特許第6376750号(P6376750)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6376750
(24)【登録日】2018年8月3日
(45)【発行日】2018年8月22日
(54)【発明の名称】半導体装置および半導体装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/822 20060101AFI20180813BHJP
   H01L 27/04 20060101ALI20180813BHJP
   H01L 21/3205 20060101ALI20180813BHJP
   H01L 21/768 20060101ALI20180813BHJP
   H01L 23/522 20060101ALI20180813BHJP
   H01L 23/532 20060101ALI20180813BHJP
【FI】
   H01L27/04 P
   H01L21/88 Z
   H01L21/88 R
【請求項の数】12
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-255344(P2013-255344)
(22)【出願日】2013年12月10日
(65)【公開番号】特開2015-115408(P2015-115408A)
(43)【公開日】2015年6月22日
【審査請求日】2016年11月8日
(73)【特許権者】
【識別番号】000116024
【氏名又は名称】ローム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087701
【弁理士】
【氏名又は名称】稲岡 耕作
(74)【代理人】
【識別番号】100101328
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 実夫
(74)【代理人】
【識別番号】100086391
【弁理士】
【氏名又は名称】香山 秀幸
(72)【発明者】
【氏名】八木 良太郎
(72)【発明者】
【氏名】蔭山 聡
【審査官】 小川 将之
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2013/0093055(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0054953(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0093056(US,A1)
【文献】 特開2002−261237(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/3205−21/3213
H01L 21/768
H01L 21/822
H01L 21/8234−21/8238
H01L 21/8249
H01L 23/522
H01L 23/532
H01L 27/04
H01L 27/06
H01L 27/08
H01L 27/088−27/092
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1層間絶縁膜上に間隔をおいて形成され、第1エッチングストッパ膜および第2エッチングストッパ膜と、
前記第1層間絶縁膜上に、前記第1エッチングストッパ膜および第2エッチングストッパ膜に跨るように形成された金属薄膜抵抗体と、
前記第1層間絶縁膜上に形成され、前記両エッチングストッパ膜および前記金属薄膜抵抗体を覆う第2層間絶縁膜と、
前記第2層間絶縁膜に形成され、前記第2層間絶縁膜の表面から前記金属薄膜抵抗体を貫通して前記第1エッチングストッパ膜に達する第1コンタクトホールと、
前記第2層間絶縁膜に形成され、前記第2層間絶縁膜の表面から前記金属薄膜抵抗体を貫通して前記第2エッチングストッパ膜に達する第2コンタクトホールと、
前記第1コンタクトホール内に形成され、前記第1エッチングストッパ膜に接続される第1コンタクトプラグと、
前記第2コンタクトホール内に形成され、前記第2エッチングストッパ膜に接続される第2コンタクトプラグとを含み、
前記金属薄膜抵抗体は、前記第1コンタクトホールが貫通する第1円形状貫通孔および前記第2コンタクトホールが貫通する第2円形状貫通孔を有しており、
前記第1コンタクトプラグは、前記第1コンタクトホールの底面および内周面に形成された第1バリアメタル層と、前記第1バリアメタル層に包囲された状態で前記第1コンタクトホールに埋め込まれた第1金属プラグとからなり、
前記第2コンタクトプラグは、前記第2コンタクトホールの底面および内周面に形成された第2バリアメタル層と、前記第2バリアメタル層に包囲された状態で前記第2コンタクトホールに埋め込まれた第2金属プラグとからなり、
前記第1バリアメタル層の底面は前記第1エッチングストッパ膜に接続され、前記第1バリアメタル層の下端部の外周面は前記金属薄膜抵抗体における前記第1円形状貫通孔の内周面の全域に接続されており、
前記第2コンタクトプラグの底面は前記第2エッチングストッパ膜に接続され、前記第2コンタクトプラグの下端部の外周面は前記金属薄膜抵抗体における前記第2円形状貫通孔の内周面の全域に接続されており、
前記第1エッチングストッパ膜および前記第2エッチングストッパ膜は、導電性を有しかつ前記金属薄膜抵抗体のエッチング速度よりエッチング速度が遅い材料からなる、半導体装置。
【請求項2】
前記第1バリアメタル層の底面は、前記第1エッチングストッパ膜の上面に面接触しており、
前記第2バリアメタル層の底面は、前記第2エッチングストッパ膜の上面に面接触している、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
前記金属薄膜抵抗体が、
