特許第6376742号(P6376742)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6376742監視プログラム、監視方法および監視装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376742
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】監視プログラム、監視方法および監視装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 7/18 20060101AFI20180813BHJP
   G08B 25/00 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   H04N7/18 D
   G08B25/00 510M
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-215113(P2013-215113)
(22)【出願日】2013年10月15日
(65)【公開番号】特開2015-80052(P2015-80052A)
(43)【公開日】2015年4月23日
【審査請求日】2016年6月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089118
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 宏明
(72)【発明者】
【氏名】堀 洋介
(72)【発明者】
【氏名】船田 陽一
(72)【発明者】
【氏名】村上 良祐
【審査官】 鈴木 隆夫
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−207018(JP,A)
【文献】 特開2006−080601(JP,A)
【文献】 特開平01−125695(JP,A)
【文献】 特開平02−116998(JP,A)
【文献】 特開平09−081233(JP,A)
【文献】 特開平10−188183(JP,A)
【文献】 特開平10−207530(JP,A)
【文献】 特開2002−300569(JP,A)
【文献】 特開2003−131655(JP,A)
【文献】 特開2011−228919(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 7/18
G08B 25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、
ネットワークを介して複数のセンサから出力された各センサ値を取得し、センサと画面領域とを対応づけた第1対応情報を基にして、各センサ値の情報を対応する各画面領域に表示し、
前記各センサ値を基にして、所定の値を出力するセンサを検出し、
センサとカメラとを対応付けた第2対応情報を基にして、検出したセンサに対応付けられたカメラを特定し、特定したカメラによって撮影された画像を画面に出力し、
前記第1対応情報を基にして、前記所定の値を出力するセンサに対応する画面領域に表示する、前記所定の値が示されるグラフを強調表示する
処理を実行させることを特徴とする監視プログラム。
【請求項2】
前記出力する処理は、前記カメラによって撮影された画像と、前記センサから出力されたセンサ値に対応するグラフとを画面に出力することを特徴とする請求項1に記載の監視プログラム。
【請求項3】
前記センサを検出する処理は、センサ値が所定値を超えるセンサまたは所定時間後のセンサ値の積算値の予測値が所定の積算値を超えるセンサを検出することを特徴とする請求項1または2に記載の監視プログラム。
【請求項4】
各カメラは優先度が設定され、前記出力する処理は、前記所定の値を出力するセンサが複数選択された場合に、前記所定の値を出力するセンサに対応するカメラのうち、優先度の高いカメラによって撮影された画像を画面に出力することを特徴とする請求項1、2または3に記載の監視プログラム。
【請求項5】
前記出力する処理は、前記カメラに対応付けられる連絡先を更に画面に表示させることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の監視プログラム。
【請求項6】
コンピュータが実行する監視方法であって、
ネットワークを介して複数のセンサから出力された各センサ値を取得し、センサと画面領域とを対応づけた第1対応情報を基にして、各センサ値の情報を対応する各画面領域に表示し、
前記各センサ値を基にして、所定の値を出力するセンサを検出し、
センサとカメラとを対応付けた対応情報を基にして、検出したセンサに対応付けられたカメラを特定し、特定したカメラによって撮影された画像を画面に出力し、
前記第1対応情報を基にして、前記所定の値を出力するセンサに対応する画面領域に表示する、前記所定の値が示されるグラフを強調表示する
