(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376715
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】自動立体視表示装置およびその駆動方法
(51)【国際特許分類】
G02B 27/22 20060101AFI20180813BHJP
G03B 35/24 20060101ALI20180813BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
G02B27/22
G03B35/24
G02F1/13 505
【請求項の数】14
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2017-533958(P2017-533958)
(86)(22)【出願日】2015年12月18日
(65)【公表番号】特表2018-508807(P2018-508807A)
(43)【公表日】2018年3月29日
(86)【国際出願番号】EP2015080383
(87)【国際公開番号】WO2016102338
(87)【国際公開日】20160630
【審査請求日】2017年6月22日
(31)【優先権主張番号】14200328.4
(32)【優先日】2014年12月24日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(74)【代理人】
【識別番号】100163809
【弁理士】
【氏名又は名称】五十嵐 貴裕
(74)【代理人】
【識別番号】100145654
【弁理士】
【氏名又は名称】矢ヶ部 喜行
(72)【発明者】
【氏名】ヴドヴィン オレクサンドル ヴァレンティノヴィチ
(72)【発明者】
【氏名】クルーン バールト
(72)【発明者】
【氏名】ヨンソン マルク トマス
(72)【発明者】
【氏名】ファン プッテン エイベルト ヘルヤン
【審査官】
右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】
欧州特許出願公開第02597504(EP,A1)
【文献】
特開2006−235415(JP,A)
【文献】
特表2011−524541(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 27/22 − 27/26
G03B 35/24
G02F 1/13
H04N 13/00 − 17/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
単色ピクセルのアレイ、又は、サブピクセルのそれぞれのグループが共にフルカラーピクセルを定める異なる色のサブピクセルのアレイを有するピクセル化された表示パネル、
異なるピクセル又はサブピクセルからの光を異なる空間位置に向けて、それにより、三次元シーンの異なるビューが異なる空間位置において表示されることを可能にするための、前記表示パネル上に配置される、レンズ素子のアレイを有するビュー形成装置、
を有する自動立体視表示装置であって、
前記表示パネルのピクセルは、
内角が70°と110°との間から選択される1つの値である矩形又は平行四辺形のグリッドを形成し、前記矩形又は平行四辺形のグリッドは基本並進ベクトルx及びyで繰り返し、前記基本並進ベクトルx及びyの短い方と長い方とのアスペクト比は0.66と1との間
から選択される1つの値であり、
前記ビュー形成装置は、基本並進ベクトルp'及びq'による規則的なグリッドで繰り返すレンズの二次元アレイを有し、
p' = p
xx + p
yy
q' = -p
yx + p
xy
を満たす(p
x, p
y)として無次元ベクトルpを定義し、
整数n、mに対してベクトルpの成分p
y及びp
xの空間における円形領域を、
と定義し、ここで、
であり、r
n,m = r
0n
-γは各円の半径を定義し、L
n,mは円の中心を定義し、
前記基本並進ベクトルx、y、p'およびq'が、r
0=0.1及びγ=0.75として集合P
1,1、P
2,2又はP
4,4を除外するベクトル空間内にpが入るような値によって選択される、自動立体視表示装置。
【請求項2】
前記基本並進ベクトルx、y、p'およびq'が、r0=0.25及びγ=0.75として集合P1,1を除外するベクトル空間内にpが入るような値を持つ、請求項1に記載の自動立体視表示装置。
【請求項3】
前記基本並進ベクトルx、y、p'およびq'が、r0=0.25及びγ=0.75として集合P2,2を除外するベクトル空間内にpが入るような値を持つ、請求項1又は2に記載の自動立体視表示装置。
【請求項4】
前記基本並進ベクトルx、y、p'およびq'が、r0=0.25及びγ=0.75として集合P4,4を除外するベクトル空間内にpが入るような値を持つ、請求項1から3のいずれか一項に記載の自動立体視表示装置。
【請求項5】
前記基本並進ベクトルx、y、p'およびq'が、r0=1及びγ=0.75として集合P5,5を除外するベクトル空間内にpが入るような値を持つ、請求項1から4のいずれか一項に記載の自動立体視表示装置。
【請求項6】
