−(3−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)フェニル)ピロリジン−1−カルボン酸(S)tert−ブチル:(0.077g、0.130mmol)を1,4−ジオキサン中4NのHCl 5mLに溶かし、窒素下、室温で3時間撹拌した。次に、総ての溶媒を減圧下で除去し、得られた固体を真空下で一晩乾燥させ、(4S)−N−(3−(ピロリジン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(0.078g、100%)を得た。MS(ESI)C
27H
26F
3N
5Oの理論値:493.21;測定値:494[M+H]。
【0414】
実施例61. (4S)−N−(3−(1−(2−アミノ−2−オキソエチル)ピロリジン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化135】
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(4S)−N−(3−(ピロリジン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(B579、0.029g、0.058mmol)を2mlの塩化メチレンに溶かした後、DIEA(31μl、0.174mmol)で処理した。クロロアセトアミド(0.006g、0.064mmol)を加え、この反応物を一晩60℃に加熱した。次に、この反応物を室温まで冷却し、5mlの塩化メチレンで希釈し、10mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を濃縮乾固し、0.1%トリフルオロ酢酸(trifluroracetic acid)を含有する水中5−95%アセトニトリル(acetonitrle)の勾配を用いるC18での逆相クロマトグラフィーにより精製し、(4S)−N−(3−(1−(2−アミノ−2−オキソエチル)ピロリジン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(0.008g、23%)を得た。MS(ESI)C
29H
29F
3N
6O
2の理論値:550.2;測定値:551[M+H]。
【0415】
実施例62: (4S)−N−(3−(1−(2−アミノ−2−オキソエチル)ピロリジン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化136】
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(4S)−N−(3−(ピロリジン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(B579、0.020g、0.038mmol)を1.5mlの塩化メチレンに溶かした後、DIEA(13μl、0.076mmol)で処理した。次に、塩化アセチル(0.005g、0.042mmol)を加え、この反応物を室温で一晩撹拌した。その後、この反応物を5mlの塩化メチレンで希釈し、10mlの飽和炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を濃縮乾固し、C18での逆相クロマトグラフィーにより精製し、(4S)−N−(3−(1−(2−アミノ−2−オキソエチル)ピロリジン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(0.023g、88%)を得た。MS(ESI)C
29H
28F
3N
5O
2の理論値:535.2;測定値:536[M+H]。
【0416】
この一般的アシル化手順を用い、(4S)−N−(3−(1−プロピオニルピロリジン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドおよび(4S)−N−(3−(1−(シクロプロパンカルボニル)ピロリジン−3−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造した。
【0417】
実施例63. ((5−(3−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)フェニル)オキサゾール−2−イル)メチル)カルバミン酸ベンジルの製造:
【化137】
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4mLの塩化メチレン中、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(0.276g、0.902mmol)を、DIEA(400μL、2.261mmol)およびトリホスゲン(0.200g、0.676mmol)と合わせた。次に、この混合物を65℃に加熱し、この時点で、4mLの塩化メチレン中、((5−(3−アミノフェニル)オキサゾール−2−イル)メチル)カルバミン酸ベンジル(0.321g、0.992mmol)をゆっくり滴下した。次に、この混合物を65℃で5時間加熱した。その後、この反応物を室温まで冷却した後、10mLの塩化メチレンを加え、次いで、50mLの飽和炭酸水素ナトリウム(sodium hydrogen carnonate)溶液で洗浄した。有機層を集め、減圧下で濃縮乾固した。次に、残渣をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、((5−(3−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)フェニル)オキサゾール−2−イル)メチル)カルバミン酸ベンジル(0.082g、14%)を得た。MS(ESI)C
35H
29F
3N
6O
4の理論値:654.22;測定値:655[M+H]。
【0418】
実施例64. (4S)−N−(3−(2−(アミノメチル)オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造(prepration):
【化138】
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((5−(3−((4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5−カルボキサミド)フェニル)オキサゾール−2−イル)メチル)カルバミン酸ベンジル(0.040g、0.06mmol)を10mLの酢酸エチルに溶かし、真空下で3回脱気した。次に、およそ(approximately)5mgのパラジウム(炭素上10%、脱気タイプ)を加え、反応容器を窒素でパージした後、水素バルーンを取り付けた。その後、撹拌を開始し、この混合物を水素下で2時間撹拌した。次に、この反応容器を排気し、窒素でパージした。固体を取り出し、溶媒を減圧下で除去し、(4S)−N−(3−(2−(アミノメチル)オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(0.032g、100%)を得、これを精製せずに使用した。MS(ESI)C
27H
23F
3N
6O
2の理論値:520.51;測定値:521[M+H]。
【0419】
実施例65. (4S)−N−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造
工程1. 7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸(4S)−フェニルの合成:
【化139】
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DCM(15mL)中、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(1.5g、4.92mmol)およびピリジン(0.74mL、9.84mmol)の溶液に、0℃で、クロロギ酸フェニル(1.1mL、8.85mmol)を滴下した。得られた混合物をこの温度で2時間撹拌した後、飽和NaHCO
3水溶液で洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮して粗カルバミン酸フェニル(1.8g)を褐色油状物として得、これをそれ以上精製せずに次の工程で使用した。
【0420】
【化140】
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工程2. (4S)−N−(5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
乾燥THF(5mL)中、アミン5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−アミン(30mg、0.18mmol)の溶液に、NaH(18mg、0.75mmol)を0℃で少量ずつ加え、この反応混合物を室温で30分間撹拌した後、7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸(4S)−フェニル(157mg、0.37mmol)を加え、この混合物を一晩撹拌した。得られた混合物をMeOH(2mL)で急冷し、エバポレーターにより真空濃縮した。残渣をprep−TLCにより精製し、2−(3−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(50mg、収率54.9%)を白色固体として得た。
【0421】
7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸(4S)−フェニルを用いるこの一般的手順を用い、5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール−2−アミンの代わりに適当なアリール−アミンを使用することにより、様々なカルボキサミドを製造することができた。
【0422】
実施例66. (4S)−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボチオアミドの製造
工程1. 5−(3−イソチオシアナトフェニル)オキサゾールの合成:
【化141】
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乾燥THF(6mL)中、3−(オキサゾール−5−イル)アニリン(160mg、1.0mmol)およびTEA(0.4mL、3.0 mmol)の溶液に、乾燥THF(1.5mL)中、チオホスゲン(0.152mL、2.0mmol)の溶液を、アルゴン雰囲気下、0℃で、10分かけて滴下した。この反応混合物を周囲温度で30分間撹拌したところ、TLCは3−(オキサゾール−5−イル)アニリンが完全に消費されたことを示した。溶媒を減圧下でエバポレーターにより除去し、残渣を水(10mL)および酢酸エチル(25mL)で希釈し、有機層を分離した。水相を酢酸エチル(3×30mL)で抽出し、合わせた有機層を飽和NaHCO
3水溶液、次いで、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して5−(3−イソチオシアナトフェニル)オキサゾールを得、これを、それ以上精製を行わずに次の反応に使用した。
【0423】
工程2. (4S)−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボチオアミドの合成:
【化142】
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(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(244mg、0.8mmol)を乾燥DMF(5mL)に溶かし、NaH(128mg、60%、3.2mmol)を、アルゴン雰囲気下、0℃で少量ずつ加えた。この混合物を室温まで温め、1時間撹拌した。DMF(3mL)中、上記で作製5−(3−イソチオシアナトフェニル)オキサゾールの溶液を滴下し、この反応混合物を周囲温度で一晩撹拌した。次に、得られた混合物を飽和NH
4Cl水溶液で急冷し、酢酸エチル(3×15mL)で抽出し、水およびブラインで洗浄し、無水Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗物質を、DCM:MeOH=10:1を用いるシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、標題化合物(4S)−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボチオアミド(186.1mg、収率46%)を得た。
【0424】
実施例67. (4S)−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. 2−((5−ブロモ−2−ニトロフェニル)アミノ)コハク酸(S)−ジメチルの合成:
【化143】
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DMSO(127mL)中、4−ブロモ−2−フルオロ−1−ニトロベンゼン(15.0g、68mmol)、2−アミノコハク酸(S)−ジメチル塩酸塩(15g、75mmol)およびDIPEA(36mL)の混合物を100℃で2時間撹拌した。冷却した後、水(200mL)を加え、この混合物を酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=4/1)により精製し、2−((5−ブロモ−2−ニトロフェニル)アミノ)コハク酸(S)−ジメチル(12.4g、収率51%)を得た。
【0425】
工程2. 2−(7−ブロモ−3−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−2−イル)酢酸(S)−メチル(Sundia E655−523−23)の合成:
【化144】
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i−PrOH(250mL)および水(50mL)中、2−((5−ブロモ−2−ニトロフェニル)アミノ)コハク酸(S)−ジメチル(12.4g、34.4mmol)、Fe(22g、392mmol)およびAcOH(1.2mL)の混合物を還流下で2時間撹拌した。冷却後、固体を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をDCM(300mL)および水(300mL)で希釈し、有機層を分離し、水相をDCM(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル=4/1)により精製し、2−(7−ブロモ−3−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−2−イル)酢酸(S)−メチル(8.8g、収率86%)を得た。
1H NMR (DMSO-d
6, 400 MHz): δ 10.43 (s, 1H), 6.84 (s, 1H), 6.75-6.73 (m, 1H), 6.66-6.63 (m, 1H), 6.32 (s, 1H), 4.19-4.16 (m, 1H), 3.60 (s, 3H), 2.78-2.72 (m, 1H), 2.68-2.61 (m, 1H)。
【0426】
工程3. (S)−2−(7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−2−イル)エタノールの合成:
【化145】
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THF(30mL)中、2−(7−ブロモ−3−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−2−イル)酢酸(S)−メチル(4.4g、14.7mmol)の溶液に、0℃で、15分かけて、BH
3Me
2S(10M、10mL)を滴下した。この反応物を一晩加熱還流した。冷却した後、この混合物を6N HCl(10mL)で急冷し、得られた混合物を50℃で2時間撹拌した。次に、この混合物を、2N NaOHを用いて塩基性化してpH約8とした。この混合物をDCM(3×50mL)で抽出し、合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20/1)により精製し、(S)−2−(7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−2−イル)エタノール(2.4g、収率63%)を得た。
【0427】
工程4. (4S)−7−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノベンゾ[b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化146】
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室温にて、DCM(100mL)中、PPh
3(3.0g、11.7mmol)の溶液に、DDQ(2.7g、11.7mmol)を加えた。(S)−2−(7−ブロモ−1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン−2−イル)エタノール(2.0g、7.8mmol)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した。溶媒を除去した後、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=40/1)により精製し、(4S)−7−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノベンゾ[b][1,4]ジアゼピン(1.5g、収率81%)を得た。
【0428】
工程5. (4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノベンゾ[b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化147】
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ジオキサン(60mL)および水(6mL)中、(4S)−7−ブロモ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノベンゾ[b][1,4]ジアゼピン(600mg、2.5mmol)、(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸(950mg、5.0mmol)、Cs
2CO
3(2.4g、7.5mmol)の混合物に、N
2雰囲気下、室温でPd(dppf)Cl
2(204mg、0.25mmol)を加えた。この混合物を110℃で一晩撹拌した。冷却した後、固体を濾過し、濾液を濃縮した。残渣をDCM(30mL)および水(30mL)で希釈し、有機層を分離し、水相をDCM(3×30mL)で抽出した。合わせた有機層を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(DCM/MeOH=20/1)により精製し、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノベンゾ[b][1,4]ジアゼピン(700mg、収率95%)を得た。