前記第1エッチングストッパ膜の外表面における前記第1コンタクトホールとの接続部を除いた全域および前記第1層間絶縁膜の表面における前記第1エッチングストッパ膜の周囲領域を覆う第1部分と、
前記第2エッチングストッパ膜の外表面における前記第2コンタクトホールとの接続部を除いた全域および前記第1層間絶縁膜の表面における前記第2エッチングストッパ膜の周囲領域を覆う第2部分と、
前記第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分とを含む、請求項1または2に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1エッチングストッパ膜の外表面が、前記第1エッチングストッパ膜の側面および上面からなり、
前記第2エッチングストッパ膜の外表面が、前記第2エッチングストッパ膜の側面および上面からなる、請求項に記載の半導体装置。
【請求項5】
前記金属薄膜抵抗体がTaNまたはSiCrからなる、請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第1エッチングストッパ膜および前記第2エッチングストッパ膜がTiNからなる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記金属薄膜抵抗体の厚さが2nm以上10nm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1エッチングストッパ膜および第2エッチングストッパ膜の厚さが10nm以上80nm以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の半導体装置。
【請求項9】
前記第1層間絶縁膜の下方にある第3層間絶縁膜上に形成された下部電極および前記第1層間絶縁膜上に前記下部電極に対向して形成された上部電極を含むキャパシタをさらに含み、前記上部電極が前記第1および第2エッチングストッパ膜と同じ工程で形成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の半導体装置
【請求項10】
第1層間絶縁膜上に、第1エッチングストッパ膜および第2エッチングストッパ膜を離間させて形成する工程と、
前記第1層間絶縁膜上に、第1エッチングストッパ膜と第2エッチングストッパ膜とに跨るように、金属薄膜抵抗体を形成する工程と、
前記第1層間絶縁膜上に、前記第1エッチングストッパ膜、前記第2エッチングストッパ膜および前記金属薄膜抵抗体を覆う第2層間絶縁膜を形成する工程と、
前記第2層間絶縁膜上に、エッチングにより、前記第2層間絶縁膜の表面から前記金属薄膜抵抗体を貫通して前記第1エッチングストッパ膜に達する第1コンタクトホールと、前記第2層間絶縁膜の表面から前記金属薄膜抵抗体を貫通して前記第2エッチングストッパ膜に達する第2コンタクトホールとを形成することによって、前記金属薄膜抵抗体に、前記第1コンタクトホールが貫通する第1円形状貫通孔と前記第2コンタクトホールが貫通する第2円形状貫通孔とが形成される工程と、
前記第1コンタクトホール内に底面および内周面に第1バリアメタル層を形成するとともに前記第2コンタクトホール内に底面および内周面に第2バリアメタル層を形成することにより、前記第1バリアメタル層の底面が前記第1エッチングストッパ膜に接続され、前記第1バリアメタル層の下端部の外周面が前記金属薄膜抵抗体における前記第1円形状貫通孔の内周面の全域に接続され、前記第2コンタクトプラグの底面が前記第2エッチングストッパ膜に接続され、前記第2コンタクトプラグの下端部の外周面が前記金属薄膜抵抗体における前記第2円形状貫通孔の内周面の全域に接続される工程と、
前記第1バリアメタル層が内面に形成された前記第1コンタクトホール内に第1金属プラグを埋め込むとともに前記第2バリアメタル層が内面に形成された前記第2コンタクトホール内に第2金属プラグを埋め込む工程とを含み、
前記第1エッチングストッパ膜および前記第2エッチングストッパ膜は、導電性を有しかつ前記金属薄膜抵抗体のエッチング速度よりエッチング速度が遅い材料からなる、半導体装置の製造方法。
【請求項11】
前記第1バリアメタル層の底面は、前記第1エッチングストッパ膜の上面に面接触しており、
前記第2バリアメタル層の底面は、前記第2エッチングストッパ膜の上面に面接触している、請求項10に記載の半導体装置の製造方法。
【請求項12】
前記金属薄膜抵抗体がTaNまたはSiCrからなり、前記第1エッチングストッパ膜および前記第2エッチングストッパ膜がTiNからなる、請求項10または11に記載の半導体装置の製造方法
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、金属薄膜抵抗体を有する半導体装置およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属薄膜抵抗体は厚さが非常に薄いため、金属薄膜抵抗体上に直接コンタクトホールを形成した場合には、コンタクトホールが金属薄膜抵抗体を貫通し、金属薄膜抵抗体が下方の配線に接続されてしまう可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−258861号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、金属薄膜抵抗体が下方の配線に接続されるのを防止するために、次のような半導体装置が知られている。つまり、この従来の半導体装置は、層間絶縁膜上に形成された金属薄膜抵抗体と、金属薄膜抵抗体の表面上の互いに離れた位置に形成された2つの導電性を有するエッチングストッパ膜と、層間絶縁膜上に形成され、金属薄膜抵抗体およびエッチングストッパ膜を覆う絶縁層と、絶縁層の表面から各エッチングストッパ膜に達する2つのコントタクトホールとを含む。この従来の半導体装置によれば、金属薄膜抵抗体上に導電性を有するエッチングストッパ膜が形成されているので、コンタクトホールが金属薄膜抵抗体を貫通するのを防止できる。これにより、金属薄膜抵抗体が下方の配線に接続されるのを防止できる。