前記基本並進ベクトルx、y、p'およびq'が、r0=0.25及びγ=0.75として集合P5,5を除外するベクトル空間内にpが入るような値を持つ、請求項5に記載の自動立体視表示装置。
【請求項7】
前記基本並進ベクトルx、y、p'およびq'が、r0=0.25及びγ=0.75として集合P8,8を除外するベクトル空間内にpが入るような値を持つ、請求項1から5のいずれか一項に記載の自動立体視表示装置。
【請求項8】
前記基本並進ベクトルx、y、p'およびq'が、r0=0.35として定義される集合を除外するベクトル空間内にpが入るような値を持つ、請求項1から4のいずれか一項に記載の自動立体視表示装置。
【請求項9】
前記基本並進ベクトルx、y、p'およびq'が、r0=0.35及びγ=0.75として集合P9,18にpが入るような値を持つ、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の自動立体視表示装置。
【請求項10】
前記基本並進ベクトルx、y、p'およびq'が、r0=0.35及びγ=0.75として集合P14,26にpが入るような値を持つ、請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の自動立体視表示装置。
【請求項11】
前記基本並進ベクトルx及びyの短い方と長い方とのアスペクト比は0.83と1との間から選択される1つの値である、請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の自動立体視表示装置。
【請求項12】
前記矩形又は平行四辺形のピクセルのグリッドは、内角が85°と95°との間から選択される1つの値である、請求項1から11のいずれか一項に記載の自動立体視表示装置。
【請求項13】
請求項1から請求項12のいずれか一項に記載の自動立体視表示装置を有する携帯型装置であって、ポートレート表示モード及びランドスケープ表示モードで動作するように設定可能である携帯型装置。
【請求項14】
携帯電話又はタブレット端末である、請求項13に記載の携帯型装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動立体視表示装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
公知の自動立体視表示装置は、表示を生成するための画像形成手段として作用する、表示ピクセルの行と列のアレイを有する2次元液晶表示パネルを含む(ここで、「ピクセル」は典型的に「サブピクセル」のセットを含み、「サブピクセル」は最小の個別にアドレス指定可能な単色のピクセルである)。互いに平行に延びる細長いレンズのアレイは、表示ピクセルアレイの上に重なり、ビュー形成手段として働く。これらは「レンチキュラレンズ」として知られている。表示ピクセルからの出力は、これらのレンチキュラレンズを通して投影され、その機能は、出力の方向を変更することである。
【0003】
ピクセルは、すべての可能な色を生成するためにアドレス指定可能なサブピクセルの最小セットからなる。この説明の目的のために、「単位セル」も定義される。単位セルは、完全なサブピクセルパターンを形成するために繰り返されるサブピクセルの最小セットとして定義される。単位セルは、ピクセルと同じサブピクセルの配列であってもよい。しかしながら、単位セルは、ピクセルより多くのサブピクセルを含むことができる。これは、例えば、サブピクセルの向きが異なるピクセルがある場合である。そして、全体のサブピクセルパターンは、ピクセルより大きな基本単位(単位セル)で繰り返される。
【0004】
レンチキュラレンズは、それぞれが細長い部分円柱形(例えば、半円柱形)レンズ要素を含むレンズ要素のシートとして提供される。レンチキュラレンズは、表示パネルの列方向に延び、各レンチキュラレンズは、2つ以上の隣接する列の表示サブピクセルの上にある。
【0005】
各レンチキュラレンズは、ユーザが単一の立体画像を観察することを可能にする2つの列の表示サブピクセルに関連付けられることができる。その代わりに、各レンチキュラレンズは、行方向に隣接する3つ以上の表示サブピクセルのグループに関連付けられることができる。各グループの表示サブピクセルの対応する列は、それぞれの2次元サブ画像からの垂直スライスを提供するように適切に配置される。ユーザの頭部が左から右に移動すると、一連の連続した異なる立体視が観察され、例えば、回り込んだ印象が生じる。
【0006】
図1は、公知の直視型自動立体視ディスプレイ装置1の概略斜視図である。公知の装置1は、表示を生成する空間光変調器として作用するアクティブマトリックスタイプの液晶表示パネル3を含む。
【0007】