【0429】
工程6. (4S)−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化148】
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THF(5mL)中、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノベンゾ[b][1,4]ジアゼピン(50mg、0.16mmol)、TEA(0.1mL)およびトリホスゲン(40mg、0.13mmol)の混合物を60℃で2時間撹拌した。3−(オキサゾール−5−イル)アニリン(38mg、0.24mmol)を加えた。この混合物を60℃で一晩撹拌した。冷却した後、得られた混合物を濃縮し、残渣をprep−TLC(DCM/MeOH=20/1)により精製し、(4S)−N−(3−(オキサゾール−5−イル)フェニル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(26.1mg、収率33%)を得た。
【0430】
実施例68. (4S)−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化149】
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CH
3CN(2.5mL)中、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノベンゾ[b][1,4]ジアゼピン(50mg、0.16mmol)、DMAP(52mg、0.42mmol)およびピリジン−2−イルカルバミン酸フェニル(89mg、0.42mmol)の混合物を一晩還流そた。冷却した後、溶媒を除去した。残渣をprep−TLC(DCM/MeOH=20/1)により精製し、(4S)−N−(ピリジン−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノベンゾ[b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(24.4mg、収率35%)を得た。
【0431】
実施例69. (4S)−N−(ピリジン−3−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. (4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化150】
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この部分は、上記の一般的な根岸カップリング手順を用いて製造し、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンをジアステレオマーの11:1混合物として得た(482mg、36%)。MS(ESI)C
16H
20F
3N
3の理論値:311.16;測定値:312[M+H]。
【0432】
工程2. (4S)−N−(ピリジン−3−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化151】
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これらの化合物は、上記のトリホスゲン尿素カップリング手順を用いて製造し、(4S)−N−(ピリジン−3−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドをジアステレオマーの9:1混合物として得た(38mg、62%)。MS(ESI)C
22H
24F
3N
5Oの理論値:431.19;測定値:432[M+H]。
【0433】
実施例70. (4S)−N−(ピリミジン−4−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化152】
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このジアステレオマー混合物は、以下のプロトコールを用いて製造した。カルボニルジイミダゾール(CDI、21mg、0.13mmol)をDCM(1.5mL)中でスラリーとした後、4−アミノピリミジン(13mg、0.13mmol)を加えた。総てを溶液とするために、ジオキサンを加えた(0.5mL)。この混合物を窒素雰囲気下、室温で1時間撹拌した。DCM(1mL)中、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(41mg、0.13mmol)を加え、この反応物を一晩撹拌した後、さらなるCDIを加え(21mg)、この反応物を4時間加熱還流した。この反応物をLCMSによりモニタリングしたところ、中間体(4−アミノピリミジンの付加前)が主要反応成分であった。この反応物をを室温まで冷却し、濃縮した後、さらなる4−アミノピリミジン(25mg)を1mLのDMSO(より良い溶解度のため)中で加えた。この反応物を一晩60℃に温めた後、次の晩は100℃の密閉試験管中で温めた。さらなる4−アミノピリミジン(25mg)を加え、この反応物を密閉し、マイクロ波中で1時間120℃に加熱した。DCM(10mL)、次いで、1N HCl(3mL)を加えた。これをDCM(3×15mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0−10%MeOH/DCM)により精製した後、再びprep HPLCにより精製し、(4S)−N−(ピリミジン−4−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(4mg、7%)を得た。MS(ESI)C
21H
23F
3N
6Oの理論値:432.19;測定値:433[M+H]。
【0434】
実施例71. (4S)−N−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
【化153】
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このジアステレオマー混合物は、以下のプロトコールを用いて製造した。
【0435】
カルバメート形成の一般的手順:
DCM(16mL)中、4,5−ジメチルチアゾール−2−アミン(1.63g、12.7mmol、1.0当量)およびピリジン(3.01g、38.2mmol、3.0当量)の冷却溶液に、1.5時間かけてクロロギ酸フェニル(2.09g、13.3mmol、1.05当量)を滴下した。この反応物を、冷却を続けながら、2時間撹拌した。水(15mL)を30分かけてゆっくり加えた後、この混合物をDCMで希釈した。層を分離し、有機層を飽和炭酸ナトリウム水溶液(20mL)、次いで、ブライン(20mL)で洗浄した。次に、有機層をNa
2SO
4で乾燥させた後、減圧下で濃縮した。残渣をEA/PE(1:5)に30分間懸濁させた後、濾過し、(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)カルバミン酸フェニル(1.7g、54%)を得た。
【0436】
カルバメートを介した尿素カップリングの一般的手順:
アセトニトリル(4mL)中、(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)カルバミン酸フェニル(80mg、0.322mmol、2.0当量)、(4S)−7−(3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(75mg、0.161mmol、1.0当量)およびDMAP(24mg、0.193mmol、1.2当量)の混合物を60℃で一晩撹拌した。TLCおよびLC/MSを用いて反応の進行をモニタリングした。この混合物をprep HPLCにより精製し、(4S)−N−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)シクロヘキシル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(14.5mg、12%)を得た。MS(ESI)C
22H
26F
3N
5OSの理論値:465.18;測定値:466[M+H]。
【0437】
実施例72. N−(ピリダジン−3−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(化合物xx)の製造:
工程1: 3−アミノペント−2−エン二酸ジエチル
【化154】
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250mL3頚フラスコに6.00g(29.7mmol)の1,3−アセトンジカルボン酸ジエチルエステル、4.70g(59.4mmol)の重炭酸アンモニウム、および80mLのエタノールを装填した。この反応物を周囲温度で24時間撹拌した後、それを真空濃縮した。残渣を100mLの水に取り、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×200mL)で逆抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、5g(87%)の生成物を無色の油状物として得た。これをそれ以上精製せずに次の反応で使用した。
【0438】
工程2: 3−アミノペンタン二酸ジエチル
【化155】
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250mL3頚フラスコに5.00g(24.8mmol)の3−アミノペント−2−エン二酸ジエチル、40mLのエタノール、10mLの氷酢酸、および3.1g(49.6mmol)のNaBH
3CNを装填した。この反応物を周囲温度で2時間撹拌した後、溶媒を真空で除去した。残渣を水に取り、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた酢酸エチル層をブライン(1×200mL)で逆抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮し、4g(80%)の生成物を無色の油状物として得た。これをそれ以上精製せずに次の反応で使用した。
【0439】
工程3: 3−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)ペンタン二酸ジエチル
【化156】
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250mL3頚フラスコに1.8g(9.8mmol)の2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン、4.0g(19.7mmol)の粗3−アミノペンタン二酸ジエチル、3.2g(39.0mmol)のNaHCO
3、および60mLのテトラヒドロフランを装填した。この反応物を40℃で24時間撹拌した後、溶媒を真空下で除去した。残渣を100mLの水に溶かした後、酢酸エチル(3×100mL)で抽出した。合わせた有機相をブライン(1×200mL)で逆抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、真空濃縮した。残渣を、20/1(v/v)ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、2.7g(80%)の生成物を淡黄色固体として得た。
【0440】
工程4: 3−((3−アミノ−6−クロロピリジン−2−イル)アミノ)ペンタン二酸ジエチル
【化157】
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温度計および磁気撹拌子を備えた250mL3頚フラスコに、2.7g(7.5mmol)の3−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)ペンタン二酸ジエチル、2.1g(37.5mmol)の鉄粉、60mLの2−プロパノール、20mLの水、および675mg(11.0mmol)の酢酸を装填した。この混合物を、HPLCにより出発ニトロ化合物の消失に関してモニタリングしながら、100℃で1時間撹拌した。反応が完了した後、固体を濾過し、2−プロパノール(3×50mL)で洗浄した後、合わせた濾液および洗液を真空濃縮した。残渣を100mLの水に溶かし、ジクロロメタン(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブライン(1×50mL)で逆抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮乾固した。粗生成物を、4/1(v/v)ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1.8g(75%)の生成物を灰色固体として得た。
【0441】
工程5: 2−(7−クロロ−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−4−イル)酢酸エチル
【化158】
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温度計および還流冷却器を備えた100mL3頚フラスコを1.8g(5.4mmol)の3−((3−アミノ−6−クロロピリジン−2−イル)アミノ)ペンタン二酸ジエチル、20mLのトルエン、および1.0mL(13.4mmol)のトリフルオロ酢酸を装填した。この混合物を還流下で5時間撹拌し、反応をHPLCにより出発材料の消失に関してモニタリングした。反応が完了した後、溶媒を真空下で除去し、その後、残渣を、3/1(v/v)ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、1.1g(70%)の生成物を灰白色固体として得た。
【0442】
工程6: 2−(7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−4−イル)エタノール
【化159】
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窒素流入口、還流冷却器、および温度計を備えた50mL3頚フラスコに、1.0g(3.5mmol)の2−(7−クロロ−2−オキソ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−4−イル)酢酸エチル、530mg(14.0mmol)のLiAlH
4、および10mLのテトラヒドロフランを装填した。この反応物をN
2下、60℃で、HPLCにより生成物の出現に関してモニタリングしながら6時間撹拌した。エステルは急速に還元されたが、ラクタムは完全な還元により長時間を要した。反応が完了したところで、この混合物を氷浴で冷却し、内部温度を5℃より低く維持しながら、530μLの水を加え、この混合物を15分間撹拌した。次に、530μLの15%(w/w)NaOH(水溶液)を、内部温度を5℃より低く維持しながら加え、その後、この混合物を15分間撹拌した。後処理を行うため、1590μLの水を加え、その後、この混合物を周囲温度で30分間撹拌した。固体を濾過した後、沈澱をテトラヒドロフラン(3×50mL)で洗浄した。濾液を真空濃縮した後、残渣を、2/1ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、520mg(65%)の生成物を淡黄色固体として得た。
【0443】
工程7: 7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン
【化160】
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50mL3頚フラスコに、500mg(2.2mmol)の2−(7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−4−イル)エタノール、および10mLの40%(w/w)HBr(水溶液)を装填した。この混合物を還流下で18時間撹拌した後、それを周囲温度まで冷却し、飽和NaHCO
3(水溶液)で中和した。この水性混合物を酢酸エチル(3×50mL)で抽出した後、合わせた有機層をブライン(1×50mL)で逆抽出し、Na
2SO
4で乾燥させ、濾過し、空濃縮した。残渣を、3/1ヘキサン/酢酸エチルで溶出するシリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、320mg(70%)の生成物を灰白色固体として得た。
【0444】
工程8.7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化161】
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ジオキサン/水混合物(10mL/1mL)を脱気し、7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(250mg、1.196mmol)、次いで、3−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(454mg、2.392mmol)、Pd(dppf)Cl
2(97mg、0.19mmol)、およびCs
2CO
3(1.16g、3.588mmol)を加えた。この混合物を110℃で12時間撹拌した後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc=4/1)により精製し、7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(200mg、48%)を得た。MS(ESI)C
17H
16F
3N
3の理論値:319.13。
【0445】
工程9. N−(ピリダジン−3−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化162】
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以下の一般的尿素カップリング手順を用いた:
アセトニトリル(5mL)中、ピリダジン−3−アミンのカルバミン酸塩(53.9mg、0.25mmol、2.0当量)、7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(40mg、0.12mmol、1.0当量)、およびDMAP(18.4mg、0.15mmol、1.2当量)を60℃で一晩撹拌した。反応の進行をTLCおよびLC/MSによりモニタリングした。この反応混合物をそのまま、溶出剤として100%EtOAcを用いるprep.TLC上にロードし、N−(ピリダジン−3−イル)−7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを白色固体として得た(16.9mg、30.6%)。MS(ESI)C
22H
19F
3N
6Oの理論値:440.16;測定値:440.9[M+H]。
【0446】
この一般的尿素カップリング手順を用い、ピリダジン−3−アミンを適当なアミン部分に置き換えることにより、様々な7−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−、7−(3−クロロフェニル)−、7−(5−クロロピリジン−3−イル)−、および7−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドを製造することができた。
