(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来より、アクリル系粘着テープは、耐候性、耐光性、耐油性等に優れ、また、粘着力
、凝集力等の粘着特性、及び耐熱性、耐候性等の耐老化性に優れているため広く用いられ
ている。具体的には、家電製品、自動車、建材等の各種産業分野における接合材料として
幅広く使用されている。
ところが、従来のアクリル系粘着テープは、高い接着強度を有するが故に被着体から接
着部を剥離するのが困難であった。
【0003】
そこで、例えば特許文献1〜2に記載されているようなフィルムが提案されている。特
許文献1に記載されている接着フィルムは、光照射により硬化し、三次元網状化する性質
を有する感圧性接着剤層を有する接着フィルムであって、被着体から接着部を剥離する際
には、光照射することで容易に剥離が行えるものである。
【0004】
また、特許文献2に記載されている接着性シートは、熱膨張性マイクロカプセルを含有
する接着剤を基材シートの片面に設けた接着性シートであって、被着体から接着部を剥離
する際には、該シートを加熱し、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させることで接着部で
の接着性を低下させ、剥離するというものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の熱剥離性粘着フィルム
の製造方法は、基材フィルム上に導電層を介して粘着層を積層させた熱剥離性粘着フィルム
の製造方法において、該導電層は、化学的酸化重合により形成された導電性ポリマー層であり、該粘着層は、アクリル系粘着剤と熱膨張性マイクロカプセルを含む層であり、前記熱膨張性マイクロカプセルにおける殻(シェル)は、アクリロニトリル(AN)系樹脂であることを特徴とする。
【0013】
[導電層]
本発明の導電層は、熱剥離性粘着フィルムにおける粘着層の表面に帯電防止性や導電性を発現するために設けた層であり、具体的には該粘着層の表面抵抗値が10
10Ω以下、好ましくは10
10〜10
8Ωとなるように設けた層である。
そして、該粘着層の表面抵抗値を10
10Ω以下とすることにより、被着体へ該粘着層を貼り付ける際、或いは被着体から該粘着層を剥離する際に発生する静電気を抑制することができ、被着体への貼り付けや、被着体からの剥離を容易に行える上、自動機械で被着体から該粘着層を剥離する際も容易に行える。また、従来の粘着フィルムを被着体から剥離する際、剥離角度を設けて剥離を行っていたが、本発明の熱剥離性粘着フィルムであれば、剥離角度を設ける必要なく剥離が可能のため、熱剥離性粘着フィルムの形状を自由にデザインでき、省スペース化が可能である。
なお、本発明の熱剥離性粘着フィルムにおいて、基材フィルム上に導電層を介して粘着層を設けると、該粘着層の表面に帯電防止性や導電性を発現できるが、その理由について次のようなことが要因として考えられる。本発明の粘着層に含有されるマイクロカプセルの殻(シェル)を構成する樹脂が極性を有するものであり、結果、該殻(シェル)が導電パスとして電子の移動を助け、導電層と粘着層間での電子移動を促進させ、粘着層表面に帯電防止性や導電性を発現しているものと考えられる。
【0014】
また、導電層の表面抵抗値は10
5Ω以下にするのがよく、10
5Ωを超えた場合、該熱剥離性粘着フィルムにおける粘着層の表面抵抗値が10
10Ωを超えてしまい、マイクロカプセルを熱膨張させた後、被着体から熱剥離性粘着フィルムを剥離する際、剥離帯電により発生する静電気が該粘着層に多く帯電するので、被着体から該熱剥離粘着性フィルムを剥離し難くなると共に、電気・電子部品関連のデバイスに放電し、デバイスを破壊する虞がある。
一方、例えば表面抵抗値が10
5Ω以下である導電剤とバインダー樹脂を含有する導電塗料を基材フィルム上に塗工し、得られた導電性フィルムの導電塗料層上に、マイクロカプセルを含有する粘着層を設けた場合、導電層におけるバインダー樹脂が導電塗料層と粘着層間での電子移動を阻害し、結果、粘着層の表面抵抗値が10