表示パネル3は、表示サブピクセル5の行及び列の直交アレイを有する。分かり易くするために、少数の表示サブピクセル5のみが図に示されている。実際には、表示パネル3は、約千行と数千列の表示サブピクセル5を含むことができる。白黒表示パネルでは、サブピクセルは実際にはフルピクセルを構成する。カラーディスプレイでは、サブピクセルは、フルカラーピクセルの1つのカラーコンポーネントである。一般的な用語に従うフルカラーピクセルは、表示される最小の画像部分の全ての色を生成するのに必要なすべてのサブピクセルを含む。従って、例えば、フルカラーピクセルは、可能であれば、白色サブピクセル又は1つ以上の他の原色のサブピクセルで増強された赤(R)緑(G)及び青(B)のサブピクセルを有することができる。液晶表示パネル3の構造は全く従来通りである。特に、パネル3は、間隔を置いて配置された一対の透明ガラス基板を含み、その間に整列したねじれネマチックまたは他の液晶材料が設けられる。基板は、対向する表面上に透明なインジウム錫酸化物(ITO)電極のパターンを有する。偏光層も基板の外面に設けられる。
【0008】
各表示サブピクセル5は、基板上に対向する電極を含み、その間に介在する液晶材料を伴う。表示サブピクセル5の形状およびレイアウトは、電極の形状およびレイアウトによって決定される。ディスプレイサブピクセル5は、ギャップによって互いに規則的に離間されている。
【0009】
各表示サブピクセル5は、薄膜トランジスタ(TFT)または薄膜ダイオード(TFD)のようなスイッチング素子に関連付けられている 。ディスプレイ・ピクセルは、スイッチング素子にアドレス指定信号を供給することによって表示を生成するように動作され、適切なアドレッシング方式が当業者に知られている。
【0010】
表示パネル3は、この場合、表示ピクセルアレイの領域上に延在する平面バックライトを含む光源7によって照明される。光源7からの光は表示パネル3を通って導かれ、個々の表示サブピクセル5は光を変調して表示を生成するように駆動される。
【0011】
表示装置1はまた、表示パネル3の表示側に配置されたレンチキュラーシート9を備え、レンチキュラーシート9は、光指向機能を果たし、従って、視野形成機能を実行する。レンチキュラーシート9は、互いに平行に延在するレンチキュラー素子11 の列を含み、そのうちの1つのみが明瞭化のために誇張された寸法で示されている。
【0012】
レンチキュラー素子11は、それぞれが素子の円柱の曲率に垂直に延びる細長い軸12を有する凸状のシリンドリカルレンズの形態であり、各素子は、表示パネル3から表示装置1の正面に位置するユーザの目へと異なる画像またはビューを提供する光出力指向手段として働く。
【0013】
表示装置は、バックライト及び表示パネルを制御するコントローラ13を有する。
【0014】
図1に示す自動立体視ディスプレイ装置1は、異なる方向においていくつかの異なる視野ビューを提供することができ、すなわち、 表示装置の視野内の異なる空間位置にピクセル出力を向けることができる。具体的には、各レンチキュラー素子11は、各行の表示サブピクセル5の小さなグループの上に横たわり、ここでは、行はレンチキュラー素子11の細長い軸に対して垂直に延在する。レンチキュラー素子11は、グループの各表示サブピクセル5の出力を異なる方向に投影し、いくつかの異なるビューを形成する。ユーザの頭が左から右に動くと、目は複数のビューの異なるものを順番に受け取る。
【0015】
当業者であれば、液晶材料は複屈折性であり、屈折率スイッチングは特定の偏光の光にのみ適用されるので、光偏光手段を上述のアレイと共に使用しなければならないことを理解するであろう。光偏光手段は、装置の表示パネルまたはビュー形成装置の一部として提供されてもよい。
【0016】
図2は、上述したようなレンチキュラー型のビュー形成装置の動作原理を示し、光源7、表示パネル3およびレンチキュラーシート9を示す。この配置は、それぞれ異なる方向に投影される3つのビューを提供する。表示パネル3の各サブピクセルは、特定の1つのビューの情報で駆動される。
【0017】
上記の設計では、バックライトは静的出力を生成し、すべての視野方向は、レンチキュラー配置によって実行され、空間多重化手法を提供する。パララックスバリアを使用して同様のアプローチが達成される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
レンチキュラー配置は、表示の1つの特定の配向を有する自動立体視効果のみを提供する。しかしながら、多くのハンドヘルド型装置は、ポートレートビューモードとランドスケープビューモードとの間で回転可能である。したがって、固定されたレンチキュラー配置は、異なる表示モードにおける自動立体視効果を可能にしない。特にタブレット、携帯電話および他のポータブルデバイスのための将来の3Dディスプレイでは、多くの方向からおよび異なるスクリーン配向で、3D画像を観察する可能性がある。既存のピクセルデザインによる今のLCDおよびOLED表示パネルは、この用途には適していない。
【0019】
この問題は認識されており、さまざまな解決策がある。
【0020】
ダイナミックな解決策は、様々な方向でビュー形成効果を活性化するために、異なるモード間で切り替えることができる切り替え可能なレンズ構成を提供することを含む。基本的に2つのレンチキュラー配置があり、一方はパススルーモードで動作し、他方はレンズモードで動作する。各レンチキュラー配置のモードは、レンチキュラー配置それ自体を(例えば、LC切り替え可能なレンズアレイを使用して)切り換えることにより、またはレンチキュラー配置に入射する光の偏光を制御することによって、制御されることができる。
【0021】