【0005】
前記従来の半導体装置は、たとえば、次のようにして製造される。まず、層間絶縁膜上に金属薄膜抵抗体の材料となる薄膜抵抗層を形成する。次に、薄膜抵抗層上に、第1絶縁膜を形成する。次に、第1絶縁膜に、第1絶縁膜の表面から薄膜抵抗層の表面に達する2つの浅いコンタクトホールを離間して形成する。次に、薄膜抵抗層および第1絶縁膜の表面上に、エッチングストッパ膜の材料となる導電体層を形成する。これにより、前記2つの浅いコンタクトホール内には薄膜抵抗層に接続される導電体層が埋め込まれる。次に、必要な箇所のみ薄膜抵抗層が残るように、エッチングにより、薄膜抵抗層、第1絶縁膜および導電体層をパターニングする。次に、エッチングにより、薄膜抵抗層(金属薄膜抵抗体)上の導電体層を、それぞれが異なる浅いコンタクトホールに埋め込まれた導電体層を含むように、2つの部分に分離する。これにより、金属薄膜抵抗体の表面上の互いに離れた位置に2つのエッチングストッパ膜が形成される。次に、層間絶縁膜上に、金属薄膜抵抗体、第1絶縁膜および導電体層の表面を覆うように、第2絶縁膜を形成する。そして、第2絶縁膜の表面から各エッチングストッパ膜にそれぞれ達する2つの深いコンタクトホールを第2絶縁膜に形成する。
【0006】
このような製造方法では、工程数が多いため時間がかかるという問題がある。また、浅いコンタクトホールの形成工程、薄膜抵抗層をエッチングする工程、導電体層を2つの部分に分離する工程および深いコンタクトホールを形成する工程の4工程において、マスクが必要となるため、マスク作成費用が嵩むという問題がある。
この発明の目的は、金属薄膜抵抗体が下方の配線に接続されるのを防止でき、しかも製造時間の短縮化およびマスク作成費用の低廉化が図れる半導体装置およびその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明による半導体装置は、第1層間絶縁膜上に間隔をおいて形成され、第1エッチングストッパ膜および第2エッチングストッパ膜と、前記第1層間絶縁膜上に、前記第1エッチングストッパ膜および第2エッチングストッパ膜に跨るように形成された金属薄膜抵抗体と、前記第1層間絶縁膜上に形成され、前記両エッチングストッパ膜および前記金属薄膜抵抗体を覆う第2層間絶縁膜と、前記第2層間絶縁膜に形成され、前記第2層間絶縁膜の表面から前記金属薄膜抵抗体を貫通して前記第1エッチングストッパ膜に達する第1コンタクトホールと、前記第2層間絶縁膜に形成され、前記第2層間絶縁膜の表面から前記金属薄膜抵抗体を貫通して前記第2エッチングストッパ膜に達する第2コンタクトホールと、前記第1コンタクトホール内に形成され、前記第1エッチングストッパ膜に接続される第1コンタクトプラグと、前記第2コンタクトホール内に形成され、前記第2エッチングストッパ膜に接続される第2コンタクトプラグとを含み、前記金属薄膜抵抗体は、前記第1コンタクトホールが貫通する第1円形状貫通孔および前記第2コンタクトホールが貫通する第2円形状貫通孔を有しており、前記第1コンタクトプラグは、前記第1コンタクトホールの底面および内周面に形成された第1バリアメタル層と、前記第1バリアメタル層に包囲された状態で前記第1コンタクトホールに埋め込まれた第1金属プラグとからなり、前記第2コンタクトプラグは、前記第2コンタクトホールの底面および内周面に形成された第2バリアメタル層と、前記第2バリアメタル層に包囲された状態で前記第2コンタクトホールに埋め込まれた第2金属プラグとからなり、前記第1バリアメタル層の底面は前記第1エッチングストッパ膜に接続され、前記第1バリアメタル層の下端部の外周面は前記金属薄膜抵抗体における前記第1円形状貫通孔の内周面の全域に接続されており、前記第2コンタクトプラグの底面は前記第2エッチングストッパ膜に接続され、前記第2コンタクトプラグの下端部の外周面は前記金属薄膜抵抗体における前記第2円形状貫通孔の内周面の全域に接続されており、前記第1エッチングストッパ膜および前記第2エッチングストッパ膜は、導電性を有しかつ前記金属薄膜抵抗体のエッチング速度よりエッチング速度が遅い材料からなる(請求項1)。
【0008】
この構成では、金属薄膜抵抗体におけるコンタクトホールが形成される部分と第1層間絶縁膜との間には、エッチングストッパ膜が介在している。このため、第2層間絶縁膜に、第2層間絶縁膜の表面から金属薄膜抵抗体を貫通して第1および第2エッチングストッパ膜に達する第1および第2コンタクトホールを形成する際、第1および第2コンタクトホールが第1層間絶縁膜に達するのを防止できる。これにより、金属薄膜抵抗体の下方にある配線に、金属薄膜抵抗体が接続されるのを防止できる。
【0009】
この発明の一実施形態では、前記第1バリアメタル層の底面は、前記第1エッチングストッパ膜の上面に面接触しており、前記第2バリアメタル層の底面は、前記第2エッチングストッパ膜の上面に面接触している(請求項2)。
この発明の一実施形態では、前記金属薄膜抵抗体が、前記第1エッチングストッパ膜の外表面における前記第1コンタクトホールとの接続部を除いた全域および前記第1層間絶縁膜の表面における前記第1エッチングストッパ膜の周囲領域を覆う第1部分と、前記第2エッチングストッパ膜の外表面における前記第2コンタクトホールとの接続部を除いた全域および前記第1層間絶縁膜の表面における前記第2エッチングストッパ膜の周囲領域を覆う第2部分と、前記第1部分と前記第2部分とを接続する第3部分とを含む(請求項)。
【0010】
この発明の一実施形態では、前記第1エッチングストッパ膜の外表面が、前記第1エッチングストッパ膜の側面および上面からなり、前記第2エッチングストッパ膜の外表面が、前記第2エッチングストッパ膜の側面および上面からなる(請求項)。
【0011】