処理を実行させることを特徴とする監視方法。
【請求項7】
ネットワークを介して複数のセンサから出力された各センサ値を取得し、センサと画面領域とを対応づけた第1対応情報を基にして、各センサ値の情報を対応する各画面領域に表示する表示部と、
前記各センサ値を基にして、所定の値を出力するセンサを検出する検出部と、
センサとカメラとを対応付けた対応情報を基にして、前記検出部に検出されたセンサに対応付けられたカメラを特定し、特定したカメラによって撮影された画像を画面に出力し、前記第1対応情報を基にして、前記所定の値を出力するセンサに対応する画面領域に表示する、前記所定の値が示されるグラフを強調表示する出力部と
を有することを特徴とする監視装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視プログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
製品の生産現場では、設備異常や原材料供給異常などの生産トラブルが発生すると、計画通りに生産活動ができない。このため、生産トラブルを発見した作業員は、できるだけ早く、上長や担当者等の管理者に状況報告を行う。例えば、作業員は、伝達手段として電話やインターフォンを使用する。
【0003】
電話やインターフォンを伝達手段として使用する場合には、伝達手段のある場所まで作業者は移動することになり、生産トラブルの発生した場所から離れてしまう場合がある。このような場合には、作業員は、状況報告を行うまでに時間を要するだけでなく、時々刻々と変化する現場の状況を管理者に伝達することが難しい。
【0004】
上記問題を解消するべく、例えば、センサおよびネットワークカメラを用いて現場を監視する監視システムが開示されている。この監視システムは、現場でセンサデータの異常を検出した場合に、各ネットワークカメラが撮影した画像から、該当する画像を選択し、選択した画像のデータとセンサデータとを監視装置に送信する。監視装置は、受信したデータを基にして、画像とセンサデータとを重畳した表示画像データを生成し、表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−300569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述した従来技術では、システム稼働までの工数又は費用を要するという問題がある。
【0007】
例えば、従来技術では、現場側でセンサデータが異常であるか否かを判定し、該当する現場の画像を選択することが前提となり、現場に既に設置されているカメラやセンサを流用しない。このため、従来技術に対応した監視システムを導入する場合に、新たな機器を設置する事になり、システム稼働までの工数および費用を要する。
【0008】
1つの側面では、システム稼働までの工数又は費用を削減することができる監視プログラム、監視方法および監視装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の案では、コンピュータに下記の処理を実行させる。コンピュータは、ネットワークを介して複数のセンサから出力された各センサ値を基にして、所定の値を出力するセンサを検出する。コンピュータは、センサとカメラとを対応付けた対応情報を基にして、検出したセンサに対応付けられたカメラを特定し、特定したカメラによって撮影された画像を画面に出力する。
【発明の効果】
【0010】
本発明の1実施態様によれば、システム稼働までの工数又は費用を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施例に係るシステムの構成を示す図である。
図2図2は、本実施例に係る監視装置の構成を示す機能ブロック図である。
図3図3は、本実施例に係る対応情報のデータ構造の一例を示す図である。
図4図4は、本実施例に係るカメラ情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図5図5は、本実施例に係る画像配置テーブルのデータ構造の一例を示す図である。
図6図6は、本実施例に係る判定部の処理の一例を説明するための図(1)である。
図7図7は、本実施例に係る判定部の処理の一例を説明するための図(2)である。
図8図8は、本実施例に係る表示部の表示画面の一例を示す図(1)である。
図9図9は、本実施例に係る表示部の表示画面の一例を示す図(2)である。
図10図10は、本実施例に係る監視装置の処理手順を示すフローチャートである。
図11図11は、本実施例に係る監視プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本願の開示する監視プログラム、監視方法および監視装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。