静的な解決策は、異なる向きで機能するレンズ構成を設計することを含む。簡単な例では、両方の表示方向で複数のビューを作成するために、ディスプレイ内の正方形のサブピクセルの長方形のグリッドとマイクロレンズの長方形のグリッドとを組み合わせることができる (レンズグリッド方向はピクセルグリッド方向に対して傾斜しているか傾斜していない)。サブピクセルの形状は、ポートレート/ランドスケープ方向の個々のビューに対する異なる角度幅の問題を回避できるので、1:1のアスペクト比に近いことが好ましい。
【0022】
この手法の1つの考えられる欠点は、サブピクセル間の黒いマトリックス領域が規則的なパターンとして観察者に投影されるバンディング効果である。部分的には、それは、レンズアレイを傾斜させることによって解決されることができる。具体的には、周期的な黒いピクセルマトリクスの投影に起因するバンディング効果を低減するためには、ピクセルのアドレス指定方向(行/列)に対してビュー形成配列を選択する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明は、特許請求の範囲によって定められる。
【0024】
一例によれば、自動立体視ディスプレイが提供され、この自動立体視ディスプレイは、
単色ピクセルのアレイ、または、サブピクセルのそれぞれのグループがフルカラーピクセルを共に定める異なる色のサブピクセルのアレイを含むピクセル化表示パネルと、
異なるピクセルまたはサブピクセルからの光を異なる空間位置に向けることによって、3次元シーンの異なるビューが異なる空間位置に表示されることを可能にするための、表示パネル上に配置され、レンズ素子のアレイを有するビュー形成装置を有し、
表示パネルのピクセルは、20度以下の90度からの最大内角偏差を有する矩形または平行四辺形のグリッドを形成し、矩形または平行四辺形のグリッドは、基本並進ベクトルxおよびyにより繰り返され、基本並進ベクトルx, yの長さは、長いものと短いものとのアスペクト比が0.66と1の間であり、
前記ビュー形成装置は、基本並進ベクトルp'及びq'による規則的なグリッドで繰り返すマイクロレンズの2次元アレイを有し、
p'= p
xx + p
yy
q'= -p
yx + p
xy
を満たす(p
x, p
y)として無次元ベクトルpを定義し、
整数値n及びmに対して、ベクトルpの成分p
yおよびp
xの空間における円形領域を、
のように定義し、ここで、
であり、
【0025】
r
n,m = r
0 n
-γは各円の半径を定義し、L
n,mは円の中心を定義し、
基本並進ベクトルx、y、p'およびq'は、r
0 = 0.1およびγ= 0.75として集合P
1,1、P
2,2またはP
4,4を除外するベクトル空間にpが入るような値で選択される。
【0026】
言葉では、上記の主な式は次のようになる。
(1行目)P
n,mは、ベクトルvからベクトルpまでの差ベクトルの絶対値(すなわち長さ)が、集合L
n,mのベクトルvの全ての値に対してr
n,mよりも小さいようなpの値の集合に等しい。これは、値L
n,mの集合を中心とする円を定義する。
(2行目)L
n,mは、iとjとを整数値(すなわち正の整数および負の整数およびゼロ)の2次元ベクトル空間のベクトルとして、ベクトル値i + j/nの集合であり、かつ、jベクトルに適用されるベクトル内積関数は解mを与える。ベクトル内積関数は、i = [i j]
Tとすると<i, i>=i
2+j
2である。
【0027】
ベクトルpは、ピクセル(またはサブピクセル)グリッドとレンズのグリッドとの間の空間的関係を定義する。したがって、ピクセル(またはサブピクセル)とレンズとの間のマッピングを定義する。特に、ベクトルpの成分は、(xおよびyによって定義される)ピクセルグリッドベクトル空間および(p'およびq'によって定義される)レンズグリッドベクトル空間からの行列変換の項である。「ピクセルグリッド」という用語は、ピクセルのグリッド(各ピクセルが1つのアドレス指定可能な要素のみを有する場合)またはサブピクセルのグリッド(各ピクセルが複数の独立してアドレス指定可能なサブピクセルを有する場合)を示すために使用されることに留意されたい。ベクトルpの成分は、次に、どのようにそれぞれのピクセル(またはサブピクセル)がそれぞれのレンズ位相に寄与するか、およびブラックマスク領域がレンズグリッドによってどのように結像されるかを規定する。したがって、ベクトルpは、レンズとピクセルとの間の関係を定義する最も基本的な方法であると考えることができる。
【0028】
「基本並進ベクトル」とは、ピクセルまたはレンズ領域内の1点から隣接するピクセルまたはレンズ領域内の対応する点へのベクトル変換を意味する。レンズ領域とピクセル領域は2次元であるため、各グリッド方向に1つずつ2つの並進ベクトルがある。長方形グリッドの場合、基本並進ベクトルは、直交する行方向および列方向にある。歪んだグリッドの場合、基本並進ベクトルは直交していないが、グリッドの行と列の方向に従う。
円形領域は、ベクトルpの成分に対して可能な値の集合を定義し、したがって、関連特性の領域を定義する。P
1,1として定義された領域を除外することにより、バンディング問題が防止される。
例えば、P