この発明の一実施形態では、前記金属薄膜抵抗体がTaNまたはSiCrからなる(請求項)。
この発明の一実施形態では、前記第1エッチングストッパ膜および前記第2エッチングストッパ膜がTiNからなる(請求項)。
この発明の一実施形態では、前記金属薄膜抵抗体の厚さが2nm以上10nm以下である(請求項)。
【0012】
この発明の一実施形態では、前記第1エッチングストッパ膜および第2エッチングストッパ膜の厚さが10nm以上80nm以下である(請求項)。
この発明の一実施形態では、前記第1層間絶縁膜の下方にある第3層間絶縁膜上に形成された下部電極および前記第1層間絶縁膜上に前記下部電極に対向して形成された上部電極を含むキャパシタをさらに含み、前記上部電極が前記第1および第2エッチングストッパ膜と同じ工程で形成されている(請求項)。
【0013】
この発明による半導体装置の製造方法は、第1層間絶縁膜上に、第1エッチングストッパ膜および第2エッチングストッパ膜を離間させて形成する工程と、前記第1層間絶縁膜上に、第1エッチングストッパ膜と第2エッチングストッパ膜とに跨るように、金属薄膜抵抗体を形成する工程と、前記第1層間絶縁膜上に、前記第1エッチングストッパ膜、前記第2エッチングストッパ膜および前記金属薄膜抵抗体を覆う第2層間絶縁膜を形成する工程と、前記第2層間絶縁膜上に、エッチングにより、前記第2層間絶縁膜の表面から前記金属薄膜抵抗体を貫通して前記第1エッチングストッパ膜に達する第1コンタクトホールと、前記第2層間絶縁膜の表面から前記金属薄膜抵抗体を貫通して前記第2エッチングストッパ膜に達する第2コンタクトホールとを形成することによって、前記金属薄膜抵抗体に、前記第1コンタクトホールが貫通する第1円形状貫通孔と前記第2コンタクトホールが貫通する第2円形状貫通孔とが形成される工程と、前記第1コンタクトホール内に底面および内周面に第1バリアメタル層を形成するとともに前記第2コンタクトホール内に底面および内周面に第2バリアメタル層を形成することにより、前記第1バリアメタル層の底面が前記第1エッチングストッパ膜に接続され、前記第1バリアメタル層の下端部の外周面が前記金属薄膜抵抗体における前記第1円形状貫通孔の内周面の全域に接続され、前記第2コンタクトプラグの底面が前記第2エッチングストッパ膜に接続され、前記第2コンタクトプラグの下端部の外周面が前記金属薄膜抵抗体における前記第2円形状貫通孔の内周面の全域に接続される工程と、前記第1バリアメタル層が内面に形成された前記第1コンタクトホール内に第1金属プラグを埋め込むとともに前記第2バリアメタル層が内面に形成された前記第2コンタクトホール内に第2金属プラグを埋め込む工程とを含み、前記第1エッチングストッパ膜および前記第2エッチングストッパ膜は、導電性を有しかつ前記金属薄膜抵抗体のエッチング速度よりエッチング速度が遅い材料からなる(請求項10)。
【0014】
この方法により、この発明による半導体装置を製造できる。また、この方法では、発明が解決しようとする課題において説明した従来の半導体装置の製造方法に比べて、工程数が少なくて済むので、製造時間を短縮できる。また、前記従来の半導体装置の製造方法では、前述したようにマスクが必要な工程が4工程であるのに対し、本願発明による製造方法では、マスクが必要な工程が、第1および第2エッチングストッパ膜を形成する工程と、金属薄膜抵抗体を形成する工程と、第1および第2コンタクトホールを形成する工程の3工程となるため、マスク作成費用を低減できる。
【0015】
この発明の一実施形態では、前記第1バリアメタル層の底面は、前記第1エッチングストッパ膜の上面に面接触しており、前記第2バリアメタル層の底面は、前記第2エッチングストッパ膜の上面に面接触している(請求項11)。
この発明の一実施形態では、前記金属薄膜抵抗体がTaNまたはSiCrからなり、前記第1エッチングストッパ膜および前記第2エッチングストッパ膜がTiNからなる(請求項12)。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1A図1Aは、この発明の第1実施形態に係る半導体装置を示す図解的な平面図である。
図1B図1Bは、図1AのIB-IB線に沿う断面図である。
図2A図2Aは、図1Aおよび図1Bに示す半導体装置1の製造工程の一例を説明するための断面図である。
図2B図2Bは、図2Aの次の工程を示す断面図である。
図2C図2Cは、図2Bの次の工程を示す断面図である。
図2D図2Dは、図2Cの次の工程を示す断面図である。
図2E図2Eは、図2Dの次の工程を示す断面図である。
図2F図2Fは、図2Eの次の工程を示す断面図である。
図3A図3Aは、この発明の第2実施形態に係る半導体装置を示す図解的な平面図である。
図3B図3Bは、図3AのIIIB-IIIB線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1Aは、この発明の第1実施形態に係る半導体装置1を示す図解的な平面図である。図1Bは、図1AのIB-IB線に沿う断面図である。図1Aには、半導体装置1に含まれる抵抗素子のみが図示され、それ以外の部分の図示は省略されている。
半導体装置1は、半導体基板2と、半導体基板2上に形成された複数の層間絶縁膜5〜7とを含む。半導体基板2は、たとえば、その表面3に能動素子や受動素子等の半導体素子4が作り込まれたシリコン基板からなる。
【0018】
複数の層間絶縁膜5〜7は、この実施形態では、半導体基板2の表面から順に、第1層間絶縁膜5、本発明の第3層間絶縁膜の一例としての第2層間絶縁膜6、第3層間絶縁膜7を含む。第3層間絶縁膜7は、本発明の第1層間絶縁膜の一例としての下側層間絶縁膜8と、本発明の第2層間絶縁膜の一例としての上側層間絶縁膜9とから構成されている。層間絶縁膜5〜7は、たとえば、SiOからなる。
【0019】