【実施例】
【0013】
本実施例に係るシステムの構成について説明する。図1は、本実施例に係るシステムの構成を示す図である。図1に示すように、このシステムは、センサ20a,20b,20cと、カメラ30a,30b,30cと、監視装置100とを有する。センサ20a,20b,20cと、カメラ30a,30b,30cと、監視装置100とは、ネットワーク50を介して相互に接続される。
【0014】
図1では一例として、センサ20a,20b,20cおよびカメラ30a,30b,30cを示すが、図1のシステムは、その他のセンサ、カメラを含んでも良い。以下の説明では、センサ20a〜20cをまとめて、適宜、センサ20と表記する。また、カメラ30a〜30cをまとめて、適宜、カメラ30と表記する。
【0015】
センサ20は、工場の所定の場所の電子機器に設置され、設置された電子機器の電力を検出する。センサ20は、検出した電力の情報を、監視装置100に送信する。例えば、センサ20aは、第1工場Aの電子機器に設置される。センサ20bは、第1工場Bの電子機器に設置される。センサ20cは、第1工場Cに設置される。例えば、センサ20は、電力の情報を、監視装置100に通知する場合に、電力の情報を検出したセンサの識別情報を合わせて通知する。なお、センサ20は、電子機器に電力を供給する分電盤などに設置されても良い。
【0016】
カメラ30は、工場の所定の場所に設置され、撮影範囲の画像を撮影する。カメラ30は、撮影した画像の情報を、監視装置100に送信する。例えば、カメラ30aの撮像範囲は、センサ20aの設置された第1工場Aを含む。カメラ30bの撮像範囲は、センサ20bの設置された第1工場Bを含む。カメラ30cの撮像範囲は、センサ20cの設置された第1工場Cを含む。例えば、カメラ30は、画像の情報を、監視装置100に通知する場合に、画像を撮影したカメラの識別情報を合わせて通知する。
【0017】
本実施例では、一例として、カメラ30が画像を撮影し、画像の情報を監視装置100に送信する場合について説明するが、カメラ30が撮影するものは画像に限らず、ライブ映像であっても良く、映像情報を、監視装置100に送信しても良い。
【0018】
監視装置100は、各センサ20から電力の情報を受信し、所定の値を出力するセンサ20を検出する。監視装置100は、検出したセンサ20に対応するカメラ30によって撮影された画像を、電力の値に対応するグラフとともに画面に出力する。
【0019】
次に、図1に示した監視装置100の構成の一例について説明する。図2は、本実施例に係る監視装置の構成を示す機能ブロック図である。図2に示すように、この監視装置100は、通信部110と、入力部120と、表示部130と、記憶部140と、制御部150とを有する。
【0020】
通信部110は、ネットワーク50を介して、センサ20およびカメラ30から情報を受信する。通信部110は、センサ20から、電力の情報を受信する。電力の情報には、センサ20を識別する情報が対応付けられる。通信部110は、受信した電力の情報を、制御部150に出力する。
【0021】
通信部110は、カメラ30から、画像の情報を受信する。画像の情報には、画像を撮影したカメラ30を識別する情報が対応付けられる。通信部110は、受信した画像の情報を、制御部150に出力する。
【0022】
入力部120は、各種の情報を入力する入力装置である。例えば、キーボードやマウス、タッチパネル等に対応する。表示部130は、制御部150から出力される情報を表示する表示装置である。例えば、表示部130は、モニタや液晶ディスプレイ等に対応する。
【0023】
記憶部140は、対応情報141、カメラ情報テーブル142、画面配置テーブル143を有する。記憶部140は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子などの記憶装置に対応する。
【0024】
対応情報141は、センサ20とカメラ30との対応関係を示す情報である。図3は、本実施例に係る対応情報のデータ構造の一例を示す図である。図3に示すように、対応情報141は、センサ識別番号と、カメラ識別番号と、場所とを対応付ける。センサ識別番号は、センサ20を一意に識別する情報である。カメラ識別番号は、カメラ30を一意に識別する情報である。場所は、センサ20およびカメラ30の設置場所を示す情報である。例えば、センサ20aは、第1工場Aの電子機器に設置されており、カメラ30aは、第1工場Aに設置され、第1工場Aの画像を撮影する旨を示す。
【0025】