1,1領域の中心は、ピクセルグリッドとレンズグリッドとの間の整数関係を有するモノクロパネルから得られるpの値を含む。例えば各レンズの下にサブピクセルの整数アレイを有する他の慣例的なパネル設計、及び分数設計は、P
1,1、P
2,2またはP
4,4 領域の中心に位置するpの値に対応する。
【0029】
このようにして、本発明は、上述のバンディング問題を解決し、良好な性能を有する回転可能なマルチビュー自動立体視3Dディスプレイを可能にする表示パネルレイアウトのための設計パラメータを提供する。
【0030】
基本並進ベクトルx、y、p'、q'は、r
0 = 0.25, γ= 0.75として、pが集合P
1,1中にないような値を持つことができる。
【0031】
基本並進ベクトルx、y、p'、q'は、r
0 = 0.25, γ= 0.75として、pが集合P
2,2中にないような値を持つことができる。
【0032】
基本並進ベクトルx、y、p'、q'は、r
0 = 0.25 , γ= 0.75として、pが集合P
4,4中にないような値を持つことができる。
【0033】
基本並進ベクトルx、y、p'、q'は、r
0 = 0.25 , γ= 0.75として、pが集合P
5,5中にないような値を持つことができる。
【0034】
基本並進ベクトルx、y、p'、q'は、r
0 = 0.25 , γ= 0.75として、pが集合P
8,8中にないような値を持つことができる。
【0035】
これらの異なる領域は、漸進的に良好なバンディング性能を示し、その結果、ベクトルpの設計空間において漸進的により多くの領域を除外することによって、残りの設計オプションにより、より優れたバンディング性能が得られる。
【0036】
基本並進ベクトルx、y、p'、q'は、r
0 = 0.35として上記で定められるような集合中にpがないような値を持つことができる。これは、各除外ゾーンのより大きな半径を定義し、したがって、残りの設計スペースを小さくする。
【0037】
ベクトルpのためのベクトル空間には好ましい領域もある。一例では、基本並進ベクトルx、y、p'、q'は、r
0 = 0.35 , γ= 0.75として、pが集合P
9,18中にあるような値を持つことができる。
【0038】
別の例では、基本並進ベクトルx、y、p'、q'は、r
0 = 0.35, γ= 0.75として、pが集合P
14,26中にあるような値を持つことができる。
【0039】
上述したように、ピクセルグリッドは好ましくは正方形に近い。例えば、矩形または平行四辺形は、長辺と短辺の長さのアスペクト比が0.83と1との間であってもよい。矩形または平行四辺形は、5度以下の90度からの最大内角偏差を有することができる。
【0040】
表示装置は、携帯型装置で使用されてもよく、携帯型装置は、ポートレート表示モードおよびランドスケープ表示モードで動作するように構成可能である。それは、携帯電話またはタブレットであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0041】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して、純粋に一例として以下に説明する。
【
図1】公知の自動立体視ディスプレイ装置の概略斜視図。
【
図4】四角形ピクセルアレイの上に重ねられたレンズグリッドを示し、ピッチベクトルpはそれらの間の関係を定義する。
【
図5】ピクセルアレイ及びレンズグリッドを特徴付けるために使用されるパラメータのグラフ説明。
【
図6】与えられたピッチベクトルpに対する可視バンディングのプロットを示す図。
【
図7】
図6のプロットからの領域の第1の可能な特徴評価を示す図。
【
図8】
図6のプロットからの領域の第2の可能な特徴評価を示す図。
【
図9】異なるレンズ設計に対する
図3(c)の2Dピクセルレイアウトの3Dピクセル構造のレイトレースレンダリングシミュレーションを示す図。
【
図10】
図9a-dの場合と同じ例について、2次元でのレンズ位相の関数として明度(L*)をプロットした図。
【
図11】
図9a-dと同じ例についてプロットされた色ずれを示す図。
図3a-
図3eおよび
図4は、正方形のピクセルグリッドおよびレンズグリッドを示すことを意図しており、
図5-8は円形領域を示すことを意図していることに留意されたい。正方形と円形の表現からの歪みは、不正確な画像再現の結果である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明は、単一色ピクセルのアレイまたは異なる色のサブピクセルのアレイを含むピクセル化された表示パネルと、レンズ素子のアレイを含むビュー形成装置とを備えるオートステレオスコピックディスプレイを提供する。ピクセルは、正方形(またはほぼ正方形)のグリッドを形成し、レンズも正方形(またはほぼ正方形)のグリッドで繰り返される。ピクセルグリッドとレンズグリッドとの間のマッピングに関連するベクトルpが定義される。このベクトルpに対して、バンディング性能が良好または不良である2次元空間内の領域が識別されて、より良好なバンディング性能領域が選択される。
【0043】