10Ωを超えてしまうものであった。そこで、本発明の導電層は、バインダーレスの導電層とし、具体的には化学的酸化重合により形成された導電性ポリマー層から構成されるものである。
【0015】
本発明の導電層は、化学的酸化重合により形成された導電性ポリマー層であり、具体的にはπ電子共役系モノマーを基材フィルム表面と接触させて酸化剤の存在下に重合せしめることにより形成された層である。
また、該導電性ポリマー層は、分子構造中に共役二重結合を有するものであり、繰り返し単位20〜200程度と推定されるπ電子共役系導電性ポリマーからなるものである。
【0016】
また、導電性ポリマー層を形成する手段は、π電子共役系モノマーを基材フィルム表面と接触させて酸化剤の存在下に重合せしめる方法(化学的酸化重合法)があり、例えば特開昭62−275137号公報に示されているように、上記のモノマーに導電性に応じて無機酸、有機スルホン酸等のドーパント、酸化剤を加えた溶液中へ、基材フィルムを浸漬させてモノマーを重合させて(浸漬重合法)、基材フィルム表面に導電性ポリマーを直接析出させて導電性ポリマー層を形成する手段を用いることが好ましい。浸漬重合法を用いると基材フィルム表面に上記のπ電子共役系ポリマーのみを密着性良く被覆させることができる。なお、導電性ポリマー層の厚みは、0.02〜1.0μmがよい。
【0017】
前記π電子共役系モノマーとしては、分子中に共役二重結合を有し、酸化によって重合を起こし、π電子共役系ポリマーを形成し得るものであり、このようなモノマーとしては、上記方法でモノマーを重合させポリマーを基材フィルムの表面に被覆させて複合一体化させられるものが好ましく、例えばチオフェン、アニリン、アニリン誘導体、N−メチルピロール、3−メチルピロール、3−メチルチオフェン、3−メチルインドールなどを用い、反応性や加工性の観点から特にピロール系モノマーやアニリン系モノマーが好ましく用いられる。ピロール系モノマーとしてはピロール、3-メチルピロール、N-メチルピロール等が挙げられ、アニリン系モノマーとしてはアニリン、メチルアニリン、フェニルアニリン、アミノベンゼンスルホン酸などが挙げられる。
【0018】
前記ドーパントとしては、一般に使用されるアクセプター型ドーパントなら適宜使用できる。例えば、パラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロベンゼンスルホン酸、ジクロロベンゼンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸、イソプロピルナフタレンスルホン酸、スルホサリチル酸などが挙げられ、特にパラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロナフタレンスルホン酸などに代表される芳香族スルホン酸またはそのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩)が好ましく挙げられ、特にパラトルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸などの芳香族スルホン酸またはそのアルカリ金属塩(ナトリウム塩)が好ましく、単独もしくは複合で用いることが出来る。
【0019】
前記酸化剤としては、モノマーの重合を促進する物質が一般に使用できる。例えば、ペルオクソ二硫酸アンモニウム、ペルオクソ二硫酸カリウム等のペルオクソ二硫酸塩;塩化第二鉄、硫酸第二鉄、硝酸第二鉄、ベンゼンスルホン酸第二鉄、パラトルエンスルホン酸第二鉄、トリフルオロメタンスルホン酸第二鉄等の第二鉄塩;過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等の過マンガン酸塩;重クロム酸ナトリウム、重クロム酸カリウム等の重クロム酸塩等が挙げられ、単独もしくは複合で用いることが出来る。
【0020】
[粘着層]
本発明の粘着層は、被着体に対して剥がれない程度に粘着することができると共に、被着体から剥離する場合には容易に剥離することができる層である。また、通常、被着体から粘着フィルムを剥離する場合、剥離角度を設けなければ被着体から粘着フィルムを剥離するのは難しいが、本発明の熱剥離性粘着フィルムであれば、剥離角度が0度に近い状態であっても、剥離が容易であると共に、剥離時の帯電も発生し難いものである。