カメラ情報テーブル142は、カメラが撮影する場所の担当者や、優先順位に関する情報を保持する。図4は、本実施例に係るカメラ情報テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、このカメラ情報テーブル142は、カメラ識別番号と、場所と、担当者と、内線番号と、優先順位とを対応付ける。カメラ識別番号は、カメラ30を一意に識別する情報である。場所は、カメラ30の設置場所を示す情報である。担当者は、該当場所の担当者を示す。内線番号は、担当者の内線番号を示す。優先順位は、各カメラ30の優先順位を示す。優先順位の数字が小さいものほど、優先度が高い。
【0026】
画像配置テーブル143は、センサ20が検出した電力の情報を表示部130のどの画面領域に配置して表示させるのかを示す情報を保持する。後述するように、電力の情報はグラフによって表示される。図5は、本実施例に係る画像配置テーブルのデータ構造の一例を示す図である。図5に示すように、画像配置テーブル143は、センサ識別番号と、画面領域とを対応付ける。センサ識別番号は、センサ20を一意に識別する情報である。画面領域は、表示部130の表示画面の領域を示す情報である。例えば、センサ20aによって検出された電力の情報は、表示部130の画面の領域10aに表示させる旨が定義されている。
【0027】
図2の説明に戻る。制御部150は、検出部151と出力部152とを有する。制御部150は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)や、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積装置に対応する。また、制御部150は、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等の電子回路に対応する。
【0028】
検出部151は、各センサ20から電力の情報を取得し、電力の値が異常値となるセンサを検出する処理部である。検出部151は、検出結果を出力部152に出力する。
【0029】
検出部151の処理について具体的に説明する。検出部151は、電力の値と、閾値とを比較し、電力の値が閾値を超えた場合に、電力の値が異常値であると判定する。図6は、本実施例に係る判定部の処理の一例を説明するための図(1)である。図6の横軸は時間を示し、縦軸は電力の値を示す。例えば、図6に示すように、検出部151は、電力の値が閾値100kWhを超えた場合に、電力の値が異常値であると判定する。
【0030】
電力の値が異常値であると判定した場合には、異常値を検出したセンサ20のセンサ識別番号を出力部152に出力する。検出部151は、複数のセンサ20の電力の値が異常値であると判定した場合には、異常値を検出した各センサ20のセンサ識別番号を、出力部152に出力する。
【0031】
また、検出部151は、一定周期で、同一のセンサ20から受信する異なる時刻の電力の積算値を基にして、所定時間後に電力の積算値が異常値になるか否かを判定する。図7は、本実施例に係る判定部の処理の一例を説明するための図(2)である。図7の横軸は時間を示し、縦軸は電力の積算値を示す。この積算値は、例えば、30分毎にリセットされる。
【0032】
検出部151は、センサ20から3分毎に電力の値を取得し、電力の値を積算する。例えば、検出部151は、積算を開始してから12分経過した時点で、積算を開始してから30分経過後の積算値を予測する。検出部151は、予測した30分後の積算値が、300kWを超える場合に、所定時間後の電力の積算値が異常値になると判定する。例えば、検出部151は、3分〜12分の積算値の近似線40を求め、30分後の積算値が、閾値を超えるか否かを判定する。
【0033】
検出部151は、電力の積算値が異常値であると判定した場合には、異常値を検出したセンサ20のセンサ識別番号を出力部152に出力する。検出部151は、複数のセンサ20の電力の積算値が異常値であると判定した場合には、異常値を検出した各センサ20のセンサ識別番号を、出力部152に出力する。
【0034】
出力部152は、各センサ20から取得する電力の値を基にしてグラフを生成し、グラフを表示部130に表示させる処理と、検出部151の検出結果に応じた処理をそれぞれ行う。
【0035】
まず、出力部152が、各センサ20から取得する電力の値を基にしてグラフを生成し、グラフを表示部130に表示させる処理について説明する。出力部152は、各センサ20から取得する電力の値を基にしてグラフを生成し、画像配置テーブル143に指定された表示部130の領域に、グラフを表示させる。出力部152が生成するグラフはどのようなグラフでも良い。例えば、出力部152は、時刻と電力の値とを対応付けたグラフや、時刻と電力の積算値とを対応付けたグラフを生成する。時刻と電力の値とを対応付けたグラフは、図6に示したグラフに対応する。時刻と電力の積算値とを対応付けたグラフは、図7に示したグラフに対応する。
【0036】