以下の説明では、規則的な4倍対称の本質的に正方形のグリッド上のピクセルを有し、その上に規則的な4倍対称グリッドの素子も有する光変調器がある表示パネルの設計が議論される。説明目的のために、いくつかの定義が必要である。特に、パネルの座標系(すなわち、ピクセルグリッド)を定義する必要があり、ビュー形成装置の座標系は、パネルの座標系に対する幾何学的(物理的)座標および論理的座標に関して定義される必要がある。
【0044】
図3は、さまざまな可能なピクセルグリッドを示している。各例は、この説明で使用される定義を使用して、最小単位セル30(すなわち、上で定義したようにサブピクセルパターンを形成するために繰り返すサブピクセル31の最小セット)およびピクセル32を示す。ピクセル32は、ピクセルサイズおよび形状が2つの直交する方向において同じであるように、すべての原色の最小正方形配列である。
【0045】
サブピクセルは正方形で示されている。しかし、実際のサブピクセルの形状は異なっていてもよい。例えば、実際のピクセル開口は、典型的には、例えば、アクティブマトリクスディスプレイパネルの場合のスイッチングトランジスタのようなピクセル回路素子のサイズおよび位置に依存するので、不規則な形状となる。重要なのは、個々のピクセルまたはサブピクセルの正確な形状ではなく、ピクセルグリッド形状である。
【0046】
ピクセルピッチベクトルxおよびyも示されている。これらは、それぞれ行方向と列方向に隣接するピクセル中心間の並進ベクトルである。最も小さい単位セル30内の文字は、R =赤、G =緑、B =青、W =白色の原色を示す。
【0047】
図3(a)はRGGB単位セルとRGGBピクセルを示し、
図3(b)はRGBGBGRG単位セルとRGBGピクセルを示し、
図3(c)はRGBW単位セルとRGBWピクセルを示し、
図3(d)はRGBWBWRG単位セルとRGBWピクセルを示し、
図3(d)はW単位セルとWピクセルを示す。
【0048】
ピクセルグリッドは、2つのベクトルxおよびy(以後、ピクセルピッチベクトルと呼ぶ)に基づいて定義される。ベクトルは、長さの単位(例えば、メートル)を有する格子マトリックスX = [x、y]を形成する。最も小さい単位セルを含むピクセルの複数の可能な定義が存在するが、この説明のためには、ピクセルはほぼ正方形である。したがって、Xはサブピクセルのほぼ正方形の領域を形成するように選択されるべきである。
図3(a)?(d)に示すように、カラー表示の場合、ピクセル定義は、最も単純には、2×2のサブピクセルを有する領域をもたらす。
図3(b)および(d)のように単位セルが大きくなると、ピクセルグループは回転または鏡映して見え、大きな単位セルを形成するが、これらの場合もxは2×2の領域のままである。モノクロ表示の場合、ピクセルは単一のサブピクセルの領域である。
【0049】
ピクセルは完全に正方形である必要はない。それらはほぼ正方形であってもよく、これは、任意の角度にわたる回転、限定されたシアーまたは限定された伸びが範囲内にあることを意味すると解釈される。アスペクト比は、
のように定義され、
グリッドの角度は
である。
【0050】
そしてせん断は|θ−90°|として表される。したがって、ほぼ正方形のグリッドでは、a≒1, |θ-90°|≒0°である。
【0051】
例えば、aは好ましくは0.9と1.1との間であり、θは80度と100度との間である(もちろん、1対のコーナー角が80度であれば、他方の対は100度である)。
【0052】
レンズグリッドを定義するために、レンズピッチベクトルを定義することができる。
【0053】
図4は、
図3(a)および(c)のように、ピクセル32ごとに2×2のサブピクセル31を有する正方形ピクセルアレイ40の上に重ね合わされたレンズグリッド42を示す。4つのサブピクセル31の各ピクセルグループのうちの1つが強調表示される(すなわち、白く示される)。ベクトルxおよびyは、上で説明したように、そのグリッドのピクセルピッチベクトルである。レンズグリッド42は、正方形のグリッド上に組織された球面レンズ44を備えたマイクロレンズアレイを含む。ベクトルp'およびq'は、そのグリッドのピッチベクトルである。それらはピクセルピッチベクトルの線形結合によって形成される。
【0054】
メートル単位の物理レンズピッチベクトルの代わりに、論理的および無次元のレンズピッチベクトルを、選択されたp
x及びp
yに対して、p = (p
x, p
y)およびq = (-p
y, p
x)のように定義することができる。
【0055】
(例えばメートル単位の)幾何(物理)ピッチベクトルp'及びq'は、論理レンズピッチベクトルに関して、p' = Xp = p
xx + p
yy、q' = Xq = -p
yx + p
xyのように定義される。
【0056】
ピクセルグリッドの変形は、レンズグリッドの等しい変形に反映されるべきである。なお、<p, q> = 0ではあるが、<x, y> = を要求していないので、必ずしも<p', q'> = 0ではない。同様に、|p| = |q|であるが、必ずしも|p'| = |q'|である必要はない。
【0057】
この説明の目的のために、領域が、整数値n及びmに対してP
n, mとして定義される。これらの領域は、複数の円で構成され、それ自体が円のグリッド上に配置される。
【0058】
そのような領域は、