【0447】
実施例73. 7−(3−クロロフェニル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. tert−ブチル 7−クロロ−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキシレートの合成:
【化163】
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この部分は以下のプロトコールを用いて製造した。THF(5mL)中、7−クロロ−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(3.0g、14.31mmol)、(Boc)
2O(4.6g、21.05mmol、1.5当量)、およびDMAP(3.49g、28.62mmol、2.0当量)の混合物を60℃で2時間撹拌した。TLCおよびLC/MSを用いて反応の進行をモニタリングした。水(30mL)を加え、この混合物をDCM(3×15mL)で抽出した。有機層を濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィーにより精製し、7−クロロ−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸tert−ブチル白色固体として得た(4.5g、92%)。MS(ESI)C
15H
20ClN
3O
2の理論値:309.12。
【0448】
工程2. tert−ブチル 7−(3−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキシレートの合成:(Sundia Prop. 455)
【化164】
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この部分は以下のプロトコールを用いて製造した。ジオキサン/水(20mL/1mL)の脱気混合物に、7−クロロ−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸tert−ブチル(1.5g、4.85mmol)、(3−クロロフェニル)ボロン酸(1.51g、9.70mmol)、Pd(dppf)Cl
2(0.396g、0.485mmol)、およびCs
2CO
3(4.74g、14.56mmol)を加えた。この混合物を110℃で12時間撹拌した後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)により精製し、7−(3−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸tert−ブチル(1.2g、89%)を得た。MS(ESI)C
21H
24ClN
3O
2の理論値:385.16。
【0449】
この一般的カップリング手順を用い、(3−クロロフェニル)ボロン酸を適当なボロン酸またはボロン酸エステル部分に置き換えることにより、様々な7−(3−置換(substituted)フェニルまたはピリジル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンを製造することができた。
【0450】
工程3. 7−(3−クロロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:(Sundia Prop. 455)
【化165】
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この部分を以下のプロトコールを用いて製造した。7−(3−クロロフェニル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸tert−ブチル(1.2g、3.1mmol)をHCl/MeOH(1M、20mL)に溶かし、この反応混合物を室温で1.5時間撹拌した後、真空濃縮した。水(20mL)およびK
2CO
3(3g)を加えた。この混合物を室温で2時間撹拌した後、DCM(3×15mL)で抽出した。有機層を濃縮し、7−(3−クロロフェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(800mg、90%)を得た。MS(ESI)C
16H
16ClN
3の理論値:285.10。
【0451】
工程4. 7−(3−クロロフェニル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化166】
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この化合物は一般的尿素カップリング手順を用いて製造し、7−(3−クロロフェニル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(20.4mg、24%)を得た。MS(ESI)C
22H
20ClN
5Oの理論値:405.14;測定値:406[M+H]。
【0452】
実施例74. 7−(5−フルオロピリジン−3−イル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの製造:
工程1. 7−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸tert−ブチルの合成:
【化167】
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この部分は以下のプロトコールを用いて製造した。ジオキサン/水(30mL/3mL)の脱気混合物に、7−クロロ−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸tert−ブチル(1.39g、4.5mmol)、(5−フルオロピリジン−3−イル)ボロン酸(1.27g、9.0mmol)、Pd(dppf)Cl
2(0.37g、0.45mmol)、およびCs
2CO
3(4.40g、13.5mmol)を加えた。この混合物を110℃で12時間撹拌した後、濃縮し、カラムクロマトグラフィー(PE/EA=2/1)により精製し、7−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸tert−ブチル(1.5g、89%)を得た。MS(ESI)C
20H
23FN
4O
2の理論値:370.18。
【0453】
工程2. 7−(5−フルオロピリジン−3−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピンの合成:
【化168】
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この部分は以下のプロトコールを用いて製造した。DCM(20mL)中、7−(5−フルオロピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボン酸tert−ブチル(1.50g)の溶液に、TFA(20mL)を加え、この反応混合物を室温で3時間撹拌した後、真空濃縮した。残渣を飽和NaHCO
3溶液で塩基性化し、DCM(3×15mL)で抽出した。有機層を濃縮し、7−(5−フルオロピリジン−3−イル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン(1.2g、100%)を得た。MS(ESI)C
15H
15FN
4の理論値:270.13。
【0454】
工程3. 7−(5−フルオロピリジン−3−イル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミドの合成:
【化169】
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この化合物は一般的尿素カップリング手順を用いて製造し、7−(5−フルオロピリジン−3−イル)−N−(ピリジン−3−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−エタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(12.8mg、15%)を得た。MS(ESI)C
21H
19FN
6Oの理論値:390.16;測定値:391[M+H]。
【0455】
実施例75. 3−ブロモ−5−(オキサゾール−5−イル)アニリンの製造:
工程1. 5−(3−ブロモ−5−ニトロフェニル)オキサゾールの合成:
【化170】
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DME(10mL)中、3−ブロモ−5−ニトロベンズアルデヒド(1g、4.34mmol)の溶液に、K
2CO
3(1.2g、8.68mmol)、次いで、1−((イソシアノメチル)スルホニル)−4−メチルベンゼン(891mg、4.56mmol)を加えた。この反応混合物を還流下で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、EtOAcを加え、この混合物をH
2Oで2回、次いで、ブラインで洗浄した。有機層をMgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮した。シリカゲルクロマトグラフィー(ペンタン中0%から100%EtOAcへの勾配)のより精製し、5−(3−ブロモ−5−ニトロフェニル)オキサゾール(762mg、65%)を橙色固体として得た。MS(ESI)C
9H
5BrN
2O
3の理論値:268.0、270.0。
【0456】
工程2. 3−ブロモ−5−(オキサゾール−5−イル)アニリンの合成:
【化171】
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THF(14mL)中、5−(3−ブロモ−5−ニトロフェニル)オキサゾール(762mg、2.83mmol)の溶液に、酢酸(13.6mL)、次いで、鉄粉(474mg、8.49mmol)を加えた。この反応混合物を60℃で一晩撹拌した。室温まで冷却した後、この混合物を飽和Na
2CO
3溶液(175mL)に注ぎ、EtOAc(50mL×2)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、MgSO
4で乾燥させ、濾過し、濃縮し、3−ブロモ−5−(オキサゾール−5−イル)アニリン(697mg)を褐色油状物として得た。この材料をそれ以上精製せずに使用した。MS(ESI)C
9H
7BrN
2Oの理論値:238.0、240.0。
【0457】
このオキサゾール形成とその後のニトロ還元の一般的二段階手順を用い、4−ブロモ−5−ニトロベンズアルデヒドを使用することにより、4−ブロモ−5−(オキサゾール−5−イル)アニリンを製造することができた。
【0458】
実施例76. 6−(オキサゾール−5−イル)ピリジン−2−アミンの製造:
工程1. 6−アミノ−N−メトキシ−N−メチルピコリンアミドの合成:
【化172】
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アセトニトリル(150mL)中、6−アミノピコリン酸(10.0g、72.5mmol)のスラリーに、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(8.52g、87.0mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(11.8g、87.0mmol)、N−(3−ジメチルアミノ)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩(16.7g、87.0mmol)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(37.7mL、217mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌し、溶媒を真空で除去した。残渣を1N NaOHと酢酸エチルで分液し、水層を酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。残った残渣をフラッシュクロマトグラフィー(0.1%トリエチルアミンを含有する酢酸エチル)により精製し、6−アミノ−N−メトキシ−N−メチルピコリンアミド(4.30g、23.7mmol、収率33%)を得た。MS(ESI)C
8H
11N
3O
2の理論値:181.1。
【0459】
工程2. 6−(オキサゾール−5−イル)ピリジン−2−アミンの合成:
【化173】
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THF(30mL)中、6−アミノ−N−メトキシ−N−メチルピコリンアミド(4.30g、23.7mmol)の溶液に、水素化リチウムアルミニウム(1.08g、28.5mmol)を加えた。この反応物を室温で90分間撹拌した。酢酸エチル(30mL)をゆっくり加え、この反応物を濾過し、濾液を取り、総ての溶媒を真空下で除去して6−アミノピコリンアルデヒドを得、これをそのまま次の工程のために取得した。
【0460】
メタノール(20mL)中、上記アルデヒドの溶液に、イソシアン化物p−トルエンスルホニルメチル(13.9g、71.2mmol)および炭酸カリウム(19.4g、140mmol)を加えた。この反応物を還流下で2時間撹拌し、総ての溶媒を真空下で除去した。残渣を酢酸エチル(150mL)と水(70mL)とで分液した。有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下で除去した。残った残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ジクロロメタン中10%メタノール)により精製し、6−(オキサゾール−5−イル)ピリジン−2−アミン(2.00g、12.4mmol、二段階で収率52%)を得た。MS(ESI)C
8H
7N
3Oの理論値:161.1。
【0461】
以下の化合物を類似の方法で製造した:4−(オキサゾール−5−イル)ピリジン−2−アミン;5−(オキサゾール−5−イル)ピリジン−3−アミン。
【0462】
実施例77: 3,5−ビス(オキサゾール−5−イル)アニリンの合成:
工程1. N1,N3−ジメトキシ−N1,N3−ジメチル−5−ニトロイソフタルアミドの合成:
【化174】
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ジクロロメタン(100mL)中、5−ニトロイソフタル酸(5.00g、23.7mmol)の溶液に、塩化オキサリル(5.00mL、59.1mmol)を加え、この溶液を0℃に冷却した。DMF(1.0mL)を30分かけて滴下した。この混合物を室温まで温め、4時間撹拌した。総ての溶媒を真空下で除去した。
【0463】
ジクロロメタン(80mL)中、N,O−ジメチルヒドロキシルアミン塩酸塩(4.6g、47.1mmol)およびトリエチルアミン(6.60mL、47.4mmol)の混合物に、0℃で、ジクロロメタン(20mL)中、上記酸塩化物の溶液を加えた。反応が完了したところで、この反応混合物を真空濃縮した。残渣を1N水酸化ナトリウムと酢酸エチルとで分液し、有機層を分離し、水層を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下で除去し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1:1石油エーテル:酢酸エチル)により精製し、N
1,N
3−ジメトキシ−N
1,N
3−ジメチル−5−ニトロイソフタルアミド(4.00g、13.5mmol、収率57%)を得た。MS(ESI)C
12H
15N
3O
6の理論値:297.1。
【0464】
工程2. 5−ニトロイソフタルアルデヒドの合成:
【化175】
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−40℃で、(15THF0mL)中、N
1,N
3−ジメトキシ−N
1,N
3−ジメチル−5−ニトロイソフタルアミド(5.00g、16.9mmol)の撹拌溶液に、水素化リチウムアルミニウム(2.70g、71.1mmol)を加えた。この反応物を−40℃で4時間撹拌した。10%水酸化ナトリウム溶液(2.7mL)をゆっくり加えた後、水(2.7mL)を加えた。生じた固体を濾過し、濾液を真空濃縮し、5−ニトロイソフタルアルデヒド(1.37g、7.65mmol、収率45%)を得た。MS(ESI)C
8H
5NO
4の理論値:179.0。
【0465】
工程3. 5,5’−(5−ニトロ−1,3−フェニレン)ビス(オキサゾール)の合成:
【化176】
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メタノール(100mL)中、5−ニトロイソフタルアルデヒド(1.37g、7.65mmol)の溶液に、1−イソシアノメタンスルホニル−4−メチル−ベンゼン(7.40g、37.8mmol)および無水炭酸カリウム(5.20g、37.8mmol)を加えた。この反応物を窒素下で2時間還流させた。冷却後、溶媒を真空下で除去した。残渣を酢酸エチル(150mL)と水(70mL)とで分液した。有機層を除去し、水層を酢酸エチル(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮し、粗5,5’−(5−ニトロ−1,3−フェニレン)ビス(オキサゾール)(1.70g、6.61mmol、収率86%)を得た。MS(ESI)C
12H
7N
3O
4の理論値:257.0。
【0466】
工程4. 3,5−ビス(オキサゾール−5−イル)アニリンの合成:
【化177】
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酢酸エチル(50mL)中、5,5’−(5−ニトロ−1,3−フェニレン)ビス(オキサゾール)(1.70g、6.61mmol)およびパラジウム炭素(200mg)の混合物を水素下で4時間撹拌した。固体を濾過し、濾液を真空濃縮した。残った残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(4:1石油エーテル:酢酸エチル)により精製し、3,5−ビス(オキサゾール−5−イル)アニリン(1.30g、5.72mmol、収率87%)を得た。MS(ESI)C
12H
9N
3O
2の理論値:227.1。
【0467】
実施例78. (2−(4−(3−アミノフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造:
【化178】
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20mLマイクロ波バイアルに、(2−ブロモエチル)カルバミン酸tert−ブチル(551mg、2.50mmol)、アジ化ナトリウム(460mg、7.05mmol)、およびDMF(5mL)を装填した。このバイアルを密閉し、マイクロ波中、110℃で12時間加熱した。この反応混合物を水(8mL)に注ぎ、酢酸エチル(2×10mL)で抽出した。合わせた有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させ、総ての溶媒を真空下で除去し、粗(2−アジドエチル)カルバミン酸tert−ブチルを得た。