第1層間絶縁膜5上には第1配線層10が形成され、第2層間絶縁膜6上には第2配線層11が形成されている。第1配線層10は第2層間絶縁膜6によって被覆され、第2配線層11は第3層間絶縁膜7の下側層間絶縁膜8によって被覆されている。配線層10,11は、たとえば、Alからなる。
第3層間絶縁膜7内に、抵抗素子20とキャパシタ40とが形成されている。抵抗素子20は、第3層間絶縁膜7の下側層間絶縁膜8上に所定の一方向に間隔をおいて形成された第1および第2の導電性のエッチングストッパ膜21,22と、下側層間絶縁膜8上に両エッチングストッパ膜21,22に跨るように形成された金属薄膜抵抗体23とを含む。
【0020】
上側層間絶縁膜9における第1エッチングストッパ膜21の真上位置に、上側層間絶縁膜9の表面から金属薄膜抵抗体23を貫通して第1エッチングストッパ膜21に達する第1コンタクトホール27が形成されている。また、上側層間絶縁膜9における第2エッチングストッパ膜22の真上位置に、上側層間絶縁膜9の表面から金属薄膜抵抗体23を貫通して第2エッチングストッパ膜22に達する第2コンタクトホール28が形成されている。
【0021】
各エッチングストッパ膜21,22は、平面視で正方形状であり、前記所定の一方向に平行な2つの辺と、それに直交する2つの辺とを有している。各エッチングストッパ膜21,22は、4つの側面と上面とを有している。上面は、下側層間絶縁膜8の表面とほぼ平行な平坦状である。第1および第2コンタクトホール27,28の下端は、それぞれ第1および第2エッチングストッパ膜21,22の上面の中央部に接続されている。各エッチングストッパ膜21,22は、導電性が高くかつ金属薄膜抵抗体23のエッチング速度よりエッチング速度が遅い材料からなる。この実施形態では、各エッチングストッパ膜21,22は、TiNからなる。各エッチングストッパ膜21,22の厚さは、10nm以上80nm以下が好ましい。この実施形態では、各エッチングストッパ膜21,22の厚さは、80nmである。
【0022】
金属薄膜抵抗体23は、第1エッチングストッパ膜21を覆う平面視正方形状の第1部分24と、第2エッチングストッパ膜22を覆う平面視正方形状の第2部分25と、第1部分24と第2部分25とを接続する平面視で前記所定の一方向に長い矩形状の第3部分26とからなる。
第1部分24は、平面視において、第1エッチングストッパ膜21の4辺とそれぞれ平行な4辺を有している。第1部分24は、第1エッチングストッパ膜21の外表面(上面および側面)における第1コンタクトホール27との接続部を除いた全域を覆うとともに、下側層間絶縁膜8の表面における第1エッチングストッパ膜21の周囲領域を覆っている。つまり、第1部分24は、第1エッチングストッパ膜21の上面に形成された部分と、第1エッチングストッパ膜21の側面に形成された部分と、下側層間絶縁膜8の表面における第1エッチングストッパ膜21の周囲領域上にフランジ状に形成された部分とを含む。
【0023】
第2部分25は、平面視において、第2エッチングストッパ膜22の4辺とそれぞれ平行な4辺を有している。第2部分25の前記所定の一方向に直交する方向に平行な2つの辺のうち第1部分24側の辺と、第1部分24の前記所定の一方向に直交する方向に平行な2つの辺のうち第2部分25側の辺とは、対向している。第2部分25は、第2エッチングストッパ膜22の外表面(上面および側面)における第2コンタクトホール28との接続部を除いた全域を覆うとともに、下側層間絶縁膜8の表面における第2エッチングストッパ膜22の周囲領域を覆っている。つまり、第2部分25は、第2エッチングストッパ膜22の上面に形成された部分と、第2エッチングストッパ膜22の側面に形成された部分と、下側層間絶縁膜8の表面における第2エッチングストッパ膜22の周囲領域にフランジ状に形成された部分とを含む。
【0024】
第3部分26は、下側層間絶縁膜8上に形成されている。第3部分26は、平面視において、その一端が第1エッチングストッパ膜21における第2エッチングストッパ膜22に対向する辺の幅中央部に接続され、他端が第2エッチングストッパ膜22における第2エッチングストッパ膜21に対向する辺の幅中央部に接続されている。また、第3部分26は、第1部分24および第2部分25よりも狭い幅で形成されている。これにより、金属薄膜抵抗体23は、平面視で全体として両端の第1部分24および第2部分25に対して、中央の第3部分26が括れた形状に形成されている。
【0025】
金属薄膜抵抗体23は、TaNからなる。金属薄膜抵抗体23の厚さは、2nm以上10nm以下が好ましい。金属薄膜抵抗体23の厚さを変化させることにより、抵抗素子20の抵抗値を制御することができる。この実施形態では、金属薄膜抵抗体23の厚さは、5nmである。金属薄膜抵抗体23の材質は、SiCrであってもよい。
第1コンタクトホール27内には、第1エッチングストッパ膜21に接続される第1コンタクトプラグ29が形成されている。第1コンタクトプラグ29は、第1コンタクトホール27の内面(底面および内周面)に形成されたバリアメタル膜30と、バリアメタル膜30に包囲された状態で第1コンタクトホール27に埋め込まれた金属プラグ31からなる。第2コンタクトホール28内には、第2エッチングストッパ膜22に接続される第2コンタクトプラグ32が形成されている。第2コンタクトプラグ32は、第2コンタクトホール28の内面(底面および内周面)に形成されたバリアメタル膜33と、バリアメタル膜33に包囲された状態で第2コンタクトホール28に埋め込まれた金属プラグ34とからなる。バリアメタル膜30,33は、たとえばTiNからなる。金属プラグ31,34は、たとえばタングステン(W)からなる。
【0026】
第3層間絶縁膜7上には、第1コンタクトプラグ29に接続された配線35および第2コンタクトプラグ32に接続された配線36が形成されている。なお、各配線35,36は、第3層間絶縁膜7上に形成されたパッシベーション膜(図示略)で覆われており、その一部がたとえばパットとして露出していてもよいし、被覆されたままであってもよい。