によって定義される。
【0059】
p-ν項は、νからpまでのベクトルの長さを指定し、したがって、不等式は、vで定義される中心を有する円の集合を定義する。vはそれ自体L項の集合によって定義されるベクトルの集合である。これは、2次元ベクトルiおよびjを構成する整数値に課された条件の結果として、離散数のメンバーを有する。
【0060】
ここで、r
n,m = r
0 n
-γは、各円の半径である。したがって、この半径はnの増加とともに減少する。L
n,mは中心の集合を定義し、<i, i>は内積を表し、i = [i, j]
Tの場合、<i, i> = i
2 + j
2である。また、簡潔表現P
n=P
n,nも定義する。なお、<j, j> = kが有効となる整数i及びjの可能な組み合わせが存在しない整数kが存在する。その結果、P
3, P
6及びP
7の集合は空である。
【0061】
一例として、L
5,5からP
5を調査することができる。
として、全てのi = [i j]
Tを示す(ここで、i及びjは整数(正、ゼロ又は負)である)。
に対する解の集合は、
である。
【0062】
図5には、ガウス整数およびその逆格子としてjおよびj/nの図形的説明がそれぞれ示されている。
【0063】
図5(a)中の各点には、ガウス整数
の座標が標識付けされている。ここで、
であり、ノルムN(g) = a
2 + b
2である。
図5(b)は同じ点で構成されているが、点の座標はノルムで除算されており、したがって、jではなくj/nに対応する。
【0064】
上記のjに対する解の集合からの任意の組み合わせi + j/nは、L
5,5中にある。2つの例は、
である。領域P
5は、r
5 = r
0 5
-γの中心及び半径の円形領域からなる。なお、
に対して8つの解が存在するので、各P
1円の周りに8つのP
5円が存在する。
【0065】
ほぼ正方形のグリッド上にピクセルを有する回転可能なディスプレイのバンディングの問題を最小限に抑えるために、ビュー形成装置のアレイ(典型的にはマイクロレンズアレイ)がピクセル座標に関して方向pによって記述されることができる正方形のグリッドを形成する ディスプレイのデザインが提示される(ここで、pはバンディングを生じる領域P
nの外側で選択される)。
【0066】
バンディング問題を分析するために、2つのモデルが使用された。第1のモデルは、ピクセル構造およびレンズ構造の両方における空間周波数の分析に基づいており、第2のモデルは、レイトレーシングに基づいている。
【0067】
第1のモデルは、モアレ方程式および可視性関数を使用して、与えられたピッチベクトルpに対する可視バンディングの量を推定する。
【0068】
このモデルでは、
図6のようなマップが得られ、より明るい領域がより多くのバンディングを(ログスケールで)示す。
図6はp
y対p
xをプロットする。実際のマップは、マイクロレンズの視角やピクセル構造などのパラメータに依存することを理解されたい。
図6のマップは、全ピクセル面の1/8の開口を有する単一の発光領域を有するピクセル、レンズ開口に対応するガウス型レンズ点広がり関数(PSF)、及び、20arcsecの一定のレンズ視角の場合に対して生成されている。
【0069】
PSFスケーリングの結果として、より正確な焦点のために、より小さい|p|(
図6の左上の部分)に対してより多くのバンディング成分が見える。様々なバンディング"ブロブ"の強さは実際のピクセル構造(
図3参照)に依存するが、ブロブの位置は常に同じであることが観察されている。
【0070】
本発明は、このバンディングマップの構造の大部分が、より高いnを有するP
nがより小さい領域に対応するP
n領域を用いて説明できるという認識に部分的に基づいている。顕著なバンディングを有する領域の大部分が、P
1 ... P
8によって説明される。
【0071】
半径r
0=0.35及びγ=0.75をこのマップにフィッティングすることにより、
図7に示される画像が得られる。他の状況では、バンディングはより少なく、結果として、r
0 = 0.25で十分に厳しい。
図8は、
図5のマップに半径r
0 = 0.25をフィッティングした結果を示す。
【0072】
図7および
図8では、好ましい領域がプロットされている(すなわち、P
9,18及びP
14,26)。これらの領域は、r
0 = 0.35によって最良に表される。
【0073】
本発明は、バンディングを生じさせるゾーンを回避すること、すなわち、ベクトル p = (p
x, p
y)の特定の範囲の値を避けることに基づいている。
【0074】
回避すべき第1の領域は、最大のバンディングを生じる領域P
1(すなわち、P
1,1)である。
図8では、半径の値が小さいほど除外ゾーンは小さくなる。したがって、除外する第1のゾーンは、r
0 = 0.25に基づく。
【0075】
ピクセルグリッドとレンズグリッドの間の関係を設計するときに除外するゾーンは次のとおりである。
1.半径r
0 = 0.25及びγ = 0.75で
2.上記でさらに
3.上記でさらに
4.上記でさらに
5.上記でさらに
6.上記の何れかであるが半径r
0 = 0.35
【0076】