【0468】
粗(2−アジドエチル)カルバミン酸tert−ブチルをTHF(5mL)およびトリエチルアミン(1mL)に溶かした。3−エチニルアニリン(350mg、2.99mmol)、次いで、ヨウ化銅(I)(15.0mg、0.0788mmol)を加えた。この反応物を60℃で2時間撹拌した後、総ての溶媒を真空下で除去し、残った残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ペンタン中50%から100%酢酸エチルへ)により精製し、(2−(4−(3−アミノフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)エチル)カルバミン酸tert−ブチル(415mg、1.37mmol、二段階の収率55%)を得た。MS(ESI)C
15H
21N
5O
2の理論値:303.2。
【0469】
実施例79. ((1−(3−アミノフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造:
【化179】
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THF(9.0mL)およびトリエチルアミン(1.0mL)中、3−アジドアニリン(Chem. Commun. 2004; 888)(1.34g、9.99mmol)の溶液に、プロプ−2−イン−1−イルカルバミン酸tert−ブチル(1.55g、9.99mmol)およびヨウ化銅(I)(40mg、0.210mmol)を加えた。この反応物を60℃で1時間撹拌した後、総ての溶媒を真空下で除去した。残った残渣をフラッシュクロマトグラフィー(ペンタン中0%から80%酢酸エチルへ)により精製し、((1−(3−アミノフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(化合物#;1.71g、5.91mmol、収率59%)を得た。MS(ESI)C
14H
19N
5O
2の理論値:289.1;測定値:290.1[M+H]。
【0470】
実施例80: ((1−(3−アミノフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチルの製造:
【化180】
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3−アジドアニリン(1.33g、9.92mmol)、プロプ−2−イン−1−イルカルバミン酸tert−ブチル(1.55g、9.99mmol)、およびペンタメチルシクロペンタジエニルビス(トリフェニルホスフィン)ルテニウム(II)クロリド(15.9mg、0.020mmol)を含むバイアルに、トルエン(10mL)を加えた。この反応物を100℃で72時間撹拌した後、反応物を室温まで冷却した。ジクロロメタン(5mL)を加えて固体を溶かし、残った溶液をシリカゲルクロマトグラフィー(ペンタン中50%から80%酢酸エチルへ)により精製し、((1−(3−アミノフェニル)−1H−1,2,3−トリアゾール−5−イル)メチル)カルバミン酸tert−ブチル(970mg、3.35mmol、収率34%)を得た。MS(ESI)C
14H
19N
5O
2の理論値:289.2。
【0471】
実施例81: N4,N4−ジメチルピリミジン−2,4−ジアミンの製造:
【化181】
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4−クロロ−2−アミノピリミジン(495mg、3.82mmol)を密閉試験管中、ジメチルアミン水溶液(33%)に溶かし、この反応物を100℃で一晩撹拌した。冷却後、この反応物を水で希釈し、ジクロロメタンで抽出した。有機層を水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、溶媒を真空下で除去し。N
4,N
4−ジメチルピリミジン−2,4−ジアミン(400mg、2.89mmol、収率76%)を得た。 MS(ESI) C
6H
10N
4の理論値:138.1。
【0472】
実施例82: 4−(2−アミノピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチルの製造:
【化182】
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4−クロロ−2−アミノピリミジン(500mg、3.87mmol)とN−Bocピペラジン(7.21g、38.7mmol)の混合物に、THF(20mL)を加えた。この反応物を70℃で一晩撹拌した。冷却後、溶媒を真空下で除去し、残った残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(1:1石油エーテル:酢酸エチル)により精製し、4−(2−アミノピリミジン−4−イル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(650mg、2.33mmol、収率60%)を得た。MS(ESI)C
13H
21N
5O
2の理論値:279.2。
【0473】
以下の化合物を類似の方法で製造した:4−(4−メチルピペラジン−1−イル)ピリミジン−2−アミン。
【0474】
実施例83. (3−(4−アミノ−2−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロプ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチルの製造:
工程1. 2−ブロモ−5−ニトロベンズアルデヒドの合成:
【化183】
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H
2SO
4(100mL)中、2−ブロモベンズアルデヒド(10.0g、53.7mmol)の溶液に、KNO
3(5.43g、53.7mmol)を0℃で、1時間かけて少量ずつ加えた。この混合物を40分間撹拌し、さらなるKNO
3(0.72g)を加えた。この反応混合物を0℃で3時間撹拌した後、氷水に注いだ。生じた沈澱を濾取し、水ですすぎ、EtOAc/ペンタンから再結晶化させ、2−ブロモ−5−ニトロベンズアルデヒド(11.7g、収率94%)を白色固体として得た。MS(ESI)C
7H
4BrNO
3の理論値:228.9。
【0475】
工程2. 5−(2−ブロモ−5−ニトロフェニル)オキサゾールの合成:
【化184】
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MeOH中、2−ブロモ−5−ニトロベンズアルデヒド(1.0g、4.33mmol)、K
2CO
3(1.79g、12.9mmol)およびTosMIC(2.12g、10.8mmmol)の混合物を60℃で1.5時間加熱した。この混合物を濃縮した。水を加え、固体を濾取し、水、MeOH、次いで、石油エーテルですすぎ、5−(2−ブロモ−5−ニトロフェニル)オキサゾール(750mg、収率65%)を灰色固体として得た。MS(ESI)C
9H
5BrN
2O
3の理論値:228.9。
【0476】
工程3. (3−(4−ニトロ−2−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロプ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチルの合成:
【化185】
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DME(20mL)中、5−(2−ブロモ−5−ニトロフェニル)オキサゾール(300mg、1.11mmol)の溶液に、N
2下で、プロプ−2−イン−1−イルカルバミン酸tert−ブチル(431mg、2.77mmol)を加えた。CuI(21mg、0.11mmol)およびPd(dppf)Cl
2(78mg、0.11mmol)、次いで、TEA(0.5mL)を加えた。この反応混合物を80℃で4時間加熱し、室温まで冷却し、水に注ぎ、EtOAc(3×50mL)で抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、乾燥させ、濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc:ペンタン=1:5)により精製し、(3−(4−ニトロ−2−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロプ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル(350mg、収率92%)を黄色油状物として得た。MS(ESI)C
17H
17N
3O
5の理論値:343.1。
【0477】
工程4. (3−(4−アミノ−2−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロプ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチルの合成:
【化186】
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飽和NH
4Cl/MeOH水溶液(V/V=1:3)中、(3−(4−ニトロ−2−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロプ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル(3.8g、11.1mmol)およびFe(4.96g、8.86mmol)の懸濁液を60℃で4.5時間加熱した。この混合物を室温まで冷却し、セライトパッドに通し、濾液を濃縮した。残渣をEtOAcに溶かし、水で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濃縮した。粗残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(3−(4−アミノ−2−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロプ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル(1.51g、収率44%)を黄色油状物として得た。MS(ESI)C
17H
19N
3O
3の理論値:228.9。
【0478】
(3−(3−アミノ−5−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロプ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチルは、3−ブロモ−5−ニトロベンズアルデヒドから、(3−(4−アミノ−2−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロプ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチルに関して記載したものと類似の方法で製造した。
【0479】
実施例84. (3−(4−アミノ−2−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロピル)カルバミン酸tert−ブチルの製造:
【化187】
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MeOH(100mL)中、(3−(4−ニトロ−2−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロプ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチル(3.0g、8.75mmol)および10wt%Pd/C(1.0g)の混合物を、H
2雰囲気下(50psi)で16時間撹拌した。この混合触媒を濾去し、濾液を濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製し、(3−(4−アミノ−2−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロピル)カルバミン酸tert−ブチル(940mg、収率35%)を黄色油状物として得た。MS(ESI)C
17H
23N
3O
3の理論値:228.9。
【0480】
(3−(3−アミノ−5−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロピル)カルバミン酸tert−ブチルは、(3−(3−ニトロ−5−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロプ−2−イン−1−イル)カルバミン酸tert−ブチルから、(3−(4−アミノ−2−(オキサゾール−5−イル)フェニル)プロピル)カルバミン酸tert−ブチルに関して記載したものと類似の方法で製造した。
【0481】
実施例85. 2−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの製造:
【化188】
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NMP(13mL)中、2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(1g、4.48mmol)、3,3−ジフルオロピロリジン塩酸塩(1.9g、13.4mmol)、およびK
2CO
3(3g、22.4mmol)の混合物を110℃で一晩撹拌した。第2分量の3,3−ジフルオロピロリジン塩酸塩(0.5g)を加え、一晩撹拌した。この混合物を濾過し、H
2Oで洗浄し、2N HClを加えてpHを1に調整した。この混合物をEtOAcで洗浄して残留する2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンを除去した。水層をK
2CO
3溶液でpH13に調整した後、EtOAcで抽出し、2−(3,3−ジフルオロピロリジン−1−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(220mg、17%)を得た。MS(ESI)C
15H
21BF
2N
2O
2の理論値:310.2。
【0482】
この一般的手順を用い、3−(トリフルオロメチル)ピロリジン塩酸塩を使用することにより、4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−2−(3−(トリフルオロメチル)ピロリジン−1−イル)ピリジンを製造することができた。
【0483】
実施例86. (S)−2−(3−フルオロピロリジン−1−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンの製造:
【化189】
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IPA(3.5mL)中、2−フルオロ−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(200mg)、(S)−3−フルオロピロリジン塩酸塩(350mg)、およびNa
2CO
3(480)の混合物を、91℃で17時間撹拌した。この混合物を濾過し、濃縮した。2N HClを加えてpHを1に調整し、EtOAcで抽出した。水層をNa
2CO
3溶液でpH7に調整し、トルエンを用いて水を除去した。残渣をEtOAcに取り、濾過し、濃縮し、(S)−2−(3−フルオロピロリジン−1−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(95mg、36%)を得た。MS(ESI)C
15H
22BFN
2O
2の理論値:292.2。
【0484】
この一般的手順を用い、(R)−3−フルオロピロリジン塩酸塩を使用するにより、(R)−2−(3−フルオロピロリジン−1−イル)−4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジンを製造することができた。
【0485】
実施例87. 3,3−ジフルオロ−1−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピロリジンの製造:
工程1. 1−(3−ブロモフェニル)−3,3−ジフルオロピロリジンの合成:
【化190】
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トルエン(20mL)中、1,3−ジブロモベンゼン(dibromobenzne)(1g、4.24mmol)、3,3−ジフルオロピロリジン塩酸塩(669mg、4.66mmol)、Pd
2(dba)3(134mg、0.233mmol)、Cs
2CO
3(3.32g、10.2mmol)、およびBINAP(264mg、0.424mmol)の混合物を、N
2雰囲気下で加熱還流した。一晩撹拌した後、この混合物を室温まで冷却し、濃縮した。この濃縮物をEtOAc(50mL)に懸濁させ、水(20mL×3)およびブライン(20mL)で洗浄し、Na
2SO
3で乾燥させ、濃縮した。カラムクロマトグラフィー(chromaotography)(ヘキサン/EtOAc=100/1)により精製し、1−(3−ブロモフェニル)−3,3−ジフルオロピロリジン(645mg、>100%)を無色の油状物として得た。MS(ESI)C
10H
10BrF
2Nの理論値:261.0。
【0486】
工程2. 3,3−ジフルオロ−1−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピロリジンの合成:
【化191】
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ジオキサン(18mL)中、1−(3−ブロモフェニル)−3,3−ジフルオロピロリジン(899mg、3.43mmol)、4,4,4’,4’,5,5,5’,5’−オクタメチル−2,2’−ビ(1,3,2−ジオキサボロラン)(957mg、3.77mmol)、Pd(dppf)Cl
2(75mg、0.103mmol)、KOAc(1g、10.29mmol)の懸濁液を、N
2雰囲気下、85℃で加熱した。一晩撹拌した後、この懸濁液を室温まで冷却し、濾過した。濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン、次いで、ヘキサン/EtOAc=100/1)により精製し、3,3−ジフルオロ−1−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)ピロリジン(化合物A#;873mg、82%)を白色固体として得た。MS(ESI)C
16H
22BF
2NO
2の理論値:309.2。
【0487】
この一般的二段階手順を用い、3−(トリフルオロメチル)ピロリジン塩酸塩を使用することにより、1−(3−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル)−3−(トリフルオロメチル)ピロリジンを製造することができた。
【0488】
実施例88. 2−(3−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの製造:
工程1. 1−アリル−3−ブロモベンゼンの合成:
【化192】
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3頚フラスコ中、金属Mg(1.78g、73.76mmol)をN
2雰囲気下で、乾燥エーテル(20mL)に浸漬した。この混合物に、乾燥エーテル(20mL)中、1,3−ジブロモベンゼンの3分の1容量(15g、63.58mmol)を加えた。1,2−ジブロモエタン(0.1mL)を加えて反応を開始させた。還流が安定した後、残りの量の1,3−ジブロモベンゼン溶液を、還流を維持する様な速度で滴下した。添加が完了したところで、この混合物を還流下で1時間撹拌した。次に、乾燥エーテル(20mL)中、臭化アリル(7.87g、65.12mmol)の溶液を滴下した。添加が完了したところで、この懸濁液を還流下で1時間撹拌した。この反応物を飽和NH
4Cl(100mL)で急冷し、この混合物を分離させた。水相をエーテル(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相をs水(70mL×2)およびブライン(30mL)で洗浄し、Na
2SO
4で乾燥させ、濃縮し、1−アリル−3−ブロモベンゼン(146g)を無色の油状物として得た。この材料をそれ以上精製せずに使用した。MS(ESI)C
9H
9Brの理論値:196.0。
【0489】
工程2. 3−(3−ブロモフェニル)プロパン−1,2−ジオールの合成:
【化193】
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CH
3CN/H
2O(20mL、v/v=4/1)中、1−アリル−3−ブロモベンゼン(A#;1g、5.08mmol)の溶液に、NMO(1.3g、11.16mmol)およびK
2OsO
4・2H
2O(187mg、0.508mmol)を加えた。この混合物を室温で2日間撹拌した。CH
3CNを減圧下で除去し、この濃縮物をEtOAcで希釈した。この混合物をセライトで濾過し、濾液を濃縮し、3−(3−ブロモフェニル)プロパン−1,2−ジオール(化合物A#)を得た。この材料をそれ以上精製せずに使用した。MS(ESI)C
9H
11BrO
2の理論値:230.0。
【0490】
工程3. 4−(3−ブロモベンジル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソランの合成:
【化194】
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アセトン(25mL)中、3−(3−ブロモフェニル)プロパン−1,2−ジオール(A#; 1.17g、5.06mmol)の溶液に、2,2−ジメトキシプロパン(1.8mL、15.18mmol)およびPTSA(96mg、0.506mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した。この反応混合物を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=20/1)により精製し、4−(3−ブロモベンジル)−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン(化合物A#;200mg、15%)を淡黄色油状物として得た。MS(ESI)C
12H
15BrO
2の理論値:270.0。
【0491】
工程4. 2−(3−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロランの合成:
【化195】
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ジオキサン(15mL)中、4−(3−ブロモ−ベンジル)−2,2−ジメチル−[1,3]ジオキソラン(A#;800mg、2.95mmol)およびビス(ピナコラト)二ホウ素(822mg、1.1当量)、Pd(dppf)Cl
2(216mg、0.1当量)およびKOAc(868mg、3.0当量)の混合物を脱気し、N
2下で85℃に加熱した。85℃で一晩撹拌した後、この黒色懸濁液を室温まで冷却し、セライトで濾過した。濾液を濃縮し、カラムクロマトグラフィー(ヘキサン/EtOAc=40/1)により精製し、2−(3−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン(化合物A#; 800mg、85%)を無色の油状物として得た。MS(ESI)C
18H
27BO
4の理論値:318.2。
【0492】
実施例89. (9S)−N−(4−(アミノメチル)フェニル)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メト−アノピリド(meth-anopyrido)[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド塩酸塩および2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)−5−((6−オキソ−6−((4−((9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10−カルボキサミド)ベンジル)アミノ)ヘキシル)カルバモイル)安息香酸の製造:
【化196】
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試薬および条件:a)NaHCO
3、THF、40℃;b)Fe、AcOH、IPA/水、還流;c)AlH
3、THF、−78℃〜室温;d)48%HBr;e)3−トリフルオロフェニルボロン酸、Pd(OAc)
2、X−Phos、Cs
2CO
3、ジオキサン/水;f)トリホスゲン、DIEA、CH
2Cl
2;g)4N HCl、ジオキサン;h)DIEA、6[フルオレセイン−5(6)−カルボキサミド]ヘキサン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、CH
3CN。
【0493】
工程1. 2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)グルタル酸(S)−ジメチルの合成
2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジン(40.0g、207mmol)、L−グルタミン酸ジメチルエステル塩酸塩(87.7g、414mmol)およびNaHCO
3(69.6g、829mmol)の混合物にテトラヒドロフラン(600mL)を加えた。この混合物を、HPLCにより2,6−ジクロロ−3−ニトロピリジンの消失をモニタリングしながら、40℃で24時間撹拌した。反応が完了した後、固体を濾過し、酢酸エチル(3×100mL)で洗浄した。合わせた濾液および洗液を真空濃縮し、残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(10:1(v/v)ヘキサン/酢酸エチルで溶出する)により精製し、2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)グルタル酸(S)−ジメチルを黄色固体として得た(60g、87%)。LRMS(m/z)332.1[M+H]
+; HRMS(m/z):[M+H]
+C
12H
15N
3O
6Clの理論値332.0649;測定値332.0651。
【0494】
工程2. 3−(6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)プロパン酸(S)−メチルの合成
2−((6−クロロ−3−ニトロピリジン−2−イル)アミノ)ペンタン二酸(S)−ジメチル(20g、60.2mmol)、および鉄粉(16.8g、301mmol)の混合物に、2−プロパノール(375mL)および水(125mL)を加えた。この撹拌混合物に酢酸(5.5g、90.3mmol)を加え、この反応物を、HPLCにより出発材料の消失をモニタリングしながら、還流下で1時間撹拌した。反応が完了した後、固体を濾過し、2−プロパノール(3×50mL)で洗浄した。合わせた濾液および洗液を濃縮乾固した後、残渣を真空濃縮し、3−(6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)プロパン酸(S)−メチルを暗黄色固体として得、これをそれ以上精製せずに次の工程で使用した(15g、81%)。LRMS(m/z)270.1[M+H]
+;HRMS(m/z):[M+H]
+C
11H
13N
3O
3Clの理論値270.0645;測定値270.0645。
【0495】
工程3. (S)−3−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)プロパン−1−オールの合成
N
2下、テトラヒドロフラン(260mL)中、AlCl
3(17.78g、133.3mmol)の溶液に、THF(200mL、400mmol)中、2MのLiAlH
4を、ガスの発生を制御する速度で滴下した。これによりTHF中、アラン(AlH
3)の溶液が得られた。別のフラスコで、THF(460mL)中、3−(6−クロロ−2−オキソ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)プロパン酸(S)−メチル(26.0g、96.4mmol)の溶液をN
2下で作製した後、ドライアイス/アセトン浴で冷却した。これにアラン溶液を、撹拌しながら2時間かけて滴下した。添加が完了した際に、冷却浴を取り除き、反応物を周囲温度まで温めた。LCMS分析は反応が完了したことを示し、水(65mL)中、NaOH(17.6g)の溶液を、H
2の発生を制御するようにゆっくり加えた。この懸濁液を18時間撹拌し、その後、固体を濾去した。沈澱を酢酸エチルで洗浄した後、濾液および洗液を真空濃縮した。この生成物をシリカゲルクロマトグラフィー(CH
2Cl
2中MeOHの0から10%への勾配)により精製し、(S)−3−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)プロパン−1−オールを黄色−橙色固体として得た(15.21g、69%)。LRMS(m/z)228.1[M+H]
+;HRMS(m/z):[M+H]
+C
10H
15N
3OClの理論値228.0904;測定値228.0903。
【0496】
工程4. (5R,9S)−2−クロロ−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンの合成
(S)−3−(6−クロロ−1,2,3,4−テトラヒドロピリド[2,3−b]ピラジン−3−イル)プロパン−1−オール(12g、52.7mmol)に48%(w/w)HBr(水溶液)(160mL)を加え、この反応物を、HPLCにより出発アルコールの消失をモニタリングしながら、90℃で18時間撹拌した。反応が完了した後、それを周囲温度まで冷却し、次いで、1.2M NaHCO
3水溶液をpH8となるまで加えた。この混合物を酢酸エチル(3×100mL)で抽出した後、有機相をブライン(1×100mL)で洗浄し、乾燥させ(Na
2SO
4)、濾過し、濃縮乾固した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(2:1(v/v)ヘキサン/酢酸エチルで溶出する)により精製し、(5R,9S)−2−クロロ−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンを淡黄色固体として得た(6.0g、55%)。LRMS(m/z)210.1[M+H]
+;HRMS(m/z):[M+H]
+C
10H
13N
3Clの理論値210.0798;測定値210.0800。
【0497】
工程5. (9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンの合成
1,4−ジオキサンと水の10〜1(v/v)混合物(60mL)中、(9S)−2−クロロ−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン(3.0g、15.4mmol)、(3−(トリフルオロメチル)フェニル)ボロン酸(4.4g、23.1mmol)、酢酸パラジウム(344mg、1.54mmol)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピルビフェニル(X−Phos、476mg、3.08mmol)、および炭酸セシウム(15g、46.2mmol)の溶液を90℃で24時間加熱した。次に、この反応物を周囲温度まで冷却し、酢酸エチル(150mL)で希釈した。この混合物を飽和NaHCO
3水溶液(200mL×3)で洗浄した後、有機層を乾燥させ(MgSO
4)、濃縮乾固した。得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ペンタン中10−100%酢酸エチルの勾配)により精製し、(9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシンを淡黄色固体として得た(3.7g、75%)。LRMS(m/z)320.2[M+H]
+;HRMS(m/z):[M+H]
+C
17H
17N
3F
3の理論値320.1375;測定値320.1375。
【0498】
工程6. 4−((9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノ−ピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10−カルボキサミド)ベンジルカルバミン酸tert−ブチルの合成
CH
2Cl
2(30mL)中、(9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン(999mg、3.23mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(1.7mL、9.78mmol)を加え、この反応混合物を、氷浴を用いて0℃で冷却した。次に、トリホスゲン(482mg、1.63mmol)を4回に分けて少量ずつ加えた。氷浴を取り除き、この混合物を室温まで温めた。反応の進行を、500μLアリコートを取り出し、メタノールと合わせ、中間体クロロホルメートの形成をしてカルバミン酸メチルへの変化をアッセイすることによりモニタリングした。出発材料が残っていれば、追加分量のトリホスゲン(200mg)を加え、反応混合物を室温で5時間撹拌した。次に、4−アミノベンジルカルバミン酸tert−ブチル(800mg、3.60mmol)を二等分して(各400mg)上記混合物に加え、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。飽和水溶液NaHCO
3(30mL)を加えた後、有機相を分離し、減圧下で濃縮乾固した。残渣をシリカゲルクロマトグラフィー(ペンタン中15−100%酢酸エチルの勾配)により精製し、4−((9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10−カルボキサミド)ベンジル−カルバミン酸tert−ブチルを白色固体として得た(761mg、42%)。LRMS(m/z)568.2[M+H]
+;HRMS(m/z):[M+H]
+C
30H
33N
5O
3F
3の理論値568.2536;測定値568.2538。
【0499】
工程7. (9S)−N−(4−(アミノメチル)フェニル)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メト−アノピリド(meth-anopyrido)[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド塩酸塩の合成
4−((9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10−カルボキサミド)ベンジルカルバミン酸tert−ブチル(759mg、1.34mmol)を4N HCl(10mL)および1,4−ジオキサンに溶かし、窒素下、周囲温度で1時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、得られた固体を一晩真空下で乾燥させ、(9S)−N−(4−(アミノメチル)フェニル)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド塩酸塩を淡黄褐色固体として得た(763mg、100%)。RMS(m/z)468.1[M+H]
+;HRMS(m/z):[M+H]
+C
25H
25N
5OF
3の理論値468.2011;測定値468.2010。
【0500】
工程8. 2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)−5−((6−オキソ−6−((4−((9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10−カルボキサミド)ベンジル)アミノ)ヘキシル)カルバモイル)安息香酸の合成
(9S)−N−(4−(アミノメチル)フェニル)−2−(3−(トリフルオロ−メチル)フェニル)−8,9−ジヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10(7H)−カルボキサミド塩酸塩(39mg、0.10mmol)をアセトニトリル(2mL)およびメタノール(0.2mL)に溶かした。次に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(32μL、0.20mmol)、次いで、6−[フルオレセイン−5(6)−カルボキサミド]ヘキサン酸N−ヒドロキシスクシンイミドエステル(50mg、0.085mmol)を加えた。この混合物を室温で一晩撹拌した後、生成物を逆相HPLC(0.1%TFAで改質した水中5−95%アセトニトリルの勾配)により単離し、2−(6−ヒドロキシ−3−オキソ−3H−キサンテン−9−イル)−5−((6−オキソ−6−((4−((9S)−2−(3−(トリフルオロメチル)フェニル)−7,8,9,10−テトラ−ヒドロ−6H−5,9−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゾシン−10−カルボキサミド)ベンジル)アミノ)ヘキシル)カルブ−アモイル)安息香酸を褐色固体として得た(26mg、35%)。LRMS(m/z)939.2[M+H]
+;HRMS(m/z):[M+H]
+C
52H
46N
6O
8F
3の理論値939.3329;測定値939.3328。
【0501】
実施例90.ミニhSIRT1の設計および同定
全長hSIRT1タンパク質に対して陽子−重陽子交換質量分析(HDX−MS)を行い、hSIRT1の重要な機能的領域を識別および同定した。H−D交換速度はタンパク質の動的特性に極めて依存的であり、溶媒に曝されている領域および/またはフレキシブルな領域ではより速い交換が起こり、およびより埋没している領域および/または構造的にリジッドな領域ではより遅い交換が起こる(Hamuro, Y. et al. (2003) J biomol Techniques: JBT 14, 171)。hSIRT1(19−747)に対する従前の研究(Hubbard, B. P. et al. (2013) Science 339, 1216)と一致して、全長hSIRT1は、3つの主要な構造領域:触媒コア領域、残基229〜516(以下、hSIRT1ccと称する)(Jin, L. et al. (2009) J Biol Chem 284, 24394 and Frye, R. A. (2000) Biochem Biophys Res Commun 273, 793)、触媒コアの直前の190〜230のN末端領域、および触媒コアの後のC末端の640〜670前後の遠位領域を含む。