そして、粘着層は、アクリル系粘着剤と、熱膨張性マイクロカプセルを含む層であり、例えばアクリル系粘着剤と、熱膨張性マイクロカプセルと、溶媒を含む塗工液を基材フィルム上に塗工することにより設けることができる層である。
【0021】
(アクリル系粘着剤)
本発明のアクリル系粘着剤としては、例えば水酸基価20mgKOH/g以上で、且つ酸価5mgKOH/g以下のものを使用するのが好ましい。その理由は、アクリル系粘着剤、熱膨張性マイクロカプセル、溶媒を含む塗工液において、熱膨張性マイクロカプセルの分散性をよくし、熱膨張性マイクロカプセルの凝集物を生成させない上、この塗工液を基材フィルム上に塗工後も、熱膨張性マイクロカプセルの凝集物を生成させず、粘着層の表面を平滑にすることができ、粘着性を均一とすることができるからである。
なお、粘着層は、被着体に対して粘着力が50〜500[単位:g/25mm]の範囲に調整するのがよい。
【0022】
また、水酸基価が20mgKOH/g未満の場合、熱膨張性マイクロカプセルを分散させるのが不十分となり易い。このようになる理由は定かではないが、水酸基価が20mgKOH/g未満であると、極性の低い熱膨張性マイクロカプセルがアクリル系粘着剤の凝集力を上回り、結果、熱膨張性マイクロカプセルの凝集物を生成させ易くするものと考えられる。
【0023】
また、酸価が5mgKOH/gを超える場合、熱膨張性マイクロカプセルを分散させるのが不十分となり易い。このようになる理由も定かではないが、酸価が5mgKOH/gを超えると、熱膨張性マイクロカプセル自身が持つ極性と合わさり、凝集力を助長させてしまうことが考えられる。
【0024】
また、アクリル系粘着剤としては、アクリル酸アルキルエステル(例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s-ブチルエステル、t-ブチルエステル、ペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2-エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、ペンタデシルエステル、ヘキサデシルエステル、ヘプタデシルエステル、オクタデシルエステル、ノナデシルエステル、エイコシルエステルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル)、及び(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル(例えばシクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステルなどのシクロアルキルエステルなど)が挙げられ、これら単量体成分を単独または複数用いて、単独重合体または共重合体をベースポリマーとしたものを使用することができる。
【0025】
(熱膨張性マイクロカプセル)
本発明の熱膨張性マイクロカプセルは、被着体から粘着層を剥離する際、熱膨張性マイクロカプセルを含有する粘着層を加熱することにより、熱膨張性マイクロカプセルが熱膨張し、被着体と接している粘着部の粘着性を低下させ、剥離を容易にするものである。
この熱膨張性マイクロカプセルとしては、液状の低沸点炭化水素からなる核(コア)を熱可塑性高分子からなる殻(シェル)で包み込んだマイクロカプセルを使用することができ、膨張率が50〜100倍で、平均粒径が5〜50μmのものを使用するのが好ましい。
【0026】
また、本発明の熱膨張性マイクロカプセルにおける殻(シェル)は、熱可塑性高分子で構成されており、例えばアクリロニトリル(AN)系樹脂などのニトリル系樹脂やアクリル系樹脂を挙げることができ、殻の膜厚は2〜15μmの範囲のものが好ましい。
そして、殻(シェル)としては、極性の高いアクリロニトリル(AN)系樹脂を使用するのが好ましい。その理由は定かではないが、極性の高いアクリロニトリル(AN)系樹脂からなる殻(シェル)を使用することにより、殻(シェル)が導電パスとして電子の移動を助け、導電層と粘着層間での電子移動を促進させ、粘着層表面に帯電防止性や導電性を発現しているものと考えられる。