図8は、本実施例に係る表示部の表示画面の一例を示す図(1)である。例えば、出力部152は、画面配置テーブル143を基にして、各センサの電力の値から作成したグラフを表示させる。図5に示した領域10a〜10hは、図8の領域10a〜10hにそれぞれ対応する。例えば、表示部130は、センサ20aから取得した電力の値を基にして生成したグラフを、図8の表示部130の領域10aに表示させる。出力部152は、所定時間毎にグラフを更新し、更新したグラフを表示させる。
【0037】
続いて、出力部152が実行する、検出部151の検出結果に応じた処理について説明する。出力部152は、検出部151が、電力の値または電力の積算値が異常値であると判定した場合に、電力の値または電力の積算値が異常値となったセンサのセンサ識別番号に対応するカメラ識別番号を、対応情報141を基にして判定する。以下の説明において、電力の値または電力の積算値が異常値となったセンサのセンサ識別番号を異常センサ識別番号と表記する。また、異常センサ識別番号に対応するカメラ識別番号を、異常カメラ識別番号と表記する。
【0038】
出力部152は、異常カメラ識別番号と、カメラ情報テーブル142とを比較して、担当者および内線番号を特定する。出力部152は、異常カメラ識別番号に対応するカメラ20から受信する画像を、表示部130の所定の領域に表示させる。また、出力部152は、異常カメラ識別番号に対応する担当者および内線番号を表示部130の所定の領域に表示させる。出力部152は、異常センサ識別番号のセンサから受信する電力を基に生成したグラフを強調表示する。
【0039】
図9は、本実施例に係る表示部の表示画面の一例を示す図(2)である。例えば、出力部152は、異常カメラ識別番号に対応するカメラの画像またはライブ映像を、領域10iに表示させる。出力部152は、領域10jに異常カメラ識別番号に対応する担当者および内線番号を表示させる。
【0040】
例えば、異常センサ識別番号が「20a」で、異常カメラ識別番号が「30a」である場合について説明する。異常カメラ識別番号「30a」に対応する担当者は「吉田」であり、内線番号は「2879」となる。この場合には、出力部152は、領域10iにカメラ30aが撮影した画像またはライブ映像を表示させる。出力部152は、領域10jに、担当者「吉田」、内線番号「2879」を表示させる。また、出力部152は、異常センサ識別番号「20a」に対応するセンサ20aの電力の値によって生成されたグラフが表示される領域10aを強調表示する。
【0041】
ところで、出力部152は、複数の異常センサ識別番号を、検出部151から取得した場合には、各異常センサ識別番号に対応する異常カメラ識別番号を特定し、各異常カメラ識別番号に対応する優先順位を基にして、領域10iに表示する画像またはライブ映像を特定する。例えば、出力部152は、各優先順位のうち、最も数字の小さい優先順位に対応する異常カメラ識別番号を特定し、特定した異常カメラ識別番号に対応するカメラの画像またはライブ映像を、領域10iに表示させ、該当する担当者、内線番号を領域10jに表示させる。
【0042】
例えば、出力部152が、異常センサ識別番号20a,20b,20cを取得した場合には、該当する異常カメラ識別番号は30a,30b,30cとなる。また、異常カメラ識別番号30aの優先順位は「4」、異常カメラ識別番号30bの優先順位は「6」、異常カメラ識別番号30cの優先順位は「3」となる。この場合には、出力部152は、優先順位「3」のカメラ識別番号30cのカメラ30cによって撮影された画像またはライブ映像を、領域10iに表示させる。
【0043】
なお、出力部152は、優先順位に従って、各異常カメラ識別番号に対応するカメラの画像を、順に、領域10iに表示させても良い。例えば、上記の例では、カメラ30c,30a,30bの順に、カメラ30の画像またはライブ映像を切り替えて、領域10iに表示させても良い。また、出力部152は、カメラ30の画像またはライブ映像を切り替得るタイミングで、異常カメラ識別番号に対応する担当者、内線番号を切り替えて、領域10jに表示させる。
【0044】
次に、本実施例に係る監視装置100の処理手順について説明する。図10は、本実施例に係る監視装置の処理手順を示すフローチャートである。図10に示すように、監視装置100は、各センサ20から電力の情報の受信を開始する(ステップS101)。監視装置100は、各カメラ30から画像の情報の受信を開始する(ステップS102)。ステップS102において、監視装置100は、各カメラ30からライブ映像の情報を受信しても良い。
【0045】
監視装置100は、電力の情報を基にして、グラフを生成し(ステップS103)、グラフを表示部130の画面に表示させる(ステップS104)。監視装置100は、電力の値が異常値となるセンサ20を検出したか否かを判定する(ステップS105)。
【0046】
監視装置100は、電力の値が異常値となるセンサを検出していない場合には(ステップS105,No)、電力の情報を基にしてグラフを更新し(ステップS106)、ステップS104に移行する。一方、監視装置100は、電力の値が異常値となるセンサを検出した場合には(ステップS105,Yes)、ステップS107に移行する。