【0502】
hSIRT1上のSTAC結合部位を探索するために、STAC 1の不在下または存在下でHDX−MSを行った。1の添加は、hSIRT1のN末端ドメインにおける残基190〜230前後でのH−D交換速度を低下させ、このことは、この領域がSTAC結合に関与することを示唆する。さらに、
15N標識hSIRT1(180−230)の
1H、
15N HSQCスペクトルは十分分散しており、このことは、それが自律的に折り畳まれるドメインを形成することを示唆する。
15N標識hSIRT1(180−230)への1の添加は有意な化学シフト摂動をもたらし、1とこの領域(以下、STAC結合ドメイン(SBD)と呼称)の直接的相互作用裏付ける。p53由来ペプチド基質(Ac−p53(W5))(Dai, H. et al. (2010) J Biol Chem 285, 32695)の存在下でのhSIRT1への1の添加は、触媒コアにおいてSBDの前後と推定基質結合部位(残基417〜424)の両方でH−D交換速度の摂動をもたらし、このことは、N末端ドメイン内のSTAC結合とhSIRT1の触媒コア内の基質結合が共役していることを示す。このことは、STACがhSIRT1の基質への結合を促進し、それにより、hSIRT1の触媒効率を高めるという従来の所見(Milne, J. C. et al. (2007) Nature 450, 712)と一致している。
【0503】
SBDとは対照的に、HDX−MSにより同定されたC末端構造要素(641〜665)は、触媒コアから約150残基離れており、従前に報告されているマウス
Essential for
SIRT1
Activity(ESA)ペプチド(19)と類似の、C末端β鎖/シート(CBS)と呼ばれるいくつかのβ鎖を含むと推定される。hSIRT1cは、従前に報告されている(Dai, H. et al. (2010) J Biol Chem 285, 32695)脱アセチル化アッセイ条件を用いると、全長酵素の活性の約8分の1しか示さない。CBSペプチドは、hSIRT1ccの触媒活性をトランスで、全長hSIRT1の活性の80%にまで回復させ、EC
50=59nMであり、従前の所見(Kang, H. et al. (2011) Mol Cell 44, 203 and Marmorstein, R. et al. (2012) J Biol Chem 287, 2468)と一致している。本発明者らはまた、β鎖領域(642〜658)のみにわたる最小CBS断片を設計し、これは親CBSペプチドと同様の挙動を示した。動態特性から、CBSペプチドがペプチド基質とhSIRT1ccのNAD
+の両方でK
M値を4分の1〜5分の1低下させることにより活性を回復させることが明らかである(表1)。
【0504】
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0505】
考え合わせると、上記のデータは、1)基本的触媒機構を構成する中心コア、2)STACの結合および活性化を媒介するN末端SBD、および3)より効率的な脱アセチル化酵素活性をもたらす触媒コアを安定化させるC末端CBSペプチドを含む、最小機能性hSIRT1の三成分構造を示唆する。これに基づいて、本発明者らは、共有結合された3つの構造要素の総てを包含するhSIRT1構築物を設計し、本発明者らはこれをミニhSIRT1と呼ぶ。これらの構築物は183〜505または183〜516にわたり、フレキシブルなポリ−グリシン/セリンリンカー(GS、(GGGS)
2、または(GGGS)
3)(Sauer, R. T. and Robinson, C. R. (1998) Proceedings of Nat Academy of Sciences of USA 95, 5929)を介してCBSペプチドに接続されている。競合的hSIRT1阻害剤EX−527またはニコチンアミド(NAM)に関するIC
50値と同様に、K
Mおよびk
cat値は、ミニhSIRT1構築物および全長酵素の間で比較することができ、ミニhSIRT1の機能的忠実度が確認される(表2参照)。加えて、ミニhSIRT1と全長酵素の間には、広範な化学型のセットにわたってSTACを介する活性化に関する優れた相関が存在する。SBDを除去すると、STACを介するミニhSIRT1の活性化が完全に無効となり、活性化に対するこのドメインの決定的な重要性が確認される。これに対して、CBSを欠くミニhSIRT1は有意なレベルのSTAC活性化を保持し、CBSはSTACを介する活性化を促進するものの、それに必要とされるわけではないことが示される。 最後に、E230K突然変異もまた、全長酵素の場合と同様に(Hubbard, B. P. et al. (2013) Science 339, 1216)、ミニhSIRT1におけるSTACを介する活性化を弱める。まとめると、これらの所見は、ミニhSIRT1は、その分子サイズの半分で、完全な機能があり、全長hSIRT1の、活性化可能な代用物であることを示す。
【0506】
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0507】
実施例91.ミニhSIRT1/STAC複合体の構造
hSIRT1触媒コアのX線結晶学的構造が報告されているが(Zhao, X. et al. (2013) J Med Chem 56, 963)、全長酵素の構造は、本発明者らの知る限りでは、存在しない。全長hSIRT1の構造は、1つには、延長されたN末端およびC末端ドメイン立体構造的フレキシビリティーのために、難しいことであった。ミニhSIRT1構築物は、本発明者らに、全長酵素の等機能的代用物を結晶化する機会を与えた。本発明者らは、HDX−MS試験で使用されるSTAC 1とともにミニhSIRT1(183−505−(GGGS)2−CBS)の結晶化に成功し、SIRT3のホモログモデル(Jin, L. et al. (2009) J Biol chem 284, 24394)に基づく検索モデルを用いた分子置換により、複合体(ミニhSIRT1/1)の構造を3.1Åで決定した。ミニhSIRT1は、総てのサーチュインに共通なロスマンフォールド・ラージローブ(Rossmann-fold large lobe)および亜鉛結合スモールローブ(zinc-binding small lobe)を仮定する触媒コア、N末端3ヘリックスバンドルSBDおよびC末端β−ヘアピンCBSから構成される。興味深いことに、結晶格子中には、結晶学的対称性が関連する、STACを介するミニhSIRT1の二量体が見られる。サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)により、STAC 1の存在下の溶液中でミニhSIRT1は二量体を形成することが確認される。しかしながら、同じ化学型の類似のSTAC 7では、ミニhSIRT1二量体の形成は見られない。この所見と、結晶化に使用されるSTAC濃度は活性化を測定する生化学アッセイにおいて使用されるものよりもはるかに高いという事実を考えれば、結晶構造中に見られる二量体化は、STACによるhSIRT1活性化の必要条件ではないと思われる。
【0508】
CBSは、CBS結合時のhSIRT1cc摂動のHDX−MS結果と一致して、触媒ドメインのロスマンフォールドローブの6鎖β−シートによるβ−増幅(β-augmentation)を媒介する。CBSにより媒介れるβ−増幅は、アセチル化ペプチドとNAD
+基質の両方に見られるK
M値を回復させるhSIRT1触媒コアの活性部位を安定化させると思われる。N末端SBDは、HDX−MS結果、NMR結果および酵素動態結果と一致して、SBD内のヘリックス−ターン−ヘリックス(H2−T−H3)モチーフと結合する1とともに、独立に折り畳まれる3ヘリックスバンドルを形成する。主要なミニhSIRT1/1結合部位は、1のCF
3基が占有する、中心を外れた、より深い疎水性ポケットを有する、比較的浅い疎水性表面である。これは複数のSTAC化学型において構築された構造活性関係(structure activity relationship)(SAR)の所見と一致し、分子内水素結合により維持されるコアスキャフォールドが全体的に平坦であるという要件を示す(Vu, et al. (2009) J Med Chem, 52, 1275)。ミニhSIRT1の構造と酵母Sir2の構造の間にはドメイン構成に関する著しい類似性が見られ、両方とも、N末端ヘリカルバンドルと、典型的なロスマンフォールド・ラージローブを超えるβ−ヘアピンによるC末端β−増幅を有する(Hsu, H. C. et al. (2013) Genes & Dev 27, 64)。しかしながら、酵母Sir2は、hSIRT1に見られる150のアミノ酸挿入を含まず、酵母における天然の「ミニSIRT1」と見られる。Sir2のN末端ドメインは、酵母タンパク質Sir4によるアロステリック活性化に重要であると思われる(Hsu, H. C. et al. (2013) Genes & Dev 27, 64)。Sir2N末端ドメインの構造はhSIRT1 SBDとは異なるものの、この2つは触媒コアのアロステリック活性化において機能的に保存された役割を有すると思われる。
【0509】
実施例92.STAC結合ポケットの部位特異的突然変異誘発
本発明者らは、全長hSIRT1の部位特異的突然変異誘発を用いて、ミニhSIRT1構造により同定されたSBDの重要な残基を確認した。3種類の残基、すなわち、a)活性剤と直接相互作用すると思われる残基(T219A、I223A、N226A、およびI227A)、b)カップリング調節剤Glu
230 (Hubbard, B. P. et al. (2013) Science 339, 1216)(E230K、E230A、およびE230Q)、およびc)活性剤結合において明らかな役割を持たないSBD残基(Q222AおよびV224A)をプロービングする、全長hSIRT1の以下の点突然変異を作製した。Ac−p53(W5)基質を用いる基本触媒活性を有意に障害した、またはEX−527、TFA−p53ペプチド(Ac−RHK−K
TFA−L−Nle−F−NH
2)、またはニコチンアミド(NAM)による阻害に影響を及ぼした突然変異体は無かった(表4および5参照)。
【0510】
活性化に及ぼす突然変異の全般的影響は、25μMの固定濃度で試験した246 STACの構造的に多様なセットを用い、野生型と変異型の全長SIRT1の活性化倍率を比較することにより評価した。加えて、本発明者らは、5種類の化合物のパネルを用い、それらのEC
50値および最大活性化値それぞれのシフトをモニタリングすることにより、STAC結合と活性化に及ぼす突然変異の影響を検討した(STAC1、6〜9)。T219A、I223A、およびI227Aは総て、活性化の広範な障害を示し、野生型hSIRT1に比べてEC
50が増大し、これは構造と一致する活性剤結合の障害を意味する(表6参照)。興味深いことに、I223Aは、最も化合物依存性の高い突然変異体であり、STACにより媒介される活性化は弱から強の範囲に及ぶ。活性化の増強を示すSTACは、オルトCF
3置換フェニル環を含む構造に富んでいる。結晶構造では、Ile
223は活性剤の直下にあり、1のメタCF
3を挿入するポケットを裏打ちしている。Ile
223からAlaへの突然変異により作り出されたキャビティは、オルト置換基とメタ置換をより良く適応させると思われる。この所見はさらにSTAC結合を支配する重要な分子相互作用をバリデートし、STACのSBDとの相互作用を変更するための戦略を指し示す。
【0511】
【表3】
[この文献は図面を表示できません]
【0512】
【表4】
[この文献は図面を表示できません]
【0513】
【表5】
[この文献は図面を表示できません]
【0514】
Asn
226は、タンパク質の表面で、そのカルボキサミド窒素と1のカルボニル酸素の間で水素結合を形成すると思われる。しかしながら、N226Aの活性化は、野生型に比べて最小の障害でしかない。この水素結合からの小さな寄与は、その高い溶媒暴露性によるものであると思われる。
【0515】
Glu
230のLysまたはAlaのいずれかへの突然変異は、STACによる活性化を広範囲に障害すると最近報告されたが、これが起こる機構は明らかでない(Hubbard, B. P. et al. (2013) Science 339, 1216)。本発明者らは、E230K、E230A、およびE230Q全長hSIRT1タンパク質の活性化を試験した。3種類のGlu
230突然変異異体の総てで、最大活性化はEC
50をシフさせることなく障害を受け(表7および8参照)、このことは、活性化されたhSIRT1の立体構造の形成または安定化におけるGlu
230の役割を示唆している。E230Qの活性化もまた広範囲に障害を受け、Glu
230の負電荷がhSIRT1の活性化された立体構造を安定化させるために重要であること、およびGlu
230は活性化された立体構造中の正電荷残基と相互作用する可能性があることを示す。
【0516】
【表6】
[この文献は図面を表示できません]
【0517】
【表7】
[この文献は図面を表示できません]
【0518】
上記の突然変異体とは対照的に、Q222AおよびV224Aは、それらの位置がミニhSIRT1/1構造中のSTACから離れていることと一致して、通常の活性化を示した。重要なことに、全長hSIRT1で得られたこれらのデータは総て、ミニSIRT1結晶構造が推定するものと一致し、これらの構造の生化学的重要性がさらに確認される。
【0519】
上記の突然変異の広範囲の影響にもかかわらず、それらの中に、SBDの除去で見られたような、hSIRT1の活性化を完全に無効化したものは無かった。Ile
223は結合したSTACの直下にあり、I223Aの活性化は化合物依存性が高いことから、本発明者らは、I223R hSIRT1が、これまでで最も著しく活性化が障害された全長酵素を構成するのではないかという仮説を立てた。IleからArgへの置換は、疎水性のSTAC結合部位に嵩と電荷を与え、これが構造に基づく化合物結合を乱すと思われる。I223Rは、Ac−p53(W5)またはFOXO−3a基質ペプチドとの基本触媒活性またはEX−527、TFA−p53ペプチド、またはNAMによる阻害を変化させない(表4、5および9参照)。しかしながら、活性化は、総ての246活性剤の場合には両基質で完全に失われる。
【0520】
【表8】
[この文献は図面を表示できません]
【0521】
実施例93.STACと基質結合の間のアロステリック結合
本発明者らは、STACによるhSIRT1の活性化の機構を検討した。この目的のため、本発明者らは、ミニhSIRT1、1、p53に由来する7アミノ酸ペプチド基質(Ac−p53)、および非加水分解性NAD
+類似体carbaNADの四元複合体の2.73Å構造、ならびにペプチドおよびNAD
+結合部位を占有する新規な活性部位指向阻害剤2との複合体としてのミニhSIRT1/1の2.74Å構造を決定した。四元複合体構造では、Ac−p53ペプチドおよびcarbaNADは、ラージローブとスモールローブの間の活性部位溝に結合する。Ac−p53は、スモールローブ由来の残基Gly
415およびGlu
416ならびにラージローブ由来の残基Lys
444およびArg
446と水素結合を形成する主鎖のアミド基で、拡張された立体構造に適合する。ペプチド+1位のアミドとArg
446のアミドの間の水素結合は、疎水性+1残基に対して側鎖間に潜在的相互作用を与え、これはSTACにより媒介されるhSIRT1の活性化に重要であり得る(Dai, H. et al. (2010) J Biol Chem 285, 32695)。アセチルリジン側鎖は、Phe
414、Leu
418およびVal
445によって裏打ちされた疎水性キャビティに入り込む。アセチル基は、His
363とPhe
297の間に挟まれ、アセチルリジンのε−NはVal
412のカルボニル酸素と水素結合を形成し、これがアセチル−リジン側鎖の配向および拡張された立体構造を維持する。CarbaNADもまたhSIRT1と複数の点で接触し、そのほとんどは、hSIRT1触媒コア/NAD/EX−527類似体の三元複合体で見られるものと同様である(Zhao, X. et al. (2013) J Med Chem 56, 963)。ニコチンアミド環のアミド基がC−ポケット内のIle
347およびAsp
348と水素結合を形成するなど、いくつかの違いが指摘されている。加えて、ニコチンアミド側のリボフラノースの2’および3’ヒドロキシル基もアセチル−リジンのカルボニル酸素原子と水素結合を形成し、続いて起こるペプチドN−ε−アセチル基による求核作用のためにNADのC−1’原子を配向する補助をしている。阻害剤2は、最近報告されたSIRT3/2複合体の構造と同様に、ミニhSIRT1のアセチル−リジン結合部位とニコチンアミド結合C−ポケットの両方を占有する。SIRT3と同様に、基質または活性部位阻害剤の結合は、ドメインの閉鎖をもたらし、スモールローブとラージローブを一緒にする(Szczepankiewicz, B. G. et al. (2012) J Org chem 77, 7319 and Jin, L. et al. J Biol Chem (2009) 284, 24394)。活性部位占有時のより顕著な立体構造変化は、N末端ドメインの上へ向かう動きであり、これはArg
234を中心にヒンジを形成すると思われ、SBDを活性部位に近接させ、協調した動きを介したSTAC結合と基質結合部位のアロステリック結合の、可能性のある機構を提供する。このヒンジ残基Arg
234は多塩基リンカー(残基233〜238)内に位置し、そのグアニジニウム基とAsp
475のカルボン酸基の間に形成される塩橋およびHis
473とVal
459のカルボニル基に対する水素結合によってN末端SBDを触媒コアに係留している。これらの3つの構造におけるSBDの比較は、そのドメインが比較的リジッドであることを示し、重ね合わせ可能なSTAC−結合ヘリックス−ターン−ヘリックス(H2−T−H3)モチーフを有し、ミニhSIRT1/1/2複合体構造では、最初のヘリックスだけが若干外へ傾斜している。本発明者らは、Pro
231およびPro
232をGlyに変異させることによってリンカーのリジッド性を変調することにより、SBDと係留Arg
234の間の短いリンカー(230〜233)がアロステリック結合に重要であり得るかどうかを評価した。実際に、P231G/P232Gは、ミニhSIRT1のSTAC活性化の著しい弱化を示し、このことは、この短いリンカーの、SBDの動きの媒介および結果としてのSTAC結合と基質結合の共役に対する重要性を裏付ける。
【0522】
HDX−MSデータにより、野生型hSIRT1とは対照的に、E230K突然変異体に対するSTACの結合は、E230K/1/Ac−p53(W5)複合体内のペプチド結合部位の周辺にもはや保護を与えないことが明らかである。これは、E230K突然変異がSTAC結合部位と基質結合部位の間の共役を損なう可能性があることを示す。このことをさらに調べるために、hSIRT1に対するSTACの結合を測定し、基質の存在下で共役効果を検討するために、蛍光偏光(FP)アッセイを開発した。全長hSIRT1とK