キャパシタ40は、第2層間絶縁膜6上に形成された下部電極41と、第3層間絶縁膜7の下側層間絶縁膜8上に、下部電極41に対向するように形成された上部電極42と、下部電極41と上部電極42との間に存在する絶縁膜(下側層間絶縁膜8)とを含む。
【0027】
下部電極41は、第2配線層11と同じ材料のAlからなり、第2配線層11と同じ工程で形成される。上部電極42は、エッチングストッパ膜21,22と同じ材料のTiNからなり、エッチングストッパ膜21,22と同じ工程で形成される。
上側層間絶縁膜9には、上部電極42の真上の領域に、上側層間絶縁膜9の表面から上部電極42の上面中央部に達する第3コンタクトホール43が形成されている。第3コンタクトホール43内には、上部電極42に接続される第3コンタクトプラグ44が形成されている。第3コンタクトプラグ44は、第3コンタクトホール43の内面に形成されたバリアメタル膜45と、バリアメタル膜45に包囲された状態でコンタクトホール43に埋め込まれた金属プラグ46からなる。バリアメタル膜45は、たとえばTiNからなる。金属プラグ46は、たとえばタングステン(W)からなる。第3層間絶縁膜7上には、第3コンタクトプラグ44に接続された配線37が形成されている。
【0028】
図2A図2Fは、図1Aおよび図1Bに示す半導体装置1の製造工程の一例を説明するための断面図である。図2A図2Fでは、半導体基板2、第1層間絶縁膜5および第2層間絶縁膜6の一部の図示を省略してある。
半導体装置1を製造するには、半導体基板2の表面3に半導体素子4を作り込んだ後、半導体基板2上に第1層間絶縁膜5を形成する。次に、半導体素子4に接続されるビア(図示略)を第1層間絶縁膜5に形成する。次に、第1層間絶縁膜5上に第1配線層10を形成する。
【0029】
次に、図2Aに示すように、第1配線層10を被覆するように、第1層間絶縁膜5上に第2層間絶縁膜6を形成する。次に、第1配線層10に接続されるビア(図示略)を第2層間絶縁膜6に形成する。次に、第2層間絶縁膜6上に第2配線層11およびキャパシタ40の下部電極41を形成した後に、第2配線層11および下部電極41を被覆するように、第2層間絶縁膜6上に下側層間絶縁膜8を形成する。第2配線層11と下部電極41とは、同じ工程で形成される。
【0030】
次に、図2Aに示すように、下側層間絶縁膜8上に、たとえば、スパッタ法によって、TiN層を形成する。そして、TiN層上に、第1エッチングストッパ膜21、第2エッチングストッパ膜22および上部電極42を形成すべき領域にレジスト膜を形成する。このレジスト膜を介してTiN層をエッチングすることにより、第1エッチングストッパ膜21、第2エッチングストッパ膜22および上部電極42を形成する。
【0031】
次に、図2Bに示すように、下側層間絶縁膜8上に、たとえば、スパッタ法によって、第1エッチングストッパ膜21、第2エッチングストッパ膜22および上部電極42を覆うようにTaN層51を形成する。そして、図2Cに示すように、TaN層51上に、金属薄膜抵抗体23を形成すべき領域にレジスト膜を形成し、このレジスト膜を介してTaN層をエッチングすることにより、金属薄膜抵抗体23を形成する。
【0032】
次に、図2Dに示すように、下側層間絶縁膜8上に、CVD(Chemical Vapor Deposition)法によって、上側層間絶縁膜9を形成する。そして、上側層間絶縁膜9上に、第1コンタクトホール27、第2コンタクトホール28および第3コンタクトホール43を形成すべき領域を除いた領域にレジスト膜を形成する。このレジスト膜を介して上側層間絶縁膜9をエッチングすることにより、第1コンタクトホール27、第2コンタクトホール28および第3コンタクトホール43を形成する。第1コンタクトホール27の下端部は、金属薄膜抵抗体23を貫通して第1エッチングストッパ膜21に達している。第2コンタクトホール28の下端部は、金属薄膜抵抗体23を貫通して第2エッチングストッパ膜22に達している。第3コンタクトホール43の下端部は、上部電極42に達している。
【0033】
次に、図2Eに示すように、第1〜第3コンタクトホール27,28,43の内面に、たとえば、スパッタ法によって、Tiからなるバリアメタル膜30,33,45を形成する。そして、内面にバリアメタル膜30,33,45が形成された第1〜第3コンタクトホール27,28,43内に、たとえば、CVD法によって、タングステン(W)からなる金属プラグ31,34,46を埋め込む。これにより、第1〜第3コンタクトホール27,28,43内に、第1〜第3コンタクトプラグ29,32,44が形成される。
【0034】
次に、図2Fに示すように、上側層間絶縁膜9上に、第1〜第3コンタクトプラグ29,32,44に接続された配線35,36,37を形成する。これにより、図1Aおよび図1Bに示す半導体装置1が得られる。
前記実施形態に係る半導体装置1では、金属薄膜抵抗体23における第1および第2コンタクトホール27,28が形成される部分と下側層間絶縁膜8との間には、第1および第2エッチングストッパ膜21,22が介在している。このため、上側層間絶縁膜9に、上側層間絶縁膜9の表面から金属薄膜抵抗体23を貫通して第1および第2エッチングストッパ膜21,22に達する第1および第2コンタクトホール27,28を形成する際、コンタクトホール27,28が下側層間絶縁膜8に達するのを防止できる。これにより、金属薄膜抵抗体23の下方にある配線に、金属薄膜抵抗体23が接続されるのを防止できる。
【0035】
また、前記実施形態に係る半導体装置1では、発明が解決しようとする課題において説明した従来の半導体装置(以下、比較例という)に比べて、製造時間の短縮化およびマスク作成費用の低廉化が図れる。この点について説明する。