【0027】
また、熱膨張性マイクロカプセルを膨張させるための加熱温度は、熱膨張性マイクロカプセルを構成する殻(シェル)の材質や厚み、又は核(コア)の成分に由来し、発泡開始温度に則した加熱温度を設定する必要がある。概ね90〜180℃の温度範囲で発泡開始するものを使用するのが望ましい。
【0028】
(溶媒)
粘着層を設けるための塗工液において溶媒を用いているが、この溶媒としては極性のある有機溶媒を用いるのが好ましい。極性のある有機溶媒は、粘着層を形成するための塗工液中での熱膨張性マイクロカプセルが凝集し難くするための分散助剤として作用すると共に、塗工液中では熱膨張性マイクロカプセルが凝集せず均一な分散液であったが、基材フィルム上に塗工すると、熱膨張性マイクロカプセルが凝集してしまう場合があり、このような塗工後の熱膨張性マイクロカプセルの凝集を防ぐことができるものでもある。
また、このように極性溶媒が、塗工前後で熱膨張性マイクロカプセルの凝集を防ぐ理由は定かではないが、熱膨張性マイクロカプセルは極性が低いので、そこに極性の高い溶媒を用いると、熱膨張性マイクロカプセルよりも極性の高い溶媒同士が引き合うため、熱膨張性マイクロカプセルが凝集し難くなるものと考えられる。
【0029】
本発明の極性のある有機溶媒としては、例えばシクロヘキサノール(SP値=11.4)、酢酸エチル(SP値=9.1)、ジアセトンアルコール(SP値=11.4)、ジメチルスルホキシド(SP値=12.3)などを使用することができる。なお、ここでいう「SP」とは、「Solubility Parameter:溶解度パラメータ」である。
【0030】
本発明の粘着層を形成するための塗工液は、アクリル系粘着剤、熱膨張性マイクロカプセル、極性のある有機溶媒を含有する分散液であって、その分散液の粘度は500〜5000cpsの範囲に調整するのが好ましい。粘度が高すぎると、基材フィルム上へ形成する粘着層表面の平滑性が失われ易く、粘度が低すぎると、粘着層の厚みを均一にするのが難しい。
また、塗工液を基材フィルム上へ塗布する方法は、例えばグラビアコート、ダイヘッドコート、リバースコート、コンマコート、エアナイフコート、メイヤーバーコートなど公知の方法により、塗布することができる。なお、粘着層の厚みは15〜100μm、好ましくは25〜50μmとなるように基材上へ塗布すればよい。
【0031】
[基材フィルム]
本発明の基材フィルムは、特に制限は無いが、例えばポリオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリナフタレートなどのポリエステル系樹脂、ポリイミド系樹脂などを使用することができる。
【実施例】
【0032】
(実施例1)
先ず、π電子共役系高分子モノマーとしてピロールモノマー (広栄化学工業(株)社製のピロール)1wt%、酸化重合剤兼ドーパント剤としてパラトルエンスルホン酸第二鉄(テイカ(株)社製のパラトルエンスルホン酸第二鉄)5wt%をそれぞれ加えた水溶液中へ、ポリエチレンテレフタレート基材フィルム(ユニチカ(株)社製のエンブレットS)を浸漬させ、ピロールモノマーを化学的酸化重合法により重合させ、該基材フィルムの両面にポリピロールからなる導電層を直接析出させ、導電性フィルムを得た。
続いて、熱硬化型アクリル系粘着剤(昭和電工(株)社製のビニロールPSA SV−6850:水酸基価22mgKOH/g、酸価4mgKOH/g)100重量部に、イソシアネート架橋剤(日本ポリウレタン(株)社製のコロネートL−55E)を5重量部、加熱発泡型マイクロカプセル(松本油脂製薬(株)社製のマイクロスフィアF−35:シェル(殻)がアクリロニトリル樹脂)を2重量部、極性溶媒であるジアセトンアルコール(三協化学(株)社製のDAA)を20重量部それぞれ加えて、粘度が2000cpsの塗工液を作製した。
続いて、前記導電性フィルムの片面上に、作製した塗工液をコンマコーターで乾燥厚みが30μmとなるように塗工し、熱剥離性粘着フィルムを得た。
【0033】
(比較例1)