d 0.3μMで結合するフルオレセイン結合STAC(3)をFPプローブとして用い、それはその親化合物4によって効果的に競合排除された。3の結合はI223R hSIRT1に関して重大な障害を受け、全長酵素においてSTACの結合に直接関与するような、ミニhSIRT1/1構造において示されるこの残基の役割が確認される。STACは、活性化に関するK
M低下機構と一致して、Ac−p53(W5)の存在下で結合親和性(K
i)の増強を示した5により例示されるAc−p53(W5)基質の不在下または存在下で、FPアッセイで試験した。E230K突然変異体は野生型に比べてほとんどのSTACに対して著しく同様の結合親和性を示すが、Ac−p53(W5)によるこの結合の増強は存在しないか、または著しく弱められている。HDX−MSおよび活性化データはともに、Glu
230はSTAC結合に直接関与しないが、その代わりに、STACと基質結合の共役を媒介して活性化を促進する重要な残基である。このことは、化合物1および2とともにE230KミニhSIRT1タンパク質の構造を決定することによってさらに確認した。全体的な構造は野生型ミニhSIRT1/1/2三元複合体の構造に類似しており、Glu
230はSTAC結合に直接関与しないが、その代わりに、アロステリック結合の際に動的役割を果たす可能性があることが確認された。さらに、E230KミニhSIRT1/STAC構造では、野生型タンパク質構造に関して見られたものと同様の結晶学的二量体が見られたが、このことは、二量体化はSTACによるhSIRT1の生化学的活性化に必要であるとは思えないことを示す。
【0523】
STACにより媒介されるSIRT1の活性化のための、アセチル基質上の疎水性部分の一般的必要性を評価するために(Dai, H. et al. (2010) J Biol Chem 285, 32695)、本発明者らは、Arg
446の+1位への近接に基づき、潜在的+1 Trp相互作用残基Arg
446からAlaへ変異させた。R446A hSIRT1は、予想されたように、Ac−p53(W5)に関して、K
M値の増大を示す(表2参照)。しかしながら、それはまた、E230K/A突然変異体に関して見られたものと同様の活性化の弱化も示す。この所見、Arg
446の陽イオン的性質および活性部位とSTAC結合部位の間の共役を考慮して、本発明者らは、対照としてE230KおよびR446EミニhSIRT1を用い、Arg
446がE230の、可能性のある静電気的パートナーであるかどうかを調べるために、ミニhSIRT1 R446E/E230K二重突然変異体を作製した。E230KまたはR446EはいずれもミニhSIRT1のSTAC活性化の有意な弱化をもたらすが、R446E/E230K二重突然変異体は、E230KまたはR446Eに比べて、STACにより媒介されるミニhSIRT1の活性化を部分的に回復させる。これらのデータは、活性化された立体構造におけるGlu
230とArg
446の間の塩橋の存在を裏付け、活性化状態で触媒コアと相互作用するためのSBDの提案される動きと一致している。
【0524】
本発明者らが本明細書で述べた総てのミニhSIRT1構築物は、全長hSIRT1の3つの重要な特徴、すなわち、1)定常状態での酵素動態および阻害、2)複数の化学型にわたるSTAC活性化プロファイル、3)およびE230KによるSTAC活性化の障害を再現する。本発明者らは次に、ミニhSIRT1構築物を用いて、結合したSTACとともに、完全機能型のhSIRT1の、初めて報告される構造を得る。生化学的特性決定および構造特性決定により、CBSと触媒コアの間のhSIRT1分子内相互作用が明らかとなり、これはhSIRT1の基本的脱アセチル化活性に不可欠である。より重要なことに、ミニhSIRT1/STAC複合体の構造により、STAC結合部位の詳細な構造が明らかとなり、将来の構造に基づく創薬のために重要な情報が得られる。hSIRT1構造と、結合した種々のリガンドとの比較は、SBDの正確な場所は結晶充填によって影響を受ける可能性があるが、N末端SBDは立体構造反応座標に沿って上方移動を受けることを示唆する。従って、STAC活性化の、可能性のある機構は、すなわち、SBDの上方移動と、STAC結合と基質結合を共役させるための触媒コアのドメイン閉鎖との協調した動きと推論することができる。FPを用いる生物物理学的特性決定および全長hSIRT1を用いる部位特異的突然変異誘発は、STACの結合および活性化のこのモデルを支持して、ミニhSIRT1/STAC複合体の構造的所見と完全に一致する。本発明者らの知る限り、本明細書に報告されるミニhSIRT1/STAC複合体の構造は、グルコキナーゼを除く酵素と結合した合成アロステリック活性剤の第2の実施例のみを表す(Grimsby, J. et al. (2005) Science 301, 370)。要約すると、本明細書に示される結果は、ペプチド基質を伴う小分子によるhSIRT1の直接的アロステリック活性化の明白な視覚的および機能的証明を提供し、STACによる、およびおそらくはまたhSIRT1の内因性レギュレーターによるhSIRT1活性化の機構のさらなる解明の基礎を提供する。
【0525】
実施例94.タンパク質のクローニング、発現、および精製
ミニhSIRT1構築物を改変pET21bベクター(Novagen)にクローニングした。タンパク質は、大腸菌(E. coli)BL21−Gold(DE3)細胞(Stratagene)で、TEVプロテアーゼ部位を組み込んだヘキサヒスチジンアフィニティータグとのN末端融合物として発現させた。単一のコロニーを100μg/mlアンピシリンを含有するLB培地で、37℃、250rpmにて、A
600が0.3となるまで培養した。次に、この培養物を16℃、250rpmに、A
600が0.6となるまで移行した。イソプロピル1−チオ−β−D−ガラクトピラノシド(IPTG)を終濃度が0.2mMとなるように加え、16℃、250rpmで一晩、発現を続けた。細胞を遠心分離により回収し、ペレットを溶解バッファー(25mM HEPES、pH7.5、200mM NaCl、5%グリセロール、および5mM 2−メルカプトエタノール)に再懸濁させ、音波処理を施して細胞を破壊した。4℃、10,000xgで40分の遠心分離により上清を細胞残渣から分離し、25mM HEPES、pH7.5、200mM NaCl、5%グリセロール、5mM 2−メルカプトエタノール、および20mMイミダゾールを含有するバッファーで平衡化したNi−NTAカラム(Qiagen)にロードした。このカラムを、25mM HEPES、pH7.5、200mM NaCl、5%グリセロール、5mM 2−メルカプトエタノール、および50mMイミダゾールを含有する、5カラム容量のバッファーで洗浄し、25mM HEPES、pH7.5、200mM NaCl、5%グリセロール、5mM 2−メルカプトエタノール、および250mMイミダゾールを含有するバッファーで溶出させた。溶出したタンパク質を溶解中で透析し、TEVプロテアーゼ(Invitrogen)で消化して、4℃で一晩、N末端Hisタグを除去した。タンパク質を、溶解バッファーで平衡化した第2のNi−NTAカラムにロードした。タグのないタンパク質を、25mM HEPES、pH7.5、200mM NaCl、5%グリセロール、5mM 2−メルカプトエタノール、および5mMイミダゾールを含有するバッファーにより溶出した。精製したタンパク質を20mM Tris−HCl、pH8.0、250mM NaCl、5%グリセロール、および10mM DTTを含有する透析バッファーに対して透析し、濃縮した。タンパク質をさらにS200カラム(GE Healthcare)により、クーマシーブリリアントブルーR−250により染色したSDS−PAGE分析により評価した場合に、95%純度まで精製し、透析バッファー中、10〜15mg/mlまで濃縮した。
【0526】
ヒトhsirt1 180−230を、改変pET21bベクター(Novagen)のBamHIとXhoIの間にクローニングし、これは発現をT7−lacOプロモーターの制御下に置く。タンパク質を、TEVプロテアーゼ部位を組み込んだヘキサヒスチジンアフィニティータグとのN末端融合物として発現させた。単一コロニーを、100μg/mlアンピシリンを含有する100ml LB培地中、37℃、250rpmで一晩培養した。次に、20mlのLB培地を、
15NH
4Clwp含有する1LのM9培地に播種し、それらをオービタルシェーカー(200rpm)上、37℃で、OD600が約0.8となるまでインキュベートした。次に、この培養物を16℃、250rpmに、A600が1.0となるまで移行した。イソプロピル1−チオ−β−D−ガラクトピラノシドを終濃度が0.3mMとなるように加え、16℃、200rpmで一晩、発現を続けた。細胞を遠心分離により回収し、ペレットを溶解バッファー(50mM Hepes、200mM NaCl、5%グリセロール、5mM β−ME、pH7.5)に再懸濁させ、音波処理を施して細胞を開放した。4℃、10,000xgで40分の遠心分離により上清を細胞残渣から分離し、50mM Hepes、200mM NaCl、5%グリセロール、5mM β−ME、pH7.5を含有するバッファーで平衡化したNi−NTAカラム(Qiagen)にロードした。このカラムを、50mM Hepes、200mM NaCl、5%グリセロール、5m MB−MEおよび20mMイミダゾール、pH7.5を含有する、20カラム容量のバッファーで洗浄した後、50mM Hepes、200mM NaCl、5% グリセロール、5mM β−MEおよび250mMイミダゾール、pH7.5を含有するバッファーで溶出させた。溶出したタンパク質を溶解バッファー中で透析し、TEVプロテアーゼ(Invitrogen)で消化して、4℃で一晩、N末端Hisタグを除去した。タンパク質を、溶解バッファーで平衡化した第2のNi−NTAカラムにロードした。タグのないタンパク質を、50mM Hepes、200mM NaCl、5%グリセロール、5mM β−MEおよび10mMイミダゾール、pH7.5を含有するバッファーにより溶出した。精製したタンパク質を濃縮し、S200カラム(GE Healthcare)により、クーマシーブリリアントブルーR−250により染色したSDS−PAGE分析により評価した場合に、95%純度までさらに精製し、50mM HEPES、50mM NaCl、0.5mM TCEP、pH6.5中、10mg/mlまで濃縮した。
【0527】
実施例95.全長SIRT1製造
全長ヒトSIRT1(hSIRT1)タンパク質をC末端His
6タグとともに発現させ、AKTAxpress(商標)(GE Lifesciences)を用いて精製したQ222A、およびI223R SIRT1以外は、Hubbard. et al. (2013) Science 339, 1216に記載のとおりに精製した。各細胞ペーストを、氷上で、cOmplete、EDTA不含プロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤(Roche)を添加した1,000Uベンゾナーゼヌクレアーゼ(Sigma Aldrich)とともにバッファーA(50mM Tris−HCl pH7.5、250mM NaCl、25mMイミダゾール、および0.1mM TCEP)に再懸濁させた。40Wで合計12分間、50%オンおよび50%オフのパルス音波処理により細胞を破砕した。不溶性残渣を遠心分離により除去した。明澄な上清をそのまま、1mL HisTrap FF Crudeカラム(GE Lifesciences)にロードした。バッファーAで洗浄した後、SIRT1をバッファーB(50mM Tris−HCl pH7.5、250mM NaCl、500mMイミダゾールおよび0.1mM TCEP)で溶出させた。タンパク質をさらに、Hi−load Superdex 200 16/60 カラム(GE Lifesciences)を用い、バッファーC(50mM Tris−HCl pH7.5、300mM NaCl、0.1mM TCEP)中、サイズ排除クロマトグラフィーにより精製した。酵素濃度は、BSAを標品として用い、Bradfordアッセイにより測定した。最終的なタンパク質純度はゲル濃度計により評価した。タンパク質をLC/MSにより確認した。V224AおよびT219A(80%)およびE230A(85%)を除く総てのタンパク質が90%純度より高かった。
【0528】
実施例96.SIRT1脱アセチル化反応
SIRT1脱アセチル化反応は、反応バッファー(50mM HEPES−NaOH、pH 7.5、150mM NaCl、1mM DTT、および1%DMSO)中25℃で、継続的PNC1/GDH結合アッセイ(continuous PNC1/GDH coupled assay) (Smith, B. C. et al. (2009) Anal Biochem 394, 101)を用いるニコチンアミド産生または質量分析によるO−アセチルADPリボース(OAcADPr)産生(Hubbard. et al. (2013) Science 339, 1216)のいずれかをモニタリングしながら行った。使用したPNC1/GDHカップリング系成分の終濃度は、20単位/mLウシGDH(Sigma−Aldrich)、1μM酵母PNC1、3.4mM α−ケトグルタレート、および220μM NADHまたはNADPHであった。吸光係数6.22mM
−1cm
−1および光路長0.81cmを用い、340nmでの吸光度を、用いた150μL反応に対する生成物濃度に変換した。OAcADPr産生をモニタリングするアッセイは、0.05%BSAを含む反応バッファー中で行い、1%ギ酸および5mMニコチンアミドの終濃度を与えた停止溶液で脱アセチル化反応を急冷することにより、各時点をとった。急冷した反応物を1:1アセトニトリル:メタノールで5倍希釈し、5,000xgで10分間回転させてタンパク質を沈降させた後、エレクトロスプレーイオン化源を取り付けたABSciex API 4000質量分析計に連結したAgilent RapidFire 200 High−Throughput質量分析システム(Agilent、ウェイクフィールド、MA)で分析した。p53系Ac−p53(W5)(Ac−RHKK
AcW−NH
2)ペプチドおよびFOXO−3a 21マー(Ac−SADDSPSQLSK
AcWPGSPTSRSS−NH
2)ペプチドはBiopeptide,Incから入手した。脱アセチル化アッセイでは、特に断りのない限り、Ac−p53(W5)基質を使用した。
【0529】
基質のK
M決定は、固定された第2基質の飽和濃度で、1つの基質濃度を変えることによって行った。SIRT1活性化および阻害アッセイは、0.05%BSAを含む反応バッファー中、25℃で行い、OAcADPrアッセイを用いて分析した。酵素および化合物を20分間プレインキュベートした後に基質を添加した。全長hSIRT1の活性化スクリーンについては、構造的に多様な246化合物のセットを各終濃度25μMで2回試験した。K
M調節活性剤に対して感受性とするために、それらのK
M値のおよそ10分の1の基質濃度を用いた(表5参照)。5つの化合物の用量依存性を調べ、活性化倍率データを数式1で表した。
【数1】
[この文献は図面を表示できません]
式中、v
x/v
0は、活性剤(X)の存在下での反応速度(v
x)と不在下での反応速度(v
0)の比であり、RV
maxは、無限大活性剤濃度での相対速度であり、EC
50は、2分の1のRV
maxを生じるために必要な活性剤の濃度であり、bは、v
x/v
0の最小値である。
【0530】
【表9】
[この文献は図面を表示できません]
【0531】
実施例97.タンパク質の結晶化、データ収集および構造決定
ミニhSIRT1/1二元複合体の結晶は、ハンギングドロップ蒸気拡散法により18℃で得た。ドロップは、1μlのタンパク質/化合物混合物および0.2M塩化マグネシウム、0.1M Tris pH8.5、および16% w/vのPEG 4000の、1μlの結晶化バッファーから構成された。ミニhSIRT1/1/2の結晶は、ハンギングドロップ蒸気拡散法により18℃で得た。ドロップは、1μlのタンパク質/化合物混合物、および0.55M塩化ナトリウム、0.1M MES pH6.5、および20% w/vのPEG 40001μlの結晶化バッファーから構成された。ミニhSIRT1/1/p53−7マー/carbaNAD複合体の結晶は、ハンギングドロップ蒸気拡散法により18℃で得た。ドロップは、1μlのタンパク質/基質混合物、および5% v/v Tacsimate、pH.00.1 M HEPES pH 7.0および10% w/v PEG 5000 MMEの1μlの結晶化バッファーから構成された。ミニhSIRT1(E230K)/1/2の結晶は、ハンギングドロップ蒸気拡散法により18℃で得た。ドロップは、1μlのタンパク質/化合物混合物、および0.2M硫酸リチウム、0.1Mのビス−Tris pH6.5、29% w/v PEG 3350の1μlの結晶化バッファーから構成された。
【0532】
これらの結晶を、20%グリセロールを含有する母液中で凍結保護した後、液体窒素中で急速凍結を行った。SSRF BL17U1、APS 21−ID−DまたはAPS 21−ID−Gビームラインで回折データを収集し、Xia2プログラム(Winter, G. (2010) J Appl Crystallogr 43, 186)を用いて処理した。分子置換ソフトウエアPhaser(McCoy, A. J. et al. (2007) J Appl Crystallogr 40, 658)を用い、SIRT3のホモログモデル(PDBコード:3GLU)に基づく残基242〜494を含有する検索モデルで構造を解明した。CCP4パッケージ((1994) Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 50, 760)のRefmac5(Murshudov, A. A. et al. (1997) Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 53, 240)とCoot et al. (2004) Acta Crystallogr D Biol Crystallogr 60, 2126の間で反復構造精密化およびモデル構築を行った。回折データ、精密化、および構造統計値に関する詳細なデータを表3に示す。
【0533】
【表10】
[この文献は図面を表示できません]
【0534】
実施例98.核磁気共鳴(NMR)分光法
1H、
15N HSQC NMR試験は、400μMの1の存在下または不在下で、およそ200μMの
15N標識SIRT1(180−230)を含有するサンプルを用い、凍結探針を備えたBruker AVANCE III 600MHz NMR分光計にて25℃で行った。NMRデータは総てNMRPipe(Delaglio, F. et al. (1995) J Biomol NMR 6, 277)で処理し、NMRView(Johnson, et al. (1994) J Biomol NMR 4, 603)で分析した。
【0535】
実施例99.サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)アッセイ