比較例では、抵抗素子およびコンタクトホールの形成には、前述したように、(a1)金属薄膜抵抗体の材料層(薄膜抵抗層)の形成、(a2)第1絶縁層形成、(a3)浅いコンタクトホール形成、(a4)エッチングストッパ膜の材料層(導電体層)の形成、(a5)金属薄膜抵抗体の材料層のパターニング、(a6)エッチングストッパ膜の材料層の分離、(a7)第2絶縁層および深いコンタクトホール形成の7工程が必要である。
【0036】
これに対して、前記実施形態に係る半導体装置1では、(b1)エッチングストッパ膜の材料層の形成(図2A参照)、(b2)エッチングストッパ膜の材料層のパターニング(図2A参照)(b3)、金属薄膜抵抗の材料層の形成(図2B参照)、(b4)金属薄膜抵抗の材料層のパターニング(図2C参照)、(b5)上側層間絶縁膜およびコンタクトホール形成(図2D参照)の5工程で済む。したがって、前記実施形態に係る半導体装置1では、比較例に比べて製造時間を短縮できる。
【0037】
また、比較例では、前記(a3)、(a5)、(a6)および(a7)の4工程においてマスクが必要である。これに対して、前記実施形態に係る半導体装置1では、マスクが必要な工程は、前記(b2)、(b4)および(b5)の3工程となるため、比較例に比べてマスク作成費を低減できる。
また、比較例では、第1絶縁膜に、第1絶縁膜の表面から薄膜抵抗層の表面に達する2つの浅いコンタクトホールを離間して形成する工程(前記(a3)の工程)において、薄膜抵抗層の表面はエッチングダメージを受けやすい。このため、金属薄膜抵抗体とエッチングストッパ膜との界面での接合状態が良くない。これに対して、前記実施形態に係る半導体装置1では、金属薄膜抵抗体との接触面積が大きいエッチングストッパ膜の側面はエッチングダメージが少なく滑らかとなるため、金属薄膜抵抗体とエッチングストッパ膜との界面での接合状態が良好となる。
【0038】
図3Aは、この発明の第2実施形態に係る半導体装置1Aを示す図解的な平面図である。図3Bは、図3AのIIIB-IIIB線に沿う断面図である。図3Aには、半導体装置1Aに含まれる抵抗素子のみが図示され、それ以外の部分の図示は省略されている。図3Aおよび図3Bにおいて、図1Aおよび図1Bに対応する各部には、同じ符号を付して示す。
半導体装置1Aは、半導体基板2と、半導体基板2上に形成された複数の層間絶縁膜5〜7とを含む。半導体基板2は、たとえば、その表面3に能動素子や受動素子等の半導体素子4が作り込まれたシリコン基板からなる。
【0039】
複数の層間絶縁膜5〜7は、この実施形態では、半導体基板2の表面3から順に、第1層間絶縁膜5、本発明の第1層間絶縁膜の一例としての第2層間絶縁膜6および本発明の第2層間絶縁膜の一例としての第3層間絶縁膜7とを含む。第1層間絶縁膜5上には第1配線層10が形成され、第2層間絶縁膜6上には第2配線層11が形成されている。第1配線層10は第2層間絶縁膜6によって被覆され、第2配線層11は第3層間絶縁膜7によって被覆されている。配線層10,11は、Alからなる。
【0040】
第3層間絶縁膜7内に、抵抗素子20Aとキャパシタ40Aとが形成されている。抵抗素子20Aは、第2層間絶縁膜6上に所定の一方向に間隔をおいて形成された第1および第2の導電性のエッチングストッパ膜21A,22Aと、第2層間絶縁膜6上に両エッチングストッパ膜21A,22Aに跨るように形成された金属薄膜抵抗体23Aとを含む。
第3層間絶縁膜7における第1エッチングストッパ膜21Aの真上位置に、第3層間絶縁膜7の表面から金属薄膜抵抗体23Aを貫通して第1エッチングストッパ膜21Aに達する第1コンタクトホール27Aが形成されている。また、第3層間絶縁膜7における第2エッチングストッパ膜22Aの真上位置に、第3層間絶縁膜7の表面から金属薄膜抵抗体23Aを貫通して第2エッチングストッパ膜22Aに達する第2コンタクトホール28Aが形成されている。
【0041】
各エッチングストッパ膜21A,22Aは、平面視で正方形状であり、前記所定の一方向に平行な2つの辺と、それに直交する2つの辺とを有している。各エッチングストッパ膜21A,22Aは、4つの側面と上面とを有している。上面は、第2層間絶縁膜6の表面とほぼ平行な平坦状である。第1および第2コンタクトホール27A,28Aの下端は、それぞれ第1および第2エッチングストッパ膜21A,22Aの上面の中央部に接続されている。各エッチングストッパ膜21A,22Aは、導電性が高くかつ金属薄膜抵抗体23Aのエッチング速度よりエッチング速度が遅い材料からなる。この実施形態では、各エッチングストッパ膜21A,22Aは、第2配線層11と同じ材料のAlからなり、第2配線層11と同じ工程で形成される。各エッチングストッパ膜21A,22Aの厚さは、300nm以上350nm以下が好ましい。この実施形態では、各エッチングストッパ膜21A,22Aの厚さは、320nmである。
【0042】
金属薄膜抵抗体23Aは、第1エッチングストッパ膜21Aを覆う平面視正方形状の第1部分24Aと、第2エッチングストッパ膜22Aを覆う平面視正方形状の第2部分25Aと、第1部分24Aと第2部分25Aとを接続する平面視で前記所定の一方向に長い矩形状の第3部分26Aとからなる。
第1部分24Aは、平面視において、第1エッチングストッパ膜21Aの4辺とそれぞれ平行な4辺を有している。第1部分24Aは、第1エッチングストッパ膜21Aの外表面(上面および側面)における第1コンタクトホール27Aとの接続部を除いた全域を覆うとともに、第2層間絶縁膜6の表面における第1エッチングストッパ膜21Aの周囲領域を覆っている。つまり、第1部分24Aは、第1エッチングストッパ膜21Aの上面に形成された部分と、第1エッチングストッパ膜21Aの側面に形成された部分と、第2層間絶縁膜6の表面における第1エッチングストッパ膜21Aの周囲領域上にフランジ状に形成された部分とを含む。
【0043】