ポリエチレンテレフタレート基材フィルム(ユニチカ(株)社製のエンブレットS)の片面上に、実施例1において作製した塗工液をコンマコーターで乾燥厚みが30μmとなるように塗工し、熱剥離性粘着フィルムを得た。
【0034】
(比較例2)
ポリエチレンテレフタレート基材フィルム(ユニチカ(株)社製のエンブレットS)の片面上に、ポリピロール系塗料(DSM(株)社製のConQuest SP−1000)にバインダー(DIC製のバーノックS−514)を混合させ、乾燥厚みが5g/m
2となるようにコーティングし、該基材フィルム上にポリピロール塗料層を設けた導電性フィルムを得た。
続いて、得られた導電性フィルムのポリピロール塗料層上に、実施例1において作製した塗工液をコンマコーターで乾燥厚みが30μmとなるように塗工し、熱剥離性粘着フィルムを得た。
【0035】
(比較例3)
ポリエチレンテレフタレート基材フィルム(ユニチカ(株)社製のエンブレットS)の片面上に、カーボンナノチューブ(CNT)系塗料(御国色素(株)社製のCNTDW−80)にバインダー(DIC社製のベッカミン)を乾燥厚みが5g/m
2となるようにコーティングし、該基材フィルム上にCNT塗料層を設けた導電性フィルムを得た。
続いて、得られた導電性フィルムのCNT塗料層上に、実施例1において作製した塗工液をコンマコーターで乾燥厚みが30μmとなるように塗工し、熱剥離性粘着フィルムを得た。
【0036】
(比較例4)
実施例1における塗工液において、加熱発泡型マイクロカプセルを含有させない以外は、実施例1と同様の方法にて粘着フィルムを得た。
【0037】
実施例1、および比較例1〜4で得られた熱剥離性粘着フィルム(比較例4のみ粘着フィルム)について、1)表面抵抗値、2)剥離力、3)剥離帯電圧の評価を行った。また、評価方法、評価基準については以下に示す。
なお、導電性フィルム(比較例1のみ基材フィルム)の表面抵抗値については、粘着層を設ける前の導電性フィルム表面(比較例1のみ基材フィルム表面)における表面抵抗値を評価している。
【0038】
1)表面抵抗値
[導電性フィルム(比較例1のみ基材フィルム)]
導電性フィルム(比較例1のみ基材フィルム)の表面抵抗値について、JIS K−6911に準じて測定を行った。なお、測定条件は、23℃、50%RHで、印圧10V、単位はΩである。
【0039】
[粘着層表面]
得られた熱剥離性粘着フィルム(比較例4のみ粘着フィルム)における粘着層表面の表面抵抗値について、JIS K−6911に準じて測定を行った。なお、測定条件は、23℃、50%RHで、印圧10V、単位はΩである。
【0040】
2)剥離力
[加熱前の剥離力A、B]
得られた熱剥離性粘着フィルム(比較例4のみ粘着フィルム)を、SUS(ステンレス鋼)の板状物に貼り合わせ、その後、2kgローラーにて2往復圧着を行った。
次に、剥離試験器(オリエンテック(株)製のSTA−1225)により、剥離角度180°と剥離角度0°のそれぞれにおいて300mm/mimの速度で剥離を行い、その際の剥離力(g/25mm)を測定した。
なお、剥離強度180°の剥離力を[剥離力A]とし、剥離強度0°の剥離力を[剥離力B]とした。
【0041】
[加熱後の剥離力C、D]
得られた熱剥離性粘着フィルム(比較例4のみ粘着フィルム)を、SUS(ステンレス鋼)の板状物に貼り合わせ、その後、2kgローラーにて2往復圧着を行った。
次に、熱剥離性粘着フィルム(比較例4のみ粘着フィルム)を、SUS(ステンレス鋼)の板状物に貼り合わせた状態で100℃×5分間加熱してから剥離試験器(オリエンテック(株)製のSTA−1225)により、剥離角度180°と剥離角度0°のそれぞれにおいて300mm/mimの速度で剥離を行い、その際の剥離力(g/25mm)を測定した。
なお、剥離強度180°の剥離力を[剥離力C]とし、剥離強度0°の剥離力を[剥離力D]とした。
【0042】
3)剥離帯電圧
剥離力C、Dそれぞれの剥離力測定時に、すなわち、SUSの板状物から熱剥離性粘着フィルム(比較例4のみ粘着フィルム)を剥離中に、粘着層表面の剥離帯電圧(V)を帯電圧計(TREK(株)製)を用いて測定した。
【0043】
【表1】