これらのアッセイは、50mM HEPES−NaOH、pH 7.5、150mM NaCl、および0.5mM TCEPに溶かした100μM STACの不在下または存在下で、10μMミニhSIRT1を含有する100μLのサンプルを注入するSuperdex 75 10/300 GLカラム(GE healthcare)を用いて行った。結合反応物は室温で1時間インキュベートした後に、カラムに注入した。
【0536】
実施例100.蛍光偏光(FP)アッセイ
FP試験は、20μLのアッセイバッファー(50mM HEPES−NaOH、pH7.5、150mM NaCl、および1mM DTT)中、25℃で行った。384ウェルプレートをPHERAstar FSにて、励起波長および発光波長それぞれ502nmおよび533nmで読み取った。プローブ結合に関しては、漸増濃度のSIRT1を10nMのプローブ3に加えた。結合等温線は数式2により表された。競合結合様式に関しては、15μMのAc−p53(W5)の不在下または存在下(in the absence or presence or 15μM Ac-p53(W5))で、10nMの3および0.3μMのSIRT1野生型またはE230K変異型の混合物に漸増濃度の競合因子を加えた。競合データは数式3で表された。IC
50からK
iへの変換は数式4で表され、ここで、K
dはSIRT1に対する3の結合親和性であり、F
0はプローブ結合B/(B+F)の分数であり、L
0はプローブ3の濃度である。
【数2】
[この文献は図面を表示できません]
【0537】
実施例101.水素−重水素交換質量分析(HDX−MS)
SIRT1の交換時(on-exchange)試験
H/D交換反応の後に、他所に詳細に記載されている完全自動システム(Hamuro, Y. et al. (2003) J Biomol Techniques: JBT 14, 171)を用い、ペプシン消化、脱塩、HPLC分離、およびMS分析を行った。この試験セットに特有なものとして、交換時反応は、D2O中で20μLのSIRT1保存溶液(1.9%DMSO中、0.77mg/mL SIRT1、±3.88mM Ac−p53(W5)、±192μMリガンド)と20μLの100mMリン酸塩、pH読み取り7.0を混合することにより開始した。50%D
2O混合物を0℃で15、50、150、500、1,500、または5,000秒間インキュベートした。SIRT1(229−516)では、交換時反応は、D2O中で、4μLのSIRT1保存溶液(1.36mg/mL SIRT1(229−516)、±1.67mM Trp−25マー)と36μLの200mMリン酸塩、pH読み取り7.0を混合することにより開始した。90%D
2O混合物を0℃で15、50、150、500、1,500、または5,000秒間インキュベートした。分析直前に、20μLの1.6M塩酸グアニジン(GuHCl)、0.8%ギ酸、pH2.3を添加して交換時反応を急冷した。
【0538】
実施例102.標準的HDXサンプルに関する一般的タンパク質処理
急冷した溶液を、製造者の指示に従い、Poros 20 AL媒体(Life Technologies、カールズバッド、CA)に固定化したブタペプシン(Sigma、セントルイス、MO)を充填したペプシンカラム(ベッド容積104μL)に、0.05%TFA水溶液(200μL/分)を用いて2分間通した。消化された断片を逆相トラップカラム(ベッド容積4μL)に一時的に回収し、脱塩した。このトラップカラムからペプチド断片を溶出させ、C18カラム(BioBacis−18; Thermo Scientific、サンノゼ、CA)により、23分で13%溶媒Bから40%溶媒Bの直線勾配(溶媒A、水中0.05%TFA;溶媒B、95%アセトニトリル、5%バッファーA;流速10μL/分)を用いて分離した。質量分析は、LTQ OrbiTrap XL質量分析計(Thermo Fisher Scientific、サンノゼ、CA)を用い、キャピラリー温度200℃で行った。
【0539】
実施例103.SIRT1の消化/分離の最適化および非重水素化試験
非重水素化条件下、高解像度で、ペプチド断片によるSIRT1の高い配列包括度を得るために、H/D−交換試験の前に、消化および分離条件を最適化した。この工程では、20μLの0.77mg/mL(9.2μM)SIRT1と20μLのH2Oの混合物を、20μLの種々の酸性バッファーを添加することにより急冷した。SIRT1(229−516)の場合、4μLのSIRT1保存溶液(1.36mg/mL SIRT1(229−516)、±1.67mM Trp−25マー)と36μLのH
2Oの混合物を、20μLの種々の酸性バッファーを添加することにより急冷した。急冷した混合物に対し、上記の一般的タンパク質処理を行った。非重水素化ペプチド断片はSequest in Proteome Discoverer 1.1 (Thermo Fisher Scientific, San Jose, CA)によって同定した。
【0540】
実施例104.SIRT1の完全重水素化試験
完全重水素化サンプルは、D
2O、pH2.5中、45μLの0.77mg/mL(9.2μM)SIRT1と45μLの100mM TCEPの混合物を60℃で3時間インキュベートすることにより調製した。SIRT1(229−516)の場合、完全重水素化サンプルは、D
2O、pH2.5中、9μLの1.36mg/mL(41.7μM)SIRT1(229−516)と81μLの100mM TCEPの混合物を60℃で3時間インキュベートすることにより調製した。インキュベーション後、サンプルを0℃で維持した後、交換時溶液と同様に急冷し、一般的タンパク質処理を行った。
【0541】
実施例105.交換時反応後の各ペプチドの重水素化レベルの測定
ペプチドアイソトープエンベロープの重心は、Sierra Analytics(モデスト、CA)と共同開発したインハウスプログラムを用いて測定した。タンパク質処理工程中の逆交換(back-exchange)の補正は、以下の標準数式5を用いて行った(Zhang, Z. et al. (1993) Protein Science 2, 522)。
【数3】
[この文献は図面を表示できません]
式中、m(P)、m(N)、およびm(F)は、それぞれ部分的重水素化(交換時)ペプチド、非重水素化ペプチド、および完全重水素化ペプチドの重心値である。
【0542】
実施例106.生物活性
質量分析に基づくアッセイを用いてSIRT1活性の調節剤を同定した。TAMRAに基づくアッセイでは、以下のような20アミノ酸残基を有するペプチドを用いた:Ac−EE−K(ビオチン)−GQSTSSHSK(Ac)NleSTEG−K(5TMR)−EE−NH
2(配列番号1)(ここで、K(Ac)は、アセチル化リジン残基であり、Nleは、ノルロイシンである)。このペプチドをC末端において蛍光団5TMR(励起540nm/発光580nm)で標識した。このペプチド基質の配列は、いくつかの改変を伴うp53に基づくものであった。加えて、この配列中に本来存在するメチオニン残基は、メチオニンが合成および精製中の酸化に感受性があり得るために、ロイシンで置換した。Trpに基づくアッセイでは、以下のようなアミノ酸残基を有するペプチドを用いた:Ac−R−H−K−K(Ac)−W−NH2(配列番号2)。
【0543】
TAMRAに基づく質量分析アッセイを次のように行った:0.5μMのペプチド基質および120μMのβNAD
+を10nMのSIRT1とともに、反応バッファー(50mM Tris−酢酸pH8、137mM NaCl、2.7mM KCl、1mM MgCl
2、5mM DTT、0.05%BSA)中、25℃で25分間インキュベートした。SIRT1タンパク質は、T7プロモーターを含有するベクターにSirT1遺伝子をクローニングし、次にこれをBL21(DE3)細菌細胞に形質転換し、発現させることによって得た。この反応混合物に試験化合物を種々の濃度で加え、生じた反応物をモニタリングした。SIRT1とともに25分間インキュベートした後、10μLの10%ギ酸を加えて反応を停止させた。得られた反応物を密閉し、その後の質量分析のために冷凍した。サーチュインにより媒介されるNAD依存性脱アセチル化反応により生じた脱アセチル化基質ペプチドの量(あるいはまた、生じたO−アセチル−ADP−リボース(OAADPR)の量)の決定は、試験化合物を含まない対照反応に対する、種々の濃度の試験化合物の存在下での相対的SIRT1活性の正確な測定を可能とした。
【0544】
Trp質量分析アッセイは、次のように行った。0.5μMのペプチド基質および120μMのβNAD
+を10nMのSIRT1とともに、反応バッファー(50mM HEPES pH7.5、1500mM NaCl,1mM DTT、0.05%BSA)中、25℃で25分間インキュベートした。SIRT1タンパク質は、T7プロモーターを含有するベクターにSirT1遺伝子をクローニングし、次にこれをBL21(DE3)細菌細胞で発現させ、以下にさらに詳細に記載するように精製することによって得た。この反応混合物に試験化合物を種々の濃度で加え、生じた反応物をモニタリングした。SIRT1とともに25分間インキュベートした後、10μLの10%ギ酸を加えて反応を停止させた。得られた反応物を密閉し、その後の質量分析のために冷凍した。次に、相対的SIRT1活性を、試験化合物を含まない対照反応に対する、種々の濃度の試験化合物の存在下でのNAD依存性サーチュイン脱アセチル化反応により生じたO−アセチル−ADP−リボース(OAADPR)量(あるいはまた、生じた脱アセチル化Trpペプチドの量)を測定することにより決定した。試験薬剤がSIRT1による脱アセチル化を活性化合物した程度は、EC
1.5(すなわち、試験化合物を含まない対照の50%だけSIRT1活性を高めるために必要とされる化合物の濃度)、および最大活性化パーセント(すなわち、試験化合物に関して得られた、対照(100%)に対する最大活性)として表した。
【0545】
サーチュイン活性の阻害に対する対照実験は、反応の開始時に陰性対照として1μLの500mMニコチンアミドを加えることによって行った(例えば、最大サーチュイン阻害の決定を可能とする)。サーチュイン活性の活性化の対照実験は、アッセイの直線範囲内の所与の時点での基質の脱アセチル化量を決定するために、10nMのサーチュインタンパク質を、化合物の代わりに1μLのDMSOとともに用いて行った。この時点は、直線範囲内で試験化合物に関して用いたものと同じであり、終点は速度変化を表す。
【0546】
上記のアッセイのために、SIRT1タンパク質を次のように発現させ、精製した。SirT1遺伝子を、T7プロモーターを含有するベクターにクローニングし、BL21(DE3)に形質転換した。タンパク質は、18℃で一晩、1mM IPTGを用いた誘導により、N末端Hisタグ融合タンパク質として発現させ、30,000xgで採取した。細胞を溶解バッファー(50mM Tris−HCl、2mM Tris[2−カルボキシエチル]ホスフィン(TCEP)、10μM ZnCl
2、200mM NaCl)中、リゾチームを用いて溶解させ、さらに完全に溶解させるために10分間の音波処理を施した。タンパク質はNi−NTAカラム(Amersham)で精製し、純粋なタンパク質を含有する画分をプールし、濃縮し、サイズ分画カラム(Sephadex S200 26/60 global)に流した。可溶性タンパク質を含有するピークを回収し、イオン交換カラム(MonoQ)に流した。勾配溶出(200mM−500mM NaCl)により純粋なタンパク質を得た。このタンパク質を濃縮し、透析バッファー(20mM Tris−HCl、2mM TCEP)に対して一晩透析した。このタンパク質をアリコートに分け、さらなる使用まで−80℃で冷凍した。
【0547】
SIRT1を活性化した式(I)のサーチュイン調節化合物を上記のアッセイを用いて同定し、以下の表1に示す。EC
1.5値は、SIRT1の150%の活性化をもたらす試験化合物の濃度に相当する。式(I)の活性化化合物のEC
1.5値は、A(EC
1.5<1μM)、B(EC
1.5 1〜25μM)、C(EC
1.5>25μM)で表される。最大活性化倍率%は、A(活性化倍率≧150%)またはB(活性化倍率<150%)で表される。「NT」は、試験せずを意味し;「ND」は、測定不可を意味する。表の化合物番号は化合物番号10で始まり、括弧内の数字(#)は、
図4および実施例90〜106のSTACナンバリングシステムに相当する(すなわち、化合物番号68はSTAC 1でもあり、従って、それは68(1)として示される、さらなるSTAC:546(3)、444(4)、314(5)、816(7)、76(8)、および81(9))。
【0548】
【表11】
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【0549】
特定の実施態様では、化合物は、化合物番号1、3、4、5、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、23、25、27、28、29、30、31、32、33、34、36、38、39、40、41、42、45、46、47、48、49、53、54、56、57、59、61、63、66、68、75、76、80、81、83、86、87、90、93、95、99、101、102、107、110、118、119、120、121、122、128、129、130、133、135、136、138、139、140、141、142、145、150、151、153、156、159、160、161、162、163、164、165、166、168、170、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、184、189、191、194、197、207、212、214、216、218、220、222、223、230、233、235、239、250、254、260、261、264、268、271、273、274、275、276、277、278、279、280、281、282、283、285、286、288、289、290、292、293、295、299、314、316、322、324、325、329、330、332、333、335、341、344、347、348、350、351、352、353、354、356、359、360、361、365、366、367、369、373、375、376、377、378、379、380、383、385、387、388、389、391、392、393、394、396、401、402、403、404、405、406、407、408、409、410、411、412、415、417、419、421、422、423、425、427、428、430、431、435、452、459、461、463、470、472、473、474、475、480、481、483、485、491、492、496、497、498、499、500、502、503、504、505、506、507、509、515、517、519、523、526、527、530、538、540、541、542、556、557、559、562、563、574、575、580、581、583、588、589、590、591、592、593、594、595、596、601、604、605、606、607、611、617、623、625、626、629、630、635、636、637、638、639、640、642、643、645、646、647、648、651、652、653、654、655、656、657、658、659、660、663、665、666、667、668、670、671、672、676、683、692、693、694、698、703、706、708、709、710、714、717、718、719、720、721、722、723、724、725、727、730、731、733、736、737、739、740、741、742、743、746、747、748、749、750、751、752、753、754、756、757、758、760、763、765、766、767、770、776、777、780、788、790、792、797、798、799、801、803、804、806および808のうちのいずれか1つである。
【0550】
実施例107
(4S)−N−(ピリジン−3−イル)−7−(4−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド
【化197】
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1,4−ジオキサン(20mL)中、((4S)−7−クロロ−N−(ピリジン−2−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(700mg、2.217mmol)、4−(トリフルオロメチル)ピペリジン(679mg、4.43mmol)の脱気溶液に、20℃で、ジシクロヘキシル(2’,4’,6’−トリイソプロピル−[1,1’−ビフェニル]−2−イル)ホスフィン(423mg、0.887mmol)、炭酸カリウム(919mg、6.65mmol)および酢酸パラジウム(II)(100mg、0.443mmol)を順次加え、この反応混合物を密閉試験管中、90℃で16時間撹拌した。この反応混合物を冷水(70mL)に注ぎ、酢酸エチル(150mL)で抽出した。有機層を分離し(seperated)、無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、減圧下で濃縮して粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムに添加し、ジクロロメタン中1%から2%メタノールで溶出させた。画分を集めたところ500mgとなった。これを再びGRACE逆相HPLCにより精製し、(4S)−N−(ピリジン−3−イル)−7−(4−(トリフルオロメチル)ピペリジン−1−イル)−3,4−ジヒドロ−1,4−メタノピリド[2,3−b][1,4]ジアゼピン−5(2H)−カルボキサミド(320mg、0.710mmol、32%)を得た。MS(ESI)C
21H
23F
3N
6Oの理論値:433.2。
【0551】
均等物
本発明は、とりわけ、サーチュイン調節化合物およびその使用方法を提供する。本発明の具体例を述べてきたが、上記の明細書は例示であって限定するものではない。本明細書を見直すと、当業者には本発明の多くの変形が明らかとなるであろう。本発明の全範囲は、特許請求の範囲をその均等物の全範囲と併せて、また、明細書をこのような変形と併せて参照することにより決定されるべきである。
【0552】
引用による組み入れ
本明細書で言及する総ての刊行物および特許は、以下に列挙するものを含め、個々の刊行物または特許がそれぞれ具体的かつ個別に引用することにより組み入れられることが示されている場合と同様に、その全内容が引用することにより本明細書に組み入れられる。相違がある場合、本明細書におけるいずれの定義も含めて本出願が優先する。
【0553】
さらに、ゲノム研究所(The Institute for Genomic Research)(TIGR)(www.tigr.org)、および/または米国バイオテクノロジー情報センター(National Center for Biotechnology Information)(NCBI)(www.ncbi.nlm.nih.gov)によって管理されるものなどの公共のデータベースへの登録に対応する受託番号を引用するいずれのポリヌクレオチドおよびポリペプチド配列も、その全内容が引用することにより本明細書に組み入れられる。