第2部分25Aは、平面視において、第2エッチングストッパ膜22Aの4辺とそれぞれ平行な4辺を有している。第2部分25Aの前記所定の一方向に直交する方向に平行な2つの辺のうち第1部分24A側の辺と、第1部分24Aの前記所定の一方向に直交する方向に平行な2つの辺のうち第2部分25A側の辺とは、対向している。第2部分25Aは、第2エッチングストッパ膜22Aの外表面(上面および側面)における第2コンタクトホール28Aとの接続部を除いた全域を覆うとともに、第2層間絶縁膜6の表面における第2エッチングストッパ膜22Aの周囲領域を覆っている。つまり、第2部分25Aは、第2エッチングストッパ膜22Aの上面に形成された部分と、第2エッチングストッパ膜22Aの側面に形成された部分と、第2層間絶縁膜6の表面における第2エッチングストッパ膜22Aの周囲領域にフランジ状に形成された部分とを含む。
【0044】
第3部分26Aは、第2層間絶縁膜6上に形成されている。第3部分26Aは、平面視において、その一端が第1エッチングストッパ膜21Aにおける第2エッチングストッパ膜22Aに対向する辺の幅中央部に接続され、他端が第2エッチングストッパ膜22Aにおける第2エッチングストッパ膜21Aに対向する辺の幅中央部に接続されている。また、第3部分26Aは、第1部分24Aおよび第2部分25Aよりも狭い幅で形成されている。これにより、金属薄膜抵抗体23Aは、平面視で全体として両端の第1部分24Aおよび第2部分25Aに対して、中央の第3部分26Aが括れた形状に形成されている。
【0045】
金属薄膜抵抗体23Aは、TaNからなる。金属薄膜抵抗体23Aの厚さは、2nm以上10nm以下が好ましい。この実施形態では、金属薄膜抵抗体23Aの厚さは、5nmである。金属薄膜抵抗体23Aの材質は、SiCrであってもよい。
第1コンタクトホール27A内には、第1エッチングストッパ膜21Aに接続される第1コンタクトプラグ29Aが形成されている。第1コンタクトプラグ29Aは、第1コンタクトホール27Aの内面(底面および内周面)に形成されたバリアメタル膜30Aと、バリアメタル膜30Aに包囲された状態で第1コンタクトホール27Aに埋め込まれた金属プラグ31Aからなる。第2コンタクトホール28A内には、第2エッチングストッパ膜22Aに接続される第2コンタクトプラグ32Aが形成されている。第2コンタクトプラグ32Aは、第2コンタクトホール28Aの内面(底面および内周面)に形成されたバリアメタル膜33Aと、バリアメタル膜33Aに包囲された状態で第2コンタクトホール28Aに埋め込まれた金属プラグ34Aとからなる。バリアメタル膜30A,33Aは、たとえばTiNからなる。金属プラグ31A,34Aは、たとえばタングステン(W)からなる。
【0046】
第3層間絶縁膜7上には、第1コンタクトプラグ29Aに接続された配線35および第2コンタクトプラグ32Aに接続された配線36が形成されている。
キャパシタ40Aは、第2層間絶縁膜6上に形成された下部電極41Aと、下部電極41A上に形成された絶縁膜48と、絶縁膜48上に形成された上部電極42Aとを含む。下部電極41Aは、第2配線層11と同じ材料のAlからなり、第2配線層11と同じ工程で形成される。絶縁膜48は、SiOからなる。上部電極42Aは、Alからなる。
【0047】
第3層間絶縁膜7には、上部電極42Aの真上の領域に、第3層間絶縁膜7の表面から上部電極42の上面中央部に達する第3コンタクトホール43Aが形成されている。第3コンタクトホール43A内には、上部電極42Aに接続される第3コンタクトプラグ44Aが形成されている。第3コンタクトプラグ44Aは、第3コンタクトホール43Aの内面に形成されたバリアメタル膜45Aと、バリアメタル膜45Aに包囲された状態でコンタクトホール43Aに埋め込まれた金属プラグ46Aからなる。バリアメタル膜45Aは、たとえばTiNからなる。金属プラグ46Aは、たとえばタングステン(W)からなる。第3層間絶縁膜7上には、第3コンタクトプラグ44Aに接続された配線37が形成されている。
【0048】
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の第1実施形態では、金属薄膜抵抗体23の第1部分24および第2部分25は、それぞれ第1および第2エッチングストッパ膜21,22の外表面におけるコンタクトホール27,28との接続部を除いた全域を覆っている。しかし、金属薄膜抵抗体23の第1部分24および第2部分25は、第1および第2エッチングストッパ膜21,22の上面の互いに対向する辺からコンタクトホール27,28が形成される部分の外方端までの領域(ただし、コンタクトホール27,28との接続部を除く)覆っていればよい。たとえば、金属薄膜抵抗体23の第1部分24におけるコンタクトホール27より外側の部分(図1の鎖線L1より外側の部分)および金属薄膜抵抗体23の第2部分25におけるコンタクトホール28より外側の部分(図1の鎖線L2より外側の部分)は、なくてもよい。第2実施形態においても同様である。ただし金属薄膜抵抗体23とエッチングストッパ膜21,22との接触面積を大きくするためには、第1実施形態のように、金属薄膜抵抗体23の第1部分24および第2部分25は、それぞれ第1および第2エッチングストッパ膜21,22の外表面のほぼ全域を覆っていることが好ましい。
【0049】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0050】
1,1A 半導体装置
2 半導体基板
5〜7 層間絶縁膜
8 下側層間絶縁膜
9 上側層間絶縁膜
20 抵抗素子
21,21A 第1エッチングストッパ膜
22,22A 第2エッチングストッパ膜
23,23A 金属薄膜抵抗体
27,27A 第1コンタクトホール
28,28A 第2コンタクトホール
29,29A 第1コンタクトプラグ
32,32A 第2コンタクトプラグ
40 キャパシタ
41 下部電極
42 上部電極
図1A
図1B
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図2F
図3A
図3B