【0047】
監視装置100は、異常値を検出したセンサ20に対応するカメラ30を判定し、判定したカメラ30の画像を表示部130の画面に表示させる(ステップS107)。監視装置100は、異常値に対応するグラフを強調表示する(ステップS108)。監視装置100は、担当者および内線番号を判定し、判定した担当者および内線番号の情報を表示部130の画面に表示する(ステップS109)。
【0048】
次に、本実施例に係る監視装置100の効果について説明する。監視装置100は、ネットワーク50を介して複数のセンサ20から出力された各センサ値を基にして、所定の値を出力するセンサ30を検出する。監視装置100は、センサ20とカメラ30とを対応付けた対応情報141を基にして、検出したセンサ20に対応付けられたカメラ30を特定し、特定したカメラ30によって撮影された画像を画面に出力する。このように、監視装置100が、異常値を出力するセンサを検出し、検出したセンサに対応するカメラの画像を特定して、画面に表示させる。このため、生産現場などに既設されているカメラやセンサを流用できるので、システム稼働までの工数および費用を削減することができる。また、カメラやセンサを最新機器に変更した場合でも、監視装置100側で最新機器に対応する改修を行えば済むので、メンテナンスが容易になると共に、可用期間を長期化できる。
【0049】
また、監視装置100は、異常値であるか否かにかかわらず、各センサの電力の値に対応するグラフを、画面配置テーブル143に定義された画面の領域に表示させるので、複数のセンサの値を参照しながら作業を行うことができる。また、生産活動全体を見据え大局的な見地から、管理者が適切な判断をおこない、適切な対策を直接現場の担当者に指示することができる。また、不測の事態による生産活動への悪影響を最小限の止めることが可能となる。
【0050】
また、監視装置100は、電力の値が所定値を超えるセンサまたは所定時間後の電力の値の積算値の予測値が所定の積算値を超えるセンサを検出する。このため、電力の値が閾値を超えて稼働する電子機器の映像を管理者にリアルタイムに通知することができる。また、現時点では異常でなくても、所定時間後の電力の値の積算値が許容量をオーバーするような電子機器の画像を、許容量がオーバーする前に事前に通知することができる。
【0051】
また、監視装置100は、カメラの優先順位を基にして、カメラの画像を選択して表示するので、複数の現場でトラブルが発生した場合に、最も重要な現場の映像を優先的に通知することができる。
【0052】
また、監視装置100は、カメラに対応付けられる連絡先を更に画面に表示させるので、監視装置100を利用する管理者は、迅速に、担当者に連絡することができる。
【0053】
ところで、本実施例に係るセンサ20は、電子機器の電力の電力値を、監視装置100に通知する場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、センサ20は、漏電しているか否かを判定し、判定結果を監視装置100に通知指定も良い。漏電を検出した旨の情報を受信した監視装置100は、漏電を検出したセンサ20に対応付けられたカメラの画像を、画面に表示させる。
【0054】
次に、上記の実施例に示した監視装置と同様の機能を実現する監視プログラムを実行するコンピュータの一例を説明する。図11は、監視プログラムを実行するコンピュータの一例を示す図である。
【0055】
図11に示すように、コンピュータ200は、各種演算処理を実行するCPU201と、ユーザからのデータの入力を受け付ける入力装置202と、ディスプレイ203を有する。また、コンピュータ200は、記憶媒体からプログラム等を読取る読み取り装置204と、ネットワークを介して他のコンピュータとの間でデータの授受を行うインターフェース装置205とを有する。また、コンピュータ200は、各種情報を一時記憶するRAM206と、ハードディスク装置207を有する。そして、各装置201〜207は、バス208に接続される。
【0056】
ハードディスク装置207は、検出プログラム207a、出力プログラム207bを有する。CPU201は、各プログラム207a,207bを読み出してRAM206に展開する。
【0057】
検出プログラム207aは、検出プロセス206aとして機能する。出力プログラム207bは、出力プロセス206bとして機能する。
【0058】
例えば、検出プロセス206aは、検出部151に対応する。出力プロセス206bは、出力部152に対応する。
【0059】