領域を除外することによって残された空間内には、広範囲のパラメータに対してバンディングが特に低いため、特に関心のある領域がある。これらの領域は次のとおりである。
1.半径r
0 = 0.35でp∈P
9,18
2.半径r
0 = 0.35でp∈P
14,26
【0077】
好ましくは、サブピクセルは正方形のグリッド上にあるが、小さな変化が可能である。アスペクト比は、好ましくは2/3≦a≦3/2に制限され、またはより好ましくは5/6≦a≦6/5に制限される。正方形/矩形から菱形/平行四辺形へのグリッドの剪断は、好ましくは、|θ-90°|≦20°、またさらには|θ-90°|≦5°である。
【0078】
本発明を説明するためのモアレ方程式の代替案は、完全に白い画像を表示するレンズを有するディスプレイのモデルを光線追跡することである。
【0079】
図9は、
図3(c)の2Dピクセルレイアウトのためのそのようなレンダリングを示す。バンディングなしの設計のレンダリングは平均すると白であるように見えるが、バンディングを有する設計では、輝度および/または色は、ビューアの位置(すなわちレンズ位相)に依存する。
【0080】
図9(a)は、あるレンズ位相に対するP
1領域におけるレンズ設計のレンダリングを示す。
図9(a)の描写には示されていないが、白色及び青色の原色の大部分が欠落している。
図9(b)は、平均量より多くのブラックマトリクスが見えるレンズ位相のP
2領域におけるレンズ設計のレンダリングを示す。
図9(c)は、ブラックマトリクスがほとんど見えないレンズ位相のP
4領域におけるレンズ設計のレンダリングを示す。
図9(d)は、このおよび他のすべての位相に対するこのパッチ内の(実質的に)等しい原色分布を持つP
14,26中心のレンズ設計のレンダリングを示す
。
【0081】
図9に示すようなパッチは、異なるレンズ位相(特定の観察位置に対する視野を生成する役割を果たすレンズ位置を意味する)が異なるサブピクセル分布を生じさせるので、様々なレンズ位相に対してレンダリングされることができる。より効果的なのは、そのようなパッチごとに平均CIE 1931 XYZカラー値を計算することである。その意味から、知覚バンディング効果を比較する定量的手段を与えるCIE L*a*b*色値を計算することができる。
この知覚色空間では、2つの色値間のL
2距離(以下ΔEで示す)は、それらの色の間の知覚される差を示す。
【0082】
ターゲットは(L*, a*, b*)=(100,0,0)に対応する白である。
【0083】
図10において、明るさ(L*)が、
図9と同じ例について、異なる観察者位置にレンズによって投影された異なるビューに対応する2次元のレンズ位相の関数としてプロットされている。無次元レンズ位相変数は、(0,1)の範囲の値を有する ピクセルグリッドとレンズグリッドの周期性により、レンズ位相0と1は同じ生成されたビューに対応する。ディスプレイは2Dマイクロレンズアレイを使用するので、レンズ位相自体も2Dである。
【0084】
図11では、同じ例について色誤差(ΔE)が再びプロットされている。
【0085】
状況に応じて、ΔE≒1が表示される。
図10(d)および11(d)のバンディングフリーの例は、均一なL*=100およびΔE≒0としてそれぞれ現れ、一方他の例は、観察者の位置(すなわち、レンズ位相)によって色が変わるので、明らかにバンディングを伴う。ディスプレイは2Dマイクロレンズアレイを使用するので、レンズ位相自体も2Dである。
【0086】
プロットは、位相空間全体にわたってΔEの二乗平均平方根(RMS)値を取ることによって要約することができる。
【0087】
以下の表では、これが、上で説明したバンディングモデルにしたがって、除外されるべきまたは含まれるべき領域に対応する点のリストに対して行われた。
【0088】
この表から、2つのモデルがバンディング予測の点でほぼ一致していることは明らかである。肯定的な領域は、低いΔE
RMS値を有し、(最小の序数を有する)最も否定的な領域は、最も高いΔE
RMS値を有する。
【0089】
上記の最初のモデルはバンディング効果の概要を示し、2番目のモデルは詳細と視覚化を提供する。
【0090】
本発明は、自動立体視3Dディスプレイの分野、より詳細には全視差回転可能多視点自動立体視ディスプレイに適用可能である。
【0091】
本発明は、ピクセルグリッドとレンズグリッドとの間の関係に関する。これはどんなディスプレイ技術にも適用されることができる。
【0092】
開示された実施形態に対する他の変更は、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の研究から、クレームされた発明を実施する上での当業者によって理解され、達成され得る。特許請求の範囲において、「含む(comprising)」という単語は他の要素またはステップを排除するものではなく、不定冠詞「a」または「an」は複数を排除しない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これらの手段の組み合わせが有利に使用できないことを示すものではない。特許請求の範囲における参照符号は、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。