なお、各プログラム207a,207bについては、必ずしも最初からハードディスク装置207に記憶させておかなくてもよい。例えば、コンピュータ200に挿入されるフレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、DVDディスク、光磁気ディスク、ICカードなどの「可搬用の物理媒体」に各プログラムを記憶させておく。そして、コンピュータ200がこれらから各プログラム207a,207bを読み出して実行するようにしてもよい。
【0060】
以上の各実施例を含む実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0061】
(付記1)コンピュータに、
ネットワークを介して複数のセンサから出力された各センサ値を基にして、所定の値を出力するセンサを検出し、
センサとカメラとを対応付けた対応情報を基にして、検出したセンサに対応付けられたカメラを特定し、特定したカメラによって撮影された画像を画面に出力する
処理を実行させることを特徴とする監視プログラム。
【0062】
(付記2)前記出力する処理は、前記カメラによって撮影された画像と、前記センサから出力されたセンサ値に対応するグラフとを画面に出力することを特徴とする付記1に記載の監視プログラム。
【0063】
(付記3)前記センサを検出する処理は、センサ値が所定値を超えるセンサまたは所定時間後のセンサ値の積算値の予測値が所定の積算値を超えるセンサを検出することを特徴とする付記1または2に記載の監視プログラム。
【0064】
(付記4)各カメラは優先度が設定され、前記出力する処理は、前記所定の値を出力するセンサが複数選択された場合に、前記所定の値を出力するセンサに対応するカメラのうち、優先度の高いカメラによって撮影された画像を画面に出力することを特徴とする付記1、2または3に記載の監視プログラム。
【0065】
(付記5)前記出力する処理は、前記カメラに対応付けられる連絡先を更に画面に表示させることを特徴とする付記1から4のいずれか一つに記載の監視プログラム。
【0066】
(付記6)コンピュータが実行する監視方法であって、
ネットワークを介して複数のセンサから出力された各センサ値を基にして、所定の値を出力するセンサを検出し、
センサとカメラとを対応付けた対応情報を基にして、検出したセンサに対応付けられたカメラを特定し、特定したカメラによって撮影された画像を画面に出力する
処理を実行させることを特徴とする監視方法。
【0067】
(付記7)前記出力する処理は、前記カメラによって撮影された画像と、前記センサから出力されたセンサ値に対応するグラフとを画面に出力することを特徴とする付記6に記載の監視方法。
【0068】
(付記8)前記センサを検出する処理は、センサ値が所定値を超えるセンサまたは所定時間後のセンサ値の積算値の予測値が所定の積算値を超えるセンサを検出することを特徴とする付記6または7に記載の監視方法。
【0069】
(付記9)各カメラは優先度が設定され、前記出力する処理は、前記所定の値を出力するセンサが複数選択された場合に、前記所定の値を出力するセンサに対応するカメラのうち、優先度の高いカメラによって撮影された画像を画面に出力することを特徴とする付記6、7または8に記載の監視方法。
【0070】
(付記10)前記出力する処理は、前記カメラに対応付けられる連絡先を更に画面に表示させることを特徴とする付記6から9のいずれか一つに記載の監視方法。
【0071】
(付記11)ネットワークを介して複数のセンサから出力された各センサ値を基にして、所定の値を出力するセンサを検出する検出部と、
センサとカメラとを対応付けた対応情報を基にして、前記検出部に検出されたセンサに対応付けられたカメラを特定し、特定したカメラによって撮影された画像を画面に出力する出力部と
を有することを特徴とする監視装置。
【0072】
(付記12)前記出力部は、前記カメラによって撮影された画像と、前記センサから出力されたセンサ値に対応するグラフとを画面に出力することを特徴とする付記11に記載の監視装置。
【0073】
(付記13)前記検出部は、センサ値が所定値を超えるセンサまたは所定時間後のセンサ値の積算値の予測値が所定の積算値を超えるセンサを検出することを特徴とする付記11または12に記載の監視装置。
【0074】
(付記14)各カメラは優先度が設定され、前記出力部は、前記所定の値を出力するセンサが複数選択された場合に、前記所定の値を出力するセンサに対応するカメラのうち、優先度の高いカメラによって撮影された画像を画面に出力することを特徴とする付記11、12または13に記載の監視装置。
【0075】
(付記15)前記出力部は、前記カメラに対応付けられる連絡先を更に画面に表示させることを特徴とする付記11から14のいずれか一つに記載の監視装置。
【符号の説明】
【0076】
20a,20b,20c センサ
30a,30b,30c カメラ
100 監視装置
図1
図2
図3
図4
図5
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図9
図10
図11